説明

ペット用スナック

【課題】 ペットに与えるスナックをペットの嗜好性に合うようにするだけでなく、ペットと飼い主のコミュニケーション手段としても好ましいものとなるように、材料、形状、固さを考慮し、ペットがスナックを食べる姿によって飼い主が満足感を得られるペット用スナックを提供する。
【解決手段】 本発明のペット用スナック1は、引き伸ばした1本の鶏ささ身肉2を、芯棒3に巻き付けたロール状に成形して乾燥させ、乾燥肉から芯棒3を抜き取ることによって、細長い断面中空棒状に形成されている。ペットはこのスナック1を前足で挟み、先端をしゃぶったりかじったりする様子を飼い主に見せ、とてもかわいい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットにおやつとして与えるペット用スナックに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、家庭で飼われている犬や猫には、「おやつ」やしつけの褒美としてペット用のスナックが与えられることがある。例えばペット用のスナックには、ささ身などの鶏肉や牛肉などを乾燥させた、いわゆるフリーズドライ製品やジャーキー等が市販されており、嗜好性がよく適度な歯ごたえのあるペットフードとして好まれている。
【0003】
従来、特許文献1に記載されているような犬用ガムが提案されている。この犬用ガムは挽き潰した牛皮と蓄肉とを混ぜ合わせ、ミキサーで練り、扁平に成形した状態で乾燥させ、その後適当な大きさに裁断して形成されている。
【特許文献1】特開平11−127796号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来例のように犬用スナックは、食べやすさや歯ごたえが要求される傾向にあったが、犬本来のしゃぶったりかじったりする習性を満たすと同時に、飼い主がその食べる様子を見て好感を持てるようなスナックであることが望ましい。すなわち、飼い主のかわいいペットが食事(主食)とは別に与えられるスナックには、ペットの嗜好を満足させるとともに、飼い主とのコミュニケーションの手段として利用される側面が多分にあるため、ただ単に食べやすい形状のスナックというのではなく、ペットがスナックを食べている姿を飼い主が眺めて楽しめる要素も必要である。
【0005】
そこで本発明は、上記のような事情にかんがみてなされたものであり、犬や猫などのペットに与えるスナックをペットの嗜好性に合うようにするだけでなく、飼い主とペットとのコミュニケーション手段としても好ましいものとなるように、材料、形状、および固さを考慮し、ペットがスナックを食べる姿によって飼い主が満足感を得られるスナックを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するため、本発明は、シート状に引き伸ばした生肉をロール状に成形して乾燥させた断面中空棒状のペット用スナックであることを特徴としている。
【0007】
このように断面中空棒状のスナックであることから、ペットが噛み切ることができる程度の適度な弾力性を有するスナックとすることができる。そして、ペットがスナックを食べるときには、前足で棒状のスナックを挟んで、その先端をしゃぶったりかじったりする様子を飼い主に見せる。したがって、その食べる姿があたかも両手でスナックを挟んで食べているように見え、かわいらしく好印象であり、飼い主とのコミュニケーション手段として好ましいものとなる。
【0008】
また、本発明では前記構成のペット用スナックにおいて、生肉の乾燥は引き伸ばした生肉を芯棒に巻き付けた状態でなされ、この芯棒を乾燥肉から抜き取ることにより断面中空棒状に形成されていることをことが好ましい。
【0009】
これにより、断面中空棒状に形成することが容易であり、乾燥させても中空部がつぶれないので生産性にも優れたものとすることができる。
【0010】
さらに、本発明のペット用スナックは、前記生肉が1本の鶏ささ身肉であることを特徴としている。このように、1本の鶏ささ身肉をそのまま使用して加工することにより、素材感を損なうことがなく、使用している素材に対する安心感を飼い主に与えることができ、好ましい。
【発明の効果】
【0011】
上述のように構成される本発明のペット用スナックによれば、材料、形状、および固さが考慮されたスナックであるので、犬や猫などのペットの嗜好性に合うものとなるだけでなく、ペットがスナックを食べる姿によって飼い主が満足感を得られ、飼い主とペットとのコミュニケーション手段としても好ましいものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係るペット用スナックを実施するための最良の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1〜図3は本発明のペット用スナックの一例を示し、図1はペット用スナックの説明図、図2はスナックの製造方法を示す説明図、図3はスナックを犬が食べる様子示す説明図である。
【0014】
図1に示すようにスナック1は、断面中空棒状の形態をしている。このスナック1は
シート状に引き伸ばした生肉から形成されている。生肉には1本の鶏ささ身肉2を、切断したりミンチ状に粉砕したりせず、そのままの状態から使用する。そして、肉厚の鶏ささ身肉2をローラ等の適宜の圧延手段を用いて、所定の厚さおよび面積になるように引き伸ばす。これは、例えば1本の鶏ささ身肉2が、厚さ約5mm以下となり、鶏ささ身肉2の元の面積に対して約2〜3倍程度に引き伸ばされたシート状となるようにすることが好ましい。
【0015】
そして、このように引き伸ばした1枚の鶏ささ身肉2を、ステンレス製丸棒などの適宜の芯棒3に巻き付けて成形する。鶏ささ身肉2は、もともと細長形状であるので、シート状に引き伸ばしたときの長い方向に、芯棒3の軸を沿わせるようにして巻き付けることで、長さが約10cm〜15cmの棒状に成形することができる。
【0016】
このようにロール状に成形した状態で乾燥庫に入れ、鶏ささ身肉2の水分含有量を低下させる。水分含有量は、あまりに多いとカビが生えて日持ちしなくなり、あまりに少ないと固くなりすぎて見栄えも悪くなる。このため、適切な範囲内の水分含有量となるように、乾燥庫内の温度および乾燥時間が管理されることが好ましい。そして、所定の水分含有量まで乾燥し、鶏ささ身肉2がロール状に固化すると、この乾燥肉から芯棒3を抜き取る。これにより、太さが1.5〜2cm程度の略円筒形あるいは略角筒形で、かつ断面中空のスナック1を得ることができる。
【0017】
このようにスナック1は、断面中空の棒状であることから、中実の棒状とするよりも適度な弾力を備えたものとなり、ペットの食べやすい固さにすることができる。また、スナック1は中空であることから、適度なボリュームを備えつつも、軽量に仕上げることができる。また、使用した鶏ささ身肉2は、薄く引き伸ばされてからロール状に成形されているので、できあがったスナック1がペットにはちょうど噛み切りやすい肉厚のものとなる。
【0018】
そして、スナック1が適度なボリュームのある軽量な棒状体であるので、ペットがこのスナック1を食べるときには、2本の前足で棒状のスナック1を上手に挟み、スナック1の先端をしゃぶったりかじったりする様子を飼い主に見せる。この食べる姿は、あたかも両手でスナック1を挟んで食べているように見えてかわいらしく、また行儀の良さや賢さなどの好印象を飼い主に与える。したがって、スナック1は、飼い主とのコミュニケーション手段として好ましいものとなる。
【0019】
また、原材料として使用する生肉が1本の鶏ささ身肉2であることから、スナック1の素材感を損なうことがなく、飼い主はスナック1に使用している原材料を一目で認識することができる。したがって、このようなスナック1により、飼い主に対してペットフード素材に対する安心感を与えることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、犬や猫などのペットに、「おやつ」やしつけの褒美などとして与えるスナックに好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るペット用スナックの一例を示す斜視図である。
【図2】図1のスナックの製造方法を示す説明図である。
【図3】図1のスナックを犬が食べる様子示す説明図である。
【符号の説明】
【0022】
1 スナック
2 鶏ささ身肉
3 芯棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状に引き伸ばした生肉をロール状に成形して乾燥させた断面中空棒状のペット用スナック。
【請求項2】
前記生肉の乾燥は引き伸ばした生肉を芯棒に巻き付けた状態でなされ、この芯棒を乾燥肉から抜き取ることにより断面中空棒状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のペット用スナック。
【請求項3】
前記生肉は1本の鶏ささ身肉であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のペット用スナック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−129990(P2007−129990A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−328562(P2005−328562)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【出願人】(591009255)株式会社ヤマヒサ (70)
【Fターム(参考)】