説明

ペット向け食用ガム

【課題】ペット向けガムにおいて、長持ちさせ、食べることができ、栄養的に完全食にする。
【解決手段】約15から約35%のタンパク質および約10から約55%のデンプンを少なくとも有してなる第1の乾燥混合物を混合する。約15から約35%のタンパク質および約10から約55%のデンプンを少なくとも有してなる第2の乾燥混合物を混合する。第1の乾燥混合物に、約5から約35%の湿潤剤および約5から約30%の水を加えて、第1の構成部22を形成する。第2の乾燥混合物に、約5から約35%の湿潤剤および約5から約30%の水を加えて、第2の構成部20を形成する。第1の構成部22を第2の構成部20内に共押出しして、二重構成部の押出物を形成する。二重構成部の押出物の三次元形状を造形して、二層のペット向けガム10を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消化しやすいペット向け食用ガム(chew)に関する。特に、この消化しやすいペット向け食用ガムは長持ちする。
【背景技術】
【0002】
ほとんどの犬は噛むのが好きなので、飼い主はしばしば、適当なチューイング製品を犬に与えている。あるチューイング製品は、実質的に食用ではなく(けれども、犬はそれらを飲み込むこともある)、消化できないプラスチックなどの材料から製造されている。そのようなチューイング製品は、栄養価がなく、多くの犬にとって無味であり、美味しくない。生皮のガムも市販されている。しかしながら、そのようなガムも同様に消化できず、あまり美味しくない。これらのガムはほとんど消化できないことに加えて、ガムによって消化系にストレスが生じ、喉に詰まることなどの他の重大な問題が起こることがある。例えば、ガムが硬すぎると、犬がその製品を噛み切ろうとするときに加わる過剰な力のために歯がひび割れるかもしれず、一方で、尖った欠片により、歯茎の出血などの、軟らかい組織への損傷が生じるかもしれない。そのようなガムの別の欠点は、ある程度噛まれてグチャグチャになった製品により、有害な細菌が増殖する環境が生じ得ることである。
【0003】
したがって、犬の飼い主は、完全に食用であるペット向けガムを望んでいる。この目的のために、主に食品成分から作られた製品がいくつかある。特許文献1および2は、主にデンプンから作られた犬用ガムであって、例えば、マイクロ波放射線にさらされることによって、そのテキスチャーを容易に熱変性できる付加的な性質を持つ犬用ガムに関する。そのようなガムには、硬すぎるか軟らかすぎるとう欠点がある。硬いガムの場合には、歯が十分に発達していない若い犬や、虫歯があるか歯の抜けた老犬には、そのような製品を全く噛むことができないであろう。軟らかいガムは、犬が十分な時間に亘り噛まずにすぐ食べてしまうために問題である。飼い主は、しばしばかなりの費用で、買い与えた製品を、飼い犬が長い時間噛むのを楽しまずにすぐに噛み終えてしまったら、不満を感じることもある。
【特許文献1】米国特許第5827565号明細書
【特許文献2】米国特許第6086940号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した文献それぞれに記載されているペット向け製品は、様々な目的を達成してはいるが、消化しやすいペット向け食用ガムにはなっていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、約5kgから約60kgの硬度測定値および約3mmから約40mmの弾性測定値を有するガムを形成するのに用いられる、タンパク質、炭水化物、脂質、湿潤剤および水の組合せを有してなるペット向け食用ガムに関する。このペット向けガムは、約200kg・mmから約900kg・mmの靭性測定値も有するであろう。このペット向けガムは、任意の従来の方法、例えば、押出成形または射出成形を用いて形成することができる。
【0006】
ある実施の形態において、ペット向けガムは、砂時計またはフレア状骨の形状に成形される。ペット向けガムは、約5から約50%(w/w)のタンパク質、約20から約80%(w/w)の炭水化物、約5から約50%(w/w)の湿潤剤、および約5から約30%(w/w)の水を有してなる。さらに、ある実施の形態において、ペット向けガムは栄養的に完全食である。
【0007】
ペット向けガム中の水分量は、約5から約30%、より好ましくは約10から約25%、さらにより好ましくは約5から約20%を構成してよい。より具体的に、水分活性は、約0.50から約0.85、より好ましくは約0.60から約0.80、さらにより好ましくは約0.60から約0.75である。
【0008】
ある実施の形態において、ペット向けガム中のタンパク質の量は、約5から約50%(w/w)、好ましくは約10から約45%、より好ましくは約5%から約35%、さらにより好ましくは約10から約35%である。このタンパク質は、植物および動物由来の任意のタンパク質であって差し支えなく、菌類由来のものも含む。タンパク質の例としては、以下に限られないが、小麦グルテン、トウモロコシゼイン、トウモロコシグルテン、ヒマワリタンパク質、豆果タンパク質、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、落花生タンパク質、菜種タンパク質、ナッツタンパク質(例えば、ヘーゼルナッツ、アーモンド、ピスタチオタンパク質)、乳タンパク質(例えば、カゼインまたは乳清タンパク質)、コラーゲン、ゼラチン、ケラチン、卵アルブミン、マイコプロテインまたはそれらの組合せが挙げられる。
【0009】
さらに別の実施の形態において、タンパク質は、約1から約30%、好ましくは約3から約25%、より好ましくは約5から約20%の量で、乳タンパク質、例えば、カゼインタンパク質(例えば、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸カルシウム、カゼイン酸カリウム)または乳清タンパク質を有してなる。
【0010】
さらに、タンパク質は、プロラミンが豊富なタンパク質、例えば、以下に限られないが、小麦グルテン、トウモロコシゼインまたは大豆タンパク質を約1から約30%(w/w)、好ましくは約3から約25%(w/w)、より好ましくは約5から約20%有していてよい。
【0011】
さらなる実施の形態において、ペット向けガムの総タンパク質成分は、カゼインまたは乳清タンパク質およびプロラミンが豊富なタンパク質を有してなる。
【0012】
さらに、炭水化物は、約20%から約80%、好ましくは約25%から約70%、より好ましくは約30%から約65%の量でデンプンを有していてよい。デンプンの例としては、以下に限られないが、タピオカ、サトウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモ、小麦、米、ライ麦、大麦、またはトウモロコシデンプンが挙げられる。
【0013】
炭水化物は穀粉を含んでいてもよい。穀粉の例としては、以下に限られないが、米粉、小麦粉、タピオカ粉、ジャガイモ粉、オート麦粉、トウモロコシ粉、大麦粉、大豆粉またはレンズ豆粉が挙げられる。
【0014】
さらに別の実施の形態において、湿潤剤の量は、約5から約50%(w/w)、好ましくは約10から約45%(w/w)、より好ましくは約15から約35%(w/w)である。湿潤剤の例としては、以下に限られないが、ショ糖、塩化ナトリウム、ソルビトール、グリセリン、デンプン加水分解物、ブドウ糖、デンプン、麦芽糖、乳糖、ガム質、ガラクトース、クエン酸、アラニン、グリシン、高果糖トウモロコシ・シロップ、酒石酸、リンゴ酸、キシロース、PEG400、PEG600、プロピレングリコール、アミノ酪酸、マンニトール、マンノースまたはラクツロースが挙げられる。より具体的には、湿潤剤は、砂糖、塩類、プロピレングリコール、グリセリン、および水素化デンプン加水分解物の組合せである。さらに、プロピレングリコールの量は、約10%未満、より好ましくは4%未満、さらにより好ましくは約3%未満である。
【0015】
さらに、ペット向けガムは、約0.5から約15%(w/w)の範囲で食物繊維を有していてもよい。食物繊維の例としては、以下に限られないが、細胞壁多糖類(セルロース、ヘミセルロース、ペクチン)および非細胞壁多糖類(グアール、イナゴマメガム、アラビアゴム、カラヤゴム、トラガカントゴム、寒天、アルギン酸塩およびカラゲナン)が挙げられる。
【0016】
さらなる実施の形態において、ペット向けガムは、総デンプン基準で約30%より多いゲル化度を有することが好ましい。デンプンのゲル化度は、ガムのテキスチャー、持ち時間および消化性に影響を与える。さらに別の実施の形態において、ゲル化度は、デンプンのゲル化度の約30%から約100%、より好ましくは約45%から約100%、さらにより好ましくは約70%から約100%の範囲にあって差し支えない。
【0017】
さらなる実施の形態において、ペット向けガムは、少なくとも1つの層を有してなる。ペット向けガムは、一構成部またはすなわち単一構成部のペット向けガムであっても、複数の層、例えば、二層、三層、四層などを有してなっていても差し支えない。ペット向けガムは、二構成部または二層であり、この二層の相対質量比が約5:95%から約95:5%、より好ましくは約35〜40:65〜60%である。
【0018】
より具体的には、第1層のタンパク質成分は、プロラミンが豊富なタンパク質を約20から約80%(w/w)、乳タンパク質を約20から約80%(w/w)有してなる。第2層のタンパク質成分は、プロラミンが豊富なタンパク質を約20から約80%(w/w)、乳タンパク質を約20から約80%(w/w)有してなる。
【0019】
さらに、ペット向けガムは外側コーティングをさらに有していてもよく、この外側コーティングは、水、アルコール(例えば、エタノール)およびトウモロコシゼインの溶液を有してなる。着色剤および天然および/または人工調味料が、外側コーティングに加えられていてもよい。この外側コーティングは、ペット向けガムの約0.2から約1.0%(w/w)を有してなっていてよい。
【0020】
ある実施の形態において、ペット向けガムの密度は、約0.9から約1.5g/cm3、好ましくは約1.2から約1.4g/cm3である。
【0021】
本発明のさらに別の実施の形態は、様々な総質量、例えば、以下に限られないが、約125gから約160g、より好ましくは130gの総質量、および約330gから約350g、好ましくは340gの総質量のペット向けガムを含む。本発明の製品のサイズと形状は、本発明の製品を食べている間、犬はこの製品を前足または外肢で保持できるので、犬の食べる楽しみにとっての利点でもある。サイズ、長さ、断面積、形状、およびテキスチャーを含む要素の組合せが、飼い主と飼い犬との相互のやりとりを改善する上での重要な特性である。
【0022】
本発明のペット向けガムは、このペット向けガムのサイズが、ペットの所定の体重にとって相当な嵩を与えるほど十分に大きいものである。それゆえ、ある実施の形態において、ペット向けガムの質量比(ペット向けガムのg/ペットのkg)は、約1g/kgから約40g/kg、好ましくは約2.5g/kgから約30g/kg、より好ましくは約4.5g/kgから約20g/kgである。
【0023】
ある実施の形態において、本発明のペット向けガムの全体の消化性は、70%より大きい、好ましくは85%より大きい、最も好ましくは90%より大きい。より詳しくは、多量栄養素の消化性は以下のとおりである。タンパク質成分の消化性は約88から約95%であり、脂質成分の消化性は約89%から約96%である。
【0024】
さらに別の実施の形態において、ペット向けガムは、ペットが食べるのに4分以上の時間がかかるものである。
【0025】
本発明の別の実施の形態は、約10から約21%(w/w)のトウモロコシゼイン、約10から約70%(w/w)の水および約20から約80%(w/w)のアルコール(例えば、エタノール)を有してなる食用コーティング層を含む。さらに、このコーティングは、約0.05から約5%(w/w)の食品着色剤、および約0.5から約10%(w/w)の天然または人工調味料を有していてもよい。食品着色剤は、以下に限られないが、酸化鉄またはカラメル色を含む任意の認可された色であってよい。調味料は、以下に限られないが、牛肉、鶏、七面鳥、鶏のレバー、豚肉、ベーコン、七面鳥のレバー、エビ、カニ、または魚を含んでよい。
【0026】
別の実施の形態は、二層のペット向けガムを製造する方法を含む。例えば、少なくとも約15%から約35%(w/w)のタンパク質および約10から約55%(w/w)のデンプンを有してなる第1の乾燥混合物を混合する。次に、第1の乾燥混合物を、約5から約35%(w/w)の湿潤剤および約5から約30%(w/w)の水に加えて、第1構成部を調製する。少なくとも約15から約35%(w/w)のタンパク質および約10から約55%(w/w)のデンプンを有してなる第2の乾燥混合物を混合する。次いで、第2の乾燥混合物を、約5から約35%(w/w)の湿潤剤、および約5から約30%(w/w)の水に加えて、第2構成部を調製する。次いで、第1構成部を第2構成部内で共押出しして、二構成部押出物を形成する。次に、二構成部を有する三次元形状を造形する。共押出工程は加熱を含み、別の共押出工程は、ゲル化されテキスチャーを持つ二構成部押出物を形成するための冷却工程を含んでよい。共押出工程により、複合ロープ型押出物が製造される。加熱または調理工程中に用いられる時間プロファイルが長ければ、冷却工程を除いてもよい。
【0027】
成形工程は、大気条件を用いてよく、少なくとも2つのホイールを有する回転式成形機を使用し、それによって、ホイールは、その中で加工されるペット向けガムの外形体積を有する。1つ以上のホイールが、ペット向けガムの任意の部分に刻印を押すための図形を有していてよい。あるいは、さらに別の成形の実施の形態において、例えば、射出成形において、圧力を用いてもよい。
【0028】
第1構成部に用いられる押出機の押出圧は、約550kPaから約1.7MPa(約80psiから約250psi)である。第2構成部に用いられる押出機の押出圧は、約2.2MPaから約3.6MPa(約320psiから約525psi)である。
【0029】
代わりの実施の形態において、本発明の方法はさらに、成形工程中に形成された過剰の材料を除去する工程を含むばり取り工程を含む。ばり取り工程後、本発明の方法はさらに、ばり取り機から排出される際にペット向けガムに被覆溶液を施用する工程を含む被覆工程を含んでよい。施用には、吹付け、エンロービング、はけ塗り、静電コーティング、蒸着、表面印刷、表面塗装または噴霧が含まれるであろう。
【0030】
被覆溶液は、ペット向けガムの成形およびばり取り工程中に生じた伸展線を隠す。被覆溶液は、ペット向けガムに艶のある滑らかな外観を与えるであろう。被覆段階での製品の温度は、摂氏約20〜120度である。そのような製品の温度により、被覆溶液が蒸発して、約10〜60秒間の製品表面の乾燥時間が得られる。
【0031】
さらに別の実施の形態において、ペット向けガムは、鋸、裁断機、超音波カッター、水ジェット切断またはそれらの組合せによって、所望のサイズに切断される。
【0032】
これまでは、以下の本発明の詳細な説明をより理解し易くするために、本発明の特徴および技術的利点をむしろ広く概説してきた。本発明の請求項の主題を形成する本発明の追加の特徴および利点を以下に記載する。開示された概念および特定の実施の形態は、本発明の同じ目的を達成するための他の構造を改変または設計するための基礎として容易に使用できることが当業者には理解されるであろう。そのような同等の構造は、添付の請求項に述べられた本発明の精神および範囲から逸脱しないことが当業者には理解されるであろう。構成および動作方法の両方に関して、本発明の特徴と考えられる新規の特性は、さらに別の目的および利点と共に、添付の図面に関連して考えたときに、以下の説明からより理解されるであろう。しかしながら、各図面は、図示と説明の目的のために与えられたものであって、本発明の制限の定義としては意図されていないことを明白に理解すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明をより十分に理解するために、添付の図面を参照して、以下に説明する。
【0034】
I. 定義
別に定義しない限りは、ここに用いた技術的および科学的用語は、本発明の属する当該技術分野の当業者に共通して理解されるものと同じ意味を持つ。本発明の目的に関して、以下の用語を下に定義する。
【0035】
ここに用いているように、請求項および/または明細書中に「有してなる(comprising)」という用語と共に用いられたときに、「(aまたはan)」という語の使用は、「1つの(one)」を意味するであろうが、「1つ以上(one or more)」、「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたはそれより多い(one or more than one)」の意味にも整合性が取れている。さらに、「有する(having)」、「含む(including)」および「有してなる(comprising)」という用語は、置き換え可能であり、当業者は、これらの用語は幅広く解釈できる用語であることを認識している。
【0036】
ここに用いているように、「水分活性」という用語は、食品中の水の分圧と純粋な水の分圧との商により表される、ある系における水のエネルギー状態の尺度である。この用語は、ある物質内で水が構造的または科学的にどれだけきつく結合しているかを示す。これは、液相(試料中の)を気相(上部空間の)と平衡させ、その空間の相対湿度を測定することによって、測定される。水分は、試料中に存在する水の総量を決定するための定量分析である。
【0037】
ここに用いているように、「栄養的に完全食」という用語は、人間以外の動物にとって栄養的に適切な餌であり、単独の食料として給餌でき、追加の食品を必要とせずに(水は別にして)生命を維持できる食品を称する。
【0038】
ここに用いているように、動物は、人間以外の動物、好ましくは伴侶動物、最も好ましくは犬、猫および馬として定義される。
【0039】
ここに用いているように、「ゲル化デンプン」または「デンプンのゲル化」という用語は、粒状構造が破壊され、デンプンの結晶質領域が溶融されるように水の存在下で処理されたデンプンを称する。デンプンのゲル化度は、ガムのテキスチャー、持ち時間および消化性に影響を与える。デンプンのゲル化は、製品中の総デンプン量に対する調理済みデンプンの量のの比を称する。
【0040】
ここに用いているように、「高可溶性タンパク質」という用語は、膜の形成、疎水性結合および界面吸着が可能なタンパク質を称する。そのようなタンパク質の例としては、以下に限られないが、乳タンパク質(例えば、カゼイン、乳清タンパク質)および卵白が挙げられる。
【0041】
II. ペット向けガムの組成
本発明は、混合と調理と、それに続く、例えば、押出成形、共押出成形または射出成形などの成形プロセスによって形成される、タンパク質、炭水化物、脂質、湿潤剤および水の組合せを有してなるペット向け食用ガムに関する。
【0042】
A. ペット向けガムの性質、テキスチャー、硬度
本発明のペット向けガムは、単一構成部または少なくとも二構成部の製品として形成できる。この少なくとも二構成部は、カロリー密度、テキスチャー、組成、色、および内側構成部の外側構成部に対する比が異なり得る。さらに、この少なくとも二構成部は、同じ色、同様のテキスチャー、類似の組成などを有していても差し支えない。さらに、内側構成部を外側構成部から区別するのに、色を用いることもできる。ある好ましい実施の形態において、この少なくとも二構成部の内の1つは、少なくとも二構成部の別のものより少なくとも2%大きい、カロリー密度、硬度、脆性、靭性、弾性、密度、グラム当たりカロリーの内の1つを有する。これは、少なくとも2%より大きい、好ましくは6%大きい、さらにより好ましくは10%大きい、さらにまた好ましくは15%大きい、最も好ましくは20%大きい。
【0043】
本発明のある実施の形態は、一構成部または二構成部として形成された製品である。製品が二構成部からなっている場合、一方の構成部が他方の構成部を部分的または完全に取り囲み得る。ペット向けガムが単一構成部または多構成部のガムであるかにかかわらず、その断面形状は、第1と第2の側が凹状であり、第3の側が凸状となっている歪んだ矩形または正方形または円形であることが好ましい。この実施の形態の実例が図1〜7に示されている。より具体的には、図1、6および7は、ペット向けガム10が外側層20、内側層22からなる実施の形態を示している。
【0044】
一方の層は、滑らかで密な外側層20により取り囲まれた、比較的低密度の内側層22であってよい。この実施の形態において、二構成部は色により区別できる。このとき、内側構成部が外側構成部よりも薄い色になっており、テキスチャーの差をさらに強調している。成形後、骨のロープを、風味および/または芳香を潜在的に与えることに加えて、魅力的な艶のある色を与える特別な混合物で被覆してもよい。
【0045】
別の実施の形態は、歪んだ正方形、三角形、矩形、星形、円形、楕円形、および十字並びにこれらの形状の歪んでないものまたはそれらの組合せなどの異なる断面の、骨片に似せた形状の一構成部または少なくとも二構成部の形態であってよい。例えば、外側構成部は歪んだ矩形に似ており、内側構成部は矩形または歪んだ星形または円形または他の形状であってよい。骨形状のペット向けガムの例が図1〜7に示されている。
【0046】
成形ホイールの内部で冷たい水またはグリコールを循環させながら、製品を冷たい成形ホイールに露出することによって、製品を内側に膨張させて、さらに差別化を図ってもよい。製品の外側部分は、ホイール内部で循環している液体により冷却作用のために、冷めて密度がより高くなる一方で、内側の熱い構成部は膨張して、一構成部にもかかわらず、二重のテキスチャーと知覚される。
【0047】
ペット向けガムは二層からなっていてよく、その二層の相対的質量比は、約5:95%から約95:5%であり、約35〜40:65〜60%がより好ましい。本発明は、多構成部および/または多層、例えば、少なくとも三層、少なくとも四層、少なくとも五層、少なくとも六層、少なくとも七層、少なくとも十層、少なくとも十五層、およびそれらの間の任意の範囲を有してなっていてよいことが分かるであろう。
【0048】
ペット向けガムが一構成部または多構成部であるか否かにかかわらず、ペット向けガムのサイズは、動物の所定の体重当たりに相当な嵩を与えるのに十分に大きなものであってよい。ペット向けガムは、約0.9から約1.5g/cm3、好ましくは約1.2から約1.4g/cm3の密度を有する。ペット向けガムの質量比(ペット向けガムのg/動物のkg)は、約1g/kgから約40g/kg、好ましくは約2.5g/kgから約30g/kg、より好ましくは約4.5g/kgから約20g/kgである。
【0049】
さらに、好ましい実施の形態において、本発明のペットフード製品は、異なる大きさの犬について異なるサイズで与えられる。例えば、小さなサイズと大きなサイズが提供される。このペットフード製品の質量は、一切れ当たり約20から450グラム、好ましくは約100から400グラム、最も好ましくは約125から350グラムの範囲にある。好ましい実施の形態において、小さなサイズの製品は約130グラムであり、大きなサイズの製品は約340グラムである。単位長さ当たりの製品の質量は、大きなサイズ(340g)のものについて、14.1から21.4グラム/骨の長さcmに及び、小さなサイズ(130g)のものについて、8.7から11.5グラム/骨の長さcmに及ぶ。
【0050】
ある実施の形態において、ペット向けガムは、いくつかのサイズ、例えば、約200mmの長さ、約45mmの幅、約49mmの高さおよび約32mmの胴部の直径で約340グラム;および約150mmの長さ、約38mmの幅、約40mm高さ、および約26mmの胴部の直径で約130グラムで製造される。所定の範囲内の寸法も本発明により包含される。製品の最長寸法である長さは5.0cmより大きく、好ましい範囲は5から30cmであり、より好ましい範囲は8から25cmであり、最も好ましい範囲は15から21cmである。底辺に平行な寸法である幅は、1から7cmの範囲にあり、好ましい範囲は2から6cmであり、最も好ましい範囲は3.0から5.5cmである。底辺に垂直な高さは1.0から8.0cmの範囲にあり、好ましい範囲は2から6cmであり、最も好ましい範囲は3.0から5.5cmである。平均断面積は6.8から13.7cm2に及ぶ。このとき、この平均は、骨の長さにそった断面積の相加平均を考慮することによって計算される。小さな骨について、断面積は、胴部(最小面積)での4.52cm2から骨の端部での8.61cm2に及ぶ。大きな製品について、断面積は、胴部(最小面積)での7.96cm2から骨の端部(最大面積)での20.7cm2に及ぶ。小さな製品について、最大(端部)対最小(胴部)の面積比は1.90であり、大きな製品では2.60である。
【表1】

【0051】
本発明のさらに別の実施の形態は、様々な総質量のペット向けガム、例えば、以下に限られないが、約125gから約160g、より好ましくは130gの総質量のペット向けガム、および約330gから約350g、好ましくは340gの総質量のペット向けガムを含む。
【0052】
製品の特定の組成は、テキスチャーの性質に影響を与え、それゆえ、本発明は、硬度、弾性および靭性と定義できる特定のテキスチャーの品質を有する。硬度、弾性および靭性の値は、500kgのロードセルを備えたTA.HDiテキスチャー分析器(ニューヨーク州、スカーズデール所在のテキスチャー・テクノロジーズ社(Texture Technologies Corp.))を用いて測定した。テキスチャー・テクノロジーズ社により提供されるTA.HDiなどの三点曲げリグを用いて、距離に対する力を測定した。この試験は、犬が試験試料に噛みつき噛みしめる動作に似ているために選択した。試料をその幅を背にして寝かせながら90°の角度の向きで試料の最挟点(胴部の中央)にナイフを接触させるようにテスト・リグを位置決めすることにより、まったく変更せずに試料を試験する。
【0053】
試験は、少なくとも一日経った試料について、摂氏20度の室温で行う。当業者には、これらの試験の結果は、試験が行われる条件によって異なることが認識される。変えられるそのような条件には、温度条件および/または試料のできてからの時間がある。例えば、試料ができてから1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、または6ヶ月の場合、試料の硬度は時間とともに増加する。ペット向けガムは、製造から1日後から4ヶ月後に試験することがより好ましい。それゆえ、試料のできてからの時間に応じて、当業者には、硬度が時間の要因として増加することが分かる。
【0054】
試験すべき試料は、製品にサイズに応じて、長さが約14〜21cm、高さが約3.1〜5.0cm、幅が約3.4〜5.3cmであった。テスト・リグの支持梁1と2の間の距離は、小さな試料については約14.0cm、大きな試料については約19.0cmであって差し支えない。試験前に、装置のマニュアルに与えられた取扱説明書にしたがって、テキスチャー分析器およびプローブを校正できる。
【0055】
試験中、プローブまたはナイフを、50%圧縮(プローブが、引き出されるまで、接点で製品に作用させる圧縮)について、2.0mm/秒の試験前速度(試料に接触する前のプローブの速度)、1.0mm/秒の試験速度(試験内を移動している間のプローブの速度)、2.0mm/秒の試験後速度(試料からプローブを引き出す速度)で、移動させる。この圧縮は、装置により自動的に検出される製品距離の約半分に変換される。kgで表した力(y軸)が、mmで表された距離(x軸)に対してプロットされる。
【0056】
テキスチャー・テクノロジーズ社からのTexture Expertソフトウェア(バージョン2.12)を用いて、データを収集できる。これらのパラメータの各々について、結果は、試験した少なくとも3つの試料の値の平均である。
【0057】
最大力(kg)は、製品の硬度に打ち勝つのに必要な力の最大量として定義される。通常は、硬質の製品は、高い座標(y軸)値に関係付けられる。「力」と表現される単位は、kgで表された質量との直接の関連性から得られる。
【0058】
移動(mm)は、最大力に到達し、製品の弾性を示す距離単位によって測られる。
【0059】
曲線の下の面積(kg・mm)は、仕事の概算として定義され、したがって、製品の靭性の表示として計算される。その面積は、破壊するために製品に加えなければならない「力」または荷重を示す。それゆえ、靭性は、kg(y軸に示される力)・mm(x軸に示されるように移動した距離)として表される。
【0060】
それゆえ、ある実施の形態において、ペット向けガムは、約5kgから約60kg、好ましくは約10kgから約50kg、最も好ましくは約15kgから約45kgの硬度測定値、および約3mmから約40mm、好ましくは約5mmから約30mm、最も好ましくは約10mmから約20mmの弾性測定値を有する。このペット向けガムは、約200kg・mmから約900kg・mm、好ましくは約250kg・mmから約750kg・mm、最も好ましくは約300kg・mmから約600kg・mmの靭性測定値も有するであろう。
【0061】
B. 多量栄養素
ある実施の形態において、ペット向けガムは栄養的に完全食であることが考えられる。ペット向けスナックやおやつは通常、主食に加えて与えられ、一種類以上の必須栄養素が欠如している、これら栄養素の全てを正確なレベルで提供していないおよび/または推奨される与えるサイズを用いて動物のカロリー要件を満たすほど十分なカロリーを与えないことなどの多くの理由のために推奨される栄養要件を満たしていないであろう。本発明のペット向けガムは、犬の毎日の栄養とカロリーの要件を満たすように配合されている。
【0062】
多量栄養素に関するペット向けガムの配合物は、植物と動物に由来するタンパク質、脂質および穀粉を含んでよい。この配合物は特別に、別個の化学的性質および物理的性質を持つ複合製品を形成すること以外に、成形中の造形を容易にするように設計されている。
【0063】
本発明のペット向けガムは、いくつかの多量栄養素、例えば、タンパク質、炭水化物、湿潤剤、および水を有してなる。ビタミン類などの他の多量栄養素および/または微量栄養素をペット向けガムに加えてもよい。本発明のペットフードにおける追加の成分としては、製品に悪臭をさせ得る酸化プロセスを遅らせるための天然と人工の酸化防止剤、例えば、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)およびブチルヒドロキシトルエン(BHT)が挙げられる。防カビ剤、例えば、以下に限られないが、ソルビン酸カリウムを加えて、製品を駄目にする酵母やカビの増殖を防ぐおよび/または遅らせることができる。水分活性を調節する成分、例えば、グリセリンおよびプロピレングリコールを含ませても差し支えない。これも、微生物により腐る虞を減少させるのに役立つ。セルロースなどのテキスチャー改質剤を加えても差し支えない。テキスチャー改質剤のレベルを変えることによって、製品のテキスチャー特性に影響を与えることができる。ビタミンとミネラルのプリブレンドは、バランスのとれた毎日の食事に必要な正確なレベルのビタミン類とミネラル類を与える。
【0064】
ペット向けガムに含まれる全タンパク質レベルは、測定された質量対質量(w/w)で、約5%から約50%、約10%から約45%、約5%から約35%、またはそれらの間の任意の範囲であってよい。
【0065】
タンパク質は、植物、動物、および/または菌類由来の任意のタンパク質であって差し支えない。タンパク質の例としては、以下に限られないが、小麦グルテン、トウモロコシゼイン、トウモロコシグルテン、ヒマワリタンパク質、豆果タンパク質、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、落花生タンパク質、菜種タンパク質、ナッツタンパク質(例えば、ヘーゼルナッツ、アーモンド、ピスタチオタンパク質)、乳タンパク質(例えば、カゼインまたは乳清タンパク質)、コラーゲン、ゼラチン、ケラチン、卵アルブミン、およびマイコプロテインが挙げられる。
【0066】
ある実施の形態において、タンパク質成分は、ペット向けガムのテキスチャーを変えるための「高可溶性」タンパク質を含む。そのタンパク質の例としては、乳タンパク質、例えば、カゼインおよび乳清タンパク質が挙げられる。
【0067】
それゆえ、さらに別の実施の形態において、タンパク質は、乳タンパク質、例えば、カゼインタンパク質(例えば、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸カルシウム、カゼイン酸カリウム)または乳清タンパク質を含んでよく、これは、約1%から約30%、約3%から約25%、約5%から約20%の範囲、またはそれらの間の任意の範囲を占める。
【0068】
ある実施の形態において、本発明のペット向けガムに用いられるタンパク質は、疎水性結合およびジスルフィド架橋を形成することができ、これにより、本発明の所望の弾性が得られる。そのようなタンパク質の例は、プロラミンが豊富なタンパク質、例えば、以下に限られないが、小麦グルテン、トウモロコシゼインおよび大豆タンパク質である。プロラミンが豊富なタンパク質は、水および無水エタノール中に実質的に不溶性であるが、水とエタノールとの混合物中には溶解できる。
【0069】
それゆえ、ある実施の形態において、タンパク質成分は、プロラミンが豊富なタンパク質、例えば、以下に限られないが、小麦グルテン、トウモロコシゼインまたは大豆タンパク質を、約1%から約30%、約3%から約25%、約8%から約20%、またはそれらの間の任意の範囲で含んでよい。タンパク質成分は、プロラミンの豊富なタンパク質と一緒に、カゼインまたは乳清タンパク質を有してもよい。
【0070】
ある実施の形態において、ペット向けガムは、約20%から約80%、約25%から約70%、約30%から約65%、またはそれらの間の任意の範囲の量で炭水化物を含む。
【0071】
さらに、炭水化物は、約20%から約80%、好ましくは約25%から約70%、より好ましくは約30%から約65%またはそれらの間の任意の範囲の量でデンプンを含む。デンプンの例としては、以下に限られないが、タピオカ、サトウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモ、小麦、米、トウモロコシ、ライ麦、大麦、またはトウモロコシデンプンの天然のものおよび改質したものが挙げられる。デンプンが、ジャガイモまたはタピオカなどの塊茎由来であることが好ましい。デンプンがタピオカデンプンであることが最も好ましい。
【0072】
炭水化物は、好ましくは約0.5%から約40%、より好ましくは約5%から約30%、さらにより好ましくは約8%から約20%またはそれらの間の任意の範囲の量で穀粉を含んでいてもよい。穀粉の例としては、以下に限られないが、米粉、小麦粉、タピオカ粉、ジャガイモ粉、トウモロコシ粉、大豆粉またはレンズ豆粉が挙げられる。
【0073】
ある実施の形態において、ペット向けガムは、総デンプン基準で30%より大きいゲル化度を有する。それゆえ、デンプンのゲル化度は、好ましくは、約30%から約100%、より好ましくは約45%から約100%、さらにより好ましくは約70%から約100%である。デンプンのゲル化度は、ガムの持ち時間に影響を与える。
【0074】
さらに別の実施の形態において、ペット向けガム中の湿潤剤の量は、約5%から約50%、約10%から約45%、約15%から約35%、またはそれらの間の任意の範囲である。湿潤剤の例としては、以下に限られないが、ショ糖、塩化ナトリウム、ソルビトール、グリセリン、デンプン加水分解物、ブドウ糖、デンプン、麦芽糖、乳糖、ガム質、ガラクトース、クエン酸、アラニン、グリシン、高果糖トウモロコシ・シロップ、酒石酸、リンゴ酸、キシロース、PEG400、PEG600、プロピレングリコール、アミノ酪酸、マンニトール、マンノースまたはラクツロースが挙げられる。
【0075】
より詳しくは、湿潤剤は、プロピレングリコール、グリセリン、およびデンプン加水分解物の組合せを有してなり、ここで、プロピレングリコールの量は、約10%未満、より好ましくは約4%未満、さらにより好ましくは約3%未満である。プロピレングリコールは、製品中の水と結合し、それによって、水分活性を減少させる。プロピレングリコールは、微生物の増殖も遅らせる。
【0076】
さらに、ペット向けガムは、好ましくは約0.5%から約15%(w/w)、より好ましくは約3%から約10%、さらにより好ましくは約5%から約8%またはそれらの間の任意の量で食物繊維を有する。食物繊維源の例としては、以下に限られないが、細胞壁多糖類(セルロース、ヘミセルロース、ペクチン)および非細胞壁多糖類(グアール、イナゴマメガム、アラビアゴム、カラヤゴム、トラガカントゴム、寒天、アルギン酸塩およびカラゲナン)が挙げられる。
【0077】
ペット向けガム中に含まれる脂質の量は、好ましくは約1.0%から約20%、より好ましくは約3%から約15%、さらにより好ましくは約4%から約9%、またはそれらの間の任意の範囲である。そのような脂質の供給源の例としては、以下に限られないが、トウモロコシ油、大豆油、綿実油、落花生油、ブドウの種油、ヒマワリ油、オリーブオイル、獣脂、ラード、ショートニングおよびバター並びにそれらの組合せが挙げられる。
【0078】
ペット向けガム中の水分量は、好ましくは約5%から約30%、より好ましくは約10%から約25%、さらにより好ましくは約10%から約20%、またはそれらの間の任意の範囲である。より詳しくは、水分活性(Aw)は、約0.50から約0.85、より好ましくは約0.60から約0.80、さらにより好ましくは約0.60から約0.75である。
【0079】
本発明のペット向けガムは単一構成部すなわち一構成部または一層であって差し支えない。しかしながら、図1、6および7に示すように、本発明の好ましい実施の形態において、ペット向けガムは、1つより多い構成部または1つより多い層を有している。各層中に個々の多量栄養素の量は、全ての層で同じであっても、その量が、テキスチャーを変えるように変更されていてもよい。
【0080】
図1、6および7を参照すると、外側層20は第1層であり、ここで、タンパク質の量は、約5%から約50%、好ましくは約10%から約45%、より好ましくは約15%から約35%である。脂質の量は、約1%から約20%、好ましくは約3%から約15%、より好ましくは約3%から約10%である。炭水化物の量は、約5%から約95%、好ましくは約35%から約85%、より好ましくは約55%から約85%である。湿潤剤の量は、約5%から約50%、好ましくは約7%から約40%、より好ましくは約9%から約25%である。水分量または水の量は、約5%から約35%、好ましくは約8%から約30%、より好ましくは約10%から約25%である。
【0081】
図1、6および7を参照すると、内側層22は第2層であり、ここで、タンパク質の量は、約5%から約50%、好ましくは約10%から約40%、より好ましくは約15%から約30%である。脂質の量は、約1%から約25%、好ましくは約3%から約20%、より好ましくは約3%から約15%である。炭水化物の量は、約20%から約80%、好ましくは約30%から約70%、より好ましくは約35%から約65%である。湿潤剤の量は、約5%から約40%、好ましくは約10%から約35%、より好ましくは約15%から約25%である。水分量または水の量は、約5%から約30%、好ましくは約8%から約25%、より好ましくは約10%から約20%である。
【0082】
各層のタンパク質成分内で、プロラミンの豊富なタンパク質の量は、層の弾性に影響を与えるために変えることができる。例えば、好ましい実施の形態において、第1層のプロラミンの豊富なタンパク質の量は、約1%から約30%、好ましくは約5%から約25%、より好ましくは約5%から約20%であり、一方で、第2層では、プロラミンの豊富なタンパク質を約1%から約20%、好ましくは約3%から約15%、より好ましくは約5%から約15%含む。高可溶性タンパク質の量は、硬度に影響を与えるために変更できる。例えば、好ましい実施の形態において、第1層中の可溶性タンパク質の量は、約1%から約30%、好ましくは約3%から約20%、より好ましくは約5%から約15%であり、一方で、第2層では、約1%から約35%、好ましくは約3%から約25%、より好ましくは約5%から約15%である。
【0083】
当業者には、本発明は、第1層が外側層であり、第2層が内側層であることに制限されず、これらの層は、ペット向けガムのテキスチャーの性質の要望に応じて逆になっても差し支えないことが理解されよう。
【0084】
当業者には、本発明は上述した組成に制限されないことが理解されよう。それゆえ、本発明のペット向けガムは、上述した多量栄養素により生じる、上述した構造特性およびテキスチャー特性を持つ一層、二層または任意の多層のペット向けガムを包含する。
【0085】
C. ペット向けガムの消化性
消化性は食品の栄養的価値の尺度の1つである。消化性分析は、ドッグフードの代謝エネルギーを決定するためのプロトコルを用いて行うことができる。
【0086】
消化試験は、食品の栄養的価値における2つの重要な要因、すなわち、製品中の栄養素の量および動物に使用するためのそれら栄養素の効能を扱う。栄養素のレベルは、消化性と共に、動物が使用する栄養素の実際の量を決定する。
【0087】
一般に、消化研究は、食餌が与えられ、動物がそれに慣れるようになるまでの調節期間を含む。この後に、以下の情報(すなわち、食べられた食品の総量、特定の栄養素に関する食品のアッセイ、糞便の総量、および食品中に測定された同じ栄養素に関する糞便のアッセイ)を得る収集期間が続く。それゆえ、栄養素の消化性は、動物が食べた栄養素の総量から、糞便中に見つけられた栄養素の量を引き算することによって計算される。次いで、糞便および試験製品についての分析結果を用いて、乾物、タンパク質、カロリー消化性および代謝エネルギーを計算する。これらの値の計算に以下の式を使用できる。
【0088】
乾物(総)消化性:
[{(食べた食品の総量)×(食品の乾物%)}−{(糞便の総質量)×(糞便の乾物%)}]÷{(食べた食品の総量)×(食品の乾物%)}
【0089】
タンパク質の消化性:
[{(食べた食品の総量)×(食品のタンパク質%)}−{(糞便の総質量)×(糞便のタンパク質%)}]÷{(食べた食品の総量)×(食品のタンパク質%)}
【0090】
脂質の消化性:
[{(食べた食品の総量)×(食品の脂質%)}−{(糞便の総質量)×(糞便の脂質%)}]÷{(食べた食品の総量)×(食品の脂質%)}
【0091】
カロリーの消化性:
[{(食べた食品の総量)×(総エネルギー/食餌のグラム)}−{(糞便の総質量)×(総エネルギー/糞便のグラム)}]÷{(食べた食品の総量)×(総エネルギー/食餌のグラム)}
【0092】
代謝エネルギー(M.E.):
{(食餌の総エネルギー)−(糞便の総エネルギー)−(消化したタンパク質のグラム×1.25kcal/g)}÷食べた食品の量
【0093】
窒素を含まない抽出物(NEF):
100−(粗タンパク質%+粗脂質%+粗繊維%+水分%+灰分%)
【0094】
修正アトウォーターM.E.(kcal/kg):
10×{(3.5×粗タンパク質)+(8.5×粗脂質)+(3.5×NFE)}
【0095】
総エネルギー(kcal/g):
{(5.65×粗タンパク質)+(4.15×NFE)+(9.4×粗脂質)}÷100
【0096】
本発明のある実施の形態において、ペット向けガムは、70%より大きい、好ましくは80%より大きい、より好ましくは85%より大きい全体の消化性を有する。より具体的には、多量栄養素の消化性は以下のとおりである。タンパク質の消化性は90%より大きく、脂質の消化性は90%より大きく、カロリー消化性は約90%より大きい。
【0097】
D. コーティング
ペット向けガムは、美味しそうな光沢を与えるために、エタノール−トウモロコシゼインの特別な水溶液により被覆することができる。
【0098】
食用コーティングは、約10から約21%(w/w)のトウモロコシゼイン、約10から約70%(w/w)の水および約20から約80%(w/w)のアルコール(例えば、エタノール)を有してなる。さらに、コーティングは、約0.05から約5%(w/w)の食品着色剤、および約0.5から約10%(w/w)の天然または人工調味料を有していてもよい。
【0099】
着色剤は、所望の色の製品を製造するために、本発明の範囲の組成に含むことができる。適切な着色剤としては、以下に限られないが、合成着色剤および天然着色剤が挙げられる。合成着色剤としては、以下に限られないが、アマランス、ポンソー4R、タートラジン、サンセット・イエロー、インジゴ・カルミンなどのアゾ染料が挙げられる。天然の着色剤としては、以下に限られないが、キサントフィル、クロロフィル、および酸化鉄などの金属酸化物が挙げられる。好ましい実施の形態において、着色剤は、酸化鉄またはキャラメル色である。
【0100】
天然および/または人工調味料または調味料を生成するまたは含有する任意の成分としては、以下に限られないが、薫製、牛肉、鶏、鶏のレバー、豚肉、ベーコン、七面鳥、七面鳥のレバー、エビ、カニ、または魚が挙げられる。
【0101】
E. 製品の給餌
3.2kcal/gのカロリー密度に基づいて、130グラムのペット向けガムは416kcal/骨を与え、340グラムのペット向けガムは1088kcal/骨を与える。動物の大きさと体重に応じて、一本のペット向けガムの消費は、毎日のカロリー摂取に大いに貢献する。例えば、18%の毎日の摂取から、約36%、約72%の毎日の摂取、約95%、約190%。
【0102】
さらに別の実施の形態において、ペットがペット向けガムを食べるのには、4分以上かかるであろう。好ましい実施の形態における際立って特徴的な特性は、「長持ち時間」とここでは定義する、犬が製品を食べるのにかかる時間である。犬は一般に、小さな製品は2つの様式の内の一方で食べる。犬は、小さなサイズの製品は、一般に数秒間で、わずかしかまたは全く噛まずに食べることができる、または犬は、キブルなどの食品を一日中(60分以上)食べることができる。本発明の独特なデザイン、具体的には、テキスチャー、サイズ、およびカロリー密度のために、犬は、食べるために製品全体を噛まなければならない。
【0103】
長持ち時間を測定するために、試験に用いた犬が製品を食べ始めたときから食べ終わるまでの時間を考えて、クロノメーター(または腕時計)により、骨を食べるのに実際にかかった時間を記録した。これらの応答の相加平均を、各製品サイズについての平均長持ち時間とした。
【0104】
ある実施の形態において、ペット向けガムの長持ち時間は、約4から約60分であり、好ましい長持ち時間は5から40分であり、最も好ましくは10から30分である。小さいなサイズの製品について、平均長持ち時間は約15分であり、大きなサイズのは10分である。
【0105】
III. 製造プロセス
本発明のペット向けガムは、任意の従来の方法、例えば、押出成形または射出成形によって加工できる。これらのプロセスは、単一構成部すなわち一構成部および/または二つの構成部または二構成部および/または多構成部のペット向けガムを製造するために改良しても差し支えない。
【0106】
図8は、本発明の製品を製造するために用いることのできる基本的な押出プロセスの流れ図を示している。このプロセスは、押出機(二軸または一軸スクリュー)を1つだけ含む。製品は、ダイから吐出され、以下に限られないが、二次成形、ばり取り、コーティング、切断、ベーキング、レトルト処理または放射処理を含むさらに別の加工地点まで搬送される。より具体的には、このプロセスは一般に、選択された原料38を、ブレンド、粉砕およびバッチ配合プロセス40に送り込むことから始まる。このプロセスにおいて、原料は一般にホッパー内に投入される。ポンプが、ホッパー内の内容物をミキサ中に送り込み、ここで、様々な他の成分が導入される。例えば、出発成分を、一種類以上の着色剤、調味料、および一種類以上のビタミンと混合することが望ましいであろう。これらの成分はミキサ内で組み合わせられる。これには、得られる混合物中に全成分を適切に分布させるのに十分な期間に亘り、原料の内のいくつかを粉砕することを含んでもよい。
【0107】
原料を混合し、ブレンドした後、これらの原料は、押出機42による加工の準備ができている。原料は、押出機42を通り、本発明の製品の外面に特定のテキスチャーを与えることが好ましいダイ46を通り、特定の形状を本発明のペットフード製品に与える成形ヘッドを通って移動する。成形ヘッドを出た後、過剰の原料を除去するために、製品をばり取り区画内で処理しても差し支えない。ばり取り区画を出る際に、ペット向けガムはコーティング区画48に進む。ペット向けガムが一旦被覆されたら、切断チャンバ50内で切断され、包装54される前に冷却チャンバ52内で冷却してもよい。
【0108】
好ましい実施の形態において、押出プロセスは、図9に示すように、2つの押出機(二軸または一軸スクリュー)を含む共押出プロセスであって差し支えない。各押出機から排出された押出流れが、特別に設計された開口部を持つ共通のダイ中に合流する。製品は、ダイから吐出され、以下に限られないが、二次成形、ばり取り、コーティング、切断、ベーキング、レトルト処理または放射処理を含むさらに別の加工位置に搬送される。プロセスの工程は、食品加工設備における自動アセンブリラインについて説明されている。しかしながら、ここに記載した本発明を実施するために自動アセンブリラインは必要なく、これらの工程の全てまたは一部を非自動化様式で行ってもよいことを理解すべきである。より具体的には、共押出プロセスは一般に、選択された原料38,39を、ブレンド、粉砕およびバッチ配合プロセス40,41に送り込むことから始まる。このプロセスにおいて、原料は一般にホッパー内に入れられる。ポンプが、ホッパー内の内容物をミキサ中に送り込み、ここで、様々な他の成分が導入される。例えば、出発成分を、一種類以上の着色剤、調味料、および一種類以上のビタミンと混合することが望ましいであろう。これらの成分はミキサ内で組み合わせられる。これには、得られる混合物中に全成分を適切に分布させるのに十分な期間に亘り、原料の内のいくつかを粉砕することを含んでもよい。ブレンド、粉砕およびバッチ配合プロセス40,41は、内側構成部と外側構成部の諸成分に応じて、少なくとも1つの好ましくは2つの別個のブレンド、粉砕およびバッチ配合プロセス40,41を含んでよい。例えば、内側構成部と外側構成部の諸成分が異なる場合、2つの別個のブレンド、粉砕およびバッチ配合プロセスが必要になる。
【0109】
原料を混合し、ブレンドした後、これらの原料は、押出機42,43による加工の準備ができている。原料は、押出機42,43を通り、本発明の製品の外面に特定のテキスチャーを与えることが好ましいダイ46を通り、特定の形状を本発明のペットフード製品に与える成形ヘッドを通って移動する。成形ヘッドを出た後、過剰の原料を除去するために、製品をばり取り区画内で処理しても差し支えない。ばり取り区画を出る際に、ペット向けガムはコーティング区画48に進む。ペット向けガムが一旦被覆されたら、切断チャンバ50内で切断され、包装54される前に冷却チャンバ52内で冷却してもよい。
【0110】
それゆえ、ペット向けガムは、1つの押出機または同じか異なる能力を持つ少なくとも2つの押出機を必要とする、単独押出製品または共押出製品である。押出機は、様々なバレル長さおよび形状を有していてよい。バレルのセクションは、押出機中への粉末および/または液体の供給を可能にするように改良できる。バレル・セクションは、押出機のダイから出る前に、ベント・スタファーにより真空下で過剰の液体を除去するように改良できる。作業者は、液体を除去することによって、完成した製品における液体レベルを調節し、それゆえ、製品の膨張、密度およびテキスチャーを調節することができるであろう。
【0111】
ペット向けガムについて、最初の製品の成形は、ダイの出口またはダイのノズルに向かって、押出ダイまたは共押出ダイで始まる。押出ダイまたは共押出ダイは、製品が成形機から流れ出す位置であって、複合ロープに組み合わされることもある位置である。この組合せは、物理的な空間制限、製品の配合、共押出ダイで行われる製品の成形程度、最終製品のテキスチャーおよび形状に応じて、様々な様式で生じるであろう。ダイのノズルの断面積および長さは、製品(および個々の層)の配合、製品のサイズ、形状、複合ロープの個々の層の相対比およびさらなる加工(追加の成形などの)の要件による。多層のペット向けガムの場合、内側層対外側層の相対質量比は、5:95から95:5%の範囲のいずれであってもよい。ペット向けガムについて、内側/外側の好ましい比は、35〜40:65〜60%の範囲にある。層比の最終的な内訳は、特にそれらの層が異なる配合を有する場合、最終製品のテキスチャーに影響を及ぼす。
【0112】
三層以上の場合、追加の層は、様々な比で内側層と外側層との間に組み入れて、形状、構成およびテキスチャーの可能性を充実させてもよい。その結果、ダイのノズルの断面積は、製品の要件に応じて、形状とサイズが異なるであろう。
【0113】
押出温度は、ペット向けガムの調理プロセスをモニタし、調節するために重要である。加熱・冷却システムは、供給バレルを除いた(望ましいが、必要ではない)押出機または射出成形機の全てのセクションの温度を測定し、調節できなければならない。各セクションを独立して調節できなければならない。調理プロセスのための温度範囲は、以下に限られないが、摂氏約40度から摂氏約140度までである。
【0114】
押出後の二次成形のための製品温度は、好ましくは摂氏約40度から摂氏約130度、より好ましくは摂氏約80度から摂氏約120度、最も好ましくは摂氏約90度から摂氏約110度である。
【0115】
成形装置は、内部または外部で温度制御された少なくとも2つのホイールを備えている。これらホイールの表面は、摩耗を防ぐためまたは製品の離型を促進するための保護コーティングで被覆されていてよい。
【0116】
製品全体は、必要量のタンパク質、脂質、ビタミン類およびミネラル類、水分並びに炭水化物により栄養的に完全食である製品を製造するように配合される。しかしながら、テキスチャーの要件のために、外側層は、ゲル化の際の多少長く筋の多いテキスチャーを生成するであろうタピオカデンプンをより多く、噛みごたえのあるテキスチャーを生じるタンパク質、特に小麦グルテンを潜在的に含むように配合される。外側層は、内側層を取り囲んでおり、食べる最中に接触する最初の地点であるので、タピオカデンプン、カゼイン酸ナトリウム、小麦グルテンおよびセルロースファイバを潜在的に高い割合で含むために、一層構造的な健全性を有するように設計されている。内側層は、粉末および粗挽き粉を潜在的に高いレベルで含み、タピオカデンプンおよび小麦グルテン、並びにカゼイン酸ナトリウムを潜在的に低いレベルで含むために、より軟らかくより短いテキスチャーを有するように設計されている。外側層は、滑らかな外観を生じるように配合される。内側層は、粗いテキスチャーの見掛けを生じるように配合される。
【0117】
より詳しくは、外側層は、約15%から約30%のタンパク質、約3%から約15%の脂質、約35%から約65%の炭水化物、約15%から約25%の湿潤剤、および約10%から約20%の水を有してなる。タンパク質成分の内、約20から約80%はプロラミンが豊富なタンパク質であり、約20から約80%はカゼイン酸塩およびゼラチンなどの高可溶性タンパク質である。
【0118】
内側層は、約15%から約30%のタンパク質、約3%から約15%の脂質、約35%から約65%の炭水化物、約15%から約25%の湿潤剤、および約10%から約20%の水を有してなる。タンパク質成分の内、約20から約80%はプロラミンが豊富なタンパク質であり、約20から約80%はカゼイン酸塩およびゼラチンなどの高可溶性タンパク質である。
【0119】
成形装置は、図1から5に示すように、フレア状の骨形状をペット向けガムに与える。成形は、少なくとも2つのホイールを備えた回転式成形機と、潜在的に、造形中にホイールの間で圧迫された過剰の材料を除去するためのばり取り機によって行われる。回転式成形機のホイールは、その中で機械加工される、所望のペット向けガム製品の外形体積を有する。これらのホイールは、同じでも異なっていてもよい。例えば、ホイールの一方は、対応する対が凹部を有していなくても、基部から突出した形状または特定の名称を有する。両方のホイールが、名称または形状いずれかの同じ凹部を有し、したがって、名称または形状の同じ押印を持つ製品を形成することも可能である。ホイールは異なる凹部を有し、したがって、一方の側に名称を、他方の側に形状を持つ製品を形成してもよい。
【0120】
ホイールは、ペット向けガムの長手方向に沿って可変速度を有し、製品が、ホイールの間で潜在的に可変の体積を満たすことができる。
【0121】
成形動作中、ペット向けガムの外側層から余分な材料が生じる。この過剰な材料すなわちばりは、輪郭形状を与えるために除去される。過剰な材料を除去するために、このプロセスにおいて、ばり取りユニットが用いられる。ばり取りユニットは、過剰のばりを除去すれために用いられる一連の切断ホイールを備えることができる。ばり取り機は、ペット向けガム製品の形成されるプロファイルに従うように設計される。本発明の製品は、ばり取りユニットの使用の有無にかかわらずに製造できる。
【0122】
ばり取りユニットの後に、コーティング・システムを配置してもよい。好ましいシステムは、製品を完全に被覆するための4つの噴霧ノズル、スプレー飛沫および霧を取り扱うための1つ以上の覆い/マニホールド、溶媒蒸気を取り扱うための1つ以上の封じ込めユニット、および動作中の異なるスプレーの変化をプログラムするための1つ以上の制御装置からなっていてよい。噴霧システムは、衛生フランジ管継手を備えるように、ステンレス鋼から製造される。噴霧に加えて、コーティングは、吹付け、エンロービング、ブラシ塗り、静電コーティング、蒸着、表面印刷、または表面塗装により施してもよい。
【0123】
ペット向けガムのコーティングは、着色および光沢によって高級な外観を与えるために設計された補助ユニット動作である。二次成形により、ペット向けガム製品の輪郭に沿って延伸および剪断の影響が生じるであろう。コーティングは、完成したペット向けガム製品の外観への二次成形の影響を減少させるであろう。
【0124】
コーティング溶液は、ばり取り機を出る際にペット向けガム製品に施される。ペット向けガム製品は、多数のノズルを備えた吹付けチャンバを通過する。この時点で、製品の温度は摂氏約95度であり、それゆえ、コーティングを迅速に(約10秒)乾燥することができる。表面被覆率を良好にするために、コーティング溶液は、製品の総質量の約0.5〜1.0%で、ペット向けガム製品に施される(湿潤被覆率)。乾燥を用いて、コーティング溶液の約50%を製品の表面から蒸発させると、完成したペット向けガム製品の質量は、約0.25〜0.50%増加する。乾燥の際のペット向けガムの表面積の被覆率に関して、約1.6〜4.0mgのコーティング/骨の表面のcm2が、完全な表面被覆率を確実にするために存在する。
【0125】
ペット向けガム製品に関するノズルの相対的な方向付けに加えて、被覆すべきペット向けガム製品とノズルとの間の距離を変えることができる。ノズルは、90°(製品に関して垂直)または45°などのより小さな角度のいずれかで配置することができる。
【0126】
スプレーガンと製品との間の距離を減少させることによって、送風機の圧力が高いより長い距離と比較して、同じ被覆率および均一性を達成するために、送風機の圧力を減少させることができる。
【実施例】
【0127】
IV. 実施例
以下の実施例は、本発明の好ましい実施の形態を示すために含まれたものである。以下の実施例に開示された技法は、本発明の実施において良好に機能するために本発明により発見された技法を表し、それゆえ、その実施のための好ましい態様を校正すると考えられることが当業者には認識されよう。しかしながら、当業者には、この開示に照らして、開示された特定の実施の形態に多くの変更を行っても、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、同じか同様の結果を得られることが認識されるであろう。
【0128】
実施例1
本発明の実施の形態の1つは、フレア状または骨形状を持つペット向けガム製品である(図1〜5)。このペット向けガム製品は、内側および外側構成部20,22を有する。成分のレシピの例が表2に列記されている。
【表2】

【0129】
本発明のある実施の形態はコーティング層である。このコーティングは、表2に記載されたペット向けガムに施される。成分のレシピの例が表3に列記されている。
【表3】

【0130】
表4は、実施例1に記載されたペット向けガムのテキスチャー特性を示している。
【表4】

【0131】
表5は、実施例1に記載されたペット向けガムのさらに別の品質を示している。
【表5】

【0132】
本発明およびその利点を詳細に記載してきたが、添付の請求項により定義された本発明の精神および範囲から逸脱せずに、様々な変更、置換および改変を行えることが理解されよう。さらに、本発明の範囲は、明細書に記載したプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法および工程の特定の実施の形態に制限されることを意図したものではない。既存の、またはここに記載した対応する実施の形態と実質的に同じ結果を達成するまたは実質的に同じ機能を果たす将来開発される、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法および工程を、本発明にしたがって用いてよいことが、当業者には本発明の開示から容易に明らかであろう。したがって、添付の請求項は、そのようなプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法および工程を発明の範囲に含むことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】好ましい実施の形態の斜視図
【図2】好ましい実施の形態の長手方向平面図
【図3】ある実施の形態の別の長手方向の平面図
【図4】ある実施の形態のさらに別の長手方向の平面図
【図5】ある実施の形態の別の長手方向の平面図
【図6】好ましい実施の形態の断面図
【図7】好ましい実施の形態の別の断面図
【図8】押出プロセスの流れ図
【図9】別の好ましい押出プロセスの流れ図
【符号の説明】
【0134】
10 ペット向けガム
20 外側層
22 内側層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約5から約50%(w/w)のタンパク質、約20から約80%(w/w)の炭水化物、約5から約50%(w/w)の湿潤剤、および約5から約30%(w/w)の水を有してなるペット向けガムであって、成形されたときに、約5kgから約60kgの硬度測定値および約3mmから約40mmの弾性測定値を有するペット向けガム。
【請求項2】
第1層および第2層を有してなることを特徴とする請求項1記載のペット向けガム。
【請求項3】
約200kg・mmから約900kg・mmの靭性測定値を有することを特徴とする請求項1記載のペット向けガム。
【請求項4】
30%より大きいデンプン・ゲル化度を有することを特徴とする請求項1記載のペット向けガム。
【請求項5】
外側コーティングをさらに有することを特徴とする請求項1記載のペット向けガム。
【請求項6】
前記外側コーティングが、水、アルコール、トウモロコシゼイン、着色剤、および天然および/または人工調味料の溶液からなることを特徴とする請求項5記載のペット向けガム。
【請求項7】
70%より大きい消化性を有することを特徴とする請求項1記載のペット向けガム。
【請求項8】
前記タンパク質が、小麦グルテン、トウモロコシゼイン、トウモロコシグルテン、ヒマワリタンパク質、豆果タンパク質、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、落花生タンパク質、菜種タンパク質、ナッツタンパク質、乳タンパク質、コラーゲン、ゼラチン、ケラチン、卵アルブミン、マイコプロテインおよびそれらの組合せからなる群より選択されることを特徴とする請求項1記載のペット向けガム。
【請求項9】
前記第1層のタンパク質が、プロラミンが豊富なタンパク質を約20から約80%(w/w)、高可溶性のタンパク質を約20から約80%(w/w)有してなることを特徴とする請求項2記載のペット向けガム。
【請求項10】
前記第2層のタンパク質が、プロラミンが豊富なタンパク質を約20から約80%(w/w)、高可溶性のタンパク質を約20から約80%(w/w)有してなることを特徴とする請求項2記載のペット向けガム。
【請求項11】
前記炭水化物が、タピオカ、サトウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモ、小麦、米、ライ麦、大麦、およびトウモロコシデンプンからなる群より選択されるデンプンを有してなることを特徴とする請求項1記載のペット向けガム。
【請求項12】
前記湿潤剤が、ショ糖、塩化ナトリウム、ソルビトール、グリセリン、水素化デンプン加水分解物、ブドウ糖、デンプン、麦芽糖、乳糖、ガム質、ガラクトース、クエン酸、アラニン、グリシン、高果糖トウモロコシ・シロップ、酒石酸、リンゴ酸、キシロース、PEG400、PEG600、プロピレングリコール、アミノ酪酸、マンニトール、マンノースおよびラクツロースからなる群より選択されることを特徴とする請求項1記載のペット向けガム。
【請求項13】
前記湿潤剤は、プロピレングリコール、グリセリン、および水素化デンプン加水分解物であることを特徴とする請求項12記載のペット向けガム。
【請求項14】
プロピレングリコールが前記ペット向けガムの10%(w/w)未満を占めることを特徴とする請求項12記載のペット向けガム。
【請求項15】
約10%から約21%(w/w)のトウモロコシゼイン、約10%から約70%の水および約20%から約80%のアルコールを有してなる食用コーティング層。
【請求項16】
約0.05%から約5%(w/w)の食品着色剤、および約0.5%から約10%(w/w)の天然または人工調味料をさらに含むことを特徴とする請求項15記載の食用コーティング層。
【請求項17】
二層のペット向けガムを製造する方法であって、
約15から約35%(w/w)のタンパク質および約10から約55%(w/w)のデンプンを少なくとも有してなる第1の乾燥混合物を混合する工程、
約15から約35%(w/w)のタンパク質および約10から約55%(w/w)のデンプンを少なくとも有してなる第2の乾燥混合物を混合する工程、
前記第1の乾燥混合物に、約5から約35%(w/w)の湿潤剤および約5から約30%(w/w)の水を加えて、第1の構成部を形成する工程、
前記第2の乾燥混合物に、約5から約35%(w/w)の湿潤剤および約5から約30%(w/w)の水を加えて、第2の構成部を形成する工程、
前記第1の構成部を前記第2の構成部内に共押出しして、二重構成部の押出物を形成する工程、および
前記二重構成部の押出物の三次元形状を造形して、二層のペット向けガムを形成する工程、
を有してなる方法。
【請求項18】
前記共押出工程が、ゲル化された二重構成部の押出物を形成する加熱工程を含むことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記造形工程が、少なくとも2つのホイールを備えた回転式成形機を使用し、該ホイールが、その中で加工される前記ペット向けガムの輪郭体積を有することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記ペット向けガムに被覆溶液を施す工程を含む被覆工程をさらに有することを特徴とする請求項17記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−223308(P2006−223308A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−42377(P2006−42377)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(390037914)マーズ インコーポレイテッド (80)
【氏名又は名称原語表記】MARS INCORPORATED
【Fターム(参考)】