説明

ペアレンタルコントロールを用いて付加的コンテンツにアクセスする方法

本発明は、インターネットアクセスを有すると共にペアレンタルレベルの設定を可能にするように設計されているプレーヤからの、メインコンテンツに関する付加的コンテンツへのアクセスに関する。好適実施例において、前記メインコンテンツは、前記付加的コンテンツへのリンクを有し編集されてディスク上に記憶されている。前記ディスクが、前記プレーヤ内に配された場合、前記のようなリンクが、前記付加的コンテンツにアクセスするように確立されることができる。本発明は、前記のようなアクセスが、ユーザ識別に従う場合に適用される。本発明は、ユーザに適用可能な前記ペアレンタルレベルを復元し、該ユーザになされる提供を、復元された該ペアレンタルレベルに依存して適応化するステップを、ユーザ識別処理に付加することにある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくともペアレンタルレベルの設定を可能にするように設計されたプレーヤからの、メインコンテンツに関する付加的コンテンツへのユーザアクセスを制御する方法に関する。
【0002】
本発明は、プログラムがプロセッサによって実行された場合に、前記のようなユーザアクセス制御の方法を実施する命令を含む該プログラムを記憶する携帯可能な担体及びサーバにも関する。
【0003】
本発明は、プログラムを記憶する携帯可能な担体が前記プレーヤ内に存在する場合に、前記のようなユーザアクセス制御の方法を実施する命令を含む該プログラムを実行する処理手段を有するプレーヤにも関する。
【0004】
本発明は、プレーヤと伝送ネットワークとサーバとを有するシステムであって、前記プレーヤが、少なくともペアレンタルレベルの設定をする設定手段と、前記伝送ネットワークを介して、メインコンテンツに関する付加的コンテンツにアクセスするためのユーザ要求を前記サーバに送信する送信手段とを有する、システムにも関する。
【0005】
本発明は、ビデオディスクであって、当該特定のディスクに関する付加的コンテンツを提供するウェブサイトへのリンクを有して発行されているビデオディスクに、有利に適用される。これは、ビデオディスクであって、付加的コンテンツがビデオディスク上に記憶されて発行されている該ビデオディスクにも適用される。
【背景技術】
【0006】
特開平第11−225324号公報の要約には、ペアレンタル情報が設定されているプレーヤと、ディスクと、ウェブサーバとを含むシステムが記載されている。前記ディスクが前記プレーヤ内にある場合、該プレーヤは、前記ウェブサーバにリンクして、該ディスクに関するウェブページを取得することができる。前記ウェブページのコンテンツは、前記プレーヤ内に設定されているペアレンタルレベルに適応化される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ユーザが識別されるコンテキスト態様で、ペアレンタル情報に従って、付加的コンテンツへの前記アクセスを制御する方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるユーザアクセス制御の方法は、ユーザを識別するユーザ識別ステップを有し、該ユーザ識別ステップは、前記プレーヤ内に設定されている該ユーザに適用可能であるペアレンタルレベルを復元(recover)するペアレンタルレベル復元ステップと、復元された該ペアレンタルレベルに依存して該ユーザアクセスを制御する、アクセス制御ステップとを有する。
【0009】
本発明によって、異なるペアレンタルレベルが、異なるユーザに対して前記プレーヤ内に設定されることができ、ユーザが、メインコンテンツに関する(例えば、該プレーヤ内に存在するディスク内に記憶されているコンテンツに関する)付加的コンテンツにアクセスしようとする場合に、特定の該ユーザに適用可能なペアレンタルレベルが、復元され、前記ユーザアクセスを制御するのに使用される。
【0010】
本発明によれば、前記ペアレンタルレベル復元ステップは、ユーザ識別処理の一部である。
【0011】
本発明の好適実施例において、前記方法は、ユーザ識別子及びペアレンタルレベルがユーザ情報データベース内に記憶されている登録されているユーザに、適用可能である。ユーザ識別子が、前記ユーザによって供給された場合、該ユーザに適用されるべき前記ペアレンタルレベルが、該ユーザによって供給された該ユーザ識別子から、前記ユーザ情報データベース内で復元される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のこれら又は他の見地は、添付図面を参照して更に記載される。
【0013】
本発明によるシステムは、図1に記載されている。これは、ユーザ機器10、伝送ネットワーク20及びサーバ30を有する。
【0014】
好適実施例において、伝送ネットワーク20は、インターネット・ネットワークである。これは、限定的するものではない。
【0015】
ユーザ機器10は、プレーヤ40、表示ユニット42及びユーザ対話ユニット44を有する。例えば、表示ユニット42は、テレビジョン受像機である。そうすると、ユーザ対話ユニット44は、リモコンである。
【0016】
プレーヤ40は、少なくとも、マイクロプロセッサユニット50、記憶ユニット51、検出ユニット54、デコーダ56、及び送信/受信ユニット58を有する。
【0017】
検出ユニット54は、携帯可能な担体60上に記録されている信号を検出する。デコーダ56は、検出ユニット54によって検出された信号又は記憶ユニット51内に読み出された信号を、処理する。デコータ56の出力は、表示用に、表示ユニット42に供給される。
【0018】
送信/受信ユニット58は、伝送ネットワーク20を介して、データを送信/受信する。
【0019】
プレーヤ40は、ペアレンタルコントロールのフィーチャを実施するように設計されている。ペアレンタルコントロールの概念は、DVDをはじめとして知られている。これは、1つ以上のコンテンツの部分と関連して、前記ディスク内に1つ以上のペアレンタルレベルを示し、該プレーヤ内に1つ以上のペアレンタルレベルを設定するオプションを与えることにある。少なくとも、デフォルトのペアレンタルレベルが、設定されなくてはならない。例えば、異なるペアレンタルレベルが、異なるユーザに対して設定されることができる。あるユーザに対して、特定のペアレンタルレベルが設定されていない場合、前記デフォルトのペアレンタルレベルが、該ユーザに対して適用される。ペアレンタルレベルが適用可能である場合、前記プレーヤは、コンテンツに関連するペアレンタルレベルが、適用可能な前記ペアレンタルレベル以下であるならば、該コンテンツの再生のみを許可する。有利には、個人識別子番号(PIN code)が、前記ペアレンタルレベルを設定し変更するのに要求される。
【0020】
サーバ30は、少なくとも、マイクロプロセッサユニット70と、記憶ユニット71と、伝送ネットワーク20を介してデータを送信/受信する送信/受信ユニット76とを有する。
【0021】
本発明は、メインコンテンツに関する付加的コンテンツへのユーザアクセスを制御する方法に関する。
【0022】
好適実施例において、前記メインコンテンツは、携帯可能な担体、例えばディスク60上に記録されている。しかし、これは、限定するものではない。前記メインコンテンツは、プレーヤ40の記憶ユニット51内に記憶されることもできる。
【0023】
前記メインコンテンツに関する付加的コンテンツは、ディスク60上に記録される、及び/又はサーバ30の記憶ユニット71内に遠隔的に記憶される。付加的コンテンツは、音声、ビデオ、画像、テキスト、フォント、アニメーション及びコマーシャルデータ等をはじめとして、様々な種類のデータを含むことができる。例えば、前記付加的コンテンツは、新しいバージョンのナビゲーションメニュー、メインビデオコンテンツと同期化された補足的な画像/テキスト/アニメーション、追加のストリーム化されたビデオ又はサブタイトル等であることができる。
【0024】
好ましくは、前記メインコンテンツは、ユーザが対話ユニット44を介して選択することができる付加的コンテンツへのリンクを含む。
【0025】
本発明は、付加的コンテンツへのアクセスがユーザ識別に従う場合に、適用される。前記のようなユーザ識別は、多くのアプリケーションにおいて、例えば、(ユーザのアドレス及び/又はクレジットカード情報を記憶するための)コマーシャルアプリケーションにおいて、マルチユーザアプリケーションにおいて、又はコンテンツ保護目的に、便利である。例えば、各ユーザは、ユーザ識別子IDu及びユーザパスワードPWuによって識別される。
【0026】
本発明は、ペアレンタルレベルコントロールのステップを、ユーザが付加的コンテンツにアクセスしようとした場合に実行されるユーザ識別処理に付加することにある。
【0027】
ユーザの付加的コンテンツへのアクセスを制御する方法の第1実施例が、以下に、図2を参照して記載される。この第1実施例において、前記付加的コンテンツは、サーバ30内にある。
【0028】
図2によれば、ステップS0において、メインコンテンツを記録するディスク60が、プレーヤ40内に挿入される。前記ディスクによって記録されている前記メインコンテンツは、該ディスクの発行者のウェブサイトのホームページへのリンクLK0を含むメニューを有する。このメニューは、ユーザ機器10の表示ユニット42上に表示される。ステップS1において、前記ユーザは、対話ユニット44を使用することによって、リンクLK0を選択する。ステップS2において、接続要求CRQが、プレーヤ40からサーバ30に送信される。ステップS3において、サーバ30は、ホームページLPをプレーヤ40に返信する。ホームページLPは、ユーザ登録アプリケーションAPPL−RへのリンクLK1と、ユーザ識別アプリケーションAPPL−IへのリンクLK2とを有する。
【0029】
ユーザ登録アプリケーションAPPL−R及びユーザ識別アプリケーションAPPL−Iのどちらも、サーバ30の記憶ユニット71内に記憶されている。
【0030】
リンクLK1を選択すると(ステップS4)、プレーヤ40は、登録要求RRQをサーバ30に送信する(ステップS5)。登録要求RRQを受信すると、サーバ30は、ユーザ登録アプリケーションAPPL−Rを実行する。これは、
― 前記ユーザに、自身のユーザ識別子IDu及び自身のユーザパスワードPWuを入力するように指示するステップ(ステップS10);
― プレーヤ40によって現在適用されているペアレンタルレベルPLuを問うステップ(ステップS20);及び
― ユーザ識別子IDu、ユーザパスワードPWu、及び適用可能なペアレンタルレベルPLuを、サーバ30の記憶ユニット71内に記憶されているユーザデータベースUDB−Sに記録するステップ(ステップS30);
を有する。
【0031】
リンクLK2を選択すると(ステップS40)、プレーヤ40は、識別子要求IRQをサーバ30に送信する(ステップS50)。識別子要求IRQを受信すると、サーバ30は、ユーザ識別子アプリケーションAPPL−Iを実行する。これは、
― 前記ユーザに、自身のユーザ識別子IDu及び自身のユーザパスワードPWuを入力するように指示するステップ(ステップS60);
― ユーザ識別子IDu及びユーザパスワードPWuを、ユーザデータベースUDB−Sを参照して、チェックするステップ(ステップS70);
― ユーザデータベースUDB−S内で、ユーザ識別子IDuに対応するペアレンタルレベルPLuを復元するステップ(ステップS80);及び
― プレーヤ40に、復元された前記ペアレンタルレベルに適合している付加的コンテンツC(iは整数)を提供する個人化されたページPPを送信するステップ(ステップS90);
を有する。
【0032】
付加的コンテンツへのユーザアクセスを制御する方法の第2実施例が、以下に、図3を参照して記載される。この第2実施例において、前記付加的コンテンツは、ディスク60上に記憶されている。
【0033】
図3によれば、ステップS100において、メインコンテンツ及び付加的コンテンツを記録するディスク60が、プレーヤ40内に挿入される。前記ディスク上に記録されている前記メインコンテンツは、ユーザ登録アプリケーションAPPL−R'へのリンクLK1’と、ユーザ識別アプリケーションAPPL−I’へのリンクLK2’とを有する。
【0034】
ユーザ登録アプリケーションAPPL−R’及びユーザ識別アプリケーションAPPL−I’のどちらも、ディスク60上に記憶されている。
【0035】
前記ユーザによってリンクLK1’が選択されると(ステップS101)、プレーヤ40は、ディスク60上のユーザ登録アプリケーションAPPL−R’を読み出す(ステップS102)。次いで、ステップS103において、プレーヤ40は、ユーザ登録アプリケーションAPPL−R’を実行する。これは、
― 前記ユーザに、自身のユーザ識別子IDu及び自身のユーザパスワードPWuを入力するように指示するステップ(ステップS110);
― プレーヤ40内に現在設定されているペアレンタルレベルPLuを問うステップ(ステップS120);及び
― ユーザ識別子IDu、ユーザパスワードPWu、及び適用可能なペアレンタルレベルPLuを、プレーヤ40の記憶ユニット51内に記憶されているユーザデータベースUDB−Pに記録するステップ(ステップS130);
を有する。
【0036】
前記ユーザによってリンクLK2’が選択されると(ステップS201)、プレーヤ40は、ディスク60上のユーザ識別アプリケーションAPPL−I’を読み出す(ステップ202)。次いで、ステップ203において、プレーヤ40は、ユーザ識別アプリケーションAPPL−I’を実行する。これは、
― 前記ユーザに、自身のユーザ識別子IDu及び自身のユーザパスワードPWuを入力するように指示するステップ(ステップS210);
― ユーザ識別子IDu及びユーザパスワードPWuを、ユーザデータベースUDB−Pを参照して、チェックするステップ(ステップS220);
― ユーザデータベースUDB−P内で、ユーザ識別子IDuに対応するペアレンタルレベルPLuを復元するステップ(ステップS230);及び
― 復元された前記ペアレンタルレベルに適合している付加的コンテンツC’(iは整数)を提供する個人化されたページPPを、表示ユニット42上に表示するステップ(ステップS240);
を有する。
【0037】
上述のシステム、プレーヤ、サーバ及びユーザアクセス制御の方法に関して、変形又は改良が、本発明の添付請求項から逸脱することなく提案されることができる。従って、本発明は、上述の例に限定されるものではない。
【0038】
特に、図2及び3を参照して記載された実施例においては、登録アプリケーションへの前記リンクと、ユーザ識別子アプリケーションへの前記リンクとは、同一のページ上で提案されている。このことは、必須ではない。代替的な実施例において、これら2つのリンクは、異なるページ上で提案されることができる。
【0039】
図2及び3を参照して記載された前記実施例においては、前記リンクは、前記ユーザによって選択されている。しかし、付加的コンテンツへのリンクが、前記ユーザによる選択なしに、自動的に設置されることも可能である。
【0040】
「有する」という語は、前記請求項に記載されていない構成要素又はステップの存在を排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明によるシステムの模式図である。
【図2】本発明によるユーザアクセス制御方法の第1実施例の模式図である。
【図3】本発明によるユーザアクセス制御方法の第2実施例の模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともペアレンタルレベルの設定を可能にするように設計されているプレーヤからの、メインコンテンツに関する付加的コンテンツへのユーザアクセスを制御する方法であって、前記方法は、ユーザを識別するユーザ識別ステップを有し、前記ユーザ識別ステップは、前記プレーヤ内に設定されており前記ユーザに適用可能なペアレンタルレベルを復元するペアレンタルレベル復元ステップと、前記ユーザアクセスを復元された前記ペアレンタルレベルに依存して制御するアクセス制御ステップとを有する、方法。
【請求項2】
ユーザ識別子及びペアレンタルレベルが、ユーザ情報データベース内に記憶されている、登録されているユーザに適用可能であって
― ユーザによって供給されるユーザ識別子入力を受信するステップ、及び
― 前記ユーザ情報データベース内で前記ユーザ識別子入力を検索することによって、前記ユーザに適用されるべき前記ペアレンタルレベルを、復元するステップ、
を有する、請求項1に記載のユーザアクセス制御の方法。
【請求項3】
プログラムがプロセッサによって実行された場合に、請求項1又は2に記載のユーザアクセス制御の方法を実施する命令を有する該プログラムを記憶する携帯可能な担体。
【請求項4】
プログラムがプロセッサによって実行された場合に、請求項1又は2に記載のユーザアクセス制御の方法を実施する命令を有する該プログラムを、記憶する記憶手段を有するサーバ。
【請求項5】
請求項1に記載のユーザアクセス制御の方法を実施する命令を有するプログラムを、該プログラムを記憶する携帯可能な担体が前記プレーヤ内にある場合に、実行する処理手段を有するプレーヤ。
【請求項6】
処理手段及び記憶手段を有するプレーヤであって、前記記憶手段は、プログラムを実行する際に使用されるユーザ情報データベースを記憶し、前記プログラムは、該プログラムが前記処理手段によって実行される場合に請求項2に記載されたユーザアクセス制御の方法を実施する命令を有する、プレーヤ。
【請求項7】
プレーヤ、伝送ネットワーク及びサーバを有するシステムであって、前記プレーヤは、少なくともペアレンタルレベルを設定する設定手段と、前記伝送ネットワークを介して、メインコンテンツに関する付加的コンテンツにアクセスするためのユーザ要求を前記サーバに送信する送信手段とを有し、前記サーバは、ユーザ要求を送信したユーザを識別するユーザ識別手段を有し、前記ユーザ識別手段は、前記プレーヤ内に設定されており前記ユーザに利用可能であるペアレンタルレベルを復元するペアレンタルレベル復元手段と、復元された前記ペアレンタルレベルに依存してユーザアクセスを制御するアクセス制御手段とを有する、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−501714(P2006−501714A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539337(P2004−539337)
【出願日】平成15年9月17日(2003.9.17)
【国際出願番号】PCT/IB2003/004132
【国際公開番号】WO2004/029836
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】