ベルト搬送装置及び画像形成装置
【課題】搬送ベルト及びこれを掛け回す搬送ローラ及び従動ローラなどをユニット化したときに従動ローラの1つの端部は他の端部や搬送ローラの端部とは異なる部材で支持しなければならないために平行度を維持することが難しい。
【解決手段】搬送ベルト31を掛け回した搬送ローラ32及びテンションローラ33の内、テンションローラ33の1つの端部を支持している支持部材213の高さ位置を調整するために、エンジンフレーム101の構成部材101d側に固定して保持部材245に螺着したネジ241とネジ241の位置をロックするナット241からなる調整手段240を設けた。
【解決手段】搬送ベルト31を掛け回した搬送ローラ32及びテンションローラ33の内、テンションローラ33の1つの端部を支持している支持部材213の高さ位置を調整するために、エンジンフレーム101の構成部材101d側に固定して保持部材245に螺着したネジ241とネジ241の位置をロックするナット241からなる調整手段240を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はベルト搬送装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタ、ファックス、コピア、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置としては、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、シート材としての媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうもの、あるいは、電子写真方式で画像を形成するものなどがある。
【0003】
なお、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、液体吐出ヘッドを用いる画像形成装置における「液体」とは、記録液、インクに限るものではなく、吐出されるときに流体となるものであれば特に限定されるものではない。
【0004】
ところで、液体吐出方式の画像形成装置においては、高画質化のためには液滴のシート材である用紙に対する着弾位置精度を高める必要があることから、シート材である用紙を搬送する搬送装置として搬送ベルトを備えたベルト搬送装置を使用し、搬送ベルト表面を一様に帯電させ(直流電界で帯電させるもの、交番電界で帯電させるものがある。)シート材を静電力による吸着力で吸着して、記録ヘッドと用紙との距離を一定に保ち、かつ、用紙の送りを正確に制御して用紙の位置ずれを防止し、かつ用紙の浮きを防止して用紙と記録ヘッドとの当たりによるジャムや汚れを防止するようにしたものが知られている。なお、ベルト搬送装置としては、エアー吸着ベルトを用いるものもある。
【0005】
このようなベルト搬送装置は、通常、駆動ローラと従動ローラ(一般にテンションローラ)を含む1又は複数の従動ローラとの間に無端状の搬送ベルトを架け渡し、搬送ベルトを周回移動させることによってシート材を搬送するように構成される。
【0006】
ところで、少なくとも2本のローラにシーム有り又はシームレスの搬送ベルトを架け渡した場合、搬送ベルトの寄りが生じると、シート材の搬送が不安定になり、特に液体吐出方式の画像形成装置に適用した場合には液滴の着弾位置のバラツキが生じ易くなり、安定して高品質の画像を形成することができなくなる。
【0007】
そこで、従来、一般に、上述したように少なくとも2本以上のローラに搬送ベルトを周回移動させるベルト搬送装置では、搬送ベルトの内周にはベルトの寄り及びその位置を規制するビードが設けられている。
【0008】
また、特許文献1に記載されているように、ベルトに外部からクリーニングブラシや転写ローラといった一定速度で回転する回転部材が接離する装置においては、ベルト端部に付けられたガイド部材をローラ片側端部にベルト寄り力により接触させ、回転させるようにしても、回転部材の接触によってベルトの寄りが乱される現象が発生することから、上記回転駆動部材の回転軸と無端状ベルト部材を張架するローラとの平行度を調整可能としたものがある。
【特許文献1】特開2005−017367号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、例えば、画像形成装置において、記録液の液滴を吐出して用紙に画像を形成する画像形成手段としての記録ヘッド、記録ヘッドを搭載したキャリッジ、キャリッジの走査機構、用紙を搬送するベルト搬送装置などをユニット化してエンジンユニットとし、このエンジンユニットを装置本体内に対して着脱自在に装着できるように構成することが考えられる。
【0010】
この場合、ベルト搬送装置の内の搬送ベルト及びこの搬送ベルトを掛け回す駆動ローラ(搬送ローラ)や従動ローラ(テンションローラ)などをベルトユニットとしてユニット化して、上述したエンジンユニットのフレーム(エンジンフレーム)に組み込むようにして、エンジンフレームの位置精度のみでベルトユニットの位置精度をセットする構成とすることが、組み立て上の作業性が向上する。
【0011】
ところが、このようにベルトユニットの位置精度をエンジンフレームの位置精度のみでセットするような構成を採用した場合、エンジンフレームの撓みや変形による位置変動の影響がベルトユニットに及ぶことになり、搬送ベルトを架け回している搬送ローラとテンションローラの平行度がずれて、搬送ベルトの寄りや乗り上げなどが生じるという課題が発生する。
【0012】
また、上述したように搬送ベルト及びこの搬送ベルトを掛け回す駆動ローラ(搬送ローラ)や従動ローラ(テンションローラ)などをベルトユニットとしてユニット化する場合、例えば搬送ローラとテンションローラの一端部側は共通の支持部材で支持することができるが、他端部側も共通の支持部材で支持しようとすると、無端状の搬送ベルトを掛け回すことができなくなるので、2つのローラの他端部側は別の支持部材で支持する構成とせざるをえなくなる。その結果、2つのローラの他端部側は上下方向に位置ずれを生じ易くなり、この点でも、搬送ベルトを架け回している搬送ローラとテンションローラの平行度がずれて、搬送ベルトの寄りや乗り上げなどが生じるという課題が発生する。
【0013】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、搬送ベルトを架け回すローラ間の平行度を調整可能なベルト搬送装置、このベルト搬送装置を備えて安定して高画質画像を形成できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するため、本発明に係るベルト搬送装置は、少なくとも駆動ローラと従動ローラとの間に掛け回した無端状の搬送ベルトと、駆動ローラと従動ローラとの間で搬送ベルトの平面度を保持するプラテンガイド部材と、従動ローラの少なくとも片側を保持する部材の位置を調整する調整部材とを備えている構成とした。
【0015】
ここで、調整部材は、搬送面に対して垂直方向に対して調整可能である構成とすることができる。この場合、調整部材は、従動ローラを付勢する部材を有する構成とできる。また、調整部材は、搬送ベルトが設置される側のフレームに取り付けられている構成とでき、この場合、調整部材のフレームへの取り付け方向が従動ローラの取り付け方向と同じである構成とできる。
【0016】
また、搬送ベルトは、シート材を吸着して搬送するベルトである構成とでき、この場合、エアーでシート材を吸着させるエアー吸着ベルト、電界作用でシート材を吸着させる静電吸着ベルトである構成とできる。搬送ベルトは直流電界で帯電される静電吸着ベルト、搬送ベルトは交番電界で帯電される静電吸着ベルトである構成とできる。
【0017】
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係るベルト搬送装置を備えているものである。この場合、画像形成手段が液滴を吐出して画像形成を行う手段である構成とできる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るベルト搬送装置によれば、少なくとも駆動ローラと従動ローラとの間に掛け回した無端状の搬送ベルトと、駆動ローラと従動ローラとの間で搬送ベルトの平面度を保持するプラテンガイド部材と、従動ローラの少なくとも片側を保持する部材の位置を調整する調整部材とを備えている構成としたので、従動ローラの片側位置、特に高さ位置を調整して2つのローラの平行度を維持することができ、ベルトの寄りや乗り上げを防止でき、安定した搬送を行うことができる。
【0019】
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係るベルト搬送装置を備えているので、安定して媒体を搬送することができて高画質画像を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係るベルト搬送装置を備える本発明に係る画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を示す概略構成図、図2は同装置の画像形成部及び副走査搬送部の平面説明図である。
【0021】
この画像形成装置は、装置本体1の内部(筺体内)に、画像を形成するための画像形成部(手段)2、副走査搬送部(手段)3等を有し、装置本体1の底部に設けた収容手段である給紙部(手段)4から被搬送部材である被記録媒体(以下「用紙」というが、材質を紙に限定するものではない。)5を1枚ずつ分離して給紙し、副走査搬送部3によって用紙5を画像形成部2に対向する位置で間歇的に搬送しながら、画像形成部2によって用紙5に液滴を吐出して所要の画像を形成(記録)した後、排紙搬送部6を通じて装置本体1の上面に形成した排紙トレイ7上に用紙5を排紙する。
【0022】
また、この画像形成装置は、画像形成部2で形成する画像データ(印刷データ)の入力系として、装置本体1の上部で排紙トレイ7の上方には画像を読み取るための画像読取部(スキャナ部)11を備えている。この画像読取部11は、照明光源13とミラー14とを含む走査光学系15と、ミラー16、17を含む走査光学系18とが移動して、コンタクトガラス12上に載置された原稿の画像の読み取りを行い、走査された原稿画像がレンズ19の後方に配置した画像読み取り素子20で画像信号として読み込まれ、読み込まれた画像信号はデジタル化され画像処理され、画像処理した印刷データを印刷することができる。なお、コンタクトガラス12上には原稿を押えるための圧板10を備えている。
【0023】
ここで、この画像形成装置の画像形成部2は、図2にも示すように、キャリッジガイド21及び図示しないガイドステーでキャリッジ23を主走査方向に移動可能に保持し、主走査モータ27で駆動プーリ28Aと従動プーリ28B間に架け渡したタイミングベルト29を介して主走査方向に移動走査する。
【0024】
そして、このキャリッジ23上に、それぞれの色の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド24を搭載し、キャリッジ23を主走査方向に移動させ、副走査搬送部3によって用紙5を用紙搬送方向(副走査方向)に送りながら記録ヘッド24から液滴を吐出させて画像形成を行うシャトル型としている。
【0025】
記録ヘッド24は、それぞれブラック(Bk)インクを吐出する2個の液滴吐出ヘッド24k1、24k2と、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクを吐出するそれぞれ1個の液滴吐出ヘッド24c、24m、24yの計5個の液滴吐出ヘッド(以下単に「ヘッド」という。)で構成されている。また、キャリッジ23には各記録ヘッド24に所要の色の記録液を供給するためにサブタンク25を搭載している。
【0026】
一方、図1に示すように、装置本体1の前面からカートリッジ装着部26Aに、ブラック(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した記録液カートリッジである各色のインクカートリッジ26を着脱自在に装着でき、各色のインクカートリッジ26から各色のサブタンク25に図示しないチューブを介してインク(記録液)を補充供給する。なお、ブラックインクは1つのインクカートリッジ26から2つのサブタンク25に供給する構成としている。
【0027】
なお、記録ヘッド24としては、インク流路内(圧力発生室)のインクを加圧する圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの、或いは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆるサーマル型のもの、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のものなどを用いることができる。
【0028】
また、キャリッジ23の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド24のノズルの状態を維持し、回復するためのヘッドクリーニング装置を含む維持回復装置121を配置している。この維持回復装置121は、5個の記録ヘッド24の各ヘッドのノズル面をキャピングするための5個のキャップ122a〜122eと、記録ヘッド24のノズル面をワイピングするためのワイパーブレード124と、空吐出を行うための空吐出受け125などを備えている。なお、キャップ122aには図示しない吸引ポンプをチューブを介して接続することで吸引用及び保湿用キャップとし、キャップ122b〜122eは保湿用キャップとしている。
【0029】
さらに、キャリッジ23の走査方向の他方側の非印字領域には、空吐出を行うための空吐出受け126を配置している。この空吐出受け126には開口127a〜127eを形成している。
【0030】
副走査搬送部3は、下方から給紙された用紙5を略90度搬送方向を転換させて画像形成部2に対向させて搬送するための、駆動ローラである搬送ローラ32とテンションローラである従動ローラ33間に架け渡した無端状の搬送ベルト31と、この搬送ベルト31の表面を帯電させるために交番電圧であるACバイアス電圧が印加される帯電手段である帯電ローラ34と、搬送ベルト31を画像形成部2の対向する領域でガイドするプラテンガイド部材35と、用紙5を搬送ローラ32に対向する位置及びプラテンガイド部材35に対向する位置で搬送ベルト31に押し付ける2つの押さえコロ(加圧コロ)36(36A、36B)と、画像形成部2によって画像が形成された用紙5の浮き上がりを押さえる押さえ部材37と、搬送ベルト31から用紙5を分離するための分離爪38とを備えている。
【0031】
この副走査搬送部3の搬送ベルト31は、副走査モータ131からタイミングベルト132及びタイミングローラ133を介して搬送ローラ32が回転されることで、図2の用紙搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。
【0032】
給紙部4は、装置本体1に抜き差し可能で、多数枚の用紙5を積載して収納する収容手段である給紙カセット41と、給紙カセット41内の用紙5を1枚ずつ分離して送り出すための給紙コロ42及びフリクションパッド43と、給紙される用紙5を副走査搬送部3に対して搬送するレジストローラ対44とを有している。給紙コロ42は図示しない給紙クラッチを介してHB型ステッピングモータからなる給紙モータ(駆動源)45によって回転され、またレジストローラ対44も給紙モータ45によって回転駆動される。
【0033】
排紙搬送部6は、画像形成が行われた用紙5を搬送する排紙搬送ローラ対61、62,63と、用紙5を排紙トレイ7へ送り出すための排紙搬送ローラ対64及び排紙ローラ65とを備えている。
【0034】
このように構成したこの画像形成装置においては、搬送ベルト31を駆動する搬送ローラ32の回転量を検出して、この検出した回転量に応じて副走査モータ131を駆動制御するとともに、図示しないACバイアス供給部から帯電ローラ34に交番電圧である正負極の矩形波の高電圧を印加し、これによって、搬送ベルト31には正と負の電荷が搬送ベルト31の搬送方向に対して交互に帯状に印加され、搬送ベルト31上に所定の帯電幅で帯電が行われて不平等電界が生成される。
【0035】
そこで、用紙5が給紙部4から給紙されて、搬送ローラ32と押えコロ36との間に送り込まれて、正負極の電荷が形成されることによって不平等電界が発生している搬送ベルト31上へと送り込まれると、用紙5は電界の向きにならって瞬時に分極し、静電吸着力で搬送ベルト31上に吸着され、搬送ベルト31の移動に伴って搬送される。
【0036】
そして、この搬送ベルト31で用紙5を間歇的に搬送しながら、用紙5上に記録ヘッド24から記録液の液滴を吐出して画像を記録(印刷)し、印刷が行われる用紙5の先端側を分離爪37で搬送ベルト31から分離して搬送ローラ38で排紙搬送部6に送り出す。
【0037】
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ23は維持回復機構121側に移動されて、キャップ122で記録ヘッド34のノズル面がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、吸引及び保湿用キャップ122aで記録ヘッド34をキャッピングした状態でノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行い、この回復動作によって記録ヘッド34のノズル面に付着したインクを清掃除去するためにワイパーブレード124でワイピングを行なう。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを空吐出受け125に向けて吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
【0038】
次に、この画像形成装置におけるエンジンユニットの支持構造について図3ないし図9をも参照して説明する。なお、図3は同画像形成装置のエンジンユニットの装着部分の模式的説明図、図4はエンジンユニットを装置本体から抜き出した状態の斜視説明図、図5はエンジンユニットを装置本体裏側の方向から見た斜視説明図、図6は同じくエンジンユニットを装置本体裏側の方向から見た向きを代えて見た斜視説明図、図7は同じくエンジンユニットを装置本体裏側の方向から見た側面説明図である。
【0039】
この画像形成装置においては、記録ヘッド24を搭載したキャリッジ23及びその主走査移動機構、維持回復機構121などを含む画像形成手段である画像形成部2と、搬送ベルト31及びその駆動機構などを含む本発明に係るベルト搬送装置を含む副走査搬送部31とをユニット化してエンジンユニット100として構成し、このエンジンユニット100を装置本体1に対し、装置本体1の前面側から着脱可能に装着している。なお、エンジンユニット100の装置本体1側前面にはタイミングベルト132を覆うベルトカバー108が取付けられている。また、装置本体1の前面側上部には操作部9が配置されている。
【0040】
このエンジンユニット100は、画像形成部2及び副走査搬送部3などをフレーム101によって保持している。そして、フレーム101の下部及び用紙搬送方向上流側及び下流側の部分に、それぞれエンジンユニット100を装置本体1内に対して支持するための支持ピン102a〜102cを設けている。これらの支持ピン102a〜102cは図7ないし図9に示すように、フレーム101を構成しているフレーム板101a〜101cに加締などによって固定している。また、支持ピン102aによる支持点を第1支持点、支持ピン102bによる支持点を第2支持点、支持ピン102cによる支持点を第3支持点とする。
【0041】
一方、装置本体1の筺体111側には、図3に示すように、エンジンユニット100を筺体101内に挿入したときに支持ピン102a〜102cが嵌まり込む嵌合穴113を形成した保持部112a〜112cを設けている。なお、図3は説明上フレーム101を透過状態で示しているが、支持ピン102a〜102cの向きは図5及び図6に示すようにエンジンユニット100を挿入する方向(装置本体奥側方向)に向いている。
【0042】
したがって、エンジンユニット100を装置本体1内(筺体111内)に装着したときに、図3に示すように、支持ピン102a〜102cが保持部112a〜112cに嵌まり込んで支持されるので、エンジンユニット100は装置本体1内(筺体111内)で三点支持された状態になる。この場合、エンジンユニット100の支持ピン102a〜102cは装置本体1の筺体111の保持部112a〜112cに対して回動可能で、主走査方向にも移動可能な状態で保持される。
【0043】
このようにエンジンユニット100が三点支持されることによって、エンジンユニット100のフレーム101を装置本体1の筺体111に固定した場合のような応力が作用せず、曲がり、歪みなどが発生しないので、画像形成部2及び副走査搬送部3の各部を正しい状態、位置で保持した状態を維持したまま装置本体1に装着することができる。
【0044】
これにより、搬送ベルト31が歪んだり、捩れたりして記録ヘッド24と搬送ベルト31で搬送される用紙との間の距離(ギャップ)が変化し、あるいは、キャリッジ23を案内するガイドロッド21の搬送ベルト31の表面に対する平行度がずれることなどで、記録ヘッド24から吐出した液滴の用紙上での着弾位置のバラツキが増大することが防止され、その他、キャリッジ23の摺動不良等も防止されるので、ユニット化によるメンテナンス性の向上を図りつつ、画像品質の低下を防止することができる。
【0045】
つまり、上述した三点支持に代えて、エンジンユニット100のフレーム101を装置本体1の筺体111にネジなどの締結部材で固定することで、フレーム100を強固に筺体111に固定することができ、キャリッジ23の主走査や搬送ベルト31の間歇駆動による用紙送りなどによってエンジンユニット100が振動することを防止できる。
【0046】
しかしながら、このようにフレーム101を装置本体1の筺体111に締結部材で固定すると、取り付け位置誤差などによって微妙にフレーム101に対して微妙に応力がかかり、主走査方向の両端側で異なる方向にフレーム101が捩れた状態で装置本体1内に固定されることがある。このようにフレーム101に捩れや歪みが生じると、当然に搬送ベルト31やガイドロッド21にも影響を与えて、上述したような要因で着弾位置ズレが生じて画像品質が低下することになり、メンテナンス性の向上と画像品質の向上との両立を図ることができなくなる。
【0047】
これに対して、上述したようにエンジンユニット100を装置本体1に対して三点支持する構成とした場合には上述したようなフレーム101の捩れや歪みなどを低減することができる。
【0048】
この反面、キャリッジ23の主走査や搬送ベルト31による間歇送り動作によって、フレーム101が動けるために、エンジンユニット100自体が振動することになる。そして、このエンジンユニット100の振動は装置本体1の筺体111に伝達されて、騒音が発生するおそれがある。
【0049】
そこで、ここでは、図3に示すように、エンジンユニット100のフレーム101と装置本体1の筺体111(の一部11a)との間に、筐体111側に固定され、用紙搬送方向(被記録媒体搬送方向)の上流側から下流側に向けてエンジンユニット100のフレーム101を押圧する振動抑制手段としての振動抑制部材(ここでは板バネで示しているが、コイルバネ、スポンジ部材、ゴム部材などの弾性部材や、オイルダンパのような機械的な緩衝装置を用いることもできる。)114を備えている。
【0050】
これによって、エンジンユニット100は下部の支持ピン102aを中心として回動可能であるので、振動抑制部材114でエンジンユニット100全体が図3の用紙搬送方向下流側に向けて押圧され、キャリッジ23の主走査や搬送ベルト31による間歇送り動作によって生じるエンジンユニット100自体の振動が抑制され、装置本体1が振動することが抑制されて、騒音の発生が低減する。
【0051】
次に、この画像形成装置における副走査搬送部3を構成している搬送ベルト31を含むベルトユニットについて図8ないし図11を参照して説明する。なお、図8は同副走査搬送部3の拡大説明図、図9は搬送ベルトとローラ及びプラテンガイド部材の関係を説明する模式的説明図、図10はベルトユニットの模式的説明図、図11はベルトユニットの斜視説明図である。
【0052】
ベルトユニット210は、前述したように無端状の搬送ベルト31を駆動ローラである搬送ローラ32と従動ローラであるテンションローラ33との間に掛け回し、搬送ローラ32とテンションローラ33との間に、画像形成手段である記録ヘッド24に対向する位置で、図9に示すように、搬送ローラ32とテンションローラ33との接線Sよりも搬送ベルト31を記録ヘッド24側に突き出すことによって搬送ベルト31の平面度を出すプラテンガイド部材35を配置している。なお、ベルト清掃部材なども含むが図示を省略している。
【0053】
ここで、図10に示すように、搬送ローラ32の軸32aの一方端及びテンションローラ33の軸33aの一方端は共通の支持部材211にてそれぞれ軸受部材215、216を介して支持し、搬送ローラ32の軸32aの他方端は支持部材212にて軸受部材215を介して支持し、テンションローラ33の軸33aの他方端は支持部材212に装着する支持部材213にて軸受部材216を介して支持している。なお、軸受部材216はスプリング217によってテンションローラが掛けられている。
【0054】
次に、このベルトユニット210のエンジンユニット100に対する組み付けについて図12ないし図14を参照して説明する。
エンジンユニット100にフレーム101の構成は、左右(後前)の側板201、202と、両側板201、202間を架橋する前板203、後板204及び底板205と、両側板間201、202間のサブ側板206、207などで構成される。なお、フレームを構成するこれらの部材201〜207は1又は複数の板材で形成されるが、図示を簡略化して示している。また、サブ側板206は前述したフレーム部材101aを含み、サブ側板207は前述したフレーム部材101b、101cを含む。
【0055】
ここで、左右の側板201、202間にはキャリッジ23の移動走査を案内するガイドロッド21を横架し、前板203には同じくキャリッジ23の移動走査を案内するガイドレール22を取付ける。また、サブ側板207、208間にはベルトユニット210を装着し、搬送ローラ32の軸32aの一端部はサブ側板206に、他端部は側板202に装着する。
【0056】
このベルトユニット210は、図13及び図14に示すように、プラテンガイド部材35の一端部に形成したフランジ部35aをサブ側板206と一体形成で又は別体で固定した略L字状の支持部221にねじ止めで固定し、また、サブ側板206に設けた受け部222に搬送ローラ32の軸32aの一端部を回転自在に保持する図示しない軸受部を固定し、さらに、側板202に設けた受け部223に搬送ローラ32の軸32aの他端部を回転自在に保持する図示しない軸受部を固定している。
【0057】
そして、プラテンガイド部材35の他端部に形成したフランジ部35bを、サブ側板207に高さ位置を調整可能に取り付けた略L字状の調整板(支持部材)224にねじ止めで固定している。この調整板224は、例えば上下方向の長穴225を形成して、この長穴225を介してサブ側板207に締結具(ねじ)226を締め付けることによって、フレーム部材であるサブ側板207に対する高さ方向の位置を調整可能に取り付けている。
【0058】
このように、ベルトユニット210は四点で支持する構成とするとともに、そのうちの1つの点については調整板224を設けて位置調整ができるようにしている。これによって、搬送ベルト31を含むベルトユニット210を、搬送ベルト31の平面度を維持した状態でフレーム部材であるサブ側板206、207及び側板202で支持して取付けることができ、また、搬送ベルト31を取り外し、或いは、交換した場合でも平面度の再現性を維持することができる。
【0059】
すなわち、搬送ベルトユニット210を四点で支持する構成とする場合に、四点のいずれもサブ側板206、207及び側板202に直接的に固定すると、搬送ベルトユニット210自体に捩れ、歪みなどが生じて平面度を出すことが難しく、また、フレーム部材となるサブ側板206、207及び側板202に歪みなどが生じているとその影響をそのまま受けることになり、仮に、初期組み立て時に冶具を用いて強制的に平面度が出るように取り付けたとしても、一旦、取り外すと平面度を再現することが困難になる。
【0060】
これに対して、三点をフレーム部材であるサブ側板206、207及び側板202に直接的に取り付けた場合には、一般的に捩れ、歪みなどが生じない状態で取付けることができる。そこで、残りの一点は、三点を固定して平面度を出した後に、平面度が出ている搬送ベルトユニット210の位置に合わせて位置を調整できる調整板224の取り付け位置を調整し、この調整板224に取り付けることで搬送ベルトユニット210に対して捩れや歪みが殆ど発生しないので、一旦取り外しても、再度の組み付け時や交換時に平面度を再現することができる。
【0061】
これによって、特殊な冶具を用いないでも、この画像形成装置ではユーザーの元で搬送ベルト31を交換などしても平面度を再現することができるようになり、メンテナンス性が向上する。
【0062】
ところが、このようにしてベルトユニット210をエンジンユニット100のフレーム101に保持しても、搬送ローラ32の軸32aの他端部を支持する支持部材212とテンションローラ33の軸33aの他端部とを支持する支持部材213とが別部材で、支持部材213を支持部材212に装着する構成であるために、両部材212、213間でガタなどが生じる。このとき、テンションローラ33はスプリング217によって搬送ローラ32から離間する方向(搬送ベルト31の搬送面に沿う方向:Z方向という。)でのガタツキは殆ど生じないが、搬送ベルト31の搬送面に垂直な方向でガタが生じる。
【0063】
そこで、本発明ではテンションローラ32の軸32aを受ける軸受の保持部となる支持部材213のZ方向の位置(高さ位置)を調整する調整手段を設けている。
【0064】
先ず、この調整手段の構成の第1例について図15を参照して説明する。なお、図15は同第1例の説明に供する要部斜視説明図である。
この例では、エンジンユニット100のフレーム(エンジンフレーム)101を構成する部材101dに、テンションローラ33の支持部材213のZ方向位置を調整する調整部材232を取り付けている。この調整部材232は支持部材213を上方からZ1方向に押えることによって、支持部材213の垂直方向の位置を調整する。
【0065】
この調整部材232は搬送ベルト31がセットされるエンジンフレーム101にセットされており搬送ベルト21(ベルトユニット210)から独立した構成になっている。また、調整部材232の取り付け方向は、搬送ベルト31自身のフレーム(プラテンガイド部材35や支持部材212を含むベルトユニット210)の取り付け方向と同じとし、上方からエンジンフレーム101の部材101dに取り付けるようにしている。
【0066】
さらに、実際にテンションローラ33の高さを調整するときには、調整部材232には搬送ローラ31とテンションローラ33の平行度が所望の範囲になる位置にテンションローラ33の高さを調整した後、この調整位置で接着剤や締結手段によって調整部材232を固定する。
【0067】
このように、従動ローラの少なくとも片側を保持する部材の位置を調整する調整部材とを備えている構成としたので、従動ローラの片側位置、特に高さ位置を調整して2つのローラの平行度を維持することができ、ベルトの寄りや乗り上げを防止でき、安定した搬送を行うことができる。
【0068】
また、調整部材はベルトユニット側ではなく搬送ベルトが設置される側(この例ではエンジンフレーム)に取り付けられている構成とし、特に、調整部材のフレームへの取り付け方向が従動ローラの取り付け方向と同じである構成とすることによって、搬送ベルトを交換する場合でも容易に調整位置を再現することができる。
【0069】
次に、調整手段の構成の第2例について図16を参照して説明する。なお、図16は同第2例の説明に供する要部斜視説明図である。
この例では、エンジンフレーム101を構成する部材101eに、テンションローラ33の支持部材213のZ方向位置を調整するバネ板部材からなる調整部材233を取り付けている。この調整部材233は支持部材213を下方から矢示Z2方向に押し上げることによって、従動ローラ33の高さ位置を調整する。
【0070】
このようにしても上記第1例と同様に従動ローラの片側位置、特に高さ位置を調整して2つのローラの平行度を維持することができ、ベルトの寄りや乗り上げを防止でき、安定した搬送を行うことができる。
【0071】
次に、調整手段の構成の第3例について図17を参照して説明する。なお、図17は同第3例の説明に供する要部斜視説明図である。
この例では、エンジンフレーム101を構成する部材101fに、テンションローラ33の支持部材213のZ方向位置を調整する調整部材234を取り付けている。この調整部材234は、部材101fに締結具などで固定する固定部材235と、この固定部材235の上面に設けた弾性部材236とで構成し、弾性部材236の復元力で支持部材213を下方から矢示Z2方向に押し上げることによって、従動ローラ33の高さ位置を調整する。
【0072】
この場合、支持部材213の上側には第1例の調整部材232と同様な部材101dに固定した規制部材237を配置し、この規制部材237にネジ238を取り付けて支持部材213の上方向を規制している、
【0073】
このようにしても上記第1例と同様に従動ローラの片側位置、特に高さ位置を調整して2つのローラの平行度を維持することができ、ベルトの寄りや乗り上げを防止でき、安定した搬送を行うことができる。
【0074】
次に、調整手段の構成の第4例について図18を参照して説明する。なお、図18は同第4例の説明に供する要部斜視説明図である。
この例では、調整手段(調整部材)240はテンションローラ33の支持部材213の上側に配置したネジ241とナット242で構成し、支持部材213のZ方向の位置を所望の位置に調整可能な構成としている。また、テンションローラ33の支持部材213の下側には支持部材213の下面に当接して調整後の位置を保持するために加圧する加圧部材243を配置している。
【0075】
つまり、エンジンフレーム101を構成する部材101dに第1例の調整部材232と同様な形状の保持部材245を取り付け、この保持部材245に先端面が支持部材213に当接するネジ241を上下動可能に螺着するとともにこのネジ241をロックするナット242を螺着して、支持部材213の上方向位置をネジ241の先端部で規定している。
【0076】
また、エンジンフレーム101を構成する部材101dの側面部101d1に、調整部材(ネジ241)で平行度を調整した後、支持部材(軸受け保持部)213の位置を保持するために、加圧材243の係合部243aを支持部材213の下面に当接させて保持する。この加圧部材243は、長穴243aを介して、締結部材(ネジ)246をフレーム101を構成する部材101dの側面101d1に締め付けて、固定している。
【0077】
実際にテンションローラ33の高さを調整するときには、調整治具を使用し、プラテンガイド板35の基準位置(2箇所)とテンションローラ33の軸受部となる支持部材212の上端面、支持部材213の上端面、の計4箇所の位置関係から、搬送ローラ32とテンションローラ33の平行度を算出し、平行度が所望の数値になるように調整位置の位置を決める。そして、調整された位置をナット242で固定することで調整工程が終了となる。
【0078】
このように構成することで上記第1例と同様に従動ローラの片側位置、特に高さ位置を調整して2つのローラの平行度を維持することができ、ベルトの寄りや乗り上げを防止でき、安定した搬送を行うことができるとともに、従動ローラの高さ位置を精度良く調整することができる。
【0079】
なお、上記実施形態においては、本発明に係るベルト搬送装置を画像形成装置、特に液体吐出方式の画像形成装置に適用した例で説明したが、画像形成装置に適用するベルト搬送装置に限定されるものではなく、また、電子写真方式で画像を形成する装置にも適用することができ、液体吐出方式の画像形成装置に適用するベルト搬送装置に限定されるものではない。また、ベルト搬送装置としては、AC帯電による電界作用でシート材を吸着する搬送ベルトを用いた例で説明しているが、DC帯電による電界作用でシート材を吸着する搬送ベルト、エアーでシート材を吸着する搬送ベルトなどを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係る画像形成装置の説明に供する概略構成図である。
【図2】同じく画像形成部及び副走査搬送部の平面説明図である。
【図3】同画像形成装置のエンジンユニットの装着部分の模式的説明図である。
【図4】同エンジンユニットを装置本体から抜き出した状態の斜視説明図である。
【図5】同エンジンユニットを装置本体裏側の方向から見た斜視説明図である。
【図6】同エンジンユニットを装置本体裏側の方向から見た向きを代えて見た斜視説明図である。
【図7】同エンジンユニットを装置本体裏側の方向から見た側面説明図である。
【図8】同副走査搬送部の拡大説明図である。
【図9】搬送ベルトとローラ及びプラテンガイド部材の関係を説明する模式的説明図である。
【図10】ベルトユニットの模式的説明図である。
【図11】ベルトユニットの斜視説明図である。
【図12】エンジンフレーム構成及びベルトユニットの取り付け構成の説明に供する斜視説明図である。
【図13】同じくサブ側板に対する調整板の取り付け状態の説明に供する説明図である。
【図14】同じく側板とベルトユニットの保持部分を模式的に説明する斜視説明図である。
【図15】テンションローラの調整手段の第1例の説明に供する要部斜視説明図である。
【図16】同じくテンションローラの調整手段の第2例の説明に供する要部斜視説明図である。
【図17】同じくテンションローラの調整手段の第3例の説明に供する要部斜視説明図である。
【図18】同じくテンションローラの調整手段の第4例の説明に供する要部斜視説明図である。
【符号の説明】
【0081】
1…装置本体
2…画像形成部
3…副走査搬送部
4…給紙部
5…用紙(被記録媒体)
6…排紙搬送部
7…排紙トレイ
11…画像読取部
23…キャリッジ
24…記録ヘッド
31…搬送ベルト
32…搬送ローラ
33…従動ローラ(テンションローラ)
34…帯電ローラ
100…エンジンユニット
101…エンジンフレーム
210…ベルトユニット
212、213…支持部材
232、233、234…調整部材
241…ネジ
242…ナット
243…加圧部材
【技術分野】
【0001】
本発明はベルト搬送装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタ、ファックス、コピア、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置としては、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、シート材としての媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうもの、あるいは、電子写真方式で画像を形成するものなどがある。
【0003】
なお、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、液体吐出ヘッドを用いる画像形成装置における「液体」とは、記録液、インクに限るものではなく、吐出されるときに流体となるものであれば特に限定されるものではない。
【0004】
ところで、液体吐出方式の画像形成装置においては、高画質化のためには液滴のシート材である用紙に対する着弾位置精度を高める必要があることから、シート材である用紙を搬送する搬送装置として搬送ベルトを備えたベルト搬送装置を使用し、搬送ベルト表面を一様に帯電させ(直流電界で帯電させるもの、交番電界で帯電させるものがある。)シート材を静電力による吸着力で吸着して、記録ヘッドと用紙との距離を一定に保ち、かつ、用紙の送りを正確に制御して用紙の位置ずれを防止し、かつ用紙の浮きを防止して用紙と記録ヘッドとの当たりによるジャムや汚れを防止するようにしたものが知られている。なお、ベルト搬送装置としては、エアー吸着ベルトを用いるものもある。
【0005】
このようなベルト搬送装置は、通常、駆動ローラと従動ローラ(一般にテンションローラ)を含む1又は複数の従動ローラとの間に無端状の搬送ベルトを架け渡し、搬送ベルトを周回移動させることによってシート材を搬送するように構成される。
【0006】
ところで、少なくとも2本のローラにシーム有り又はシームレスの搬送ベルトを架け渡した場合、搬送ベルトの寄りが生じると、シート材の搬送が不安定になり、特に液体吐出方式の画像形成装置に適用した場合には液滴の着弾位置のバラツキが生じ易くなり、安定して高品質の画像を形成することができなくなる。
【0007】
そこで、従来、一般に、上述したように少なくとも2本以上のローラに搬送ベルトを周回移動させるベルト搬送装置では、搬送ベルトの内周にはベルトの寄り及びその位置を規制するビードが設けられている。
【0008】
また、特許文献1に記載されているように、ベルトに外部からクリーニングブラシや転写ローラといった一定速度で回転する回転部材が接離する装置においては、ベルト端部に付けられたガイド部材をローラ片側端部にベルト寄り力により接触させ、回転させるようにしても、回転部材の接触によってベルトの寄りが乱される現象が発生することから、上記回転駆動部材の回転軸と無端状ベルト部材を張架するローラとの平行度を調整可能としたものがある。
【特許文献1】特開2005−017367号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、例えば、画像形成装置において、記録液の液滴を吐出して用紙に画像を形成する画像形成手段としての記録ヘッド、記録ヘッドを搭載したキャリッジ、キャリッジの走査機構、用紙を搬送するベルト搬送装置などをユニット化してエンジンユニットとし、このエンジンユニットを装置本体内に対して着脱自在に装着できるように構成することが考えられる。
【0010】
この場合、ベルト搬送装置の内の搬送ベルト及びこの搬送ベルトを掛け回す駆動ローラ(搬送ローラ)や従動ローラ(テンションローラ)などをベルトユニットとしてユニット化して、上述したエンジンユニットのフレーム(エンジンフレーム)に組み込むようにして、エンジンフレームの位置精度のみでベルトユニットの位置精度をセットする構成とすることが、組み立て上の作業性が向上する。
【0011】
ところが、このようにベルトユニットの位置精度をエンジンフレームの位置精度のみでセットするような構成を採用した場合、エンジンフレームの撓みや変形による位置変動の影響がベルトユニットに及ぶことになり、搬送ベルトを架け回している搬送ローラとテンションローラの平行度がずれて、搬送ベルトの寄りや乗り上げなどが生じるという課題が発生する。
【0012】
また、上述したように搬送ベルト及びこの搬送ベルトを掛け回す駆動ローラ(搬送ローラ)や従動ローラ(テンションローラ)などをベルトユニットとしてユニット化する場合、例えば搬送ローラとテンションローラの一端部側は共通の支持部材で支持することができるが、他端部側も共通の支持部材で支持しようとすると、無端状の搬送ベルトを掛け回すことができなくなるので、2つのローラの他端部側は別の支持部材で支持する構成とせざるをえなくなる。その結果、2つのローラの他端部側は上下方向に位置ずれを生じ易くなり、この点でも、搬送ベルトを架け回している搬送ローラとテンションローラの平行度がずれて、搬送ベルトの寄りや乗り上げなどが生じるという課題が発生する。
【0013】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、搬送ベルトを架け回すローラ間の平行度を調整可能なベルト搬送装置、このベルト搬送装置を備えて安定して高画質画像を形成できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するため、本発明に係るベルト搬送装置は、少なくとも駆動ローラと従動ローラとの間に掛け回した無端状の搬送ベルトと、駆動ローラと従動ローラとの間で搬送ベルトの平面度を保持するプラテンガイド部材と、従動ローラの少なくとも片側を保持する部材の位置を調整する調整部材とを備えている構成とした。
【0015】
ここで、調整部材は、搬送面に対して垂直方向に対して調整可能である構成とすることができる。この場合、調整部材は、従動ローラを付勢する部材を有する構成とできる。また、調整部材は、搬送ベルトが設置される側のフレームに取り付けられている構成とでき、この場合、調整部材のフレームへの取り付け方向が従動ローラの取り付け方向と同じである構成とできる。
【0016】
また、搬送ベルトは、シート材を吸着して搬送するベルトである構成とでき、この場合、エアーでシート材を吸着させるエアー吸着ベルト、電界作用でシート材を吸着させる静電吸着ベルトである構成とできる。搬送ベルトは直流電界で帯電される静電吸着ベルト、搬送ベルトは交番電界で帯電される静電吸着ベルトである構成とできる。
【0017】
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係るベルト搬送装置を備えているものである。この場合、画像形成手段が液滴を吐出して画像形成を行う手段である構成とできる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るベルト搬送装置によれば、少なくとも駆動ローラと従動ローラとの間に掛け回した無端状の搬送ベルトと、駆動ローラと従動ローラとの間で搬送ベルトの平面度を保持するプラテンガイド部材と、従動ローラの少なくとも片側を保持する部材の位置を調整する調整部材とを備えている構成としたので、従動ローラの片側位置、特に高さ位置を調整して2つのローラの平行度を維持することができ、ベルトの寄りや乗り上げを防止でき、安定した搬送を行うことができる。
【0019】
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係るベルト搬送装置を備えているので、安定して媒体を搬送することができて高画質画像を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係るベルト搬送装置を備える本発明に係る画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を示す概略構成図、図2は同装置の画像形成部及び副走査搬送部の平面説明図である。
【0021】
この画像形成装置は、装置本体1の内部(筺体内)に、画像を形成するための画像形成部(手段)2、副走査搬送部(手段)3等を有し、装置本体1の底部に設けた収容手段である給紙部(手段)4から被搬送部材である被記録媒体(以下「用紙」というが、材質を紙に限定するものではない。)5を1枚ずつ分離して給紙し、副走査搬送部3によって用紙5を画像形成部2に対向する位置で間歇的に搬送しながら、画像形成部2によって用紙5に液滴を吐出して所要の画像を形成(記録)した後、排紙搬送部6を通じて装置本体1の上面に形成した排紙トレイ7上に用紙5を排紙する。
【0022】
また、この画像形成装置は、画像形成部2で形成する画像データ(印刷データ)の入力系として、装置本体1の上部で排紙トレイ7の上方には画像を読み取るための画像読取部(スキャナ部)11を備えている。この画像読取部11は、照明光源13とミラー14とを含む走査光学系15と、ミラー16、17を含む走査光学系18とが移動して、コンタクトガラス12上に載置された原稿の画像の読み取りを行い、走査された原稿画像がレンズ19の後方に配置した画像読み取り素子20で画像信号として読み込まれ、読み込まれた画像信号はデジタル化され画像処理され、画像処理した印刷データを印刷することができる。なお、コンタクトガラス12上には原稿を押えるための圧板10を備えている。
【0023】
ここで、この画像形成装置の画像形成部2は、図2にも示すように、キャリッジガイド21及び図示しないガイドステーでキャリッジ23を主走査方向に移動可能に保持し、主走査モータ27で駆動プーリ28Aと従動プーリ28B間に架け渡したタイミングベルト29を介して主走査方向に移動走査する。
【0024】
そして、このキャリッジ23上に、それぞれの色の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド24を搭載し、キャリッジ23を主走査方向に移動させ、副走査搬送部3によって用紙5を用紙搬送方向(副走査方向)に送りながら記録ヘッド24から液滴を吐出させて画像形成を行うシャトル型としている。
【0025】
記録ヘッド24は、それぞれブラック(Bk)インクを吐出する2個の液滴吐出ヘッド24k1、24k2と、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクを吐出するそれぞれ1個の液滴吐出ヘッド24c、24m、24yの計5個の液滴吐出ヘッド(以下単に「ヘッド」という。)で構成されている。また、キャリッジ23には各記録ヘッド24に所要の色の記録液を供給するためにサブタンク25を搭載している。
【0026】
一方、図1に示すように、装置本体1の前面からカートリッジ装着部26Aに、ブラック(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した記録液カートリッジである各色のインクカートリッジ26を着脱自在に装着でき、各色のインクカートリッジ26から各色のサブタンク25に図示しないチューブを介してインク(記録液)を補充供給する。なお、ブラックインクは1つのインクカートリッジ26から2つのサブタンク25に供給する構成としている。
【0027】
なお、記録ヘッド24としては、インク流路内(圧力発生室)のインクを加圧する圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの、或いは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆるサーマル型のもの、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のものなどを用いることができる。
【0028】
また、キャリッジ23の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド24のノズルの状態を維持し、回復するためのヘッドクリーニング装置を含む維持回復装置121を配置している。この維持回復装置121は、5個の記録ヘッド24の各ヘッドのノズル面をキャピングするための5個のキャップ122a〜122eと、記録ヘッド24のノズル面をワイピングするためのワイパーブレード124と、空吐出を行うための空吐出受け125などを備えている。なお、キャップ122aには図示しない吸引ポンプをチューブを介して接続することで吸引用及び保湿用キャップとし、キャップ122b〜122eは保湿用キャップとしている。
【0029】
さらに、キャリッジ23の走査方向の他方側の非印字領域には、空吐出を行うための空吐出受け126を配置している。この空吐出受け126には開口127a〜127eを形成している。
【0030】
副走査搬送部3は、下方から給紙された用紙5を略90度搬送方向を転換させて画像形成部2に対向させて搬送するための、駆動ローラである搬送ローラ32とテンションローラである従動ローラ33間に架け渡した無端状の搬送ベルト31と、この搬送ベルト31の表面を帯電させるために交番電圧であるACバイアス電圧が印加される帯電手段である帯電ローラ34と、搬送ベルト31を画像形成部2の対向する領域でガイドするプラテンガイド部材35と、用紙5を搬送ローラ32に対向する位置及びプラテンガイド部材35に対向する位置で搬送ベルト31に押し付ける2つの押さえコロ(加圧コロ)36(36A、36B)と、画像形成部2によって画像が形成された用紙5の浮き上がりを押さえる押さえ部材37と、搬送ベルト31から用紙5を分離するための分離爪38とを備えている。
【0031】
この副走査搬送部3の搬送ベルト31は、副走査モータ131からタイミングベルト132及びタイミングローラ133を介して搬送ローラ32が回転されることで、図2の用紙搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。
【0032】
給紙部4は、装置本体1に抜き差し可能で、多数枚の用紙5を積載して収納する収容手段である給紙カセット41と、給紙カセット41内の用紙5を1枚ずつ分離して送り出すための給紙コロ42及びフリクションパッド43と、給紙される用紙5を副走査搬送部3に対して搬送するレジストローラ対44とを有している。給紙コロ42は図示しない給紙クラッチを介してHB型ステッピングモータからなる給紙モータ(駆動源)45によって回転され、またレジストローラ対44も給紙モータ45によって回転駆動される。
【0033】
排紙搬送部6は、画像形成が行われた用紙5を搬送する排紙搬送ローラ対61、62,63と、用紙5を排紙トレイ7へ送り出すための排紙搬送ローラ対64及び排紙ローラ65とを備えている。
【0034】
このように構成したこの画像形成装置においては、搬送ベルト31を駆動する搬送ローラ32の回転量を検出して、この検出した回転量に応じて副走査モータ131を駆動制御するとともに、図示しないACバイアス供給部から帯電ローラ34に交番電圧である正負極の矩形波の高電圧を印加し、これによって、搬送ベルト31には正と負の電荷が搬送ベルト31の搬送方向に対して交互に帯状に印加され、搬送ベルト31上に所定の帯電幅で帯電が行われて不平等電界が生成される。
【0035】
そこで、用紙5が給紙部4から給紙されて、搬送ローラ32と押えコロ36との間に送り込まれて、正負極の電荷が形成されることによって不平等電界が発生している搬送ベルト31上へと送り込まれると、用紙5は電界の向きにならって瞬時に分極し、静電吸着力で搬送ベルト31上に吸着され、搬送ベルト31の移動に伴って搬送される。
【0036】
そして、この搬送ベルト31で用紙5を間歇的に搬送しながら、用紙5上に記録ヘッド24から記録液の液滴を吐出して画像を記録(印刷)し、印刷が行われる用紙5の先端側を分離爪37で搬送ベルト31から分離して搬送ローラ38で排紙搬送部6に送り出す。
【0037】
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ23は維持回復機構121側に移動されて、キャップ122で記録ヘッド34のノズル面がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、吸引及び保湿用キャップ122aで記録ヘッド34をキャッピングした状態でノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行い、この回復動作によって記録ヘッド34のノズル面に付着したインクを清掃除去するためにワイパーブレード124でワイピングを行なう。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを空吐出受け125に向けて吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
【0038】
次に、この画像形成装置におけるエンジンユニットの支持構造について図3ないし図9をも参照して説明する。なお、図3は同画像形成装置のエンジンユニットの装着部分の模式的説明図、図4はエンジンユニットを装置本体から抜き出した状態の斜視説明図、図5はエンジンユニットを装置本体裏側の方向から見た斜視説明図、図6は同じくエンジンユニットを装置本体裏側の方向から見た向きを代えて見た斜視説明図、図7は同じくエンジンユニットを装置本体裏側の方向から見た側面説明図である。
【0039】
この画像形成装置においては、記録ヘッド24を搭載したキャリッジ23及びその主走査移動機構、維持回復機構121などを含む画像形成手段である画像形成部2と、搬送ベルト31及びその駆動機構などを含む本発明に係るベルト搬送装置を含む副走査搬送部31とをユニット化してエンジンユニット100として構成し、このエンジンユニット100を装置本体1に対し、装置本体1の前面側から着脱可能に装着している。なお、エンジンユニット100の装置本体1側前面にはタイミングベルト132を覆うベルトカバー108が取付けられている。また、装置本体1の前面側上部には操作部9が配置されている。
【0040】
このエンジンユニット100は、画像形成部2及び副走査搬送部3などをフレーム101によって保持している。そして、フレーム101の下部及び用紙搬送方向上流側及び下流側の部分に、それぞれエンジンユニット100を装置本体1内に対して支持するための支持ピン102a〜102cを設けている。これらの支持ピン102a〜102cは図7ないし図9に示すように、フレーム101を構成しているフレーム板101a〜101cに加締などによって固定している。また、支持ピン102aによる支持点を第1支持点、支持ピン102bによる支持点を第2支持点、支持ピン102cによる支持点を第3支持点とする。
【0041】
一方、装置本体1の筺体111側には、図3に示すように、エンジンユニット100を筺体101内に挿入したときに支持ピン102a〜102cが嵌まり込む嵌合穴113を形成した保持部112a〜112cを設けている。なお、図3は説明上フレーム101を透過状態で示しているが、支持ピン102a〜102cの向きは図5及び図6に示すようにエンジンユニット100を挿入する方向(装置本体奥側方向)に向いている。
【0042】
したがって、エンジンユニット100を装置本体1内(筺体111内)に装着したときに、図3に示すように、支持ピン102a〜102cが保持部112a〜112cに嵌まり込んで支持されるので、エンジンユニット100は装置本体1内(筺体111内)で三点支持された状態になる。この場合、エンジンユニット100の支持ピン102a〜102cは装置本体1の筺体111の保持部112a〜112cに対して回動可能で、主走査方向にも移動可能な状態で保持される。
【0043】
このようにエンジンユニット100が三点支持されることによって、エンジンユニット100のフレーム101を装置本体1の筺体111に固定した場合のような応力が作用せず、曲がり、歪みなどが発生しないので、画像形成部2及び副走査搬送部3の各部を正しい状態、位置で保持した状態を維持したまま装置本体1に装着することができる。
【0044】
これにより、搬送ベルト31が歪んだり、捩れたりして記録ヘッド24と搬送ベルト31で搬送される用紙との間の距離(ギャップ)が変化し、あるいは、キャリッジ23を案内するガイドロッド21の搬送ベルト31の表面に対する平行度がずれることなどで、記録ヘッド24から吐出した液滴の用紙上での着弾位置のバラツキが増大することが防止され、その他、キャリッジ23の摺動不良等も防止されるので、ユニット化によるメンテナンス性の向上を図りつつ、画像品質の低下を防止することができる。
【0045】
つまり、上述した三点支持に代えて、エンジンユニット100のフレーム101を装置本体1の筺体111にネジなどの締結部材で固定することで、フレーム100を強固に筺体111に固定することができ、キャリッジ23の主走査や搬送ベルト31の間歇駆動による用紙送りなどによってエンジンユニット100が振動することを防止できる。
【0046】
しかしながら、このようにフレーム101を装置本体1の筺体111に締結部材で固定すると、取り付け位置誤差などによって微妙にフレーム101に対して微妙に応力がかかり、主走査方向の両端側で異なる方向にフレーム101が捩れた状態で装置本体1内に固定されることがある。このようにフレーム101に捩れや歪みが生じると、当然に搬送ベルト31やガイドロッド21にも影響を与えて、上述したような要因で着弾位置ズレが生じて画像品質が低下することになり、メンテナンス性の向上と画像品質の向上との両立を図ることができなくなる。
【0047】
これに対して、上述したようにエンジンユニット100を装置本体1に対して三点支持する構成とした場合には上述したようなフレーム101の捩れや歪みなどを低減することができる。
【0048】
この反面、キャリッジ23の主走査や搬送ベルト31による間歇送り動作によって、フレーム101が動けるために、エンジンユニット100自体が振動することになる。そして、このエンジンユニット100の振動は装置本体1の筺体111に伝達されて、騒音が発生するおそれがある。
【0049】
そこで、ここでは、図3に示すように、エンジンユニット100のフレーム101と装置本体1の筺体111(の一部11a)との間に、筐体111側に固定され、用紙搬送方向(被記録媒体搬送方向)の上流側から下流側に向けてエンジンユニット100のフレーム101を押圧する振動抑制手段としての振動抑制部材(ここでは板バネで示しているが、コイルバネ、スポンジ部材、ゴム部材などの弾性部材や、オイルダンパのような機械的な緩衝装置を用いることもできる。)114を備えている。
【0050】
これによって、エンジンユニット100は下部の支持ピン102aを中心として回動可能であるので、振動抑制部材114でエンジンユニット100全体が図3の用紙搬送方向下流側に向けて押圧され、キャリッジ23の主走査や搬送ベルト31による間歇送り動作によって生じるエンジンユニット100自体の振動が抑制され、装置本体1が振動することが抑制されて、騒音の発生が低減する。
【0051】
次に、この画像形成装置における副走査搬送部3を構成している搬送ベルト31を含むベルトユニットについて図8ないし図11を参照して説明する。なお、図8は同副走査搬送部3の拡大説明図、図9は搬送ベルトとローラ及びプラテンガイド部材の関係を説明する模式的説明図、図10はベルトユニットの模式的説明図、図11はベルトユニットの斜視説明図である。
【0052】
ベルトユニット210は、前述したように無端状の搬送ベルト31を駆動ローラである搬送ローラ32と従動ローラであるテンションローラ33との間に掛け回し、搬送ローラ32とテンションローラ33との間に、画像形成手段である記録ヘッド24に対向する位置で、図9に示すように、搬送ローラ32とテンションローラ33との接線Sよりも搬送ベルト31を記録ヘッド24側に突き出すことによって搬送ベルト31の平面度を出すプラテンガイド部材35を配置している。なお、ベルト清掃部材なども含むが図示を省略している。
【0053】
ここで、図10に示すように、搬送ローラ32の軸32aの一方端及びテンションローラ33の軸33aの一方端は共通の支持部材211にてそれぞれ軸受部材215、216を介して支持し、搬送ローラ32の軸32aの他方端は支持部材212にて軸受部材215を介して支持し、テンションローラ33の軸33aの他方端は支持部材212に装着する支持部材213にて軸受部材216を介して支持している。なお、軸受部材216はスプリング217によってテンションローラが掛けられている。
【0054】
次に、このベルトユニット210のエンジンユニット100に対する組み付けについて図12ないし図14を参照して説明する。
エンジンユニット100にフレーム101の構成は、左右(後前)の側板201、202と、両側板201、202間を架橋する前板203、後板204及び底板205と、両側板間201、202間のサブ側板206、207などで構成される。なお、フレームを構成するこれらの部材201〜207は1又は複数の板材で形成されるが、図示を簡略化して示している。また、サブ側板206は前述したフレーム部材101aを含み、サブ側板207は前述したフレーム部材101b、101cを含む。
【0055】
ここで、左右の側板201、202間にはキャリッジ23の移動走査を案内するガイドロッド21を横架し、前板203には同じくキャリッジ23の移動走査を案内するガイドレール22を取付ける。また、サブ側板207、208間にはベルトユニット210を装着し、搬送ローラ32の軸32aの一端部はサブ側板206に、他端部は側板202に装着する。
【0056】
このベルトユニット210は、図13及び図14に示すように、プラテンガイド部材35の一端部に形成したフランジ部35aをサブ側板206と一体形成で又は別体で固定した略L字状の支持部221にねじ止めで固定し、また、サブ側板206に設けた受け部222に搬送ローラ32の軸32aの一端部を回転自在に保持する図示しない軸受部を固定し、さらに、側板202に設けた受け部223に搬送ローラ32の軸32aの他端部を回転自在に保持する図示しない軸受部を固定している。
【0057】
そして、プラテンガイド部材35の他端部に形成したフランジ部35bを、サブ側板207に高さ位置を調整可能に取り付けた略L字状の調整板(支持部材)224にねじ止めで固定している。この調整板224は、例えば上下方向の長穴225を形成して、この長穴225を介してサブ側板207に締結具(ねじ)226を締め付けることによって、フレーム部材であるサブ側板207に対する高さ方向の位置を調整可能に取り付けている。
【0058】
このように、ベルトユニット210は四点で支持する構成とするとともに、そのうちの1つの点については調整板224を設けて位置調整ができるようにしている。これによって、搬送ベルト31を含むベルトユニット210を、搬送ベルト31の平面度を維持した状態でフレーム部材であるサブ側板206、207及び側板202で支持して取付けることができ、また、搬送ベルト31を取り外し、或いは、交換した場合でも平面度の再現性を維持することができる。
【0059】
すなわち、搬送ベルトユニット210を四点で支持する構成とする場合に、四点のいずれもサブ側板206、207及び側板202に直接的に固定すると、搬送ベルトユニット210自体に捩れ、歪みなどが生じて平面度を出すことが難しく、また、フレーム部材となるサブ側板206、207及び側板202に歪みなどが生じているとその影響をそのまま受けることになり、仮に、初期組み立て時に冶具を用いて強制的に平面度が出るように取り付けたとしても、一旦、取り外すと平面度を再現することが困難になる。
【0060】
これに対して、三点をフレーム部材であるサブ側板206、207及び側板202に直接的に取り付けた場合には、一般的に捩れ、歪みなどが生じない状態で取付けることができる。そこで、残りの一点は、三点を固定して平面度を出した後に、平面度が出ている搬送ベルトユニット210の位置に合わせて位置を調整できる調整板224の取り付け位置を調整し、この調整板224に取り付けることで搬送ベルトユニット210に対して捩れや歪みが殆ど発生しないので、一旦取り外しても、再度の組み付け時や交換時に平面度を再現することができる。
【0061】
これによって、特殊な冶具を用いないでも、この画像形成装置ではユーザーの元で搬送ベルト31を交換などしても平面度を再現することができるようになり、メンテナンス性が向上する。
【0062】
ところが、このようにしてベルトユニット210をエンジンユニット100のフレーム101に保持しても、搬送ローラ32の軸32aの他端部を支持する支持部材212とテンションローラ33の軸33aの他端部とを支持する支持部材213とが別部材で、支持部材213を支持部材212に装着する構成であるために、両部材212、213間でガタなどが生じる。このとき、テンションローラ33はスプリング217によって搬送ローラ32から離間する方向(搬送ベルト31の搬送面に沿う方向:Z方向という。)でのガタツキは殆ど生じないが、搬送ベルト31の搬送面に垂直な方向でガタが生じる。
【0063】
そこで、本発明ではテンションローラ32の軸32aを受ける軸受の保持部となる支持部材213のZ方向の位置(高さ位置)を調整する調整手段を設けている。
【0064】
先ず、この調整手段の構成の第1例について図15を参照して説明する。なお、図15は同第1例の説明に供する要部斜視説明図である。
この例では、エンジンユニット100のフレーム(エンジンフレーム)101を構成する部材101dに、テンションローラ33の支持部材213のZ方向位置を調整する調整部材232を取り付けている。この調整部材232は支持部材213を上方からZ1方向に押えることによって、支持部材213の垂直方向の位置を調整する。
【0065】
この調整部材232は搬送ベルト31がセットされるエンジンフレーム101にセットされており搬送ベルト21(ベルトユニット210)から独立した構成になっている。また、調整部材232の取り付け方向は、搬送ベルト31自身のフレーム(プラテンガイド部材35や支持部材212を含むベルトユニット210)の取り付け方向と同じとし、上方からエンジンフレーム101の部材101dに取り付けるようにしている。
【0066】
さらに、実際にテンションローラ33の高さを調整するときには、調整部材232には搬送ローラ31とテンションローラ33の平行度が所望の範囲になる位置にテンションローラ33の高さを調整した後、この調整位置で接着剤や締結手段によって調整部材232を固定する。
【0067】
このように、従動ローラの少なくとも片側を保持する部材の位置を調整する調整部材とを備えている構成としたので、従動ローラの片側位置、特に高さ位置を調整して2つのローラの平行度を維持することができ、ベルトの寄りや乗り上げを防止でき、安定した搬送を行うことができる。
【0068】
また、調整部材はベルトユニット側ではなく搬送ベルトが設置される側(この例ではエンジンフレーム)に取り付けられている構成とし、特に、調整部材のフレームへの取り付け方向が従動ローラの取り付け方向と同じである構成とすることによって、搬送ベルトを交換する場合でも容易に調整位置を再現することができる。
【0069】
次に、調整手段の構成の第2例について図16を参照して説明する。なお、図16は同第2例の説明に供する要部斜視説明図である。
この例では、エンジンフレーム101を構成する部材101eに、テンションローラ33の支持部材213のZ方向位置を調整するバネ板部材からなる調整部材233を取り付けている。この調整部材233は支持部材213を下方から矢示Z2方向に押し上げることによって、従動ローラ33の高さ位置を調整する。
【0070】
このようにしても上記第1例と同様に従動ローラの片側位置、特に高さ位置を調整して2つのローラの平行度を維持することができ、ベルトの寄りや乗り上げを防止でき、安定した搬送を行うことができる。
【0071】
次に、調整手段の構成の第3例について図17を参照して説明する。なお、図17は同第3例の説明に供する要部斜視説明図である。
この例では、エンジンフレーム101を構成する部材101fに、テンションローラ33の支持部材213のZ方向位置を調整する調整部材234を取り付けている。この調整部材234は、部材101fに締結具などで固定する固定部材235と、この固定部材235の上面に設けた弾性部材236とで構成し、弾性部材236の復元力で支持部材213を下方から矢示Z2方向に押し上げることによって、従動ローラ33の高さ位置を調整する。
【0072】
この場合、支持部材213の上側には第1例の調整部材232と同様な部材101dに固定した規制部材237を配置し、この規制部材237にネジ238を取り付けて支持部材213の上方向を規制している、
【0073】
このようにしても上記第1例と同様に従動ローラの片側位置、特に高さ位置を調整して2つのローラの平行度を維持することができ、ベルトの寄りや乗り上げを防止でき、安定した搬送を行うことができる。
【0074】
次に、調整手段の構成の第4例について図18を参照して説明する。なお、図18は同第4例の説明に供する要部斜視説明図である。
この例では、調整手段(調整部材)240はテンションローラ33の支持部材213の上側に配置したネジ241とナット242で構成し、支持部材213のZ方向の位置を所望の位置に調整可能な構成としている。また、テンションローラ33の支持部材213の下側には支持部材213の下面に当接して調整後の位置を保持するために加圧する加圧部材243を配置している。
【0075】
つまり、エンジンフレーム101を構成する部材101dに第1例の調整部材232と同様な形状の保持部材245を取り付け、この保持部材245に先端面が支持部材213に当接するネジ241を上下動可能に螺着するとともにこのネジ241をロックするナット242を螺着して、支持部材213の上方向位置をネジ241の先端部で規定している。
【0076】
また、エンジンフレーム101を構成する部材101dの側面部101d1に、調整部材(ネジ241)で平行度を調整した後、支持部材(軸受け保持部)213の位置を保持するために、加圧材243の係合部243aを支持部材213の下面に当接させて保持する。この加圧部材243は、長穴243aを介して、締結部材(ネジ)246をフレーム101を構成する部材101dの側面101d1に締め付けて、固定している。
【0077】
実際にテンションローラ33の高さを調整するときには、調整治具を使用し、プラテンガイド板35の基準位置(2箇所)とテンションローラ33の軸受部となる支持部材212の上端面、支持部材213の上端面、の計4箇所の位置関係から、搬送ローラ32とテンションローラ33の平行度を算出し、平行度が所望の数値になるように調整位置の位置を決める。そして、調整された位置をナット242で固定することで調整工程が終了となる。
【0078】
このように構成することで上記第1例と同様に従動ローラの片側位置、特に高さ位置を調整して2つのローラの平行度を維持することができ、ベルトの寄りや乗り上げを防止でき、安定した搬送を行うことができるとともに、従動ローラの高さ位置を精度良く調整することができる。
【0079】
なお、上記実施形態においては、本発明に係るベルト搬送装置を画像形成装置、特に液体吐出方式の画像形成装置に適用した例で説明したが、画像形成装置に適用するベルト搬送装置に限定されるものではなく、また、電子写真方式で画像を形成する装置にも適用することができ、液体吐出方式の画像形成装置に適用するベルト搬送装置に限定されるものではない。また、ベルト搬送装置としては、AC帯電による電界作用でシート材を吸着する搬送ベルトを用いた例で説明しているが、DC帯電による電界作用でシート材を吸着する搬送ベルト、エアーでシート材を吸着する搬送ベルトなどを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係る画像形成装置の説明に供する概略構成図である。
【図2】同じく画像形成部及び副走査搬送部の平面説明図である。
【図3】同画像形成装置のエンジンユニットの装着部分の模式的説明図である。
【図4】同エンジンユニットを装置本体から抜き出した状態の斜視説明図である。
【図5】同エンジンユニットを装置本体裏側の方向から見た斜視説明図である。
【図6】同エンジンユニットを装置本体裏側の方向から見た向きを代えて見た斜視説明図である。
【図7】同エンジンユニットを装置本体裏側の方向から見た側面説明図である。
【図8】同副走査搬送部の拡大説明図である。
【図9】搬送ベルトとローラ及びプラテンガイド部材の関係を説明する模式的説明図である。
【図10】ベルトユニットの模式的説明図である。
【図11】ベルトユニットの斜視説明図である。
【図12】エンジンフレーム構成及びベルトユニットの取り付け構成の説明に供する斜視説明図である。
【図13】同じくサブ側板に対する調整板の取り付け状態の説明に供する説明図である。
【図14】同じく側板とベルトユニットの保持部分を模式的に説明する斜視説明図である。
【図15】テンションローラの調整手段の第1例の説明に供する要部斜視説明図である。
【図16】同じくテンションローラの調整手段の第2例の説明に供する要部斜視説明図である。
【図17】同じくテンションローラの調整手段の第3例の説明に供する要部斜視説明図である。
【図18】同じくテンションローラの調整手段の第4例の説明に供する要部斜視説明図である。
【符号の説明】
【0081】
1…装置本体
2…画像形成部
3…副走査搬送部
4…給紙部
5…用紙(被記録媒体)
6…排紙搬送部
7…排紙トレイ
11…画像読取部
23…キャリッジ
24…記録ヘッド
31…搬送ベルト
32…搬送ローラ
33…従動ローラ(テンションローラ)
34…帯電ローラ
100…エンジンユニット
101…エンジンフレーム
210…ベルトユニット
212、213…支持部材
232、233、234…調整部材
241…ネジ
242…ナット
243…加圧部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも駆動ローラと従動ローラとの間に掛け回した無端状の搬送ベルトと、
前記駆動ローラと従動ローラとの間で前記搬送ベルトの平面度を保持するプラテンガイド部材と、
前記従動ローラの少なくとも片側を保持する部材の位置を調整する調整部材と
を備えていることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載のベルト搬送装置において、前記調整部材は、搬送面に対して垂直方向に対して調整可能であることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載のベルト搬送装置において、前記調整部材は、前記従動ローラを付勢する部材を有することを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項4】
請求項2に記載のベルト搬送装置において、前記調整部材は、前記搬送ベルトが設置される側のフレームに取り付けられていることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項5】
請求項4に記載のベルト搬送装置において、前記調整部材のフレームへの取り付け方向が前記従動ローラの取り付け方向と同じであることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のベルト搬送装置において、前記搬送ベルトは、シート材を吸着して搬送するベルトであることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項7】
請求項6に記載のベルト搬送装置において、前記搬送ベルトはエアーでシート材を吸着させるエアー吸着ベルトであることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項8】
請求項6記載のベルト搬送装置において、前記搬送ベルトは電界作用でシート材を吸着させる静電吸着ベルトであることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項9】
請求項8に記載のベルト搬送装置において、前記搬送ベルトは直流電界で帯電される静電吸着ベルトであることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項10】
請求項8に記載のベルト搬送装置において、前記搬送ベルトは交番電界で帯電される静電吸着ベルトであることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項11】
シート材をベルト搬送装置で搬送し、前記シート材に画像形成手段によって画像を形成する画像形成装置において、前記ベルト搬送装置が請求項1ないし10のいずれかに記載のベルト搬送装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11に記載の画像形成装置において、前記画像形成手段が液滴を吐出して画像形成を行う手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
少なくとも駆動ローラと従動ローラとの間に掛け回した無端状の搬送ベルトと、
前記駆動ローラと従動ローラとの間で前記搬送ベルトの平面度を保持するプラテンガイド部材と、
前記従動ローラの少なくとも片側を保持する部材の位置を調整する調整部材と
を備えていることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載のベルト搬送装置において、前記調整部材は、搬送面に対して垂直方向に対して調整可能であることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載のベルト搬送装置において、前記調整部材は、前記従動ローラを付勢する部材を有することを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項4】
請求項2に記載のベルト搬送装置において、前記調整部材は、前記搬送ベルトが設置される側のフレームに取り付けられていることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項5】
請求項4に記載のベルト搬送装置において、前記調整部材のフレームへの取り付け方向が前記従動ローラの取り付け方向と同じであることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のベルト搬送装置において、前記搬送ベルトは、シート材を吸着して搬送するベルトであることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項7】
請求項6に記載のベルト搬送装置において、前記搬送ベルトはエアーでシート材を吸着させるエアー吸着ベルトであることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項8】
請求項6記載のベルト搬送装置において、前記搬送ベルトは電界作用でシート材を吸着させる静電吸着ベルトであることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項9】
請求項8に記載のベルト搬送装置において、前記搬送ベルトは直流電界で帯電される静電吸着ベルトであることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項10】
請求項8に記載のベルト搬送装置において、前記搬送ベルトは交番電界で帯電される静電吸着ベルトであることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項11】
シート材をベルト搬送装置で搬送し、前記シート材に画像形成手段によって画像を形成する画像形成装置において、前記ベルト搬送装置が請求項1ないし10のいずれかに記載のベルト搬送装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11に記載の画像形成装置において、前記画像形成手段が液滴を吐出して画像形成を行う手段であることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−13283(P2008−13283A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−183888(P2006−183888)
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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