説明

ヘルメット

【課題】 走行風をヘルメットの内側と頭の間で流下させることで頭部のクーリング効果を高め、汗臭の消臭と除湿を行い、かつ、衝撃吸収効果を高めるとともに、着用時のフイット性をよくして安定した着用を継続できるヘルメットを提供する。
【解決手段】 ヘルメットHは、ライナ2の頭頂部の内側に配置した第1緩衝体3と、ライナ2の前頭部の内側から第1緩衝体3を取り囲んでライナ2の後頭部の内側に連なる通気路7を隔てて該ライナ2の側頭部の内側に配置した少なくとも左右一対の第2緩衝体4とを備え、第1緩衝体3がゲル33を封入した袋体32からなり、第2緩衝体4のそれぞれが木炭粉40を内装した通気性を有する袋体41によって構成されているとともに、これら袋体41の重なり合う内周端46が通気路7に対して閉塞されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルメットに係り、特に、自転車通学時の着用に好適なヘルメットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ヘルメット着用時における汗臭の消臭および除湿を行うためのヘルメット内装具は公知であり(特許文献1)、夏期などの炎天下において頭部を冷却するために、表地と裏地の間に吸水性および保水性を有する高分子繊維からなる不織布を封入して三層構造とした頭部冷却用パッドは公知であるとともに(特許文献2)、前頭部から頭頂部を通って後頭部に連なる溝からなる通気路を形成することで、走行風をヘルメットの内側と頭の間に導いてクーリング効果を高めるようにした野球用ヘルメットは公知である(特許文献3)。
【特許文献1】特開平8−302515号公報
【特許文献2】実用新案登録第3075471号公報
【特許文献3】特許第2978755号公報
【0003】
前記特許文献1の(図4)に記載のヘルメット内装具は、横長帯を2枚重ねとして複数の袋状材倉を並設して連倉体を形成し、各材倉には消臭材として備長炭粉を内装したもので、これをヘルメットの内側に装着されている緩衝体の間隙から該緩衝体の上側に挿入してヘルメットの内面に沿うように配設される。したがって、ヘルメット着用時における汗臭の消臭および除湿を行うことができる。しかし、ヘルメットを着用した自転車走行時において、走行風を導入して頭部を冷やすクーリング効果が期待できないばかりか衝撃吸収効果を期待することもできない。
【0004】
一方、前記特許文献2の(図2)に記載の頭部冷却用パッドは、表地と裏地の間に吸水性および保水性を有する高分子繊維からなる不織布を封入した三層構造のもので、その表地側が額の部分に当たるように帽子の内面に取付けられる。したがって、帽子着用時に頭部を冷却できるとされる。しかし、汗臭の消臭と除湿を期待できない。また、帽子を着用した自転車走行時において、走行風を導入して頭部を冷やすクーリング効果が期待できないばかりか衝撃吸収効果を期待することもできない。このことは、前記不織布に代えて、当該特許文献2の〔従来の技術〕の欄に記載されているゲルを冷却剤として使用したとしても同様である。
【0005】
他方、前記特許文献3の(図3)に記載の野球用ヘルメットは、シェル本体部の内側に設けられた半球殻形状のライナの前頭部から頭頂部を通って後頭部に連なる溝からなる通気路を形成したものである。したがって、盗塁や守備あるいは練習時のランニングの際などに生じる走行風をヘルメットの内側と頭の間に導いて頭部を冷やすことによりクーリング効果を高めることができる。また、ライナの側頭部には溝が形成されていないので、耐衝撃性と衝撃吸収効果の低下を抑制できる。しかし、汗臭の消臭と除湿を期待できない。また、ヘルメット着用時のフイット性をよくする機能を有していない。
【発明の開示】
【0006】
したがって、本発明の目的は、走行風をヘルメットの内側と頭の間で流下させることで頭部のクーリング効果を高め、汗臭の消臭と除湿を行い、かつ、衝撃吸収効果を高めるとともに、着用時のフイット性をよくして安定した着用を継続できるヘルメットを提供することである。
【0007】
本発明のヘルメットは、これを着用して自転車を走行させると、走行風が通気路を流下して着用者の前頭部、頭頂部と側頭部の境界部分および後頭部を冷やすクーリング効果が得られる。
【0008】
また、第2緩衝体における袋体の重なり合う内周端が通気路に対して閉塞されているので、通気路を流下する走行風が袋体の重なり合う内周端に触れるのを回避できる。そのため、走行風は乱れることなくスムースに通気路を流下するので、通気性が向上してクーリング効果をより一層高めることができる。
【0009】
さらに、第1緩衝体がゲルを封入した袋体によって構成されているので、ゲルの衝撃吸収作用によって頭頂部を保護することができるとともに、ゲルは頭頂部に沿って容易に変形するのでヘルメット着用時のフイット性がよくなる。また、ゲルは熱容量が大きく、かつ、伝熱しにくい特性を有しているので、直射日光のあたる場所や高温の場所を避けて、涼しい場所に保管しておくことで、ヘルメットの着用時において体温よりも低温の第1緩衝体を頭頂部にフイットさせて涼感を与えるとともに、樹脂製のシェルが直射日光に晒されても、ゲルの断熱作により頭頂部への影響を緩和できる。
【0010】
また、左右一対の第2緩衝体が木炭粉を内装した通気性を有する袋体によって構成されているので、木炭粉によって汗臭の吸着による消臭と汗の水分吸着による除湿を行って、ヘルメット着用者の気分を爽快にするとともに、木炭粉によって生じる空気中のプラスイオンを減少させるマイナスイオン効果によって、頭皮への刺激を和らげて頭皮を保護し、かつ、疲労感やストレスを鎮静する効果を発揮することができる。しかも、消臭と除湿を行った木炭粉は、自然乾燥させることによって消臭および除湿の機能が回復するので、繰り返して使用することができる。
【0011】
本発明においては、前記左右一対の第2緩衝体を構成する袋体は、シートと不織布との間に複数の袋部を形成しており、前記各袋部が前記ヘルメットの周方向に長く、かつ、幅方向に短い突条を形成しており、前記各突条が互いに概ね平行で、前記各突条間に空気の流路を形成しているのが好ましい。
かかる態様によれば、走行風が各突条間の空気の流路を流下することにより、通気性が向上してクーリング効果をより一層高めることができる。
また、木炭粉を内装した各袋部が前記ヘルメットの周方向に長く、かつ、幅方向に短い突条を形成している。そのため、前記木炭粉が袋部内で下方に偏るのを防止することができるから、第2緩衝体の頭部へのフィット性がより一層向上する。
【0012】
本発明においては、前記第2緩衝体は複数の袋体からなり、前記各袋体は各々扇形ないし台形状に形成されて前記周方向に沿って配置されているのが好ましい。
かかる態様によれば、各袋体を扇型ないし台形状に形成することにより、袋体をライナの側頭部に沿って配置することができる。
特に、たとえば、図6に示すように、袋体を台形状に形成することにより、材料の無駄なく該袋体を製造することができる。
【0013】
本発明のヘルメットは、第1緩衝体を針入度が20〜200の範囲に設定した柔らかいゲルを袋体に封入して構成することが望ましい。これによると、ヘルメット着用時のフイット性がさらによくなり、この良好なフイット性を安定して保持できる。したがって、風圧や振動などによるヘルメットの移動が抑えられるので、自転車走行中に庇部によって視野が遮られるのを回避して、安全走行の実行に寄与することができる。なお、ゲルの針入度が20未満であると柔軟度が過剰になって、二次的衝撃吸収作用が低下し、ゲルの針入度が200を超えると柔軟性が失われて、フイット性が損なわれるのでヘルメットを安定保持できなくなり、風圧や振動などによりヘルメットが移動する。したがって、針入度を20〜200の範囲に設定した柔らかいゲルを用いることが推奨される。
【0014】
本発明のヘルメットは、第2緩衝体が、廃棄木材を素材とした木炭粉と、このを木炭粉を内装した袋体とによって構成されている。廃棄木材には、一般に、杉や松などの軟らかい木材が多く混入しているので、樫などの硬い木材を素材とした木炭粉よりも高い衝撃吸収作用が得られる。そのため、廃棄木材を素材とした木炭粉の高い衝撃吸収作用によって側頭部を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
実施例1:
図1〜図3は実施例1を示す。
図1および図2A,図2Bにおいて、通学用ヘルメットHは、シェル1、ライナ2、第1緩衝体3および左右一対の第2緩衝体4とを備えている。
【0016】
シェル1は樹脂製のもので、ヘルメットH着用者の頭頂部と側頭部を覆う半球殻形状の本体部10と、この本体部10から前方に突出する庇部11とが一体に形成されている。
【0017】
ライナ2は、たとえば発泡スチロールからなる半球殻形状の衝撃吸収部材であり、本体部10の内側に設けられている。
【0018】
第1緩衝体3は頭頂部を保護するとともに、ヘルメットH着用時のフイット性をよくし、かつ、自転車走行時の風圧や振動などによるヘルメットHの移動を抑えるためのもので、樹脂フィルム製で円盤状の凸部30aと、この円盤状の凸部30aの外周域にのびる延出部30bを有する表地30と、高分子繊維からなる不織布製で平坦、かつ、その外周縁部が表地30における円盤状の凸部30aの外周縁部に溶着された裏地31とからなる袋体32と、この袋体32に封入されている円盤状のシリコーンゲル33を備えており、前記裏地31をライナ2における頭頂部の内面に当接させた状態でライナ2の内側に配置されている。また、円盤状のシリコーンゲル33の針入度は20〜200の範囲に設定されている。
【0019】
左右一対の第2緩衝体4は、側頭部を保護するとともに、汗臭の吸着による消臭と汗の水分吸着による除湿を行って、ヘルメットH着用者の気分を爽快にし、さらに頭皮への刺激を和らげて頭皮を保護し、かつ、疲労感やストレスを鎮静する効果を発揮するためのもので、図1,図2A,図2Bおよび図3に示すように、木炭粉40を内装してキルティングされた通気性を有する袋体41によって構成されている。通気性を有する袋体41は、高分子繊維からなり通気性を有する不織布製で平坦な表地42と、樹脂フィルム製で多数の凸部43を形成した裏地44とを備え、これら多数の凸部43間の隙間45を表地42に対して溶着によってキルティングし、このキルティングによって囲まれた多数の凸部43と表地42と裏地44との間に、杉や松などの廃棄木材を素材とした木炭を粉砕して製造した木炭粉40を内装したものである。このような構成の一対の第2緩衝体4は、裏地44における多数の凸部43をライナ2における両側頭部の内面に当接させた状態でライナ2の内側に配置される。
【0020】
図1および図2A,図2Bに示すように、第1緩衝体3がライナ2の頭頂部の内側に配置され、左右一対の第2緩衝体4がライナ2の両側頭部の内側に振り分けて配置されることで、ライナ2の前頭部の内側から第1緩衝体3を取り囲んでライナ2の後頭部の内側に連なる通気路5が形成される。この通気路5の前頭部側には空気導入口6が開口し、後頭部側には空気排出口7が開口している。また、左右一対の第2緩衝体4において、重なり合う表地42と裏地44の内周端46を、第1緩衝体3における表地30の延出部30bによって閉塞している。すなわち、左右一対の第2緩衝体4において表地42と裏地44とが重なり合う袋体41の内周端46が、第1緩衝体3における表地30の延出部30bによって空気導入口6、通気路5および空気排出口7に対して閉塞されている。
【0021】
前記構成の通学用ヘルメットHは、これを着用して自転車を走行させると、走行風は空気導入口6からライナ2の内側と前頭部の間に導入されて前頭部を冷やし、ついで後頭部側に向けて通気路5を流下することによって、頭頂部と側頭部の境界部分を冷やし、さらにライナ2の内側と後頭部の間を流下して後頭部を冷やした後に空気排出口7から排出される。これによって、ヘルメットH着用者の前頭部と、頭頂部と側頭部の境界部分および後頭部を冷やすクーリング効果が得られる。
【0022】
また、左右一対の第2緩衝体4において表地42と裏地44とが重なり合う袋体41の内周端46が、第1緩衝体3における表地30の延出部30bによって空気導入口6、通気路5および空気排出口7に対して閉塞されていることによって、通気路5を流下する走行風が前記重なり合う内周端46に触れるのを回避できる。そのため、走行風は乱れることなくスムースに通気路5を流下するので、通気性が向上してクーリング効果をより一層高めることができる。
【0023】
さらに、第1緩衝体3がシリコーンゲル33を封入した袋体32によって構成されているので、シリコーンゲル33の衝撃吸収作用によってヘルメットH着用者の頭頂部を保護することができるとともに、シリコーンゲル33は頭頂部に沿って容易に変形するのでヘルメットH着用時のフイット性がよくなる。また、シリコーンゲル33は熱容量が大きく、かつ、伝熱しにくい特性を有しているので、直射日光のあたる場所や高温の場所を避けて、涼しい場所に保管しておくことで、ヘルメットHの着用時において体温よりも低温の第1緩衝体3を頭頂部にフイットさせて涼感を与えるとともに、樹脂製のシェル2が直射日光に晒されても、シリコーンゲル33の断熱作により頭頂部への影響を緩和できる。
【0024】
ここで、針入度が20〜200の範囲に設定された柔らかいシリコーンゲル33を袋体32に封入して第1緩衝体3を構成すると、ヘルメットH着用時のフイット性がさらによくなり、この良好なフイット性を安定して保持できる。したがって、風圧や振動などによるヘルメットHの移動が抑えられるので、自転車走行中に庇部11によって視野が遮られるのを回避して、安全走行の実行に寄与することができる。
【0025】
また、左右一対の第2緩衝体4が木炭粉40を内装してキルティングされた通気性を有する袋体41によって構成されているので、木炭粉40によって汗臭の吸着による消臭と汗の水分吸着による除湿を行って、ヘルメットH着用者の気分を爽快にするとともに、木炭粉40によって生じる空気中のプラスイオンを減少させるマイナスイオン効果によって、頭皮への刺激を和らげて頭皮を保護し、かつ、疲労感やストレスを鎮静する効果を発揮することができる。しかも、消臭と除湿を行った木炭粉40は、自然乾燥させることによって消臭および除湿の機能が回復するので、繰り返して使用することができる。
【0026】
ここで、左右一対の第2緩衝体4を、廃棄木材を素材とした木炭粉40と、このを木炭粉40を内装した袋体41とによって構成すると、前記廃棄木材には、一般に、杉や松などの軟らかい木材が多く混入しているので、樫などの硬い木材を素材とした木炭粉40よりも高い衝撃吸収作用が得られる。そのため、廃棄木材を素材とした木炭粉40の高い衝撃吸収作用によってヘルメットH着用者の側頭部を保護することができる。
【0027】
実施例2:
図4〜図6は実施例2を示す。
図4に示すように、左右の第2緩衝体4Aは、それぞれ3個の袋体51により構成されている。各袋体51は、ヘルメットHの側頭部の周方向Rに沿ってライナ2に配置されている。本実施例2では、各袋体51の一部として、後述する製造方法によって、図6に示す台形状に形成された袋体を用いている。
【0028】
図5Bに示すように、前記袋体51は、表地42と裏地44との間に複数の袋部53が形成されてなる。前記表地42は不織布で構成されており、裏地44は、たとえば樹脂フィルム等からなるシートで構成されている。
前記袋部53は表地42に形成されており、ヘルメットHの内側に突出するように形成されている。袋部53には木炭粉40が内装されている。図4および図5Aに示すように、前記各袋部53は、ヘルメットHの周方向Rに長く、かつ、幅方向Z(図6)に短い突条54を形成している。前記各突条54は、互いに概ね平行に形成されており、各突条54間には、隙間45が形成されている。
【0029】
図4に示すように、隣り合う袋体51の各突条54は互いにヘルメットHの周方向Rに連なるようにライナ2に装着されている。そのため、各突条54間の隙間45がそれぞれ周方向Rに連なり、空気の流路が形成されている。
その他の構成は、実施例1と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
【0030】
図4の矢印で示すように、走行風は空気導入口6から前記通気路5に向かうと共に、各隙間45に導入され、空気排出口7から排出される。一方、各隙間45に導入された空気は、側頭部を流下し、空気排出口7から排出される。前述のように、各隙間45はヘルメットHの周方向Rにそれぞれ連なっているので、空気導入口6から導入された空気は、該隙間45を空気排出口7に向ってスムースに流れる。これによって、ヘルメットH着用者の側頭部を冷やすクーリング効果が得られる。
【0031】
ここで、前記袋部53は、ヘルメットHの周方向Rに長く、かつ、幅方向Zに短く形成されている。そのため、袋部53内に内装された木炭粉40が幅方向Z(下方)に大きく偏るおそれがないので、ヘルメットHを装着した際に、袋部53が側頭部に密着し、ヘルメットHの装着感を損なうことがない。
【0032】
製造方法:
前記袋体51の製造方法としては、図6に示すように、前記表地42と裏地44との間に木炭粉40が充填された複合シート100を、互いに接する台形状にカットすることにより無駄なく袋体51を製造することができる。
【0033】
なお、前記袋体51は、ライナ2の側頭部に沿う形状であれば良く、扇形に形成されていてもよい。
また、前述の実施例2では、左右の第2緩衝体4Aをそれぞれ3個の袋体51で構成しているが、左右の第2緩衝体4Aをそれぞれ1個の袋体51で構成してもよいし、2個や4個以上の袋体51で構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態を示す底面図である。
【図2】本発明の一実施形態の縦断正面図を示し、図2Aは図1のII−II線上の縦断正面図であり、図2Bは図2Aの要部を拡大して示す縦断正面図である。
【図3】第2緩衝体の一実施形態の一部を分解して示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例2を示す底面図である。
【図5】図2Aは図4のV−V線上の縦断面図であり、図2Bは袋体付近の横断面図である。
【図6】台形状の袋体の製造方法を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0035】
1:シェル
2:ライナ
3:第1緩衝体
4、4A:第2緩衝体
5:通気路
10:本体部
32:第1緩衝体の袋体
33:ゲル
40:木炭粉
46:袋体の重なり合う内周端
53:袋部
54:突条
H:ヘルメット
R:周方向
Z:幅方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭の上部を覆う半球殻形状の樹脂製のシェルと、このシェルの内側に設けられた半球殻形状のライナとを備えたヘルメットにおいて、
前記ライナの頭頂部の内側に配置した第1緩衝体と、ライナの前頭部の内側から第1緩衝体を取り囲んでライナの後頭部の内側に連なる通気路を隔てて該ライナの側頭部の内側に配置した少なくとも左右一対の第2緩衝体とを備え、前記第1緩衝体がゲルを封入した袋体からなり、前記第2緩衝体のそれぞれが木炭粉を内装した通気性を有する袋体によって構成されているヘルメット。
【請求項2】
請求項1において、前記左右一対の第2緩衝体を構成する袋体は、シートと不織布との間に複数の袋部を形成しており、前記各袋部が前記ヘルメットの周方向に長く、かつ、幅方向に短い突条を形成しており、前記各突条が互いに概ね平行で、前記各突条間に空気の流路を形成しているヘルメット。
【請求項3】
請求項2において、前記第2緩衝体は複数の袋体からなり、前記各袋体は各々扇形ないし台形状に形成されて前記周方向に沿って配置されているヘルメット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項において、前記ゲルの針入度が20〜200の範囲に設定されているヘルメット。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項において、前記第2緩衝体の木炭粉が、廃棄木材を素材とした木炭を粉砕したものであるヘルメット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−217846(P2007−217846A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−47654(P2006−47654)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【特許番号】特許第3839463号(P3839463)
【特許公報発行日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【出願人】(300046452)
【Fターム(参考)】