説明

ヘアトリートメント組成物

少なくとも1種の二糖と組み合わせて、少なくとも1種のラクトンを含む、ヘアトリートメント組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアトリートメント組成物に関する。
【0002】
種々の有機分子およびそれらの組合せが、乾燥し、ダメージを受けたおよび/または扱いにくい毛髪のトリートメントにおいて使用する目的に示唆されてきた。
【背景技術】
【0003】
国際公開第2004054526号には、ダメージを受けた毛髪のケアおよび修復の目的ならびに毛髪の扱いやすさを改善する目的のための、二糖(特に、トレハロース)を含むヘアトリートメント組成物が記述されている。
【0004】
国際公開第2004054525号には、ダメージを受けた毛髪のケアおよび修復の目的ならびに毛髪の扱いやすさを改善する目的のための、二糖(特にトレハロース)およびジオール(特に3−メチル−1,3−ブタンジオール)を含むヘアトリートメント組成物が記述されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2004054526号
【特許文献2】国際公開第2004054525号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、ラクトンおよび二糖を含むヘアトリートメント組成物は、毛髪のトリートメントにおいて、有効性を改善されたことを示すことを発見した。
【0007】
本発明は、請求項1に記載のヘアトリートメント組成物を提供する。
【0008】
本発明は、また、乾燥し、ダメージを受けたおよび/または扱いにくい毛髪、特にダメージを受けた毛髪のトリートメントにおける、上記組成物の使用も提供する。
【0009】
本発明の組成物は、少なくとも1種のラクトンを含む。適切なラクトンの例としては、以下が挙げられる:
(a)アルドン酸ラクトン
アルドン酸は、アルドースのアルデヒド基をカルボン酸基に酸化することにより生じるポリヒドロキシ酸であり、その酸は、以下の一般式で表すことができる:
R(CHOH)CH(OH)COOH
(式中、Rは、Hまたはアルキル基(一般には、H)であり、nは、1から6の整数である。)。
【0010】
アルドン酸は、カルボキシル基と1つのヒドロキシル基との間から水1モルを除去することにより、分子内ラクトンを形成する。
【0011】
以下は、代表的なアルドン酸ラクトンである:
2,3−ジヒドロキシプロパン酸ラクトン(グリセリン酸ラクトン);
2,3,4−トリヒドロキシブタン酸ラクトン(立体異性体:エリスロノラクトン、トレオノラクトン);
2,3,4,5−テトラヒドロキシペンタン酸ラクトン(立体異性体:リボノラクトン、アラビノラクトン、キシロノラクトン、リキソノラクトン);
2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキサン酸ラクトン(立体異性体:アロノラクトン、アルトロノラクトン、グルコノラクトン、マンノラクトン、グロノラクトン、イドノラクトン、ガラクトノラクトン、タロノラクトン)および
2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロキシヘプタン酸ラクトン(立体異性体:アロヘプトノラクトン、アルトロヘプトノラクトン、グルコヘプトノラクトン、マンノヘプトノラクトン、グロヘプトノラクトン、イドヘプトノラクトン、ガラクトヘプトノラクトン、タロヘプトノラクトン)。
【0012】
(b)アルダル酸ラクトン
アルダル酸は、両末端の炭素原子をカルボキシル基に酸化することにより、アルドースから誘導されるポリヒドロキシジカルボン酸であり、その酸は、以下の一般式で表すことができる:
HOOC(CHOH)CH(OH)COOH
(式中、nは、1から4の整数である。)。
【0013】
アルダル酸は、1つのカルボキシル基と1つのヒドロキシル基との間から水1モルを除去することにより、分子内ラクトンを形成する。
【0014】
以下は、代表的なアルダル酸ラクトンである:
2,3−ジヒドロキシブタン−1,4−二酸ラクトン
2,3,4−トリヒドロキシペンタン−1,5−二酸ラクトン(立体異性体:リバロラクトン、アラバロラクトン、キシラロラクトン、リキサロラクトン);
2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン−1,6−二酸ラクトン(アラロラクトン、アルトラロラクトン、グルカロラクトン、マンナロラクトン、グルカル酸およびグラロラクトン、イダロラクトン、ガラクタロラクトン、タラロラクトン);
2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘプタン−1,7−二酸ラクトン(立体異性体:アロヘプタロラクトン、アルトロヘプタロラクトン、グルコヘプタロラクトン、マンノヘプタロラクトン、グロヘプタロラクトン、イドヘプタロラクトン、ガラクトヘプタロラクトン、タロヘプタロラクトン)。
【0015】
(c)アルドウロン酸
アルドウロン酸は、アルドースのアルコール基をカルボン酸基に酸化することにより生じるポリヒドロキシ酸であり、以下の一般式で表すことができる:
HOOC(CHOH)CH(OH)CHO
(式中、nは、1から4の整数である。)。
【0016】
多くのアルドウロン酸は、カルボキシル基と1つのヒドロキシル基との間から水1モルを除去することにより、分子内ラクトンを形成する。
【0017】
以下は、代表的なアルドウロン酸ラクトンである:
リブロノラクトン、アラブロノラクトン、キシルロノラクトン(xyluronolactone)、リキスロノラクトン(lyxuronolactone)、アルロノラクトン(alluronolactone)、アルトルロノラクトン(altruronolactone)、グルクロノラクトン(glucuronolactone)、マンヌロノラクトン(mannuronolactone)、グルロノラクトン(guluronolactone)、イズロノラクトン(iduronolactone)、ガラクツロノラクトン(galacturonolactone)、タルロノラクトン(taluronolactone)、アロヘプツロノラクトン(allohepturonolactone)、アルトロヘプツロノラクトン(altrohepturonolactone)、グルコヘプツロノラクトン(glucohepturonolactone)、マンノヘプツロノラクトン(mannohepturonolactone)、グロヘプツラノラクトン(gulohepturonolactone)、イドヘプツロノラクトン(idohepturonolactone)、ガラクトヘプツロノラクトン(galactohepturonolactone)およびタロヘプツロノラクトン(talohepturonolactone)。
【0018】
(d)アルドビオン酸
アルドビオン酸は、ビオン酸としても知られ、一般に、エーテル結合を介してアルドン酸に化学結合された単糖を1つ含む。アルドビオン酸は、ラクトースから生じるラクトビオン酸のように、二糖または炭水化物ダイマーの酸化形態として描写することもできる。
【0019】
ほとんどのアルドビオン酸において、単糖の1位にある炭素は、アルドン酸の異なる位置にあるヒドロキシル基に化学結合されている。したがって、2つのそれぞれ同一の単糖およびアルドン酸から異なるアルドビオン酸または立体異性体を形成することができる。
【0020】
上記の酸(a)から(c)と同様、アルドビオン酸においても、炭素鎖に結合した複数のヒドロキシル基を有する。
【0021】
アルドビオン酸は、以下の一般式により表すことができる:
H(CHOH)(CHOR)(CHOH)COOH
(式中、mおよびnは、0から7の独立した整数であり、Rは、単糖である。)。
【0022】
アルドビオン酸は、カルボキシル基と1つのヒドロキシル基との間から水1モルを除去することにより、分子内ラクトンを形成することができる。
【0023】
以下は、代表的なアルドビオン酸ラクトンである:
ラクトビオノラクトン(lactobionolactone)およびイソラクトビオノラクトン(isolactobionolactone)、マルトビオノラクトン(maltobionolactone)、イソマルトビオン酸イソマルトビオノラクトン(isomaltobionic acid isomaltobionolactone)、セロビオノラクトン(cellobionolactone)、ゲンチオビオノラクトン(gentiobionolactone)、コウジビオノラクトン(kojibionolactone)、ラミナリビオノラクトン(laminaribionolactone)、メリビオノラクトン(melibionolactone)、ニゲロビオノラクトン(nigerobionolactone)、ルチノビオノラクトン(rutinobionolactone)およびソホロビオノラクトン(sophorobionolactone)。
【0024】
好ましくは、ラクトンはデルタラクトンである。より好ましくは、ラクトンは、グルコノラクトン、ガラクトノラクトン、グルクロノラクトン、ガラクツロノラクトン、グロノラクトン、リボノラクトン、糖酸ラクトン、パントイルラクトン(pantoyllactone)、グルコヘプタノラクトン、マンノノラクトンおよびガラクトヘプトノラクトンから選択される。
【0025】
さらに、上述の炭水化物誘導酸のいずれの混合物も、本発明の組成物において使用することができる。
【0026】
本発明のヘアトリートメント組成物におけるラクトンの総量は、一般に、組成物の総量に対して、0.02から20%、好ましくは、0.05から2%、より好ましくは、0.05から0.8%の範囲である。
【0027】
本発明は、二糖を含み、好ましくは、二糖は五炭糖または六炭糖から成ることが好ましく、2つの六炭糖ユニットから成ることがより好ましい。
【0028】
二糖は、還元糖または非還元糖のいずれかとすることができる。非還元糖が好ましい。
【0029】
D(+)型の二糖が好ましい。トレハロースおよびセロビオースまたはこれらの混合物が特に好ましい。トレハロースが、最も好ましい二糖である。
【0030】
処方物全体に存在する二糖のレベルは、組成物全体の0.001から8重量%、好ましくは、0.005重量%から5重量%、より好ましくは、0.01重量%から3重量%、最も好ましくは、0.05重量%から2重量%である。
【0031】
好ましくは、本発明に従う組成物は、無機塩を含む。
【0032】
1つの好ましい実施形態において、無機塩は、アルカリ金属塩であり、好ましくは、アルカリ金属塩は、硫酸塩であり、より好ましくは、硫酸ナトリウムである。
【0033】
アルカリ金属塩は、組成物全体の0.001重量%以上、好ましくは、0.05重量%以上、最も好ましくは、0.1重量%以上のレベルで存在する。塩の最大レベルは、10重量%未満、好ましくは7重量%未満、より好ましくは、5重量%未満である。
【0034】
これに代わる、2番目の好ましい実施形態において、無機塩はアンモニウムイオンの供与源であり、好ましくは、これは炭酸アンモニウムである。
【0035】
この2番目の好ましい無機塩は、好ましくは、組成物全体の0.01重量%以上、より好ましくは、0.05重量%以上のレベルで存在する。炭酸アンモニウムの最大レベルは、組成物全体に対して、好ましくは、10重量%未満、より好ましくは、5重量%未満、最も好ましくは、1重量%未満である。炭酸アンモニウムのレベルが、組成物全体の0.01から2.0重量%であれば、さらに好ましい。
【0036】
本発明に従うヘアトリートメント組成物は、シャンプー、コンディショナー、スプレー、ムース、ジェル、ワックスまたはローションの形態を適切に取ることができる。
【0037】
特に好ましい製品形態は、シャンプー、洗髪後のコンディショナー(洗い流さないタイプおよび洗い流すタイプ)ならびにヘアオイルおよびローション等のヘアトリートメント製品である。
【0038】
本発明のシャンプー組成物は、一般に水性であり、すなわち、主要成分として、水または水溶液またはリオトロピック液晶相を有する。
【0039】
適切には、シャンプー組成物は、組成物の総量に対して、50から98重量%、好ましくは、60から90重量%の水を含む。
【0040】
本発明に従うシャンプー組成物は、化粧品として許容され、毛髪への局所適用に適切な1つまたは複数のアニオン性洗浄用界面活性剤を一般に含むことになる。
【0041】
適切なアニオン性洗浄用界面活性剤の例としては、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルカリルスルホネート、アルカノイルイセチオネート、アルキルサクシネート、アルキルスルホサクシネート、アルキルエーテルスルホサクシネート、N−アルキルサルコシネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボネートならびにこれらの塩、特に、これらのナトリウム、マグネシウム、アンモニウムならびにモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン塩が挙げられる。アルキル基およびアシル基は、一般に、炭素原子を8から18個、好ましくは10から16個を含み、不飽和であってもよい。アルキルエーテルサルフェート、アルキルエーテルスルホサクシネート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボン酸ならびにこれらの塩は、分子1個につき、酸化エチレンまたは酸化プロピレンユニットを1から20個含むことができる。
【0042】
本発明のシャンプー組成物における使用向けの代表的なアニオン性洗浄用界面活性剤としては、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルエーテルカルボン酸およびN−ラウリルサルコシン酸ナトリウムが挙げられる。
【0043】
好ましいアニオン性洗浄用界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(n)EO、(式中、nは1から3である)、ラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム(n)EO、(式中、nは1から3である)、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム(n)EO、(式中、nは1から3である)、ココイルイセチオン酸ナトリウムおよびラウリルエーテルカルボン酸(n)EO(式中、nは10から20である)である。
【0044】
また、上記のアニオン性洗浄用界面活性剤のいずれの混合物も適切となり得る。
【0045】
本発明のシャンプー組成物におけるアニオン性洗浄用界面活性剤の総量は、一般に、組成物の総量に対して、0.5から45%、好ましくは、1.5から35%、より好ましくは、5から20%の範囲である。
【0046】
場合によって、本発明のシャンプー組成物は、性能および/または消費者の受容性を高めるために、以下に記述する成分をさらに含むこともできる。
【0047】
美的特性、物理特性または洗浄特性を該組成物に付与しやすくするために、該組成物には、共界面活性剤も含有させることができる。
【0048】
共界面活性剤の一例は、非イオン性界面活性剤であり、これは組成物の総量の0.5から8重量%、好ましくは、2から5重量%の量で含有させることができる。
【0049】
例えば、本発明のシャンプー組成物に含有することのできる代表的な非イオン性界面活性剤としては、脂肪族(C−C18)の第1級または第2級直鎖状または分枝鎖状アルコールまたはフェノールとアルキレンオキシド(通常、エチレンオキシド)の縮合生成物であり、一般には、エチレンオキシド基を6から30個有するものが挙げられる。
【0050】
他の代表的な非イオン性界面活性剤には、モノ−またはジ−アルキルアルカノールアミドが挙げられる。例としては、ココモノ−またはジ−エタノールアミドおよびココモノ−イソプロパノールアミドが挙げられる。
【0051】
本発明のシャンプー組成物に含有させることのできる、別の非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド(APG)である。一般に、APGは、1つまたは複数のグリコシル基のブロックに(場合によって架橋基を通じて)結合したアルキル基を含む。好ましいAPGは、以下の式によって定義される:
RO−(G)
(式中、Rは、飽和または不飽和であってもよい分枝状または直鎖状アルキル基であり、Gは、糖質基である。)。
【0052】
Rは、約Cから約C20までの平均アルキル鎖長を表すことができる。好ましくは、Rは、約Cから約C12までの平均アルキル鎖長を表す。最も好ましくは、Rの値は、約9.5から約10.5である。Gは、CまたはCの単糖残基から選択することができ、好ましくは、グルコシドである。Gは、グルコース、キシロース、ラクトース、フルクトース、マンノースおよびこれらの誘導体から選択することができる。好ましくは、Gはグルコースである。
【0053】
重合度、nは、約1から約10またはそれ以上の値を取ることができる。好ましくは、nの値は、約1.1から約2である。最も好ましくは、nの値は、約1.3から約1.5である。
【0054】
本発明での使用に適したアルキルポリグリコシドは、市販されており、例えば、SeppicからのOramix NS10、HenkelからのPlantaren 1200およびPlantaren 2000と識別される材料が挙げられる。
【0055】
本発明の組成物に含有させることのできるその他の糖誘導非イオン性界面活性剤としては、C10−C18 N−アルキル(C−C)ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えば、国際公開第9206154号および米国特許第5194639号明細書に記載されている、C12−C18N−メチルグルコアミド等、ならびにN−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えば、C10−C18N−(3−メトキシプロピル)グルコアミド等が挙げられる。
【0056】
共界面活性剤の好ましい例は、両性または双性イオン性界面活性剤であり、これらは、組成物の総量に対して、0.5から約8重量%、好ましくは1から4重量%の範囲の量で含有させることができる。
【0057】
両性または双性イオン性界面活性剤の例としては、アルキルおよびアシル基が炭素原子を8から19個有する、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン(sultaine))、アルキルグリシネート、アルキルカルボキグリシネート、アルキルアンホアセテート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキスルタイン、アシルタウレートおよびアシルグルタメートが挙げられる。本発明のシャンプーに使用するための代表的な両性または双性イオン性界面活性剤には、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ココアミドプロピルベタインおよびナトリウムココアンホアセテートが含まれる。
【0058】
特に好ましい両性または双性イオン性界面活性剤は、ココアミドプロピルベタインである。
【0059】
また、上記の両性または双性イオン性界面活性剤のいずれの混合物も適切になり得る。好ましい混合物は、ココアミドプロピルベタインと上述したような、別の両性または双性イオン性界面活性剤との混合物である。好ましい、別の両性または双性イオン性界面活性剤は、ココアンホ酢酸ナトリウムである。
【0060】
(任意の共界面活性剤および/または乳化剤も含め)本発明のシャンプー組成物における界面活性剤の総量は、組成物の総量に対して、一般に、1から50%、好ましくは、2から40%、より好ましくは、10から25%である。
【0061】
カチオン性ポリマーは、コンディショニング性能を高めるための、本発明のシャンプー組成物の好ましい成分である。
【0062】
適切なカチオン性ポリマーは、カチオン置換されたホモポリマーとすることまたは2種類以上のモノマーから形成することができる。ポリマーの平均分子量(Mw)は、一般に、100,000から2,000,000ダルトンである。ポリマーは、第4級アンモニウムまたはプロトンを付与されたアミノ基またはこれらの混合物等のカチオン性窒素含有基を有する。ポリマーの分子量が小さ過ぎる場合、コンディショニング効果は低い。分子量が大き過ぎる場合、伸張粘度が高いために、注いだときに組成物が糸を引く問題が発生する可能性がある。
【0063】
カチオン性窒素含有基は、一般に、カチオン性ポリマーの全モノマーユニットの一部に対する置換基として存在する。したがって、ポリマーはホモポリマーでないとき、スペーサー非カチオン性モノマーユニットを含むことができる。このようなポリマーが、CTFA Cosmetic Ingredient Directory、第3版に記述されている。カチオン性モノマーユニット対非カチオン性モノマーユニットの比は、要求される範囲にカチオン性電荷密度、一般には、0.2から3.0meg/gmを有するポリマーを得られるように選択される。ポリマーのカチオン性電荷密度は、窒素測定の化学試験の項で、US Pharmacopoeiaに記載されているKjeldahl法を通じて、適切に測定される。
【0064】
適切なカチオン性ポリマーとしては、例えば、カチオン性アミンまたは第4級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、水溶性スペーサーモノマー、例えば、(メタ)アクリルアミド、アルキルおよびジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクトンおよびビニルピロリジンとのコポリマーが挙げられる。アルキルおよびジアルキル置換モノマーは、好ましくは、C−Cアルキル基、より好ましくは、C−Cアルキル基を有する。他の適切なスペーサーとしては、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびエチレングリコールが挙げられる。
【0065】
カチオン性アミンは、組成物の特定の種類およびpHに応じて、第1級、第2級または第3級アミンとすることができる。一般に、第2級および第3級アミン、特に第3級が好ましい。
【0066】
アミン置換ビニルモノマーおよびアミンは、アミンの形に重合化した後、4級化により、アンモニウムに変換することができる。
【0067】
カチオン性ポリマーは、アミンおよび/または第4級アンモニウム置換モノマーおよび/または相容性のスペーサーモノマーから誘導されるモノマーユニットの混合物を含むことができる。
【0068】
適切なカチオン性ポリマーの例としては、以下が挙げられる:
−カチオン性ジアリル第4級アンモニウム含有ポリマー、例えば、業界(CTFA)で、それぞれPolyquaternium 6およびPolyquaternium 7と呼ばれている、塩化ジメチルジアリルアンモニウムホモポリマーおよびアクリルアミドと塩化ジメチルジアリルアンモニウとのコポリマーも含む。
【0069】
−炭素原子を3から5個有する不飽和カルボン酸のホモポリマーおよびコポリマーのアミノアルキルエステルの鉱酸塩(米国特許第4009256号明細書に記載)。
【0070】
−カチオン性ポリアクリルアミド(国際公開第95/22311号に記載)。
【0071】
使用できるその他のカチオン性ポリマーとしては、カチオン性多糖ポリマー、例えば、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性澱粉誘導体およびカチオン性グアーガム誘導体が挙げられる。
【0072】
本発明の組成物で使用するのに適したカチオン性多糖ポリマーとしては、以下の式のモノマーが挙げられる:
A−O−[R−N(R)(R)(R)X
(式中、Aは、無水グルコース(anhydroglucose)残基、例えば、澱粉またはセルロースの無水グルコース残基等である。Rは、アルキレン、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレンもしくはヒドロキシアルキレン基またはこれらの組合せである。R、RおよびRは、独立に、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキルまたはアルコキシアリール基を表し、各々の基は、最大18個までの炭素原子を含む。各カチオン性部分の炭素原子の合計数(すなわち、R、RおよびRの炭素原子の合計)は、好ましくは、約20以下であり、Xは、アニオン性対イオンである。)。
【0073】
もう1つの種類のカチオン性セルロースとしては、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー第4級アンモニウム塩が挙げられ、これは業界(CTFA)でPolyquaternium 24と呼ばれている。これらの材料は、例えば、Polymer LM−200の商標で、Amerchol社から販売されている。
【0074】
その他の適切なカチオン性多糖ポリマーとしては、第4級窒素含有セルロースエステル(例えば、米国特許第3962418号明細書に記載のもの)およびエーテル化セルロースと澱粉とのコポリマー(例えば、米国特許第3958581号明細書に記載のもの)が挙げられる。
【0075】
使用することのできるカチオン性多糖ポリマーの特に適した種類は、グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(Rhodiaから、JAGUAR商標シリーズとして市販されている)等のカチオン性グアーガム誘導体である。このような材料の例としては、JAGUAR C13S、JAGUAR C14、JAGUAR C15およびJAGUAR C17が挙げられる。
【0076】
上記のカチオン性ポリマーのいずれの混合物も使用することができる。
【0077】
カチオン性ポリマーは、総量で、一般に、本発明のシャンプー組成物に、組成物の総量に対して、0.01から5重量%、好ましくは、0.05から1重量%、より好ましくは、0.08から0.5重量%のレベルで存在する。
【0078】
好ましくは、本発明の水性シャンプー組成物は、懸濁化剤もさらに含む。適切な懸濁化剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、疎水性モノマーとアクリル酸とのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとのコポリマー、アクリル酸とアクリル酸塩エステルとの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび結晶性長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は、ステアリン酸エチレングリコール、炭素原子を16から22個有する脂肪酸アルカノールアミドおよびこれらの混合物から選択されることが望ましい。ジステアリン酸エチレングリコールおよびジステアリン酸ポリエチレングリコール−3は、組成物に真珠のような光沢(pearlescence)を付与するため、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488またはCarbopol 493として市販されている。また、多官能性薬剤と架橋したアクリル酸のポリマーも使用することができ、これらは、Carbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 941およびCarbopol 980として市販されている。カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとの適切なコポリマーの例は、Carbopol 1342である。Carbopol(商標)の材料は、全てGoodrichから入手可能である。
【0079】
アクリル酸およびアクリレートエステルの適切な架橋ポリマーは、Pemulen TR1またはPemulen TR2である。適切なヘテロ多糖ガムは、キサンタンガム、例えば、Kelzan muとして入手可能なものである。
【0080】
上記の懸濁化剤のいずれの混合物も使用することができる。好ましいのは、アクリル酸と結晶性長鎖アシル誘導体との架橋ポリマーの混合物である。
【0081】
懸濁化剤は、一般に、本発明のシャンプー組成物に、組成物の総量に対して、総量で、0.1から10重量%、好ましくは、0.5から6重量%、より好ましくは、0.9から4重量%のレベルで存在する。
【0082】
コンディショナー組成物は、化粧品として許容され、毛髪への局所適用に適切な1つまたは複数のカチオン性コンディショニング用界面活性剤を一般に含む。
【0083】
好ましくは、カチオン性コンディショニング用界面活性剤は、N(R)(R)(R)(R)の式を有し、式中、R、R、RおよびRは、独立に、(CからC30)アルキルまたはベンジルである。
【0084】
好ましくは、R、R、RおよびRの1つ、2つまたは3つは、独立に、(CからC30)アルキルであり、残りのR、R、RおよびR基(1つまたは複数)は、(C−C)アルキルまたはベンジルである。
【0085】
より好ましくは、R、R、RおよびRの1つまたは2つは、独立に、(CからC30)アルキルであり、残りのR、R、RおよびR基は、(C−C)アルキルまたはベンジル基である。場合によって、アルキル基は、アルキル鎖の中に、1つもしくは複数のエステル(−OCO−もしくは−COO−)および/またはエーテル(−O−)結合を含むこともできる。アルキル基は、場合によって、1つまたは複数のヒドロキシル基によって置換されていてもよい。アルキル基は、直鎖状または分枝状とすることができ、炭素原子を3個以上有するアルキル基の場合は、環状とすることもできる。アルキル基は、飽和であってもよく、または炭素間二重結合を含むこともできる(例えば、オレイル)。アルキル基は、場合によって、1つまたは複数のエチレンオキシ基によって、アルキル鎖上でエトキシル化されている。
【0086】
本発明に従うコンディショナー組成物に使用するのに適したカチオン性コンディショニング用界面活性剤としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化オクチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化デシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウ、塩化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、塩化タロートリメチルアンモニウム、脱水素化塩化タロージメチルアンモニウム(例、Akzo Nobel社のArquad 2HT/75)、塩化ココトリメチルアンモニウム、PEG−2−塩化オレアンモニウムおよびこれらの対応する水酸化物がある。さらに適切なカチオン性界面活性剤としては、CTFA名称として、Quaternium−5、Quaternium−31およびQuaternium−18を有する材料が挙げられる。また、前述の材料のいずれの混合物も、適切となり得る。本発明に従うコンディショナーでの使用に特に有用なカチオン性界面活性剤は、塩化セチルトリメチルアンモニウムであり、例えば、Hoechst CelaneseからGENAMIN CTACとして市販されている。本発明に従うコンディショナーでの使用に特に適したもう1つの有用な界面活性剤は、塩化ビヘニルトリメチルアンモニウムであり、例えば、ClariantからGENAMIN KDMPとして市販されている。
【0087】
本発明で、単独または他の1つまたは複数のカチオン性コンディショニング用界面活性剤と混合で使用するのに適したカチオン性コンディショニング用界面活性剤のクラスのもう1つの例としては、以下の(i)および(ii)の組合せがある:
(i)一般式(I)に対応するアミドアミン:
【0088】
【化1】

(式中、Rは、炭素原子を10個以上有するヒドロカルビル鎖であり、
およびRは、独立に、炭素原子を1から10個有するヒドロカルビル鎖から選択され、
mは、1から約10までの整数である。)と
(ii)酸。
【0089】
本明細書で使用される用語、ヒドロカルビル鎖は、アルキルまたはアルケニル鎖を意味する。
【0090】
好ましいアミドアミン化合物は、式(I)に相当する化合物である(式中、
は、炭素原子を約11から約24個有するヒドロカルビル残基であり、
およびRは、それぞれ独立に、ヒドロカルビル残基、好ましくは、炭素原子を1から約4個有するアルキル基であり、
mは、1から約4までの整数である。)。
【0091】
好ましくは、RおよびRは、メチルまたはエチル基である。
【0092】
好ましくは、mは、2または3、すなわちエチレンまたはプロピレン基である。
【0093】
本発明で有用な好ましいアミドアミンとしては、ステアルアミドプロピルジメチルアミン、ステアルアミドプロピルジエチルアミン、ステアルアミドエチルジエチルアミン、ステアルアミドエチルジメチルアミン、パルミトアミドプロピルジメチルアミン、パルミトアミドプロピルジエチルアミン、パルミトアミドエチルジエチルアミン、パルミトアミドエチルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジエチルミン(behenamidopropyldiethylmine)、ベヘンアミドエチルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミンおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0094】
本発明で有用な特に好ましいアミドアミンは、ステアルアミドプロピルジメチルアミン、ステアルアミドエチルジエチルアミンおよびこれらの混合物である。
【0095】
本発明で有用な市販のアミドアミンとしては、以下が挙げられる:Inolex(米国ペンシルバニア州フィラデルフィア)から販売されている、商標LEXAMINE S−13のステアルアミドプロピルジメチルアミンおよびNikko(日本、東京)から販売されているAMIDOAMINE MSP、Nikkoから販売されている商標AMIDOAMINE Sのステアルアミドエチルジエチルアミン、Croda(イギリス、ノースハンバーサイド)から販売されている、商標INCROMINE BBのベヘンアミドプロピルジメチルアミンおよびScher(米国ニュージャージー州クリフトン)から販売されている、商標SCHERCODINEシリーズの種々のアミドアミン。
【0096】
酸(ii)は、ヘアトリートメント組成物中のアミドアミンにプロトンを付加することができる任意の有機酸または鉱酸とすることができる。本発明において有用な適切な酸としては、塩酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸およびこれらの混合物である。好ましくは、酸は、酢酸、酒石酸、塩酸、フマル酸およびこれらの混合物から成る群から選択される。
【0097】
酸の主要な役割は、ヘアトリートメント組成物中のアミドアミンにプロトンを付加することにより、ヘアトリートメント組成物において、インシツで第3級アミン塩(TAS)を形成することである。有効なTASは、非永続的第4級アンモニウムまたは疑似第4級アンモニウムカチオン性界面活性剤である。
【0098】
適切には、酸は、存在する全てのアミドアミンにプロトンを付加するのに十分な量、すなわち、組成物中に存在するアミドアミンの量と少なくとも等モルのレベルで含まれている。
【0099】
本発明のコンディショナーにおいて、カチオン性コンディショニング用界面活性剤のレベルは、組成物全体の量に対して、一般に、0.01から10%、より好ましくは、0.05から7.5%、最も好ましくは、0.1から5%である。
【0100】
本発明のコンディショナーは、一般に脂肪アルコールも含む。コンディショニング組成物において脂肪アルコールとカチオン性界面活性剤を組み合わせて使用すると、カチオン性界面活性剤が分散されたラメラ相が形成されるため、特に有益であると信じられている。
【0101】
代表的な脂肪アルコールは、炭素原子を8から22個、より好ましくは、16から22個を含む。脂肪アルコールは、一般に、直鎖アルキル基を含有する化合物である。
【0102】
適切な脂肪アルコールの例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびこれらの混合物が挙げられる。これらの材料は本発明の組成物の全体的なコンディショニング特性に寄与するため、これらを使用することも有益である。
【0103】
本発明のコンディショナーにおける脂肪アルコールのレベルは、一般に、組成物の重量に対して、0.01から10重量%、好ましくは、0.1から8重量%、より好ましくは、0.2から7重量%、最も好ましくは、0.3から6重量%の範囲である。カチオン性界面活性剤対脂肪アルコールの重量比は、1:1から1:10が適切であり、好ましくは、1:1.5から1:8が好ましく、1:2から1:5が最適である。カチオン性界面活性剤対脂肪酸アルコールの重量比が高過ぎる場合、これは、組成物から眼の刺激に通じる可能性がある。重量比が低過ぎる場合、消費者によっては、毛髪の感触が軋む可能性もある。
【0104】
本発明の組成物は適切には、洗髪前または洗髪後に使用するためのヘアオイルの形態とすることができる。一般に、ヘアオイルは、トリグリセリド、鉱油およびこれらの混合物等、非水溶性の油性のコンディショニング材料を主に含有する。
【0105】
また、本発明の組成物は、一般に、洗髪と洗髪の間に使用するためのヘアローションの形態とすることもできる。ローションは、非水溶性の油性コンディショニング材料を含む、水性エマルションである。また、相分離に対する安定性を改善するために、適切な界面活性剤を、ローションに含有させることもできる。
【0106】
本発明に従うヘアトリートメント組成物、特に水をベースとするシャンプーおよびヘアコンディショナーは、好ましくは、1つまたは複数のシリコーンコンディショニング剤も、さらに含む。
【0107】
特に好ましいシリコーンコンディショニング剤は、ポリジオルガノシロキサン、特にCTFA呼称ジメチコーンを有するポリジメチルシロキサン、CTFA呼称ジメチコノールを有するヒドロキシ末端基を有するポリジメチルシロキサン、およびCTFA呼称アモジメチコーンを有するアミノ官能性ポリジメチルシロキサン等のシリコーンから形成されるシリコーンエマルションである。
【0108】
エマルション液滴は、本発明の組成物において、一般に、0.01から20μm、より好ましくは、0.2から10μmの範囲のSauter平均液滴径(D3,2)を有することができる。
【0109】
Sauter平均液滴径(D3,2)を測定する適切な方法は、Malvern Mastersizer等の計器を使用するレーザー光散乱による。
【0110】
本発明の組成物において使用するのに適したシリコーンエマルションは、Dow CorningおよびGE Silicones等のシリコーン供給業者から入手可能である。このような事前に形成されたシリコーンエマルションの使用は、加工の容易さおよびシリコーン粒径の制御のため好ましい。このような事前に形成されたシリコーンエマルションは、一般にアニオン性または非イオン性乳化剤等の適切な乳化剤、またはこれらの混合物をさらに含み、エマルションのポリマー化等の化学的乳化プロセスによって、または高剪断ミキサーを使用して機械的乳化によって調製することができる。0.15μm未満のSauter平均液滴径(D3,2)を有する、事前に形成されたシリコーンエマルションは、一般にマイクロエマルションと呼ばれる。
【0111】
適切な事前に形成されたシリコーンエマルションの例としては、DC2−1766、DC2−1784、DC−1785、DC−1786、DC−1788ならびにマイクロエマルション、DC2−1865およびDC2−1870が挙げられ、全てDow Corningから入手可能である。これらは全てジメチコノールのエマルション/マイクロエマルションである。また、(Dow Corningの)DC2−8177およびDC939ならびに(GE Siliconesの)SME253等のアモジメチコーンエマルションも適切である。
【0112】
また、例えば国際公開第03/094874号に記載されているような、高分子量の表面活性ブロックコポリマーのある種のタイプが、シリコーンエマルション液滴とブレンドされたシリコーンエマルションも適切である。このような材料において、シリコーンエマルション液滴は、好ましくは、上記のもの等のポリジオルガノシロキサンから形成される。表面活性ブロックコポリマーの1つの好ましい形態は、以下の式に従う:
HO(CHCHO)(CH(CH)CHO)(CHCHO)
(式中、xの平均値は、4以上であり、yの平均値は25以上である。)。
【0113】
表面活性ブロックコポリマーのもう1つの好ましい形態は、以下の式に従う:
(HO(CHCHO)(CH(CH)CHO)−N−CH−CH−N((OCHCH(CH))(OCHCHOH)
(式中、aの平均値は、2以上であり、bの平均値は、6以上である。)。
【0114】
また、上記のシリコーンエマルションのいずれの混合物も使用することができる。
【0115】
上述したシリコーンエマルションは、一般に、本発明の組成物中に、組成物の総量に対して、シリコーンの総量で0.05〜10%、好ましくは、0.05〜5%、さらに好ましくは、0.5〜2%のレベルで存在する。
【0116】
本発明の組成物は、性能および/または消費者の受容度を高めるために、他の成分を含むこともできる。このような成分には、香料、染料および顔料、pH調整剤、真珠箔様光剤(pearlescer)または乳白剤、粘度改質剤および防腐剤または抗菌剤が含まれる。これらの成分のそれぞれは、その目的を達成するための有効量において存在する。一般に、これらの任意で含まれる成分は、個々に、組成物全体の最大5重量%のレベルで含まれる。
【0117】
本発明のヘアトリートメント組成物は、洗い流すタイプまたは洗い流さないタイプのいずれかで、乾燥し、ダメージを受けたおよび/または扱いにくい毛髪の処置のために、ヒトの被験者の毛髪および/または頭皮への局所的塗布を主に意図している。
【発明を実施するための形態】
【0118】
本発明を、下記の限定しない、実施例によりさらに説明するが、その中で引用される全ての百分率は、別段の断りがない限り、総重量に対する重量による。
【実施例】
【0119】
2つの組成物が通常の方法に従って作製され、以下の活性カクテルが含まれた:
カクテルA:
トレハロース 0.1重量%
炭酸アンモニウム 0.5重量%
グルコノラクトン 0.5重量%
カクテルB:
トレハロース 0.4重量%
アジピン酸 0.1重量%
炭酸アンモニウム 0.1重量%
パネルテストにおいて、活性カクテルAを含む組成物を、活性カクテルBを含むが、それ以外は同一の組成物と比較した。
【0120】
5ポイントのスケールで、組成物Aは、使用後、乾燥した毛髪の扱いやすさについて4.13を獲得したのに対し、組成物Bは、わずか3.73であった。これらのスコアは、統計的に有意である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラクトンおよび二糖を含む、ヘアトリートメント組成物。
【請求項2】
ラクトンが、アルドビオン酸ラクトン、アルドウロン酸ラクトン、アルダル酸ラクトンおよびアルドン酸ラクトンから選択される、請求項1に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項3】
ラクトンが、デルタラクトンである、請求項1に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項4】
ラクトンが、グルコノラクトン、ガラクトノラクトン、グルクロノラクトン、ガラクツロノラクトン、グロノラクトン、リボノラクトン、サッカリン酸ラクトン、パントイルラクトン、グルコヘプトノラクトン、マンノノラクトンおよびガラクトヘプトノラクトンから選択される、請求項1に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項5】
二糖がトレハロースである、請求項1から4のいずれかに記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項6】
シャンプー、洗髪後コンディショナー(洗い流さないタイプもしくは洗い流すタイプ)、ヘアオイルまたはヘアローションの形態である、請求項1から5のいずれかに記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項7】
無機塩を含む、請求項1から6のいずれかに記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項8】
塩がアルカリ金属塩またはアンモニウム塩である、請求項7に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項9】
塩が炭酸塩または硫酸塩である、請求項7に記載のヘアトリートメント組成物。

【公表番号】特表2010−540479(P2010−540479A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526239(P2010−526239)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【国際出願番号】PCT/EP2008/061874
【国際公開番号】WO2009/040240
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】