説明

ヘッドランプを調整可能に固定するための装置

ホルダ(6)が、ガイド(8)を介して第1の調整方向(Y)にサポート部品(4)に向かって移動可能に支承されていること、ホルダ(6)に第1の調整方向(Y)のホルダ(6)の固定をするためのブロック装置(11)が付設されていることを特徴とする、自動車のボディ開口内のハウジング(1)と、ハウジング(1)の垂直方向下の領域に配設された少なくとも1つの下の固定箇所(2,2’)と、ハウジング(1)の垂直方向上の領域に配設された少なくとも1つの上の固定箇所(3)とを有し、上又は下の固定箇所のハウジング(1)の接合部材(5,5’)が、ヘッドランプ(2,2’,3)のビーム方向に対して横に延在する、第1の調整方向(Y)に沿って移動可能なホルダ(6)を介してサポート部品(4)と結合されている、ヘッドランプを調整可能に固定するための装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のボディ開口内のハウジングと、ハウジングの垂直方向下の領域に配設された少なくとも1つの下の固定箇所と、ハウジングの垂直方向上の領域に配設された少なくとも1つの上の固定箇所とを有し、上又は下の固定箇所のハウジングの接合部材が、ヘッドランプのビーム方向に対して横に延在する、第1の調整方向に沿って移動可能なホルダを介してサポート部品と結合されている、ヘッドランプを調整可能に固定するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、ハウジングの領域内の上又は下の領域に、ヘッドランプのビーム方向に対して横に移動可能なホルダが設けられている、自動車のボディ開口内のハウジングを有するヘッドランプを調整可能に固定するための装置が公知である。この場合、ホルダは、ヘッドランプハウジングの接合部材の長手方向溝内に挿入され、ヘッドランプハウジングを90°だけ捩じった後、ビーム方向に対して横に延在する調整方向に沿って自動車のサポート部品に向かってヘッドランプハウジングを相対的に移動させることを可能にする。実際に有効であることが分かっている公知の装置は、ヘッドランプハウジングのサポート部品への固定が、本質的に少なくとも1つの他の固定箇所で行なわれ、この固定箇所で、通常は、ヘッドランプハウジングの他の方向への調整が付加的に調整される。しかしながら、互いに垂直な2つの方向のヘッドランプハウジングの調整の要求は、取り囲む部ディ部品の所定の継目推移に応じてヘッドランプハウジングを整向する際に比較的大きな費用を要することを意味する。
【特許文献1】欧州特許出願公開第0 978 416号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の課題は、特に取り囲むボディ部品に向かう所定の継目推移を調整するためにヘッドランプハウジングの調整を容易にするように、ヘッドランプを調整可能に固定するための装置を発展させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するため、本発明は、請求項1の上位概念と関連して、ホルダが、ガイドを介して第1の調整方向にサポート部品に向かって移動可能に支承されていること、ホルダに第1の調整方向のホルダの固定をするためのブロック装置が付設されていることを特徴とする。
【0005】
本発明の特別な利点は、調整方向とは違う方向へのヘッドランプハウジングの整向を同時に必要としないで、ヘッドランプハウジングの調整が、ホルダにより所定の唯一の調整方向にだけ可能になることにある。本発明の基本思想は、ヘッドランプハウジングが、第1の調整方向だけか、第1の調整方向に対して垂直に延在する第2の調整方向にだけ整向可能であるように、調整手段が設けられていることである。このように、第1の調整方向のヘッドランプハウジングの単独の整向は、第2の調整方向に依存せずに行なうことができる。これにより、ボディ開口の所定の継目推移でのヘッドランプハウジングの整向が、本質的に容易になる。
【0006】
本発明によるブロック装置は、このブロック装置のアンロック及びロックにより、第1の調整方向に沿ったホルダの簡単な調整を可能にする。ブロック装置のロックにより、第1の調整方向にヘッドランプハウジングが固定されている。
【0007】
本発明の好ましい実施形によれば、ホルダがガイド手段を備えるので、ハウジングの接合部材が、別の調整方向(この方向に沿ってホルダがボディ部品に対して相対的に移動可能である)に対して垂直に延在する調整方向にホルダに向かって移動可能に配設されている。有利なことに、これにより固定箇所での調整の解除が可能になる。ヘッドランプハウジングは、第1の調整方向に沿ってホルダと共に、第1の調整方向に対して垂直な第2の調整方向に沿ってホルダに対して相対的に整向することができる。
【0008】
本発明の発展形によれば、ブロック装置が、固定要素と、ホルダに圧入作用を及ぼす固定プレートとを有する。従って、有利なことに、ブロック装置はある場所に配設することができ、ホルダは調整方向に沿って移動可能に支承されている。
【0009】
本発明の更なる利点は、別の従属請求項に記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施例を以下で図面を基にして詳細に説明する。
【0011】
ヘッドランプを調整可能に固定するための装置は、本質的に、2つの下の固定箇所2,2’と1つの上の固定箇所3で自動車のサポート部品4に固定された、ヘッドランプのハウジング1から成る。
【0012】
サポート部品4は、例えばフロントモジュールのキャリアとして形成することができ、これは、一体式の冷却ユニットとヘッドランプハウジングとバンパと共に自動車のボディ部品に取付け可能である。この場合、例えばエンジンフードでもよい、ヘッドランプハウジング1に接続するボディ輪郭の継目推移と関係したヘッドランプハウジング1の再調整の可能性が必要である。選択的に、サポート部品4は、自動車のボディ部品として形成されていてもよく、この場合、本発明による調整装置は、所定の継目推移を遵守した自動車のボディ開口でのヘッドランプハウジングの調整を可能にする。
【0013】
下の固定箇所2,2’のところに、ヘッドランプのハウジング1は、それぞれ1つの、ヘッドランプの光のビーム方向に対して横に突出する接合部材5,5’を備え、この接合部材は、それぞれプレート状で角柱状のホルダ6を介して第1の調整方向Yに沿ってサポート部品4の収容部品7に向かって可動に配設されている。このため、ホルダ6は、ガイドとして使用される収容部品7のレール8を介して移動可能に支承されている。
【0014】
接合部材5,5’は、ワッシャを備えたボルト9,9’を介してボルト固定によりホルダ6と解体可能に結合されている。ハウジング1の下の領域に配設された接合部材5,5’をホルダ6にボルト固定してハウジング1をサポート部品4に取り付け、ハウジング1の上の領域に配設された接合部材10(上の固定箇所3)をサポート部品4に取り付けた後、第1の調整方向Yに沿ったハウジング1の整向を行うことができる。このため、ホルダ6は、レール8を介して、一方では第1の調整方向Yに対して垂直な第2の調整方向Zに沿って、他方では第1の調整方向Yに対して垂直な第3の調整方向Xに沿って遊びなく支承されている。
【0015】
ハウジング1と共にホルダ6を移動するため、ホルダ6に対して相対的に位置固定で固定要素12と固定プレート13によりホルダ6の下に配設されたブロック装置11のアンロックが必要である。固定要素12は、ホルダ6に対して平行に延在する固定プレート13に作用するボルトとして形成されているので、ブロック装置11のロック位置で固定要素12を締め付けることにより、固定プレート13の上のエッジ領域14は、周縁側がホルダ6に当接し、ホルダ6を収容部品7に対して固定する。ブロック装置11のアンロック位置で、固定要素12は外れた状態で配設されているので、固定プレート13からホルダ6への押付け力は調達されない。ホルダ6は、ブロック装置11のロックにより固定される相応の調整位置に連続的に移動させることができる。
【0016】
第2の調整方向Zにハウジング1を調整するため、接合部材5,5’は、その長穴15が第2の調整方向Zに延在する長穴部品として形成されている。ホルダ6は、第2の調整方向Zに沿って延在する、ガイド手段としての周縁側のガイドエッジ16を有するので、長穴部品5,5’は、ホルダ6に対して相対的に第2の調整方向Zに移動可能である。長穴15の長さは、第2の調整方向Zに沿った調整距離を設定する。
【0017】
長穴部品5,5’をホルダ6に固定可能にするボルト9,9’は、ブロック装置11の固定ボルト12に対して平行に延在する。同じ方式で第1の調整方向Yと第2の調整方向Zに互いに依存せずに調整可能な下の固定箇所2,2’のボルト9,9’は、上の固定箇所3の上の接合部材10をサポート部品4に固定するボルト17に対して垂直に延在する。上の接合部材10は、第3の調整方向Xに延在する長穴を備えるので、第3の調せ方向Xのハウジング1の調整が可能になる。ボルト17による固定により、第3の調整方向Xのハウジング1の調整が固定される。
【0018】
ホルダ6は、好ましいことに射出成形された合成樹脂部品として形成されている。好ましいことに、ホルダ6は、挿入式の金属補強部材を備える。
【0019】
好ましいことに、ホルダ6は、ボルト9,9’を収容するための内ネジを有する孔を備える。選択的に、接合部材5,5’の固定は、ホルダ6のネジのない孔に差し込み、反対側のナットにより固定するボルト9,9’によって実現することもできる。
【0020】
選択的に、ボルト9,9’は、ホルダ6の合成樹脂孔に係合するタッピングネジとして形成してもよい。
【0021】
下の固定箇所2,2’に付設されたホルダ6は、第1の調整方向Yに沿った調整を可能にする。選択的に、収容手段7のレール8は、第2の調整方向Z又は第3の調整方向Xに延在してもよい。その場合は、これにより、下の固定箇所2,2’でのY−X平面又はZ−X平面内の整向の可能性が得られる。
【0022】
選択的な実施形によれば、接合部材5、5’は、可撓性に形成することもできるので、調整方向Y,Z,Xに対して鋭角を成すようなハウジング1の傾倒が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】自動車のサポート部品に固定されたヘッドランプハウジングの概略正面図を示す。
【図2】サポート部品でのヘッドランプハウジングの固定箇所の斜視図を示す。
【符号の説明】
【0024】
1 ハウジング
2,2’ 下の固定箇所
3 上の固定箇所
4 サポート部品
5,5’ 接合部材
6 ホルダ
7 収容部品
8 レール
9,9’ ボルト
10 接合部材
11 ブロック装置
12 固定要素
13 固定プレート
14 エッジ領域
15 長穴
16 ガイドエッジ
17 ボルト
Y 第1の調整方向
Z 第2の調整方向
X 第3の調整方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のボディ開口内のハウジングと、ハウジングの垂直方向下の領域に配設された少なくとも1つの下の固定箇所と、ハウジングの垂直方向上の領域に配設された少なくとも1つの上の固定箇所とを有し、上又は下の固定箇所のハウジングの接合部材が、ヘッドランプのビーム方向に対して横に延在する、第1の調整方向に沿って移動可能なホルダを介してサポート部品と結合されている、ヘッドランプを調整可能に固定するための装置において、
ホルダ(6)が、ガイド(8)を介して第1の調整方向(Y)にサポート部品(4)に向かって移動可能に支承されていること、ホルダ(6)に第1の調整方向(Y)のホルダ(6)の固定をするためのブロック装置(11)が付設されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
ハウジング(1)の接合部材(5,5’)が第1の調整方向(Y)に対して垂直な第2の調整方向(Z)回りにホルダ(6)に向かって移動可能に支承されるように、ホルダ(6)がガイド手段(16)を備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
接合部材(5,5’)が、第1の調整方向(Y)に対して垂直に延在する、第2の調整方向(Z)を設定する長穴(15)を備える長穴部品として形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
ホルダ(6)が連続的に第1の調整方向(Y)に移動可能で固定可能であるように、ブロック装置(11)が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の装置。
【請求項5】
ブロック装置(11)が、サポート部品(4)と結合された固定要素(12)と固定プレート(13)を有し、固定要素(12)の操作により固定プレート(13)がホルダ(6)に固定作用を及ぼすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項6】
長穴部品(5,5’)が、ボルト固定によりホルダ(6)と結合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の装置。
【請求項7】
ブロック装置(11)の固定要素(12)が、長穴部品(5,5’)のボルト固定(9,9’)に対して平行にオフセットして配設されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の装置。
【請求項8】
ホルダ(6)のガイド手段が、第2の調整方向(Z)に延在するガイドエッジ(16)を有し、このガイドエッジが、少なくともホルダ(6)の周縁面に隣接して延在することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の装置。
【請求項9】
ブロック装置(11)の固定要素(12)が、固定ボルトとして形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の装置。
【請求項10】
ホルダ(6)が、角柱状の合成樹脂部品として形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−504464(P2009−504464A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525372(P2008−525372)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際出願番号】PCT/DE2006/001064
【国際公開番号】WO2007/016888
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(507340256)ハー・ベー・ペー・オー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (3)
【Fターム(参考)】