説明

ペット用枕

【課題】犬や猫等のペットの顎部を受ける顎載せ部を有するペット用枕において、その高さを好みに応じて変えることを可能とする。
【解決手段】平板状を呈する枕本体1の裏面に、少なくとも一対の係止具2a,2bが設けられ、この係止具2a,2bが係脱されることにより、枕本体1が平板状状態と二つ折り状態との二形態間で変形可能とされている。これにより、好みに応じて枕本体1を平板状状態や二つ折り状態として、枕本体1の高さを調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬や猫等のペットの顎部を受ける顎載せ部を有するペット用枕に関する。
【背景技術】
【0002】
犬や猫等のペットは、頭部を若干持ち上げた状態で寝そべることが多く、具体的には、床に置かれたクッション等の上に顎を載せて寝そべることが多い。
【0003】
このようなペットの習性に着目して、近年では、ペットが顎を載せるためのペット用枕(例えば、特許文献1)が開発されている。
【特許文献1】実登第3132426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、寝そべっているペットが頭部を持ち上げる高さは、ペットの体格や好み等に応じて様々である。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のペット用枕は、その高さが一定の高さに固定されており、高さを変えることができないため、枕の高さがペットに合わない場合には、ペットに合った高さを有する別のペット用枕を用意しなければならなかった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、好みに応じて高さを調整することができるペット用枕を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るペット用枕は、ペットの顎部を受ける顎載せ部を有するペット用枕であって、平板状を呈する枕本体の裏面に、少なくとも一対の係止具が設けられ、この係止具が係脱されることにより、前記枕本体が平板状状態と二つ折り状態との二形態間で変形可能とされたことを特徴とする。
【0008】
この構成により、平板状状態にある枕本体において、その高さが低いと感じる場合には、係止具を係止して二つ折り状態とすることで、枕本体の高さを高くすることできる。つまり、好みに応じて枕本体を平板状状態や二つ折り状態として、枕本体の高さを調整することができる。
【0009】
また、本発明に係るペット用枕において、前記枕本体は、その全体形状が任意の動物の形態に模されており、該動物の胴体部分が前記二形態間で変形可能とされていてもよい。
【0010】
この構成により、ペットは動物の形態が模されたペット用枕に顎を載せて寝そべることとなるから、飼い主はその光景のかわいらしさを楽しむことができる。
【0011】
また、本発明に係るペット用枕において、前記枕本体は、前記係止具により二つ折り状態とされた際、その内部にペット用のおもちゃを隠せるように構成されてもよい。
【0012】
この構成により、枕本体にペット用のおもちゃが隠されると、ペットは、そのおもちゃを取ろうと、枕本体を転がしたり、引っかいたりして試行錯誤を重ねる。これにより、ペットの知能を育成することができる。つまり、ペット用の枕としてだけでなく、ペットの知育用具等の玩具としても用いることができるペット用枕を提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るペット用枕は、枕本体が平板状状態と二つ折り状態との二形態間で変形可能に構成されているので、好みに応じて枕本体を平板状状態や二つ折り状態として、枕本体の高さを調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜4を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係るペット用枕の概略構成を説明するための図であり、平板状状態にある枕本体にペットが顎を載せている状態を示す説明図である。
【0016】
また、図2及び図3はそれぞれ、本発明の実施の形態に係るペット用枕の概略構成を説明するための上面図及び底面図である。
【0017】
また、図4は、本発明の実施の形態に係るペット用枕の概略構成を説明するための図であり、二つ折り状態にある枕本体にペットが顎を載せている状態を示す説明図である。
【0018】
本発明の実施の形態に係るペット用枕は、ペットの顎部を受ける顎載せ部12を有する構成とされている。
【0019】
また、本実施の形態に係るペット用枕において、枕本体1の全体形状は、猫の形態に模されており、猫の胴体部分13にあたる領域に顎載せ部12を有している。
【0020】
また、枕本体1は、外側が柔軟性のある素材で作成されており、その柔軟性のある素材で包まれた中身に、弾力性のある素材が詰められた構成とされている。
【0021】
柔軟性のある素材としては、例えば、ポリエステル、アクリル、ナイロンその他の化学繊維や、木綿、毛その他の天然動植物繊維からなる、ボア、モヘヤ、フランネル、フリース、フェルト、ベルベット、天竺、帆布、フェイクファー等の起毛繊維材、及びこれらに類する質感の織布、不織布、合成又は天然皮革、さらには繊維風の質感を模した樹脂製シート材や紙製シート材等を使用することができる。
【0022】
また、弾力性のある素材としては、通常のクッションや枕の詰め物として使用されるものをいずれも使用することができ、例えば、コットン、ウレタン、蕎麦殻等を使用することができる。
【0023】
また、猫の形態を模した枕本体1の平板状を呈する裏面において、猫の胴体部分13にあたる箇所の一端部131には、係止具として、スナップのボールサイド2aが2つ取り付けられている。そして、この端部131と対向する他端部132には、ボールサイド2aと対向する位置に、ボールサイド2aとで対をなすスナップのソケットサイド2bが2つ取り付けられている。
【0024】
このため、猫の形態を模した枕本体1の猫の胴体部分13は、ボールサイド2aがソケットサイド2bへ係止されることにより、二つ折り状態とされ、その係止が外されることにより、平板状状態とされる。
【0025】
すなわち、本実施の形態に係るペット用枕は、平板状を呈する枕本体1の裏面に設けられた係止具2a,2bが係脱されることにより、枕本体1が平板状状態と二つ折り状態との二形態間で変形可能とされており、例えば、平板状状態にある枕本体1にペットPの顎を載せてみて、枕本体1の高さHが低いと感じる場合には、係止具2a,2bを係止して枕本体1を二つ折り状態とすることで、枕本体1の高さHを高くすることができる。換言すると、本実施の形態に係るペット用枕は、好みに応じて枕本体1を平板状状態や二つ折り状態として、枕本体1の高さHを調整することが可能な構成とされている。
【0026】
また、枕本体1は、係止具2a,2bにより二つ折り状態とされた際、その内部にペット用のおもちゃTを隠せるように構成されている。ここで、ペット用のおもちゃTには、ペットが口に銜えたり、転がしたり等して遊ぶためのおもちゃだけでなく、ビーフジャーキーやガム等のペット用スナック、嗜好品及びその他のペットに興味を持たせる物が全て含まれるものとする。
【0027】
このようにして、二つ折り状態とされた枕本体1の内部にペット用のおもちゃTを隠すと、ペットPは、そのおもちゃTを取ろうと、枕本体1を転がしたり、引っかいたりして試行錯誤を重ねる。これにより、ペットPの知能が育成されるので、本実施の形態に係るペット用枕は、枕としてだけでなく、ペットPの知育用具等の玩具としても使用できる。
【0028】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明に係るペット用枕は、猫の形態に限定されるものではなく、例えば、犬やうさぎ等の各種動物の形態の他、四角や円等の各種形態に形成されたものであってよく、その形態は特に限定されるものではない。
【0029】
また、本発明において使用される係止具は、スナップに限定されず、例えば、ボタン、ファスナー、面ファスナー等の係脱することが可能な各種留め具であってよい。
【0030】
また、係止具の個数は、特に限定されるものではなく、ペット用枕の大きさや、係止具の種類や大きさ等に応じて適宜調整されてよい。
【0031】
また、本発明に係るペット用枕は、犬用に限定されるものではなく、猫やうさぎ等のペットとして飼われる各種動物用の枕として使用されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態に係るペット用枕の概略構成を説明するための図であり、平板状状態にある枕本体にペットが顎を載せている状態を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るペット用枕の概略構成を説明するための上面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るペット用枕の概略構成を説明するための底面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るペット用枕の概略構成を説明するための図であり、二つ折り状態にある枕本体にペットが顎を載せている状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1 枕本体
12 顎載せ部
13 胴体部分
131、132 端部
2a スナップのボールサイド(係止具)
2b スナップのソケットサイド(係止具)
P ペット
T ペット用のおもちゃ
H 枕本体の高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットの顎部を受ける顎載せ部を有するペット用枕であって、
平板状を呈する枕本体の裏面に、少なくとも一対の係止具が設けられ、この係止具が係脱されることにより、前記枕本体が平板状状態と二つ折り状態との二形態間で変形可能とされたことを特徴とするペット用枕。
【請求項2】
請求項1に記載のペット用枕において、
前記枕本体は、その全体形状が任意の動物の形態に模されており、該動物の胴体部分が前記二形態間で変形可能とされたことを特徴とするペット用枕。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のペット用枕において、
前記枕本体は、前記係止具により二つ折り状態とされた際、その内部にペット用のおもちゃを隠せるように構成されたことを特徴とするペット用枕。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−136218(P2009−136218A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316231(P2007−316231)
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(591009255)株式会社ヤマヒサ (70)
【Fターム(参考)】