説明

ヘッドホン装置

【課題】
本発明は、聴取するコンテンツの種類に合わせてユーザ所望の音響特性に容易に変更できるようにする。
【解決手段】
本発明は、ユーザの頭部装着時に、調整摘み7の操作に応じて閉塞手段27により開口部21を閉じることによってバッフル11の耳当て側とイヤーパッド5とによって生じる音響空間40の密閉度を高め、発音部15から出力される低域成分を増加させることができるので、調整摘み7による簡易な操作でユーザ所望の音響特性に変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドホン装置に関し、特に密閉型のヘッドホン装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘッドホン装置においては、スピーカユニットの後方に位置するハウジングに音孔を設け、当該音孔を開状態又は閉状態に切り替えることにより、密閉型からオープンエア型へ、又はオープンエア型から密閉型へと当該ヘッドホン装置全体の音質特性を可変するようになされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平3-184499号公報
【0003】
このようなヘッドホン装置においては、主にCD(Compact Disc)やMD(Mini Disc:商標)等を聴く音楽用に音響特性が予め設定されており、ユーザにとっては当該ヘッドホン装置を介して主にCD等の音楽コンテンツを聴取することが一般的であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでかかる構成のヘッドホン装置においては、1台でオープンエア型のヘッドホン装置と密閉型のヘッドホン装置の2台分の音質特性が得られるものの、当該ヘッドホン装置としてはあくまで音楽用に音響特性が設定されていることから、ユーザが例えば映画を鑑賞する際にはヘッドホン装置から出力される効果音等の低域成分が不足していると感じさせてしまうという問題もあった。
【0005】
また、かかる構成のヘッドホン装置においては、図10に示すように、音孔を閉状態から開状態に切り換えた場合であっても、スピーカユニットの最低共振周波数である中低域成分(約100[Hz])付近でのレベルを増加させることはできるものの、当該最低共振周波数以下である超低域成分(50[Hz])付近でのレベルを増加させることはできないという問題があった。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、聴取するコンテンツの種類に応じたユーザ所望の音響特性へ簡易な操作で変更可能なヘッドホン装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明においては、振動板を有する発音部の耳当て側とその背面側を隔てる板状のバッフルと、発音部を中心としてバッフルの周囲に取り付けられたイヤーパッドと、バッフルの背面側を覆うように当該バッフルと一体に取り付けられたハウジングと、バッフルの一部で耳当て側とその背面側とを貫通させるように設けられた所定形状の開口部と、当該開口部を開状態又は閉状態に切り替えるため当該開口部に対応した形状でなる閉塞手段と、閉塞手段を開状態又は閉状態に切り替えるためハウジング又はバッフルの外側に設けられた調整摘みとを具え、ユーザの頭部装着時に、調整摘みの操作に応じて閉塞手段により開口部を閉じることによってバッフルの耳当て側とイヤーパッドとによって生じる音響空間の密閉度を高め、発音部から出力される低域成分を増加させることができるので、調整摘みによる簡易な操作でユーザ所望の音響特性に変更することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザの頭部装着時に、調整摘みの操作に応じて閉塞手段により開口部を閉じることによってバッフルの耳当て側とイヤーパッドとによって生じる音響空間の密閉度を高め、発音部から出力される低域成分を増加させることができるので、調整摘みによる簡易な操作でユーザ所望の音響特性に変更し得るヘッドホン装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0010】
(1)ヘッドホン装置の外観構成
図1(A)、(B)及び(C)において、1は全体として本発明のヘッドホン装置を示し、ヘッドバンド2の両サイドには左耳装着部3及び右耳装着部4が設けられており、当該左耳装着部3及び右耳装着部4の相互に向い合った内側部分にはユーザの耳に直接装着させるためのイヤーパッド5及び6が取り付けられている。
【0011】
この左耳装着部3及び右耳装着部4では、その中央部分に設けられた発音部15の背面側で音響室を形成するためのハウジング9及び10と、当該発音部15を保持すると共に耳当て側とその背面側を隔てる板状のバッフル11及び12とが一体に取り付けられた状態で、当該バッフル11及び12の耳当て側にイヤーパッド5及び6が取り付けられた構成を有している。
【0012】
また左耳装着部3及び右耳装着部4には、ハウジング9及び10における下方の所定位置に、ユーザが音楽を聴くか映画の音声を聴くかによって音楽モードと映画モードとを切り替えるための調整摘み7及び8が設けられている。
【0013】
従ってヘッドホン装置1では、ユーザの操作によって当該調整摘み7及び8が音楽モードから映画モードへ切り替えられた場合、当該映画モードでは当該音楽モードよりも格段に低音を強調し得るようになされている。
【0014】
(2)ハウジングの構造
次に、ハウジング9及び10の構造について説明するが、当該ハウジング9及び10は左耳用と右耳用の相違しかなく対称形となっているため、ここでは左耳用のハウジング9について説明し、ハウジング10については説明の便宜上省略する。
【0015】
図2に示すようにハウジング9は、空洞の内部空間を有し、当該ハウジング9の周側面9Aの所定位置に設けられたコード穴21から挿通されたコード22が内部空間に入り込み、当該コード22の各信号線がバッフル11に取り付けられたスピーカユニット26(図4)に接続される。
【0016】
またハウジング9は、周側面9Aの所定位置に音楽モードと映画モードとを切り替えるための調整摘み7が取り付けられており、当該周側面9Aの外側には当該調整摘み7の摘み部7Aが僅かに突出し、当該周側面9Aの内側には当該摘み部7Aと一体化された棒状でなる押当部7Bが突出している。
【0017】
すなわち調整摘み7の押当部7Bは、摘み部7Aが矢印A又はB方向へ回動されたことに連動して周側面9Aの内側を矢印A又はB方向へ移動するようになされている。
【0018】
(3)バッフルの構造
次にバッフル11及び12の構成について説明するが、バッフル11及び12についても左耳用と右耳用の相違しかなく対称形となっているため、ここでは左耳用のバッフル11についてのみ説明し、バッフル12については説明の便宜上省略する。
【0019】
図3に示すようにバッフル11の耳当て側となる表面11Aには、そのほぼ中央に、ユーザの耳に対して対峙するように所定角度の傾きを持って形成された振動板保持部11Bを有し、当該振動板保持部11Bのほぼ中央に振動板20が取り付けられている。
【0020】
なおバッフル11の表面11Aにおける振動板保持部11B以外の領域は、イヤーパッド5が取り付けられた際に覆い隠されてしまい、振動板20だけがその表面を所定の保護部材(図示せず)により保護された状態で露出するようになされている。
【0021】
また振動板保持部11Bには、振動板20を中心としたその周囲部分の下部でイヤーパッド5が取り付けられた際に覆い隠されてしまうことがない位置に略三日月形状でなる開口部21が形成されていると共に、当該開口部21には一定の通気抵抗を有するように開口部21よりも僅かに大きな面積でかつ不織布でなる音響抵抗部材22がバッフル11の表面11A側に貼り付けられている。なお、この音響抵抗部材22の役割については後述する。
【0022】
因みに、バッフル11の表面11Aには所定間隔ずつ離れた位置にハウジング9を取り付けるためのハウジング用取付孔23〜25が設けられており、当該バッフル11とハウジング9とがハウジング用取付孔23〜25を介して3点でネジ止めされるようになされている。
【0023】
一方、図4(A)及び(B)に示すように、バッフル11の背面11Cには振動板保持部11Bの開口部21に相当する位置に当該開口部21よりも僅かに大きく、かつ当該開口部21と同形状でなるフリップ27が開口部21を開状態又は閉状態に切り替えるために取り付けられている。
【0024】
このフリップ27は、略三日月形状の閉塞板27Aと、当該閉塞板27Aを開閉させるための被押当部27Bとが一体に形成されており、当該閉塞板27Aと被押当部27Bとの間に設けられた軸27Cを介して閉塞板27Aを被押当部27Bと一体に回動することにより、開口部21を閉状態から開状態へ、若しくは開状態から閉状態へ自在に切り替えることができるようになされている。
【0025】
被押当部27B(図4(B))は、その形状が所定角度のテーパー状でなり、ハウジング9における調整摘み7の押当部7Bと被押当部27Bのテーパー状部分28とが当接し、調整摘み7の摘み部7Aがスライド動作する際に当該調整摘み7の押当部7Bがテーパー状部分28を押し付けながら移動することにより、被押当部27Bが次第に倒されていき、それに連動して閉塞板27Aが閉状態から開状態へと遷移するようになされている。
【0026】
なお、被押当部27Bにおいては、テーパー状部分28の途中に段差28Aが設けられており、当該段差28Aを調整摘み7の押当部7Bが乗り越えた際に、調整摘み7を操作しているユーザにクリック感を認識させると共に、当該段差28Aの位置で閉塞板27Aを開状態に保持するようになされている。
【0027】
ところでフリップ27の閉塞板27Aには、軸27Cに取り付けられたバネ29により開口部21を閉状態に維持するような付勢力が与えられると共に、閉塞板27Aの表面上には柔らかい素材のフエルト地でなり閉塞板27Aと同サイズ、同形状の薄いシール30が貼り付けられている。
【0028】
一方、バッフル11の開口部21を形成している縁部には振動板保持部11Bの裏面から僅かに切り起こした状態のリブ31が設けられており、バネ29の付勢力によって閉塞板27Aのシール30がリブ31に押し付けられた際、当該シール30がリブ31に対して押し付けられて僅かに撓み、開口部21と閉塞板27Aとの間の僅かな隙間さえも無くすようになされている。
【0029】
(4)開閉操作
図5に示すようにヘッドホン装置1は、ハウジング9の周側面9Aから僅かに突出した調整摘み7の摘み部7Aが「Movie」側→「Music」側へと操作されると、摘み部7Aの動きに合わせて押当部7Bが被押当部27Bのテーパー状部分28を押し付けながら移動することになる。
【0030】
実際上、図6(A)及び(B)に示すように、ヘッドホン装置1では調整摘み7の摘み部7Aが「Movie」側に位置して映画モードに設定されている場合には、フリップ27の閉塞板27Aによって開口部21が閉じられている。
【0031】
しかしながらヘッドホン装置1では、当該摘み部7Aが「Movie」側から「Music」側へと操作されると、押当部7Bが被押当部27Bのテーパー状部分28を押し付けながら移動することにより当該被押当部27Bを下方に押し下げて閉塞板27Aを次第に開かせるようになされている。
【0032】
そしてヘッドホン装置1では、最終的に押当部7Bがテーパー状部分28の段差28Aに到達した段階で当該閉塞板27Aを開状態に保持し、映画モードから音楽モードへ切り替えることになる。
【0033】
これとは逆にヘッドホン装置1は、調整摘み7の摘み部7Aが「Music」側→「Movie」側へと操作されると、押当部7Bがテーパー状部分28に沿ってこれまでとは逆方向へ移動し、段差28Aから外れた時点でバネ29の付勢力により閉塞板27Aを強制的に開口部21に押し当て閉塞板27Aを開状態から閉状態へと遷移させるようになされている。
【0034】
この場合、ヘッドホン装置1がユーザの頭部に装着されたとき、ユーザの耳がイヤーパッド5の中心に位置した状態で当該イヤーパッド5がユーザの耳を覆うことになる。従ってイヤーパッド5及びバッフル11によって形成される音響空間40が、映画モードではフリップ27の閉塞板27Aによって開口部21が閉じられるため音楽モードのときよりも密閉度が格段に高くなる。
【0035】
なおヘッドホン装置1は、開口部21のリブ30とフリップ27の閉塞板27Aのシール30とによって当該開口部21と閉塞板27Aとの間の僅かな隙間さえも無くすようになされているため、映画モードにおける音響空間40の密閉度を一段と上げることができる。
【0036】
ところで振動板20から出た音の伝わり方には2通りあって、図7(A)及び(B)に示すように低域成分では中高域成分に比べて波長が長いため直線に近似でき、振動板20とユーザの耳との距離が短いうえに音響空間40が密閉されているため当該低域成分が圧力として伝播するのに対し、中高域成分では低域成分よりも波長が短く放射として伝播することが知られている。
【0037】
従ってヘッドホン装置1は、閉塞板27Aによって開口部21が閉状態にある場合(図6(A))、振動板20の振動により押し出される空気が開口部21を介してハウジング11の内部空間へ逃げてしまうことがなく、当該振動板20の動きがダイレクトに音の圧力としてユーザの耳に伝達することになるため、当該ユーザには低域成分の増加された音声を聴取させることができる。
【0038】
具体的には、図8に示すようにヘッドホン装置1では、音楽モードと比較して映画モードにおける低域成分のレベルが約50[Hz]付近程度で高くなっているのが判る。
【0039】
ところでヘッドホン装置1は、音楽モードではフリップ27の閉塞板27Aにより開口部21が塞がれることはないため、低域成分が格段に低下してしまうところ、バッフル11の表面11A側から音響抵抗部材22が開口部21に貼り付けられているために、低域成分の極端な低下を防止し、低域成分を或る程度確保して音楽モードにおいてバランスの良い音質を維持するようになされている。
【0040】
(5)動作及び効果
以上の構成において、ヘッドホン装置1はユーザに装着された状態でハウジング9の調整摘み7が操作されて音楽モードから映画モードへ切り替えられると、当該調整摘み7の操作に連動してフリップ27の閉塞板27Aによりバッフル11の振動板保持部11Bに設けられた開口部21を塞ぐことになる。
【0041】
このときヘッドホン装置1は、イヤーパッド5及びバッフル11の表面11Aによって形成される音響空間40の密閉度が開口部21の閉状態により一段と高まり、これにより音楽モードに比べて映画モードにおける低域成分を増加させ、映画の音声を聴くのに相応しい最適な音響特性に変更することができる。
【0042】
このようにヘッドホン装置1は、単なる調整摘み7を「Music」側→「Movie」側へ動かすといった簡単なスライド操作だけで、ユーザが聴取するコンテンツ(音楽又は映画)の種類に合わせた最適な音響特性に切り替えることができるため、従来のように音響特性を変更するためにイコライザー等の外部機器を介して周波数特性を電気的に調整する必要がなくなる。
【0043】
またヘッドホン装置1では、一定の通気抵抗を持たせて所望の音響抵抗を得るようにした音響抵抗部材22がバッフル11の表面11A側から開口部21を塞ぐように貼り付けられているため、音楽モードに設定されてフリップ27の閉塞板27Aが開状態にある場合でも、音響空間40の密閉度を所定レベルに保つことができ、それにより音楽モードであっても低域成分をある程度確保して音楽用に相応しい音響特性を維持することができる。
【0044】
以上の構成によれば、ヘッドホン装置1は調整摘み7のスライド操作だけでコンテンツの種類に合わせた最適な音響特性に自在に切り替えることができる。
【0045】
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、音響抵抗部材22をバッフル11の表面11A側から貼り付けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、バッフル11の裏面11C側から貼り付けるようにしても良い。
【0046】
また上述の実施の形態においては、振動板保持部11Bの下方に略三日月形状の開口部21を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、振動板保持部11Bの他の位置に矩形状や円形状の開口部21を設けるようにしても良い。
【0047】
さらに上述の実施の形態においては、振動板保持部11Bに開口部21を1個設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、2個以上設けると共にフリップを設けて開閉可能とするようにしても良い。
【0048】
さらに上述の実施の形態においては、フリップ27の閉塞板27Aが閉状態のときにバネ29により付勢力を与えるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、フリップ27の閉塞板27Aが開状態のときにばね29により付勢力を与え、当該付勢力に抗して閉塞板27Aを開口部21に押し付けることにより閉状態にするようにしても良い。
【0049】
さらに上述の実施の形態においては、振動板保持部11Bに設けた開口部21をフリップ27の閉塞板27Aによって開閉可能とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図9に示すように開口部21とは別に音響抵抗部材50の貼り付けられた第2の開口部51を設けるようにしても良い。この場合、第2の開口部51の大きさ及び音響抵抗部材50の通気抵抗により、開口部21だけでは得られなかったような音響特性を得ることができる。
【0050】
さらに上述の実施の形態においては、閉塞手段としてフリップ27を用いるようにした場合について述べてが、本発明はこれに限らず、当該閉塞手段としてスライド自在なシャッター等を用いるようにしても良い。
【0051】
さらに上述の実施の形態においては、コンテンツの種類として音楽と映画を対象とするようにした場合について述べてが、本発明はこれに限らず、ゲームを対象に加えてゲームモードの場合にも開口部21を閉状態にして効果音等の低域成分を増加するようにしても良い。
【0052】
さらに上述の実施の形態においては、コンテンツの種類として音楽と映画を対象とするようにした場合について述べてが、本発明はこれに限らず、音楽のジャンルであるポピュラーとジャズを対象としてジャズモードの場合に開口部21を閉状態にして低域成分を増加するようにしても良い。
【0053】
さらに上述の実施の形態においては、ハウジング9の周側面9Aの外側に摘み部7Aが突出するように調整摘み7を設けるようにした場合について述べてが、本発明はこれに限らず、バッフル11の周側面から摘み部7Aが突出するように調整摘み7を設けるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明のヘッドホン装置は、例えば1台のヘッドホン装置でユーザ所望の音響特性に自在に切り替えるための用途に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】ヘッドホン装置の外観構成を示す略線的斜視図である。
【図2】ハウジングの構造を示す略線的斜視図である。
【図3】バッフルの構造(表側)を示す略線的斜視図である。
【図4】バッフルの構造(裏側)を示す略線的斜視図である。
【図5】調整摘みの操作の説明に供する略線図である。
【図6】フリップの開閉状態の説明に供する略線的断面図である。
【図7】音の伝わり方の説明に供する略線図である。
【図8】音響特性の違いの説明に供する略線図である。
【図9】他の実施の形態における開口部を示す略線図である。
【図10】従来のヘッドホン装置における音孔の開状態及び閉状態での音響特性の相違を示す略線図である。
【符号の説明】
【0056】
1……ヘッドホン装置、2……ヘッドバンド、3……左耳装着部、4……右耳装着部、5、6……イヤーパッド、7、8……調整摘み、9、10……ハウジング、11、12……バッフル、20……振動板、21、51……開口部、22、50……音響抵抗部材、27……フリップ、28……段差、40……音響空間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動板を有する発音部の耳当て側とその背面側を隔てる板状のバッフルと、
上記発音部を中心として上記バッフルの周囲に取り付けられたイヤーパッドと、
上記バッフルの背面側を覆うように当該バッフルと一体に取り付けられたハウジングと、
上記バッフルの一部で上記耳当て側とその背面側とを貫通させるように設けられた所定形状の開口部と、
上記開口部を開状態又は閉状態に切り替えるため当該開口部に対応した形状でなる閉塞手段と、
上記閉塞手段を上記開状態又は上記閉状態に切り替えるため上記ハウジング又は上記バッフルの外側に設けられた調整摘みと
を具え、
ユーザの頭部装着時に、上記調整摘みの操作に応じて上記閉塞手段により上記開口部を閉じることによって上記バッフルの耳当て側と上記イヤーパッドとによって生じる音響空間の密閉度を高め、上記発音部から出力される低域成分を増加させる
ことを特徴とするヘッドホン装置。
【請求項2】
上記開口部には、当該開口部に対して所定の音響抵抗を持たせるための音響抵抗部材が貼り付けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドホン装置。
【請求項3】
上記開口部は、上記バッフルに対する上記イヤーパッドの取付箇所以外の部分に設けられる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘッドホン装置。
【請求項4】
上記バッフルには、上記閉塞手段によって上記開口部が閉じられた場合でも、通気抵抗を任意に設定するための音響抵抗部材が貼り付けられた第2の開口部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドホン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−121318(P2006−121318A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−305908(P2004−305908)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】