説明

ペプチド構造物およびそれらの単純ヘルペスウイルス2型の診断における使用

【課題】従来技術の問題を解決するためのペプチド構造物の提供。
【解決手段】 式(1)の複数示されたペプチド構造:[(X1p−16ア
ミノ酸配列−(X2q−Sp]n−コア、ここで「16アミノ酸配列」は、配列
(配列番号68):
Glu Glu Phe Glu Gly Ala Gly Asp Gly
1 5
Glu Pro Pro Glu Asp Asp Asp;
10 15
を示し、そしてここで、同じでもよいし、異なってもよいX1およびX2は、同じでもよい
し、異なってもよい1〜6の非干渉アミノ酸残基を表し;Spは、該コアから外向きに伸長したスペーサー基を示し;nは、少なくとも4であり;pは、0または1であり;qは、0または1であり;
そして該コアと該スペーサー基との間の連結は、化学的または物理的で有り得る、ペプチド構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、サンプル(特に、単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)に感染
していると疑われる患者から採取した血清サンプル)における単純ヘルペスウイ
ルス2型抗体の診断に関する。本発明は、この目的のために有用な複数示された
ペプチド構造物を提供し、そしてこれらのペプチド構造物を使用する診断のため
の方法およびキット、ならびに複数示されたペプチドの調製のために有用な単量
体のペプチドもまた提供する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の詳細)
単純ヘルペスウイルス1型および2型(HSV−1およびHSV−2)は、ヒ
トに感染する2つの密接に関連したウイルスである。ほとんどの15歳を超える
人々は、HSV−1またはHSV−2に対する抗体を有し、このことは、彼らが
、これらのウイルスに感染し、かつ保有することを示す。どちらのウイルスも、
性器腔(orogenital)病変を生じ、そしてまた目、皮膚および神経系
に感染し得る。HSV−1は、主に口腔病変の原因となるが、HSV−2は、主
に性器病変の原因となる。原発性の感染に続いて、ウイルスは、これが周期的に
活性化し得る、神経組織において、潜伏期に入り、再感染を生じ得る。再活性化
は、ウイルスが、散布性であり得かつ明らかな臨床的病変が欠損して感染し得る
ために頻繁に無症候性である。
【0003】
簡単でかつ安価な、HSV−1抗体をHSV−2抗体と区別し得る血清診断試
験の必要性が、WHOの最近の会議において認識された(1996)。HSVの
血清型の決定は、ワクチン接種をする前の個々の免疫学的状態を確立するために
、HSVワクチンの試みにおいて重要である。無症候性のHSV−2の感染に対
する妊娠している女性およびその性的なパートナーのスクリーニングにより新生
児ヘルペスを予防することが望まれ、そして感染を予防するために適切な推奨さ
れる予防の設計が、望まれる。
【0004】
HSV−2特異的血清診断試薬に対する進歩は、10年前より以前に92Kま
たはgG2と呼ばれるHSV−2糖タンパク質の同定により促進された(Mar
sdenら、1978、1984;Roizmanら、1984)。引き続いて
、HSV−1の対応物であるgG1が同定された。gG1およびgG2をコード
する遺伝子のDNA配列の決定および比較は、2つのタンパク質が相当に異なっ
ていたことを示した。gG1およびgG2の血清型特異的エピトープの存在(A
ckermanら、1986;Frameら、1986;Marsdenら、1
984;Roizmanら、1984)は、血清型特異的診断試薬としてのgG
1およびgG2の使用の可能性を生じた。
【0005】
HSV−2特異的抗体のための種々の血清学的試験は、gG2を用いて開発さ
れてきた。これらの試験は、血清型特異的モノクローナル抗体を用いたELIS
A、免疫ドットブロットアッセイおよびウェスタンブロットアッセイならびに血
清ブロッキングアッセイを含む。これらの目的のために、gG2は、HSV−2
に感染した哺乳動物細胞、形質転換した哺乳動物細胞、組換えバキュロウイルス
に感染した昆虫細胞およびいくつかの発現ベクターを用いるEscherich
ia coliを含む種々の供給源から得た。E.coliはまた、型特異的領
域を含むgG2のフラグメントおよびマルトース結合タンパク質と融合したgG
2のわずかに短縮された、ほぼ全長のフラグメントを発現するために用いた。こ
れらの供給源由来の抗原は、粗抽出液または続く種々の手順(イオン交換クロマ
トグラフィー、モノクローナル抗体−アフィニティークロマトグラフィーおよび
レクチン−アフィニティークロマトグラフィーを含む)による精製物のいずれか
として用いた。
【0006】
gG2を用いる血清学的試験を通して、ウェスタンブロットは、最も確実であ
ると考えられている(WHO会議、Copenhagen、1995)。しかし
この方法は、わずらわしく、比較的高価であり、そして機器の整った診断研究所
以外において、一般的なスクリーニングの目的のためには適さない。単純で、安
価であり、そしてマイクロタイタープレートでのELISA(酵素結合イムノソ
ルベントアッセイ)のように用いられ得る確実な血清診断試験が必要である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によって以下が提供される:
(1) 式(1)の複数示されたペプチド構造:[(X1p−16ア
ミノ酸配列−(X2q−Sp]n−コア、ここで「16アミノ酸配列」は、配列
(配列番号68):
Glu Glu Phe Glu Gly Ala Gly Asp Gly
1 5
Glu Pro Pro Glu Asp Asp Asp;
10 15
を示し、
そしてここで、同じでもよいし、異なってもよいX1およびX2は、同じでもよい
し、異なってもよい1〜6の非干渉アミノ酸残基を表し;Spは、該コアから外
向きに伸長したスペーサー基を示し;
nは、少なくとも4であり;
pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
そして該コアと該スペーサー基との間の連結は、化学的または物理的で有り得る

ペプチド構造。
(2) 前記コアと前記スペーサー基との間の前記連結が、共有結合
である、項目1に従う構造。
(3) 全体として、ペプチドの形態にある、項目1または2に従
う構造。
(4) 項目1、2または3に従う構造であって、以下の式(4)
【化1】


ここでX3は、アミノ酸残基であり、そして「pepseq」は、ペプチド(X1
p−16アミノ酸ペプチド−(X2qの配列である、
構造。
(5) nが、4から16である、項目1、2、3または4に従う
構造。
(6) pおよびqが、共に1である、項目1、2、3、4または
5に従う構造。
(7) X1がProであり、そしてX2がSerである、項目6に
従う構造。
(8) 前記スペーサー基Spが、4〜6のグリシン残基の長さと等
価な長さを有する、項目5、6または7に従う構造。
(9) 単純ヘルペスウイルス2型に対する抗体について試験するた
めの方法であって、結合反応が、該抗体と前記項目のいずれかに記載の構造と
の間で行なわれ、そして該結合の発生または程度を、それぞれ検出または測定す
る、方法。
(10) 前記結合反応が、ELISAとして行なわれる、項目9
に従う方法。
(11) 患者から得た血清のサンプルに対して実行する、項目9
または10に従う方法。
(12) 患者の体液を、そこに存在する抗体について試験するため
のキットであって、(1)項目1、2、3、4、5、6、7または8に記載の
複数示されたペプチド構造;および(2)該ペプチド構造物への該抗体の結合を
検出または測定するための標識された抗ヒト免疫グロブリン抗体を含む、キット

(13) 以下の一般式のペプチド
(X1p−16アミノ酸配列−(X2q−(Sp)r
ここで、X1、X2、p、qおよび「16アミノ酸配列」が、項目1、6または
7において定義され、rが、0または1である、
ペプチドならびにそれらのアミノ基誘導体およびカルボキシル基誘導体。
(発明の要旨)
驚くべきことに、各分岐が、コアにペプチド配列を含む別々の複数の分岐とし
て内在する場合、16アミノ酸ペプチド、より好ましくは18アミノ酸ペプチド
が、HSV−2抗体に対して高い特異性を有し、そして特に偽陽性または偽陰性
をほとんど与えないことが、見出された。結果的に、このようなペプチド構造は
、HSV−2抗体の試験において、特に患者からの体液サンプルでの、および最
も特に、血清サンプルでの試験に役立つ。16アミノ酸ペプチドは、gG2のア
ミノ酸562〜577に由来し、かつ明細書内で後に示す配列番号1の配列を有
する。さらに、このペプチドのいずれかの末端あるいは両端に少数のさらなるア
ミノ酸を含むかまたはわずかに短縮することが可能である。gG2の561〜5
78アミノ酸由来の18アミノ酸ペプチド(明細書で後に示す配列番号55を有
する)は、最も好ましい。
【0008】
本発明は、これが、HSV−1糖タンパク質gG1と高い相同性を有するHS
V−2糖タンパク質gG2の領域である(McGeochら、(1987))た
めに特に驚きであり、さらに本発明のペプチドは、HSV−2抗血清に対して高
度に特異的であり、HSV−1の抗血清とごくわずかしか偽陽性を示さない。
【0009】
1つの局面において、本発明は、式(1)の複数示されたペプチド構造を提供
する:[(X1p−(16アミノ酸配列)−(X2q−Sp]n−コア、ここで
「16アミノ酸配列」は、以下の配列(配列番号68)
Glu Glu Phe Glu Gly Ala Gly Asp Gly
1 5
Glu Pro Pro Glu Asp Asp Asp
10 15
を示し、そしてここで、同じであっても異なっていてもよいX1およびX2は、同
じであっても異なっていてもよい1〜6の非干渉アミノ酸残基を示し;
Spは、コアから外側に向かって伸長するスペーサー基を示し;
nは、少なくとも4であり;
pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
そしてコアとスペ−サー基との間の連結は、化学的または物理的であり得る。
【0010】
本発明は、HSV−2に対する抗体の診断における本発明のペプチド構造物の
使用を含む。特に、本発明は、結合反応が、抗体と本発明のペプチド構造物との
間で行われる単純ヘルペスウイルス2型に対する抗体の試験方法を提供し、そし
て結合の存在または程度が、それぞれ検出または測定される。
【0011】
さらに、本発明は、以下を含む、患者の体液を、そこに存在する抗体について
試験するためのキットを含む:(1)本発明の複数示されたペプチド構造物;お
よび(2)ペプチド構造物に対する抗体の結合の検出または測定のための標識さ
れた抗ヒト免疫グロブリン抗体。
【0012】
本発明はまた、式(2)のペプチド自身:
(X1p−16アミノ酸配列−(X2q−(Sp)r、ここで、「16アミノ
酸配列」、X1、X2、pおよびqは、上記の定義したものであり、そしてrは、
0または1であり、ならびにそれらのN末端およびC末端の機能的な誘導体を含
む。
【0013】
(好適な実施態様の説明)
本発明の複数示されたペプチド構造物は、好ましくは分岐したリジンのコアに
基づく。リジンは、ペプチド結合のために2つの部位を提供する二塩基性のアミ
ノ酸である。これらのリジンコア構造は、周知であり、Tam(1988)およ
びTamら(1989)、米国特許番号第5,229,490号(Tam、19
93)、ヨーロッパ特許339,695(Stichtung voor de
Technische Wetenschappen)ならびにPCT公開
WO92/18528(Medical Research Council)
によって記載されている。これらは、本発明に用いられ得る。好ましくは、この
構造は、式(3)の全ペプチドであり:
[(X1p−16アミノ酸配列−(X2q−Sp]n
(Lys)n-1−(X3m (3)
ここで、nは2aであり(aは、2〜5の数字である)(すなわち、n=4、8
、16、または32)、リジン残基は分岐している(Lys)n-1で示され、X3
は、同じであってもよいし、異なってもよい1〜4のアミノ酸残基を示し、mは
0または1であり、そして他の文字は上記で定義される。好ましくは、pは0ま
たは1であり、qは0または1であり、Spは4〜6のグリシン残基の長さと等
価な長さのスペーサーであり(そして最も好ましくは、Spは実際に4〜6のグ
リシン残基を示す)、そしてmは、0または1である。最も好ましくは、本発明
のペプチド構造物は、以下の式(4)であり:
【0014】
【化2】


ここで、X3は、アミノ酸残基であり、そして「pepseq」は、上記で定義
したペプチド配列(X1p−16アミノ酸配列−(X2qである。
【0015】
分岐したリジンコアを用いることは、本質的なことではない。コアは、多くの
形態を取り得る。例えば、分子の残りが物理的に吸着されるかまたは化学的に結
合される(通常は、共有結合によって)固体不活性原料であり得る。それは、例
えば、直鎖状または分岐したポリマーであり得、それには例えば、トリメチロー
ルプロパンのポリエステルまたは低分子量のポリアミドもしくはポリアクリルア
ミドあるいは樹状の分岐を含むポリマー(例えば、米国特許第4,507,46
6号(Tomaliaら、1985))が挙げられる。それは、プリントされた
回路基板またはシリコンチップのアレイであり得、それによって試験される抗体
が、ペプチド構造物に結合する場合、電荷または電流の変化が生じ、これが検出
され得る。コアへの好ましい連結は、共有結合を介してである。
【0016】
ペプチド構造物の分子全体がアミノ酸から構成されることが、必要なわけでは
ないことが、上記より明らかであるはずである。1つの分岐と別の分岐との間の
非ペプチドコアまたは非ペプチドスペーサーあるいは非ペプチド結合が、挙げら
れ得る。しかし、ペプチド全体またはアミノ酸構造全体は、合成の観点から非常
に便利である。
【0017】
スペーサーアームは、構造物のコアから外側に向かって伸長し、そして任意の
適合性の残基を包含する。最も好ましくは、スペーサーアーム分子はアミノ酸残
基を含む。好ましくは、スペーサーアームは、グリシン残基(これは、非電荷の
極性アミノ酸である)または非極性アミノ酸の大多数を含む。本明細書中で使用
される用語、「非極性アミノ酸」は、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロ
イシンを含む。好ましいスペーサーアームの長さは、少なくとも4つのグリシン
残基であるが、さらに短いスペーサー(例えば、1つのグリシン残基と等価な長
さ)は、小さな効果を有す。6つを超えるグリシン残基に等価な長さを持つこと
にはあまり利点がないと考えられる。なぜなら、そのような高度に可撓性の分岐
間には互いに干渉する可能性が高すぎるかもしれないからである。
【0018】
16アミノ酸配列の配列番号68は、その左側(N末端)もしくは右側(C末
端)または両方のいずれかにおいて高い特異性を有するHSV−2抗体に結合す
るその能力を阻害しないいくつかのアミノ酸残基を用いて伸長され得る。これら
は、「天然」のgG2配列にあり得る。従って、X1は、Glu His Ar
g Gly Gly Pro(配列番号69)、His Arg Gly Gl
y Pro(配列番号70)、Arg Gly Gly Pro(配列番号71
)、3アミノ酸配列Gly Gly Pro、2アミノ酸配列Gly Proま
たは単一のアミノ酸Proであり得、そしてX2は、Ser Ala Thr
Gly Leu Phe(配列番号72)、Ser Ala Thr Gly
Leu(配列番号73)、Ser Ala Thr Gly(配列番号74)、
3アミノ酸配列Ser Ala Thr、2アミノ酸配列Ser Alaまたは
単一のアミノ酸Serであり得る。あるいは、X1およびX2は、他のアミノ酸を
含み得、この場合、それらは、好ましくは非極性アミノ酸またはグリシンもしく
はセリンである。最も好ましくは、16アミノ酸配列が、片方または両方の末端
の1つのアミノ酸により、特にN末端がProであり、かつC末端がSerであ
る天然の配列の隣接するアミノ酸の片方もしくは両方により、伸長される。従っ
て、以下の17アミノ酸配列および18アミノ酸配列は、特に好ましい:
Pro Glu Glu Phe Glu Gly Ala Gly Asp
1 5
Gly Glu Pro Pro Glu Asp Asp Asp
10 15
(配列番号75)
Glu Glu Phe Glu Gly Ala Gly Asp Gly
1 5
Glu Pro Pro Glu Asp Asp Asp Ser
10 15
(配列番号76)
Pro Glu Glu Phe Glu Gly Ala Gly Asp
1 5
Gly Glu Pro Pro Glu Asp Asp Asp Ser
10 15
(配列番号55)
予備的な結果は、C末端またはN末端に伸長したペプチド配列を有するペプチ
ド構造物が、18アミノ酸の配列番号55を含む「ペプチド構造物55」よりも
いくつか多い偽陽性の点から、わずかにより良くない診断結果を与えることを示
す。
【0019】
ペプチド構造物が、全体的にペプチドである場合、ペプチド配列が由来し、か
つ実際にペプチド配列自身がペプチド構造物であるペプチドは、任意の周知であ
る上述の合成方法により作製され得るが、特に持続的なフローバージョンである
Fmoc法が、特に簡便である。
【0020】
本発明は、抗体(特に、任意の適切な液体の、特に、抗体を含むような体液の
の検出に適切な任意の方法において実行され得る。血清は、通常の体液であるが
、免疫グロブリンを含む他の液体(例えば、涙、唾液または乳汁)が、アッセイ
され得る。
【0021】
通常の試験において、このアッセイは、マイクロプレートのプラスチック表面
のような不溶性キャリアに、本発明のペプチド構造物を付着させることにより不
均一に実施されるが、本発明は、そのようなアッセイに限定されない。サンドイ
ッチアッセイにおいて、抗血清は、結合可能にする適切な期間ペプチド構造物と
インキュベートされ、そして免疫グロブリンに対する抗体と適切な期間インキュ
ベートされる。従って、例えば、患者が、ヒトであり、そして抗体が、IgGク
ラスの抗体であると仮定して、適切に標識された抗ヒトIgG抗体を添加し、プ
レートを洗浄し、そしてプレートに結合した標識の量(抗体およびペプチド構造
物を介して)を測定する。本発明は、第2の抗体として抗ヒトIgMを用いてI
gM抗体の検出に適用し得る。あるいは、競合アッセイにおいて、血清と競合し
得るか、またはその結合から置換し得る標識された抗体の公知の量で行ない得る
。しかし、そのようなアッセイは、低濃度の抗体の検出にはやや不向きである。
任意の普通の標識(例えば、放射性標識および酵素標識)が、用いられ得る(特
に、ペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼ)。ビオチンのような間接
的な標識はまた、適切な直接標識された結合パートナー(例えば、標識ストレプ
トアビジンまたは標識アビジン)との結合において用いられ得る。放射性標識は
、放射性計数および例えば、比色シグナル、蛍光シグナルまたは化学発光シグナ
ルにより標識される酵素によりアッセイされ得る。アルカリホスファターゼ酵素
標識を必要とするNordisk Diagnostics Ltd.の「Am
pak」(登録商標)のような検出の増幅方法は、アッセイをさらに敏感にする
(sensitise)ために用いられ得る。
【0022】
次いで、1回のアッセイにつき使用するためのペプチド構造物の量(例えば、
プレートの1ウェルにつき)は、通常は1μg未満、好ましくは0.1μg未満
、そして好ましくは0.05〜0.5μgである。任意の特定の場合、最も適切
な量は、関連するペプチド構造物の性質に依存する。
【0023】
このアッセイを行なうためのキットにおいて、この基本的な成分は、ほとんど
の場合、本発明のペプチド構造物および抗ヒト免疫グロブリン標識抗体である。
これらは、もちろん通常はキット内の個別の容器内に提供される。
【0024】
本発明は、本発明のペプチド構造物の作製において中間体として有用であるた
め、式(2)のペプチド自身を含む。例えば、分子(コアおよびスペーサー)の
残りに結合させるために準備したスペーサーを欠いたペプチド(すなわち、rが
0である)を提供するために便利であり得る。これは、供給業者からコアとスペ
ーサーを得るためにより便利である場合、特にコアとスペーサーが、ペプチド結
合によってC末端のペプチドに結合させるために用意されたアミノエチル基のよ
うなペンダント基を含む非アミノ酸ポリマーである場合、特に有用である。ある
いは、このペプチドは、コアに結合するために用意されたスペーサー(式(2)
においてr=1)を用いて合成され得る。このような好ましいペプチドは、上述
のように、18アミノ酸ペプチドの配列の配列番号55が最も好ましい。
【0025】
本発明にはまた、特にカルボキシ保護基およびアミノ保護基を有するペプチド
、アミノ酸側鎖がt−ブチルオキシカルボニル基で保護され、かつN末端が、9
−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)により保護されるペプチドを特
に含むこのようなペプチドの誘導体が含まれる。本発明は、エステル、(特にペ
ンタフルオロフェニルエステル、特にスペーサーを欠いたペプチド(r=0)の
ために)のような、「反応性の」C末端基を有するペプチドをさらに含む。「反
応性の」とは、それらとアミド結合を形成するためのスペーサーの遊離アミノ基
と反応し得ることを意味する。他のこのような反応誘導体は、当該分野で周知で
あり、かつ本発明の範囲内に含まれる。
【0026】
以下の実施例は、本発明を例示する。
【0027】
(実施例)
(材料および方法)
(血清および予備的血清学)
合計174の血清標本を118個体から採取した。これらのうち、155の血
清を100人の患者から採取した。対の血清を、これらの患者のうち55人から
採取した。さらに18の血清を、HSVとは関連しない種々の状態の18人の子
供から採取した。エジンバラで採取した血清のHSV特異的抗体の力価を、補体
結合アッセイ(Smithら、1967)によって決定し、一方で、グラスゴー
で採取した血清における力価を、抗HSV IgG ELISAキット(「En
zgnost」[登録商標]、Behring Diagnostics)を使
用してスクリーニングした。血清が採取されたHSV感染患者は、成人の平均年
齢が約27歳、および男女ほぼ同数であった。
【0028】
(ウイルス単離およびタイプ分け)
全てのウイルス単離物を、1つが患者の口唇から単離された単離物であること
除いて、生殖器病変から得た。ウイルスは、タイプ特異的モノクローナル抗体の
パネル(「Syva Micro Track」[登録商標]、Behring
er Diagnostics)を使用して、間接蛍光によってタイプ分けした

【0029】
(ペプチド合成)
gG2の予測されるオープンリーディングフレームのアミノ酸21〜699に
またがる、一連の67のペプチド(大部分は、10アミノ酸が重複する18アミ
ノ酸長)を連続フローFmoc化学によって合成した。残基1〜20は、成熟タ
ンパク質から切り出されるシグナル配列を含むと考えられたため、これらは合成
しなかった。このペプチドを、本発明の複数の提示されたペプチド構造物として
作製した。各々の構造は、分岐したリジンコア上で範囲が定まった各アミノ酸配
列の4つのコピーからなる(Tam、1988)が、このようなアミノ酸配列の
各々は、感度を増加させるために、4つのグリシン残基によりコアから分離され
る。このようなペプチド構造物は、式(5):
【0030】
【化3】


によって表され得る。ここで、「pepseq」は、処方物内の各存在における
同じアミノ酸配列を示し、そして以下の表1および配列識別番号1〜67の1文
字表記で示されるペプチドの配列から選択される。それらを、製造業者によって
記載される標準的なFmoc手順および製造業者の指示に従うカップリング試薬
としてHBTU[2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,
3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート]またはTBTU[
2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル
ウロニウム テトラフルオロボレート]のいずれかを使用して、Shimadz
u PSSM−8ペプチド合成機で作製する。ペプチドを、逆相HPLCによっ
て分析し、そして少なくとも80%純粋であることを判断する。
【0031】
【表1】


(実施例1:酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA))
血清を、HSV−2糖タンパク質D(gD2t)の短縮型バージョンおよびg
G2ペプチド配列を含むペプチド構造物を用いて反応性について試験した。HS
V−1の糖タンパク質D(gD1)およびHSV−2の糖タンパク質(gD2)
は、HSV−1およびHSV−2の両方によって惹起される抗体によって認識さ
れる多くのエピトープと非常に相同性である。糖タンパク質Dもまた、免疫優性
タンパク質である。これらの2つのgDの特性によって、gDが高感度になり、
かつHSV特異的抗体の診断のための有用な試薬になる。短縮型形態は、gDの
最初の326アミノ酸を含むが、カルボキシ末端の膜貫通ドメインを欠失し、結
論として細胞から分泌される。この特性は、分泌タンパク質を細胞膜からgD全
体を精製するよりも、細胞培養培地からより容易に精製し得るために、都合がよ
い。しかし、この特性は、HSV−1およびHSV−2抗体の間を識別しない。
gD2t(チャイニーズハムスター卵巣細胞中でDNAからの発現後に均質にま
で精製された)を、660μg/mlの濃度でSmithKline Beec
ham Biologicals(Rixensart、Belgium)によ
って提供した。これを、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中に希釈し、そして
マイクロタイターウェル(Immunolon 1、Dynatech)を、5
0μl中0.5μgまたは0.25μgでコーティングするために使用した。
【0032】
ペプチド構造物(表1を参照のこと)を可能であるときは常に水に溶解した。
水不溶性のペプチド構造物を、30%酢酸(配列番号7、8、12、14、15
、21、25、26、62の配列を有するペプチド構造物)中、またはペプチド
構造物水懸濁物によってアンモニア蒸気の少量(2ml)を通気することによる
かのいずれかで可溶化した。その際に、ペプチド構造物は、透明な溶液を形成し
た(配列番号16、17および18の配列を有するペプチド構造物)。次いで、
可溶化したペプチド構造は、本文中に示される濃度までPBS中に希釈し、そし
て50μlをウェルに添加した。gD2tおよびペプチド構造物の両方を、4℃
で一晩プレートに吸着させた。抗原溶液をプレートから除去し、そしてプレート
上の占有されていない結合部位を1%BSAを含むPBSで1.5〜2時間ブロ
ッキングした。ウェルを0.05%「Tween 20」を含む150mM N
aCl(「NaCl−Tween」)(Tweenは、登録商標である)で6回
洗浄し、そして本文中に示したように希釈した50μlの血清とともに、旋回式
シェーカー(orbital shaker)で室温で1.5時間インキュベー
トした。血清を取り除き、そしてウェルをさらに6回「NaCl−Tween」
で洗浄した。抗体の結合を検出するために、順に、ウェルを50μlのビオチン
化ヒツジ抗ヒトIgG(Amersham、1/1000希釈)および50μl
のストレプトアビジン結合体化セイヨウワサビペルオキシダーゼ(Amersh
am、1/1000希釈)とともに、各々1.5時間37℃でインキュベートし
、次いで、NaCl−「Tween」で6回洗浄した。0.01%過酸化水素含
有クエン酸リン酸緩衝液(pH4.0)中(50μl)、色素産生性基質である
o−フェニレンジアミンジヒドロクロリド(OPDA)を添加し、そして10分
後、50μlの2N 硫酸(sulphuric acid)を添加することに
よって、発色を停止させた。プレートを、492nmで「Titertek」マ
ルチスキャンプレートリーダーで読みとった。
【0033】
(結果)
(血清のサブセットに対する、全てのペプチドの予備スクリーニング)
この最初の実験において、全てのペプチド構造物を、24の血清のセットに対
してスクリーニングした。ウイルスを単離した患者由来の4つの血清は1型であ
ることが見いだされ、そして抗体陽性であり、CF力価は16〜256の範囲で
あった。ウイルスを単離した患者由来の15の血清は2型であることが見いださ
れ、そして抗体陽性であり、CF力価は16〜256の範囲であった。3つの血
清は、ウイルス単離においてHSV感染の実験的証明がなされず、および抗体陰
性である患者由来であった。2つの血清は抗体陰性であったが、ウイルスが単離
された患者由来のものであった:HSV−1を一方の患者から培養し、そしてH
SV−2を他方の患者から培養した。この血清もまた、gD2t(500ng/
ウェル)に対してスクリーニングし、HSV特異的抗体の存在を確認した。抗原
を全く有さないPBSで処理したウェルを、コントロールとして供した。最初の
スクリーニングにおいて、ウェルを1.0μgのペプチドでコーティングし、そ
して492nmでの吸光度値を記録した。
【0034】
HSV−2に対して特異的なペプチドは、以下の特性を有するべきである。H
SV−2感染によって惹起された抗体を含む血清と反応すべきである。さらに、
このペプチドはHSV特異的抗体を含まない血清またはHSV−2感染の非存在
下でHSV−1感染によって惹起された抗体を含む血清と反応すべきではない。
【0035】
このペプチドの反応性について任意の先のデータの非存在下で、このデータは
、2つの方法によって分析された。第1の方法において、HSV抗体陽性と陰性
血清との間を識別するために適切な値として供され得るという根拠に基づいて、
0.25のカットオフ値が選択された。ペプチド配列(配列番号3、7、9、1
0、11、12、13、14、17、21、26、55、57、62、および、
66、67)を含むペプチド構造物のみが、15のHSV−2血清全てと0.2
5より大きな吸光度値を生成した一方で、配列(配列番号39、50、51、5
5、56、63および64)を含むペプチド構造物のみが、5つの抗体陰性血清
全てと0.25未満の吸光度値を与えた。そして配列番号38、50および55
の配列を含むこのペプチド構造のみが4つのHSV−1血清すべてと0.25未
満の吸光度値を与えた。従って、「ペプチド構造物55」(配列番号55の配列
を有する)のみが、HSV−2抗体特異的試薬に必要な、上記の規定された基準
の全てを満たした。第2の方法において、コントロールのPBSコーティングウ
ェルでの各血清の吸光度値を、ペプチドコーティングウェルでの吸光度値から差
し引き、そして0.1のカットオフ値を選択した。配列番号7、9、10、11
、12、13、14、17、23、26、39、57、62、66および67の
配列を含むペプチド構造物のみが、15のHSV−2血清全てと0.1より大き
な吸光度値を生成した一方で、配列番号50、51、55、56および64の配
列を含むペプチド構造物のみが、5つの抗体陰性血清すべてと0.1未満の吸光
度値を与えた。そして配列番号37、38、39、50、55および64の配列
を含むペプチド構造物のみが、4つのHSV−1血清全てと0.1未満の吸光度
値を与えた。従って、ペプチドのいずれもが全ての基準を満たさなかった。しか
し、5つの抗体陰性血清全てかつ4つのHSV−1血清全てと0.1未満の吸光
度値を与えた配列番号39、50、55および64の配列を含む4つのペプチド
構造物のうち、配列番号39、50および64の配列を有するペプチド構造物は
、15のHSV−2血清のうち、それぞれ、5、1、および4つと反応性を示し
た。一方で、「ペプチド構造物55」は、15の血清のうち14と反応性を示し
た。従って、「ペプチド構造物55」は、HSVの型特異的血清診断のためのあ
り得る候補物と考えられた。
【0036】
(実施例2:使用されるペプチドおよび血清の量の最適化)
図面の図1を参照すると、ウェルを、本発明のペプチド構造物55の4つの異
なる量でコーティングした:5μg(四角)、1μg(菱形)、100ng(丸
)および10ng(三角)。7つの血清を20倍に希釈し、次いで、6回さらに
2倍希釈した。ペプチド構造物および/または血清を欠くウェルをコントロール
(4つの四角格子)として供した。3つのHSV−2血清について(CF力価1
6、256、および16)の結果ならびに3つのHCV−1血清について(CF
力価8未満、256、および16)の結果を図1に示す(パネルA、C、E=H
SV−2;B、DおよびF=HSV−1)。HSV−2血清は全て、ペプチド構
造物55でコーティングしたウェルとより大きな反応性を示したのに対して、H
SV−1血清は、PBSコントロールでみられるバックグラウンドレベルを超え
て、ペプチド構造物55と反応しなかった。全部で4つの濃度のペプチド構造物
55を試験したが、血清との反応性は非常に類似した。1:40以下で希釈した
場合、1より大きな吸光度が生成されるか、またはより少なく、そしてプラトー
に達するようであった。対照的に、血清CおよびEの両方は、より低い反応性を
示し、そして曲線の形状は、より高い反応性がより低く希釈した血清で達成され
得ることを示唆した。より低いペプチド量でさえも使用され得るか否かを調べる
ために、ウェルを、100ng〜5pgの範囲の異なる量でコーティングし、そ
して血清AおよびEとの反応性について試験した。5ng/ウェル未満では、シ
グナルに顕著な減少が認められ、100pg未満では、全く応答が認められなか
った(データは示さず)。
【0037】
(実施例3)
これらの観察に基づいて、次いで、全ての血清を100ngおよび10ngの
ペプチド構造物55でコーティングしたウェル上およびgD2tでコーティング
したウェル上でスクリーニングした:gD2tの量を250ng/ウェルまで減
少させて、ほぼ、100ngのペプチド構造物でみられるシグナルまで減少させ
た。血清を5倍、10倍、および20倍の希釈物で試験した。ペプチド構造物も
タンパク質も含まないウェルを、全ての血清の希釈物に含めた。
【0038】
(カットオフ値の確立)
HSV陰性コントロールとして使用した21の血清を、エジンバラからの3つ
およびグラスゴーからの18で構成した。それらを、HSVに関連するいずれの
臨床的兆候も示さないことおよびELISAまたは補体結合アッセイ(実施例1
の方法を参照のこと)における反応性がないかによって陰性の判断をした。血清
を5倍希釈し、そしてgD2t(250ng)またはペプチド構造物55(10
0ngもしくは10ngのいずれか)または抗原なし(PBSコントロール)で
コーティングしたウェル上でELISAによってスクリーニングした。gD2t
および100ngのペプチド構造物55についてのデータを、図2に示す。平均
+5×標準偏差に対応するカットオフ値(gD2tについては0.166そして
ペプチド構造物55については0.167)を、引き続く他の血清の分析に使用
し、そして図面中、点線によって示す。
【0039】
(HSV陽性患者由来の血清分析)
全ての血清をペプチド55の100ngおよび10ngの両方、250ngの
gD2tならびに抗原なし(PBSコントロール)でコーティングしたウェルに
対してスクリーニングした。大部分の血清を3つの異なる希釈物でスクリーニン
グした:5倍、10倍、および20倍であるが、ある血清では5倍希釈物のみを
用いてスクリーニングした。各血清について、抗原なしで観察されたバックグラ
ウンド吸光度を、異なる抗原について観察された値から差し引いた。これらの補
正された値でデータセットを構築した。
【0040】
分析のために、血清を5つのクラスにグループ分けした。クラス1および2は
臨床的病変を示す患者から採取された血清を含む:クラス1血清は、8未満のC
F力価を有したが、クラス2血清は、8以上のCF力価を有した。クラス3およ
び4を含む血清を、最初の病変提示から7〜20日の間(クラス3)または20
日より後(クラス4)に採取した。クラス5の血清は、原発性病変を提示せず、
かつ以前の血清が少なくとも8のCF力価を有する患者に由来した。ここで、原
発性病変は、8未満のCF力価または20日以内に4倍上昇するCF力価を有す
る、臨床的に明らかな病変として規定される。
【0041】
血清を5倍希釈し、そして最も少ない偽陽性の数を与えた100ngペプチド
でコーティングされたウェル上でスクリーニングした。これらの結果を、以下の
表2にまとめる。陽性結果を、吸光度が0.166を超えた場合に記録した(平
均+5×標準偏差を用いる)。
【0042】
【表2】


表2を参照すると、ペプチド構造物55は、HSV−1血清で偽陽性を与えな
かった。第2に、HSV−1およびHSV−2血清の両方とgD2t、ならびに
HSV−2血清とペプチド構造物55との反応性は、第1の提示の時点(クラス
1および2血清)で得られた血清についての反応性について、続いてサンプリン
グされた血清(クラス3、4および5の血清)の反応性より低かった。全体とし
ては、クラス3、4および5由来のHSV−1血清の95%(41/43)およ
びHSV−2血清の98%(50/51)はgD2tと反応したが、一方、HS
V−2のクラス3、4および5の血清の92%(47/51)は、ペプチド構造
物55と反応した。第3に、全て(22/22)のHSV−2のクラス5血清は
、gD2tおよびペプチド構造物55の両方と反応した。
【0043】
従って、ペプチド55は、ヒト血清においてHSV−2抗体に対して完全に型
特異的であることが示され、特に、臨床的病変の最初の提示から7日の間隔後に
抗体を検出するために完全に型特異的であることが示された。
【0044】
(実施例4)
配列番号55のペプチド配列を含む「ペプチド構造物55」のN末端およびC
末端での伸長に対応するさらなるペプチド構造を合成し、そして4−グリシンス
ペーサーを有する、上記の式(5)の4−分岐形態において作製した。これらを
、(a)1μg/ウェルまたは(b)100ng/ウェルでペプチド構造物また
はタンパク質を使用して、gD2tとともに試験した。そして各々の場合におい
て、20倍希釈した血清を使用した。そうでなければ、条件は、実施例3と同様
であった。結果を、以下の表3に示す。ペプチド構造物55は、HSV−1につ
いて擬陽性を与えないという観点から最良に機能した。
【0045】
(実施例5)
本発明の2つのペプチド構造物(ペプチド構造物55および各末端で2つのア
ミノ酸の「天然」配列によって伸長されたペプチド配列を含むペプチド構造物)
を、ペプチド配列がN末端で伸長されたがC末端で短縮された(それぞれ、10
アミノ酸および8アミノ酸)ペプチド構造物と比較した。この比較は、本発明の
16アミノ酸コア配列の臨界(criticality)を示す。3つのペプチ
ド全てを、式(5)の4−分岐、4つのグリシンスペーサー形態で作製した。そ
れらを、実施例3のようにタンパク質gD2tと、100ng/ウェルのペプチ
ド構造および250μg/ウェルのタンパク質および血清の5倍希釈物と全て比
較した。本発明の2つのペプチド構造物は、全ての観点から配列番号86の比較
ペプチド配列を有するペプチド構造よりはるかに良好に機能し、そして本発明の
ペプチド構造物が、ほとんどまたは全くHSV−1について偽陽性を与えないこ
とが認められた。
【0046】
以下の請求の範囲は、本発明のいくつかの重要な局面を規定するが、あらゆる
考え得る局面を含むことは意図されず、そのために引き続く継続特許出願および
外国特許出願において保護が求められ得、そして本明細書で先に記載した本発明
の概念の普遍性を減ずると解釈されるべきではない。
【0047】
【表3】

【0048】
【表4】

【0049】
【表5】

【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、本発明の方法によるHSV−2抗血清およびHSV−1抗血清の検出を示す:パネルA、C、E=HSV−2:パネルB、DおよびF=HSV−1。
【図2】図2は、HSVに感染していない個体からの血清のELISAによるスクリーニングを示す。 (配列表)
【表1−1】


【表1−2】


【表1−3】


【表1−4】


【表1−5】


【表1−6】


【表1−7】


【表1−8】


【表1−9】


【表1−10】


【表1−11】


【表1−12】


【表1−13】


【表1−14】


【表1−15】


【表1−16】


【表1−17】


【表1−18】


【表1−19】


【表1−20】


【表1−21】


【表1−22】


【表1−23】


【表1−24】


【表1−25】


【表1−26】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載されるようなペプチド。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−224043(P2007−224043A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109924(P2007−109924)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【分割の表示】特願2000−529352(P2000−529352)の分割
【原出願日】平成10年2月2日(1998.2.2)
【出願人】(597166578)メディカル リサーチ カウンシル (60)
【Fターム(参考)】