ホッチキスおよびその駆動方法
【課題】モータの負荷を軽減し且つ簡易な構成で綴る紙厚の変動に対応し得るホッチキスおよびその駆動方法を、提供する。
【解決手段】クリンチ完了位置等は紙厚差によって異なるので、ディレイタイムでクランプが最も早くなる紙厚時(最大綴り枚数20枚)を基準として、最小綴り枚数2枚との差分だけモータを同一回転方向へ引続き駆動させる。即ち、紙厚差によるドライバユニットのストローク差を時間調整できるので、紙厚差がある被綴り用紙でもステープルで綴れる。従って、ディレイタイムに亘り駆動手段を同一回転方向へ引続き駆動させるので、従来に比べモータの負荷を軽減し且つ簡易な構成で綴る紙厚の変動に対応し得る。また、従来に比べモータの寿命が長くなり、且つ故障も少なくなる。
【解決手段】クリンチ完了位置等は紙厚差によって異なるので、ディレイタイムでクランプが最も早くなる紙厚時(最大綴り枚数20枚)を基準として、最小綴り枚数2枚との差分だけモータを同一回転方向へ引続き駆動させる。即ち、紙厚差によるドライバユニットのストローク差を時間調整できるので、紙厚差がある被綴り用紙でもステープルで綴れる。従って、ディレイタイムに亘り駆動手段を同一回転方向へ引続き駆動させるので、従来に比べモータの負荷を軽減し且つ簡易な構成で綴る紙厚の変動に対応し得る。また、従来に比べモータの寿命が長くなり、且つ故障も少なくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバでステープルを打ち出し、ステープルの脚部をドライバに対向して配置されるクリンチャで折り曲げて被綴り用紙を綴るホッチキスに関する。
【背景技術】
【0002】
ホッチキスの中には、例えばドライバを可逆電動モータで往復動させるタイプがある。この電動タイプのホッチキスでは、モータを正逆転制御するために、正転完了を検出する必要がある。この場合、ドライバ側で位置を検出すると、被綴り用紙の綴る紙厚(「被綴り用紙の綴り枚数」と同義)によってドライバを昇降させるストロークが変わることから、ドライバの打込み完了位置も変動する。そのため、この変動量を検出する機構が必要となる。
【0003】
従来のホッチキスでは、ドライバが所定位置以上または以下に移動できない場合のモータの電流値を検出してモータを制御する技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。また、従来のホッチキスでは、紙厚調整機構(紙厚調整バネを含む)を設けることより、上記変動量をも吸収する技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特表2003−517938公報(段落「0017」及び「0020」参照)
【特許文献2】特開2004−181560公報(段落「0029」及び「0030」参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に係るモータはかなりの高電流が発生するストール状態になると、モータの反転を表す信号またはモータを停止するという信号を生成し、モータを反転または停止させる。そのため、上記モータではストール状態を複数回に亘り続けるので、モータに負荷が繰返し加わる。即ち、特許文献1に係る技術では、モータの寿命が短くなり、且つ故障の原因にもなる。
【0005】
また、特許文献2に係る紙厚調整機構では紙厚調整バネが配置されているので、実打時のバネ圧を吸収するのに大きなトルクが必要なため大型のモータを使用する必要があった。
【0006】
そこで、本発明は、モータの負荷を軽減し且つ簡易な構成で綴る紙厚の変動に対応し得るホッチキスおよびその駆動方法を、提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るホッチキスは、ドライバユニットに配置されるドライバでステープルを打ち出し、上記ステープルの脚部を上記ドライバに対向して配置されるクリンチャユニットのクリンチャで折り曲げて被綴り用紙を綴るホッチキスであって、上記ドライバユニットまたは上記クリンチャユニットのうち少なくとも一方を駆動させる駆動手段と、最大綴り枚数を基準としたクリンチ完了位置を検出する検出手段と、最大綴り枚数と最小綴り枚数との紙厚の差分を基準としたディレイタイムを設定する設定手段と、を備え、上記駆動手段は、上記検出手段が最大綴り枚数を基準としたクリンチ完了位置を検出するまで駆動した後に、上記設定手段が設定したディレイタイムに亘って同一方向に引き続き駆動することを特徴とする。
【0008】
【0009】
上記駆動手段は、上記ホッチキスにおける制御手段または上記ホッチキスを搭載する電子装置における制御手段のうち、少なくとも一方で生成された駆動信号により制御させても良い。ここで、電子装置は、コピー装置またはファックス装置などを含む。また、制御手段または検出手段は、ホッチキスまたは上記電子装置の一方のみ及び両者に備えるようにしても良い。
【0010】
なお、卓上型の電動ホッチキスは、上記ドライバユニットまたは上記クリンチャユニットのうち少なくとも一方を綴り作動させる駆動手段と、上記被綴り用紙が最も少ない最小綴り枚数および最も多い最大綴り枚数のうち上記最大綴り枚数を基準として、上記最小綴り枚数との差分だけ上記駆動手段を同一回転方向へ引続き駆動させるディレイタイムを設定する設定手段と、上記ドライバユニットまたは上記クリンチャユニットのうち少なくとも一方における、上記最大綴り枚数を基準とするクリンチ完了位置を検出する検出手段と、上記ドライバユニットまたは上記クリンチャユニットのうち少なくとも一方が上記クリンチ完了位置にあると判断した場合に、上記設定手段で設定された上記ディレイタイムに亘り上記駆動手段を同一回転方向へ引続き駆動させる制御手段と、を備えるものとしても良い。
【0011】
本発明に係るホッチキスの駆動方法は、ドライバユニットに配置されるドライバでステープルを打ち出し、上記ステープルの脚部を上記ドライバに対向して配置されるクリンチャユニットのクリンチャで折り曲げて被綴り用紙を綴るホッチキスにおいて、最大綴り枚数と最小綴り枚数との紙厚の差分を基準としたディレイタイムを予め設定し、上記ドライバユニットまたは上記クリンチャユニットのうち少なくとも一方を、最大綴り枚数を基準としたクリンチ完了位置を検出するまで駆動した後に、上記ディレイタイムに亘って同一方向に引き続き駆動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るホッチキスおよびその駆動方法によれば、最大綴り枚数と最小綴り枚数との紙厚の差分を基準としたディレイタイムを予め設定し、上記ドライバユニットまたは上記クリンチャユニットのうち少なくとも一方を、最大綴り枚数を基準としたクリンチ完了位置を検出するまで駆動した後に、上記ディレイタイムに亘って同一方向に引き続き駆動する構成としたので、モータの負荷を軽減し且つ簡易な構成で綴る紙厚の変動に対応し得る。即ち、本発明に係るホッチキスおよびその駆動方法では、従来のような紙厚調整バネを不要にできると共に実打時の負荷が軽減できるので、部品点数が減少し且つモータを小型化でき、簡易且つ安価な構成となる。
【0013】
また、本発明に係るホッチキスによれば、駆動手段は、検出手段が最大綴り枚数を基準としたクリンチ完了位置を検出するまで駆動した後に、設定手段が設定したディレイタイムに亘って同一方向に引き続き駆動する構成としたので、モータの負荷を軽減し且つ簡易な構成で綴る紙厚の変動に対応し得る。即ち、本発明に係るホッチキスでは、ドライバユニットまたはクリンチャユニットのうち少なくとも一方を、ディレイタイムに亘って同一方向へ引続き駆動させる構成としたので、従来に比べモータに加わる負荷が軽減され、モータの寿命が長くなり、且つ故障も少なくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図1乃至図7に基づいて、本発明の一実施形態であるホッチキスおよびその駆動方法について説明する。本実施形態では、ホッチキスを電動タイプとし、ロール状に巻いたステープルをステープルカートリッジに収納するタイプの例として説明する。また、この電動ホッチキス(以下、単に「ホッチキス」ともいう)は、卓上型として説明する。なお、ホッチキスは、例えばコピー装置またはファックス装置などの装置に内蔵し、コピーまたはファックスを受信する所定枚数の用紙を自動的に綴じ合わせるものにも適用し得る。
【0015】
さらに、ホッチキスは、ステープルカートリッジを着脱可能に構成したものである。なお、図1は本実施形態におけるホッチキスの全体斜視図、図2は図1に示すホッチキスの側面図、図3は図1に示すホッチキス本体からステープルカートリッジを取外した状態の斜視図、図4は図1に示すマガジン駆動機構の概略図、図5は図4に示すセンサ関連の概略図、図6は図5に示すセンサの概略図、図7は図1に示すホッチキスのブロック図である。なお、図10乃至図17は、ホッチキスの各作動状態を示す概略図である。
【0016】
(電動ホッチキスの概略構成)
図1乃至図3に示すように、ホッチキス10は、フレームなどを構成するホッチキス本体11を備える。また、ホッチキス10は、可逆電動モータ(以下、単に「モータ」という)12と、ドライバリンク(「ドライバユニット」と同義)20と、図2の2点鎖線に示すドライバ21及びフォーミングプレート22と、テーブル30と、マガジン40を備える。
【0017】
マガジン40は、ステープルカートリッジ80を装着するもので、バネ23(図10参照)を介してドライバリンク20と所定距離をもって保持されている。マガジン40およびドライバリンク20は、駆動源であるモータ12によって上下方向へ一往復動する(図2の2点鎖線参照)。なお、モータ12は、ホッチキス本体11に固定されている。
【0018】
図2に示すドライバリンク20には、ドライバ21及びフォーミングプレート22が固定されている。フォーミングプレート22は、成形前の棒状のステープル(図示省略)をコ字状に成形(即ち、ステープルの脚部を成形)するためのプレートである。ドライバ21は、最前端(打出通路と同義)に位置するステープルを打出し被綴り用紙P(図11参照)に打込むためのプレートである。
【0019】
テーブル30は、図示しないバネを介して常にマガジン40側へ付勢している。テーブル30には、図2の2点鎖線に示すように、クリンチャ31がドライバ21と対向して配置されている。クリンチャ31は、ドライバ21によって打出されるステープルの脚部を折り曲げる受台である。なお、テーブル30は、所謂クリンチャユニットを構成するものである。
【0020】
なお、図1に示すように、ステープルカートリッジ80にはノブ88が配置されており、マガジン40に対する着脱時に把持できるよう平面形状が略コ字状に形成されている。また、ステープルカートリッジ80には、一対の係止片89がノブ88側に一体形成されている。係止片89はマガジン40に形成されるストッパ41(図3参照)に係止され、ステープルカートリッジ80はマガジン40に装着される。
【0021】
(マガジン駆動機構の概略構成)
図4及び図5に基づき、マガジン40の駆動機構について概説する。ドライバリンク20には、一対のラック20Aが昇降方向に沿ってそれぞれ形成されている(図5参照)。一方、ホッチキス本体11には駆動軸13が回転可能に軸支されており、この駆動軸13には図4に示すような駆動ギヤ(ピニオンと同義)14がラック20Aに対応するようにそれぞれ配置されている。なお、駆動ギヤ14は、図4に示すモータ12からの回転力が回転伝達機構(図示省略)を介して伝達される。
【0022】
図5に示すように、ドライバリンク20には、クリンチ完了位置を検出するためのアウェイフラグ24が配置されている。ここで、クリンチ完了位置とは、最大綴り枚数(本実施形態では20枚であるが、任意に変更し得る)を基準に、ステープルの脚部をクリンチャ31によってクリンチ完了するドライバリンク20の位置である。一方、マガジン40には、ドライバリンク20(マガジン40を含む)がホーム位置(待機位置と同義)に位置することを検出するためのホームフラグ42が配置されている。
【0023】
図5及び図6に示すように、ホッチキス本体11に固定されるセンサ基板15には、検出手段の一部を構成するアウェイフラグ24およびホームフラグ42に対応するように、検出手段の一部を構成するセンサ16が配置されている。このセンサ16は、発光素子および受光素子を備えるフォトセンサであり、発光素子と受光素子の間に各フラグ24または42が位置することによって検出信号を出力する。
【0024】
(ホッチキスの制御系に関する構成)
ホッチキス10は、図7に示すように、計時機能をも有するCPU50と、メモリ52と、紙検出センサ54と、センサ16と、モータ12を備える。制御手段または設定手段であるCPU50はホッチキス10の全体的な動作を司り、たとえば後述する紙検出センサ54から紙綴り信号がCPU50へ入力された場合、その紙綴り信号に基づき紙綴り処理を行う。また、上述したように、CPU50には計時するための時計カウンタ51を備える。
【0025】
記録手段であるメモリ52は、ホッチキス10に各種の処理を制御するプログラムを記録する。例えば、メモリ52には、後述するディレイタイムなども記録されている。なお、CPU50及びモータ12の間にはモータドライバ53が配置されており、モータ12はCPU50からの駆動信号に基づき駆動する。また、上述した紙検出センサ54は、図11に示すように、テーブル30とマガジン40の間に被綴り用紙Pがあるか否かを検出するセンサである。
【0026】
(本実施形態の作用)
図8に示すフローチャートに基づき、上述した紙綴り信号に基づき紙綴り処理(綴りモードと同義)に関する処理を説明する。ここで、図7に示すホッチキス10における処理は、CPU50によって実行され、図8のフローチャートで表される。このプログラムは、予めホッチキス10のメモリ52(図7参照)のプログラム領域に記憶されている。
【0027】
(綴りモード)
綴りモードは、マガジン40が初期状態であるホーム位置(即ち、ホームフラグ42がセンサ16に対向する図5に示す位置)に位置することを検出した後に、以下の処理を開始する。なお、マガジン40がホーム位置に位置しない場合、CPU50は警告信号を図示しない警告手段たとえばブザー等へ出力し、マガジン40が初期状態になるのを待つ。また、以下の各処理は、上述した紙綴り信号が入力される毎に繰り返される。
【0028】
以下、図8のフローチャートに基づき、綴りモードについて説明する。ステップ100においてモータ12を正転駆動させ、ステップ102においてクリンチ位置か否かを判断する。クリンチ位置か否かは、図5に示すアウェイフラグ24がセンサ16に対向し、センサ16の検出信号がCPU50へ入力することによってCPU50が判断する。
【0029】
ここで、図9に示すように、クリンチ完了位置などは、最大綴り枚数20枚乃至最小綴り枚数(本実施形態では2枚)によって異なる。即ち、被綴り用紙Pの枚数が多ければ多いほどテーブル30とドライバとで被綴り用紙Pをクランプするタイミングが速くなる(具体的にはドライバリンク20のストローク量が短くなる)。
【0030】
そして、ステップ102におけるクリンチ完了位置は、上述したように、最大綴り枚数20枚を基準に予め設定されている(図9参照)。なお、図9は、横軸をドライバリンク20のストローク(mmで表す)を示し、縦軸は枚数を示す図である。また、図9中の「針打出開始」とは、ステープルカートリッジ80内のステープルをドライバ21で打出すのを開始することである。
【0031】
図8に戻り、ステップ102が肯定の場合すなわちクリンチ完了位置である場合には、ステップ104において、ディレイタイムのカウントを開始する。ここで、ディレイタイムの設定時間は、最大綴り枚数20枚(即ち、クランプが最も早くなる紙厚時)と最小綴り枚数2枚(なお、0枚としても良い)との差分時間である。即ち、ディレイタイムは、最大綴り枚数20枚を基準として、最小綴り枚数2枚との差分だけモータ12を同一回転方向へ引続き駆動させ(具体的には、ドライバリンク20を引続きクリンチ完了位置の方向へ駆動させ)、最大綴り枚数20枚乃至最小綴り枚数2枚の範囲にある被綴り用紙Pでもステープルをクリンチし得る猶予時間である。
【0032】
従って、ディレイタイムは、例えば綴り枚数が19枚から2枚までの範囲の被綴り用紙Pでも、マガジン40をさらに上昇させ、クリンチ(即ち、ステープルの脚部の折り曲げ)を完了させるための引き延ばし時間(即ち、紙厚差によるドライバユニットのストローク差を調整する時間)である。なお、紙厚は被綴り用紙Pの種類によって若干異なる場合もあるが、一般的には1枚の紙厚は0.1mmになっている。
【0033】
ディレイタイムの設定は、被綴り用紙Pの枚数差が18枚である場合の紙厚の差分1.8mm(この数値は、ドライバリンク20のストローク量)を基準に、モータ12の駆動時間を算出する。この場合、モータ12または電源電圧の交差など条件が厳しい方(具体的には、ディレイタイムが長くなる方で、例えばモータ12の回転スピードが遅くなる方)を採用する。実験値として、ディレイタイムは、例えば50〜100msecである。なお、ステップ102が否定の場合は、クリンチ完了位置になるのを待つ。
【0034】
ステップ106では、ディレイタイムのカウントが終了したか否かを判断する。ステップ106が肯定の場合すなわちディレイタイムが終了した場合には、ステップ108でモータ12を停止させる。即ち、CPU50は、クリンチ完了の検出信号がセンサ16から入力されても、ディレイタイムが経過するまではモータ12を同一回転方向へ回転し続け、ディレイタイムが終了した後にモータ停止信号をモータドライバ53へ出力する。なお、ステップ106が否定の場合は、ディレイタイムが終了するのを待つ。
【0035】
ステップ110においてモータ12を逆転駆動させ、ステップ112においてホーム位置か否かを判断する。ステップ112が肯定の場合すなわちホーム位置である場合には、ステップ114において、モータ12を停止させる。ここで、ホーム位置か否かは、図5に示すホームフラグ42がセンサ16に対向し(図4および図5に示す状態)、センサ16の検出信号がCPU50へ入力することによってCPU50が判断する。なお、ステップ112が否定の場合は、ホーム位置になるのを待つ。
【0036】
ここで、図10乃至図17に基づき、ドライバリンク20に関連する各機構(ドライバ21およびマガジン40等)の移動過程を、センサ16に関連付けて説明する。即ち、ドライバリンク20がホーム位置(図10に示す状態)からクリンチ完了位置(図14に示す状態)を経てホーム位置(図10に示す状態)へと一往復動する過程を説明する。
【0037】
ホーム位置(図5及び図10に示す状態)では、上述したように、センサ16がホームフラグ42に対応し、その検出信号(即ち、発光が遮断された旨の信号)が図7に示すCPU50へ出力されるので、CPU50はドライバリンク20(図1に示すマガジン40を含む)がホーム位置であると判断する。
【0038】
そして、図8のステップ100において、モータ12が正転駆動すると、駆動ギヤ14と噛合するラック20A(図5参照)によってドライバリンク20が上昇する。この際、ドライバリンク20にバネ23を介して所定距離をもって保持されているマガジン40(ステープルカートリッジ80を含む)も一緒に上昇し、図11に示すように、複数枚(2枚乃至20枚)の被綴り用紙Pはテーブル30およびマガジン40でクランプ(挟持と同義)される。
【0039】
そのため、マガジン40は上記クランプによって上昇が停止するが、図12に示すように、ドライバリンク20およびドライバ21はバネ23の付勢力に抗してさらに上昇する。即ち、ドライバ21は、ステープルカートリッジ80(図1参照)内のステープルS(図13参照)の打出し(即ち、被綴り用紙Pへの打込み)を開始する。
【0040】
図13に示すように、さらにドライバリンク20(ドライバ21を含む)が所定位置まで上昇すると、一般的な手動式ホッチキスと同様にテーブル30のロック機構(図示省略)が解除され、テーブル30は図示しないバネの付勢力に抗して上昇し、クリンチを開始する。
【0041】
即ち、ドライバ21によってステープルSの脚部が被綴り用紙Pを貫通し、ドライバ21が被綴り用紙Pをさらに押圧すると、被綴り用紙Pから突出したステープルSの脚部はクリンチャ31によって折り曲げられる。そして、図14に示すように、クリンチは完了する。
【0042】
次に、モータ12(駆動ギヤ14を含む)は逆転駆動を開始し、図15に示すように、ドライバリンク20が下降し始めるので、図1に示すステープルカートリッジ80からドライバ21が抜けると共に、マガジン40(ドライバリンク20を含む)も一緒に下降し始める。そして、ドライバリンク20が図10に示すホーム位置へ復帰し停止すると、上述したように、センサ16がホームフラグ42に対応し、CPU50はドライバリンク20がホーム位置であると判断する。
【0043】
ここで、上述したように、被綴り用紙Pが20枚(紙厚2mmと同義)をクリンチ完了位置の検出タイミングとして、ディレイタイムを予め設定しているので、アウェイフラグ24がセンサ16に対向するタイミングは、図16に示すように、クリンチが完了しドライバ21が停止する位置である。そして、ディレイタイム分駆動ギヤ14が正転し続けた後、駆動ギヤ14は逆転し始める。即ち、モータ12はディレイタイムに亘って過負荷のロック状態となっているが、モータ12の過負荷状態はディレイタイムのみの間であることから、モータ12の過負荷の時間は最小限となる。
【0044】
一方、例えば被綴り用紙Pが2枚(紙厚0.2mmと同義)の場合、センサ16によりクリンチ完了位置(即ち、センサ16がアウェイフラグ24に対向する位置)を検出した時点では、未だクリンチは完了していないので、ディレイタイム分駆動ギヤ14が正転し続ける必要がある。即ち、クリンチ完了までの残り(不足と同義)ストロークは、ディレイタイム分駆動ギヤ14を正転駆動させ、クリンチ完了に十分なストロークを確保する。なお、この場合、図1に示すモータ12は、過負荷のロック状態にはなっていない。
【0045】
本実施形態によれば、ドライバリンク20がクリンチ完了位置にあると判断した場合、ディレイタイムに亘りモータ12を同一回転方向へ引続き駆動させる構成としたので、モータ12の負荷を軽減し且つ簡易な構成で綴る紙厚の変動に対応し得る。また、本実施形態によれば、ディレイタイムに亘りモータ12を同一回転方向へ引続き駆動させる構成としたので、従来に比べモータ12に加わる負荷が軽減され、モータ12の寿命が長くなり、且つ故障も少なくなる。
【0046】
なお、本実施形態によれば、例えばセンサ16等の検出位置が変化する場合でも、ディレイタイムによってセンサ検出タイミングを一定にできるので、その変化量を吸収できる。従って、本実施形態によれば、センサ16の取付け誤差を各ホッチキス10の特性を基に設定調整するディレイタイムで吸収できるので、高い部品精度は不要となり、コストダウンとなる。
【0047】
なお、本発明は、ドライバユニットまたはクリンチャユニットの少なくとも一方を、ホーム位置からクリンチ完了位置を経てホーム位置へと一往復動させるモータの駆動時間を予め設定し、この駆動時間に亘ってモータを駆動させるようにしても良い。例えは、図5に示すセンサ16およびこれに対応するホームフラグ42のみを配置し、モータ12をホーム位置から所定時間に亘って正転駆動および逆転駆動させホーム位置へ復帰させるようにする。また、ドライバユニットがホーム位置に位置することを前提として、ホーム位置をセンサで検出すること無く、単にタイマのみでモータを駆動させるようにしても良い。この場合、モータの負荷を軽減し且つ簡易な構成で綴る紙厚の変動に対応し得る。即ち、従来のような紙厚調整バネを不要にできると共に実打時の負荷が軽減できるので、センサなどの部品点数が減少し且つモータを小型化でき、簡易且つ安価な構成となる。
【0048】
本実施形態ではドライバユニットのみを一往復させる機構となっているが、本発明はクリンチャユニット(クリンチャのみを駆動させる場合も含む)または両者のユニットを駆動させるようにしても良い。本実施形態ではタイマ機能を有するCPU50でディレイタイムをカウントしているが、本発明はセンサの出力信号の検出タイミングをハードタイマ等で強制的に遅延させディレイタイムを生成させても良い。なお、上記実施形態において説明したプログラムの処理の流れ(図8参照)は一例であり、本実施形態の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。
【0049】
上述したように、ホッチキス10はコピー装置などに内蔵させても良い。この場合、図7に示すCPU50・メモリ52・紙検出センサ54はコピー装置自体に備えるものを利用し、ホッチキス10内の上記CPU50・メモリ52・紙検出センサ54を省く。即ち、コピー装置からの駆動信号が図7に示すモータドライバ53へ入力されることにより、ホッチキス10は上述した紙綴り処理を実行する。また、ディレイタイムの制御に関する手段はCPU50およびメモリ52に限定されず、CRタイマとセンサの組合せ等としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る一実施形態のホッチキスの全体斜視図である。
【図2】図1に示すホッチキスの側面図である。
【図3】図1に示すホッチキス本体からステープルカートリッジを取外した状態の斜視図である。
【図4】図1に示すマガジン駆動機構の概略図である。
【図5】図4に示すセンサ関連の概略図である。
【図6】図5に示すセンサの概略図である。
【図7】図1に示すホッチキスのブロック図である。
【図8】図1に示すホッチキスの綴りモードのフローチャート図である。
【図9】図1に示すホッチキスの紙綴り過程における紙厚差によるストローク差を説明する説明図である。
【図10】図1に示すホッチキスのホーム位置の状態を示す概略図である。
【図11】図10に示すホッチキスのクランプ状態を示す概略図である。
【図12】図11に示すホッチキスのステープルの打出し状態を示す概略図である。
【図13】図12に示すホッチキスのクリンチ開始状態を示す概略図である。
【図14】図13に示すホッチキスのクリンチ完了状態を示す概略図である。
【図15】図14に示すホッチキスのドライバリンクがホーム位置へ復帰する状態を示す概略図である。
【図16】図14に示すホッチキスにおける被綴り用紙20枚時のクリンチ完了位置を示す概略図である。
【図17】図14に示すホッチキスにおける被綴り用紙2枚時のクリンチ完了位置とセンサとの関係を示す概略図である。
【符号の説明】
【0051】
10 電動ホッチキス
12 モータ(駆動手段)
14 駆動ギヤ(駆動手段)
16 センサ(検出手段)
20 ドライバリンク(ドライバユニット)
21 ドライバ
24 アウェイフラグ(検出手段)
30 テーブル(クリンチャユニット)
31 クリンチャ
42 ホームフラグ(検出手段)
50 CPU(制御手段または設定手段)
51 時計カウンタ
P 紙綴り用紙
S ステープル
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバでステープルを打ち出し、ステープルの脚部をドライバに対向して配置されるクリンチャで折り曲げて被綴り用紙を綴るホッチキスに関する。
【背景技術】
【0002】
ホッチキスの中には、例えばドライバを可逆電動モータで往復動させるタイプがある。この電動タイプのホッチキスでは、モータを正逆転制御するために、正転完了を検出する必要がある。この場合、ドライバ側で位置を検出すると、被綴り用紙の綴る紙厚(「被綴り用紙の綴り枚数」と同義)によってドライバを昇降させるストロークが変わることから、ドライバの打込み完了位置も変動する。そのため、この変動量を検出する機構が必要となる。
【0003】
従来のホッチキスでは、ドライバが所定位置以上または以下に移動できない場合のモータの電流値を検出してモータを制御する技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。また、従来のホッチキスでは、紙厚調整機構(紙厚調整バネを含む)を設けることより、上記変動量をも吸収する技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特表2003−517938公報(段落「0017」及び「0020」参照)
【特許文献2】特開2004−181560公報(段落「0029」及び「0030」参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に係るモータはかなりの高電流が発生するストール状態になると、モータの反転を表す信号またはモータを停止するという信号を生成し、モータを反転または停止させる。そのため、上記モータではストール状態を複数回に亘り続けるので、モータに負荷が繰返し加わる。即ち、特許文献1に係る技術では、モータの寿命が短くなり、且つ故障の原因にもなる。
【0005】
また、特許文献2に係る紙厚調整機構では紙厚調整バネが配置されているので、実打時のバネ圧を吸収するのに大きなトルクが必要なため大型のモータを使用する必要があった。
【0006】
そこで、本発明は、モータの負荷を軽減し且つ簡易な構成で綴る紙厚の変動に対応し得るホッチキスおよびその駆動方法を、提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るホッチキスは、ドライバユニットに配置されるドライバでステープルを打ち出し、上記ステープルの脚部を上記ドライバに対向して配置されるクリンチャユニットのクリンチャで折り曲げて被綴り用紙を綴るホッチキスであって、上記ドライバユニットまたは上記クリンチャユニットのうち少なくとも一方を駆動させる駆動手段と、最大綴り枚数を基準としたクリンチ完了位置を検出する検出手段と、最大綴り枚数と最小綴り枚数との紙厚の差分を基準としたディレイタイムを設定する設定手段と、を備え、上記駆動手段は、上記検出手段が最大綴り枚数を基準としたクリンチ完了位置を検出するまで駆動した後に、上記設定手段が設定したディレイタイムに亘って同一方向に引き続き駆動することを特徴とする。
【0008】
【0009】
上記駆動手段は、上記ホッチキスにおける制御手段または上記ホッチキスを搭載する電子装置における制御手段のうち、少なくとも一方で生成された駆動信号により制御させても良い。ここで、電子装置は、コピー装置またはファックス装置などを含む。また、制御手段または検出手段は、ホッチキスまたは上記電子装置の一方のみ及び両者に備えるようにしても良い。
【0010】
なお、卓上型の電動ホッチキスは、上記ドライバユニットまたは上記クリンチャユニットのうち少なくとも一方を綴り作動させる駆動手段と、上記被綴り用紙が最も少ない最小綴り枚数および最も多い最大綴り枚数のうち上記最大綴り枚数を基準として、上記最小綴り枚数との差分だけ上記駆動手段を同一回転方向へ引続き駆動させるディレイタイムを設定する設定手段と、上記ドライバユニットまたは上記クリンチャユニットのうち少なくとも一方における、上記最大綴り枚数を基準とするクリンチ完了位置を検出する検出手段と、上記ドライバユニットまたは上記クリンチャユニットのうち少なくとも一方が上記クリンチ完了位置にあると判断した場合に、上記設定手段で設定された上記ディレイタイムに亘り上記駆動手段を同一回転方向へ引続き駆動させる制御手段と、を備えるものとしても良い。
【0011】
本発明に係るホッチキスの駆動方法は、ドライバユニットに配置されるドライバでステープルを打ち出し、上記ステープルの脚部を上記ドライバに対向して配置されるクリンチャユニットのクリンチャで折り曲げて被綴り用紙を綴るホッチキスにおいて、最大綴り枚数と最小綴り枚数との紙厚の差分を基準としたディレイタイムを予め設定し、上記ドライバユニットまたは上記クリンチャユニットのうち少なくとも一方を、最大綴り枚数を基準としたクリンチ完了位置を検出するまで駆動した後に、上記ディレイタイムに亘って同一方向に引き続き駆動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るホッチキスおよびその駆動方法によれば、最大綴り枚数と最小綴り枚数との紙厚の差分を基準としたディレイタイムを予め設定し、上記ドライバユニットまたは上記クリンチャユニットのうち少なくとも一方を、最大綴り枚数を基準としたクリンチ完了位置を検出するまで駆動した後に、上記ディレイタイムに亘って同一方向に引き続き駆動する構成としたので、モータの負荷を軽減し且つ簡易な構成で綴る紙厚の変動に対応し得る。即ち、本発明に係るホッチキスおよびその駆動方法では、従来のような紙厚調整バネを不要にできると共に実打時の負荷が軽減できるので、部品点数が減少し且つモータを小型化でき、簡易且つ安価な構成となる。
【0013】
また、本発明に係るホッチキスによれば、駆動手段は、検出手段が最大綴り枚数を基準としたクリンチ完了位置を検出するまで駆動した後に、設定手段が設定したディレイタイムに亘って同一方向に引き続き駆動する構成としたので、モータの負荷を軽減し且つ簡易な構成で綴る紙厚の変動に対応し得る。即ち、本発明に係るホッチキスでは、ドライバユニットまたはクリンチャユニットのうち少なくとも一方を、ディレイタイムに亘って同一方向へ引続き駆動させる構成としたので、従来に比べモータに加わる負荷が軽減され、モータの寿命が長くなり、且つ故障も少なくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図1乃至図7に基づいて、本発明の一実施形態であるホッチキスおよびその駆動方法について説明する。本実施形態では、ホッチキスを電動タイプとし、ロール状に巻いたステープルをステープルカートリッジに収納するタイプの例として説明する。また、この電動ホッチキス(以下、単に「ホッチキス」ともいう)は、卓上型として説明する。なお、ホッチキスは、例えばコピー装置またはファックス装置などの装置に内蔵し、コピーまたはファックスを受信する所定枚数の用紙を自動的に綴じ合わせるものにも適用し得る。
【0015】
さらに、ホッチキスは、ステープルカートリッジを着脱可能に構成したものである。なお、図1は本実施形態におけるホッチキスの全体斜視図、図2は図1に示すホッチキスの側面図、図3は図1に示すホッチキス本体からステープルカートリッジを取外した状態の斜視図、図4は図1に示すマガジン駆動機構の概略図、図5は図4に示すセンサ関連の概略図、図6は図5に示すセンサの概略図、図7は図1に示すホッチキスのブロック図である。なお、図10乃至図17は、ホッチキスの各作動状態を示す概略図である。
【0016】
(電動ホッチキスの概略構成)
図1乃至図3に示すように、ホッチキス10は、フレームなどを構成するホッチキス本体11を備える。また、ホッチキス10は、可逆電動モータ(以下、単に「モータ」という)12と、ドライバリンク(「ドライバユニット」と同義)20と、図2の2点鎖線に示すドライバ21及びフォーミングプレート22と、テーブル30と、マガジン40を備える。
【0017】
マガジン40は、ステープルカートリッジ80を装着するもので、バネ23(図10参照)を介してドライバリンク20と所定距離をもって保持されている。マガジン40およびドライバリンク20は、駆動源であるモータ12によって上下方向へ一往復動する(図2の2点鎖線参照)。なお、モータ12は、ホッチキス本体11に固定されている。
【0018】
図2に示すドライバリンク20には、ドライバ21及びフォーミングプレート22が固定されている。フォーミングプレート22は、成形前の棒状のステープル(図示省略)をコ字状に成形(即ち、ステープルの脚部を成形)するためのプレートである。ドライバ21は、最前端(打出通路と同義)に位置するステープルを打出し被綴り用紙P(図11参照)に打込むためのプレートである。
【0019】
テーブル30は、図示しないバネを介して常にマガジン40側へ付勢している。テーブル30には、図2の2点鎖線に示すように、クリンチャ31がドライバ21と対向して配置されている。クリンチャ31は、ドライバ21によって打出されるステープルの脚部を折り曲げる受台である。なお、テーブル30は、所謂クリンチャユニットを構成するものである。
【0020】
なお、図1に示すように、ステープルカートリッジ80にはノブ88が配置されており、マガジン40に対する着脱時に把持できるよう平面形状が略コ字状に形成されている。また、ステープルカートリッジ80には、一対の係止片89がノブ88側に一体形成されている。係止片89はマガジン40に形成されるストッパ41(図3参照)に係止され、ステープルカートリッジ80はマガジン40に装着される。
【0021】
(マガジン駆動機構の概略構成)
図4及び図5に基づき、マガジン40の駆動機構について概説する。ドライバリンク20には、一対のラック20Aが昇降方向に沿ってそれぞれ形成されている(図5参照)。一方、ホッチキス本体11には駆動軸13が回転可能に軸支されており、この駆動軸13には図4に示すような駆動ギヤ(ピニオンと同義)14がラック20Aに対応するようにそれぞれ配置されている。なお、駆動ギヤ14は、図4に示すモータ12からの回転力が回転伝達機構(図示省略)を介して伝達される。
【0022】
図5に示すように、ドライバリンク20には、クリンチ完了位置を検出するためのアウェイフラグ24が配置されている。ここで、クリンチ完了位置とは、最大綴り枚数(本実施形態では20枚であるが、任意に変更し得る)を基準に、ステープルの脚部をクリンチャ31によってクリンチ完了するドライバリンク20の位置である。一方、マガジン40には、ドライバリンク20(マガジン40を含む)がホーム位置(待機位置と同義)に位置することを検出するためのホームフラグ42が配置されている。
【0023】
図5及び図6に示すように、ホッチキス本体11に固定されるセンサ基板15には、検出手段の一部を構成するアウェイフラグ24およびホームフラグ42に対応するように、検出手段の一部を構成するセンサ16が配置されている。このセンサ16は、発光素子および受光素子を備えるフォトセンサであり、発光素子と受光素子の間に各フラグ24または42が位置することによって検出信号を出力する。
【0024】
(ホッチキスの制御系に関する構成)
ホッチキス10は、図7に示すように、計時機能をも有するCPU50と、メモリ52と、紙検出センサ54と、センサ16と、モータ12を備える。制御手段または設定手段であるCPU50はホッチキス10の全体的な動作を司り、たとえば後述する紙検出センサ54から紙綴り信号がCPU50へ入力された場合、その紙綴り信号に基づき紙綴り処理を行う。また、上述したように、CPU50には計時するための時計カウンタ51を備える。
【0025】
記録手段であるメモリ52は、ホッチキス10に各種の処理を制御するプログラムを記録する。例えば、メモリ52には、後述するディレイタイムなども記録されている。なお、CPU50及びモータ12の間にはモータドライバ53が配置されており、モータ12はCPU50からの駆動信号に基づき駆動する。また、上述した紙検出センサ54は、図11に示すように、テーブル30とマガジン40の間に被綴り用紙Pがあるか否かを検出するセンサである。
【0026】
(本実施形態の作用)
図8に示すフローチャートに基づき、上述した紙綴り信号に基づき紙綴り処理(綴りモードと同義)に関する処理を説明する。ここで、図7に示すホッチキス10における処理は、CPU50によって実行され、図8のフローチャートで表される。このプログラムは、予めホッチキス10のメモリ52(図7参照)のプログラム領域に記憶されている。
【0027】
(綴りモード)
綴りモードは、マガジン40が初期状態であるホーム位置(即ち、ホームフラグ42がセンサ16に対向する図5に示す位置)に位置することを検出した後に、以下の処理を開始する。なお、マガジン40がホーム位置に位置しない場合、CPU50は警告信号を図示しない警告手段たとえばブザー等へ出力し、マガジン40が初期状態になるのを待つ。また、以下の各処理は、上述した紙綴り信号が入力される毎に繰り返される。
【0028】
以下、図8のフローチャートに基づき、綴りモードについて説明する。ステップ100においてモータ12を正転駆動させ、ステップ102においてクリンチ位置か否かを判断する。クリンチ位置か否かは、図5に示すアウェイフラグ24がセンサ16に対向し、センサ16の検出信号がCPU50へ入力することによってCPU50が判断する。
【0029】
ここで、図9に示すように、クリンチ完了位置などは、最大綴り枚数20枚乃至最小綴り枚数(本実施形態では2枚)によって異なる。即ち、被綴り用紙Pの枚数が多ければ多いほどテーブル30とドライバとで被綴り用紙Pをクランプするタイミングが速くなる(具体的にはドライバリンク20のストローク量が短くなる)。
【0030】
そして、ステップ102におけるクリンチ完了位置は、上述したように、最大綴り枚数20枚を基準に予め設定されている(図9参照)。なお、図9は、横軸をドライバリンク20のストローク(mmで表す)を示し、縦軸は枚数を示す図である。また、図9中の「針打出開始」とは、ステープルカートリッジ80内のステープルをドライバ21で打出すのを開始することである。
【0031】
図8に戻り、ステップ102が肯定の場合すなわちクリンチ完了位置である場合には、ステップ104において、ディレイタイムのカウントを開始する。ここで、ディレイタイムの設定時間は、最大綴り枚数20枚(即ち、クランプが最も早くなる紙厚時)と最小綴り枚数2枚(なお、0枚としても良い)との差分時間である。即ち、ディレイタイムは、最大綴り枚数20枚を基準として、最小綴り枚数2枚との差分だけモータ12を同一回転方向へ引続き駆動させ(具体的には、ドライバリンク20を引続きクリンチ完了位置の方向へ駆動させ)、最大綴り枚数20枚乃至最小綴り枚数2枚の範囲にある被綴り用紙Pでもステープルをクリンチし得る猶予時間である。
【0032】
従って、ディレイタイムは、例えば綴り枚数が19枚から2枚までの範囲の被綴り用紙Pでも、マガジン40をさらに上昇させ、クリンチ(即ち、ステープルの脚部の折り曲げ)を完了させるための引き延ばし時間(即ち、紙厚差によるドライバユニットのストローク差を調整する時間)である。なお、紙厚は被綴り用紙Pの種類によって若干異なる場合もあるが、一般的には1枚の紙厚は0.1mmになっている。
【0033】
ディレイタイムの設定は、被綴り用紙Pの枚数差が18枚である場合の紙厚の差分1.8mm(この数値は、ドライバリンク20のストローク量)を基準に、モータ12の駆動時間を算出する。この場合、モータ12または電源電圧の交差など条件が厳しい方(具体的には、ディレイタイムが長くなる方で、例えばモータ12の回転スピードが遅くなる方)を採用する。実験値として、ディレイタイムは、例えば50〜100msecである。なお、ステップ102が否定の場合は、クリンチ完了位置になるのを待つ。
【0034】
ステップ106では、ディレイタイムのカウントが終了したか否かを判断する。ステップ106が肯定の場合すなわちディレイタイムが終了した場合には、ステップ108でモータ12を停止させる。即ち、CPU50は、クリンチ完了の検出信号がセンサ16から入力されても、ディレイタイムが経過するまではモータ12を同一回転方向へ回転し続け、ディレイタイムが終了した後にモータ停止信号をモータドライバ53へ出力する。なお、ステップ106が否定の場合は、ディレイタイムが終了するのを待つ。
【0035】
ステップ110においてモータ12を逆転駆動させ、ステップ112においてホーム位置か否かを判断する。ステップ112が肯定の場合すなわちホーム位置である場合には、ステップ114において、モータ12を停止させる。ここで、ホーム位置か否かは、図5に示すホームフラグ42がセンサ16に対向し(図4および図5に示す状態)、センサ16の検出信号がCPU50へ入力することによってCPU50が判断する。なお、ステップ112が否定の場合は、ホーム位置になるのを待つ。
【0036】
ここで、図10乃至図17に基づき、ドライバリンク20に関連する各機構(ドライバ21およびマガジン40等)の移動過程を、センサ16に関連付けて説明する。即ち、ドライバリンク20がホーム位置(図10に示す状態)からクリンチ完了位置(図14に示す状態)を経てホーム位置(図10に示す状態)へと一往復動する過程を説明する。
【0037】
ホーム位置(図5及び図10に示す状態)では、上述したように、センサ16がホームフラグ42に対応し、その検出信号(即ち、発光が遮断された旨の信号)が図7に示すCPU50へ出力されるので、CPU50はドライバリンク20(図1に示すマガジン40を含む)がホーム位置であると判断する。
【0038】
そして、図8のステップ100において、モータ12が正転駆動すると、駆動ギヤ14と噛合するラック20A(図5参照)によってドライバリンク20が上昇する。この際、ドライバリンク20にバネ23を介して所定距離をもって保持されているマガジン40(ステープルカートリッジ80を含む)も一緒に上昇し、図11に示すように、複数枚(2枚乃至20枚)の被綴り用紙Pはテーブル30およびマガジン40でクランプ(挟持と同義)される。
【0039】
そのため、マガジン40は上記クランプによって上昇が停止するが、図12に示すように、ドライバリンク20およびドライバ21はバネ23の付勢力に抗してさらに上昇する。即ち、ドライバ21は、ステープルカートリッジ80(図1参照)内のステープルS(図13参照)の打出し(即ち、被綴り用紙Pへの打込み)を開始する。
【0040】
図13に示すように、さらにドライバリンク20(ドライバ21を含む)が所定位置まで上昇すると、一般的な手動式ホッチキスと同様にテーブル30のロック機構(図示省略)が解除され、テーブル30は図示しないバネの付勢力に抗して上昇し、クリンチを開始する。
【0041】
即ち、ドライバ21によってステープルSの脚部が被綴り用紙Pを貫通し、ドライバ21が被綴り用紙Pをさらに押圧すると、被綴り用紙Pから突出したステープルSの脚部はクリンチャ31によって折り曲げられる。そして、図14に示すように、クリンチは完了する。
【0042】
次に、モータ12(駆動ギヤ14を含む)は逆転駆動を開始し、図15に示すように、ドライバリンク20が下降し始めるので、図1に示すステープルカートリッジ80からドライバ21が抜けると共に、マガジン40(ドライバリンク20を含む)も一緒に下降し始める。そして、ドライバリンク20が図10に示すホーム位置へ復帰し停止すると、上述したように、センサ16がホームフラグ42に対応し、CPU50はドライバリンク20がホーム位置であると判断する。
【0043】
ここで、上述したように、被綴り用紙Pが20枚(紙厚2mmと同義)をクリンチ完了位置の検出タイミングとして、ディレイタイムを予め設定しているので、アウェイフラグ24がセンサ16に対向するタイミングは、図16に示すように、クリンチが完了しドライバ21が停止する位置である。そして、ディレイタイム分駆動ギヤ14が正転し続けた後、駆動ギヤ14は逆転し始める。即ち、モータ12はディレイタイムに亘って過負荷のロック状態となっているが、モータ12の過負荷状態はディレイタイムのみの間であることから、モータ12の過負荷の時間は最小限となる。
【0044】
一方、例えば被綴り用紙Pが2枚(紙厚0.2mmと同義)の場合、センサ16によりクリンチ完了位置(即ち、センサ16がアウェイフラグ24に対向する位置)を検出した時点では、未だクリンチは完了していないので、ディレイタイム分駆動ギヤ14が正転し続ける必要がある。即ち、クリンチ完了までの残り(不足と同義)ストロークは、ディレイタイム分駆動ギヤ14を正転駆動させ、クリンチ完了に十分なストロークを確保する。なお、この場合、図1に示すモータ12は、過負荷のロック状態にはなっていない。
【0045】
本実施形態によれば、ドライバリンク20がクリンチ完了位置にあると判断した場合、ディレイタイムに亘りモータ12を同一回転方向へ引続き駆動させる構成としたので、モータ12の負荷を軽減し且つ簡易な構成で綴る紙厚の変動に対応し得る。また、本実施形態によれば、ディレイタイムに亘りモータ12を同一回転方向へ引続き駆動させる構成としたので、従来に比べモータ12に加わる負荷が軽減され、モータ12の寿命が長くなり、且つ故障も少なくなる。
【0046】
なお、本実施形態によれば、例えばセンサ16等の検出位置が変化する場合でも、ディレイタイムによってセンサ検出タイミングを一定にできるので、その変化量を吸収できる。従って、本実施形態によれば、センサ16の取付け誤差を各ホッチキス10の特性を基に設定調整するディレイタイムで吸収できるので、高い部品精度は不要となり、コストダウンとなる。
【0047】
なお、本発明は、ドライバユニットまたはクリンチャユニットの少なくとも一方を、ホーム位置からクリンチ完了位置を経てホーム位置へと一往復動させるモータの駆動時間を予め設定し、この駆動時間に亘ってモータを駆動させるようにしても良い。例えは、図5に示すセンサ16およびこれに対応するホームフラグ42のみを配置し、モータ12をホーム位置から所定時間に亘って正転駆動および逆転駆動させホーム位置へ復帰させるようにする。また、ドライバユニットがホーム位置に位置することを前提として、ホーム位置をセンサで検出すること無く、単にタイマのみでモータを駆動させるようにしても良い。この場合、モータの負荷を軽減し且つ簡易な構成で綴る紙厚の変動に対応し得る。即ち、従来のような紙厚調整バネを不要にできると共に実打時の負荷が軽減できるので、センサなどの部品点数が減少し且つモータを小型化でき、簡易且つ安価な構成となる。
【0048】
本実施形態ではドライバユニットのみを一往復させる機構となっているが、本発明はクリンチャユニット(クリンチャのみを駆動させる場合も含む)または両者のユニットを駆動させるようにしても良い。本実施形態ではタイマ機能を有するCPU50でディレイタイムをカウントしているが、本発明はセンサの出力信号の検出タイミングをハードタイマ等で強制的に遅延させディレイタイムを生成させても良い。なお、上記実施形態において説明したプログラムの処理の流れ(図8参照)は一例であり、本実施形態の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。
【0049】
上述したように、ホッチキス10はコピー装置などに内蔵させても良い。この場合、図7に示すCPU50・メモリ52・紙検出センサ54はコピー装置自体に備えるものを利用し、ホッチキス10内の上記CPU50・メモリ52・紙検出センサ54を省く。即ち、コピー装置からの駆動信号が図7に示すモータドライバ53へ入力されることにより、ホッチキス10は上述した紙綴り処理を実行する。また、ディレイタイムの制御に関する手段はCPU50およびメモリ52に限定されず、CRタイマとセンサの組合せ等としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る一実施形態のホッチキスの全体斜視図である。
【図2】図1に示すホッチキスの側面図である。
【図3】図1に示すホッチキス本体からステープルカートリッジを取外した状態の斜視図である。
【図4】図1に示すマガジン駆動機構の概略図である。
【図5】図4に示すセンサ関連の概略図である。
【図6】図5に示すセンサの概略図である。
【図7】図1に示すホッチキスのブロック図である。
【図8】図1に示すホッチキスの綴りモードのフローチャート図である。
【図9】図1に示すホッチキスの紙綴り過程における紙厚差によるストローク差を説明する説明図である。
【図10】図1に示すホッチキスのホーム位置の状態を示す概略図である。
【図11】図10に示すホッチキスのクランプ状態を示す概略図である。
【図12】図11に示すホッチキスのステープルの打出し状態を示す概略図である。
【図13】図12に示すホッチキスのクリンチ開始状態を示す概略図である。
【図14】図13に示すホッチキスのクリンチ完了状態を示す概略図である。
【図15】図14に示すホッチキスのドライバリンクがホーム位置へ復帰する状態を示す概略図である。
【図16】図14に示すホッチキスにおける被綴り用紙20枚時のクリンチ完了位置を示す概略図である。
【図17】図14に示すホッチキスにおける被綴り用紙2枚時のクリンチ完了位置とセンサとの関係を示す概略図である。
【符号の説明】
【0051】
10 電動ホッチキス
12 モータ(駆動手段)
14 駆動ギヤ(駆動手段)
16 センサ(検出手段)
20 ドライバリンク(ドライバユニット)
21 ドライバ
24 アウェイフラグ(検出手段)
30 テーブル(クリンチャユニット)
31 クリンチャ
42 ホームフラグ(検出手段)
50 CPU(制御手段または設定手段)
51 時計カウンタ
P 紙綴り用紙
S ステープル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバユニットに配置されるドライバでステープルを打ち出し、上記ステープルの脚部を上記ドライバに対向して配置されるクリンチャユニットのクリンチャで折り曲げて被綴り用紙を綴るホッチキスであって、
上記ドライバユニットまたは上記クリンチャユニットのうち少なくとも一方を駆動させる駆動手段と、
最大綴り枚数を基準としたクリンチ完了位置を検出する検出手段と、
最大綴り枚数と最小綴り枚数との紙厚の差分を基準としたディレイタイムを設定する設定手段と、
を備え、
上記駆動手段は、上記検出手段が最大綴り枚数を基準としたクリンチ完了位置を検出するまで駆動した後に、上記設定手段が設定したディレイタイムに亘って同一方向に引き続き駆動することを特徴とするホッチキス。
【請求項2】
上記駆動手段は、上記ホッチキスにおける制御手段または上記ホッチキスを搭載する電子装置における制御手段のうち、少なくとも一方で生成された駆動信号により制御されることを特徴とする請求項1記載のホッチキス。
【請求項3】
ドライバユニットに配置されるドライバでステープルを打ち出し、上記ステープルの脚部を上記ドライバに対向して配置されるクリンチャユニットのクリンチャで折り曲げて被綴り用紙を綴るホッチキスにおいて、
最大綴り枚数と最小綴り枚数との紙厚の差分を基準としたディレイタイムを予め設定し、
上記ドライバユニットまたは上記クリンチャユニットのうち少なくとも一方を、最大綴り枚数を基準としたクリンチ完了位置を検出するまで駆動した後に、上記ディレイタイムに亘って同一方向に引き続き駆動することを特徴とするホッチキスの駆動方法。
【請求項1】
ドライバユニットに配置されるドライバでステープルを打ち出し、上記ステープルの脚部を上記ドライバに対向して配置されるクリンチャユニットのクリンチャで折り曲げて被綴り用紙を綴るホッチキスであって、
上記ドライバユニットまたは上記クリンチャユニットのうち少なくとも一方を駆動させる駆動手段と、
最大綴り枚数を基準としたクリンチ完了位置を検出する検出手段と、
最大綴り枚数と最小綴り枚数との紙厚の差分を基準としたディレイタイムを設定する設定手段と、
を備え、
上記駆動手段は、上記検出手段が最大綴り枚数を基準としたクリンチ完了位置を検出するまで駆動した後に、上記設定手段が設定したディレイタイムに亘って同一方向に引き続き駆動することを特徴とするホッチキス。
【請求項2】
上記駆動手段は、上記ホッチキスにおける制御手段または上記ホッチキスを搭載する電子装置における制御手段のうち、少なくとも一方で生成された駆動信号により制御されることを特徴とする請求項1記載のホッチキス。
【請求項3】
ドライバユニットに配置されるドライバでステープルを打ち出し、上記ステープルの脚部を上記ドライバに対向して配置されるクリンチャユニットのクリンチャで折り曲げて被綴り用紙を綴るホッチキスにおいて、
最大綴り枚数と最小綴り枚数との紙厚の差分を基準としたディレイタイムを予め設定し、
上記ドライバユニットまたは上記クリンチャユニットのうち少なくとも一方を、最大綴り枚数を基準としたクリンチ完了位置を検出するまで駆動した後に、上記ディレイタイムに亘って同一方向に引き続き駆動することを特徴とするホッチキスの駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−250346(P2012−250346A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−211807(P2012−211807)
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【分割の表示】特願2008−115369(P2008−115369)の分割
【原出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【分割の表示】特願2008−115369(P2008−115369)の分割
【原出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
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