説明

ホジキンリンパ腫の処理方法へのED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子の使用

本発明は、ホジキンリンパ腫、特に一次治療抵抗性ホジキンリンパ種又は化学療法後の再発性ホジキンリンパ腫を有する患者、及び一次組合されたモダリティー療法について予定されるホジキンリンパ腫患者のための処理方法への、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホジキンリンパ腫、特に一次治療抵抗性ホジキンリンパ腫又は化学療法後の再発性ホジキンリンパ腫の処理方法へのED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ホジキンリンパ腫(HL)の簡単な説明
HLは、生命の第2及び第3の10年、人々に優先的に影響を及ぼす、西洋世界において100,000人の人々当たり2〜3人の患者の毎年の発生率を有するまれな悪性をリンパ性腫瘍である。HLは、毎年世界中で発生するすべての新たな腫瘍の約1%を占め、そしてHLの7500〜8000人の新規患者がアメリカ合衆国において毎年、診断されている。典型的には、頸部結節性連鎖における穏やかでない無痛のリンパ節障害が、約75%の患者において発生する疾病の最も共通する臨床学的提示である。
【0003】
HLの診断は、疾病−影響されたリンパ組織(通常、拡大されたリンパ節)における炎症細胞間に混ざり合う非常に少数の特徴的且つ原因となる巨細胞(リード−スターンバーグ及びホジキン細胞)の同定に基づかれる。形態学的、表現型、遺伝子型及び臨床学的発見に基づいてのREAL分類及びWHOスキームに従って、HLは次の2種の主要型に細分され得る:リンパ球有力のHL(すべての患者の4〜5%)及び従来のHL(患者の96%)、これはさらに、結節性硬化症、混合された細胞充実性、リンパ球消耗及びリンパ球に富んだ従来のHLに細分され得る(Harris, など、1999)。
【0004】
しかしながら、従来のHLに関しては、病理組織学分類は、処理の決定に影響力を有さない(Pileri, et al, 2005; Diehl, et al, 2005; Ng, et al, 2007)。莫大に多くの患者(98%)において、悪性リード−スターンバーグ及びホジキン細胞は、胚中心B細胞に由来する(Kuppers, など、1994)。非常にまれであるが、それらはT細胞に由来する(Mushen, など, 2000)。種々のサイトカインのオートクライン又はパラクライン生成により維持される反応性環境は、影響されたリンパ組織において99%又はそれ以上の細胞集団を表すことができる。HLは、現在未知の病因要素のために、単一のリンパ節の胚中心に進化し、そして次に、隣接するリンパ節連鎖に隣接して広がる。
【0005】
現在の疾病管理
疑わしいリンパ節の切除生検が初期診断のために実施されるべきである。CTスキャン(胸、腹、骨盤)、骨髄生検、及び全身性病状及び不都合な予後因子についての分析を包含する病期分類方法は、疾病の内容(Cotswalds改良Ana Arbor分類に従って)、及び続いて、個々の患者についての最も適切な治療を同定するために必要である。
【0006】
組織病理学的にかかわらず、従来のHL患者は、臨床学的危険因子及び処理結果により、次の3種の主要サブセットにグループ分けされ得る:初期段階の好ましいHL、初期段階の好ましくないHL、及び進行した段階のHL。それらの患者グループに関して、標準の一次処理が定義されている。種々の及びあまり良く定義されていない治療選択が現在、一次治療抵抗性疾病又は化学療法後の再発性疾病の処理のために用いられる。現在、大部分のHL患者の一次処理は、初期多剤化学療法、続く関連するフィールド外部ビーム放射から構成される組合されたモダリティー療法である。
【0007】
標準療法
初期段階の好ましいHLに関しては、処理が現在、変化している。最近まで、延長されたフィールド照射(30−40Gy、関与する、及び隣接するリンパ節領域の照射)は、標準処理として見なされた。しかしながら、初期完全応答(90−98%)の後の高い再発率(30−40%)及び致命的長期効果(二次癌、心血管及び肺問題)のために、延長されたフィールド放射線治療が、限界された量の化学療法(4−2処理サイクル)、続く関与するフィールド照射(20−30Gy;Ferme, など、2007)から成る組合されたモダリティーアプローチにより置換される。
【0008】
照射フィールド企画を促進するために、リンパ系は、病期実現のためのDye分類(Lukes, など, 1966)に基づいて、リンパ節領域に分割される。関与するフィールドは、可視的に(CTスキャンに基づく)関与する拡大されたリンパ節のみならず、また同じリンパ節領域内の他のリンパ節も包含する。従って、単一の拡大された頸部リンパ節を有する患者においては、例えば関与するフィールド放射線療法は、リンパ節及びすべての鎖骨上リンパ節の完全な同側性頸部連鎖を包含する。なぜならば、それらの節は1つの及び同じリンパ節領域に属すると思われるからである。その程度において、関与するフィールド(リンパ節領域)は現在、HL患者において放射線療法のために使用される最小放射線フィールドサイズである。しかしながら、関与するフィールド放射線用量を20Gy又はそれ以下に低めるか、又は全体の臨床学的結果を妥協しないで、所定のリンパ節領域内の実際に拡大されたリンパ節に放射線フィールドを限定することが可能であるかどうかは不明確である。
【0009】
さらに、HL研究患者(HL10、 HL11)のすべての診断イメージングに基づく主要な見込みの有る再考において、独立した専門の放射線腫瘍学者団は、疾病の拡張の制御、及び関与するフィールド照射量を定義することにおける困難性を同定した。関与するフィールド適用範囲は、2792人の再考された患者の40%に最適以下であることが見出された(Eich, など, 2008)。
【0010】
初期段階の好ましくないHL患者に関しては、組合されたモダリティー処理アプローチが標準であると思われる。しかしながら、他の要因、例えば最適な化学療法レジメ、及び化学療法サイクルの数の中で、放射線フィールドサイズ及びそれらのフィールド内の放射線の用量が討論の対象である。いずれにせよ、この患者グループについての処理結果は、過去10年間、激的に改良し、これは主に、組合されたモダリティー療法の使用に起因した。組織学的に、放射線又は化学療法は単独で約50%の高い再発率に関連した。
【0011】
4サイクルの効果的化学療法、続く30Gyの関与するフィールド放射療法が、好ましくない予後の初期段階HLを有する患者のための標準処理である。現在、ほとんどの臨床学的試験は、最初の再発の高い自由確立を維持しながら、遅い羅病率及び死亡率を低める目的で最適な処理を決定するために、より効果的な化学療法及びさらに低められた放射線用量の新規組合せを探求している(Diehl, など, 2005)。
【0012】
進行した段階のHL患者は、20世紀半ばまでは不治として見なされた。多剤多サイクル化学療法の到来により、完全な軽減が大部分のこの高危険性患者集団において達成された。しかしながら、いくつかの報告は、化学療法のみに処理された患者は長期断続する応答の達成に失敗し、又は主にこれまでに関与する結節性部位において進行したことを示唆している(Fabian, など, 1994)。いくつかの試験は、免脱した結果を伴って、一事化学療法の後、併合放射線療法の役割を調べた。
【0013】
1700人以上の患者を含む14の研究のメタ分析においては、次の2種の研究企画が比較された:追加の企画においては、照射が同じ化学療法に付加され、そして並列企画においては、1つの処理アームにおける2サイクルの化学療法が、他の処理アームにおける放射線療法の代わりに用いられた。さらなる企画においては、放射線療法は、再発の危険比率を約40%低めた。しかしながら、生存有益性は、分析されたいずれの患者についても検出され得なかった。
【0014】
並列企画においては、疾病を有さない生存者においては有意な差異は存在しなかったが、しかし全体の生存性は、白血病を包含する、HL以外の原因のために、組合されたモデリティーグループにおけるより多くの死亡が存在したので、化学療法のみにより処理された患者間で優位に高かった(Loeffler, など, 1998)。見込みあるEORTC研究においては、化学療法の後、完全な軽減の患者がランダム化され、さらなる処理又は関与するフィールド放射線療法(30Gy)を受けなかった。
【0015】
関与するフィールド放射線療法を受けた、6サイクルの化学療法後の部分的軽減(33%)の患者は、6サイクルの化学療法の後、完全な軽減を経験し、そして放射線療法により処理されなかった患者に比較して、類似する再発のない及び全体的生存性を達成したので、放射線療法の付加から有意に有益性を得た(Aleman, など, 2007)。その程度において、進行したHL患者のための推薦される標準処理は、残留腫瘍及び/又は厄介な疾病のための6〜8の化学療法サイクル及び関与するフィールド放射線療法(20〜30Gy)である。
【0016】
一次治療抵抗性HL又は化学療法後の再発性HL:化学療法後、初期の完全な軽減を達成した後、再発する患者は、救済療法により二次の完全な軽減を達成することができる。そのような救済療法は、これまで照射されていない領域における局在化された再発のための放射線療法、従来の救済療法、又は自家血液幹細胞療法(ASCT:Josting, など, 2000)による高用量化学療法(HDCT)を包含する。
【0017】
放射線療法のみの後、再発する患者は、従来の化学療法による満足する結果を達成する。しかしながら、初期化学療法又は組合された化学−放射線療法の後の再発性疾病の処理は十分には定義されていない。救済放射線療法、従来の化学療法、救済化学療法及びASCTによるHDCTが試みられ得る。この設定における想定される最も活性的処理、すなわち見込みある研究におけるASCTによるHDCTは、患者の55%において処理失敗のない結果をもたらした(Schemitz, など、2002)。
【0018】
HLを有する老齢患者の処理:60歳以上の患者(すべての患者の約10〜15%)は、若い患者に比較して、はるかに悪い。この患者集団は通常、処理の間、高い毒性率及び初期再発の高い頻度を経験し、このことは低い毒性であるが、しかし効果的な処理モダリティーについての必要性を示唆する。現在、老齢HL患者のために利用できる特定の標準処理は存在しない。
【0019】
処理結果及び長期毒性
過去50年以上、HLについての危険−適合された処理モダルティーの開発における進行は、10年で80%〜90%の腫瘍のない生存率、及びそれらの腫瘍生存者が年齢−適合された健康な個人とほとんど同等の寿命を有するであろう事実におてうまく反映される。
【0020】
不運なことには、10〜20年後、患者の25%〜30%に影響を及ぼす初期療法(90年代半ばまで)の高い後期−発生悪影響率が存在した。治癒療法の後、特に上方横隔膜照射の後、そのような長期合併症は、肺(例えば、線維症)、心臓(例えば、心不全を引き起こす心筋損傷)、甲状腺機能不全、二次癌(急性骨髄性白血病、乳及び肺癌)、及び生殖腺機能不全(リビドーの損失、性的機能不全、不妊症)を包含する。この毒性の多くは実際、外部−ビームフィールド放射線、すなわち特に化学療法の後に与えられる場合、正常組織にも損傷を与えるかなり任意のアプローチにより引き起こされる。この合併症率は、腫瘍のない多くの生存者についての初期成功率と釣り合い、そして処理の結果であり、そして一次疾病により引き起こされない死亡のために、生存曲線の後期低下をもたらした。その程度においていかに多くの過剰処理及び長期毒性の問題が発生するが、一次HL療法、特に組合されたモダリティー処理アプローチのそのような高い成功率の正当化を可能にするはずである(Diehl, など, 2005)。
【0021】
低められた放射線フィールド、低められた用量又は用量強度を伴っての近代の組合されたモダリティー処理は長期合併症率を、ある程度まで低めたが、現在の、時々さらに積極的な処理(例えば、化学療法又は厄介な疾病に対する部分的応答を伴って、初期段階の好ましいHL及び進行した段階のHLのための現在標準である組合されたモダリティー療法)が、効能及び長期毒性に関して、前者の治療オプションよりも卓越するかどうか告げることはできない。臨床試験は、20Gyである、極端な最少値に放射線療法の用量を低めることへの焦点を伴って、低められた強度の組合されたモダリティー療法を探求するよう企画された(結果はまた、未決定である)
【0022】
HLを有する患者の管理における現在の制限
HLは大部分の患者において治療され得るが、医学的関心の分野が残っており、そして取り組まれるべき必要性がある:
1.一次治療抵抗性HL又は多くの化学療法レジメの後の再発性HLを有する患者についての不十分な処理結果。
【0023】
2.予備−照射されたリンパ節領域において再発するHL患者についての放射線療法オプションの欠乏(放射線フィールド容積における正常組織の損傷のために、可能性ある追加の有意な外部−ビーム放射線を伴わない)。
3.特に一次治療性の組合されたモダリティー療法における推定される過剰処理(化学放射線療法;すべてのHLサブグループに関する)。
【0024】
4.リンパ節領域内の拡大されたリンパ節への外部ビーム放射線の制限(関与するフィールド内の共焦放射線)は、適切な全体的結果を達成する危険性下に患者を実質的に追い込む。
5.効能及びより重要なことには、毒性に関して、老齢のHL患者(>60a;全体の人口の15%)のための不十分な治療(特に、組合されたモダリティー療法)。
【0025】
6.HL患者の外部−ビーム放射線(EBR)は技術的に困難であり、そして特別な追加の訓練を必要とする。特に、品質管現再考においては、関与するフィールド適用範囲は、HL研究患者の40%で最適以下である(Eich, など, 2008)。
【0026】
原則的に、類似する制限がまた、ED− Bフィブロネクチンを発現し(Sauer, など, 2006)、そして組合されたモダリティー療法により処理される他の血液学的悪性腫瘍、例えば局在化された攻撃的リンパ腫(例えば、ステージI及びIIはB細胞リンパ腫を広める)、局在化された不活性リンパ腫(例えば、段階I及びII濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫)、及びまれな非−ホジキンリンパ腫、例えばMALT−リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫及びマントル細胞リンパ腫について有効である。従って、外部−ビーム放射線療法(EBR)、化学療法と組合され得るか、又はHLの全体的処理結果をさらに、及び実質的に他のリンパ腫患者を改良するために単独で適用され得る、腫瘍−標準化された、及び従って、選択的放射線療法オープション、例えば131I−L19−SIP放射性免疫療法についての高い医学的必要性が存在する。
【0027】
ED−Bフィブロネクチン
これまで知られている新脈管形成及び組織修復に関連する最も選択的な腫瘍退治性マーカーの1つは、フィブロネクチン(FN)のエキストラ−ドメインB(ED−B)を表す(Castellani, など, 1994)。FNは、広範囲の健康組織及び体液において多く発現される、高分子量細胞外マトリックス(ECM)成分である。種々の異なったFNイソフォームが、一次転写体のレベルでの交互スプライシングのために生成され得る。マウス及びヒトにおける配列同一であるED-B、すなわち91個のアミノ酸の小ドメインは通常、血漿及び組織−フィブロネクチンにおいて不在であるが、但し再生する子宮内膜及び卵巣のいくらかの血管を除く(Alessi, など、2004)。
【0028】
組換え抗体フラグメントの高められた結合親和性及び結合価は、腫瘍脈管形成の改良された標的化を導く(Viti、など, 1999)。しかしながら、それは新脈管形成に関連する活性組織再生の間、フィブロネクチン分子に挿入するようになり、それにより、新脈管構造体の周囲に及び悪性腫瘍の支質に、及び再生及び脈管形成を受ける他の組織に蓄積する。最近、フィブロネクチンのED−Bドメインに対して特異的な多くの良好な品質の抗体が生成されて来た。
【0029】
特に、ED−Bに対してpモルの結合親和性を示す。ヒト単鎖Fv抗体フラグメントSoFv(L19)が、実験腫瘍モデル(Vitiなど, 1999)及び癌を有する患者(Santimaria, など、2003)の両者において、腫瘍新脈管形成を選択的に標的化することが確証された。相当であるが、しかし眼に見える血管−関連のED−B発現が、種々の血液学的悪性腫瘍、例えばホジキンリンパ腫において検出されたことが最近示されている(Sauer, et al., Poster at ASH conference, 2006)。
【0030】
フィブロネクチン分子中への交互スプライシングにより挿入される、マウス、ラット及びヒトにおいて同一の91個のアミノ酸の配列であるフィブロネクチンのED−Bドメインは、新血管構造体の周囲に特異的に蓄積し、そして分子介在のための標的物を表す(Zardi, et al. 1987; Carnemolla, et al. 1989; Castellani, et al, 1994)。ED−Bドメインに向けられたヒト組換え抗体L19を用いて、インビボ新脈管形成体標的化の可能性が、種々の腫瘍モデルにおいて示されている(Tarli, et al. 1999; Viti, et al. 1999)。
【0031】
ED−B−フィブロネクチンドメインを特異的に認識するモノクローナル抗体は、WO97/45544号に記載されている。
モノクローナル抗体L19は、WO99/58570号に記載されている。
WO01/62298号(第8ページ、第12行)は、Pini et al. (1998) J. Biol. Chem. 273: 21769-21776に記載されているL19 VH及びL19 VLドメイン配列を言及する。Piniなどは、第21772ページの表IIにL19の配列の一部を記載する。L19は、EMBL受託番号AJ006113を有する。
癌療法のための放射性標的下の原理は、Kassis AI (2005) in Expert Opin. Drug Delivery Vol.: 2(6), 981-991及びPress OW, et al (2000) in Seminars in Oncology Vol.:27, No.6 (Suppl. 12), 62-73により記載されている。
【0032】
L19−SIP及び放射性免疫療法のためへのその使用は、WO03/076469号に記載されている。Berndorff, et al (2005) Clin. Cancer Res. Vol.:l l (19 Suppl.), 7053S-7063Sは、エキストラ−ドメインBフィブロネクチンを標的化することにより固形腫瘍の放射性免疫療法のための好ましい抗体形として131I−L19−SIPの使用を記載した。“SIP”は小免疫タンパク質を表す。
【0033】
L19−SIPは抗体形であり、ここでL19−scFvがEgEのεs2-CH4ドメインに結合され、そして2つのモノマー鎖がS−S橋により共有結合されるホモダイマーを形成する(例えば、WO03/076469; Borsi, et al., 2002を参照のこと)。CH4は、IgE分子における二量体化を可能にするドメインであり、そしてεs2−イソフォームは、鎖間ジスルフィド結合を通してIgE−ダイマーを安定化する、カルボキシ末端でシステインを含む。L19−SIPの最終SIP分子においては、scFv(L19)は、GGSGリンカーによりεs2CH4ドメインに結合される。WO03/076469号の開示は、引用により包含される。
【0034】
ホジキンリンパ腫、特に一次治療抵抗性HL、又は化学療法後の再発性HLを効果的に処理するための医薬についての強い医学的必要性がある。この処理の長期毒性率を低めるために、組合されたモダリティー療法のために適切なすべてのサブグループのHL患者において、外部ビーム放射線療法の用量又は放射線療法フィールド、又は両者を低めるための強い医学的必要性が存在する。
【発明の概要】
【0035】
本発明は、ホジキンリンパ腫患者の処理方法へのED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子の使用に関する。
好ましい態様においては、本発明は、一次治療抵抗性HL、又は化学療法後の再発性HLの処理方法へのED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子の使用に関する。
【0036】
本発明はまた、治療的有効量のED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子を投与することを含んで成る、ホジキンリンパ腫患者、特に一次治療抵抗性HL又は化学療法後の再発性HLの処理方法にも関する。
【0037】
特に、ホジキンリンパ腫は、従来のホジキンリンパ腫(cHL)、特に結節性硬化症、混合された細胞充実性、リンパ球消耗、又はリンパ球に富んでいる従来のホジキンリンパ腫が選択される。しかしながら、その態様はまた、リンパ球−優先のホジキンリンパ腫(HL)に適用されるが、しかし処理モダリティーは、従来のHLを有する患者に比較して、厳格に異なる。特に、組合されたモダリティー療法は、切除の後、良性経過を取る傾向があるリンパ球−優先のホジキンリンパ腫にまれに使用される。
【0038】
特に好ましい態様においては、一次治療抵抗HL、又は化学療法の後、再発性HLを有する患者に関しては、さらになる効果的処理は利用できない。それらの患者は、最終段階HLを有するものとして見なされる。
好ましくは、本発明の処理及び使用は、患者の疾病の進行がない延長された生存性をもたらす。
【0039】
131I−L19−SIPによる処理は、ほぼ完全な軽減(18F−FDG−PETスキャン及びCTスキャン)の誘発において非常に効果的であり、そして同時に、最終段階の従来のHLを有する進行した患者において驚くべきことには十分に許容されることが見出された。従って、放射性ラベルされた分子は驚くべきことには、HLの単独療法のために、特に一次治療抵抗性HL、又は化学療法後の再発性HLを有する患者のために適切である。
【0040】
従って、好ましい態様においては、放射性ラベルされた分子は驚くべきことには、単独療法のために使用され得る。前記分子は単独処理として、又は反復された処理として、例えば4〜6週ごとに十分な用量で投与され得る。131I−L19−SIPの好ましくは短い血清PKプロフィール(約24時間)及びその長い腫瘍−選択的残留時間(少なくとも96時間)のために、他の処理スケジュール(例えば、毎日、1日おきに、毎週、又は2週ごとに)がまた、供給される放射能用量及び全体的急性毒性に依存して、可能である。
【0041】
投与される放射性ラベルされた分子、特に放射性ラベルされたL19−SIPの用量は、使用の様式及び使用の経路、及び患者の必要条件に従って変化するであろう。一般的に、ヒトにおける単独用量は、約2〜200MBq/kg体重(10〜1,000μg/kgの体重)の範囲である。放射性ラベルされた抗体は、身体における最も放射性感受性器官(用量制限器官)に対して毒性を引き起こさない用量で与えられるべきである。動物実験においては、赤色骨髄が、131I−ラベルされた抗体のための用量制限器官として同定された。
【0042】
一次治療抵抗性HL又は化学療法後の再発性HLは典型的には、悪い臨床学的形状下にあり、そして時折、これまでの処理の重度の悪い効果及び癌への進行を有する。それにもかかわらず、それらの患者は時々、外部ビーム放射線療法(EBR)を用いて、複数の部位への高い用量の関与するフィールド放射線により処理される。化学療法に続くEBRは重度の悪性現象及び後期毒性をもたらすので、低められた放射線照射のために、良好に許容される放射線療法レジメが必要とされる。
【0043】
同様に、すべての危険グループのHL患者のための一次又は時々、二次系治療としての組合されたモダリティー療法は、その組合されたモダリティー療法の放射線部分(放射線用量、放射線フィールドのサイズ)のために、比較的高い後期毒性率に関連している。その程度において、後期毒性に関して良好に許容されるが、しかし少なくとも等しく効果的である放射線療法レジメが、HL患者(すべての危険グループを包含する)の一次組合されたモダリティー療法のためにも必要とされる。
【0044】
本発明はまた、治療的有効量の、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する少なくとも1つの放射性ラベルされた分子を投与し、続いて標準の又は低められた放射線療法用量での分別されたEBRを伴うことを含んで成る、ホジキンリンパ腫の処理方法にも関する。
【0045】
本発明はまた、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する、治療的有効量の少なくとも1つの放射性ラベルされた分子の投与、続く、又は付随する標準の又は低められた放射線用量での分別されたEBRを伴うことを含んで成る、ホジキンリンパ腫、好ましくは一次治療抵抗性ホジキンリンパ腫又は化学療法後の再発性ホジキンリンパ腫の処理方法への、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされる分子の使用にも関する。
【0046】
従って、もう1つの好ましい態様においては、放射性ラベルされた分子は、その放射性ラベルされた分子、特に131I−L19−SIPが適用されるよう、EBRと組合して投与され、続いて、一定の時間にわたって、治療抵抗性疾病に関して、標準の、又は一次療法に関して、低められた放射線療法用量での分別されたEBRが伴う。そのような時間は、全体の適用される用量に依存して、典型的には1〜50日、好ましくは7〜21日である。131I−L19 −SIPの適用時間は典型的には、10分〜数時間、特に約30分〜5時間である。特に、適用時間は、約60分である。投与は好ましくは、静脈内実施される。
【0047】
本発明は特に、HL患者、特に一次治療抵抗性HL又は化学療法後の再発性HL患者、及び一次組合されたモダリティー療法のために予定されたすべての臨床学的危険性サブタイプのHL患者の処理方法に関し、ここで前記方法は、
a)治療的有効量の、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子を投与し、そして
b)EBRを、関与するフィールドに独占的に供給することを含んで成る。
【0048】
EBRは好ましくは、長期毒性を低めるために一次療法のための131I−L29−SIP適用の後、放射線測定に従っての低められた用量、又は治療抵抗性疾患を克服するために再発した/治療抵抗性患者のための標準用量にそれぞれ適合される。
【0049】
段階a)及びb)は、同時に又は連続的に実施され得る。
関与するフィールドは好ましくは、疾病リンパ節領域として理解される。
より好ましくは、放射性ラベルされた抗体は、最初に投与され、続いて1〜4週間にわたってEBRが供給される。
【0050】
従って、さらに好ましい態様においては、放射性ラベルされた分子が、一次組合されたモダリティー療法のために予定されたHL患者に投与され得、ここでEBRは同時に、又は放射性ラベルされた分子、特に131I−L19−SIPの投与の後、与えられ、ここで前記EBR用量は、標準のEBR用量に比較し、少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約30%、最も好ましくは少なくとも約50%、低められる。
【0051】
本発明はまた、HL患者、特に一次組合されたモダリティー療法のために予定された老齢HL患者の処理方法にも関し、ここで前記方法は、
a)治療的有効量の、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子を投与し、そして
b)EBRを、関与するフィールドに独占的に供給することを含んで成る。
【0052】
段階a)におけるEBR用量は、標準のEBR用量に比較し、少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約30%、最も好ましくは少なくとも約50%、低められる。
“標準EBR”とは、約20〜30Gyの放射線用量として理解され、これは約9〜6週間にわたって、毎日約2Gyの分別された態様で補給される。
【0053】
もう1つの好ましい態様においては、放射性ラベルされた分子は、一次組合されたモダリティー療法のために予定されたHL患者、例えばすべての臨床学的危険性サブグループ、又は放射性療法又は化学放射線療法のために予定された、一次治療抵抗性HL又は化学療法後の再発性HL患者に投与され得、ここで同時に与えられるか、又は放射性ラベルされた分子、特に131I−L19−SIPの投与後に与えられるEBRは、最初に拡大されたリンパ節に厳密に限定される。さらにより好ましくは、EBRは、EBR放射線フィールドのサイズを厳密に低めるために共焦態様で適用される。EBR用量は、個々の臨床学的状況に依存して、標準(20〜30Gy)であるか、又は少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約30%、最も好ましくは少なくとも約50%低められる。現在のEBRスケジュールに対する提案される両改良法は、抗腫瘍効能を妥協することなしに、HL患者のための組合された化学放射線療法の長期及び/又は後期毒性を実質的に低めることを意図する。
【0054】
驚くべきことには、HL外傷に対して選択的な131L−L19−SIPの卓越した局在化、及びより驚くべきことには、この患者における無視できる毒性に関連する卓越した処理応答が観察された。
【0055】
従って、本発明の処理及び使用方法は、延長された、疾病の進行のない及び全体的な生存性、及び/又は特に二次悪性腫瘍、心血管及び肺問題、及びホルモン及び生殖腺不全から選択されたホジキンリンパ腫のための組合された−モダリティー(化学放射線療法)処理の低められた長期及び/又は遅発性毒性を提供する。
【0056】
従って、本発明はまた、ホジキンリンパ腫患者の組合された−モダリティー(化学放射線療法)処理の長期及び/又は遅発性毒性を低める方法への、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子の使用にも関する。好ましい態様においては、長期及び/又は後期毒性は、二次悪性腫瘍、心血管問題及び心身症性欠陥から選択される。
【0057】
従って、本発明はまた、HL患者における延長された、疾病進行のない生存性を達成する方法への、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子の使用にも関する。
【0058】
本発明はまた、治療的有効量の、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子を投与することを含んで成る、特に二次悪性腫瘍、心血管及び肺問題、及びホルモン不全から選択されたホジキンリンパ腫患者の組合された化学放射線療法処理の長期及び/又は遅発性毒性を低める方法にも関する。
【0059】
さらにもう1つの好ましい態様においては、本発明の放射性ラベルされた分子は、特に、広範囲な疾病、厄介な疾病及び遅延応答性ホジキンリンパ腫から選択された高い危険性のホジキンリンパ腫の処理のために使用される。特に、本発明の放射性ラベルされた分子は、標準化学療法、例えばCOPP/ABVD、又はBEACOPPレジメの後、投与され、続いてEBRが提供される。この処理は驚くべきことには、完全な軽減(CR)の増強された機会を導く。
【0060】
従って、本発明は、ホジキンリンパ腫患者、特に組合されたモダリティー療法のために予定されたホジキンリンパ腫患者を処理するための方法への、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する少なくとも1つの放射性ラベルされた分子の使用に関し、ここで前記分子の投与の前、標準の化学療法が実施され、そして続いてEBRが提供される。
【0061】
極端に低い毒性のために、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子による処理は、化学療法、例えばCOPP/ABVD又はBEACOPPレジメと同様に実施され得る。
【0062】
従って、本発明は、ホジキンリンパ腫患者、特に組合されたモダリティー療法のために予定されたホジキンリンパ腫患者を処理するための方法への、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する少なくとも1つの放射性ラベルされた分子の使用に関し、ここで化学療法、例えばCOPP/ABVD又はBEACOPPレジメが同時に実施される。
【0063】
本発明はまた、延長された、疾病のない生存性を達成し、そして/又は特に二次悪性腫瘍、心血管及び肺問題、及びホルモン不全から選択されたホジキンリンパ腫患者の組合された化学線療法処理の長期及び/又は後期毒性を低める方法にも関し、ここで前記方法は、治療的有効量の、ED-Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子を、化学療法、例えばCOPP/ABVD又はBEACOPPレジメに同時に投与することを含んで成る。
【0064】
本発明はまた、下記段階:
a)標準化学療法を実施し、
b)ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する、治療的有効量の少なくとも1つの放射性ラベルされた分子を投与し、そして
c)BERを供給することを含んで成る、HLを有する患者、特に組合されたモダリティー療法のために予定されたそれらの患者の処理方法にも関する。
【0065】
EBR用量は、標準用量又は低められた用量、又は例えば影響されたリンパ節又は関与する組織に独占的に限定される低められた放射線フィールドであり得る。
患者は好ましくは、ヒトである。
種々の投与路、例えば静脈内、皮下又は腹腔内投与が可能であり、ここで静脈内投与が好ましい。
【0066】
本発明に従って使用される活性剤の治療製剤は、所望する程度の純度を有する活性剤と、任意の医薬的に許容できるキャリヤー、賦形剤又は安定剤とを混合することにより、凍結乾燥された製剤又は水溶液の形での貯蔵のために調製される。
好ましい態様においては、ED−Bフィブロネクチンを特異的に認識する分子は、抗体又は抗体擬似体、特に抗体である。
好ましくは、抗体はヒトである。
【0067】
好ましい態様においては、抗体は、フィブロネクチン(FN)のED−Bドメインに対して特異的に結合する。そのような抗体は、従来技術において知られており、そして例えばWO97/45544号に記載されている。51774A。
もう1つの態様においては、ED−Bフィブロネクチンを特異的に認識する抗体は、隠されたエピトープに結合する。そのような抗体についての例は、BC−1抗体である。
【0068】
好ましくは、フィブロネクチンのED−Bドメインに結合するそのような抗体はFNのED−Bドメインに対して高い親和性を示し、特に抗体はナノモル又はナノモル以下の親和性を伴って、ED−Bフィブロネクチンドメインに結合する。そのような抗体は従来技術において知られており、そして例えばWO99/58570号に記載されている。51282AWO。
L19抗体が特に好ましい。
【0069】
ED−Bフィブロネクチンを特異的に認識する抗体、特にL19抗体は、種々の抗体形式で使用され得る。好ましい抗体形は、完全なIgG、Fab、(Fab')2、scFv、ジアボディー(diabody)、ミニボディー(minibody)又は小免疫タンパク質(SIP)形である。完全なIgG、 scFv及びSIP形が、L19抗体に関して特に好ましい。scFv形でのL19抗体が最も好ましい。いくつかの免疫タンパク質形が、例えばCHドメイン又はIgEのεs2-CH4ドメインに基づいて、従来技術において知られている。IgEのεs2-CH4ドメイン及び完全なIgG形でのL19に基づいてのL19のための好ましいSIP形は例えば、WO03/076469号に記載されている。L19−SIP S2291A。
【0070】
さらなる好ましい態様においては、抗体はL19抗体の少なくとも1つのCDR配列を含む。
特に好ましい態様においては、抗体はL19抗体のCDR配列を含んでなり、特にそれは、配列番号6〜11の配列を含んで成る。
【0071】
さらなる好ましい態様においては、抗体はL19抗体のVL及びVHドメインを含んで成る。好ましい態様においては、それは配列番号01の少なくとも1つのVH鎖、又は配列番号02の少なくとも1つのVL鎖を含んで成る。特に好ましい態様においては、それは、配列番号01の少なくとも1つのVH鎖及び配列番号02の少なくとも1つのVL鎖を含んで成る。
【0072】
さらなる好ましい態様においては、抗体は配列番号01の1つのVH鎖及び配列番号02の1つのVL鎖を含んで成る。さらなる好ましい態様においては、抗体は配列番号01の1つのVH鎖及び配列番号02の1つのVl鎖を含んで成る。さらなる好ましい態様においては、抗体は配列番号01の2つのHV鎖及び配列番号02の2つのVL鎖を含んで成る。
【0073】
さらなる好ましい態様においては、VH及びVL鎖は、抗体リンカーにより連結される。
好ましい態様においては、抗体リンカーは、配列番号03の配列、又は配列番号03の配列に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含んで成る。
【0074】
さらなる好ましい態様においては、抗体は、ダイマー形で存在する。そのような抗体は、特にCH3又はεs2-CH4ドメイン、特に好ましくはεs2-CH4、最も好ましくは配列番号4のεs2-CH4ドメインに基づいて、小免疫タンパク質形(SIP)で存在することができる。
特に好ましい態様においては、そのモノマー形でのL19−SIPは、配列番号12の配列を含んで成り、最も好ましくは、L19−SIPは配列番号12の配列を有する。
【0075】
好ましくは、抗体はヒトである。
抗体は、モノマー、又はマルチマー、例えばダイマーであり得る。ダイマー又は他のマルチマー形は、共有的に又は非共有的に形成され得る。L19(scFv)及びAP39は、モノマー形で使用され得る。L19−SIPは好ましくは、ダイマー形で使用される。
【0076】
特に、L19−SIPに関しては、モノマーは、Borsi, et al., Int. J. Cancer, 2002, 102: 534-539に記載されるように、S−S橋により連結される。他方では、L19抗体は完全なIgG形で使用され得る。好ましい態様においては、L19−SIPは共有ダイマーを形成する。
【0077】
もう1つの好ましい態様においては、抗体はモノマー形で存在する。特に、L19−抗体はWO99/58570号に記載されるように、scFv形で、又はWO03/055917号に記載されるように、標識を有するscFv形で存在する。特に、WO03/055917号に記載されるAP38又はAP39が、本発明に従って使用され得る。
【0078】
抗体は好ましくは、当業者に知られている方法を用いて、組換え的に生成される。特に、原核又は真核生物発現システム、例えば酵母又は哺乳類発現システムが使用され得る。
ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する分子が、放射性ラベルされる。
本発明の抗体をラベリングするための方法は、Berndorff, et al., Clin. Cancer Res., 2005; 11 (Suppl.), p. 7053s-7063sに開示される。
【0079】
好ましくは、放射性同位体は、治療適用、特にヒトにおける治療適用のために適切である。
好ましい態様においては、放射性同位体は、Re、In、Y、Lu又はI、又はそれらの混合物から選択された元素の放射性同位体である。
【0080】
さらにより好ましい態様においては、放射性同位体は、124I125I、 131I、 186Re、 188Re 203Pb、 67Ga、 43Sc、 47Sc、 111In、 97Ru、 67Cu、 90Y、 121Sn、 153Sm、 166Ho、 105Rh、 177Lu、 32P、 33P、 59Fe、 77As、 89Sr、 109Pd5111Ag、 117mSn、 142Pr、161Tb、 166Dy、 169Er、 194Ir、 198Au、 199Au、 212Pb、225Ac、 211At、212Bi、 213Bi、 223Ra、 224Ra 及び/又は 172Lu、又はそれらの混合物から選択される。
131I及び90Yの使用が最も好ましい。
【0081】
多くの適切な放射線療法剤は、例えば抗体へのそれらの結合のための方法と同じように、当業界において知られている(例えば、アメリカ特許第5,021,236号及び第4,472,509号を参照のこと)。ある結合は、例えば有機キレート化剤、例えば抗体に結合されるそのようなDTPAを用いての金属キレート錯体の使用を包含する(アメリカ特許第4,472,509号)。放射性ラベルされた抗体はまた、ヨウ化ナトリウムはカリウム、及び酸化剤、例えば次亜塩素酸ナトリウム(Redshaw, など、1974)、又は酵素酸化剤、例えばラクトペルオキシダーゼ(Marchalonis, など, 1969)との接触によりヨウ化され得る。131Iによる放射性ラベリングは好ましくは、抗体への共有結合により、直接的に実施される。
【0082】
本発明の特に好ましい態様においては、131I−ラベルされた抗体が使用され、ここでそのモノマー形での抗体はL19のCDR配列を含んで成る。
さらにより好ましい態様においては、そのモノマー形での131I−ラベルされた抗体は、L19のV1ドメイン、L19のVhドメイン及びεs2-CH4ドメインを含んで成る。
【0083】
特に好ましい態様においては、L19(scFv)、 AP39、AP38及びL19-SIPから選択された131I−ラベルされた抗体が使用される。131IラベルされたL19−SIP(131I−L19−SIP)の使用が最も好ましい。
【0084】
抗体リンカーは、いずれかのリンカー、好ましくはVh及びV1ドメインの結合のために適切であるペプチドリンカーである。適切なリンカーは例えばBird, et al, 1988; Huston, et al, PNAS USA, 85, 5879-5883, 1988; EP 0 573 551号; EP 0 623679 号及び EP 0 318554号(引用により本明細書に組み込まれる)に記載される。
【0085】
“特異的に結合する”又は“特異的に認識する”とは、本明細書において使用される場合、その対応する標的物への結合を言及する。典型的には、結合分子、抗体、抗体フラグメント又は抗体擬似体は、少なくとも約1×10-7M、好ましくは少なくとも約1×10-9Mの親和性で結合し、そして予定された標的物又は密接に関連する標的物以外の非特異的標的物(例えば、BSA、カゼイン)への結合のためのその親和性の少なくとも2倍以上である親和性で、予定された標的物に結合する。
【0086】
“抗体”とは、本明細書において使用される場合、生来の抗体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体及び多重特異的抗体(例えば、ニ重特異的抗体)、ヒト抗体、ヒト適合された抗体、キメラ抗体及び十分なIgG抗体を含んで成る十分な長さの抗体、及び抗体フラグメントを包含する。
【0087】
用語“抗体フラグメント”とは、可変領域又は機能的能力、すなわち標的物に対する特異的結合が保持されている十分な長さの抗体の一部を言及する。抗体フラグメントの例は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:Fab、Fab'、F(ab')2、Fd、Fv、scFv及び scFv-Fcフラグメント、ジアボディー、線状抗体、小免疫タンパク質形、単鎖抗体、ミニボディー、抗体フラグメントから形成されるジアボディー、及び抗体フラグメントから形成された多重特異的抗体。
【0088】
抗体フラグメントは通常、完全な抗体よりも小さい。それにより、その薬力学は異なり、そしていくつかの抗体フラグメントは、生成を容易にすることができる1つのポリペプチド鎖から単に成る。好ましくは、抗体フラグメントは、scFv、(scFv)2又は小免疫タンパク質形で存在する。小免疫タンパク質形は、CH3-ドメイン (例えば、アメリカ特許第5,837,821号に記載される) 又はヒトIgEのεs2CH4-ドメイン(例えばWO 03/076469号に記載される)に基づかれる形であり得る。
【0089】
用語“モノクローナル抗体”(mAb)は、実質的に相同の抗体の集団から得られる抗体を言及し;すなわち、個々の抗体は、少量で存在し得る天然に存在する突然変異を除いて、同一である集団を含んで成る。モノクローナル抗体は、非常に特異的であり、単一の抗原決定因子に対して向けられ、また、エピトープとしても言及される。修飾語“モノクローナル”とは、同一のエピトープに向けられる実質的に相同の抗体集団を示し、そしていずれか特定の方法による抗体の生成を必要とするものとして構成されるべきではない。
【0090】
モノクローナル抗体は、当業界において知られているいずれかの技法又は方法、例えばKoehler, et al., 1975, Nature 256:495により最初に記載されるハイブリドーマ方法、又は当業界において知られてい組換えDNA方法(例えば、アメリカ特許第4,816,567号を参照のこと)により製造され得る。もう1つの例においては、モノクローナル抗体はまた、Clackson, et al., 1991, Nature 352: 624-628, 及び Marks, et al., 1991, J. MoI. Biol. 222: 581-597に記載される技法を用いて、ファージ抗体ライブラリーから単離され得る。
【0091】
対照的に、ポリクローナル抗体の調製における抗体は典型的には、免疫グロブリンイソタイプ及び/又は種類の異種集団であり、そしてまた、種々のエピトープ特異性も示す。
【0092】
用語“キメラ”抗体とは、本明細書において使用される場合、H鎖及び/又はL鎖の1又は複数の領域又はドメインにおける完全なアミノ酸配列の一部が、もう1つの種からの又はもう1つの免疫グロブリン種類又はイソタイプに属するか、又はコンセンサス配列からのモノクローナル抗体におけるその対応する配列と同一か、相同か、又はその配列の変異体である、1つのタイプのモノクローナル抗体である。
【0093】
一定のタイプの抗体フラグメントが、十分な長さの抗体の酵素処理により生成され得る。抗体のパパイン消化は、それぞれ単一の抗原結合部位を有する、“Fab”フラグメントと呼ばれる2種の同一の抗原結合フラグメント、及び容易に結晶化するその能力のために、残留“Fc”フラグメントを生成する。Fabフラグメントはまた、L鎖の不変ドメイン及びH鎖のCH1度メインを含む。ペプシン処理は、2種の抗原結合部位を有し、そして抗原をまだ架橋するF(Ab’)2フラグメントを生成する。
【0094】
Fab’フラグメントは、CH1ドメインのC末端での少数の追加の残基、例えば抗体ヒンジ領域からの1又は複数のシステインの存在により、Fabフラグメントとは異なる。Fab−SHは、不変ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を担持するFab’についての本明細書における名称である。F(ab’)2抗体フラグメントは、ヒンジ領域におけるシステイン残基により結合されるFab’フラグメント対である。抗体フラグメントの他の化学カップリングもまた知られている。
【0095】
“Fv”は、強い非共有結合で1つのH鎖及び1つのL鎖可変ドメインのダイマーから成る完全な抗原−認識及び結合部位を含む最小抗体フラグメントである。この形状においては、個々の可変ドメインの3種のCDRが、VH VLダイマーの表面上の抗原結合部位を定義するために相互作用する。集合的には、6種のCDRが、抗体に対する抗原特異性を付与する。
【0096】
“一本鎖Fv”又は“scFv”抗体フラグメントは、抗体のVH及びVLドメインを含んで成る一本鎖Fv変異体であり、ここで前記ドメインは単一ポリペプチド鎖存在し、そして抗原を認識し、そして結合することができる。svFvポリペプチドは任意には、抗原結合についての所望する三次元構造のscFvによる形成を可能にする、VH及びVLドメイン間に位置するポリペプチドを含む(Pluckthun, 1994, In The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, Vol. 113, Rosenburg and Moore eds., Springer- Verlag, New York, pp. 269-315)。
【0097】
用語“ジアボディー”とは、2種の抗原結合部位を有する小抗体フラグメントを言及する。個々のフラグメントは、L鎖可変ドメイン(VL)に連結されるH鎖の可変ドメイン(VH)を含む。同じ鎖上の2種のドメイン間の対合を可能するには短過ぎるリンカーを用いることにより、連結されたVH−VLドメインは、2つの抗原結合部位を創造する、もう1つの鎖の相補的ドメインとの対合を強制される。
【0098】
ジアボディーは、EP 404,097号; WO 93/11161号;及びHollinger, et al., 1993, Proc. Nat. Acad. Sc. USA 90: 6444-6448により十分に記載されている。
【0099】
ヒト適合された抗体又はヒト適合された抗体フラグメントは、予定された抗原に結合することができ、そしてヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を実質的に有する1又は複数の骨格領域(FR)、及び非ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を実質的に有する1又は複数のCDRを含んで成る、免疫グロブリンアミノ酸配列変異体又はそのフラグメントを包含する。この非ヒトアミノ酸配列は、“輸入”配列として本明細書においては言及され、この配列は典型的には、“輸入”抗体ドメイン、特に可変ドメインから取られる。一般的に、ヒト適合された抗体は、ヒトH鎖又はL鎖可変ドメインのFR間に挿入される、非ヒト抗体のCDR又はHVLを少なくとも含む。
【0100】
“生来の抗体”とは、2つの同一のL鎖及び2つの同一のH鎖から構成される、典型的には約150,000ダルトンのヘテロテトラマー糖タンパク質として本明細書において定義される。個々のL鎖は、ヘテロダイマーを形成するために1つのジスルフィド結合によりH鎖に共有結合される。ヘテロテトラマーは、そのようなヘテロダイマーの2つの同一のH鎖間での共有ジスルフィド結合により形成される。L鎖及びH鎖は1つのジスルフィド結合により一緒に結合されるが、2つのH鎖間でのジスルフィド結合の数は、免疫グロブリンイソタイプにより変化する。
【0101】
個々のH鎖及びL鎖はまた、規則的に間隔を開けられた鎖内ジスルフィド結合を有する。個々のH鎖は、アミノ末端で、可変ドメイン(VH)、続いて3又は4個の不変ドメイン(CH1, CH2, CH3及びCH4)、及びCH1とCH2との間にヒンジ領域を有する。個々のL鎖は、2種のドメイン、すなわちアミノ末端可変ドメイン(VL)及びカルボキシル末端不変ドメイン(CL)を有する。VLドメインは、VHドメインと非共有結合し、そしてClドメインは通常、ジスルフィド結合を通してCH1ドメインに共有結合される。特定のアミノ酸残基は、L及びH鎖可変ドメイン間でインターフェースを形成すると思われる(Chothia, など, 1985)。
【0102】
用語“超可変”とは、可変ドメイン内の一定配列が抗体間で配列において集中的に異なり、そしてその特定の抗原決定因子に対する個々の特定の抗体の結合及び特異性に直接関与する残基を含む事実を言及する。L鎖及びH鎖可変ドメインにおける超可変性は、相補性決定領域(CDR)又は超可変ループ(HVL)として知られている3種のセグメントに集結される。CDRは、Kabat, et al., 1991, In: Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD.における配列比較により定義され、そしてHLVは、Chothia and Lesk, 1987, J. MoI. Biol. 196: 901-917により記載されるように、可変ドメインの三次元構造に従って構造的に定義される。
【0103】
それらの2種の方法がCDRのわずかに異なった識別をもたらす場合、構造的定義が好ましい。Kabatにより定義される場合、CDR−L1は、L鎖可変ドメインにおいて、ほぼ残基24−34に位置し、CDR−L2はほぼ残基50−56に位置し、そしてCDR−L3はほぼ残基89−97に位置し;CDR−H1は、H鎖可変ドメインにおいて、ほぼ残基31−35に位置し、CDR−H2はほぼ残基50−65に位置し、そしてCDR−H3はほぼ残基95−102に位置する。
【0104】
用語“ラベル”とは、ED−Bフィブロネクチンに結合する分子、特に抗体に、直接的又は間接的に結合される検出できる化合物又は組成物を言及する。
【0105】
フィブロネクチン(FN)は単一FN遺伝子の生成物であるが、得られるタンパク質は、後翻訳的修飾とは別に、その一次RNA転写体の交互スプライシングから生じる多重形で存在することができる。ヒトFNにおいて20ほどの多くの異なったイソフィームを導くこの多形現象(それにより、異なった溶解性、細胞接着及びリガンド−結合性質を有するFNを生成する)は、組織特異的態様で細胞外マトリックス(ECM)の組成を修飾する可能性を提供する。
【0106】
交互スプライシングは、一次RNA転写体の3種の領域で生じる:エキソン用法又はスキッピングは次の2種のタイプIII 反復体の包含又は省略を導く:FNタイプ−III 反復体III 7及びIII 8間に挿入されるエキストラ−ドメインB(ED−B、EIII B又はEDIII と呼ばれる)。又は/及びFNタイプ−III 反復体III 12及びIII 13間に挿入されるエキストラ−ドメインA(EDA、EIII A又はEDIとも呼ばれる)。このタイプのスプライシングは、多くの脊椎動物、例えばアフリカツメガエル、鶏、ラット、イヌ及びヒトにおいて発生する。“ED−B”ドメインは、ヒトフィブロネクチンのエキストラ−ドメインBとして理解されるべきである。それはしばしば、ED-B、EIII B又はEDIIとしても言及される。
【0107】
“抗体擬似体”とは、標的物に対して特異的に結合し、そして抗体及び抗体フラグメントとは異なるタンパク質骨格(“骨格(scaffolds)”)に基づいての結合分子として、理解される。そのような骨格は、Binz, et al., 2005, Nat. Biotechnol. 23, 1257-1268に記載されている。ED-Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する抗体擬似体は、Grabulovski, et al., J. Biol. Chem., 2007, 282:3196-3204に記載される。
【0108】
εs2-CH4は、Erqiu Li, et al. "Mammalian cell expression of dimeric small immuno proteins (SIP)" (1997) Protein Engineering Vol.: 10, no. 6 pages 731 - 736において定義される。ドメインの配合は、配列番号4で示される。
配列番号1は、L19−SIP抗体のVh鎖を表す。
配列番号2は、L19−SIP抗体のV1鎖を表す。
【0109】
配列番号3は、L19−SIP抗体のVI及びVhを連結する抗体リンカーを表す。
配列番号4は、L19−SIPの#εs2-CH4ドメイン部分を表す。
配列番号5は、L19−SIPのscFv部部及びεs2-CH4ドメインを連結するリンカーを表す。
配列番号6〜11は、L19 抗体のCDR配列を表す。
配列番号12は、そのモノマー形でのL19−SIPの配列を表す。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】図1は、ホジキンリンパ腫を有する患者におけるリンパ腫病巣における131I−L19−SIP摂取を示す:18F−FDG PET走査は、複数の拡大された縦隔リンパ節、肺内病巣(最も左の縦列、最初の4種の像;肺内病巣が示される)、及び腰−大動脈リンパ節(最も底部の横列における最も左の像)における、臨床学的活性リンパ腫病巣を示す強いグルコース代謝を示す。患者はまた、185Mq, 及び続いて治療目的での5.55GBqの131I−L19−SIPの静脈内注入を受けた。全身及びSPECT−CT増を、この用量の投与の12日後に得、特異的腫瘍標的化を確認した。胸部(横列2−4)及び上部腹部(最低部横列)のSPECT−CT冠状(上部右パネル)及び長軸断像が示され、それらは複数の18F−FDGの強いリンパ腫性病巣への131I−L19−SIPの選択的摂取を示す。
【0111】
【図2a】図2aは、131I−L19−SIPによる放射性免疫療法処理の前及び後、ホジキンリンパ腫患者における18F−FDG PET走査を示す:腫瘍病巣中への選択的摂取及び適切な骨髄放射量測定(病巣/赤色骨髄吸収された用量比≧10)に基づいて、このホジキンリンパ腫患者は、診断用量に続いて治療的用量の131I−L19−SIP(5.55GBq;150mCi)を受けた。18F−FDG PET走査を、放射性免疫療法処理の前に実施し、これは、処理後、以前の外部ビーム照射された腰−大動脈リンパ節を包含する、複数のリンパ節拡大の18F−FDG摂取のほとんど完全な消失を示す。
【0112】
【図2b】図2bは、131I−L19−SIPによる放射性免疫療法処理の前及び後、ホジキンリンパ腫患者における18F−FDG PET走査を示す:腫瘍病巣中への選択的摂取及び適切な骨髄放射量測定(病巣/赤色骨髄吸収された用量比≧10)に基づいて、このホジキンリンパ腫患者は、診断用量に続いて治療的用量の131I−L19−SIP(5.55GBq;150mCi)を受けた。18F−FDG PET走査を、放射性免疫療法処理の4週後に実施し、これは、処理後、以前の外部ビーム照射された腰−大動脈リンパ節を包含する、複数のリンパ節拡大の18F−FDG摂取のほとんど完全な消失を示す。
【0113】
この発見は、ホジキンリンパ腫患者における臨床学的に重要な腫瘍応答の誘発を強く示唆する(Gallamini、など、2007及び2008)。肺内標的病巣への吸収された放射線用量(最高の肺病巣、図1を参照のこと)が約14Gyであることが放射量測定により見積もられ、そしてそれぞれの赤色骨髄用量が約1.3Gyであることが見積もられた。131I−L19−SIPによる放射線免疫療法処理の4週間後、従来のCT走査は、患者がRECIST基準に従って、卓越した部分的応答を達成したことを明らかにする(表1)。
【0114】
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【実施例】
【0126】
131I−L19−SIPを、結節性硬化症ホジキンリンパ腫を有する28歳の男性患者に静脈内注入した。この患者は、複数の従来の化学療法、腰−大動脈リンパ節拡大への外部ビーム放射線療法(合計36Gy)及び免疫療法を失敗している。患者は、CT及び18F−FDG−PET−CT走査に基づいて記録される場合、再発した疾病を表した。185MBq(5mCi)の131I−L19−SIPをまず、体内分布及び放射量測定評価のためのこの患者に投与した。131I−L19−SIP摂取:リンパ腫結節の卓越した比率が赤色骨髄に比較して観察されるので、続いて患者を、治療用量の131I−L19−SIP(5.5GBq;150mCi)により処理した。この処理は臨床学的に平凡であり、そして自発的に解決される軽く、単純で且つ一次的な血小板減少症にのみ関連した。
【0127】
全身、スポット及びSPECT−CT像(GE InfiniaTM Hawkeye(商標))が、記載されるように(Bombardieri、など、2007)、131I−L19−SIP注入の後、異なった時点で得られた。特に、ここで示される131I−L19−SIP SPECT−CT像は、放射線免疫療法用量の注入後、12日で得られた。正常器官及びリンパ腫病巣に対する放射量測定を、診断用量(185MBq)の131I−L19−SIPの適用の後、吸収された用量(Gyでの)として評価した。
【0128】
131I−L19−SIPによる放射線免疫療法処理の4週後、従来のCT走査が、患者がRECIST基準に従って、卓越した部分的応答を達成したことを明らかにしたことが驚くべきことには見出された。(表1)
【0129】
また、以前に外部ビーム照射された腰−大動脈リンパ節を包含する、処理後の複数リンパ節拡大への18F−FDG摂取のほとんど完全な消出が存在することが、放射線免疫療法処理の前(図2a)及び4週後(図2b)、行われた18F−FDG PET走査において驚くべきことには見出された。
【0130】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
好ましくは一次治療低抗性ホジキンリンパ腫を有する患者又は化学療法後の再発性ホジキンリンパ腫患者から選択されたホジキンリンパ腫患者の処理方法への、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子の使用。
【請求項2】
延長された前進性のないか又は全体的な生存性を達成し、そして/又はホジキンリンパ腫患者の組合された化学放射線療法処理の長期及び/又は遅発性毒性を低める方法への、化学療法剤と同時に投与される、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子の使用。
【請求項3】
前記処理が単独療法である、請求項1記載の使用。
【請求項4】
さらに、EBRが、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子の適用と同時に又は適用に従って、患者の関連する領域に独占的に与えられる、請求項1又は2記載の使用。
【請求項5】
前記EBR用量が、標準のEBR用量に比較して、少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約30%、最も好ましくは少なくとも約50%低められる、請求項4記載の使用。
【請求項6】
前記ホジキンリンパ腫患者が老齢患者である、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用。
【請求項7】
前記EBR領域が、標準のEBR領域に比較して、所定のリンパ節領域においてのみ、提示下で影響されたそれらのリンパ節に制限され、ここで放射線が好ましくは、共焦態様で実施され、そして放射線用量が標準であるか、又は少なくとも約20%低められる、請求項4〜6のいずれか1項記載の使用。
【請求項8】
標準の化学療法、続いて前記分子の投与、続いてEBRが伴う、請求項1、2及び4〜7のいずれか1項記載の使用。
【請求項9】
ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する、治療的有効量の少なくとも1つの放射性ラベルされた分子の投与、続く、又は付随する標準の又は低められた放射線用量での分別されたEBRを伴うことを含んで成る、ホジキンリンパ腫、好ましくは一次治療抵抗性ホジキンリンパ腫又は化学療法後の再発性ホジキンリンパ腫の処理方法への、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされる分子の使用。
【請求項10】
特に二次悪性腫瘍、心血管及び肺問題、及びホルモン及び生殖腺不全から選択されたホジキンリンパ腫患者の組合された−モダリティー療法(化学放射線療法)の長期及び/又は遅発性毒性を低める方法への、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子の使用。
【請求項11】
化学療法が同時に行われる、ホジキンリンパ腫患者の処理方法への、ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する少なくとも1つの放射性ラベルされた分子の使用。
【請求項12】
ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する分子が、抗体又は抗体擬似体である、請求項1〜11のいずれか1項記載の使用。
【請求項13】
前記抗体が、フィブロネクチンのED−B−ドメインに対して特異的に結合する、請求項12記載の使用。
【請求項14】
前記抗体が、L19抗体のCDR配列を含んで成る、請求項12又は13記載の使用。
【請求項15】
前記抗体が、十分なIgG、 Fab、(Fab’)2、scFv、ジアボディー(diabody)、ミニボディー(minibody)、又は小免疫タンパク質(SIP)形式で存在する、請求項12〜14のいずれか1項記載の使用。
【請求項16】
前記抗体がL19(scFv)、 AP38及びAP39から選択される、請求項14又は15記載の使用。
【請求項17】
小免疫タンパク質(SIP)形式での前記抗体がεs2CH4ドメインを含んで成る、請求項15〜16のいずれか1項記載の使用。
【請求項18】
前記抗体がL19−SIPである、請求項17記載の使用。
【請求項19】
ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する前記分子が、Re、In、Y、Lu又はI、又はそれらの混合物から選択された放射性同位対により放射性ラベルされる、請求項1〜18のいずれか1項記載の使用。
【請求項20】
ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する前記分子が、131I又は90Yにより放射性ラベルされる、請求項19記載の使用。
【請求項21】
ED−Bフィブロネクチンに対して特異的に結合する放射性ラベルされた分子が131I−L19−SIPである、請求項1〜20のいずれか1項記載の使用。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【公表番号】特表2011−519883(P2011−519883A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507821(P2011−507821)
【出願日】平成21年5月2日(2009.5.2)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003168
【国際公開番号】WO2009/135627
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】