説明

ペル弗化熱可塑性フィルタカートリッジ

【課題】製造が容易で、安価であり、PTFE製品では得られない種々の変更、及び複雑な設計も可能であり、しかもPTFEと同一、又は類似する性質を有する材料で形成されたフィルタカートリッジの提供。
【解決手段】導入口20と送出口30とを有するハウジング10と、これ等導入口と送出口との間に位置し、ハウジング内に収容された濾過隔膜40とを有する濾過カートリッジであって、全体のカートリッジ、ハウジング、隔膜、及びその他いずれかの構成部分を全て、1個、又はそれ以上のペル弗化熱可塑性樹脂で形成する。これ等の樹脂がPFA(ペルフルオロアルコキシ)、MFA、FEP(弗化エチレンプロピレン)、及びこれ等の配合物であるのが好適であり、このカートリッジはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂に類似する性質を有する不活性で、高温、酸性、及び酸化性化合物に対して抵抗性のあるフィルタである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は1個、又はそれ以上の数のペル弗化熱可塑性樹脂で形成されたフィルタカートリッジに関するものである。また、本発明はフィルタ素子が平坦シート隔膜であって、この隔膜が複数個の中空繊維の隔膜、又は縦形フィルタのように種々の形態をとることができ、1個、又はそれ以上の数のペル弗化熱可塑性樹脂で形成されたフィルタカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
濾過カートリッジは粒子、微小有機体、溶解多物質等の物質をその担体流体から分離するため、多くの用途に使用され、良く知られた装置である。これ等のカートリッジは1個、又はそれ以上の数の濾過隔膜から形成され、この隔膜は平坦シート、又は中空繊維の形状でハウジング内に取り付けられている。濾過すべき流体が導入口を経て入り、隔膜フィルタを通じて流れ、濾過された流体が送出口から出るように、カートリッジの形態を定めている。或る形態では、入って来る流体の一部を集中した流れとして、第2送出口から除去している。隔膜、又は複数個の隔膜が半透過性遮壁となって、導入口を送出口から分離し、濾過作用を達成している。
【0003】
フィルタカートリッジは隔膜フィルタと、このフィルタを内部に設置するハウジングと、流体密なシールとから成る。隔膜フィルタは約0.005ミクロンから約10ミクロンまでの平均細孔径を有する多孔質構造である。約0.002ミクロンから約0.05ミクロンまでの平均小孔寸法を有する隔膜は一般に、限外濾過隔膜として分類されている。限外濾過隔膜は水溶液から蛋白質、及びその他の高分子を除去するために使用されている。通常、限外濾過隔膜はそれが保持する溶質の大きさについて評価される。代表的には、約1000ダルトンから約1000000ダルトンまでの溶解溶質、又は分散溶質を保持するように、限外濾過隔膜は製造される。これ等隔膜は分子質量の単位であるダルトンで、表現される分子量の分子量カットオフによって評価され、処理される溶質の供給濃度の表されたパーセントがこの隔膜によって保持され、即ち排除される。通常、製造業者は表されるパーセントを90%から95%に設定している。約0.05ミクロンから10ミクロンの細孔寸法を有する隔膜が微孔質隔膜として、分類される。微孔質隔膜は広範囲の用途に使用されている。分離フィルタとして使用される場合には、製薬産業における緩衝液、及び治療剤含有溶液、微小電子ウエハ製造プロセスにおける超純度水溶液、及び有機溶剤溶液のような多様な溶液、及び水浄化工程の前処理のための種々の溶液から粒子、及びバクテリヤを除去している。
【0004】
微孔質隔膜は隔膜を通じて延びる連続する多孔質構造を有する。この分野で仕事をしている人達は細孔の幅の範囲は約0.05ミクロンから約10.0ミクロンであると考えている。このような隔膜はシート、管、又は中空繊維の形状にすることができる。中空繊維は高い充填密度で分離装置内に組み込むことができる利点を有する。充填密度は装置の単位容積当たりの有効濾過表面の大きさに関する。また、隔膜は特定の用途で、どちらが一層有利であるかに応じて、内面、又は外面に接触する供給流体に作用する。
【0005】
通常、平坦シート隔膜はカートリッジ内に充填できる隔膜の量を増大するため、ひだ付けしている。市販のフィルタカートリッジでは、メッシュ、織物、又は同様の多孔質シートの層を隔膜の両側に設置し、支持体として作用させると共に、最終カートリッジ内で、排水部の役割を果たしている。次に、このサンドイッチ状のものにひだを付ける。通常、多層のひだ付きシートを緊密な円筒形にし、シート端を合体し、ひだが軸線方向に配置されるようにする。熱融合、又はその他の手段により、シート端を互いにシールする。他の材料を加えることなく、ポリエチレン、又はポリプロピレンのような熱可塑性シートの熱的融合シールを直接行うことができる。PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)のように熱可塑性シートでない場合には、付加的な接合材料を使用することが必要である。或る場合には、支持体としてひだ付きシリンダの内径内にコアを入れた上で、ひだ付きシリンダをカートリッジハウジング内に設置する。
【0006】
中空繊維多孔質隔膜は外径と、内径とを有し、これ等外径と内径との間に多孔質の壁を有する管状単繊維である。内径は繊維の中空部を画成し、流体を運ぶのに使用され、濾過すべき供給流を多孔質の壁に通すか、外面から濾過を行う。内部中空部は時々、中空部と呼ばれる。
【0007】
中空繊維微孔質隔膜の外面、又は内面に薄層を設けることができ、又は設けないようにすることもできる。この薄層は隔膜の下部構造と一体の薄い密な表面層である。薄層を設けた隔膜では、隔膜を通る流れの抵抗の主要な部分はこの薄層にある。微孔質隔膜では、表面の薄層は下部構造の連続する多孔構造になる小孔を含んでいる。薄層を設けた微孔質隔膜の場合、小孔は表面積の僅かな部分である。薄層を設けない隔膜は表面の主要部にわたり多孔質である。多孔率は単一の複数個の孔、又は多孔性の区域から成る。ここに多孔率とは表面の多孔率で、隔膜の前面の全表面積に対する孔の開口の表面積の比として定義される。微孔質隔膜は隔膜の厚さにわたる小孔の寸法の均一性を参照して、対称か、又は非対称かに分類される。中空繊維の場合には、これは繊維の多孔質壁である。対称な隔膜は隔膜の横断面にわたり、ほぼ均一な小孔寸法を有する。非対称な隔膜は小孔の寸法が横断面を通じて位置の関数であり、即ち位置によって、変化する構造を有する。非対称を定義する他の方法は一方の表面の小孔の寸法の、反対表面の小孔の寸法に対する比である。
【0008】
通常、ハウジングは中空円筒状であるが、他の形状も知られている。これに限定されないが、説明を容易にするため、円筒フィルタを説明する。しかし、他の形状も可能である。この隔膜フィルタをハウジング内に設置する。ハウジングは隔膜を防護する作用をし、或る場合には圧力容器として作用すると共に、導入口と送出口とを提供し、又は制御された状態で、流体の流れを入れ、出し、隔膜フィルタに接触させる働きをする。
【0009】
実際のフィルタでは、導入口から入る流れと、濾過されて送出口から出る流れとを分離する。隔膜の一方の表面のみが入って来る流体に接触し、隔膜の他方の表面のみが隔膜フィルタを通過し終わった濾過された流体に接触するように、フィルタカートリッジ隔膜を形成し、カートリッジ内に設置するようにしている。このためには入って来る流体の流れが隔膜を通らずに、即ち隔膜をバイパスして、送出口に流れるのを防止するためのシールが必要である。また、シールは流体が隔膜を通って、カートリッジを出るようにするか、又は濾過すべき流体を隔膜に接触させるための導入口として作用する手段を有することができる。
【0010】
有効なシールを製造するには困難な問題がある。カートリッジを必要とする用途で、シール材料は化学的に、熱的に安定していることが必要である。ペル弗化隔膜フィルタが有利な用途では、シール材料の性質が悪いと、カートリッジの完全な利用を妨げる。シール材料は隔膜フィルタに良く接合していなければならず、そうでないと、隔膜の相互シール面から漏洩を生ずることがある。多くのカートリッジの設計では、上と同一の理由で、シールとカートリッジハウジングとは互いに液密に接合していなければならない。熱的な接合方法は分子のレベルで接合が行われ、付加的な材料を必要としないので、好適な方法である。
【0011】
中空繊維隔膜カートリッジの場合には、繊維を切断し、又は特定の長さに造り、多数の繊維を束に合わせる。繊維間の間隙容積を充填する材料内に、この繊維の束の一端、又は両端の一部を封入し、管状シートを形成する。このプロセスは時々、繊維を「注封する」と呼ばれ、繊維を注封するために使用される材料を注封材料と呼ぶ。管状シートは濾過装置に組み合わせたシールとして作用する。この封入プロセスにより繊維端を閉じ、シールすれば、注封された繊維の束の一端、又は両端を、直径を横切って切断し、又は開く。その場合、封入材料が開いた端部から入るのを防止するため、封入する前に、開いた繊維の端部を閉じ、シールする。流体が流れるように、一端のみを開いておく場合には、他端を閉じたままにし、又はシールする。この濾過装置は注封繊維束を支持し、濾過すべき流体と、透過する流体から分離したその濃縮部とのための容積を提供する。使用に当たり、流体の流れは一方の表面に接触し、この表面に、又はフィルタ壁の深さの方向に分離が起こる。繊維の外面に接触すると、透過する流体、及びその他の種々の物質は繊維壁に通り、中空部内に集まり、繊維の開いた端部、又は開いた両端に指向する。繊維の内面に接触すれば、濾過すべき流体の流れは開いた端部に送られ、透過する流体とその他の物質は繊維壁に通り、外面から捕集される。
【0012】
本発明におけるハウジング容器にこの注封部を熱的に結合し、単一の端部構造を造る。この単一の端部構造は注封端内に包囲されている繊維束の部分と、注封部と、ペル弗化熱可塑性ハウジングの端部とを具え、この端部の内面が注封部に合致していて、注封部に接合されている。単一の構造を形成することによって、一層堅牢なカートリッジを製造でき、漏洩が少なく、このようにしなければポットとハウジングとの相互面に生ずる恐れがある故障も少ない。注封接合方法はここに援用する1999年1月29日に出願された米国特許出願第60/117853号に記載されている方法を適合させたものである。
【0013】
円筒形のひだ付きフィルタを同様の方法でシールする。隔膜の端部、及び支持層の一部を融解樹脂を含む形状内に設置する。融解樹脂は隔膜と支持層との間の間隙空間を包囲し、充填している。フィルタ端を含んでいる樹脂を冷却し、必要ならトリミングする。数個の方法が当業者には既知である。
【0014】
これ等のカートリッジは設置と、除去とが容易であり、設置中、使用中、及び保管中、隔膜を保護することができ、廃棄することができることが望ましい。製造業者は種々のポリマ材料からフィルタカートリッジを製造している。通常、カートリッジはポリオレフィン、ポリスルホンポリマ、ポリアミド、及びそのような良く知られた材料で造られる。
【0015】
半導体の製造におけるように、微小電子工学の分野では製造の条件として、このような通常のポリマ材料を使用することはできない。即ち、高い酸性、酸化性化学物質、高温で使用される溶剤は大部分の通常のポリマ材料を溶解し、弱化させる。この理由のため、弗化ポリマ、特に化学的、熱的に一層、安定しているポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)を使用する。PTFE材料は不活性で、高温に抵抗し、抽出するレベルも非常に低く、選択されるのに好適な材料である。しかし、PTFEをベースとするカートリッジを製造する際の問題点は古くから言われている。熱可塑性とは限らず、PTFEを複雑に成型された形状に製造するには極端なプロセスパラメータが必要である。更に、PTFE材料はそれ自身の材料も含めて、他の材料に容易に結合しない傾向がある。
【0016】
フルオロポリマは2つの一般等級に分類することができる。これ等はペルフルオロカーボンモノマーから造られ、更にこれ等は水素、塩素、又はその両方により、更にでき上がったポリマの性質に顕著に貢献する十分な弗素を有するモノマーから造られる。ペル弗化ポリマにはポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)、ポリ(テトラフルオロエチレン−CO−ヘキサフルオロプロピレン)(FEP)、及びポリ(テトラフルオロエチレン−CO−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル))(PFA)を含む。第2等級にはポリ(エチレン−CO−テトラフルオロエチレン)(ETFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)(CTFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン−CO−エチレン)(ECTFE)がある。ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、及びポリビニルフルオライド(PVF)は時々、この第2等級に含まれる。
【0017】
PTFEは流動せず、融解ポリマの操作を必要とするので、通常の技術で製造できない。このポリマを利用するため、製造業者が変更を加えた粉末冶金法に類似する刷新されたプロセス技術を開発した。ペル弗化ポリマのための要求に合うようにFEPポリマ、及びPFAポリマが開発された。この材料はPTFEに近く化学的、熱的に安定しており、融解状態で処理できる利点を有する。プラスチック製造業者は高速押出し、射出成型、及びブローモールディング法によって、PFA、及びFEPにより、フィルム、押出し管、弁、及び複雑な成型部品のような広範囲の種々の製品を製造することができる。PFAはPTFEより一層優れたクリープ抵抗性を有し、この性質は一定の圧縮負荷、又は引張り負荷を受ける製品に重要である。
【0018】
第2等級のポリマはFEP、特にPFAの化学的、及び熱的安定性を有しない。ETFEは約150℃の上限の使用温度を有し、強い酸化性の酸、有機塩基、及び高温でのスルホン酸によって影響を受ける。PCTFEは若干のエーテル、エステル、ハロゲン溶剤、及びトルエンによって室温で膨潤する。PECTFEは約163℃〜177℃の上限の使用温度を有し、高温のアミンの影響を受ける。FEPは約200℃の上限の使用温度を有し、PFAは約260℃の上限の使用温度を有する。これ等は共に、上述の第2等級の隔膜よりも化学物質による影響を受けにくい。
【0019】
全「フルオロカーボン樹脂」技術、全「フルオロポリマ」技術、又はその他の類似技術の名の許に、化学的に抵抗性のあるフィルタカートリッジを造る種々の試みがなされた。しかし、これ等のフィルタカートリッジはPTFE隔膜に依存しており、全てのペル弗化熱可塑性カートリッジを教示していない。
【0020】
米国特許第4588464号は全てフルオロカーボン樹脂から製造されるフィルタ素子を製造する方法に関し、この方法は両面に重ねたフルオロカーボン樹脂から、造られたフィルタ隔膜から成るシートをひだ付きの形状に形成し、このひだ付きのシートを円筒形に曲げ、隣接する両側の隣接する両部分の端縁部を液体密に溶着し、網状支持体の融解点より一層高い温度まで、円筒形のひだ付き隔膜の両端部を加熱することによって、ひだの部分を予め溶着し、この予め溶着したフィルタを冷却し、中心開口を画成する手段を有する円形モールド内で、熱可塑性フルオロカーボン樹脂を融解し、冷却された予め溶着したひだ付き隔膜の端部を、中心開口を有する円形モールド内の融解熱可塑性フルオロカーボン樹脂内に挿入して、この樹脂を強制的にひだの中に入れ、これにより端部、及び樹脂を互いに一体に溶着し、生じたフィルタ材料の端部内に、所定の形状を有するフルオロカーボンキャップを嵌着することを特徴とする。この特許はペル弗化熱可塑性ポリマと、化学的、熱的安定性が劣るその他のフルオロカーボンとの間を区別していない。更に、この特許は熱可塑性隔膜では可能であるのに、PTFE隔膜はそれ自身で熱的シールができないので、隣接する両側の隣接する両部分の端縁部を溶着するのに、別個の熱可塑性テープを必要とするようなPTFE隔膜の使用を述べている。
【0021】
米国特許第5114508号は米国特許第4588464号と同様の発明であるが、相違するのは上述の隔膜にウェブ支持体を予め溶着しないことである。米国特許第4588464号と同様、米国特許第5114508号もペル弗化熱可塑性ポリマの利点と、化学的、及び熱的安定性に劣るその他のフルオロカーボンとの間を区別していない。熱可塑性隔膜では必要としない別個のテープを使用して、端縁部を溶着している。ペル弗化熱可塑性隔膜の記載はない。
【0022】
米国特許第4154688号はPTFEの端部キャップにひだ付き隔膜シリンダを融合させることを提案しているが、このことは困難であると述べており、PTFEはその融解点以上でも流体でないと述べている。PTFEは適切な接合剤として役に立たない。
【0023】
米国特許第4609465号は分解性流体から粒子を除去する濾過装置を提供している。この発明によれば、濾過装置の全ての構成部分をフルオロポリマから製造する。これ等は弗素含有ポリマとして定義され、ペルフルオロポリマが含まれ、これは酸、及び/又は溶剤のような分解性流体の劣化作用に強く抵抗する。ペル弗化熱可塑性ポリマと、この発明の好適な実施例のPVDFのようなその他のフルオロポリマとの間を選択し得る利点をこの米国特許第4609465号は教示していない。PVDFはジメチルアセトアミドのようなアプロティック溶媒内で溶解し、若干のエステルのような他の溶剤によって、膨潤し、従って、溶剤に対する抵抗が必要な多くの用途に使用するには適さないものとして知られている。更に、米国特許第4609465号の発明は少なくとも表面がフルオロポリマのような材料から成るシールリングを端部キャップに協働するように設ける必要がある。このような構成は熱的に結合したシールのように、厳しい条件下でもシールを一体化する構成は生じない。
【0024】
米国特許第5066397号、及び第4980060号は熱可塑性樹脂の複数個の多孔性中空繊維隔膜から成る中空フィルタ素子を提供しており、各隔膜は2個の端部を有し、隔膜の上記端部の少なくとも一方をその周縁で直接融合して、一体化したターミナルブロックを形成しており、その中に、上記隔膜の端部を融合して相互に流体密に結合している。米国特許第4980060号では、熱可塑性樹脂媒体を介して、隔膜を融合結合して、一体化したターミナルブロック構造を形成しており、その中に、上記隔膜の端部を融合して、相互に流体密に合体結合している。これ等の発明の重要な要素は個々の繊維を単一端構造に融合することである。米国特許第4980060号においても、熱可塑樹脂媒体は開示記載された端部構造のほんの微小部分に過ぎない。従って、この端部構造の強度は繊維対繊維の融合の均質性によって定まり、更に、繊維材料の物理的性質により定まる。更に、中空繊維隔膜を互いに融合させることによって、個々の繊維の構造を生じ得る有害作用と折衷させている。ペル弗化熱可塑性樹脂のような融解時に高い粘性を有するポリマで造られた繊維の間の間隙は融合中、泡を発生する。このような泡は除去するのが非常に困難で、弱い部分を生ずる原因になる。従って、端部シール材料に結合した個々の繊維を有するフィルタカートリッジは一層均一で一層、強力な構造を有する。更に、これ等の米国特許は高い粘性のポリマを使用して、250℃以上の温度で操作する必要がある全てのペル弗化熱可塑性カートリッジを製造する際の非常に重要な困難性を追求していない。実際、ペル弗化熱可塑性樹脂からフィルタ素子を造ることと、製造するのが困難であると認められているその他のフルオロポリマ、及びポリサルフォン、又はポリプロピレンのようなその他の熱可塑性樹脂からフィルタ素子を造ることとを区別できるように説明していない。
【0025】
米国特許第5154827号は微孔質のポリフルオロカーボンのフィルタカートリッジを開示しており、このカートリッジは凝集微孔質フルオロカーボンポリマの3個、又はそれ以上のシートから成る隔膜を使用しており、このポリマは凝集していない状態で、0.3ミクロンより大きくない個々の粒子直径を有する。このプロセスは基本的にPTFE隔膜の製造に関する。特定の範囲内に粒子寸法を減少させると、製造プロセスの困難性が著しく増大する。本願の明細書に記載された本発明では適切な粉砕プロセスによって、ほぼ100〜1000ミクロンの寸法、好適には約300ミクロンの寸法に減少させたペル弗化熱可塑性樹脂から隔膜を造る。更に本発明では、単一の隔膜シートを使用することができる。
【0026】
米国特許第5158680号は実質的にフィブリル化部が無い多孔質ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子結合構造の層から基本的に成る多孔質フィルム隔膜を有する隔膜形分離器を開示している。この発明はポリテトラフルオロエチレン樹脂の分散ポリマ、及び繊維、又はフィルム形成ポリマから中空構造、又はシート状構造を有するフィルムを形成する工程から成る多孔質隔膜の製造方法を提供している。この明細書にはこの発明の隔膜はフィルム形成ポリマを除去することによって、上述のフィルムから得られる多孔質隔膜を意味すると述べている。このような隔膜は一層複雑な製造プロセスを必要とし、しかも粒子結合構造のため、本願に説明した相反転方法から形成されたものより一層弱く、水溶液、又は溶剤をベースとする分散状態として供給されるポリマに限定される。
【0027】
米国特許第5855783号では、ひだ付きフィルタカートリッジはポリ(テトラフルオロエチレン)隔膜のためポリ(テトラフルオロエチレン)ペーパ支持体を利用している。ペル弗化熱可塑性隔膜は試みておらず、開示もしていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】米国特許出願第60/117853号明細書
【特許文献2】米国特許第4588464号明細書
【特許文献3】米国特許第5114508号明細書
【特許文献4】米国特許第4154688号明細書
【特許文献5】米国特許第4609465号明細書
【特許文献6】米国特許第5066397号明細書
【特許文献7】米国特許第4980060号明細書
【特許文献8】米国特許第5154827号明細書
【特許文献9】米国特許第5158680号明細書
【特許文献10】米国特許第5855783号明細書
【発明の概要】
【0029】
望ましいのは製造が一層容易で、一層安価であり、今日のPTFE製品では決して得られない種々の変更、及び複雑な設計も可能であり、しかもPTFEと同一、又は類似する性質を有する材料で形成されたカートリッジである。本発明はそのような装置を提供する。
【0030】
第1実施例で、本発明は第1端部と第2端部とを有するハウジングと、間に多孔質壁を有する2個の表面を持ち、両端がハウジング内にある隔膜フィルタと、形成された形状に隔膜フィルタの各端部をシールするシール手段とを具え、シールされた隔膜の端部がハウジングの第1端に、又は第1端の付近にこのハウジング内にあり、隔膜フィルタの他端のシール部分がハウジングの第2端に、又は第2端の付近にあるフィルタカートリッジを提供する。送入口と送出口とを設け、濾過すべき物質を含む流体をハウジングに入れ、隔膜の一方の表面に接触させ、これにより流体が隔膜フィルタに通り、濾過された物質の一部から分離し、隔膜フィルタに通る流体は送出口を出る。
【0031】
他の実施例では、第1実施例の隔膜フィルタをひだ付き平坦シート隔膜にする。
【0032】
第2の実施例では、本発明は第1端部と第2端部とを有するハウジングと、間に多孔質壁を有する2個の表面を持ち、両端がハウジング内にある隔膜フィルタと、形成された形状に隔膜フィルタの各端部をシールするシール手段とを具え、シールされた隔膜フィルタの端部がハウジングの第1端に、又は第1端の付近にこのハウジング内にあり、隔膜フィルタの他端のシール部分がハウジングの第2端に、又は第2端の付近にあるフィルタカートリッジを提供する。この隔膜フィルタは外径と内径とを有する複数個の中空繊維隔膜を具える。ハウジングは少なくとも1個の流体導入口手段、又は流体送出口手段を有する。この繊維の内径はハウジングの外側から、繊維のシールを横切ってハウジングの内側に通る流体の流れに対して開いており、これにより流体が隔膜フィルタに通り、濾過された物質の一部から分離し、隔膜フィルタに通る流体はハウジングの送出手段を通じて、ハウジングから出る。
【0033】
第2実施例の変形では、カートリッジの両端の繊維は流体の流れに対し開いている。
【0034】
第3実施例では、本発明は第1端部と第2端部とを有するハウジングと、間に多孔質壁を有する2個の表面を持ち、両端がハウジング内にある隔膜フィルタと、形成された形状に隔膜フィルタの各端部をシールするシール手段とを具え、シールされた隔膜フィルタの端部がハウジングの第1端に、又は第1端の付近にこのハウジング内にあり、隔膜フィルタの他端のシール部分がハウジングの第2端に、又は第2端の付近にあるフィルタカートリッジを提供する。この隔膜フィルタは外径と内径とを有する複数個の中空繊維隔膜を具える。ハウジングは少なくとも1個の流体導入口手段、又は流体送出口手段を有する。ハウジングはハウジングに入り、中空繊維隔膜の外径に接触して濾過されるべき流体のための導入口手段を有する。隔膜の壁に通る濾過された流体は中空繊維隔膜の内径を経て、ハウジングから出る。この隔膜繊維隔膜はシール手段の一方、又は両方を横切る流体の流れに対し開いている。
【0035】
第3実施例の変形では、濾過されるべき流体はシール手段内の導入口手段を経て、ハウジングに入る。必ずしもこれに限定されないが、この導入口手段はハウジング内の全長にわたり流体の流れが通る小孔を有し、シール手段に貫通する管、又はパイプにすることができる。
第4の実施例では、巻いた縦形フィルタでフィルタを形成する。
他の実施例ではフィルタは一連のディスクに形成された平坦シートである。
【発明の効果】
【0036】
本発明はペル弗化熱可塑性樹脂フィルタカートリッジを提供する。このような装置は多数の利点を有する。ペル弗化熱可塑性樹脂はもともと化学的、及び熱的抵抗が高く、抽出物が非常に少なく、そのため超純度の濾過に有利に使用されている。さらに、熱可塑性であるため、隔膜や構成部分になるように、容易に形成され、合体接合することができる。要するに、これ等のポリマは欠点を生ずることなくPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂の全ての樹脂の利点を発揮している。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】横断面で示すひだ付き隔膜を有する濾過カートリッジとしての本発明の一実施例を示す。
【図2】横断面で示す端部キャップと、ひだ付き隔膜を有する濾過カートリッジとしての本発明の一実施例を示す。
【図3】横断面で示す中空繊維隔膜を有する濾過カートリッジとしての本発明の一実施例を示す。
【図4】横断面で示す巻いた繊維から成る縦形フィルタを有する濾過カートリッジとしての本発明の一実施例を示す。
【図5】横断面で示す小容積遅延濾過装置を利用する濾過カートリッジとしての本発明の一実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
フィルタカートリッジは隔膜フィルタと、このフィルタを内部に設置し、流体密にシールするハウジングとから成る。本発明では、いかなる形であれ隔膜を結合する注封材料、即ち、シール材料と、隔膜とをペル弗化熱可塑性樹脂で形成する。ハウジングはPTFEで造ってもよいが、ペル弗化熱可塑性樹脂で造るのが好適である。これ等素子の残りの部分はペル弗化熱可塑性樹脂で形成する。
【0039】
図1にはひだ付きシート隔膜についての本発明の好適な実施例を示す。このペル弗化熱可塑性隔膜は米国特許第4902456号、第4906377号、第4990294号、及び第5032274号に記載されているように造られる。通常の手順では、隔膜を透過性織物支持体の間にサンドイッチ状に設置して、ひだになるように折る。上流、及び下流の支持体も隔膜のためのドレン、即ち排水部を提供している。適当な支持体は不織布、又は織布、形成ネット、メリヤス布、及びパンチドシート、又は類似のウェブである。これ等の材料はペル弗化熱可塑性樹脂から造るのが好適である。サンドイッチ状のひだ付き隔膜を、両端を有する円筒形に形成する。ひだは軸線方向に延びており、ひだ付きのサンドイッチ状部の2個の軸線方向端部を熱と圧力との組合せによって相互に結合する。
【0040】
他の形状、及び形態を使用することもできるが、この例では円筒管であるハウジング10は導入口20と送出口30とを有し、導入口20と送出口30との間に、ハウジング10内に、隔膜40、この例ではひだ付き平坦シート隔膜40を収容する。このカートリッジは一端、又は両端に送出口を有する。導入口20に入る全ての流体が送出口30に到達する前に、必ず隔膜40に通過するように隔膜40をシールする。
【0041】
この特定の実施例では、形成されたペル弗化熱可塑性材料から成る端部シール50内にひだ付きフィルタ隔膜40をシールし、又は注封する。隔膜のひだ端部に流体密に結合するようにシール50を形成し、この端部シール内に形成された手段をこのシールに設け、送出口30として作用させる。ここに援用する1999年1月29日に出願された米国特許出願第60/117853号に従って、このシールを形成し、ひだ付き隔膜に結合することができる。高い融解温度を有する材料で注封する問題点に打ち勝つこの方法においては、注封プロセス中、ハウジングを端部シールに結合する。ひだ付き隔膜の端部のみを注封し、次に、注封端にハウジングを嵌着するため、この方法を使用することができる。このカートリッジの反対端31をこの実施例では閉じた端部として示しているが、望ましければ送出口30を有するようにしてもよい。
【0042】
ひだ付き隔膜シリンダのための内部支持体として成型コアを使用することもでき、又はそのようなコアを用いず、このひだ付きシリンダを使用することができる。このコアをペル弗化熱可塑性材料で造り、このコアに導入口20、又はそれに類似する流体開口を設け、このフィルタに通る濾過された流体を送出口に達せしめてもよい。
【0043】
図2にはハウジングの各端部に端部キャップ15a、15bを設けた実施例の変形を示す。この図面では、端部キャップ15aは流体送出口35としての手段を有する。また、流体回収システム(図示せず)に流体密に整合するためのOリング37と、溝36とを示す。端部キャップ15bは流体の流れに対し不透過性であり、従って、濾過された全ての流体は送出口35から出る。カートリッジフィルタをシリーズに使用したい場合には、端部キャップ15bの位置における端部キャップに、流体流手段を設け、一連のカートリッジの端部キャップ15aにこの流体流手段を整合させる。又は2個のカートリッジを結合させるのに、流体流アダプタを使用してもよい。また、内部支持コア25を示す。図1に示し、説明した注封端に組み合わせて、フィルタシリンダを支持するのに端部キャップを使用するか、又はサンドイッチ状のひだ付き隔膜をシールするのと、シリンダを支持するのと両方に端部キャップを使用することができる。いずれの場合でも、ハウジングの全周縁の周りに、流体密にシールするよう、端部キャップをハウジングに熱的に結合させる。端部キャップをサンドイッチ状のひだ付き隔膜として使用する場合には、端部キャップを加熱して、隔膜を注封する表面を融解すると共に、必要なら、冷却により反対表面を固体に維持する。十分な深さの融解ポリマが形成されれば、ハウジング内に保持されるひだ付き隔膜シリンダの一端を融解ポリマ内に浸漬し、次に冷却し、隔膜シールを形成し、ハウジングをキャップに結合する。サンドイッチ状のひだ付き隔膜はハウジングの端部に短い距離にわたり延在し、又はハウジングと同一長さに延在する。次にハウジング、及びサンドイッチ状ひだ付き隔膜シリンダの他端に同じプロセスを導入する。
【0044】
シール手段、及び隔膜40を1個、又はそれ以上のペル弗化熱可塑性樹脂で形成する。この装置の各素子を1個又はそれ以上のペル弗化熱可塑性樹脂で形成するのが好適である。
【0045】
この隔膜を1個、又はそれ以上の中空繊維の形にしてもよい。ペル弗化熱可塑性中空繊維、及びその製造方法は、全てここに援用する1999年1月29日に出願した米国特許出願第60/117852号、及び第60/117854号、及び米国特許第4902456号、第4906377号、第4990294号、及び第5032274号に教示されている。
【0046】
ハウジング、及びハウジング内の隔膜の選択、及び配置は設計的事項であり、当業者にはよく知られている。通常の場合、両端を有する複数個の中空繊維隔膜の束を流体密にシールし、又は少なくとも1端に注封する。注封端、又は複数個の注封端を繊維方向に垂直にカットし、又はそうでなければトリミングして、流体流のために繊維を開く。
【0047】
中空繊維隔膜カートリッジを形成するため業者は数個の方法を使用している。一つのケースでは、複数個の中空繊維隔膜の束を注封し、繊維がハウジングの軸線に多少とも平行に指向し、束の各端部が注封されているようにする。カートリッジの設計、及び用途に従って、注封端の一方、又は両方をカットし、開く。他のケースでは、繊維の束をループ状の構成にする。これは単純な重ね折りの単一ループにすることができ、もっと複雑な交差巻付け形の構造にすることもできる。単一ループは通常、非ループ端を注封するが、若干の業者は使用中の安定のため、ループ端を注封する。巻付け形の構造の場合には一端、又は両端を注封することができる。若干のケースでは、注封する前に、巻付け形の構造を半分に切り、2個のループ構造を形成し、切断端でそれぞれ注封する。
【0048】
図1、及び図2に示すのと類似するカートリッジは通常、「デッドエンド」濾過と呼ぶ濾過のために、当業者が思いつくことができる。業者はサンドイッチ状ひだ付き隔膜フィルタに代え、注封繊維束を使用する。これ等の注封繊維束は隔膜の外面に接触する濾過すべき供給流の流体、及び繊維の中空部から回収された濾過された流体に使用することができ、又はこの供給流を中空繊維隔膜の中空部に、更に、繊維の外面から回収された濾過された流体に送ることができる。
【0049】
代案として、中空繊維装置のために、繊維(外側)のシェル側に送出口、又は送入口を形成し、又は場合により他の送出口、又は送入口を中空繊維束の内側、即ち中空部に連通するように形成する。この装置の一形式を図3に示し、複数個の中空繊維60を束にし、その両端65a、65bを第1注封部70a、第2注封部70b内に収容する。導入口80aをハウジング90に取り付けて示す。更に濾過送出口100は繊維の中空部、即ち内部を装置の送出口に連結する。場合により、繊維の壁を通らないで、濾液送出口100から、このカートリッジを去った流体のため、ハウジングに形成された廃棄送出口、又は再循環送出口80bを設けてもよい。
【0050】
図3に示すように、束の端部65a、65bを第1端部キャップ105a、第2端部キャップ105bにそれぞれシールする。ブロック70a、70bは束を一様にし、この図示の実施例ではハウジング90と束との間に流体密なシール110を形成し、導入口80aに入り、濾液送出口100に通すようにすることを望む流体を繊維の壁を経て、その中空部に必ず通るようにする。他の実施例(図示せず)では、ブロックの1個をシールし、流体が繊維の束の一端のみを常に必ず通るようにする。
【0051】
このような中空繊維濾過装置の他の構成はこの分野でよく知られており、本発明を実施する際、使用することができる。
【0052】
図4は本発明により製造された縦形フィルタを示す。この実施例では、1個、又はそれ以上のペル弗化熱可塑性樹脂から造った1個、又はそれ以上の繊維から隔膜41を形成する。中心コア42の周りに、異なる多孔性の2個の別々な層41a、41bとして、これ等繊維を巻き付けている。繊維の巻き付けた間の空間が隔膜の細孔を生ぜしめている。この分野でよく知られているように、縦形フィルターは一定直径をそれぞれ有する1個、又はそれ以上の繊維から成る。代案として、縦形フィルターは一定直径の1個の繊維から造られていてもよく、又は繊維の直径を変化させる効果を達成するため、長さにわたり変化する直径を有する連続する繊維から造られていてもよい。フィルタの深さ方向に通る細孔の寸法を変化させるため、種々の直径の1個、又はそれ以上の繊維で縦形フィルタを造るのが好適である。更に、段状の多孔性を生じ、従って、縦形フィルタに濾過能力を与えるため、種々の一連の縦形フィルタを使用することもできる。更に、濾過能力を増大するため、縦形フィルタの層の間の外面に、又はその内面に、通常、ひだ付きフィルタの形の1個、又はそれ以上の平坦シート隔膜に、縦形フィルタを組み合わせることができる。
【0053】
繊維の選択、又は他のフィルタとの組合せとは関係なく、フィルタのコア42を送出口43に取り付け、コア42と送出口43との間に流体密なシールを形成する。更に、縦形フィルタの頂部44を閉じた端部キャップ45によってシールし、液体密シールを形成する。このようにして、流体は隔膜41a、41bに通り、コア42内に入り、次に送出口43に必ず通るようにする。コア42と、送出口43との間にOリング、機械的ねじ、又はその他の機械的相当手段により、又は熱的な結合により、中心コア42を送出口に取り付ける。熱的な結合方法が好適である。コアと端部キャブ45Bとの両方のため、ペル弗化熱可塑性樹脂の使用によって、熱的結合を達成するのが一層好適である。2個の構成部分を互いにシールする付加的樹脂の使用によって結合を行ってもよく、又は代案として、超音波溶着、対流加熱、及びその他のこの分野でよく知られた手段を使用して、これ等構成部分を直接、相互に結合してもよい。次に、このフィルタをハウジング内に設置し、図面に示すようにOリング46、ねじ固定具、摩擦嵌合、又は機械的、又は熱的結合法のような任意、通常の手段により、送出口43をハウジング送出口にシールさせる。
【0054】
図5には本発明の他の好適な実施例を示す。この実施例、及びその製造方法は、ここに援用する米国特許第5762789 号に教示されている。この装置は小体積遅延フィルタ装置として設計されている。この装置はハウジング50、通孔52を有する端部キャップ51、導入口53、送出口54、及び平坦シートから形成され、又は中空繊維(図示せず)の束として形成された隔膜55を有する。導入口53は端部キャップ51の頂部から直接、ハウジング50の底56まで延び、導入口53に通る流体は流体密に配置されてシールされる隔膜に通り、導入口53から送出口54に通る全ての流体は隔膜55に必ず通る。代案の配置では、送出口54をハウジング50の底部に配置し、流体は端部キャップ51の頂部に移動する。導入口53を単に端部キャップ51内に設置し、流体を隔膜に通し、更に送出口54に流す。
【0055】
平坦シート、中空繊維、縦形形式のフィルタ素子、又はディスク素子を使用するフィルタの形態とは無関係に、本発明の重要点はフィルタとカートリッジとの間に液体密のシールを形成し、一体の濾過装置を形成することである。過去の問題点は隔膜を損傷することなく、このようなシールをどのように達成するか、及びシールのために選択された材料が隔膜を造るのに使用するポリ(TFE−CO−PFAVE)に同一、又は類似し、折り合うことができるかであった。
【0056】
ハウジング内の隔膜を適正にシールし、流体密シールを得るため、種々の方法を使用し得ることがわかった。これ等の全ての方法の中で、その一つは隔膜よりもピーク融解温度が低い注封樹脂、又はシール樹脂として1個、又はそれ以上のペル弗化熱可塑性樹脂を使用すべきであることがわかった。そのピーク融解温度が隔膜のそれよりも、少なくとも5℃低いのが好適である。また、ピーク融解温度が隔膜のそれよりも、約10℃〜約50℃低いのが一層好適である。この材料を使用することによって、隔膜の一体シールが達成される。隔膜の融解温度より低い融解温度を有する樹脂を使用することによって、融解樹脂と隔膜との間の接触時間が一層長くなり、隔膜を損傷せず、融解プラスチックに隣接する多孔質構造を圧潰することなく、隔膜の完全なシールを達成することができる。
【0057】
そのような一方法はここに援用されている1999年1月29日に出願された係属中の米国特許第60/117856号に教示されている。この方法では、中空繊維のような隔膜を編成マットのように一連に配置し、一連の繊維を1対の平行な離間するテープに取り付け、又は融解樹脂自身によって一連の個々の繊維を合体保持する。この一連の繊維を繊維自身に巻き付けるか、又はマンドレルに巻き付ける際、この一連の繊維をノズル、又は1対のノズルの下に位置させ、この位置から、この一連の繊維の一部、又はそれ以上の部分に、融解したペル弗化熱可塑性樹脂を分配する。一連の繊維を組み立てた後、樹脂が融解し、繊維の間に流れ、存在している全てのいかなる間隙、又は空隙をも樹脂が充填するのに十分な温度と時間とで、一連の繊維に後形成加熱工程を受けさせる。
【0058】
シールする代案の方法はここに援用されている1999年1月29日に出願された係属中の米国特許出願第60/117853号に教示されている。この方法では、融解ペル弗化熱可塑性樹脂のプールを生じ、シールすべき隔膜をこの融解プールに形成された一時的な凹所内に挿入し、この凹所が再び融解樹脂で充たされるまで、隔膜を凹所内に維持し、このようにして隔膜をシールする。次に隔膜を融解プールから除去し、冷却する。隔膜のいかなる損傷をも防止するため、この樹脂の融解点は隔膜の融解点より低い。
【0059】
上述の援用した特許出願は中空繊維隔膜について、この方法を使用することを教示しているが、他の隔膜の形態、特に、平坦シート、及び巻いた繊維のフィルタにも使用することができる。縦形フィルタのような巻いた繊維フィルタ、又は平坦シートを使用する実施例では、選択されたキャップ、又はハウジング構成部分が隔膜、及びシール材料を形成している材料に適合するペル弗化熱可塑性樹脂であるならば、キャップ、又はハウジングのその他の部分にプールを形成することができる。隔膜、及びシール材料が上記構成部分と同一のペル弗化熱可塑性樹脂で形成されているのが好適である。同一の樹脂であれ、又は適合する樹脂であれ、構成部分内でシール材料が融解するようにするため、構成部分の材料の融解点がシール材料の融解点より高いことが必要である。
【0060】
隔膜をシールするためのそのような一方法は隔膜、及び端部キャップ、又は複数個の端部キャップの融解点より低い融解点を有するシール樹脂を選択すべきである。隔膜を単に端部キャップの1個に挿入し、次に融解樹脂をキャップ内に流入させると共に、シール樹脂の融解点より高い温度を維持する。これにより樹脂を流入させ、キャップ内に隔膜を完全に包囲し、シールする。望ましければ、次に隔膜の反対端を別個のキャップ内に同様にシールする。代案として、キャップ内に樹脂を置き、この樹脂の融解点より高く、キャップの融解点より低い温度まで温度を上昇させる。次に、隔膜を単に、融解シール樹脂内に挿入し、キャップ内の樹脂の中で、隔膜を完全にシールするために十分な時間にわたり、この温度を維持する。この実施例では、キャップ内に設置する時、樹脂は固体であってよく(例えば、室温でキャップ内に挿入される粉末であってもよい)、次にその融解点以上の温度に加熱する。代案として、この樹脂を融解するまで、別個に加熱し、次にキャップを加熱し、融解している樹脂をキャップ内に挿入する。更に代案として、希望するシールを形成するため、ハウジング、及び隔膜のような構成部分をシール材料の融解プール内に単に挿入してもよい。
【0061】
ほぼ円筒形に形成された平坦シート隔膜の場合、シートの2個の隣接する端部間の縦継目をシールする必要があることが時々あることはもちろんである。この場合も、隔膜のピーク融解点より低いピーク融解点を有するペル弗化熱可塑性樹脂を使用して行うことができる。通常、隔膜はそれ自身に巻き付けるか、コアの周りに巻き付けてあり、2個の隣接する端部は突合わせにより結合するか、又は或る量だけ重ねて結合する。いずれの場合でも、樹脂を融解し、2個の端縁に沿って加え、2個の端縁を合体シールする。代案として、適当な熱と圧力とを加えることにより、突合わせて、又は重複させて、軸線方向端縁を熱的に結合する。
【0062】
融解ペル弗化樹脂の繊維を回転マンドレル上に単に押し出すことにより、繊維が交差する位置で、相互に結合することにより、ペル弗化熱可塑性樹脂から成る縦形フィルタを形成することができる。代案として、繊維を予め形成し、コアに巻き付けてもよい。次に、この巻かれたコアをこの繊維の融解点に、又は融解点より高い温度に、又は繊維のガラス転移温度より高い温度に加熱し、交差する位置で繊維を相互に結合する。
【0063】
例1
米国特許第4990294号、及び第4902456号に教示するところにより、AusimontのMFA620樹脂から成る微孔質熱可塑性ペル弗化中空繊維隔膜をこの例1における注封のため使用した。示差走査熱量計(DSC)によって測定したところ、この繊維のピーク融解温度は289℃であった。各繊維の外径は1000ミクロン、内径は600ミクロンであった。多孔率は約65%であった。使用した注封樹脂はMFA19405/13樹脂としてAusimontから入手できる熱可塑性ペル弗化樹脂であった。この樹脂のピーク融解温度は258℃であり、その融解流速(ASTM D2116に記載されている5kg、372℃におけるMFI即ち融解流速インデックス)は124g/10分であった。
【0064】
長さがそれぞれ約15cmである上述の繊維の約90個のストランドを平行な群に配置し、繊維の両端付近をテープで合体し、繊維マットを形成した。米国特許第5695702号に記載された方法に類似する方法を使用し、上述の注封樹脂の2個の融解流れを垂直方向に、このマット上に押し出した。この融解流れは約9cm離間し、幅はそれぞれ約2.5cm、厚さは約0.075cmであった。この流れのダイ温度を335℃に設定した。マットと融解樹脂の流れの組合せをポリ(テトラフルオロエチレン−CO−ヘキサフルオロプロピレン)管に螺旋状に巻き付けて、1対の注封端を有する円筒形の束にした。融解注封樹脂もFEP管に結合されていることが観察された。
【0065】
例2
256℃の融解点、及び約200の融解流速インデックスを有するAusimontの940AXクラスの注封樹脂を幅約10.2cm(4インチ)、深さ約7.6cm(3インチ)の加熱カップ内で加熱し、275℃で融解させた。約24時間後、樹脂は完全に透明になり、含んでいる泡が無くなった。30%MFA620ソリッドコンク、及びHaloVac60から成る150ミクロンの壁厚、及び500ミクロンの内径を有する脱ガス中空繊維を使用して、約30cm(12インチ)の長さのフレーム上に繊維ループを準備した。この繊維フレームを約24時間、Genesolv内で抽出した。このフレームを取り出して、空気乾燥し、次に24時間、280℃でアニールした。このフレームをオーブンから取り出し、冷却し、フレームから繊維ループを巻きほぐした。この繊維の束をオーブンに戻し、更に24時間、アニールした。繊維の束を取り出して、冷却した。次に、約2000個の繊維で組み立てて束にし、約25.4cm(10インチ)の長さ、5.1cm(2インチ)の内径、及び約6.4cm(1/4インチ)の壁厚のPFAハウジング内にこれ等の束を挿入した。ハウジング端を予め処理して、MFA904AX粉末樹脂を融合させた。ロッドによって、注封カップに凹所を造った。ハウジングと繊維束とをこのカップの空所に挿入し、2日間放置した。注封された繊維束を注意深く取り出して、ハウジングを反転し、他端を処理した。両端を注封した後、注封部を切り、繊維の中空部を露出した。次に注封表面をヒートガンで磨き、落ち易い樹脂を除去した。IPAとの結合性を調べるためモジュールをテストした。その結果、1個の繊維に欠陥があることがわかった。はんだガンを使用して、モジュールを修理し、この繊維の両端を詰めた。このモジュールを再度テストし、完全であることがわかった。
【0066】
注封端を冷却した後、束を除去し、検査を行った。繊維を包囲している注封部に多数の空隙と泡とが眼で観察された。接着強度は優れていた。繊維は注封化合物から引き出すことができなかった。次の検査として、押出し後の熱処理の準備のため、注封端から突出している余分な繊維、及び管をトリミングした。次に注封端とほぼ同一の寸法の深さと直径とを有する円筒カップ状金属ホルダ内に一方の注封端を設置した。この注封端を有するホルダを金属加熱ブロックの切除部内に嵌着した。このブロックを電気加熱バンドで加熱し、その温度を280℃に制御した。この温度に約1時間、このサンプルを加熱した。この処理を束の反対端にも行った。この押出し後の熱処理の完了の後、端部を機械加工し、繊維の中空部を露出した。注封樹脂によって、これ等の繊維のシェル側が結合していることが観察されたが、眼で見える空隙は観察されなかった。付着強さは熱処理前と、同一であった。
【0067】
例3
融解温度256℃、融解流速インデックスが5kg、373℃で373であるポリ(テトラフルオロエチレン−CO−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル))の45グラムを直径57mm、深さ25mmの寸法の容器に一部充填した。この容器を約24時間、275℃のオーブン内に置き、この容器内にポリ(テトラフルエチレン−CO−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル))の融解プールを生ぜしめた。30個の中空繊維隔膜繊維から成る束を造った。これ等繊維は長さが8cm、外径850ミクロン、壁厚225ミクロンであった。これ等繊維は約250℃の融解温度を有するポリ(テトラフルオルエチレン−CO−ペルフルオロ(アルカリビニルエーテル))から造られていた。この繊維の束のその一端近くを或る長さのテフロン(登録商標)のパイプテープで縛った。約6.4mmの内径を有し、ポリ(テトラフルオロエチレン−CO−ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル))(PFA)から造られた中空シリンダ内にこれ等繊維を置いた。上記の縛りつけた状態で、繊維にねじ込んだ細いロッドであって、中空シリンダのリム上に静止しているロッドにより、これ等繊維を所定位置に保持した。繊維の充填密度は約60%であった。注封材料の融解プールと共に上記容器をオーブンから除去し、直径12.75mmのテフロン(登録商標)のロッドによって、このプール内に深さ約12mmの一時的な凹所を造った。
【0068】
中空シリンダをこの一時的な凹所内に置き、クランプによって所定位置に支持した。容器と、繊維の束を有する中空シリンダとを275℃のオーブンに戻し、約2日間、ここで275℃に保持した。2日後、この容器と繊維の束を有する中空シリンダとをオーブンから除去し、この封入した繊維と中空シリンダとを融解注封材料から引き出し、冷却し、固化させた。束の中の繊維のループ端の上方の位置で、この注封部を通じて、中空シリンダの直径を横切って切断を行った。上述の注封方法に類似する方法を使用して、反対繊維端をシールした。この注封部が融解するのを防止するため、この容器と注封材料の融解プールとを275℃で加熱ブロック内に保持し、シールされた端部のみを加熱した。プール内にできた一時的な凹所内に中空シリンダの反対端を設置し、クランプによって所定位置に保持した。約2時間後、繊維と共に中空シリンダを融解注封材料から引き出し、冷却した。過剰の注封材料を除去した。
【0069】
光学顕微鏡によって、この注封部の横断面を検査した。注封材料がこのすき間の間隙を完全に充填していることが観察された。隔膜の表面細孔、及び繊維間の界面は注封材料が貫入しており、注封材料は透明であった。この束をイソプロピルアルコールに浸漬し、開放する繊維端に空気圧を加えた。このフィルタ素子は約3.2kg/cm(45ポンド/平方インチ)の可視泡立ち点を有しており、一体素子であることを示していた。
【0070】
例4
約285℃の融解点を有する約175個のポリ(テトラフルオロエチレン−CO−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)繊維ループを束にし、例1の方法に類似するように注封を行うために、この繊維ループを準備した。注封材料の流れによって、この一層大きな束の圧縮の可能性を減らすため、ワイヤグリッドを使用し、繊維の束を4個のほぼ等しいグループに分割した。注封と、反対繊維端のシールは例1の方法に類似する方法で行われた。イソプロピルアルコールの泡立ち点テストはフィルタ素子が一体であることを示した。
【0071】
好適な実施例につき本発明を説明したが、本発明の他の実施例、代案、及び変更は当業者には明らかであり、そのような他の実施例、代案、及び変更は特許請求の範囲に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導入口と送出口とを有するハウジングと、前記導入口と送出口との間に設置された1個、又はそれ以上の数の隔膜とを具え、全ての流体が前記導入口から前記送出口まで必ず前記1個、又はそれ以上の数の隔膜を通過するように前記1個、又はそれ以上の数の隔膜と前記送出口との間に液体シールを形成すると共に、前記シールと前記1個、又はそれ以上の数の隔膜とがペル弗化熱可塑性樹脂から形成されていることを特徴とする濾過カートリッジ。
【請求項2】
導入口と送出口とを有するハウジングと、このハウジング内に前記導入口と送出口との間に設置されたひだ付き濾過隔膜とを具え、全ての流体が前記送出口に到達する前に、前記ハウジングの前記導入口から前記隔膜に通るようこの隔膜を前記ハウジング内にシールするように結合しており、前記ハウジング、及び前記隔膜が1個、又はそれ以上の数のペル弗化熱可塑性樹脂から形成されていることを特徴とする濾過カートリッジ。
【請求項3】
導入口と送出口とを有するハウジングと、複数個の中空繊維から成る濾過隔膜とを具え、前記中空繊維の少なくとも一端が単一の一体ブロック内に注封されており、前記導入口を経て入る全ての流体が前記送出口に到達する前に、前記隔膜を必ず通るよう前記濾過隔膜が前記ハウジング内にシールされており、前記ハウジング、隔膜、及びブロックが全て1個、又はそれ以上のペル弗化熱可塑性樹脂で形成されていることを特徴とする濾過カートリッジ。
【請求項4】
送出口と導入口とを有するハウジングと、縦形フィルタを形成するよう軸線の周りに巻いた1個、又はそれ以上の数の繊維から形成された隔膜とを具え、前記導入口に入る全ての流体が前記送出口に到達する前に、前記隔膜を必ず通過するよう前記隔膜が前記ハウジング内にシールされており、前記ハウジング、及び隔膜が1個又はそれ以上の数のペル弗化熱可塑性樹脂から形成されていることを特徴とする濾過カートリッジ。
【請求項5】
ペル弗化熱可塑性樹脂がポリ(テトラフルオロエチレン−CO−ペルフルオロアルキルビニルエーテル)である請求項1、2、3、及び4のいずれか1項のカートリッジ。
【請求項6】
前記ペル弗化熱可塑性樹脂がポリ(テトラフルオロエチレン−CO−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル))、ポリ(テトラフルオロエチレン−CO−ヘキサフルオロプロピレン)、及びその配合物から成る群から選択したものである請求項1、2、3、及び4のいずれか1項のカートリッジ。
【請求項7】
前記ペル弗化熱可塑性ポリマがポリ(テトラフルオロエチレン−CO−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル))であり、前記アルキルがプロピル、メチル、及びプロピルとメチルとの配合物から成る群から選択されたものである請求項6のカートリッジ。
【請求項8】
前記隔膜が中空繊維、平坦シート、及び巻いた繊維から成る群から選択したものである請求項1のカートリッジ。
【請求項9】
ペル弗化熱可塑性樹脂から形成された1個、又はそれ以上の数の端部キャップをハウジング用に、更に具える請求項1、2、3、及び4のいずれか1項のカートリッジ。
【請求項10】
前記隔膜が平坦なシートの形状であり、ひだ、螺旋、及びディスクからなる形状の群から選択された形状に前記隔膜が形成されている請求項1のカートリッジ。
【請求項11】
前記隔膜が1個、又はそれ以上の数の巻いた繊維から形成された縦形フィルタである請求項1のカートリッジ。
【請求項12】
ペル弗化熱可塑性樹脂のブロック内に少なくとも一端が注封された一連の中空繊維隔膜で前記隔膜が形成されている請求項1のカートリッジ。
【請求項13】
a)流体の流れのための導入口と送出口とを有するペル弗化熱可塑性ポリマのハウジングと、
b)流体が入る前記ハウジングの導入口と、濾過された後、前記流体が流出する前記ハウジングの送出口との間に介挿され、濾過される物質を含む流体を濾過するよう前記ハウジング内に位置するペル弗化熱可塑性ポリマの隔膜フィルタと、
c)前記ハウジングに入る前記流体がこのハウジングを出る濾過された流体と混合するのを防止するため、前記隔膜フィルタの一部を封入しているペル弗化熱可塑性ポリマの液密シールとを具えることを特徴とするほぼペル弗化熱可塑性ポリマで造られたフィルタカートリッジ。
【請求項14】
前記隔膜が微孔性隔膜である請求項13のフィルタカートリッジ。
【請求項15】
前記隔膜が限外濾過隔膜である請求項13のフィルタカートリッジ。
【請求項16】
端部キャップが前記ハウジングの各端部に液密に接合されている請求項13のフィルタカートリッジ。
【請求項17】
前記端部キャップと前記ハウジングとが一体の端部構造を形成している請求項13のフィルタカートリッジ。
【請求項18】
前記ペル弗化熱可塑性ポリマがポリ(テトラフルオロエチレン−CO−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル))、ポリ(テトラフルオロエチレン−CO−ヘキサフルオロプロピレン)、及びその配合物から成る群から選択したものである請求項13のフィルタカートリッジ。
【請求項19】
前記ポリ(テトラフルオロエチレン−CO−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル))のアルキルがプロピル、メチル、及びメチルとプロピルとの配合物から成る群から選択されたものである請求項18のフィルタカートリッジ。
【請求項20】
前記シールの材料が前記隔膜を造るのに使用される融解温度、又は軟化温度より一層低い融解温度を有する請求項13のフィルタカートリッジ。
【請求項21】
前記シールの材料の融解温度、又は軟化温度が前記隔膜を造るのに使用される材料の融解温度より少なくとも約5℃低い請求項13のフィルタカートリッジ。
【請求項22】
前記シールの材料の融解温度が前記隔膜を造るのに使用される材料の融解温度、又は軟化温度より少なくとも約10℃低い請求項13のフィルタカートリッジ。
【請求項23】
ほぼ円筒状で、ほぼペル弗化熱可塑性ポリマで造られたフィルタカートリッジにおいて、
a)2個の端部を有し、少なくとも1個の流体導入口を有するペル弗化熱可塑性ポリマのハウジングと、
b)2個の端部を有し、濾過できる物質を含む流体を濾過するよう前記ハウジング内に位置するほぼ円形の円筒状のペル弗化熱可塑性ポリマ隔膜フィルタの構成と、
c)前記隔膜フィルタの各端部にあって、この隔膜フィルタの前記各端部の一部を封入しているペル弗化熱可塑性ポリマの液密シールと、
d)前記隔膜フィルタによって濾過された流体を回収するため、前記液密シールの少なくとも1個を通じて、前記円筒状の隔膜フィルタの中心に連通する少なくとも1個の送出口とを具え、
e)前記ハウジングの内面の全周縁の一部に接合する液密接合部を前記シールが更に具えることを特徴とするフィルタカートリッジ。
【請求項24】
前記隔膜がひだ付き隔膜である請求項23のフィルタカートリッジ。
【請求項25】
前記ひだ付き隔膜がペル弗化熱可塑性織物によって支持されている請求項23のフィルタカートリッジ。
【請求項26】
前記隔膜が微孔性隔膜である請求項23のフィルタカートリッジ。
【請求項27】
前記隔膜が限外濾過隔膜である請求項23のフィルタカートリッジ。
【請求項28】
端部キャップが前記ハウジングの各端部に液密に接合されている請求項23のフィルタカートリッジ。
【請求項29】
前記端部キャップと前記ハウジングとが一体の端部構造を形成している請求項28のフィルタカートリッジ。
【請求項30】
前記ペル弗化熱可塑性ポリマがポリ(テトラフルオロエチレン−CO−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル))、ポリ(テトラフルオロエチレン−CO−ヘキサフルオロプロピレン)、及びその配合物から成る群から選択したものである請求項23のフィルタカートリッジ。
【請求項31】
前記ポリ(テトラフルオロエチレン−CO−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル))のアルキルがプロピル、メチル、及びメチルとプロピルとの配合物から成る群から選択されたものである請求項30のフィルタカートリッジ。
【請求項32】
a)2個の端部を有し、導入口と送出口とを有し、更に内面と外面とを有するペル弗化熱可塑性ポリマのハウジングと、
b)第1端部と第2端部とを有し、外面と中空部を構成する内面とを有する複数個のペル弗化熱可塑性中空繊維隔膜の束とを具え、
c)前記束の前記端部の少なくとも1個は液密ペル弗化熱可塑性シールで注封されており、前記複数個の繊維隔膜の各繊維が別個にシールされており、前記束の前記繊維の端部の少なくとも1個が流体の流れに開放しており、
d)前記ハウジングの前記内面の全周縁の一部に接合する液密接合部を前記シールが更に具えることを特徴とするほぼペル弗化熱可塑性ポリマで造られたフィルタカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−189345(P2011−189345A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−94142(P2011−94142)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【分割の表示】特願2000−595776(P2000−595776)の分割
【原出願日】平成12年1月28日(2000.1.28)
【出願人】(505307471)インテグリス・インコーポレーテッド (124)
【Fターム(参考)】