説明

ベランダのアルミ戸やガラスを守るシステム

【課題】竜巻からベランダのアルミ戸やガラスを守る
【解決手段】風検出手段、
カーテン駆動機構およびカーテンからなる電動カーテン、もしくは、他の機械式カーテンと、
全体を制御する中央制御装置よりなり、
カーテンレールを上方と下方に設け、上下でしっかり固定し、
暴風を識別する風速値<木の枝などの物が飛ぶ程の風速>を、中央制御装置へ入力しておき、風検出手段により暴風を検出すると、
炭素繊維や金網、あるいは、ハリにより補強したカーテンにより、ベランダのドア、窓ガラスを守る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物干し装置、および、そのための雨センサの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物干し装置としては、当出願人による物干し用電動カーテンがある。PCT/JP94/01759。これは、雨センサや光センサを用いて、雨天や晴天を判断し、雨天になれば、カーテンを閉じ、晴天になれば、カーテンを開いて、それによって、洗濯物が雨で濡れるのを防ぎ、また、洗濯物の乾燥を促進するものである。
【先行技術文献】

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、在来の雨センサの仕組みは、一対の電極が降雨により短絡する、もしくは、電極間の容量が変化することを、その原理としている。したがって、在来の雨センサは、いったん雨を検出した後、次ぎの計測に先だって、雨センサの電極を、ヒータによる熱、もしくは、圧縮空気を吹きつける<特開平4−194657>等の手段で、乾かしていた。が、その乾燥のタイミングについては、考慮が払われていなかった。
【0004】
そのため、降雨の検出に支障が無いようにしようとすると、ヒータによる加熱、あるいは、空気圧縮機を用いて、圧縮空気を吹きつける等の手段による水分の除去の回数を増やすことになり、雨センサの電極の腐食、あるいは、それらの手段を動作させるための電気料金コストの上昇を招いていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、光検出手段、雨検出手段、雨検出手段の電極の乾燥手段、および、電動カーテン、さらに、これら各装置を順序良く動かすためのマイクロプロセサ等の中央制御装置からなる。雨検出手段の電極を乾燥せしめる際のムダを省くための第一の方法は、雨検出手段の電極が、雨で濡れた後、光検出手段に、一定値以上の光量が入力され、マイクロプロセサが、晴天を判断したならば、その時に、雨検出手段用の電極乾燥手段を動かす。第二の方法としては、光センサにより、晴天が判断されなくても、事前に設定された時刻、一例日没の時刻になれば、あるいは、事前に設定された時間が経過したならば、雨検出手段の電極の乾燥手段を動かす。
【0006】
雨検出手段が、降雨を検出した時点以後、<その雨が、ただちに止んだとしても、>その時の降雨により、あるいは、降り続く降雨により、雨検出手段の電極は濡れたままである。降雨が止んだことの検出は、雨検出手段自身には、できない。<在来のように、ひんぱんに、電極を乾燥させるならば、それも不可能ではないが、降雨が続くさい中に、それをすることは、ムダである。>その後、光検出手段が所定値以上の光量を検出し、マイクロプロセサが晴天と判断したならば、雨検出手段の電極用の乾燥手段を動かす。すると、雨検出手段はそれ以後の新たな降雨を検出できる。さて、夜間においては、光検出手段が太陽の光を捉えることは、ありえない。そこで、日没時点で一度、電極乾燥手段を動作させると、それ以前に雨が降り止んでいたが、曇天が続いていたために、光検出手段が雨の止んだことを検出できなかった場合にも対応できる。すなわち、夜間に雨が再び降りだしても、それを正しく検出できる。
【発明の効果】
本システムの方法を用いることで、在来の雨センサの長寿命化を図ることができる。また、節電にもなる。カーテンの素材を変えることで、竜巻対策にもなる。さらに、放射線検出手段を中央制御装置へつないで、屋内への放射線を遮蔽することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略構成図である。
【図2】天候の時間的変化を示すもの。
【図3】雨検出手段の電極をおおうための蓋が開閉する様子。一例として、食器乾燥機と同じ原理のものを、この目的で活用できる。電極は蓋の内側に設置されている。
【図4】雨センサの電極が乾燥している時の、つまり、初期値が晴天であるときの、本システムの動きを示すフローチャート。
【図5】雨センサの電極が濡れておるときの、つまり、雨が降り出した後の、本システムの動きを示すフローチャート。
【図6】竜巻用の二重カーテンを正面から、見たもの。ハリ12で補強された、ナイロンカーテン11と、カーボンンファイバーの網でできたカーテン13である。
【図7】図6の二重カーテンと上から見たもの。カーテンレールが複線15、16に施行されている.
【図8】本システムを物干し、及び、日よけ目的で用いたときのフローチャート.
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0007】
光検出手段としては、光センサやフォトダイオードを使用できる。雨検出手段、および、そのための電極乾燥手段としては、在来のものを使用できる。在来の雨センサを前者に、髪の毛用のドライヤーを後者に用いてもよい。中央制御装置としては、マイクロプロセサ、もしくは、ホームコンピュータを使用できる。本システムでは、カーテンとモータ等のカーテン駆動装置からなる、電動カーテンが、この中央制御装置に、前記検出手段や他の構成部品と共に、オンラインで接続されておる。ところで、昼間であるにもかかわらず、光センサへ入力される光量が、各季節ごとに事前に入力された曇天時の光量付近へ、いちじるしく低下した場合、雨天になる可能性がある。その場合、雨センサによる雨の検出に先だって、カーテンを閉めることを考慮してもよい。雨の最初の数滴が、洗濯物に落ちるケースを防げる。図2は、雨が時刻t1,t3に降り始め、それぞれ、時刻t2,t4で降り止むケースをあらわしておる。ところで、物干し用で雨センサを用いるときには、雨の降り始めと、降りおわりが検出できれば良いのであり、図2のt1〜t2,t3〜t4のように、まさに雨が降っておる時には、雨検出手段は休んでいても差し支えぬ。それは、降雨の最中には、電動カーテンとゆう「傘」をさしたままにしている,したがって、洗濯物が濡れることが無いからである。
【0008】
時刻t1で、雨が降り始めると、雨検出手段を通して、降雨は中央制御装置により認識される。すると、中央制御装置は、「カーテン閉」の信号を、カーテン駆動手段に送り、カーテンは閉じる。また、この時刻t1が、中央制御装置に記憶される。本システムでは、昼間雨が降り、電極が濡れた後、<雨が止み>、晴天が検出された時には、中央制御装置により、電極乾燥手段が起動される。すると、雨検出手段の電極が乾き、降雨の最新の計測が可能になる。さきに、<雨が止み>と論じたが、正確には、もしくは、中央制御装置にとっては、この「最新の計測」により、雨が止んだことがわかる。また、本システムでは、昼間雨が降り、それが検出された後で、夕方までに、光検出手段により、晴天が検出されない時には、中央制御装置により、日没時に雨センサ用の電極乾燥手段が動作される。また、昼夜を問わず、降雨が検出された後で、<つまり、時刻t1やt3から、数えて>各季節に応じて、数時間もしくは数十分に1回<昼間においては、その所定の時間内に晴天が検出されていない時には>、電極乾燥手段を動かすように、中央制御装置のプログラムを組んでも良い。たとえば、雨の降り始めから、秋なら6時間に1回、夏なら30分に1回、利用者が入力した時間Δtが経過したら、中央制御装置が電極乾燥手段を動かす。この時間は、各季節の平均的な、降雨継続時間により、利用者により決定せられる。このようにすると、日没時、もしくは、Δtの時間の経過時に、降雨についての最新の情報を、中央制御装置は取得できる。電極乾燥手段が起動されるのは、もちろん、電極が濡れておるときのみである。濡れておるか否かは、通電状態により、もしくは、電極間の容量の変化から、容易に、中央制御装置により、識別せられる。
【0009】
a)t2〜t3が晴天の場合晴天かどうかは、各季節に応じて、事前に設定された日光の光量が、光検出手段に入力されたか否かにより、中央制御装置により識別せられる。雨上がり時の光量の検出。時刻t2になり、空が晴れてくると、光検出手段を通して、中央制御装置により、それは認識される。すると、中央制御装置は、まず、電極乾燥手段をオンにする。電極の乾燥後、雨検出手段による、最新の降雨の測定結果が中央制御装置にもたらされる。雨が検出されなかった時には、中央制御装置はカーテン駆動手段に、「カーテン開」の信号を送り、カーテンは開かれる。日光により、洗濯物の乾燥が進む。雨が検出された時とは、空の一部が晴れてきたが、上空にまだ雨雲が残っているケースであり、カーテンは閉じたままにされる。晴天時では、電極は乾いたままゆえ、時刻t3に雨が、再び降り出しても、雨検出手段により、それは計測され、中央制御装置はカーテン駆動手段に「カーテン閉」の信号を送り、カーテンは閉じられる。さて、所定値以上の光量が検出されたら、たとえ、最新の計測で雨が観測されたとしても、雨が止みかかっておるケースともかんがえられる。その場合に限って、<繰り返し、電極を乾燥するムダを省くため、雨上がり時専用の電極乾燥時間間隔Δt0を、一例15分のように、事前に入力しておき>その時から、検出される光量が所定値以上である限り、電極乾燥手段をΔt0ごとに起動し、最新の降雨計測を可能ならしめ、雨が止む時刻t2を正確に、中央制御装置にて把握せしめることもできる。
【0010】
b−1)t2〜t3が曇天で、ほど良い風の無い場合、<晴天時の光量が検出されぬ>曇天かどうかは、光検出手段に所定の光量が入力されていないとゆうことである。風検出手段により、風が全く無いケース、また、風があっても、それが強すぎて、事前に設定された風速以上の風が吹いていて、洗濯物が飛ばされてしまうケースを、中央制御装置は識別できる。時刻t2になり、雨が降り止んだとしても、厚く雲がたれこめておる時には、中央制御手段は、光検出手段を通して、それを認識することは、できないかもしれぬ。しかし、物干しとゆう観点からは、曇天で程良い風が無いなら、カーテンを閉めきったままにしておいて、さしつかえぬ。したがって、時刻t3〜t4にて、再び雨が降っても、洗濯物が濡れることは無い。
【0011】
b−2)曇天で、程良い風の有る場合物干しとゆう観点からは、雨が降っていないならば、日光が無くても、程良い風があれば、洗濯物の乾燥にはプラスである。この程良い風は、利用者が用いておるハンガーなどの種類に応じて、決定せられる。風で洗濯物ごと飛ばされないような、仕組みが施されたハンガー等が、利用されておる時には、かなり強い風でも、「程良い風」の部類に入るかもしれない。この程良い風速の上限と下限は、事前にキーボードあるいは、テンキーその他の入力装置から、中央制御装置へ登録しておくことができる。なお、コスト低減のために、風検出手段を用いないケースでは、風で落ちやすいハンガーを使用しておるならば、常に、突風とみなすように、中央制御装置へ指示し、カーテンを閉めたままにしておくことも、できよう。一方、風に強い仕組みのハンガーを使用しておれば、そして、物干しを急いでおるときには、ほどよい風とみなすように、中央制御装置に指示し、カーテンを開けるようにすることも、できよう。他方、本システムが使われる場所に応じて、立地上、風の弱いところなら、無風とみなすように、中央制御装置へ指示することもできよう。これらの点については、ユーザの判断に任される.さて、程良い風の吹いている場合には、雨が止んだかを、一度はチェックすることに意味がある。そこで、中央制御装置は、電極乾燥手段をオンにし、電極の乾燥後、雨検出手段による、最新の降雨観測結果を入手する。雨が検出されなく、さらに、風検出手段により、今吹いている風が、程良い風と識別できた時には、「カーテン開」の信号をカーテン駆動手段へ送り、カーテンは開かれる。一方、雨が検出されたら、風を伴う雨は、物干しには禁物ゆえ、カーテンは閉じたままにされる。この場合、晴天のときと違って、電極乾燥時間間隔Δtが、短縮されることは無く、初期値が維持される。
【0012】
本システムでは、晴天か否かの判断に、光検出手段を用いているが、夜になると、それによる観測が、中央制御装置にはできなくなる。そこで、各季節の日没の時刻を、事前に中央制御装置に登録しておき、日没時に電極乾燥手段をオンにする。すると、その時点で、雨が止み、程良い風のあることが観測されたならば、中央制御装置はカーテンを開くことができる。これは、電極乾燥間隔時間Δtとして、数時間以上の大きい値を入力しておるケースで、物干しに適した天候状況を、すみやかに検出する一助となる。
c)経過時間ベースで、システムが動くケース。
システムの動きは、以下のようになる。中央制御装置には、時刻t1以後、電極が濡れたままゆえ、雨が止んだか、否かはわからないが、雨の降り始めの時刻t1からの経過時間、および、その時の時刻はわかる。そこで、前述したように、事前に設定した経過時間<一例夏場の30分>が経過したならば、<また、経過するたびごとに>、あるいは、日没時になったならば、中央制御装置は電極乾燥手段を動作せしめる。それにより、電極が乾燥するので、その時点で雨が降り続けておるか、もう止んだかを、中央制御装置は識別できる。雨が止んでおれば<図2で、ΔtとしてΔt2設定時>、中央制御装置は程良い風の吹いておる時に限って、カーテン駆動手段に「カーテン開」の信号を送り、カーテンは開かれる。すると、曇天でも風により、洗濯物は乾く。雨が降り続いておるならば<ΔtとしてΔt1設定時>、中央制御装置は無条件で、カーテンを閉じたままにしておく。すると、洗濯物が雨風で濡れるとゆうことが無くなる。上記の仕組みは、晴天時には、雨上がり時専用の電極乾燥時間間隔Δt0へ0分を設定することで、雨が降り止んだ、真の時刻t2を、中央制御装置に与えることが可能となる。他方、曇天じには、雨の降り止んだ正確な時刻を、中央制御装置へ与えるものではないが、電極乾燥時間間隔Δtとして、本システムが使われる、その地域での、各季節ごとの降雨の継続時間の統計的最小値が、入力されることで、時刻t2を経過後、すみやかに、中央制御装置が降雨の停止を検出する可能性が高まる。一方、降雨の継続時間の、統計上の最大値を入力することで、雨が降り続いておるにもかかわらず、電極を乾かすとゆうムダを、最小限のものにすることができる。実用上は、その時々の物干し作業の必要度に応じて、急ぎの洗濯ものを干しているなら前者、そうでないなら後者の対応をとることになろう。今日、IBM社等により音声認識装置が実用化されつつあり、その機能を雨の認識、ことに、雨の降り始めと、雨の降り終わりの認識の一助とすることができる。本システムは、家人が留守の時に、そのニーズが最も高くなるのであるが、その場合は、在宅に伴う生活騒音が、最小になっており、事前に登録した雨降り時の音パターンによる音認識がかなりやりやすくなる。
【0013】
本システムの雨検出手段の電極には、図3のような、自動開閉する蓋を設けることができる。すると、雨が降り続いておる<かもしれない>ケースにて、電極乾燥手段を動かすにあたり、その乾燥に要する時間、したがって、電気料金をも、節減できる。その蓋は、電極が乾燥するとすぐに、中央制御装置により開かれるので、雨検出手段はただちに、雨の計測が可能となる。電極乾燥時のみ、ふたが閉まる.上記の蓋の自動開閉は、中央制御装置とオンラインでつながる、蓋開閉用の専用のモータ18により容易に実現できる。この開閉用のモータ18を有する食器乾燥器を用いると、すぐれた電極乾燥手段を実現できる。
【0014】
上記のような仕組みにしたので、頭髪用ドライヤーなどにより、雨検出手段の電極を乾かす回数を、大幅に節約しつつ、その時々の降雨の検出、ことに、降り止んだ時刻の検出精度を高く維持することができる。なお、特開平2−262090の方法を、雨検出手段へ用いると、電極の腐食を、さらに低減できる。また、特開平2−57956の手順をもちいると、雨センサの電極面上の雨滴を毛管現象で排出するので、上記、乾燥時間を、さらに減らすことができる。また、特開昭62−112043を用いると、夜露による誤動作を防止できる。
【0015】
本システムの光検出手段は、ネオンサインや街灯の光を日光と間違えないように、特に、日光の波長領域で感度の良い、フォトダイオード、もしくは、光センサが使われる。中央制御装置には、その季節ごとの日没と日の出の時刻が入力されている。そこで、夜間に自動車のランプ、自宅や隣りのマンションなどの光が、光検出手段に入っても、それを、日光と間違えることは無い。図4と図5は、前述した本システムの動きをフローチャートにしたものである。
【0016】
前記のようにして、家人の不在中に、また、睡眠中に自動的に、ナイロンカーテンを閉じて、洗濯物が濡れることを防げるが、雨の降り始めにおいては、1滴の雨が、雨検出手段により感知せられる前に、数滴の雨で、洗濯ものが濡れるケースも考えられる。さて、家人が自宅から、気象学的にさほど離れていない時には、たとえば、数km〜10km以内なら、自分の居場所で雨が降っている、もしくは、降りそうであれば、自宅でも雨が降っている、あるいは、降りそうであることが、予測できる。そのような時には、電話回線を通じて、自宅の中央制御装置へ、「カーテン閉」を指示できる。逆に、家人がもう晴れると判断したなら、「カーテン開」の信号を、電話回線より、中央制御装置へ送信できる。一例として、*10の信号が電話回線を通して届いたなら、カーテンを閉じる、#10の信号がとどいたなら、カーテンを開けるように、中央制御装置のプログラムを組むことができる。中央制御装置は、各々の信号が、外部の電話、もしくは、携帯電話,PHSから届いたなら、受信した制御信号に応じて、「カーテンを閉めます」、「カーテンを開ける準備をします」と、半導体ICもしくはテープレコーダに登録された音声メッセージを家人へ返す。中央制御装置は、カーテンを閉めるとゆう指示に対して、対応する信号をカーテン駆動手段へ送り、ただちに、カーテンを閉めることができる。一方、カーテンを開けるとゆう指示に対しては、二通りの対応が考えられる。
d)家人が自宅から、それほど離れていないところから、電話による指示を与えておる時で、その場合には、自分の居場所で雨が止んでおれば、まず自宅でも雨がやんでおる時で、中央制御装置は、ただちにカーテンを開けることができる。
e)同じ電話による指示でも、家人が比較的、自宅から遠くから指示を出しておるときには、自宅周辺では、まだ雨が散らついておるかもしれない。そこで、中央制御装置は、電極乾燥手段を動作せしめ、雨検出手段による最新の降雨観測結果を得て後、雨が止んでおれば、カーテンを開け、まだ降っておるなら、閉めたままにしておく。前者d)のケースでは、#20にて、無条件でカーテンを開けるようにし、後者e)では、#10を用いるようにして、区別することができる。いずれのケースも、家人の指示が、天候センサの働きを代替しておるのである。
【0017】
前述したC)のケースにて、一例節電のために、雨センサの電極の乾燥回数を減らそうとすると<,すなわち、電極乾燥のための時間間隔Δtを大きな値にすると>、たとえば、時刻t2での「雨が止んだ」ことの検出が、遅れがちであるが、電話回線を通じて、中央制御装置へ指示を与えるリモートコントロールシステムを用いると、この欠点を低減できる。家人が、雨の止んだことに気づき、指示を出せば。このような、電話回線を通じたシステムは、雨センサ、光センサをベースにした、物干し用電動カーテンシステムを、ことに、雨の降り始めや降り終わりにおいて、補うものといえる。
【0018】
洗濯物が雨で濡れるのを防止するとゆう観点からは、雨の降り始めにおいて、電話回線から届いた「カーテン閉」の信号を、中央制御装置は、無条件で受け入れ、雨検出手段が1滴の雨をも感知していなくても、カーテンを閉じることができる。逆に、雨の降り終わりにおいては、家人が離れた場所で、雨が止んだと判断しても、自宅周辺ではまだ、雨が散らついているかもしれない。そこで、カーテンを閉じた状態のときに、「カーテン開」の信号<一例#10>を電話回線より受信したなら、中央制御装置は、まず電極乾燥手段を、その時点で動かし、ついで、雨検出手段、雨センサによる計測を行い、雨が降っていないと判断したならば、始めて、「カーテン開」の信号を、カーテン駆動手段へ送るのが合理的である。もちろん、雨が検出されたら、家人からの指示にかかわらず、カーテンを閉じたままにしておく。これらの場合、中央制御装置は、外部にいる家人に対して、それぞれ「雨が降ってないので、カーテンを開けます」、「雨が降っておるので、カーテンは閉めたままにしておきます」とゆう音声メッセージを、電話回線を通じて、送信する。家人が、phsや携帯電話から指示を出しておるときには、その番号を事前に、中央制御装置へ登録しておくことで、この返信は容易にできる。このように、雨の降り終わりにおいては、家人の判断と雨センサの測定結果が異なるときには、雨センサを優先するのが合理的である。
【0019】
とはいえ、まれなケースであるが、雨検出手段や光検出手段が故障することもある。中央制御装置が、雨センサの蓋の自動開閉装置や、電極乾燥手段、あるいは、光検出手段の故障を自己診断により発見したならば、電話回線による、家人からの信号を、センサに優先して用いるように、ソフトウエアを組むことができる。なお、風検出手段を用いておる時で、激しい風が検出されたら、家人からの「カーテン開」の信号を受け、雨が止んでいたとしても、中央制御装置はカーテンを閉めたままにしておき、後に、風がおさまったところで、始めてカーテンを開くことになる。このような観点より、電話回線からのユーザの指示は、中央制御装置をして、電極乾燥手段を動かし、最新の天候観測を為さしめる、ヒントを与えるものといえる。ことに、#10による「カーテン開」の指示が届いた時には、図5において、所定値以上の光が検出された時と、同じふるまいを、システムがすることになる。なお、電極乾燥手段が電極を乾かすのに、若干の時間を要する。そこで、#10の指示が届いた後、電話を接続したままにしておくことは、電話代がもったいない。上記の「雨が降っておるので、カーテンは閉めたままにしておきます」等の返信は、いったん電話が切られた後の、中央制御装置による自動発信であり、電子メールにて返信するのも良かろう。
【0020】
図6は、物干しとゆう観点を越えて、本システムを応用して、竜巻からベランダのアルミ戸やガラスを守ろうとゆう実施例を示す。これは、もっぱらカーテンの素材を変えることだけで実現できる。図6のように、カーテンレールを上方と下方に設ける。下方はベランダ上に、上方はベランダの天井<上の階のベランダ>へ設けることができる。<ベランダの無い時は、室外の窓枠の上下に幅10cm程の木枠を固定して、代用せしめうる。>さらに、カーテンレールを複線にし、上下でしっかり固定した、2種類のカーテンで、同一箇所を2重におおうようにする。複線のカーテンレールの外側へは、一例炭素繊維<カーボンファイバー>の網で作ったカーテンを用いる。<金網で、できたカーテンを用い、ただし、巻きとり式のカーテンとし、カーテンを閉じるときには、巻き放し、開くときには、巻きとるようにするのもよい。>複線の内側のカーテンとしては、<カサのハリのように、>金属製のハリで補強したナイロン製のカーテンを用いる。図7は、図6の仕組みを真上から見たときのものである。暴風を識別するための風速値<木の枝などの物が飛ぶ程の風速>を、事前に中央制御装置へ入力しておくことができる。風検出手段により、家人が外出中でも、又、夜間、利用者が睡眠中でも、自動的に竜巻などの暴風を検出し、炭素繊維や金網による外側のカーテン、あるいは、ハリにより補強した内側のカーテンにより、台風や竜巻の飛来物から、ベランダのドア、窓ガラスを守ることができる。外側の網で大きな飛来物、内側の補強したカーテンで<いずれも室外>小さな飛来物を防ぐ。電話回線を通じて、遠方から中央制御装置へ指示を与えることにより<一例*30>、上記の暴風対策用カーテンを閉めるようにソフトウエアを組んでおけば、留守中、たとえ、風センサ故障時にも、効果的に竜巻、台風から室内を守ることができる。ことに、室内の美術品保護に有効であろう。上記の暴風用のカーテンをマンションの1階で用いれば、防犯効果を上げることもできる。また、ナイロンカーテンとして、不透明な素材を用いると、室内のプライバシーの保護に役立つ。また、炭素繊維の網に「かや」を併用して、夏場に蚊を防ぎつつ、外気を取りこむこともできよう。キーボード、その他のスイッチにより、直接指示を与えることにより、上記複線にしたカーテンのいずれかを、選択的に開閉できることはゆうまでもない。なお、図6の外側のカーテンは、引っ張り強度を持たせるために、当出願人によるpct/jp96/02306の仕組みを取り入れて、一定の張力を持たせた、巻きとり式にしても良い。
【0021】
図6の仕組みで、カーテンの材質を次ぎのようなものにする。外側のカーテンとして、所定の大きさ<ベランダの左右のアルミ戸を完全におおえる程度>の含鉛ゴムを用いる。含鉛ゴムは、β線遮蔽に有効であり、特に、この場合は、ゴムが直接、人の肌に触れない形で使用できるので、ゴムとしてのしなやかさを損なわない範囲で、含鉛の程度を最大限にしうる。内側のカーテンとしては、アルミホイールカーテンを用いる。アルミホイールカーテンは、やや厚めの、所定の大きさのアルミ箔を用いてもよいし、カーテンとしての強度を持たせるため、他の材質、<ナイロンクロース等、何でもよい>のカーテンに、厚めのアルミニュームを張りつけたものでもよい。ことに、消防夫の防火服に用いるものと、同じものでもよい。アルミは、二次線放出が少ない。これらのカーテンの表面にバリウム化合物を塗布すれば、ガンマ線に対しての遮蔽効果も期待できる。
【0022】
このようなカーテンを、ガイガーカウンター等の放射線検出手段が放射能を検出したときに、自動的に閉じるようにする。本来、人は、放射線を検出することができない。また、県や市により、放射線事故の発生が通報されたときには、既に、放射能が10分〜数十分、漏出しておることも考えられる。そのようなケースに対応でき、また、鉛カーテンのような重いものでも、すみやかにアルミ戸や窓枠を覆えるとゆう意味で、本システムでは、子供や病人、老人のみが在室していても、効果的に放射線遮蔽ができる。なお、鉛ガラスよりなる自動窓を、自動ドアの仕組みで、自動的に閉めるようにしても良い。実開平7−14073と類似の仕組み。さて、音声認識装置を雨音認識手段として用いる時について補足する。夕立のように、激しく降る雨は、その雨音が大きく、そのときの音パターンを中央制御装置が学習できる。つまり、夕立の開始は、在来の雨センサにても把握できる。そこで、夕立のような大雨を検出したとき、そのときの音量、音パターンを記憶する。そして、その音が半減もしくは、一定の%以下になったら、雨の降り終わりと判断しても良い。雨音認識手段は、雨音の入力用のマイクを伴うことは、ゆうまでもない。
【0023】
日よけ用カーテンとエアコンを連動して動かし、夏場の冷房費用の節約を図ることができる。図6の複線レールのシステムで外側に日よけ用のラミネートフィルムカーテンを用い、内側に物干し用のナイロンンカーテンを用いてもよい。図8は、その場合のシステムの動きを示すものである。洗たく物の有無は、人がスイッチ等で入力。光検出手段により、日よけ用に事前に設定された値よりも、強い入射光が観測されたら、日よけ用のカーテンをしめるものである。光検出手段を使わなくても、一定量の冷房運転をしておるにもかかわらず、室内の温度上昇があれば、室内への日光の入射エネルギーが増大しているとみて、カーテンを自動的に閉めても、まず差し支えない。ただし、稀ではあるが、火災等により室温の上昇が生じることもある。そこで、光検出手段を用いないで、エアコンと日よけカーテンの連動システムを使うときには、この両者のほか、火災報知機、その他の火災センサーを中央制御装置にオンラインで結び、火災でないことが確認された時のみ、日よけ用のカーテンを自動的に閉じるようにすべきである。とゆうのは、カーテンとして水を弾く材質のものを用いておる時、ことに、窓外へ設置する場合には、そのカーテンにより、消防車の放水を無効にすることが、あるからである。この意味で、物干し用のナイロンカーテンを用いるときも、火災センサ、温度センサ<一例室温が50度を越した時>により、室内火災の発生が推測される時には、中央制御装置は無条件で、カーテンを開けるように、ソフトウエアが組まれる。
【0024】
電極の電気的性質を用いない、雨の検出方法として、投光器と受光器を組み合わせたものを使うことができる。雨が降っておると、投光器から発せられた光が雨により減衰し、受光器に入る光が、その分弱くなる。ことに、日光検出用の光センサに入る、日光の光量が小さくなり、曇天になった時に、この仕組みを動かすように、中央制御装置のソフトウエアを準備すると、投光器の電気代の節約になるし、また、受光器にとって、日光がノイズとして働くことも無く、理想的な投光、受光システムを実現できる。たとえば、一戸建の家では、投光器を庭の隅<人の背たけより高く>等に、受光器を1階の屋根に設ければ、仮に両者の間を人や物が行き来しても、それを誤読することは無い。もし、家人が留守の時のみ用いるとすると、投光器、受光器の施工条件を、もっと緩めることができる。電気代のさらなる節約も可。この仕組みは、夜間でも用いることができるし、雨音検出手段と違って、静に降る雨でも検出できる。ことに、その降り始めと、降り終わりの検出も可。
【0025】
さて、光検出手段に入る光量を中央制御装置に学習せしめて、たとえば、日よけを必要とする強い日ざしを感じたら、その時に計測された光量を、日よけ判断用の値の候補者として、各季節の晴天時には、その時の入射光量を晴天判断用の基準値として、雨上がり時、曇天時、雨天時の光量は各ケースの所定値として、中央制御装置に記憶せしめ、事後の、天候判断の精度向上に寄与せしめることができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本システムの方法を用いることで、在来の雨センサの長寿命化を図ることができる。また、節電にもなる。カーテンの素材を変えることで、竜巻対策にもなる。さらに、放射線検出手段を中央制御装置へつないで、屋内への放射線を遮蔽することも可能になる。
【符号の説明】
1は、雨検出手段
2は、カーテン駆動手段
3は、カーテン
4は、中央制御装置
5は、光検出手段
7は、電極乾燥手段
8は、電極用自動開閉蓋
9は、電話回線、または、無線回線
10は、携帯電話、phs、または、公衆電話、一般の電話機
11は、ナイロンカーテン、麻布も可。
12は、補強用のハリ
13は、カーボンファイバー網カーテン
14は、ベランダ
15は、内側カーテンレール
16は、外側カーテンレール
18は、ふた開閉用のモータ
19は、カーテンレール
20は、雨音認識手段
21は、マイク
22は、火災センサ
23は、温度センサ
24は、投光器
25は、受光器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
風検出手段、
カーテン駆動機構およびカーテンからなる電動カーテン、もしくは、他の機械式カーテンと、
全体を制御する中央制御装置よりなり、
カーテンレールを上方と下方に設け、上下でしっかり固定し、
暴風を識別する風速値<木の枝などの物が飛ぶ程の風速値>を、中央制御装置へ入力しておき、風検出手段により暴風を検出すると、
炭素繊維や金網、あるいは、ハリにより補強したカーテンにより、ベランダのドア、窓ガラスを守るようにしたシステム。
【請求項2】
風検出手段、
カーテン駆動機構およびカーテンからなる電動カーテン、もしくは、他の機械式カーテンと、
全体を制御する中央制御装置よりなり、
カーテンレールを上方と下方に設け、上下でしっかり固定し、
暴風を識別する風速値、風が強すぎて、洗濯物が飛ばされてしまう風速値を、中央制御装置へ入力しておき、風検出手段により暴風を検出すると、
炭素繊維や金網、あるいは、ハリにより補強したカーテンにより、ベランダのドア、窓ガラスを守るようにしたシステム。
【請求項3】
カーテンレールを複線にし、
外側へは炭素繊維もしくは金網で作ったカーテンを用い、
内側へは金属製のハリで補強したカーテンを用いた、請求項1〜請求項2のベランダのドア、窓ガラスを守るようにしたシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−131433(P2010−131433A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40977(P2010−40977)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【分割の表示】特願2000−174449(P2000−174449)の分割
【原出願日】平成12年5月7日(2000.5.7)
【出願人】(593122099)
【Fターム(参考)】