説明

ベローズ及び共同作用部分のシステム

本発明は、ベローズ及び共同作用部分のシステムに関し、堅い外壁を備える共同作用部分、所定の形状及び厚さの可撓性壁を備え、この部分とともに共同作用するベローズ、を備え、前記ベローズの可撓性壁は、前記共同作用部分の堅い外壁に沿って移動可能であり、前記ベローズは、2つの別々に変形可能な可撓性壁部分を備え、前記2つの可撓性壁部分は、前記共同作用部分の堅い外壁の異なる部分と互いに共同作用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に示されているような、ベローズのシステム及び共同作用部分に関する。本発明は、この種のシステムを備えているポンプにも関する。
【背景技術】
【0002】
ベローズを有するポンプは、米国特許第4,347,953号明細書から公知である。この種のポンプは、特開平10‐236503号公報からも公知である。
【0003】
国際公開第2004/004921号パンフレットも参照される。この公開内容は、本出願に参照として組み込まれる。
【0004】
ポンプは、例えばハウジング、キャップ、ベローズ、そして、ベローズと共同作用部分といった、多くのパーツから造られる。この種のベローズは、決定された圧縮を経た後に初期値と異なるスプリング力を有し、これにより、更なる圧縮が支援される。ベローズの可撓性壁は、圧縮の間、自由空間中を移動する。このポンプの用途は、発泡体、液体又はガスの所定の量を分注することに限定されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既知のポンプの第1の課題は、それらが液体バリアを備えていないということである。ベローズ閉止部を有する既知のポンプは、さらに、ボトル上での使用に適さない。
【0006】
本発明は、上述の種類の改良されたシステムを提供する目的のためになされた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、それ故、ベローセリウム及び共同作用部分のシステムを提供する。共同作用部分は、堅い外壁を備え、これに共同作用するベローズ部分は、所定の形状及び厚さを有する可撓性壁を備える。ここで、ベローズの可撓性壁は、共同作用部分の堅い外壁に沿って移動可能であり、そして、ベローズは、共同作用部分の堅い外壁の他の部分によって各々共同作用する、少なくとも2つの別々に変形可能な可撓性壁の部分を備える。
【0008】
本発明は、添付図面を参照して更に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ベローズ2は、所定形状の可撓性壁を備え、そして、その厚さは、射出成形によって好ましくは形成されることができる。可撓性壁、特にその厚さは、ベローズを変形できる力を変えるために使用可能なパラメータのうちの1つであって、このパラメータによって、ポンプの作動が影響されうる。
【0010】
本発明によれば、ベローズ2は、厚さの異なっている壁部分を備えていてもよい。特に、本発明の一実施の形態によれば、ベローズ2は、実質的に円錐形を有し、そして、段のある先細りの円錐が得られるような多数の実質的に水平及び垂直な壁部分からなることが好ましい。本発明による、ベローズ2のそれぞれの壁部分は、異なる厚さを有していてもよい。ベローズ2は、特に2つの段階において作用するベローズ機能を有していてもよい。ベローズは、この目的のために、互いに独立に広がることができる2つの部分を備えている。この2つの広がる部分又はベローズ部分2a、2bは、互いに円錐形態で上方に配列される。2つのベローズ部分2a、2bは、共同作用部分4の突出部6、7と共同作用することができる。ベローズ部分2a、2bは、共同作用部分4の突出部6、7に接触するときに、広がる。異なるベローズ部分2a、2bは、2つの異なる周縁寸法を有する。これにより、共同作用部分4の異なる突出部6、7は、ベローズ2の異なる部分と共同作用することができる。異なるベローズ部分2a、2bは、互いに独立に作動する。
【0011】
ベローズ2は、正方形又は矩形を含む、他の異なる断面を有してもよいが、ベローズ2は、円筒状断面を有することが好ましい。共同作用部分は、対応する態様で形成され、好ましくは円筒形物体を有する。
【0012】
ベローズ2の機能中に広がる部分は、ベローズ2の実質的な垂直壁部分であることが好ましい。垂直部分の壁の厚さは、異なっていてもよい。側壁は、ベース8から突出して、先細りであり、任意的に段付きの態様であってもよい。側壁の下には、実質的に水平な部分によって形成されるベローズ2周りに多くの支持縁部9、10が、構成される。
【0013】
本発明によれば、ベローズ2は、共同作用部分4と逆に移動するように機能する。共同作用部分4は、ベローズ2と同様に形成された突出部6、7、又は、広がっている壁とともにベローズ2が移動できる斜め下方に移動する部分、を備えることが好ましい。
【0014】
一実施の形態において、共同作用部分4は、ベローズ2のそれぞれの部分2a、2bを機能させるような、1つの突出部を有する。しかしながら、共同作用部分4は、2つ以上の突出部を有し、ベローズ2がその突出部上で支持して、そして、広がっている部分がその突出部に沿って移動できるように構成されることが好ましい。一実施の形態において、共同作用部分は、同一形状の2つの円形の突出部6、7を有する。
【0015】
一実施の形態において、ベローズ2は、共同作用部分の突出部6、7によって作動中に支持される2つの支持縁部9、10を有する。これらの縁部9、10は、ベローズ2の外側に位置している。より大きな抵抗性を有するベローズ2bに対する支持縁部10は、より小さい抵抗性を有するベローズ部分2aに対する支持縁部9よりも大きな外周を備えることが好ましい。
【0016】
一実施の形態において、ベローズ2は、重い方のベローズ部分2bのための支持縁部10の近くに、ベローズ2の断面円錐形に従って実質的にテーパーを形成されている内壁部分11を有する。この壁部分11は、詳細を後述されるバルブ12がその上部で支持してベローズ中に収容され得るように、形成される。ベローズ2の傾斜している側壁は、円錐ベローズ2の上部13の方向にテーパーを形成して、バルブ部分3の脚部14がその間で受け入れられてその上部で近接して調整されるように位置して、これにより、ベローズ2の開口部が閉じられるような、寸法を有する。
【0017】
ベローズ2は、円錐形状における開口した大きな外側端部の近くに、例えばノズル1中において突出部15によって支持可能なベース8を備えることが好ましい。ベース8は、肉厚である。
【0018】
ノズル1の突出部16とともに共同作用するバルブ12は、このベース8の近くに配置される。バルブ12は、ベローズ2中に受け入れられる容積に対する放出口として配置される。バルブ12は、外側からのアクセスを遮断する。ベローズ2の大きな開放端周辺において円錐形で延在するオープンスペース18は、バルブ12及びベース8間に形成される。ベース8は、共同作用部分4中の突出部とともに共同作用することができ、これにより、ベローズ2が機能するときに、このチャンバ18はわずかに圧縮される。このチャンバ18の圧縮によって、ベローズ2が図1Cから図1Dへの戻り工程において解放されたときに、ノズル1を通って外側に運ばれる流体のいわゆるサックバック効果が生じる結果になる。ノズルを介して放出口17に連通するチャンバ18は、作動中に圧縮された体積よりも大きい、その本来の体積に復帰する。これにより、流体の部分は、このチャンバ18中にサックバックされ、これにより、ノズル1上に形成された液滴もサックバックされる。
【0019】
他の実施の形態において、ベース8はノズル1に沿って案内され、ここで、ベースは、内側に圧縮されて、これにより、バルブ12及びベース8間のスペース18はより小さくされる。ベローズ2が圧縮されるストローク中において、このスペース18のサイズは減少して、一方、ベローズ2が開放されるときに、このスペース18は拡張される。サックバック機能も、これにより達成される。バルブ12及びノズル1の共同作用部分の作動は、図面に更に示される。
【0020】
本発明によるベローズ2は、バルブ部分3と共同作動することが好ましい。本発明による実施の形態のバルブ部分は、実質的に円形状の、ベース30形状中のバルブ部分である。ここで、伸張部分31は、ベース30から中心部の近くに延在して、この部分は、フック状部分32を有する外側端部上に設けられることが好ましく、特に、このフック状外側端部32がその下部でフックされるように、共同作用部分の内向きの突出部33と共同作用することができる外向きの突出部の形状であることが好ましい(図5A−図5C、及び図5A−A参照)。
【0021】
バルブ部分3は、ベローズ2中に適合可能であり、ベローズ2の内側壁に対してそのベース30とともに横たわることになる。バルブ部分3のベース30の直径は、その支持縁部10の1つに近接するベローズ2の側壁の直径に実質的に対応する。
【0022】
ベース30から延在してバルブ部分3のフック状外側端部32を備える部分31が、ベースが支持するベローズ2の側壁とベローズ2の開放端部との距離よりも長くなるように、バルブ部分3及びベローズ2は形成される。フック状の外側端部32は、これにより、ベローズ2の開放端部を超えて突出する。フック状の外側端部32は、ベローズ2とも共同作用部分4の部材と共同作用することができる。フック状部材32は、バルブ部分3がベローズ2中に受け入れられたときに、ベローズ2を超えて突出する。
【0023】
バルブ部分3は、ベローズの開口部を閉止することができる。これにより、液体バリアが得られる。
【0024】
加えて、本発明は、本明細書で指定されるように配置される、又は、容器上に、特にボトル上に配置される、システムを備えるポンプに関する。ポンプは、容器又はボトルの外端部上へ固定できる閉止部分5、閉止部分5に接続されるベース又は共同作用部分4、ベローズ2、バルブ部分3、及び、ポンピングのための流体を分注するためのノズル1、を更に備えていることが好ましい。それぞれの部分については、後述される。ポンプは、キャップで覆われていてもよい。
【0025】
閉止部分5は、ネジ山を有する外端部に対する受け入れスペース50を備えていることが好ましい。ここで、受け入れスペース50には、共同作用するネジ山が形成されている。容器の開放端及び閉止部分5を互いに嵌合させて漏れの機会を無くすために、密封リングが使用されうる。閉止部分5は、容器の開放端の縁部及び共同作用部分4の間に配置される。
【0026】
閉止部分5(図2A−A、図7A−図7D、及び、図7A−A参照)は、ポンプのベース部分又は共同作用部分4が係合可能な1つ又は多くの突出部51を備えている。この係合は、ベース部分4が閉止部分5に対して回転できるようになされる。係合する突出部51は、特に、円形である。ボトルに対して、特にノズル1中の、ポンプのポジショニングが、これにより、特にボトルの形及び/又はねじ山の形にかかわりなく、行われうる。特に、ノズル1は、その吐出口52が所望の側に突出するように、回転することができる。吐出口52のポジショニングは、特にポンプを備えている容器の輸送中に、重要でありえる。好ましいポジショニングは、コンパクト化(スペースセービング)をもたらす。
【0027】
閉止部分5は、ベース部分又は共同作用部分4の少なくとも一部が受け入れられて、この受け入れられた部位が閉止部分5に接続されるボトルの内部に接触するような、開口部53も、備えていることが好ましい。容器の外側端部上方に配置される閉止部分5は、弾性的に内方に突出して、共同作用部分4の対応する部材が閉止部分5上に配置されたときに、共同作用部分4の対応する部材に対して横たわるようになる、バルブ部分54を特に備えている。
【0028】
共同作用部分又はベース部分4(図2A−A、図6A−6B、図6A−A参照)は、容器の外側に液体を吸引することが可能な、容器、特にボトルの開口部中に配置するための、ネック部分55を備えることが好ましい。ネック部分55は、内側に突出する多数の突出部33を有する内部に設けられる。突出部33は、ネック部材55の内側壁に配置されて内側に突出するL字状の突出部であることが好ましく、ネック部材55の中心を指向しないことが好ましい。実質的に円筒形状であるネック部材55の断面において、突出部33は、このネック部材55の中心に平行した角度で内側に延在する。これにより、突出部33の移動は、可能になる。突出部33は、例えばより大きい物体がネック部材55に配置される場合、ネック部材55の内側壁に対する方向において、多少可撓性を有し、置換可能である。しかしながら、延在する突出部33は、それらの可撓性によって、後方に移動することになる。このアセンブリを備えることで、突出部33を超えてフック状部材32を配置することが可能になる。ここで、これらの突出部33がそれらの開始位置へ移動するときに、フック状端部32は突出部33の下で係合することになる。突出部33は、実質的に(逆)L字形状を有する。L字形状における長側面は、ネック部材55の内壁に接続されている。フック状部分32、特に、バルブ部分3のフック状端部は、フック状端部32がこれらの脚部を超えて配置されるときに、このL字形状における短脚部の下に位置されうる。
【0029】
共同作用部分4のネック部分55は、ボトルの外側端部に配置される。それは、閉止部分5の開放(上側)端部53を介して突出する。この開放端部53で、バルブ部分54は、外側端部の周りの縁部が共同作用部分の突出部60に対して横たわるように形成される。閉止部分5に共同作用部分4を接続することによって、バルブ部分54が共同作用部分4の対応する突出部60に対して張力が付与される(図2A−A参照)。過剰圧力がボトル、閉止部分5及び/又は共同作用部分4の外側に存在するときに、これらのバルブ部分54は開放可能であり、それによって、空気は容器内に流入することができる。この空気は、特に、ポンプによって排出される液体を置換する。
【0030】
ベース部分又は共同作用部分4は、ボトルから離れている側面上に延在している多数の突出部6、7を有する。これらの突出部6、7は、対応する部分、特に、ベローズ2の支持縁部9、10に係合できるように、形成される。支持縁部9、10は、ベローズ2の実質的に水平壁部分を形成する。ベローズ2は、実質的に幅狭のテーパー形状を有する。ベローズ2の幅狭のテーパー形状の外端部は、突出部6、7を備えるベース部分4の側面に対して向けられており、これらの上に配置される。ベローズ2がベース部分4の方へ移動するときに、ベローズ2の側壁は拡大し、それによって、ベローズ2内側の体積は減少する。
【0031】
ベース部分4は、ベローズ2又はベローズ部分2a、2bに対して共同作用する部分を形成するような多くの突出部6、7を、特に備えている。これにより、段差機能は、ポンプのそれぞれの機能に対して、得られうる。これにより、特に、ボトルの液体閉止、及び、ボトル中に受け入れられる流体を分注するためのポンプ作用が得られる。
【0032】
ベース部分4は、特にベローズ2のベース8として形成されるベローズ部分とともに共同作用しうる突出部を有する。これにより、ベース8の内側部上に形成されるスペース18は、いわゆるサックバック機能が得られるように、より縮小されうる(図1D参照)。
【0033】
ベース部分4は、閉止部分5とともに共同作用されうる締め付け部分61を備える。その結果、ベース部分4はその上で係合することができる。
【0034】
その外周周辺において、ベース部分4は、多くの溝(グルーブ)70を備えている。これらの溝70は、このベース部分4周辺に配置されうるノズル1上のリブ71とともに共同作用する。ノズル1の内側に配置されるリブ71がベース部分4の溝70に調整されるときに、ノズル1は作動されうる。溝70は、ノズル1に付随するリブ71が後部に固定されうる多くの突出部72も備えている。これにより、ベース4に対する運動は、遮断される。ベース部分4の外部上に溝70を配列することで、ベース部分4に対するノズル1の回転ストロークを遮断することが可能となる。例えば輸送の間、ノズル1の使用は、これにより、遮断されうる。これは、更にリークを防止する。
【0035】
このような溝70は、ベース部分4の外側部上の多くの位置に配列されることができ、そして、多くのリブ71は、ノズル1の内部上に対応する態様で配置されることができる。
【0036】
ノズル1は、ベース部分4上に位置し、そして、ベース部分4上方で係合されるように具現化され、外側部80を具備し、閉止部分5の外側部上に位置する。ノズル1は、ボトル開口部に実質的に整列する方向に、組み立てられた閉止部分5及びベース部分4に対して相互に移動可能である。
【0037】
ノズル1には、ベース部分4が上部で支持されうる内側支持縁部が設けられている。ベローズ2は、ノズル1の内側部上で締付配置されることができる。
【0038】
ベース部分4は、好ましくは、閉止部分5への搭載位置に接続される開口部を備え、そして、特に、ベース部分と閉止部分5との間に形成されたチャンバは、バルブ部分3にも接続している。空気は、開口部を経て、バルブ部分3に流入可能であり、これにより、負圧の場合、この空気がボトル中の流体を排出することができる。
【0039】
次に、本発明によるポンプの作動について説明する。
【0040】
まず第1に、ポンプが組み立てられる。閉止部分5は、例えば、この閉止部分5をボトル外端部にネジ止めすることによって、ボトル外端部に配置される。ベース部分4は、この閉止部分5上に配置され、ここで、このベース部分4は、配置されるベローズ2の共同作用部分を形成する延在突出部6、7とともに閉止部分5と離れた側部に設けられる。ベローズ2は、ノズル1の受け入れスペースに配置され、そこで、ベローズ2のベース8は、突出部15で支持される。ベローズ2の吐出状開口部からのフック状端部32によって延在するバルブ部分3は、ベローズ2中に配置される。閉止リングは、閉止部分5及びボトルのネック部の間に選択的に配置されてもよい。それぞれの部分は、追加のツール無しで、組立後に部品の除去を必要としないように、互いに係止するアームを備えて形成されている。
【0041】
このようにして組み立てられたポンプは、5つの部分から成る。これらは、この部分が配置されうる容器中のポンプ作用をもたらすように相互に共同作用して、そこで、液体リーク・バリアも提供される。
【0042】
ポンプ部分のアセンブリにおいて、ベローズ2は、ベース部分4の第1端部又は突出部6上で緊張された態様で支持されるように、寸法設定される。ベローズ2は、その領域中で変形して、それによって、ノズル1及びベローズ2を開始位置に保持する力が発生する。
【0043】
バルブ部分3は、ベース部分4のネック部材55の内部に突出している突出部33を超えて、フック状部分32で突出する。ポンプの組立の間、バルブ3は、これらの突出部33を超えてベローズ2中に配置される。バルブ部分3は、これらの突出部33によって適所に保持されて、そこで、バルブ3のベース30は、ベローズ2の内側壁上で支持される。これにより、液体バリアとして作用するバルブ機能が得られる。ネック部分55中に延在する突出部33の下側部と、ベース部分4の共同作用部分/突出部6上で支持する張設されたベローズ部分2aとの間隔とともに、バルブ3のステム部分31における寸法を相互に適合させて、バルブ3を閉止する。例えば航空機でポンプを輸送中といった、負圧下において、ベローズ2と連結するバルブ部分3及びベース部分により、外部への液体の流出が防止される。そして、例えばボトルの絞り現象(スクイージング)といった、ボトルにおいて発生する過剰圧力下においても、リーク(漏れ)が発生しない。
【0044】
ポンプが組み立てられた状態で用いられるときに、ボトルのネック部分の方にノズルを移動させる方向への圧力がノズル1に印加される(図1A(開始位置)及び図1B(圧縮済)参照)。まず第1に、小さい方のベローズ部分2aは、これにより、更に変形する。小さい方のベローズ部分2aには、すでに張力が付与されている。これにより、バルブ部分3のベース30がベローズ2の内側壁上で支持される位置と、バルブ部分3がフックされる突出部33の下側との距離が縮小される。しかしながら、バルブ3は、大きい方のベローズ部分中に存在する流体による圧力のため、その閉止位置に保持される。ここで、バルブ部分3は、ベローズ2の上側/内側部分からの流体の逆流を防止するバルブ部分3として機能する。バルブ部分3のフック状部分32は、さらに、ベース部分4のネック部材55中に、突出することになる。
【0045】
ノズル1の更なる移動(図1C)に伴って、そして、ベース部分4及び閉止部分5の方向において、ベローズ部分2bの第2の支持縁部10は、第2の突出端部7又はベース部分4の共同作用部分に、接触する。これにより、第1のベローズ部分2a(小さい方のベローズ)の変形は、止められる。第2のベローズ部分2bの変形は、ノズル1の更なる移動によって生じる。
【0046】
バルブ部分3によって、より大きいベローズ2bからの流体のフィードバック(帰還)が防止されるので、第2のベローズ2bが変形し始めるときに、流体は加圧されることになる。ベローズ2におけるより大きな開放端(ベース)に近接する薄膜又はバルブ部分12を介して、流体は、流出してノズル1に流入することができ、そして、吐出口52を経てノズル1から離れることもできる(図1Cに示される状況)。
【0047】
ノズル1がベース部分4に接触するまで、ベローズ2及び特に第2のベローズ2bの変形は継続する。
【0048】
ノズル1がベース部分4の方向に更に移動するにつれて、ベローズ2のベースと、バルブとして機能するフィルム部分12との間のスペース18も変形する。このスペース18は、より小さくなる。特に、ここで得られるのは、第3のベローズ機能である。このベローズ機能は、この受け入れスペースにベース部分4上の突出部に接触させることによって強化されうる。これにより、フィルム部分12及びベース4間のこのスペース18における、さらなる変位、及び、これによるサイズの減少が、発生する。
【0049】
ポンプの内側ストロークを終了後には、ノズル1上の力は縮小して(図1D)、これにより、ノズル1は開始位置(図lA)に戻る。ベローズ2中のスペースをノズル1中のスペースに接続するバルブ12は、まず第1に、ここで閉止する。フィルム12は、ノズル1からベローズ2の内部に流体が戻ることを防止する。フィルム及びベース間のスペース18も拡張され、これにより、サックバックが発生して、さらに、吐出口52に存在する流体がノズル1の内部に引き戻される。このことは、ノズルのリークに対して考慮すべき利点を有する。
【0050】
開始位置へのノズル1の復帰移動によって、大きい方のベローズ部分2b中の負圧が発生する。この大きい方のベローズ部分2bは、その開始位置へ戻ることになる。ベローズ2は、開始位置にポンプを戻す作用を有する弾性手段でもある。
【0051】
第2のベローズ部分2bにおいて発生する負圧によって、バルブ部分3は開放され、これにより、流体は第2のベローズ部分2b中に吸引されうる。流体は、吹込管が配置されるベース部分4のネック55を通って吸引される。吹込管は、ポンプが接続されるボトルに突出し、ボトルの底部上に置かれるような長さであることが好ましい。これにより、ボトルは、本発明によるポンプで、十分空になるように圧送されうる。吹込管は、ベース部分4のネック55の突出部33の下側に位置する。
【0052】
第2のベローズスペースの充填によって、ボトル中に負圧が生じる。これにより、ベローズ2及びベース部分4の間にある空気は、閉止部分5のバルブ54を介して、ボトルに流入しうる。これにより、ポンプの作動が保証される。
【0053】
開始位置へのノズル1の更なる復帰移動とともに、第2のベローズ部分2bの変形は、所与の瞬間に終わる(図1D参照)。更なる移動とともに、第2の大きい方のベローズ部分2bと、第1の小さい方のベローズ部分2aの間の支持縁部10は、共同作用部分、特にベース部分4の突出部7、から開放され、これにより、第1のベローズ2aの変形も縮小される。これにより、バルブ部分3は、上方へ移動して、最終的に再びそのバルブ機能を実行し始める。第2のベローズ部分2bにおけるベローズ2中の大きなスペース間の開放接続部は、アクセス部分からベース部分4のネック部分55まで閉止される。ノズル1の更なる移動によって、再び開始位置が最終的に想定される。
【0054】
ノズル1が回転されて、これにより、遮断位置が想定される場合、ノズル1及び残りのポンプは、実質的に開始位置にあり、それによって、バルブ3は、液体の流出を妨げる。
【0055】
実施の形態において、ベローズ2は、共同作用部分4によって共同作用する所定形状及び厚さの可撓性壁を有し、共同作用部分4は、堅い外壁を備え、この外壁に沿って可動性壁が移動可能である。
【0056】
実施の形態において、ベローズ2の壁部分には、力の所望の進行を引き起こすために、所定の直径変化及び/又は所定の厚さ変化がある。
【0057】
実施の形態において、折り返した端部は、圧力を吸収するために可撓性壁の外端部に配置される。折り返した端部は、共同作用部分からベローズ部分上への、又はその逆の、圧力を制御して伝達するための、係合の安定な位置を提供する。
【0058】
力の発達は、実質的に一定、増加、減少、又は、それらの組み合わせであることが好ましい。
【0059】
他の実施の形態において、力の発達は、振動して、これにより、より良好な分散が付与される。
【0060】
実施の形態において、可撓性壁の部分は、円錐である。
【0061】
実施の形態において、ベローズ2の可撓性壁の部分は、力の発達のピークを引き起こすために、肉厚の部分を備えている。このピークは、決定された分散に達したことを示す。
【0062】
図1A〜図1Dは、本発明の一実施の形態による、ポンプの4つの状態を示す。ノズル1、ベローズ2、バルブ部分3、ベース部分4、及び、閉止部分5が、示され、断面図で示されている。図lAは、本発明によるポンプの開始位置を示す。図lBは、力をノズル1に印加することによって小さい方のベローズ部分2aが圧縮される第2段階を示す。ここで、バルブ部分3は、大きい方のベローズ部分2b及び液体チャンバとの接続を遮断し続ける。図1Cは、大きい方のベローズ部分2bがどのように変形するかについて示す。ここで、ベローズ2頂部上のバルブ12によって液体が外側へと流れることができるので、液体はノズル1を介して分注される。図1Dは、大きい方のベローズ部分2bがどのように体積が増加するかについて再度示す。ここで、液体は液体容器から引き出される。同時に、空気は、閉止部分5頂部上に配置されたバルブ54を介して、容器中に流れる。ベース8及びフィルム12間のサックバックチャンバ18の変形も、ベローズ2の大きな外端部に接近するように示される。この復帰運動の間、このチャンバ18の体積は増加して、それによって、サックバックは発生する。図1Aによれば、開始位置は最終的に取り込まれ、そこにおいて、ベローズ2はベース部分4のそれぞれの共同作用部分に張力をかけられる。
【0063】
このポンプは、容器(例えばボトル)中に存在する、液体、粘性材料、発泡体又はガスに対して適している。ベローズ2及びベース部分4のアセンブリによって、適切なポンプ作用がもたらされ、ここで、バルブ3はボトルへの液体の逆流が防止される。
【0064】
示された実施の形態において、ベローズ2及び共同作用部分、又は、ベース部分4の拡大部分は、点対称形である。ベローズ2は、実質的に円錐形を有する。ベース部分又は共同作用部分4は、任意的に、ベローズが拡大しうる円錐部分を有する。例えば卵形及び正方形といった、他の全ての形も、可能である。
【0065】
ベローズ部分2は、点対称形であり、所望の弾性特性が得られるような厚さ変化を有する可撓性の円筒形壁5を備え、そこで、肉厚なベース23がノズル1の凹所中で支持して、例えばノズル中に配置される多くのリブによって形成される。薄膜又はバルブ12は、バルブ機能を得るために、ノズル1の壁部分16の外側部とともに共同作用する。その結果、過剰圧力が、第2の大きい方のベローズ部分のチャンバ18中で生じる。そして、バルブ12は、外側に押圧され、そして、その中身はノズル1及びその吐出口52を介して外側に流れる。
【0066】
ベローズ2及びノズル1の圧縮中での、力の進行は、可撓性壁における肉厚変化、及び、任意的に、この可撓性壁が広がる共同作用部分4の外面の変化、との合同の作用である。図1A−図1Dに示された実施の形態と比較して、突出部は、例えばベース部分4における第2の共同作用部分の外側に配置されてもよく、これにより、第2のベローズ部分2bの拡大中に、抵抗が発生し、そのため、第1の分注が得られるという事実にユーザは注目する。
【0067】
ノズル1は、スプレーオリフィスを任意的に備えてもよい。ポンプは、ベローズへの接続を経て、接続されたレバーを有するピストル機構を、任意的に備えてもよい。追加部品は、ベンティング(通気)の目的で、任意的に使用されうる。
【0068】
他の実施の形態において、ベース部分4は、ベローズ2の逆方向に移動する代わりに、ベローズ2の方向に移動可能である。
【0069】
ベローズ2は、その壁厚において多様に変化していてもよい。これにより、ベローズ2が下方へ移動する弾性力は、可変的になる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1A】図1Aは、本発明の実施の形態による、休止位置における、ポンプの断面図を示す。
【図1B】図1Bは、本発明の実施の形態による、部分圧縮位置における、ポンプの断面図を示す。
【図1C】図1Cは、本発明の実施の形態による、圧縮位置における、ポンプの断面図を示す。
【図1D】図1Dは、本発明の実施の形態による、再度の休止位置における、ポンプの断面図を示す。
【図2A−A】図2A−Aは、図2AにおけるAAに沿った断面図を示す。
【図3A】図3Aは、ノズルの正面図を示す。
【図3C】図3Cは、ノズルの側面図を示す。
【図3D】図3Dは、ノズルの底面図を示す。
【図3A−A】図3A−Aは、図3AにおけるAAに沿った断面図を示す。
【図3B−B】図3B−Bは、図3AにおけるBBに沿った断面図を示す。
【図4A】図4Aは、ベローズの平面図を示す。
【図4B】図4Bは、ベローズの側面図を示す。
【図4A−A】図4A−Aは、図4AにおけるAAに沿った断面図を示す。
【図5A】図5Aは、バルブ部分の正面図を示す。
【図5B】図5Bは、バルブ部分の平面図を示す。
【図5C】図5Cは、バルブ部分の底面図を示す。
【図5A−A】図5A−Aは、図5AにおけるAAに沿った断面図を示す。
【図6A】図6Aは、共同作用部分の平面図を示す。
【図6B】図6Bは、共同作用部分の正面図を示す。
【図6A−A】図6A−Aは、図6AにおけるAAに沿った断面図を示す。
【図7A】図7Aは、閉止部分の平面図を示す。
【図7A−A】図7A−Aは、図7AにおけるAAに沿った断面図を示す。
【図7B】図7Bは、図7EのBで指定された、詳細を示す。
【図7C】図7Cは、図7A−AのCで指定された、詳細を示す。
【図7D】図7Dは、閉止部分の正面図を示す。
【図7E】図7Eは、閉止部分の底面図を示す。
【符号の説明】
【0071】
2 ベローズ
2a、2b ベローズ部分
3 バルブ
4 共同作用部分(ベース)
6、7 突出部
8 ベース
9、10 支持縁部
12 バルブ
33 突出部
52 吐出口
53 開口部
54 バルブ部分
55 ネック部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
堅い外壁を備える共同作用部分、
所定の形状及び厚さの可撓性壁を備え、前記共同作用部分とともに共同作用するベローズ、
を備え、
前記ベローズの可撓性壁は、前記共同作用部分の堅い外壁に沿って移動可能であり、
前記ベローズは、2つの別々に変形可能な可撓性壁部分を備え、
前記2つの可撓性壁部分の各々は、前記共同作用部分の堅い外壁における異なる部分と互いに共同作用する、ことを特徴とする、ベローズ及び共同作用部分のシステム。
【請求項2】
前記ベローズの可撓性壁部分は、前記共同作用部分の外壁部分上方に各々広がることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ベローズにおける変形可能な壁部分と共同作用する、前記共同作用部分における各外壁部分は、突出部によって形成されることを特徴とする、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ベローズにおける変形可能な壁部分は、傾斜壁部分を備え、
前記傾斜壁部分は、前記共同作用部分の突出部とともに共同作用することを特徴とする、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ベローズは、実質的に円錐形状を有することを特徴とする、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
バルブ部分をさらに備えることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記バルブ部分は、前記ベローズの開口部に適合されるとともに、前記共同作用部分の開口部に適合され、
いずれの開口部も流体のための流路を形成することを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記バルブ部分は、前記共同作用部分内の流路中の突出部と共同作用するフックを備えることを特徴とする、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
所定形状及び厚さの可撓性壁を備えるベローズであって、
少なくとも2つの独立して変形可能な可撓性壁部分を備えることを特徴とする、ベローズ。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のシステムを備えるポンプ。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2A−A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3A−A】
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【図3B−B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4A−A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5A−A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6A−A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7A−A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【公表番号】特表2008−513309(P2008−513309A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532264(P2007−532264)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【国際出願番号】PCT/NL2005/000673
【国際公開番号】WO2006/031110
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(504469710)
【Fターム(参考)】