説明

ペースト状ルウ及びこれを含むルウセット

【課題】 低い水分活性に調整したペースト状のルウをホットパック充填法を使って製品容器に充填する。
【解決手段】 ペースト調味原料、粉末調味原料、香辛料などを含むペースト状濃縮カレールウの原料にはゼラチンが含まれる。これを水分活性0.80となるように必要に応じて水を加えて混合し、約90℃で所定時間加熱してペースト状の濃縮カレールウを作った。次いで、濃縮カレールウを90℃で殺菌処理を行った後にホットパック充填法により製品容器に充填した

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペースト状ルウ及びこれを含むルウセットに関する。
【背景技術】
【0002】
日本では、欧州カレーと称される比較的高粘性のカレーが普及しており、これに適した調理材料として、固形のカレールウが数多く市販され、他にペースト状ルウ、粉末ルウが知られている。また、シチューについても同様にルウが市販されている。消費者は、ルウを入手することにより、家庭で、具材と一緒に煮込むことにより簡単且つ手軽に本格的なカレーやシチューを作ることができる。
【0003】
ペースト状ルウに関し、特許文献1は、水、油脂、小麦粉などの澱粉、香辛料、調味料を主成分として油脂が分散相、水が連続相としたペースト状ルウを提案している。このペースト状ルウは、固形ルウと同様に、澱粉、油脂を比較的多量に含むため高粘性で重たい食感となり易い。
【0004】
これに対して、特許文献2は、澱粉の使用量を低下させながら、適当な粘性を実現することができるペースト状ルウを提案している。具体的には、特許文献2のカレールウは、野菜や果実の繊維質を固形成分として所定量を含み、これに所定の水分含量を加えて所定の粘度に調整することを特徴としている。特許文献2は、また、ペースト状ルウの水分活性Awを0.75〜0.90に調整した濃縮ルウにすることで、好適な保存性を確保できることを開示している。
【特許文献1】特開昭60−75255号公報
【特許文献2】特開平11−196828号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ペースト状ルウは、これを製品容器に充填するときの充填特性によって、使用できる殺菌法が異なったものになる。特許文献1のペースト状ルウの場合、比較的多量の澱粉を含むため温度条件によって流動性が大きく変化するため充填特性が不安定であるという問題がある。これに対して、特許文献2に記載のペースト状ルウの場合には、基本的には澱粉を含まず、固形成分が熱履歴に対して安定な野菜や果実の繊維質であるため適度な水分量を含む限り、安定的な流動性を確保することができるという利点があるが、保存性を高めるために水分活性を低く調整した濃縮ルウは流動性が低下する傾向になる。
【0006】
食品の殺菌に関する手法として、レトルト殺菌の他にホットパック充填法が知られている。レトルト殺菌は、固形や液体の特性の如何を問わず内容物を製品容器に任意に充填することができるという利点があるが、短時間で殺菌処理しようとすると100℃を超える温度で加熱する必要があるため、内容物の風味の劣化やレトルト臭の問題がある。これに対して、ホットパック充填法は、通常約80〜90℃に加熱された液体食品を容器に充填後、直ちに密封する方法であり、一般的に100℃よりも低い温度で殺菌できるため風味の劣化を抑えることができるという利点がある。しかし、ホットパック充填法を利用しようとすると、一つの手法として水分活性Awを低いレベルに調整する必要があるが、固形成分の分量を相対的に増やして分活性を低く抑えたペースト状濃縮ルウは、含有水分量が低いため流動性が乏しく、このためホットパック充填法が利用できなくなってしまう。
【0007】
そこで、本発明の目的は、特許文献1のように高粘性のルウであってもペースト状ルウの保存性を高めるために低い水分活性に調整したペースト状のルウであって、ホットパック充填法を使って製品容器に充填することのできるペースト状ルウを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、ホットパック充填法を使って製品容器に充填することのできるペースト状ルウを使って、芳醇なカレーを作ることのできるルウセットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的課題は、本発明の一つの観点によれば、
香辛料と、油脂と、調味原料とを含む原材料から作られたペースト状ルウであって、
前記原材料にゼラチンが添加されていることを特徴とするペースト状ルウを提供することにより達成される。
【0010】
上記の技術的課題は、本発明の他の観点によれば、
カレーパウダを含む香辛料と、油脂と、調味原料と、ゼラチンとを含む原材料から作られたペースト状ルウを充填した第1の製品容器と、
カレーパウダを含む香辛料の成分を抽出した香味油を充填した第2の製品容器とを有するルウセットを提供することにより達成される。
【0011】
本発明のペースト状ルウは、原材料にゼラチンが添加されていることを特徴とする。ゼラチンは、既知のように、水溶性であり室温以上の温度で適度な「とろみ」が出る。本願発明者は、このゼラチンの「とろみ」に着目し、原材料にゼラチンを添加してペースト状のルウを作って流動性を確認したところ、低水分量のペースト状ルウであってもホットパック充填法を使用できることが確認できた。ここに、ゼラチンとは、例えば、牛などの皮、骨、軟骨、腱などに含まれている蛋白質の一種であるコラーゲンを熱水抽出して凝固させたものである。水溶性のゼラチン、特に、牛由来のゼラチンが、スープカレーの味に深みとコクを与える上で望ましい。
【0012】
本発明のペースト状ルウの一つの原料として、例えばペースト状ルウがカレールウである場合には、香辛料として、芳香スパイスとして知れているカルダモン、ナツメグ、シナモン、グローブ、メース、クミン、コリアンダー、ディル、セロリシード、オールスパイス、ガーリック、フェンネル、ベイリーブス、タイム、キャラウェイ、フェヌグリークなどを例示することができ、辛味スパイスとして知られているホワイトペッパー、ブラックペッパー、レッドペッパー、ジンジャー、マスタードなどを例示することができ、着色スパイスとして知られているターメリック、パブリカ、サフランなどを任意の組み合わせで使用することができる。すなわち、香辛料は、植物の種子、果実、花蕾、樹皮、根皮などから得られる物質であるが、この香辛料を任意の組み合わせで使用することができる。使用する香辛料の形態は、ホール、粗挽き、粉体などのいずれの形態であってもよいが、粉体であるのが好ましく、特に平均粒径が50〜300μmに粉砕されたものが香味に優れている点で好ましい。複数種類の香辛料、例えば、フェネグリーク、コリアンダー、クミン、シナモン、胡椒、ターメリックなどを2種以上混合した混合物はカレーパウダと呼ばれているが、このカレーパウダを従来と同様に使用することができる。
【0013】
本発明のペースト状ルウの他の原料である油脂は、植物油、動物油のいずれであってもよい。植物油を例示すれば、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、コーン油、サフラワー油、パーム油、米油などを挙げることができる。動物油を例示すれば、牛脂、豚脂、鶏油、豚脂と牛脂とを混ぜた調整ラードを挙げることができる。
【0014】
本発明のペースト状ルウの他の原料である調味料は、粉末調味原料とペースト調味原料とに分類することができ、これらの中から任意の原料を選択することができる。粉末調味原料にはトマトパウダ、オニオンパウダ、エキスパウダ、魚醤パウダ、増粘多糖類、塩、カラメル、パイナップルパウダなどが含まれ、ペースト調味原料には、トマトペースト、肉エキス、野菜ペースト、果汁、魚醤、チキンブイヨンなどが含まれる。
【0015】
本発明は、最も典型的には、水分活性Awが0.85〜0.75程度の固形成分の分量が相対的に多い、低水分量のペースト状濃縮ルウに好適に適用される。これによれば、100℃よりも低い加熱温度で殺菌することができ、また、原材料に添加したゼラチンによりホットパック充填が可能になる。また、ゼラチンを添加したルウは、これを使って調理したカレーやシチューの風味にコクを与えることができる。
【0016】
ゼラチンの添加量は、固形成分の分量として、2〜10質量%(以下、%と記す)であるのが適量である。ゼラチンの含有割合が、これよりも多いとペースト状ルウの粘性が大きくなり過ぎてホットパック充填法を使用するのが困難になり、風味、粘性に悪影響を与え、他方、これよりも少ないとゼラチンによる充填特性の改善効果、後に説明する風味品質の改善効果が希薄になる。
【0017】
ペースト状ルウの原料として、乳化した原料の割合が多い場合には、特に乳化剤を加える必要もないが、適量の乳化剤を加えることでペースト状ルウは油脂が乳化して安定した水系の分散相を形成することができるため好ましい。乳化剤としては、各種食品添加物の他、ゼラチン、アミノ酸、各種エキスなどの旨味成分原料、調味原料を用いても良い。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態では、スープカレー用のルウに好適に適用される。カレーの種類は多様であり、例えば、インドカレーやタイカレーなどと称されるように低粘性のカレーも存在している他、近時、新らしいカレーの楽しみ方としてスープカレーが注目されている。スープカレーは、北海道が発祥の地と言われ、北海道では数多くの専門店が、夫々、特徴あるスープカレーを提供している。また、有名店のスープカレーをレトルト化した商品が市販されている。
【0019】
スープカレーは、インドカレーのように比較的低粘性又は水状であり、香辛料が効いたスープの中に、スープとは別に調理した具材が混在している点に特徴がある。すなわち、スープカレーは、欧風カレーやインドカレーなどのこれまでのカレーとは異なり、具材にカレー味が染み込んでおらず、具材そのものの味わいを残している点に特徴があり、スープを口にしたときに、香辛料が効いたスープの風味や、香辛料の香り立ち、スパイス感などを楽しむことができる。
【0020】
すなわち、スープカレーは、これまでのカレーがご飯と一緒に食べるのに比べて、香辛料が効いたスープだけを口にしたり、具材を食べてスパイシーな味わいの中で具材そのものの味を楽しんだり、従来のカレーと同様に、ご飯にスープをまぶして食べたり、というように多様な食べ方で、夫々、異なった風味を楽しむことができる。このため、専門店では、馬鈴薯やニンジンを細かく切らないで大きな塊の形で使用しており、同様に、鶏肉も骨付きのまま使用するなど、具材の存在感を強調するように工夫している。また、スープの風味を出すために、専門店では、豚骨などを長時間煮込んだベース液を作り、このベース液に香辛料を加えて、味に深みの在るスープ作りの努力を行っている。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態では、専門店が提供する本格的なスープカレーを家庭で簡単に作れるように、カレーパウダを含む香辛料を使って作ったペースト状ルウの他に、これとは別容器に充填した、カレーパウダを含む香辛料の成分を抽出した香味油が同じ箱に中に入れて消費者に提供される。
【0022】
香味油は、熱した油脂に香辛料を加えて、香辛料の成分を抽出することにより作られる。この種の香味油は例えば特開平10−295337号公報に詳しく記載されていることから、この公報を援用することにより詳しい説明を省略する。本発明の実施に際し、香味油の調整は、特開平10−295337号公報に記載の方法に準じて実施できるが、油脂100重量部に対して混合香辛料30〜120重量部を添加して約70〜160℃で約5〜120分間の間、加熱処理を施した後に、油相を採取するか又は油相を主体として調味材とするのが、スープカレーの風味に深みとコクを与える上で望ましい。このようにして調整した香味油は、ペースト状ルウで作ったカレーの風味に深みを与えることができることに加えて香辛料の香り立ちやスパイシーな味を向上することができるので、スープカレーのような食べ方には好適であり、ペースト状ルウだけでは提供できない風味や味の深みや香り立ちを提供することが可能になる。
【0023】
ルウセットとして、具材と、喫食時の水分量の水とを充填したレトルト殺菌した第3の製品容器を加えることで、家庭で具材を調理する必要が無くなる。第3の製品容器を電子レンジ又は熱湯で加熱し、第3の製品容器の内容物を食器に移し、これにペースト状ルウを加えた後に香味油を添加するだけで、本格的なスープカレーを楽しむことができる。レトルト殺菌される具材は、前処理として、生姜及び/又はガーリックで煮込むのがよい。これにより、具材からレトルト臭や具材の臭みを取り除くことができ、これを入れたスープカレーの風味を具材の臭みなどによって損なってしまうのを回避することができる。
【0024】
前述したように、専門店が提供するスープカレーは、低粘性の水状の香辛料が効いたスープを主体としており、スープの上に比較的多量の油が浮いている。つまり、スープの相と油の相が分離している。この浮遊する油の相は、専門店が、スープの素になるベース液を作る段階で、種々の天然素材を煮込むことにより抽出した「だし」の一部である。スープカレーは、香辛料の効いたスープに溶けている旨味成分と、浮遊する油とが渾然一体となって、スープを飲んだときに、香辛料のスパイシーな味だけでなく、旨味や「まろやかな」コクのある風味を楽しむことができる。
【0025】
この専門店のスープカレーの風味を工業的に作って一般消費者に提供するために、入手可能な各種の調味料を種々に組み合わせても専門店の風味に近づけ、また、これを超えるのが難しい。例えば、各種の調味料の組み合わせと香辛料とを含む原材料から作った液相に油脂を浮かせたとしても「油っこさ」だけが出てしまうことが分かった。本願発明者は、幾多の試行錯誤の上、原材料にゼラチンを加えることで専門店のスープカレーの風味が出てくることを見出した。すなわち、調味料と香辛料と油脂とを含む原材料から工業的に作られた液相と、該液相の上に浮遊した油脂相とからなるスープカレーのスープであって、前記原材料にゼラチンを含ませることで専門店に近いスープカレーのスープを工業的に作ることができる。
【0026】
このようなスープカレーは、一般に、具材を除いた部分において、液相85〜98%、好ましくは92〜98%と油脂の相2〜15%、好ましくは2〜8%とから構成するのがよい。また、液相は、油脂分が1〜5%で、60℃で20〜200cp、好ましくは50〜100cpの粘性を有するものであるのがよい。液相中の油脂は、均一に微粒状に分散しているのがよい。また、第2の容器に充填する香味油の油脂分100質量部に対して、第1の容器に充填するペースト状ルウの油脂分を10〜100質量部とするのがよい。一般的にこれらの構成で味に深みのある品質作りができる。
【0027】
この工業的に作ることのできるスープカレーのスープは、浮遊する油脂相として、カレーパウダを含む香辛料の成分を抽出した旨味油を使うのがよい。これにより、スープカレーのスープを口にしたときに、上述した専門店の「まろやかな」深みのあるコクの他に香辛料の香り立ちやスパイシーな味わいを提供することができる。
【0028】
また、上記の液相の原材料に油脂を含め、この油脂が乳化した液相とすることで、上記の旨味やコクを更に専門店の風味に近づけることが可能となることが分かった。
【0029】
上記のスープカレーのスープは、濃縮することなく、加熱するだけで直ちに喫食できる状態で容器に入れて消費者に提供してもよく、この中に、具材を入れた状態で消費者に提供してもよい。消費者に提供するときには、液相と油脂相とを一緒に容器に入れて消費者に提供してもよいが、液相と油脂相(香味油)とを別にして消費者に提供してもよい。また、液相をスープカレーのスープの素として消費者に提供する形態としては、ペースト状ルウの形態であってもよく、低水分活性のペースト状濃縮ルウの状態で容器に入れる場合には、前述したように、原材料に含めたゼラチンによって、ホットパック充填が可能になり、この形態が好ましい。
【0030】
なお、本発明は、段落0027に記載のものと同様のスープと油脂の相の比率と、スープの油脂分を有するスープカレー以外の流動状食品、例えば、ラーメンスープ、欧風スープ、和風汁物、中華スープなどに適用することができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1は、家庭で調理した具材と一緒にすることで本格的なスープカレーを作ることができるペースト状濃縮カレールウの製造に関するフローを示す。
【0032】
野菜ペースト、果汁、肉エキスなどのペースト調味原料には、これに油脂として調整ラードを加え、また、乳化剤、必要に応じて水を加えた後に適宜混合処理を行って乳化したペースト調味料原料を作った。オニオンパウダなどの粉末調味原料には、これにゼラチンを添加した後に混合した。なお、粉末調味原料に小麦粉を数%程度まで加えてもよい。香辛料としては、カレーパウダや数多くの香辛料を混合して均一化した。
【0033】
ペースト調味原料、粉末調味原料、香辛料などを含むペースト状濃縮カレールウの原料の全量に対して、油脂は約4%であり、ペースト調味原料は約80%であり、ゼラチンは約4〜5%の分量であった。
【0034】
次いで、各原料を加熱釜に投入すると共に、水分活性0.80となるように必要に応じて水を加えて混合し、約90℃で所定時間加熱してペースト状の濃縮カレールウを作った。次いで、濃縮カレールウを90℃で殺菌処理を行った後に製品容器に充填したが、問題なくペースト状の濃縮カレールウを製品容器に充填することができた。内容物をホットパック充填した製品容器は液中シール機を使って密封した。密封した容器は、その後、40℃以下の温度まで冷却した。濃縮カレールウを封入する容器は、合成樹脂からなるからなる可撓性袋であり、一袋1人前として、各袋に45gの濃縮カレールウを充填した。
【0035】
図2は香味油の製造に関するフローを示す。香辛料としてカレーパウダを混合して均一化した。油脂として牛脂を使用し、これを加熱釜の中で130〜150℃に加熱した後に香辛料を入れて香辛料の成分を牛脂の中に抽出し、次いで、固液分離して、香味油を取り出し、これを製品容器に充填した後に容器を密封した。使用した容器は、合成樹脂からなる可撓性袋であり、一袋1人前として、各袋に8gの香味油を充填した。
【0036】
ペースト状の濃縮カレールウを入れた容器と香味油を入れた容器は一つの箱の中に入れて市場に出荷される。これを購入した消費者は、家庭で、手元に用意した具材、例えば、馬鈴薯、ニンジン、鶏肉などをお湯でボイルし、ボイルし終わったら濃縮カレールウを加えて攪拌して濃縮カレールウを良く溶かした後に香味油を入れることでカレースープを作ることができる。
【0037】
図3は、家庭で具材を用意する手間を省くことのできるレトルト容器入り具材の製造に関するフローを示す。鶏肉は、ガーリック、生姜を添加した水に浸漬した後に加熱して煮込むことでボイル処理鶏肉を作る。他に、具材として冷凍ポテトやニンジンなどの他に水煮卵を用意し、これらをボイル処理鶏肉と一緒に容器に充填すると共に1人前の水分量(180g)の調味液を充填した後に容器を密封し、次いで、130℃で殺菌加熱した。使用した容器は、レトルト耐性のラミネートフィルム材からなる可撓性袋であった。
【0038】
具材入りのレトルト容器は、上記の濃縮カレールウ入り容器及び香味油入り容器と一緒に一つの箱に入れて市場に出荷される。これをこれを購入した消費者は、電子レンジや熱湯で具材入り容器を加熱した後、この容器から具材及び調味液を深皿に移し、この中に濃縮カレールウを加えて攪拌して濃縮カレールウを良く溶かした後に香味油を入れることでスープカレを作ることができる。市場に出荷する形態として、具材入りのレトルト容器、濃縮カレールウ入り容器、香味油入り容器の他に例えばプラスチック製のボールを一緒に一つの箱に入れて市場に出荷するようにしてもよい。これによれば、プラスチック製ボールを食器として使用することができるため、家庭で深皿などを準備する必要が無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】低水分量のペースト状濃縮カレールウの製造プロセスを示すフロー図。
【図2】香味油の製造プロセスを示すフロー図。
【図3】レトルト具材の製造プロセスを示すフロー図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
香辛料と、油脂と、調味原料とを含む原材料から作られたペースト状ルウであって、
前記原材料にゼラチンが添加されていることを特徴とするペースト状ルウ。
【請求項2】
前記ペースト状ルウの水分活性が0.85〜0.75である、請求項1に記載のペースト状ルウ。
【請求項3】
前記原材料に乳化剤が添加されている、請求項1又は2に記載のペースト状ルウ。
【請求項4】
前記香辛料がカレーパウダを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のペースト状ルウ。
【請求項5】
請求項4に記載のペースト状ルウを充填した第1の製品容器と、
カレーパウダを含む香辛料の成分を抽出した香味油を充填した第2の製品容器とを有するルウセット。
【請求項6】
生姜及び/又はガーリックで前処理された具材と、喫食時の水分量の水とが充填された第3の製品容器を更に有する、請求項5に記載のルウセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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