説明

ベルトコンベヤ及び火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダ

【課題】穀物などのバラ物を荷役するベルトコンベヤ式連続アンローダにおいて、火災検知機能を搭載して、火災の発生を予め検知し、災害を未然に防止できるベルトコンベヤ式連続アンローダを提供する。
【解決手段】垂直ブーム16及び前記水平ブーム14内部に設置したベルトコンベヤ30によりバラ物28を搬送可能なベルトコンベヤ式連続アンローダ10において、垂直ブーム16のローラ支持板に沿って配置され、複数の温度センサチップを内蔵した電子ケーブル101と、垂直ブーム16及び水平ブーム14の結合部分に配置された中継器102と、水平ブーム14の端部に配置され、接続ケーブル103で接続された制御ユニット104と、制御ユニット104に接続された監視モニタ105とを備え、複数の温度センサチップで検出された温度データと、複数の温度センサチップが発生するアドレスデータに基づいて複数個所の温度監視を行って火災予防検知を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベヤ及び穀物などのバラ物を荷役するベルトコンベヤ式連続アンローダに関し、特に、ベルトコンベヤ及びベルトコンベヤ式連続アンローダ動作時の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダに関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベヤ式連続アンローダは、船倉内の穀物などのバラ物を、フィーダなど掘削装置により掻き取り、その掻き取ったバラ物を垂直ブーム、水平ブーム内部に設置したヒレ付きコンベヤなどの搬送手段で荷役する装置である。このようなベルトコンベヤ式連続アンローダにおける従来の運転監視システムは、アンローダが設置されている運転室に監視装置を設け、アンローダの各所に設けられた各センサから出力される状態信号を収集して、各機器を個別に監視している(特許文献1〜3参照)。
【0003】
例えば、特許文献1には、アンローダの排出先端部に、監視装置又は超音波等を利用したセンサを設け、アンローダから排出され、堆積した穀物の高さや拡散状態等をモニタで観察する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、起伏角度検出器で検出された起伏角度と油圧検出器で検出された油圧からシリンダ荷重値を算出し、該算出されたシリンダ荷重値が前記検出された起伏角度に対応する前記シリンダ荷重許容値に達しているかどうかを判定して荷役中のばら物付着量の異常判定を行う制御装置とを備える技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、バケットエレベータの下部に形成された掻取部の先端の伸縮位置を検出する位置検出部を設けて自動的にチェーンの伸びを計測し、荷揚げ効率の悪化を防止する技術が開示されている。
【0006】
更に、特許文献4には、アンローダに設備されたコンピュータと、機器管理センタ側に設備されたサーバと、複数のアンローダ機器管理者側に備えられた端末とで通信連絡網を形成し、単位作業の終了時に無負荷計測データと実稼動時の計測データとを通信回線にて監視センタに送信して異常判定をし、異常判定の結果により通信回線を通じて機器管理者側端末への連絡通信をして健全性を監視する技術が開示されている。
【0007】
図14は従来例のベルトコンベヤ式連続アンローダを示している。図14において、アンローダ10は、主として、アンローダ本体12と、水平ブーム14、垂直ブーム16および供給機18からなっている。アンローダ本体12は、走行フレーム20と旋回フレーム22から構成されている。
【0008】
前記走行フレーム20は、アンローダ10のベースであり、下端部に車輪21、21、…が取り付けられている。これによりアンローダ10は岸壁に沿って走行して所定の位置に移動できるように構成される。旋回フレーム22は走行フレーム20の上部に旋回自在に設置されている。前記水平ブーム14はこの旋回フレーム22の上部に起伏自在に支持されており、起伏シリンダ24によって任意の角度に調整可能とされている。また、前記垂直ブーム16は、水平ブーム14の先端部に枢着支持されて垂下されており、ブーム連結部に設けたスイングシリンダ26によって揺動自在とされている。
【0009】
水平ブーム14と垂直ブーム16の内部には、バラ物28の搬送を連続して行うヒレ付きのアンローダコンベヤ30が設置される。垂直ブーム16の先端には供給機18が設置され、船倉32内のバラ物28を掘削して垂直ブーム16内のアンローダコンベヤ30に移載するように構成される。これより、船舶の船倉穀物などのバラ物28は、供給機18から取り込まれて、アンローダコンベヤ30を介して垂直ブーム16の先端から陸上まで搬送される。なお、34は運転室である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平6−90611号公報
【特許文献2】特開平8−231055号公報
【特許文献3】特開平11−314762号公報
【特許文献4】特開2005−104627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ベルトコンベヤ式連続アンローダでは、穀物などのバラ物28を機械的に搬送しながら、揺動、起伏、旋回などの機械的な動作を繰り返すため、アンローダの装置各部間の摩擦や穀物等のバラ物の介在による熱の発生により、火災発生の危険性が内在していた。図14は実際に埠頭に配置されて作業中に火災を発生したアンローダであり、点線部分は、火災を発生して変色した箇所を示している。図15に示すように、アンローダの水平ブームと垂直ブームの間の起伏動作を行う箇所を中心に火災が発生している。
【0012】
本発明は、穀物などのバラ物を荷役するベルトコンベヤ式連続アンローダにおいて、火災検知機能を搭載して、火災の発生を予め検知し、災害を未然に防止できるベルトコンベヤ式連続アンローダ、及びベルトコンベヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のベルトコンベヤ式連続アンローダは、垂直ブーム及び水平ブームを備え、前記垂直ブーム及び前記水平ブーム内部に設置したベルトコンベヤによりバラ物を搬送可能なベルトコンベヤ式連続アンローダであって、前記垂直ブーム及び水平ブームに沿って配置された複数の温度センサチップを内蔵した電子ケーブルと、中継器と、制御ユニットとを備えており、前記複数の温度センサチップで検出された温度データに基づいて監視モニタにより複数個所の温度監視を行って火災予防検知を行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明のベルトコンベヤ式連続アンローダは、垂直ブーム及び水平ブームを備え、前記垂直ブーム及び前記水平ブーム内部に設置したベルトコンベヤによりバラ物を搬送可能なベルトコンベヤ式連続アンローダであって、前記垂直ブームの前記ベルトコンベヤのローラ支持板に沿って配置され、複数の温度センサチップを内蔵した電子ケーブルと、前記垂直ブーム及び前記水平ブームの結合部分に配置された中継器と、前記水平ブームの端部に配置され接続ケーブルで接続された制御ユニットと、前記制御ユニットに接続された監視モニタとを備え、前記複数の温度センサチップで検出された温度データと、前記複数の温度センサチップが発生するアドレスデータに基づいて複数個所の温度監視を行って火災予防検知を行うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明のベルトコンベヤ式連続アンローダは、前記垂直ブームに複数の温度センサチップを内蔵した複数の電子ケーブルを配置し、前記複数の電子ケーブルからの温度データとアドレスデータを複数の中継器により中継することを特徴とする。
【0016】
また、本発明のベルトコンベヤ式連続アンローダは、複数の温度センサチップを内蔵した電子ケーブルを、前記垂直ブームのベルトコンベヤを搬送する複数のローラの支持板に、ケーブル固定クランプにより着脱自在に設置することを特徴とする。
【0017】
また、本発明のベルトコンベヤは、ベルトコンベヤのベルトを搬送する複数のローラの軸近傍に電子ケーブルに内蔵した複数の温度センサチップを配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ベルトコンベヤ式連続アンローダの温度異常をすばやく検知することができる。特に、ベルトコンベヤ内部の温度異常を、すばやく検知することができ、温度センサは、一定周期で全温度情報を取得し、火災予防の検知をすることが可能である。
【0019】
また、本発明によれば、ベルトコンベヤ式連続アンローダの滑車発熱異常を検知することができる。温度上昇位置を検知し、検知感度設定も容易であり、ベルトコンベヤに常に温度高い箇所や、低い箇所がある場合、各個別に検知温度設定が可能である。
【0020】
また、電子ケーブルをゾーンで区分けを行い、ゾーンごとに検知温度を設定することが可能である。個別温度設定が可能であり、日々の温度管理を確認することができ、また、コンベヤ温度履歴管理を行うことにより温度センサによって取得したデータは、ユニットに蓄積することが可能である。
【0021】
また、本発明のベルトコンベヤは、ベルトコンベヤのベルトを搬送する複数のローラの軸近傍に電子ケーブルに内蔵した複数の温度センサチップを配置することにより、より正確にベルトコンベヤの温度監視を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は本発明の実施例1の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダを示した説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの斜視図である。
【図3】図3は本発明の火災予防検知機能を構成する各機器の説明図である。
【図4】図4は本発明の実施例2の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの説明図である。
【図5】図5は火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの電子ケーブルの取り付け機構の説明図である。
【図6】図6は本発明のベルトコンベヤの電子ケーブルに内蔵した複数の温度センサチップの配置を説明する図である。
【図7】図7は本発明の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの監視モニタの説明図である。
【図8】図8は本発明の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの監視モニタの表示画面を示す図である。
【図9】図9は本発明の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの監視モニタの画面例(A)である。
【図10】図10は本発明の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの監視モニタの画面例(B)である。
【図11】図11は本発明の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの監視モニタの画面例(C)である。
【図12】図12は本発明の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの監視モニタの画面例(D)である。
【図13】図13は本発明の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの監視モニタの画面例(E)である。
【図14】図14は従来例のベルトコンベヤ式連続アンローダを示した説明図である。
【図15】図15は従来例のベルトコンベヤ式連続アンローダの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明の実施例1の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダを示した説明図である。図1において、アンローダ10は、アンローダ本体12と、水平ブーム14、垂直ブーム16および供給機18からなっている。アンローダ本体12は、走行フレーム20と旋回フレーム22から構成されている。
【0025】
前記走行フレーム20は、アンローダ10のベースであり、下端部に車輪21、21、…が取り付けられている。これによりアンローダ10は岸壁に沿って走行して所定の位置に移動できるように構成される。旋回フレーム22は走行フレーム20の上部に旋回自在に設置されている。前記水平ブーム14はこの旋回フレーム22の上部に起伏自在に支持されており、起伏シリンダ24によって任意の角度に調整可能とされている。また、前記垂直ブーム16は、水平ブーム14の先端部に枢着支持されて垂下されており、ブーム連結部に設けたスイングシリンダ26によって揺動自在とされている。
【0026】
水平ブーム14と垂直ブーム16の内部には、バラ物28の搬送を連続して行うヒレ付きのアンローダのベルトコンベヤ30が設置される。垂直ブーム16の先端には供給機18が設置され、船倉32内のバラ物28を掘削して垂直ブーム16内のアンローダコンベヤ30に移載するように構成される。これより、船舶の船倉穀物などのバラ物28は、供給機18から取り込まれて、アンローダのベルトコンベヤ30を介して垂直ブーム16の先端から陸上まで搬送される。なお、34は運転室である。
【0027】
垂直ブーム16には、アンローダのベルトコンベヤ30に沿って、複数の温度センサチップを内蔵した電子ケーブル101が取り付けられ、垂直ブーム16と水平ブーム14との接続部には、中継器102が設置され、水平ブーム14には接続ケーブル103が取り付けられ、水平ブーム14の端に位置する電気室に制御ユニット104が設置され、制御ユニット104は、運転室34内に設置される監視モニタ105と電気的に接続される。
【0028】
垂直ブーム16に取り付けられた電子ケーブル101に内蔵された複数の温度センサチップで検出された温度データと各温度センサチップの位置を示すアドレスデータが電子ケーブル内の通信線を通って、垂直ブーム16と水平ブーム14との接続部に設置された中継器102、水平ブーム14に取り付けられた接続ケーブル103とを介して、制御ユニットに集約され、アンローダ10の複数個所の温度データが監視され分析されて、火災予知情報を得ることができる。
【0029】
図2は本発明の実施例1の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの斜視図である。走行フレーム20の下端部に車輪21、21、…が取り付けられ、アンローダ10は岸壁に沿って走行する。アンローダ本体12は走行フレーム20の上部で旋回し、水平ブーム14はアンローダ本体12の上部に起伏自在に支持されている。また、前記垂直ブーム16は、水平ブーム14の先端部に枢着支持されて垂下されており、揺動自在とされている。
【0030】
垂直ブーム16には、複数の温度センサチップを内蔵した電子ケーブル101が取り付けられ、垂直ブーム16と水平ブーム14との接続部には、中継器102が設置され、水平ブーム14には接続ケーブル103が取り付けられ、水平ブーム14の端に位置する電気室に制御ユニット104が設置され、制御ユニット104は、運転室34内に設置される監視モニタ105と電気的に接続される。
【0031】
垂直ブーム16に取り付けられたた電子ケーブル101に内蔵された複数の温度センサチップで検出された温度データと各温度センサチップの位置を示すアドレスデータが電子ケーブル内の通信線を通って、垂直ブーム16と水平ブーム14との接続部に設置された中継器102、水平ブーム14に取り付けられた接続ケーブル103とを介して、制御ユニットに集約され、アンローダ10の複数個所の温度データが監視され分析されて、火災予知情報を得ることができる。
【0032】
図3は本発明の火災予防検知機能を構成する各機器の説明図である。火災検知機能を構成する各機器には、温度センサチップ111を内蔵した電子ケーブル101、中継器102、接続ケーブル103、制御ユニット104、監視モニタ105が含まれる。
【0033】
電子ケーブル101は、温度検知ケーブルであり、複数の温度センサチップ111を内蔵している。温度センサチップ111は−40〜85℃までの温度を検知することができ、複数の温度センサチップで多点温度計測が可能である。温度センサチップ111は、アドレスデータを付与可能であり、アドレス管理で場所を特定することができる。電子ケーブル101はハロゲンフリーケーブルであり、材質ポリウレタンの複数の被覆膜で、1本の通信線を被覆している。電子ケーブル101は、温度センサチップを1mピッチで内蔵して最大延長250mのものを作成し、例えば、ケーブル固定クランプを用いて、50cm毎にケーブル固定クランプによりワンタッチで設置することが可能である。
【0034】
中継器102は、電子ケーブル101からの信号を、接続ケーブル103を介して制御ユニット104に中継する。複数の電子ケーブル101を設ける場合には、電子ケーブル101に対応して、複数の中継器102を設置する。
【0035】
制御ユニット104は、電源:AC100V、消費電力=2.1Wで、8点のリレー出力から信号を出力することができ、複数の温度センサチップで検出されたベルトコンベヤ式連続アンローダの複数個所の温度データを監視モニタ105に送信することができる。
【0036】
監視モニタ105は、検知温度を設定する機能を備えた設定ソフトウェア及びグラフ表示機能を備えた監視ソフトウェアを有しており、電子ケーブル101の複数の温度センサチップで検出されたベルトコンベヤ式連続アンローダの複数個所の温度データを監視・分析して、温度異常の監視や火災予防検知を行う。
【0037】
なお、実施例1では、複数の温度センサチップ111を内蔵した電子ケーブル101が垂直ブーム16に設けられ、中継器102が垂直ブーム16と水平ブーム14との接続部に設置され、制御ユニット104が水平ブーム14の端に位置する電気室に設置されているが、電子ケーブル101、中継器102、制御ユニット104は、上記位置に限定されることなく、前記垂直ブーム及び水平ブームに沿った適切な位置に配置することが可能である。
【0038】
また、実施例1では、監視モニタ105はアンローダ10の運転室34内に配置されているが、監視モニタ105の配置位置は運転室34内に限定することなく、例えば、通信回線を介して、アンローダ10外部の監視センタ等に監視モニタ105を設置することもできる。
【0039】
また、実施例1では、電子ケーブル101は、複数の温度センサチップ111を内蔵している温度検知ケーブルであるが、温度検知手段として、複数地点の温度を測定する他の手段を採用することが可能であり、また、前記垂直ブーム及び水平ブームに沿って温度検知手段を配置する手段は、上記のケーブル固定クランプに限らず、他の固定手段を用いることができる。
【実施例2】
【0040】
図4は本発明の実施例2の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの説明図である。図4において、ベルトコンベヤ式連続アンローダには左右一対の垂直ブーム16,16を備えている。ベルトコンベヤ30,30は複数のローラ304により搬送される。各垂直ブーム16,16の複数ローラ304の支持板に複数の電子ケーブル101,101,101、・・が設置され。左側の電子ケーブル101,101に左側の中継器102が接続され、右側の電子ケーブル101,101に右側の中継器102が接続される。
【0041】
左右の中継器102,102からの信号は、接続ケーブル103,103を介して電気室内に配置された制御ユニット104に送信され、制御ユニット104の複数のリレー出カから出力信号が運転室内に配置された監視モニタ105に送信される。
【0042】
図5は火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの電子ケーブルの取り付け機構の説明図である。図5において、ベルトコンベヤ30は、平ベルト303上に横桟301及び波桟302が形成されて、穀物等のバラ物の収容部分が形成されている。
【0043】
ベルトコンベヤ30の平ベルト303の下部には、複数のローラ304が配置されており、ベルトコンベヤ30は、ローラ支持板305上に形成された複数のローラ304上を平ベルト303が移動することにより搬送される。複数のローラ304が設けられたローラ支持板305に、ケーブル固定クランプ121を設置し、ケーブル固定クランプ121に、温度センサチップ111(破線で示す。)が内蔵された電子ケーブル101をワンタッチで設置することが可能である。
【0044】
電子ケーブル101内には、1本の通信線112に、複数の温度センサチップ111(破線で示す。)が内蔵されており、各温度センサチップ111が検出したその地点の温度データと、各温度センサチップ111が出力するその地点のアドレスデータとが、1本の通信線112を介して送信される。
【0045】
なお、本発明の実施例2では、図4に示すベルトコンベヤ式連続アンローダに、図5に示すケーブル固定クランプ121により温度センサチップ111が内蔵された電子ケーブル101を設置する例が示されているが、本発明は実施例2のベルトコンベヤ式連続アンローダの種類に限定されず、また、温度センサチップ111が内蔵された電子ケーブル101の設置手段も図示されたケーブル固定クランプ121に限らず、他の任意の固定手段を用いることができる。
【実施例3】
【0046】
図6は本発明の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダに適用可能な温度監視機能付きベルトコンベヤを説明する図である。図6において、平ベルト303は複数のローラ304に搬送可能に支持されている、前記複数のローラ304は、ローラ支持板305に固定され、それぞれ、中心軸306の周りを回転する。
【0047】
ベルトコンベヤのベルト303を搬送する複数のローラ304の中心軸306近傍に電子ケーブル101に内蔵した複数の温度センサチップ111をそれぞれ配置し、複数の温度センサチップ111により、ベルトコンベヤの温度監視を行う。
【0048】
複数の温度センサチップ111を内蔵した電子ケーブル101を支持する複数のローラを開閉可能なケーブル固定クランプにより支持する。ケーブル固定クランプ121は、それぞれ、ローラ支持板305にボルト等の固定手段で固定される。ケーブル固定クランプ121の上部には、電子ケ―ブル101を取り外し自在に固定する開閉可能な腕部が形成されており、複数の温度センサチップ111を内蔵した電子ケ―ブル101を複数の温度センサチップ111が、複数のローラ304の中心軸の近傍に配置されるように支持することができる。
【0049】
図7は本発明の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの監視モニタ105の説明図である。監視モニタ105の画面には様々な表示データを表示することができる。例えば、(A)で示す温度値及び温度変化値(過去との差)のグラフや、(B)で示す温度・変化値一覧や、(C)で示す温度変化値の立体グラフや、(D)で示す温度値の立体グラフや、(E)で示す警報・エラー一覧を表示することができる。
【0050】
図8は本発明の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの監視モニタ105の表示画面を示す図である。図7に示すように、監視モニタ105の表示画面上には、マルチウィンドウ機能により、複数の種類の表示画面を同時表示し、選択表示することが可能である。
【0051】
図9は本発明の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの監視モニタの画面例(A)である。監視モニタの画面(A)の上部には、ベルトコンベヤ式連続アンローダのある特定の地点での温度値の時系列変化を示すグラフが表示され、監視モニタの画面(A)の下部には、ベルトコンベヤ式連続アンローダのある特定の地点での、過去の時点からの温度変化値の時系列変化を示すグラフが表示されている。画面上で表示する温度値の上限値と下限値を画面下部の設定部で設定することができる。
【0052】
図10は本発明の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの監視モニタ105の画面例(B)である。監視モニタの画面(B)には、ベルトコンベヤ式連続アンローダの特定の制御ユニット103(SCU2)の複数の地点(No)毎に、現在の温度値(T−act)と、過去の時点での温度値(T−ref)と、それらの差である温度変化値(T−dif)が並列に表示される。また、画面(B)の下部には、平均の温度値(MWTa)、過去の時点での平均の温度値(MWTr)、及び、平均の温度値のずれ(Drift)も表示可能である。
【0053】
図11は本発明の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの監視モニタ105の画面例(C)である。監視モニタ105の画面(C)は、温度変化値の立体表示であり、複数の地点と複数の時点を示す2次元(X−Y)平面に対して、複数の地点と複数の時点毎にZ軸方向に、温度変化値の大きさを表示している。画面(C)により、特定の場所(地点)で、特定の時刻(時点)で、ベルトコンベヤ式連続アンローダの温度がどのように変化したかを把握することができる。
【0054】
図12は本発明の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの監視モニタの画面例(D)である。監視モニタ105の画面(D)は、温度値の立体表示であり、複数の地点と複数の時点を示す2次元(X−Y)平面に対して、複数の地点と複数の時点毎にZ軸方向に、温度値の大きさを表示している。画面(D)により、特定の場所(地点)で、特定の時刻(時点)で、ベルトコンベヤ式連続アンローダの温度がどのような値となったかを把握することができる。
【0055】
図13は本発明の火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダの監視モニタの画面例(E)である。監視モニタ105の画面(E)は、警報・エラー一覧であり、特定の制御ユニット(SCU2000)からの特定の系列(Se)の特定の箇所(SNr)の特定の時刻での警報メッセージ(FIRE)、あるいは、正常状態のメッセージ(Acknowledge)が表示され、警報メッセージ(FIRE)を参照して火災を検知することが可能となる。
【0056】
本発明の実施例2では、監視モニタの画面として、図6〜図12の画面例が示されているが、これらの画面は例示に過ぎず、火災予防検知のために利用可能な他のデータを用い他の出力形式の画面を構成することも可能である。
【0057】
また、本発明の実施例1,2では、火災予防検知のために複数の地点の温度データを用いたが、温度データに限らず、火災予防検知に関係する風速、風量、気温、湿度といった環境データや、ベルトコンベヤ式連続アンローダが搬送するバラ物(穀物等)の温度や湿度をも検出し利用することも可能である。
【0058】
また、温度データ等の検出手段、検出したデータの送信手段、検出したデータの蓄積手段、検出したデータの解析・表示手段等については、実施例1,2に示された手段に限らず、他の任意の手段を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明のベルトコンベヤ式連続アンローダに適用した火災予防検知機能は、産業用機械の火災予防検知システム等に広範囲に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
10 アンローダ
12 アンローダ本体
14 水平ブーム
16 垂直ブーム
18 供給機
20 走行フレーム
21 車輪
22 旋回フレーム
24 起伏シリンダ
26 スイングシリンダ
28 バラ物
30 ベルトコンベヤ
32 船倉
34 運転室
101 電子ケーブル
102 中継器
103 接続ケーブル
104 制御ユニット
105 監視モニタ
111 温度センサチップ
112 通信線
121 ケーブル固定クランプ
301 横桟
302 波桟
303 平ベルト
304 ローラ
305 ローラ支持板
306 ローラ中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直ブーム及び水平ブームを備え、前記垂直ブーム及び前記水平ブーム内部に設置したベルトコンベヤによりバラ物を搬送可能なベルトコンベヤ式連続アンローダにおいて、
前記垂直ブーム及び水平ブームに沿って配置された複数の温度センサチップを内蔵した電子ケーブルと、中継器と、制御ユニットとを備えており、前記複数の温度センサチップで検出された温度データに基づいて監視モニタにより複数個所の温度監視を行って火災予防検知を行うことを特徴とする火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダ。
【請求項2】
垂直ブーム及び水平ブームを備え、前記垂直ブーム及び前記水平ブーム内部に設置したベルトコンベヤによりバラ物を搬送可能なベルトコンベヤ式連続アンローダにおいて、
前記垂直ブームの前記ベルトコンベヤのローラ支持板に沿って配置され、複数の温度センサチップを内蔵した電子ケーブルと、前記垂直ブーム及び前記水平ブームの結合部分に配置された中継器と、前記水平ブームの端部に配置され接続ケーブルで接続された制御ユニットと、前記制御ユニットに接続された監視モニタとを備え、
前記複数の温度センサチップで検出された温度データと、前記複数の温度センサチップが発生するアドレスデータに基づいて複数個所の温度監視を行って火災予防検知を行うことを特徴とする火災予防検知機能を搭載したベルトコンベヤ式連続アンローダ。
【請求項3】
請求項1記載のベルトコンベヤ式連続アンローダにおいて、前記垂直ブームに複数の温度センサチップを内蔵した複数の電子ケーブルを配置し、前記複数の電子ケーブルからの温度データとアドレスデータを複数の中継器により中継することを特徴とするベルトコンベヤ式連続アンローダ。
【請求項4】
請求項1記載のベルトコンベヤ式連続アンローダにおいて、複数の温度センサチップを内蔵した電子ケーブルを、前記垂直ブームのベルトコンベヤを搬送する複数のローラの支持板に、ケーブル固定クランプにより着脱自在に設置することを特徴とするベルトコンベヤ式連続アンローダ。
【請求項5】
ベルトコンベヤのベルトを搬送する複数のローラの中心軸近傍に電子ケーブルに内蔵した複数の温度センサチップをそれぞれ配置し、前記複数の温度センサチップにより、ベルトコンベヤの温度監視を行う温度監視手段を備えたことを特徴とするベルトコンベヤ。
【請求項6】
請求項5に記載のベルトコンベヤにおいて、前記複数のローラを支持するローラ支持板に固定された開閉可能なケーブル固定クランプにより、前記複数の温度センサチップを内蔵した電子ケーブルを支持することを特徴とするベルトコンベヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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