説明

ベースライン圧力を有する圧迫ガーメント装置

【課題】ベースライン圧力を有する圧迫ガーメント装置を提供する。
【解決手段】膨張可能な治療嚢を含む圧迫ガーメント22であって、圧迫ガーメントは、治療嚢26が身体部位の目標圧迫領域を覆うように身体部位に選択的に位置づけ可能である、圧迫ガーメントと、身体部位の目標圧迫領域に治療圧迫療法を提供するために、治療嚢内のガス圧力を増加することにより治療嚢を選択的に加圧するための、治療嚢に機能的に接続可能である加圧器とを含み、該加圧器は、身体部位の配向、身体部位の動き、身体部位の加速、および目標圧迫領域に対するガーメントの動きから成る特徴の群から選択される少なくとも1つの物理的特徴を表す信号を感知および生成するためのセンサ48と、センサに機能的に接続されたコントローラとを含む、圧迫ガーメント装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、概して、圧迫ガーメント装置に関し、さらに詳細にはベースライン圧力を有する圧迫ガーメント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
深部静脈血栓(DVT)および末梢性浮腫のような血餅を形成する病状は、概して動くことのできない患者、および同様なものに対して主たる懸念である。このような患者および人たちは、手術、麻酔、長期のベッド安静などの過程中のものを含む。これらの血餅状態は、概して、下肢および/または腰の深部静脈で発生する。回腸静脈、大腿静脈、膝窩静脈、および下肢静脈のようなこれらの静脈は、心臓に脱酸素化された血液を戻す。例えば、これらの静脈における血液循環が病気、怪我、または不活動により鈍化される場合、血液が蓄積する傾向または溜まる傾向がある。静的な血溜まりは、心血管の循環に干渉し得る血餅の形成に繋がり得る。血餅の破片が離れ去り、遊走し得ることが最も深刻である。破片が主要な肺動脈を潜在的に遮断することから肺塞栓症が形成され得、これは生命を脅かし得る。また、本発明は、リンパ水腫のような他の病状の治療に適用され得る。
【0003】
従来的な血管圧迫システムは、圧迫ガーメントを周期的に膨張するための、コントローラに流体的に接続された圧迫ガーメントを含む。圧迫ガーメントの周期的な膨張は、血液循環を向上し、DVTの可能性を低減する。導管システムが圧迫ガーメントをコントローラに接続する。より新しい血管圧迫ガーメントは、患者が圧迫ガーメントを最初に取り外すか、または圧迫ガーメントをコントローラから断絶することなしに患者が自由に移動し得るように、より小さく、圧迫ガーメントに装着可能である携帯式コントローラを有する。これらの新規の圧迫ガーメントは、患者が静止状態または歩行状態のときに着用され得、使用に対する利便性のため、患者のコンプライアンスを向上する。
【0004】
身体部位(例えば、脚のような肢)に断続的な圧迫療法を適用するためのアクティブな圧迫ガーメントは、DVT予防、水腫防止、および傷治療における補助を含む多くの用途を有する。このような圧迫ガーメントの性能は、ガーメントがその初期適応または引き締まりを維持する能力と、膨張可能嚢が身体部位のまわりの最初の位置を維持する能力とに敏感である。これは、歩くこと、座ること、立つこと、および寝返りを打つことのような移動中および移動後に使用される場合、非常に困難であり得る。ガーメントは身体部位の周りから緩くなるか、または身体部位からずれ落ちる傾向があり、これは対応する身体部位への膨張可能嚢の不整合の原因になり、非効果的な圧迫療法および/または不快感をもたらし得る。本発明は、身体部位へのガーメントの所望の適応を維持することと、適用される圧迫療法を向上するために身体部位の目標圧迫領域に対する膨張可能嚢の位置を維持することとに向けられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの局面は、膨張可能な治療嚢を含む圧迫ガーメントを含む圧迫ガーメント装置に関する。圧迫ガーメントは、治療嚢が身体部位の目標圧迫領域を覆うように身体部位に選択的に位置づけ可能である。圧迫ガーメント装置は、さらに、身体部位の目標圧迫領域に治療圧迫療法を提供するために治療嚢内のガス圧力を増加することにより治療嚢を選択的に加圧するための、治療嚢に機能的に接続可能な加圧器を含む。加圧器は、身体部位の配向、身体部位の動き、身体部位の加速、および目標圧迫領域に対するガーメントの動きから成る特徴の群から選択される少なくとも1つの物理的特徴を表す信号を感知、かつ、生成するためのセンサを含む。また、加圧器は、センサに機能的に接続されたコントローラを含む。コントローラは、断続的な圧迫療法を圧迫領域に提供するために、連続する圧迫サイクルを含む圧迫レジメンを実行する。圧迫サイクルは、それぞれ、コントローラが加圧ガスを治療嚢に導く膨張段階と、コントローラが治療嚢からガスを排気する排気段階とを含む。コントローラは、目標圧迫領域に対する治療嚢の位置を維持するために治療嚢におけるベースライン圧力を維持する。コントローラは、物理的特徴を表す、センサから受信された信号に応答してベースライン圧力を調整する。
【0006】
本発明の別の局面は、ヒトの身体部位の目標圧迫領域に圧迫療法を適用する方法に関する。方法は、膨張可能な治療嚢を有する圧迫ガーメントで身体部位の目標圧迫領域を覆うことを含む。方法は、さらに、断続的な圧迫療法を目的圧迫領域に提供するために、繰り返し、加圧されたガスを治療嚢に導き、治療嚢からガスを排気することを含む。方法は、また、身体部位の配向、身体部位の動き、身体部位の加速、および目標圧迫領域に対するガーメントの動きから成る特徴の群から選択された少なくとも1つの特徴を感知することを含む。ベースライン圧力は、目標圧迫領域に対する治療嚢の位置に維持するために治療嚢において維持される。ベースライン圧力は、物理的特徴を表す、センサから受信された信号に応答して調整される。
【0007】
他の目的または特徴は、一部は明白であり、一部は、本明細書で以下に指摘される。
【0008】
本発明は例えば以下を提供する。
(項目1)
圧迫ガーメント装置であって、
膨張可能な治療嚢を含む圧迫ガーメントであって、該圧迫ガーメントは、該治療嚢が身体部位の目標圧迫領域を覆うように該身体部位に選択的に位置づけ可能である、圧迫ガーメントと、
該身体部位の該目標圧迫領域に治療圧迫療法を提供するために、該治療嚢内のガス圧力を増加することにより該治療嚢を選択的に加圧するための、該治療嚢に機能的に接続可能である加圧器と
を含み、該加圧器は、
該身体部位の配向、該身体部位の動き、該身体部位の加速、および該目標圧迫領域に対する該ガーメントの動きから成る特徴の群から選択される少なくとも1つの物理的特徴を表す信号を感知および生成するためのセンサと、
該センサに機能的に接続されたコントローラと
を含み、
該コントローラは、該圧迫領域に断続的な圧迫療法を提供するために、連続する圧迫サイクルを含む圧迫レジメンを実行し、該圧迫サイクルは、それぞれ、該コントローラが加圧されたガスを該治療嚢に導く膨張段階と、該コントローラが該治療嚢からガスを排気することを可能にする排気段階とを含み、該コントローラは、該目標圧迫領域に対して該治療嚢を適切な位置に維持するために、該治療嚢におけるベースライン圧力を維持し、該コントローラは、物理的特徴を表す、該センサから受信された信号に応答して該ベースライン圧力を調整する、圧迫ガーメント装置。
(項目2)
上記コントローラは、上記圧迫レジメン中に定期的に上記ベースライン圧力を調整する、上記項目のいずれかに記載の圧迫ガーメント装置。
(項目3)
上記コントローラは、上記感知された物理的特徴に基づいて、上記ベースライン圧力を調整するか否かを各圧迫サイクル中に決定する、上記項目のいずれかに記載の圧迫ガーメント装置。
(項目4)
上記コントローラは、上記身体部位の配向が、規定された配向範囲の外にあることを示す、上記センサから受信された信号に応答して、上記ベースライン圧力を増加する、上記項目のいずれかに記載の圧迫ガーメント装置。
(項目5)
上記コントローラは、上記身体部位の動きが、動きの閾値量を超えていることを示す、上記センサから受信された信号に応答して、上記ベースライン圧力を増加する、上記項目のいずれかに記載の圧迫ガーメント装置。
(項目6)
上記コントローラは、上記身体部位の配向が横臥であることを表す、上記センサから受信された信号に応答して上記ベースライン圧力を低減する、上記項目のいずれかに記載の圧迫ガーメント装置。
(項目7)
ヒトの身体部位の目標圧迫領域に圧迫療法を適用するシステムであって、該システムは、
膨張可能な治療嚢を有する圧迫ガーメントで該身体部位の目標圧迫領域を覆う手段と、
該目標圧迫領域に断続的な圧迫療法を提供するために、繰り返し、加圧されたガスを該治療嚢に導き、ガスを該治療嚢から排気する手段と、
該身体部位の配向、該身体部位の動き、該身体部位の加速、および該目標圧迫領域に対する該ガーメントの動きから成る特徴の群から選択される少なくとも1つの特徴を感知する手段と、
該目標圧迫領域に対して該治療嚢を適切な位置に維持するために、該治療嚢におけるベースライン圧力を維持する手段と、
該物理的特徴を表す、該センサから受信された信号に応答して該ベースライン圧力を調整する手段と
を含む、システム。
(項目8)
上記ベースライン圧力を調整する手段は、圧迫レジメン中に該ベースライン圧力を定期的に調整する手段を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目9)
加圧されたガスを上記治療嚢に導くことと、ガスを該治療嚢から排気することとのうちの少なくとも1つの間に、上記感知された物理的特徴に基づいて、上記ベースライン圧力を調整するか否かを決定する手段をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目10)
上記ベースライン圧力を調整する手段は、上記身体部位の動きが動きの閾値量を超えていることを感知することに応答して、該ベースライン圧力を増加する手段を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目11)
上記身体部位は脚であり、上記ベースライン圧力を調整することは、該脚の配向が全体的に直立であることを感知することに応答して、該ベースライン圧力を増加する手段を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目12)
上記身体部位は脚であり、上記ベースライン圧力を調整することは、ヒトが歩行していることを表す、該脚の感知された動きに応答して該ベースライン圧力を増加する手段を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目13)
上記ベースライン圧力を調整する手段は、上記身体部位の配向が、規定された配向範囲の外にあることを感知することに応答して、支持嚢における圧力を低減する手段を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目14)
上記ベースライン圧力を調整する手段は、上記身体部位の加速が規定された加速範囲の外にあることに応答して、該ベースライン圧力を増加する手段を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目15)
上記ベースライン圧力を調整する手段は、上記身体部位が横臥であることを感知することに応答して、該ベースライン圧力を低減する手段を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目7A)
ヒトの身体部位の目標圧迫領域に圧迫療法を適用する方法であって、該方法は、
膨張可能な治療嚢を有する圧迫ガーメントで該身体部位の目標圧迫領域を覆うことと、
該目標圧迫領域に断続的な圧迫療法を提供するために、繰り返し、加圧されたガスを該治療嚢に導き、ガスを該治療嚢から排気することと、
該身体部位の配向、該身体部位の動き、該身体部位の加速、および該目標圧迫領域に対する該ガーメントの動きから成る特徴の群から選択される少なくとも1つの特徴を感知することと、
該目標圧迫領域に対して該治療嚢を適切な位置に維持するために、該治療嚢におけるベースライン圧力を維持することと、
該物理的特徴を表す、該センサから受信された信号に応答して該ベースライン圧力を調整することと
を含む、方法。
(項目8A)
上記ベースライン圧力を調整することは、圧迫レジメン中に該ベースライン圧力を定期的に調整することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9A)
加圧されたガスを上記治療嚢に導くことと、ガスを該治療嚢から排気することとのうちの少なくとも1つの間に、上記感知された物理的特徴に基づいて、上記ベースライン圧力を調整するか否かを決定することをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10A)
上記ベースライン圧力を調整することは、上記身体部位の動きが動きの閾値量を超えていることを感知することに応答して、該ベースライン圧力を増加することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11A)
上記身体部位は脚であり、上記ベースライン圧力を調整することは、該脚の配向が全体的に直立であることを感知することに応答して、該ベースライン圧力を増加することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目12A)
上記身体部位は脚であり、上記ベースライン圧力を調整することは、ヒトが歩行していることを表す、該脚の感知された動きに応答して該ベースライン圧力を増加することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目13A)
上記ベースライン圧力を調整することは、上記身体部位の配向が、規定された配向範囲の外にあることを感知することに応答して、支持嚢における圧力を低減することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目14A)
上記ベースライン圧力を調整することは、上記身体部位の加速が規定された加速範囲の外にあることに応答して、該ベースライン圧力を増加することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目15A)
上記ベースライン圧力を調整することは、上記身体部位が横臥であることを感知することに応答して、該ベースライン圧力を低減することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
【0009】
(摘要)
圧迫ガーメントおよび加圧器を含む圧迫ガーメント装置。加圧器は、断続的に圧迫ガーメントの治療嚢を加圧し、ガーメントが着用される身体部位の目標圧迫領域に対する治療嚢の位置を維持するために、治療嚢におけるベースライン圧力を維持する。ベースライン圧力は、感知された物理的特徴に応答して調整される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、開かれ、巻かれていない構成で示される本発明の圧迫ガーメント装置の略平面図である。
【図2】図2は、直立の配向で脚に巻かれた圧迫ガーメント装置の略側面図である。
【図3】図3は、全体的に水平の配向で脚に巻かれた装置の略側面図である。
【図4】図4は、傾けられた配向で脚に巻かれた装置の略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
対応する参照記号は、図面をとおして対応部を表す。
【0012】
図面、特に図1〜4を参照すると、着用者の身体部位に圧迫療法を適用するための圧迫ガーメント装置は、参照番号20により概して表される。本明細書の以下の部分で詳細に説明されるように、圧迫ガーメント装置20は、肢(例えば脚または腕)のような身体部位を断続的または周期的に圧迫するために使用され得る。本明細書で参照され、図面にわたって示される身体部位は脚であり、概してLにより指名される。
【0013】
圧迫ガーメント装置20は、概して22により表される圧迫ガーメント、および概して24により表される加圧器を含む。圧迫ガーメント22は、3つの治療嚢26A−26Cを含む。以下にさらに詳細に記述されるように、加圧器24は、身体部位Lに圧迫療法を課すために断続的に嚢26A−26Cに加圧し、身体部位に対する嚢の位置を維持するために、嚢26A−26Cにおけるベースライン圧力を維持する。加圧器24は、嚢を膨張するための導管30(図1)のようなものにより嚢26A−26Cに機能的に接続される。描写される加圧器24は、圧迫ガーメント22に装着される。加圧気が圧迫ガーメントに着脱可能に装着され、かつ、圧迫ガーメントの嚢に機能的に接続される代替の実施形態は、米国特許出願12/241,670および12/241,936にさらに詳細に開示され、これらの出願はTyco Healthcare Group LPに譲渡されており、その全体が参照により援用される。加圧器24が圧迫ガーメント22に装着するために構成されないような他の実施形態は、本発明の範囲内である。
【0014】
図2に示されるように、圧迫ガーメント22は、治療嚢26A−26Cが身体部位のそれぞれの目標圧迫領域TA−TCを覆うまたは上重ねするように、身体部位L上に選択的に位置づけ可能である。目標圧迫領域TA−TCは、圧迫療法を課すことが所望される任意の身体部位Lの一部分であり得る。例えば、脚の目標圧迫領域は、脚Lの全体的な後部面、またはふくらはぎ、もしくは太腿の後部のような脚Lの特定の部分を含み得る。脚Lの後部面は、血管が通り、その圧迫がそれらの血管の血液の流れを向上する、ふくらはぎおよび太ももの筋肉を含む。脚のより大きな部分のような他の目標圧迫領域が使用され得る。
【0015】
描写された圧迫ガーメント22は、「太腿の長さ」の寸法(すなわち、圧迫ガーメントは、概して、くるぶしから太腿まで伸長する)を有する。図2に示されるように、治療嚢26A−26Cは、概して脚Lの後部面、さらに詳細には、それぞれ、くるぶし、ふくらはぎ、および太もも上重ねするようにガーメント22上に位置づけされる。3つの治療嚢26A−26Cは、脚Lに沿って順番に配置される。また、ガーメントの他の寸法および形状(例えば、概してくるぶしから膝の下まで伸長する「膝の長さ」)、または治療嚢の異なる構成(例えば、1つ、2つ、もしくはそれより多くの治療嚢)を有することは、本発明の範囲内であるとして想到される。
【0016】
圧迫ガーメント22は、所望の目標圧迫領域TA−TC上に治療嚢26A−26Cを位置づけし、圧迫ガーメントの反対側の両端22L、22R(図1)が互いに重なるように脚の周りに圧迫ガーメントを巻くことにより、脚Lに自己留置構成で配置され得る。治療嚢26A−26Cの加圧が身体部位Lの圧迫をもたらすように、全体的に引き締まったまたはぴったり合う適応が所望される。描写された圧迫ガーメント22は、圧迫ガーメントの引き締めおよび固定を容易にするために、圧迫ガーメントの両端22L、22R上に対応するフラップ22A、22Bを含む。圧迫ガーメント22は、圧迫ガーメントの反対側の両端22L、22Rを引っ張り、重ねることにより脚Lの周りで引き締められる。圧迫ガーメント22は、ファスナ40により脚Lの周りに固定され得る。例えば、描写された実施形態のファスナ40は、圧迫ガーメントの外側表面上のループ生地22C(図2)に留めるためのフラップ22B上のフック生地(これも40と指定される)の区分を含む。目標圧迫領域に対する治療嚢の配置のために身体部位上に選択的に位置づけすることが可能な他の維持構成を有する圧迫ガーメントは、本発明の範囲内である。
【0017】
圧迫ガーメント22は、当該分野で周知の様々な手段で構造され得る。1つの構造では、ガーメント22は、嚢26A−26Cを形成するように嚢溶接線に沿って共に溶接された、一般的に柔軟であり流体不浸透性を有する材料(例えばPVC)から生成される対向する内側シートおよび外側シートで形成される。あるいは、嚢26A−26Cは、別個に形成され、圧迫ガーメント22に装着され得る。
【0018】
加圧器24は、脚Lの目標圧迫領域に治療圧迫療法を提供するために嚢にガスを導入し、嚢におけるガス圧力を増加することにより断続的に嚢26A−26Cを加圧する。加圧器24は、ガスを加圧または圧迫するための装置(例えばバッテリー駆動ポンプ)と、所望されるように加圧されたガスを嚢26A−26Cに導くためのコントローラ24Bとを含む。コントローラ24Bは、マイクロプロセッサおよび適当な弁(図示なし)を含み得る。
【0019】
コントローラ24Bは、様々な圧迫レジメンを実行するようにプログラムされ得る。例えば、コントローラ24Bは、目標圧迫領域TA−TCに断続的な圧迫療法を提供するために連続的な圧迫サイクルを含む圧迫レジメンを実行し得る。圧迫サイクルは、それぞれ、膨張段階および排気段階を含む。連続的な圧迫サイクルは、時間の期間により分離され得る。コントローラ24Bは、目標圧迫領域TA−TCに対する嚢の位置を維持するために、圧迫サイクルの間(すなわち、第一の膨張サイクルの排気段階と、第二の膨張サイクルの膨張段階の間)の嚢26A−26Cにおけるベースライン圧力を維持する。
【0020】
膨張段階中には、コントローラ24Bは、各嚢における治療圧力を達成するために嚢26A−26Cに加圧されたガスを導く。治療圧力は、各嚢において同じであり得るか、異なり得る。コントローラ24Bは、蠕動的に体液の流れを向上するために、順番に(例えば、くるぶしから太腿)嚢を加圧するように加圧されたガスを嚢26A−26Cに導き得る。コントローラ24Bは、様々な他の膨張段階を実行するように構成およびプログラムされ得、これらすべては本発明の範囲内である。
【0021】
排気段階中には、コントローラは、治療嚢26A−26Cからガスを排気することを可能にする。嚢26A−26Cは、同時に、順番に、または他の順番で排気され得る。例えば、排気段階は、ガスを嚢26A−26Cから大気に排気することを可能にするために加圧器24の弁を開けることにより開始される。排気段階は、弁が閉鎖されるときに終了する。コントローラ24Bは、いくらかの圧力が嚢に残存する間に弁を閉鎖することにより嚢26A−26Cにおけるベースライン圧力を維持する。ベースライン圧力は、次の膨張段階が開始するまで嚢26A−26Cで維持される。ベースライン圧力は、各嚢26A−26Cにおいて同じであり得る(例えば、約6mmHg)。あるいは、ベースライン圧力は、各嚢26A−26Cにおいて異なり得る。例えば、ベースライン圧力は、くるぶし嚢26Aにおいて約8mmHgであり得、ふくらはぎ嚢26Bにおいて約6mmHgであり得、太腿嚢26Cにおいて約4mmHgであり得る。
【0022】
嚢26A−26Cにおけるベースライン圧力は、圧迫ガーメント22に構造的支持を提供する。ベースライン圧力は、ガーメントの全体的な柔軟な性質に対して、圧迫ガーメント22に堅さを提供する。例えば、ベースライン圧力は、着用者が起立している場合に圧迫ガーメントが脚に「とどまる」(すなわち、「ずれ落ちない」)ことに結果するように圧迫ガーメント22に充分な堅さを提供し得る。しかし、ベースライン圧力は、望ましくは、支持嚢が身体部位Lの動きに対して概して伸展性のある圧力を超えることから抑制される。言い換えれば、ベースライン圧力は、膝を曲げることのような脚Lの一般的な動きを妨げない。ベースライン圧力は、圧迫ガーメントが脚から滑り落ちることを抑制するための摩擦を提供するために、圧迫ガーメント22の内側表面と脚Lとの接触を維持する。嚢26A−26Cは、より引き締まった適応をつくるために、脚と圧迫ガーメントとの間のスペースを埋めるように脚Lに向かって内側に膨張するように構成され得る。より引き締まった適応は、圧迫ガーメント22と脚Lとの間の摩擦を増大する。
【0023】
ベースライン圧力は、望ましくは、目標圧迫領域TA−TCに対して嚢26A−26Cを定位置に維持するために必要に応じて調整される。長期間(例えば、2つの連続する膨張サイクルの間の長い時間の期間、またはいくつかの連続する膨張サイクルの間の長い時間の期間)にわたって嚢26A−26Cにおける高いベースライン圧力を維持することは、着用者に不快感をもたらし得る。例えば、長い時間の期間は、2つの連続する膨張サイクルの間の時間のみか、またはいくつかの連続する膨張サイクルの間の時間を含み得る。このような不快感は、皮膚の炎症をもたらす圧力、または長期間触れた後に心地悪くなる脚Lへの圧力からもたらされ得る。さらに、ベースライン圧力によりもたらされる引き締まった適応は、ガーメントと脚Lとの間の空気循環を妨げ得、体熱の保持および可能な汗の蓄積をもたらす。従って、様々な状況においてベースライン圧力を調整することが所望される。例えば、ベースライン圧力は、維持され得るか、または必要な状況において増大され得、ベースライン圧力が概して必要でない場合には減少され得るか、または維持されない場合がある。
【0024】
ベースライン圧力の調整を容易にするために、加圧器24は、コントローラ24Bに機能的に接続された1つ以上のセンサ48を含む。センサ48は、ベースライン圧力の調整に関連する物理的特徴を感知する。例えば、センサ48は、身体部位Lの配向、身体部位の動き、身体部位の加速、または1つ以上の目標圧迫領域TA−TCに対するガーメント22の動きを感知するように適合され得る。このような特徴は、以下でさらに詳細に説明される。センサ48は、このような特徴を表す信号を生成する。これらの信号は、コントローラ24Bに送信される。コントローラ24Bは、センサ48から受信した信号に少なくとも部分的に依存してベースライン圧力を調整する。描写されたセンサ48は、加圧器24に提供されるが、センサ48は、加圧器から別個であり得、圧迫ガーメント22に別個に装着され得るか、または着用者の別の場所に位置し得る。様々なタイプのセンサ48が使用され得る。例えば、加速度計、および静電容量、ピエゾ抵抗、圧電、ホール効果、磁気抵抗、共振ビーム、または他の技術に基づく他のセンサが使用され得る。
【0025】
図3では、脚Lが全体的に水平方向の配向で示される。このような配向では、ベースライン圧力は、概して最小限またはゼロであり得る。図3の脚Lの配向は、着用者が寝台で横たわっている場合に可能な脚の配向を表す。この配向においては、最小限またはゼロであるベースライン圧力が、脚Lへのガーメント22の所望される適応、または目標圧迫領域TA−TCに対する治療嚢26A−26Cの所望の位置を維持するために充分であり得る。例えば、着用者が寝台で寝返りを打つ、または脚Lの配向を変更する場合、治療嚢26A−26Cが目標圧迫領域TA−TCに対して移動することを抑制するために、増加されたベースライン圧力が望ましいことがある。
【0026】
図2および4は、嚢26A−26Cにおける増加されたベースライン圧力を維持することが所望され得る配向にある脚Lを示す。コントローラ24Bは、感知された肢の配向に基づいてベースライン圧力を増加し得る。例えば、コントローラ24は、センサ48から受信された、身体部位Lの配向が閾値配向を超えているか、または既定された配向範囲の外にあることを示す信号に応答してベースライン圧力を増加し得る。ベースライン圧力は、脚の長手方向の軸E−−Eが水平線に対して少なくとも30度(図4の角度A)である場合、増加され得る。水平線に対して40、50、60、70、または80度のような他の閾値配向が使用され得る。あるいは、ベースライン圧力は、脚の長手方向の軸E−−Eが水平線に対して0−30、0−40、0−50、0−60、0−70、または0−80度のような既定された配向範囲の外にある場合に増加され得る。さらに、ベースライン圧力は、脚Lが全体的に直立(例えば、図2に示されるように)であることをセンサ48が表す場合に増加され得、ベースライン圧力は、脚が横臥(例えば、図3に示されるように)である場合、低減され得る。身体部位Lの傾斜角は、加速度計をセンサ48として使用して決定され得る。加速度計48からの信号は、傾斜角による加速を認識するためにソフトウェアまたはハードウェアを使用してフィルタリングされ、コントローラ24Bにより測定され、評価される。また、センサ48は、脚Lの角度的構成(すなわち、膝の曲がり)を感知するために使用され得、この場合2つのセンサ48が必要であり得る。例えば、第一のセンサは、太腿部分に隣接して位置づけされ得、第二のセンサは、くるぶし部分に隣接して位置づけされ得、2つのセンサの近さが角度(図示なし)を決定するためにモニターされ得る。ベースライン圧力は、脚Lの配向が水平に近づく場合、または脚が既定された時間の間全体的に水平であり続けた後に低減され得る。
【0027】
コントローラ24Bは、目標圧迫領域TA−TCに対するガーメント22の感知された動きに基づいてベースライン圧力を調整し得る。例えば、センサ48は、脚Lのまわりでのガーメント22の長手方向への動きまたはガーメント22の周囲の動きを感知するように適合され得る。このようなセンサ48は、脚Lの表面に沿う動きを感知するために、圧迫ガーメントの内側表面(図示なし)に位置づけされ得る。目標圧迫領域TA−TCに対するガーメント22の感知された動きに応答して、1つ以上の嚢26A−26Cにおけるベースライン圧力が調整され得る。例えば、脚Lに対するくるぶし嚢26Aの動きが感知された場合、ベースライン圧力は、くるぶし嚢のみにおいて増加され得るか、複数の嚢26A−26Cにおいて増加されるか、または全ての嚢において増加され得る。さらに、2つのセンサ48が使用され得(例えば、ガーメントに1つ、そして着用者の他の部分に1つ)、センサの位置が互いに対してモニターされ得る。このような配置は、膝の折り曲げの形式の動きをモニターするために使用され得る。
【0028】
また、コントローラ24Bは、感知された肢の動きまたは加速に依存してベースライン圧力を調整し得る。圧迫ガーメント22が脚Lに良い適応を有することの必要性は、脚の動き中に脚においてガーメントが滑るまたはずれる傾向があるために、着用者が寝台で動く、または歩く場合に増大する。コントローラ24Bは、身体部位Lの動きもしくは加速が動きもしくは加速の閾値量を超えること、または規定された加速範囲の外にあることを表す、センサ48から受信された信号に応答してベースライン圧力を増加し得る。例えば、ベースライン圧力は、肢Lが規定された最低量より多く動きしていることをセンサ48が表す場合、増加され得る。さらに、ベースライン圧力は、着用者が歩行していることをセンサ48が表す場合、増加され得る。例えば、センサ48は、加速度計であり得、コントローラ24Bは、着用者がいつ歩行しているかを「ステップカウンティング」(コントローラ24Bは、長手方向の軸の加速の傾きにおける変化が起こるたびにステップを認識する)により決定するようにプログラムされ得る。あるいは、GPSトラッカー48が、動きの感知、および動きに基づいたベースライン圧力の増加を引き起こすことに使用され得る。動きおよび加速を検出するための他のタイプのセンサが使用され得る。ベースライン圧力は、即座に、または動きもしくは加速が感知されなくなり、規定の時間が経った後に低減され得る。
【0029】
本明細書で使用される場合、「ベースライン圧力」は、各嚢26A−26Cにおいて維持されるベースライン圧力を集合的に指す。「ベースライン圧力」への参照は、必ずしも単一のベースライン圧力への参照ではない。上述されたように、ベースライン圧力は、各嚢26A−26Cにおいて異なり得る。例えば、遠位の嚢におけるベースライン圧力は、近位の嚢におけるベースライン圧力よりも高い場合がある。さらに、所与の時間の間ベースライン圧力は、1つ以上の嚢26A−26Cで維持され得るが、他の嚢ではされない場合がある。その上、ベースライン圧力の調整への参照は、1つ以上の嚢26A−26Cにおけるベースライン圧力が調整されることを意味する。コントローラ24Bは、各嚢26A−26Cにおけるベースライン圧力を独立的に調整し得る。感知された物理的特徴に基づいて、1つ以上の嚢26A−26Cにおけるベースライン圧力は、同じ量または異なる量調整され得る。ベースライン圧力を調整することは、嚢26A−26Cの1つにおけるベースライン圧力が増加され、他の嚢におけるベースライン圧力が低減されることを意味し得る。ベースライン圧力は、段階的に調整され得る。例えば、ベースライン圧力は、水平線に対する配向における段階の変化(例えば、10度毎)、動きの大きさまたは速度における段階的変化(例えば、0.1メートル毎秒)、または加速における段階的変化につき0.5または1mmHg増加され得る。
【0030】
1つ以上の嚢26A−26Cにおけるベースライン圧力は、継続的または定期的に調整され得る。例えば、ベースライン圧力は、センサ48から受信された信号に応答してリアルタイムに調整され得る。このような場合、ベースライン圧力は、必要に応じて、圧迫サイクルの間のベースライン圧力を増加および低減することにより、2つの連続する圧迫サイクルの間の時間中に継続的に調整され得る。コントローラは、圧迫サイクルの任意の部分の間または圧迫サイクルの間にベースライン圧力を調整するか否かを決定し得る。あるいは、ベースライン圧力は、圧迫レジメン中に定期的に調整され得る。例えば、各嚢26A−26Cにおいて維持されるベースライン圧力は、全ての圧迫サイクル、1つおきの圧迫サイクル、圧迫サイクルの間、またはある他の定期的なレートの間の規定された時間に決定され得る。
【0031】
使用のサイクルにおいて、治療嚢26A−26Cが所望の目標圧迫領域TA−TCを覆ってまたは上重ねするとともに、圧迫ガーメント装置20は、脚Lのような身体部位に配置される。加圧器24は、圧力療法を課すために断続的に治療嚢26A−26Cを加圧する。コントローラ24Bは、目標圧迫領域に断続的に圧迫療法を提供するために、繰り返し嚢26A−26Cに加圧されたガスを導き、嚢からガスを排気する。加圧器24は、目標圧迫領域TA−TCに対する嚢の位置を維持するために嚢26A−26Cにおけるベースライン圧力を維持する。ベースライン圧力は、物理的特徴を表す、センサ48からの信号に応答して上記されたように調整される。
【0032】
本発明を詳細に記述しているため、添付の特許請求に定義される本発明の範囲から逸脱することなく改変および変更が可能であることが明白になる。
【0033】
本発明の要素または本発明の1つもしくは複数の好ましい実施形態を紹介する場合、冠詞「a」、「an」、「the」、および「当該」は、1つ以上の要素があることを意味することが意図される。「comprising」、「including」、および「having」という用語は、包括的であることが意図され、記載された要素の他に追加的な要素があり得ることを意味する。
【0034】
上記を考慮して、本発明の複数の目的が達せられ、他の有益な結果が得られることが認識される。
【0035】
様々な変更が、本発明の範囲から逸脱することなく上記の構造および方法になされ得るため、上記に含まれ、添付の図面に示されるすべての事柄は例示的であり、制限的な意味で解釈されないことが意図される。
【符号の説明】
【0036】
20 圧迫ガーメント装置
22 圧迫ガーメント
24 加圧器
26A−26C 治療嚢
40 ファスナ
L 脚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧迫ガーメント装置であって、
膨張可能な治療嚢を含む圧迫ガーメントであって、該圧迫ガーメントは、該治療嚢が身体部位の目標圧迫領域を覆うように該身体部位に選択的に位置づけ可能である、圧迫ガーメントと、
該身体部位の該目標圧迫領域に治療圧迫療法を提供するために、該治療嚢内のガス圧力を増加することにより該治療嚢を選択的に加圧するための、該治療嚢に機能的に接続可能である加圧器と
を含み、該加圧器は、
該身体部位の配向、該身体部位の動き、該身体部位の加速、および該目標圧迫領域に対する該ガーメントの動きから成る特徴の群から選択される少なくとも1つの物理的特徴を表す信号を感知および生成するためのセンサと、
該センサに機能的に接続されたコントローラと
を含み、
該コントローラは、該圧迫領域に断続的な圧迫療法を提供するために、連続する圧迫サイクルを含む圧迫レジメンを実行し、該圧迫サイクルは、それぞれ、該コントローラが加圧されたガスを該治療嚢に導く膨張段階と、該コントローラが該治療嚢からガスを排気することを可能にする排気段階とを含み、該コントローラは、該目標圧迫領域に対して該治療嚢を適切な位置に維持するために、該治療嚢におけるベースライン圧力を維持し、該コントローラは、物理的特徴を表す、該センサから受信された信号に応答して該ベースライン圧力を調整する、圧迫ガーメント装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記圧迫レジメン中に定期的に前記ベースライン圧力を調整する、請求項1に記載の圧迫ガーメント装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記感知された物理的特徴に基づいて、前記ベースライン圧力を調整するか否かを各圧迫サイクル中に決定する、請求項2に記載の圧迫ガーメント装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記身体部位の配向が、規定された配向範囲の外にあることを示す、前記センサから受信された信号に応答して、前記ベースライン圧力を増加する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧迫ガーメント装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記身体部位の動きが、動きの閾値量を超えていることを示す、前記センサから受信された信号に応答して、前記ベースライン圧力を増加する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧迫ガーメント装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記身体部位の配向が横臥であることを表す、前記センサから受信された信号に応答して前記ベースライン圧力を低減する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧迫ガーメント装置。
【請求項7】
ヒトの身体部位の目標圧迫領域に圧迫療法を適用するシステムであって、該システムは、
膨張可能な治療嚢を有する圧迫ガーメントで該身体部位の目標圧迫領域を覆う手段と、
該目標圧迫領域に断続的な圧迫療法を提供するために、繰り返し、加圧されたガスを該治療嚢に導き、ガスを該治療嚢から排気する手段と、
該身体部位の配向、該身体部位の動き、該身体部位の加速、および該目標圧迫領域に対する該ガーメントの動きから成る特徴の群から選択される少なくとも1つの特徴を感知する手段と、
該目標圧迫領域に対して該治療嚢を適切な位置に維持するために、該治療嚢におけるベースライン圧力を維持する手段と、
該物理的特徴を表す、該センサから受信された信号に応答して該ベースライン圧力を調整する手段と
を含む、システム。
【請求項8】
前記ベースライン圧力を調整する手段は、圧迫レジメン中に該ベースライン圧力を定期的に調整する手段を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
加圧されたガスを前記治療嚢に導くことと、ガスを該治療嚢から排気することとのうちの少なくとも1つの間に、前記感知された物理的特徴に基づいて、前記ベースライン圧力を調整するか否かを決定する手段をさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ベースライン圧力を調整する手段は、前記身体部位の動きが動きの閾値量を超えていることを感知することに応答して、該ベースライン圧力を増加する手段を含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記身体部位は脚であり、前記ベースライン圧力を調整することは、該脚の配向が全体的に直立であることを感知することに応答して、該ベースライン圧力を増加する手段を含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記身体部位は脚であり、前記ベースライン圧力を調整することは、ヒトが歩行していることを表す、該脚の感知された動きに応答して該ベースライン圧力を増加する手段を含む、請求項7〜11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記ベースライン圧力を調整する手段は、前記身体部位の配向が、規定された配向範囲の外にあることを感知することに応答して、支持嚢における圧力を低減する手段を含む、請求項7〜12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記ベースライン圧力を調整する手段は、前記身体部位の加速が規定された加速範囲の外にあることに応答して、該ベースライン圧力を増加する手段を含む、請求項7〜13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記ベースライン圧力を調整する手段は、前記身体部位が横臥であることを感知することに応答して、該ベースライン圧力を低減する手段を含む、請求項7〜14のいずれか一項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−71136(P2012−71136A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212580(P2011−212580)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】