説明

ベンゾオキサゾール化合物の製造方法

【課題】反応工程を簡略化することができ、環境負荷が小さく、アトムエコノミーに優れると共に、ベンゾオキサゾール化合物を効率的かつ収率良く製造することができるベンゾオキサゾール化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】ベンゾオキサゾール化合物の製造方法は、ベンゾオキサゾール化合物の反応基質を、比誘電率が1〜15である溶媒及び酸素を含有する雰囲気中にて、銅触媒の存在下に120〜170℃に加熱して閉環反応を行うものである。この場合、銅触媒としては、トリフルオロメタンスルホン酸銅が好ましい。また、銅触媒の使用量は、反応基質に対して20〜100モル%であることが好ましい。溶媒としては、キシレン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンであることが好ましい。さらに、閉環反応の反応時間は、15〜48時間であることが望ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば医薬品、医薬品中間体、紫外線吸収剤、絶縁体、樹脂の安定化剤等として利用されるベンゾオキサゾール化合物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ベンゾオキサゾール及びその誘導体よりなるベンゾオキサゾール化合物は、多くの医薬品、その中間体、紫外線吸収剤、絶縁体等を形成するための基本骨格である。このため、ベンゾオキサゾール化合物の効率的な合成法について積極的に検討が進められている。具体的には、2−アミノフェノール誘導体をカルボン酸又はその反応性誘導体と反応させる2−ハロメチルベンゾオキサゾール誘導体の製造法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。その例としては、2−アミノフェノールの酢酸溶液にクロロアセチルクロリドを加えた後、120℃で3時間撹拌することにより、2−(クロロメチル)ベンゾオキサゾールを得ることができる。
【0003】
しかし、この特許文献1に記載されているベンゾオキサゾール誘導体の製造法では、合成原料として予めオルト位が官能基化されたアニリンである2−アミノフェノールを用いる必要があるため、アトムエコノミー(原子利用効率)が低く、環境負荷も大きいという欠点があった。
【0004】
一方で、ベンズイミダゾールの製造方法においては、オルト位に官能基を有しないアニリンから調製されるN−フェニルベンズアミジンを反応基質として用いる製造方法が提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。すなわち、N−フェニルベンズアミジンを、溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)中で銅触媒として酢酸銅を用い、100℃に加熱して閉環反応を行わせて2−フェニルベンズイミダゾールを製造する方法である。
【特許文献1】特開平10−45735号公報(第2頁及び第12頁)
【非特許文献1】Angew. Chem. Int.Ed.2008,47,1932〜1934
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1に記載の製造方法を、ベンゾオキサゾール化合物の製造に適用した場合には、閉環反応が進行せず、所望とするベンゾオキサゾール化合物を得ることはできなかった。その理由は定かではないが、前記ベンズイミダゾール化合物を得る反応ではイオン的な中間体を経由すると考えられるためその反応が極性溶媒で安定化されるのに対し、ベンゾオキサゾール化合物を得る反応では銅触媒への反応基質の配位を経て進行するため、その配位が極性溶媒によって攪乱されるものと推測される。
【0006】
また、非特許文献1に記載のベンズイミダゾールの製造方法における閉環反応は、ベンゼン環の炭素原子とイミノ基の窒素原子との間におけるものであるのに対し、ベンゾオキサゾール化合物の製造方法における閉環反応は、ベンゼン環の炭素原子とカルボニル基の酸素原子との間におけるものである。そのため、前者では極性の高い溶媒により反応が促進されるのに対し、後者では溶媒の高い極性が反応の障害になるものと考えられる。
【0007】
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、反応工程を簡略化することができ、環境負荷が小さく、アトムエコノミーに優れると共に、ベンゾオキサゾール化合物を効率的かつ収率良く製造することができるベンゾオキサゾール化合物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載のベンゾオキサゾール化合物の製造方法では、下記に示す反応基質(1)、(3)又は(5)を、比誘電率が1〜15である溶媒及び酸素を含有する雰囲気中にて、銅触媒の存在下に120〜170℃に加熱して閉環反応を行い、下記に示すベンゾオキサゾール化合物(2)、(4)又は(6)を製造することを特徴とする。
【0009】
【化1】

但し、Rは水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、カルボキシアルキル基(アルキル基の炭素数は1〜4)、ベンゾイル基、下記の式(7)で示される基、ベンゼン環と共にナフタレン環を形成する基又はアセトアミド基を表す。
【0010】
【化2】

【0011】
【化3】

【0012】
【化4】

但し、Arはアリール基であって、アルキルフェニル基(アルキル基は炭素数1〜4)、ジアルキルフェニル基(アルキル基は炭素数1〜4)、アルコキシフェニル基(アルコキシ基は炭素数1〜4)、ジアルコキシフェニル基(アルコキシ基の炭素数1〜4)、ハロゲン化フェニル基、カルボキシアルキルフェニル基(アルキル基は炭素数1〜4)、ナフタレン−2−イル基又はチオフェン−2−イル基を表す。
【0013】
【化5】

【0014】
【化6】

但し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基を表す。
【0015】
【化7】

請求項2のベンゾオキサゾール化合物の製造方法では、請求項1に係る発明において、前記銅触媒は、トリフルオロメタンスルホン酸銅であることを特徴とする。
【0016】
請求項3のベンゾオキサゾール化合物の製造方法では、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記銅触媒の使用量は、反応基質(1)、(3)又は(5)に対して20〜100モル%であることを特徴とする。
【0017】
請求項4のベンゾオキサゾール化合物の製造方法では、請求項1から請求項3のいずれか1項に係る発明において、前記溶媒は、キシレン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンであることを特徴とする。
【0018】
請求項5のベンゾオキサゾール化合物の製造方法では、請求項1から請求項4のいずれか1項に係る発明において、前記閉環反応の反応時間は、15〜48時間であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に係る発明では、前記反応基質(1)、(3)又は(5)を、比誘電率が1〜15である溶媒及び酸素を含有する雰囲気中にて、銅触媒の存在下に120〜170℃に加熱して閉環反応を行い、前記ベンゾオキサゾール化合物(2)、(4)又は(6)を製造するものである。このため、所定の溶媒及び酸素雰囲気中で銅触媒の存在下に加熱するという操作だけで閉環反応を行うことができる。また、使用する溶媒が比誘電率の低い非極性又は低極性のものであることから、溶媒によって反応基質と銅触媒との相互作用が乱されることなく、閉環反応を十分に進行させることができる。さらに、ベンゼン環のオルト位のC−H結合を直接C−O結合に変換させて、閉環することができる。加えて、ベンゾオキサゾール化合物以外の副生物は水のみである。従って、反応工程を簡略化することができ、環境負荷が小さく、アトムエコノミーに優れると共に、ベンゾオキサゾール化合物を効率的かつ収率良く製造することができる。
【0020】
請求項2に係る発明では、銅触媒はトリフルオロメタンスルホン酸銅である。このため、請求項1に係る発明の効果に加えて、反応基質の閉環反応を促進させることができ、収率の向上に寄与することができる。
【0021】
請求項3に係る発明では、銅触媒の使用量が反応基質(1)、(3)又は(5)に対して20〜100モル%である。このため、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加えて、閉環反応の触媒作用を十分に発揮させることができる。
【0022】
請求項4に係る発明では、溶媒がキシレン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンである。このため、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、これらの溶媒が非極性又は低極性であるため閉環反応を安定した状態で進行させることができる。
【0023】
請求項5に係る発明では、閉環反応の反応時間が15〜48時間である。このため、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加えて、閉環反応を十分に進行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の最良と思われる実施形態について詳細に説明する。
本実施形態におけるベンゾオキサゾール化合物の製造方法では、下記に示す反応基質(1)、(3)又は(5)を、比誘電率が1〜15である溶媒及び酸素を含有する雰囲気中にて、銅触媒の存在下に120〜170℃に加熱して閉環反応を行い、下記に示すベンゾオキサゾール化合物(2)、(4)又は(6)を製造するものである。前記閉環反応は、反応基質(1)、(3)又は(5)を構成するベンゼン環のイミノ基に対するα位の炭素原子と、カルボニル基の酸素原子との間が脱水素反応によって結合される反応である。
【0025】
【化8】

但し、Rは水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、カルボキシアルキル基(アルキル基の炭素数は1〜4)、ベンゾイル基、下記の式(7)で示される基、ベンゼン環と共にナフタレン環を形成する基又はアセトアミド基を表す。
【0026】
【化9】

【0027】
【化10】

【0028】
【化11】

但し、Arはアリール基であって、アルキルフェニル基(アルキル基は炭素数1〜4)、ジアルキルフェニル基(アルキル基は炭素数1〜4)、アルコキシフェニル基(アルコキシ基は炭素数1〜4)、ジアルコキシフェニル基(アルコキシ基の炭素数1〜4)、ハロゲン化フェニル基、カルボキシアルキルフェニル基(アルキル基は炭素数1〜4)、ナフタレン−2−イル基又はチオフェン−2−イル基を表す。
【0029】
【化12】

【0030】
【化13】

但し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基を表す。
【0031】
【化14】

まず、反応基質(1)、(3)又は(5)について説明する。
【0032】
反応基質(1)、(3)又は(5)は、それぞれ前記化学式(1)、(3)又は(5)に示される化合物であり、ベンゾオキサゾール化合物を製造する場合の原料化合物であって、ベンゼン環の炭素原子とカルボニル基の酸素原子との間が開環された化合物である。反応基質(1)は、化学式(1)に示されているように、ベンゼン環に置換基Rが結合されている化合物である。また、反応基質(3)は、化学式(3)に示されているように、カルボニル基にアリール基Arが結合されている化合物である。さらに、反応基質(5)は、化学式(5)に示されているように、カルボニル基にアルキル基Rが結合されている化合物である。これらの反応基質としては、目的とするベンゾオキサゾール化合物に対応する化合物が選択して使用される。
【0033】
続いて、溶媒は比誘電率が1〜15という非極性又は低極性の溶剤である。この比誘電率εは、真空の誘電率εに対するある溶媒の誘電率εの比(ε/ε)を表す。すなわち、この比誘電率が大きくなるほど溶媒の極性が高くなり、比誘電率が低くなるほど溶媒の極性が低くなることを意味する。前記反応基質の閉環反応においては、溶媒は非極性又は低極性であることが反応基質のもつ極性を十分に機能させることができる点から、比誘電率は1〜15という低い範囲に設定される。該比誘電率が15を超える場合には、溶媒が高極性を示すことから、溶媒のもつ極性によって反応基質と銅触媒との相互作用が乱されてその機能を発現することができず、閉環反応が困難になる。その一方、比誘電率が1未満の場合には、そのような溶媒で本反応に使用可能な溶媒は見い出されていない。
【0034】
比誘電率が1〜15の溶媒としては、例えばo−キシレン(比誘電率2.30)、クロロベンゼン(比誘電率5.62)、1,2−ジクロロベンゼン(比誘電率9.93)、ベンゼン(比誘電率2.27)、トルエン(比誘電率2.38)、n−ヘキサン(比誘電率1.88)、ジクロロメタン(比誘電率8.93)、ピリジン(比誘電率12.9)等が挙げられる。
【0035】
また、溶媒は反応基質の閉環反応を円滑に進行させるために、その沸点が60〜185℃であることが好ましく、110〜185℃であることがより好ましい。溶媒の沸点が60℃より低い場合、反応時に溶媒の揮散が激しくなり、反応を円滑に進めることができなくなって好ましくない。一方、溶媒の沸点が185℃より高い場合、溶媒の流動性が低下したり、極性が高くなり過ぎたりして反応の進行が妨げられるため好ましくない。
【0036】
沸点が60〜185℃の溶媒として、具体的にはn−ヘキサン(沸点69℃)、ベンゼン(沸点80℃)、トルエン(沸点111℃)、o−キシレン(沸点142℃)、m−キシレン(沸点139℃)、p−キシレン(沸点138℃)、クロロベンゼン(沸点132℃)、1,2−ジクロロベンゼン(沸点179℃)、ピリジン(沸点116℃)等が挙げられる。これらの溶媒のうち、前記比誘電率の要件及び沸点の要件の双方を満たす観点から、キシレン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンが好ましい。
【0037】
次いで、反応基質の閉環反応を行う場合の雰囲気は、酸素(O)を含有する雰囲気である。この雰囲気中に含まれる酸素が、閉環反応において失活した銅触媒を賦活(再生)させるために必要である。この雰囲気は、酸素のみの雰囲気、空気の雰囲気、或いは酸素濃度を調整した雰囲気のいずれであってもよい。
【0038】
次に、銅触媒は、前記反応基質(1)、(3)又は(5)からベンゾオキサゾール化合物(2)、(4)又は(6)を生成する閉環反応を促進させるためのものである。なお、ベンゾオキサゾール化合物(2)、(4)又は(6)は、前記化学式(2)、(4)又は(6)に示される化合物である。係る銅触媒は銅を含有する触媒であって、その銅が反応基質に作用して閉環反応(脱水素反応)を促すものと考えられる。銅触媒としては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸銅、酢酸銅、過塩素酸銅等が挙げられる。これらの銅触媒のうち、閉環反応を十分に促進させることができ、収率の向上に最も寄与することができる点から、トリフルオロメタンスルホン酸銅が最も好ましい。
【0039】
銅触媒の使用量は、閉環反応の触媒作用を十分に発揮させるために、反応基質(1)、(3)又は(5)に対して20〜100モル%であることが好ましい。銅触媒の使用量が反応基質(1)、(3)又は(5)に対して20モル%より少ない場合には、銅触媒による閉環反応の触媒作用が不十分になり、反応が遅延し前記ベンゾオキサゾール化合物(2)、(4)又は(6)の収率が低下する。その一方、100モル%より多い場合には、銅触媒が過剰となって無駄になるほか、反応後の処理の負担が増大する。
【0040】
反応温度は、反応基質を活性状態にして閉環反応を進行させるために120〜170℃に設定され、好ましくは130〜160℃である。反応温度が120℃を下回ると、反応基質の活性状態が十分に得られず、閉環反応の進行が阻害される。その一方、170℃を上回ると、閉環反応が急激に進行して副反応が生じ、ベンゾオキサゾール化合物(2)、(4)又は(6)の収率が低下する。また、閉環反応における圧力は、常圧である1気圧(0.1MPa)近傍に設定される。閉環反応を常圧下で行うことにより、加圧装置や減圧装置を使用することなく、容易に閉環反応を行うことができる。
【0041】
反応時間は、反応基質の閉環反応を十分に進行させるために、15〜48時間であることが好ましい。反応時間が15時間より短い場合、閉環反応の進行が不十分になり、目的とするベンゾオキサゾール化合物(2)、(4)又は(6)を十分な収率で得ることができなくなる。一方、48時間より長い場合、反応時間が長くなり過ぎてベンゾオキサゾール化合物(2)、(4)又は(6)の生産効率が低下して好ましくない。
【0042】
さて、反応基質の閉環反応を行う場合には、酸素を含有する雰囲気中にて非極性又は低極性の溶媒及び銅触媒の存在下に加熱することによって行われる。このため、反応基質の閉環反応は溶媒の極性に左右されることなく安定した状態で進行する。このとき、反応液中には銅触媒が存在するためその触媒作用により、反応基質を構成するベンゼン環の炭素原子とカルボニル基の酸素原子との間における閉環反応が促進される。そして、その銅触媒は雰囲気中に存在する酸素によって賦活され、触媒作用が継続される。なお、この閉環反応は、イオン性の中間体を経由せず、反応基質の銅触媒への配位を経由して進行するものと推測され、非極性溶媒又は低極性溶媒が有利に働くものと考えられる。その結果、目的とするベンゾオキサゾール化合物を副反応をほとんど伴うことなく、定量的に収率良く生成させることができる。
【0043】
以上詳述した本実施形態によれば、次のような作用及び効果が発揮される。
・ 本実施形態におけるベンゾオキサゾール化合物の製造方法では、前記反応基質(1)、(3)又は(5)を、比誘電率が1〜15である溶媒及び酸素を含有する雰囲気中にて、銅触媒の存在下に120〜170℃に加熱して閉環反応を行い、前記ベンゾオキサゾール化合物(2)、(4)又は(6)を製造するものである。このため、所定の溶媒及び酸素雰囲気中で銅触媒の存在下に加熱するだけで閉環反応を行うことができる。また、使用する溶媒が比誘電率の低い非極性又は低極性のものであることから、溶媒によって反応基質と触媒との相互作用が乱されることなく、閉環反応を十分に進行させることができる。
【0044】
さらに、ベンゼン環のオルト位のC−H結合を直接C−O結合に変換させて、閉環することができ、従来のように水酸基、ハロゲン原子等の官能基を導入してC−H結合の活性化を行う必要がない。加えて、ベンゾオキサゾール化合物以外の副生物は、脱水素に基づいて生成する水のみである。
【0045】
従って、反応工程を簡略化することができ、環境負荷が小さく、アトムエコノミーに優れると共に、ベンゾオキサゾール化合物を効率的かつ収率良く製造することができる。さらに、銅触媒は安価であることから、ベンゾオキサゾール化合物の製造コストを低減させることができる。その上、反応基質の閉環反応は酸素の存在下での脱水素反応であり、副生成物は水だけであることから、後処理が容易で、環境負荷の低減を図ることができる。
【0046】
・ 銅触媒がトリフルオロメタンスルホン酸銅であることにより、反応基質の閉環反応を促進させることができ、収率の向上に寄与することができる。
・ 銅触媒の使用量が反応基質(1)、(3)又は(5)に対して20〜100モル%であることにより、閉環反応の触媒作用を十分に発揮させることができる。
【0047】
・ 溶媒がキシレン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンであることにより、これらの溶媒が非極性又は低極性であるため閉環反応を安定した状態で進行させることができる。
【0048】
・ 閉環反応の反応時間が15〜48時間であることにより、閉環反応を十分に進行させることができる。
【実施例】
【0049】
以下、実施例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。
(実施例1〜17)
前述の反応基質(1)から閉環反応によってベンゾオキサゾール化合物(2)を製造した。すなわち、常圧(1気圧)で酸素雰囲気中にて、反応基質(1)0.25ミリモル(mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸銅18.1mg(反応基質(1)に対して20モル%)のo−キシレン溶液(0.5ml)を混合し、140℃に加熱し、28時間撹拌して閉環反応を行った。得られた反応液を分離用薄層クロマトグラフィーにて分離し、ベンゾオキサゾール化合物(2)を得た。各実施例で得られた収率を表1に示した。また、各実施例における反応基質(1)及びベンゾオキサゾール化合物(2)を以下に示す。
【0050】
実施例1〜9では、反応基質(1)として下記化学式(8)の化合物を用いた。但し、化学式(8)において、実施例1ではRが水素原子(−H)、実施例2ではRがメチル基(−CH)、実施例3ではRがエトキシ基(−OCHCH)、実施例4ではRがフェニル基(−C)、実施例5ではRがカルボキシメチル基(−COOCH)、実施例6ではRがベンゾイル基(−COC)、実施例7ではRがフッ素原子(−F)、実施例8ではRが塩素原子(−Cl)、実施例9ではRが臭素原子(−Br)である。
【0051】
【化15】

また、実施例1〜9では、ベンゾオキサゾール化合物(2)として下記化学式(9)の化合物を得た。但し、化学式(9)において、実施例1ではRが水素原子、実施例2ではRがメチル基、実施例3ではRがエトキシ基、実施例4ではRがフェニル基、実施例5ではRがカルボキシメチル基、実施例6ではRがベンゾイル基、実施例7ではRがフッ素原子、実施例8ではRが塩素原子、実施例9ではRが臭素原子である。
【0052】
【化16】

ここで、化学式(9)で表される実施例3のベンゾオキサゾール化合物(Rがエトキシ基)及び化学式(9)で表される実施例6のベンゾオキサゾール化合物(Rがベンゾイル基)は新規化合物である。これらの新規化合物について、同定データを以下に示す。
【0053】
化学式(9)で表される実施例3のベンゾオキサゾール化合物(Rがエトキシ基)〔6-ethoxy-2-phenylbenzoxazole〕
m.p. 55-57℃; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.17-8.22 (m, 2H), 7.63 (d, 1H, J= 8.8Hz),7.48-7.52(m,3H),7.09(d,1H,J=2.4Hz),6.94(dd,1H,J=8.5Hz,J=2.4Hz),4.08(q,2H,J=7.0),1,45(t,3H,J=7.0);13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ162.1, 157.6, 151.6, 135.7, 131.0, 128.8, 127.4, 127.1, 119.9, 113.3, 96.0, 64.2, 14.8; HRMS (EI), m/z calcd. for C15H13NO2(M+) 239.0946, found: 239.0944.
化学式(9)で表される実施例6のベンゾオキサゾール化合物(Rがベンゾイル基)〔Phenyl(2-phenylbenzoxazol-6-yl)methanone〕
m.p. 158-160 ℃; 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.27-8.31 (m, 2H), 8.08 (m, 1H), 7.81-7.91 (m, 4H), 7.49-7.63 (m, 6H);13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ195.8, 165.7, 150.4, 145.8, 137.8, 134.6, 132.4, 132.3, 130.0, 129.1, 128.4, 128.0, 127.3, 126.6, 119.5, 112.8; HRMS (EI), m/z calcd. for C20H13NO2 (M+) 299.0946, found: 299.0951.
実施例10及び11では、反応基質(1)として下記化学式(10)の化合物を用いた。但し、実施例10ではRがメチル基、実施例11ではRがメトキシ基(−OCH)である。
【0054】
【化17】

また、実施例10及び11では、ベンゾオキサゾール化合物(2)として下記化学式(11)の化合物を得た。但し、化学式(11)において、実施例10ではRがメチル基、実施例11ではRがメトキシ基である。
【0055】
【化18】

実施例12及び13では、反応基質(1)として下記化学式(12)の化合物を用いた。但し、実施例12ではRがメチル基、実施例13ではRがメトキシ基である。
【0056】
【化19】

また、実施例12及び13では、ベンゾオキサゾール化合物(2)として下記化学式(13)の化合物を得た。但し、化学式(13)において、実施例12ではRがメチル基、実施例13ではRがメトキシ基である。
【0057】
【化20】

実施例14では、反応基質(1)として下記化学式(14)の化合物を用いた。
【0058】
【化21】

また、実施例14では、ベンゾオキサゾール化合物(2)として下記化学式(15)の化合物を得た。
【0059】
【化22】

実施例15では、反応基質(1)として下記化学式(16)の化合物を用いた。
【0060】
【化23】

また、実施例15では、ベンゾオキサゾール化合物(2)として下記化学式(17)の化合物を得た。
【0061】
【化24】

実施例16では、反応基質(1)として下記化学式(18)の化合物を用いた。
【0062】
【化25】

また、実施例16では、ベンゾオキサゾール化合物(2)として下記化学式(19)の化合物を得た。
【0063】
【化26】

この実施例16の化学式(19)で表されるベンゾオキサゾール化合物は、新規化合物である。この新規化合物について同定データを以下に示す。
【0064】
化学式(19)で表されるベンゾオキサゾール化合物〔1-(2-Phenylbenzoxazol-7-yl)pyrrolidin-2-one〕
m.p. 139-140 ℃; 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.21-8.25 (m, 2H), 7.65 (d, 1H,J=8.0 Hz), 7.62 (d, 1H, J= 8.0 Hz), 7.50-7.56 (m, 3H), 7.36 (t, 1H, J= 8.0 Hz), 4.18 (t, 2H, J= 7.1 Hz), 2.68 (t, 2H, J= 8.1 Hz), 2.25-2.36 (m, 2H);13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ174.4, 162.7, 143.6, 143.3, 131.7, 128.9, 127.7, 126.8, 124.8, 123.2, 120.2, 117.4, 49.7, 31.5, 18.9; HRMS (EI), m/z calcd. for C17H14N2O2 (M+) 278.1055, found: 278.1064.
実施例17では、反応基質(1)として下記化学式(20)の化合物を用いた。
【0065】
【化27】

また、実施例17では、ベンゾオキサゾール化合物(2)として下記化学式(21)の化合物を得た。
【0066】
【化28】

【0067】
【表1】

なお、表1において、実施例5の収率は反応時間48時間における収率であり、さらに収率40%という比較的低い収率であったが、41%の未反応の反応基質(1)が回収され、副反応による副生成物はほとんど認められなかった。
【0068】
この表1に示したように、実施例1〜17においては、40〜93%という十分に高い収率が得られた。このように、目的とするベンゾオキサゾール化合物(2)が得られたため、アトムエコノミーに優れていることが確認された。さらに、水以外の副生成物はほとんど生成しないことから、環境負荷が小さいといえる。
(実施例18〜29)
前述の反応基質(3)から閉環反応によってベンゾオキサゾール化合物(4)を製造した。すなわち、常圧(1気圧)で酸素雰囲気中にて、反応基質(3)0.25ミリモル(mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸銅18.1mg(反応基質(3)に対して20モル%)のo−キシレン溶液(0.5ml)を混合し、140℃に加熱し、28時間撹拌して閉環反応を行った。得られた反応液を分離用薄層クロマトグラフィーにて分離し、ベンゾオキサゾール化合物(4)を得た。各実施例で得られた収率を表2に示した。また、各実施例における反応基質(3)及びベンゾオキサゾール化合物(4)を以下に示す。
【0069】
実施例18〜29では、反応基質(3)として前記化学式(3)の化合物を用いた。但し、化学式(3)において、実施例18ではアリール基Arが4−エチルフェニル基、実施例19ではArが3,4−ジメチルフェニル基、実施例20ではArが4−メトキシフェニル基、実施例21ではArが3,4−ジメトキシフェニル基、実施例22ではArが4−カルボキシメチルフェニル基、実施例23ではArが4−フルオロフェニル基、実施例24ではArが4−クロロフェニル基、実施例25ではArが4−ブロモフェニル基、実施例26ではArが4−ヨードフェニル基、実施例27ではArがナフタレン−2−イル基、実施例28ではArが2−メチルフェニル基及び実施例29ではArがチオフェン−2−イル基である。
【0070】
【表2】

なお、表2において、実施例28の収率は42%及び実施例29の収率は44%という比較的低い収率であったが、それぞれ未反応の反応基質(3)の回収率が35%及び33%であり、副反応による副反応生成物はほとんど認められなかった。
【0071】
この表2に示したように、実施例18〜29においては、42〜89%という十分に高い収率が得られた。しかも、水以外の副生成物はほとんど生成しないことから、環境負荷が小さいといえる。このように、目的とするベンゾオキサゾール化合物(4)が得られたため、アトムエコノミーに優れていることが確認された。
(実施例30〜39)
下記の化学式(22)に示す反応基質(1)から閉環反応によって下記の化学式(23)に示すベンゾオキサゾール化合物(23)を製造した。すなわち、常圧(1気圧)で表3に示す酸素を含有する雰囲気中にて、反応基質(1)0.25ミリモル(mmol)及び表3に示す銅触媒の下記に示す溶媒の溶液(0.5ml)を混合し、表3の反応温度に加熱し、28時間撹拌して閉環反応を行った。得られた反応液を分離用薄層クロマトグラフィーにて分離し、ベンゾオキサゾール化合物(23)を得た。
【0072】
【化29】

【0073】
【化30】

【0074】
【表3】

なお、表3中のCu(OTf)及びCu(OTf)はトリフルオロメタンスルホン酸銅、Cu(OAc)は酢酸銅、Cu(ClO・6HOは過塩素酸銅の6水和物を表す。
【0075】
この表3に示したように、実施例30〜39においては、11〜90%という収率が得られた。さらに、水以外の副生成物はほとんど生成しないことから、環境負荷が小さいといえる。このように、目的とするベンゾオキサゾール化合物(23)が得られたため、アトムエコノミーに優れていることが確認された。
(実施例40)
下記の化学式(24)に示す反応基質(1)から閉環反応によって下記の化学式(25)及び(26)に示す異性体のベンゾオキサゾール化合物(2)を製造した。すなわち、常圧(1気圧)で酸素雰囲気中にて、反応基質(1)0.25ミリモル(mmol)及び触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸銅触媒のo−キシレン溶液(0.5ml)を混合し、140℃の反応温度に加熱し、28時間撹拌して閉環反応を行った。得られた反応液を分離用薄層クロマトグラフィーにて分離し、ベンゾオキサゾール化合物(2)を得た。ベンゾオキサゾール化合物(2)として、化学式(25)の化合物の収率が43%、化学式(26)の化合物の収率が18%であった。
【0076】
【化31】

【0077】
【化32】

【0078】
【化33】

ここで、化学式(25)及び(26)で表されるベンゾオキサゾール化合物は、新規化合物である。これらの新規化合物について、同定データを以下に示す。
【0079】
化学式(25)で表されるベンゾオキサゾール化合物〔N-(2-Phenylbenzoxazol-7-yl)acetamide〕
m.p. 200-201 ℃; 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.20-8.23 (m, 2H), 7.65 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.62 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.49-7.57 (m, 3H), 7.36 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 4.17 (t, 2H, J = 8.1 Hz), 2.68 (t, 2H, J = 8.1 Hz), 2.31 (m, 2H); 13C NMR (400 MHz, CDCl3)δ174.4, 162.7, 143.6, 143.3, 131.7, 128.9, 127.7, 126.8, 124.8, 123.2, 120.2, 117.4, 49.7, 31.5, 18.9; HRMS (EI), m/z calcd. for C15H12N2O2(M+) 252.0899, found: 252.0904.
化学式(26)で表されるベンゾオキサゾール化合物〔N-(2-Methylbenzoxazol-7-yl)benzamide〕
m.p. 147-150 ℃; 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.17 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 8.14 (br, 1H), 7.93-7.97 (m, 2H), 7.51-7.62 (m, 3H), 7.44 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.33 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 2.67 (s, 3H); 13C NMR (400 MHz, CDCl3)δ165.5, 163.2, 141.9, 141.5, 134.3, 132.2, 128.9, 127.2, 124.8, 122.3, 116.5, 115.4, 14.5; HRMS (EI), m/z calcd. for C15H12N2O2(M+) 252.0899, found: 252.0906.
(実施例41)
下記の化学式(27)に示す反応基質(5)から閉環反応によって下記の化学式(28)に示すベンゾオキサゾール化合物(6)を製造した。すなわち、常圧(1気圧)で酸素雰囲気中にて、反応基質(5)0.25ミリモル(mmol)及び触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸銅触媒のo−キシレン溶液(0.5ml)を混合し、140℃の反応温度に加熱し、28時間撹拌して閉環反応を行った。得られた反応液を分離用薄層クロマトグラフィーにて分離し、ベンゾオキサゾール化合物(6)を得た。ベンゾオキサゾール化合物(6)として、化学式(28)の化合物の収率が30%であった。さらに、水以外の副生成物はほとんど生成しないことから、環境負荷が小さいといえる。このように、目的とするベンゾオキサゾール化合物(6)が得られたため、アトムエコノミーに優れていることが確認された。
【0080】
【化34】

【0081】
【化35】

なお、前記実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
【0082】
・ 前記反応基質の閉環反応を、オートクレーブ中で加圧下に行うことも可能である。
・ 溶媒として、比誘電率の異なる複数の化合物を適宜組合せ、比誘電率を調整して使用することもできる。
【0083】
・ 銅触媒として、複数の銅含有化合物を、反応基質に対して20〜100モル%の範囲内となるように併用することも可能である。
・ 前記反応基質(1)、(3)及び(5)のうち、2種又は3種を適宜選択して複数の反応基質を同時に反応させ、対応するベンゾオキサゾール化合物(2)、(4)又は(6)の混合物を得ることも可能である。
【0084】
さらに、前記実施形態から把握される技術的思想について以下に記載する。
〇 ベンゾオキサゾール化合物が前記化学式(9)で表される化合物(但し、Rがエトキシ基)、化学式(9)で表される化合物(但し、Rがベンゾイル基)、化学式(19)で表される化合物、化学式(25)で表される化合物又は化学式(26)で表される化合物であることを特徴とする新規なベンゾオキサゾール化合物。この新規なベンゾオキサゾール化合物によれば、医薬品、その中間体、機能性材料などとして有用である。
【0085】
〇 前記溶媒は、沸点が60〜185℃の化合物であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のベンゾオキサゾール化合物の製造方法。この方法によれば、請求項1から請求項5のいずれかに係る発明の効果に加えて、反応基質の閉環反応を円滑に進行させることができる。
【0086】
〇 前記酸素を含有する雰囲気は空気であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のベンゾオキサゾール化合物の製造方法。この方法によれば、請求項1から請求項5のいずれかに係る発明の効果に加えて、反応基質の閉環反応を空気中で容易に行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記に示す反応基質(1)、(3)又は(5)を、比誘電率が1〜15である溶媒及び酸素を含有する雰囲気中にて、銅触媒の存在下に120〜170℃に加熱して閉環反応を行い、下記に示すベンゾオキサゾール化合物(2)、(4)又は(6)を製造することを特徴とするベンゾオキサゾール化合物の製造方法。
【化1】

但し、Rは水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、カルボキシアルキル基(アルキル基の炭素数は1〜4)、ベンゾイル基、下記の式(7)で示される基、ベンゼン環と共にナフタレン環を形成する基又はアセトアミド基を表す。
【化2】

【化3】

【化4】

但し、Arはアリール基であって、アルキルフェニル基(アルキル基は炭素数1〜4)、ジアルキルフェニル基(アルキル基は炭素数1〜4)、アルコキシフェニル基(アルコキシ基は炭素数1〜4)、ジアルコキシフェニル基(アルコキシ基の炭素数1〜4)、ハロゲン化フェニル基、カルボキシアルキルフェニル基(アルキル基は炭素数1〜4)、ナフタレン−2−イル基又はチオフェン−2−イル基を表す。
【化5】

【化6】

但し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基を表す。
【化7】

【請求項2】
前記銅触媒は、トリフルオロメタンスルホン酸銅であることを特徴とする請求項1に記載のベンゾオキサゾール化合物の製造方法。
【請求項3】
前記銅触媒の使用量は、反応基質(1)、(3)又は(5)に対して20〜100モル%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベンゾオキサゾール化合物の製造方法。
【請求項4】
前記溶媒は、キシレン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のベンゾオキサゾール化合物の製造方法。
【請求項5】
前記閉環反応の反応時間は、15〜48時間であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のベンゾオキサゾール化合物の製造方法。

【公開番号】特開2009−256219(P2009−256219A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104746(P2008−104746)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(591060289)岐阜市 (15)
【Fターム(参考)】