説明

ホットメルト接着剤

【課題】ホットメルト接着剤を提供する。
【解決手段】特有のエチレン酢酸ビニルコポリマーと、スチレンブロックコポリマ−と、粘着付与樹脂とをベースとする新規ホットメルト接着剤が提供される。これらのホットメルト接着剤は、基材を接合するために、より具体的にはフィルムを基材に接合するために極めて適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホットメルト接着剤に関し、ならびにそれらの製造および使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野ではホットメルトとも言われる、ホットメルト接着剤は、一般に、水を含まない、かつ溶剤を含まない接着剤であり、室温で固体であり、かつ、接合される部品もしくは基材にその溶解物から塗布され、そして、接合後、冷却すると凝固により物理的に固まる。これらのホットメルトは、可撓性基材に良好な接着性を有し、非常に広範囲の基材へのポリマーフィルムの視覚的に完璧な接合を可能にすると言われる。
【0003】
しかしながら、さらに、冷却後でさえ、永久に粘着性のままであり、接着が可能であるホットメルトが存在する。弱い加圧下に、これらのホットメルトは実質的に全ての基材に瞬時に接着し、感圧接着剤、省略形で「psa」とも言われる。これらのホットメルトpsaの適用範囲は非常に幅広く、消費者部門だけでなく工業部門をも包含する。例えば、包装業界およびまた飲料業界は、その目的が永久的固定か一次的固定かのいずれかである、ラベル付けについて、輸送バッグの取り付けについてまたは使い捨て物品の取り付けについて、このような状況において関係がある。
【0004】
典型的なホットメルトは、ベースポリマーと、粘着付与樹脂と、場合により可塑剤オイルと、場合により、様々な添加剤とをベースとする。非常に多くの場合に、例がスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(「SIS」)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマ−(「SBS」)ならびにそれらの水素化変形(例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(「SEBS」)およびスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(「SEPS」ブロックコポリマ−など)である、スチレンブロックコポリマ−が使用されるが、非晶質ポリ−α−オレフィン(APAO)もまた使用される。
【0005】
顕著なpsa特性を有するホットメルトを製造するために、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)3ブロックコポリマーが、これらの調合物が幅広い温度範囲にわたって使用することができるので主として使用される。これらのSISベースのホットメルトpsaは素晴らしい粘着性を有する−すなわち、まさに非常に短い接触時間後に、高い接合強度が達成される。それらは、高い剥離強度および良好な凝集強度が設定されることを可能にする。SISベースの調合物の大部分は透明で無色であり、それらの臭いは弱い。
【0006】
最近になって、イソプレンベースのホットメルトpsaの入手可能性問題から、代わりに、SBSまたはSEBSをベースポリマーとして使用したいという願望が生じてきた。例えば、SISベースポリマーをSIBSで希釈するかまたは増量するという提案が行われてきた((非特許文献1))。さらに、これまで典型的な14%から20%よりもむしろ例えば40%の範囲の、より高いスチレン分率のSISタイプが、最終製品が必要とされる特性を再び有するために、さらなる調合努力が行われなければならないという結果ではあるが、研究されてきた。
【0007】
さらに、SBSがホットメルトpsaの調合に使用されるとき、コートされた接着テープまたはラベルにおいて接着特性と凝集特性との適切なバランスの達成に困難が生じることが知られている((非特許文献2))。SISとSBSとの1:1ブレンド物のみが満足のいく結果をもたらすことが分かった。
【0008】
SEBSは、その粘着性が満足のいくものではないので、典型的なホットメルトpsaポリマーではない。一方で、低い二重結合含有率のみを有するポリマーを使用することが一般的には非常に望ましい。二重結合から生じる問題は、(特許文献1)に非常に明確に記載されており:不飽和の中間ブロックを持った、かかるスチレンブロックコポリマ−の欠点は、低い老化安定性、UV放射線への比較的低い安定性、比較的高いレベルの熱老化、およびオゾン分解の傾向にある。さらに、かなりのレベルの二重結合は、制限された加工温度および加工時間のみを可能にする。そしてまた、必要なUV保護を達成するために、TiOまたはカーボンブラックなどのそれ相応の保護顔料を添加することが必要であるので、完全に透明な接着剤をこの方法で調製することもできない。
【0009】
飽和スチレンブロックコポリマ−はこの制限がないが、調合物において比較的低い結合力を依然として示す。多くの場合、所望の粘着性を達成するためにかなりの量の可塑剤オイルを使用することが必要である。これは、かかる可塑剤オイルが基材中へ移行し、そして、例えば、ラベルの外観が含浸の結果としてひどく損なわれるという明らかな欠点を有する。固体基材へのフィルムの接合の場合には、可塑剤の移行はまた、例えば、ある時間後にしわまたはたるみを生み出す、ラベルの形態の、フィルムをもたらすかもしれない。
【0010】
SEBSを使用するとき、当該技術分野では粘着付与剤樹脂とも言われる、好適な粘着付与樹脂の選択は明らかに非常に制限される。Hildebrand溶液パラメーターに関するDuBoisのコメント((非特許文献3))に基づいて、エチレンおよびブチレンの繰り返し単位からなる、SEBSに存在する中間ブロックと樹脂エステルの重要な基との相溶性は不十分である。
【0011】
(特許文献2)は、SEPSをベースとする比較的低い二重結合含有率のホットメルトpsa記載しているが、それは、SEPSをSISと混合することによって満足のいく接着特性を得ているにすぎない。さらに、SEPSはSISの水素化生成物であるので、イソプレンベースの原料への望ましくない依存は存続する。
【0012】
さらに、(特許文献3)は、(DSCによって測定される)70℃より上の融点のスチレンブロックコポリマ−とエチレン酢酸ビニルコポリマーとをベースとするホットメルト接着剤を記載している。これらのエチレン酢酸ビニルコポリマーは結晶性かまたは部分的に結晶性であると言われている。スチレンブロックコポリマ−およびEVAコポリマーに加えて、ホットメルト接着剤は、追加の成分、粘着付与樹脂およびまた比較的大量の可塑剤を必ず含まなければならない。実施例に、SBSと28重量%酢酸ビニルのエチレン酢酸ビニルコポリマー「Evatan 28−05」、粘着付与樹脂および、同じく、多量の可塑剤との混合物が記載されている。この高い可塑剤分率は、既に上に記載されたように望ましくない。二重結合を含まない接着剤混合物は(特許文献3)には全く記載されていない。(特許文献3)は、使用されるスチレンブロックコポリマ−とEVAとが互いに相溶性であるという事実を、利点として強調している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第6,723,407号明細書
【特許文献2】国際公開第02/074873号パンフレット
【特許文献3】独国特許第10 2006 054196号明細書
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】M.Peters、ASI Adhesives Sealant Industry、2005年6月
【非特許文献2】C.Donker、RFP、2/2006、106
【非特許文献3】DuBois、Adhesives & Sealants Council Meeting、2005年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、本発明の目的は、スチレンブロックコポリマ−を、より具体的にはSEBSをベースとするホットメルトpsaの接着のレベルを高めるポリマー添加物を見いだすことであった。この目的は、さらに、優れたレベルの接着性、非常に良好な接着性、高い耐老化性、および、さらに、移行の低い傾向を示す、従って多種多様な基材への基材の、より具体的には、フィルムの視覚的に完璧な接合を可能にする、改善された加工および使用特性を有するホットメルト接着剤を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、
a)5〜70phr、好ましくは10〜60phrの、40重量%〜90重量%の範囲の酢酸ビニル含有率を有する少なくとも1種のエチレン酢酸ビニルコポリマーと、
b)95〜30phr、好ましくは90〜40phrの、少なくとも1種のスチレンブロックコポリマ−と、
c)20〜200phr、好ましくは25〜130phrの、少なくとも1種の粘着付与樹脂と
を含む、基材接合用ホットメルト接着剤であって、
phrが、ポリマーの100重量部を基準とする重量部を表す、ホットメルト接着剤を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】温度の関数としての損失係数tanδのプロットとして、各場合に1、10および100Hzの振動数で、実施例1のホットメルト接着剤についてのDMAプロットを示す。
【図2】温度の関数としての損失係数tanδのプロットとして、各場合に1、10および100Hzの振動数で、実施例2のホットメルト接着剤についてのDMAプロットを示す。
【図3】温度の関数としての損失係数tanδのプロットとして、各場合に1、10および100Hzの振動数で、実施例3のホットメルト接着剤についてのDMAプロットを示す。
【図4】(空白)
【図5】温度の関数としての損失係数tanδのプロットとして、1Hzの振動数で、実施例5のホットメルト接着剤についてのDMAプロットを示す。
【図6】温度の関数としての損失係数tanδのプロットとして、1Hzの振動数で、実施例6のホットメルト接着剤についてのDMAプロットを示す。
【図7】温度の関数としての損失係数tanδのプロットとして、1Hzの振動数で、実施例7のホットメルト接着剤についてのDMAプロットを示す。
【図8】温度の関数としての損失係数tanδのプロットとして、1Hzの振動数で、実施例8のホットメルト接着剤についてのDMAプロットを示す。
【図9】温度の関数としての損失係数tanδのプロットとして、1Hzの振動数で、実施例9のホットメルト接着剤についてのDMAプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
数字「phr」に関して、その基準「ポリマー」とは、本明細書との関連で成分a)とb)との合計を表す。
【0019】
本発明のホットメルト接着剤の特徴は、スチレンブロックコポリマ−と高い酢酸ビニル含有率のエチレン酢酸ビニルコポリマーとのブレンド物を使用することが初めて可能になったことである。比較的低い酢酸ビニル含有率および70℃より上の融点の、先行技術で今日まで唯一用いられたEVAコポリマーは、冷却するとそれらが固体塊に凝固し、熱ドクターブレード塗布で使用できるにすぎず、その結果として、とりわけ、実際の取り扱いがより複雑な形態をとるので、独国特許第10 2006 054196号明細書での開示の証拠に基づいて、真のpsa特性を持たない混合物をもたらす。さらに、低い酢酸ビニル含有率のエチレン酢酸ビニルコポリマーの使用は、比較的大量の可塑剤の使用を必要とし、それは、本発明のホットメルト接着剤の場合とは違う。本発明のホットメルト接着剤は、90°または180°剥離試験で剥離強度の形態で典型的には測定される、所望の非常に良好なレベルの接着性を有し、より特に極性基材への非常に良好な接着性を有する。中でも、SEBSベースのホットメルトpsaの場合には、エチレン酢酸ビニルコポリマーとの本発明ブレンド物における接着性のレベルは、公知のSEBSベースのホットメルトpsaまで相対的に高められ、視覚的に完璧な接合が可能であるという結果を伴って、高い耐老化性および、さらに、低い移行の傾向を有する接着剤が得られる。熱安定性および再剥離性に関する要件もまた満たされる。さらに、本発明のホットメルト接着剤の低温可撓性およびそれ故に低温接着能力も、例えば、AFERA 2004(欧州粘着テープ工業協会(European Association for the Self Adhesive Tape Industry))での発表でDr.Noeul De KeyzerおよびDr.Geert Vermunichtによって記載された種類の先行技術の接着剤と比較すると著しく改善される。
【0020】
場合により、本発明のホットメルト接着剤は、
d)40phr以下、好ましくは5〜20phrの
少なくとも1種のパラフィン系、ナフテン系または芳香族可塑剤オイルまたはエステル型の可塑剤
をさらに含み、
そしてさらに、場合により、
e)20phr以下、好ましくは5phr以下の
例えば、老化防止剤、染料または帯電防止添加剤などの1種以上のさらなる添加剤
をさらに含み、
phrは再び、ポリマーの100重量部を基準とする重量部を表す。
【0021】
フィラーを添加することはさらに可能であり、その量に対して特定の要件は全く課せられない。当業者は、フィラーがコストを低減するために一般に使用され、高レベルでは、接着剤の技術的性質を著しく損なうことを知っている。
【0022】
成分a):エチレン酢酸ビニルコポリマー
モノマーの合計を基準として、40重量%〜90重量%以下の範囲の酢酸ビニル含有率を有する少なくとも1種のエチレン酢酸ビニルコポリマーの形態の、本発明のホットメルト接着剤に使用される成分a)は、原則として当業者に公知であり、また「EVM」と略記され、例えば、Lanxess Deutschland GmbHから銘柄名Levamelt(登録商標)の製品範囲の形態で商業的に入手可能である。好ましいことに、モノマーの合計を基準として、40重量%超〜90重量%、より好ましくは45重量%〜90重量%、より好ましくは45重量%〜85重量%の範囲の、より特に50重量%〜70重量%の範囲の酢酸ビニル含有率を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーを使用することが可能である。場合により、エチレンおよび酢酸ビニルに加えて、コモノマーa)を製造するためにさらなるコモノマーを使用することもまた可能であり、その場合、上記の酢酸ビニル含有率は満たされ続けなければならない。エチレン酢酸ビニルおよび1種以上のさらなるモノマーをベースとする、使用されるエチレン酢酸ビニルコポリマーおよび/またはターポリマーは、典型的には部分的に結晶性であるか完全に非晶質であるかのいずれかである。部分的に結晶性のエチレン酢酸ビニルコポリマーの場合には、このコポリマーは、(DSCによって測定される)60℃より下の融点を有する。約57重量%の酢酸ビニル含有率より上では、通常、もはやいかなる融点も見いだされない。純粋なコポリマーは、酢酸ビニル含有率が60重量%〜70重量%にあるときに特に粘着性である。エチレン酢酸ビニルコポリマーおよび/または、場合により、ターポリマーの(190℃および21.1Nで測定された、[g/10分]の単位で報告される)MFI値は典型的には0.5〜100の範囲に、好ましくは2〜50の範囲にある。
【0023】
成分b):スチレンブロックコポリマ−
本発明による混合物に使用されるさらなる成分はスチレンブロックコポリマ−である。問題のコポリマーは、例えば、スチレンおよびスチレン−ブタジエンコポリマー(SBS、SBR)、スチレン−イソプレンコポリマー(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレンコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンコポリマー(SEPS)またはスチレン−イソプレン−ブチレンコポリマー(SIBS)であってもよい。この種の製品は当業者に公知であり、商業的に入手可能である。SEBSおよびSEPSを使用することが好ましい。例えば、SEBSスチレンブロックコポリマ−は、銘柄名Kraton(登録商標)G、SeptonTMおよびVector(登録商標)で入手可能である。
【0024】
SEBSがスチレンブロックコポリマ−として使用される場合、スチレン含有率が10重量%〜50重量%の範囲にあること、およびスチレンブロックコポリマ−が、さらに、少なくとも50%の程度まで水素化されていることが適切であることが分かった。
【0025】
さらに、SEBSまたはSEPSと、SBSまたはSISとの混合物は、それぞれ、SEBSまたはSEPSと良好な混和性を一般に有するので、それらを使用することもまた可能である。
【0026】
完全にまたは部分的に水素化された中間ブロックを有し、かつ、場合により非水素化スチレンブロックコポリマ−−(例えば、SBS、SIS)と組み合わせて使用することができるスチレンブロックコポリマー(例えば、SEBS、SEPSまたはSIPS)を使用することが適切であることが分かった。最適耐老化性は、水素化スチレンブロックコポリマ−がかかる組み合わせで支配的である場合に達成することができる。
【0027】
成分c):粘着付与樹脂
本発明のホットメルト接着剤は、少なくとも1種の粘着付与樹脂を使用する。これらの樹脂はしばしばまた、当該技術分野内では「粘着付与剤樹脂」とも言われる。それらは、多種多様な組成物のいずれかを有してもよく、追加の接着効果を与える。それらの好適な例には、次のものが挙げられる:天然原料をベースとするロジンエステル樹脂、すなわち、「ゴムロジン」として知られるもの、完全にまたは部分的に水素化されたロジンエステル樹脂、これらのロジンエステル樹脂のマレイン化誘導体、不均化誘導体、アビエチン酸エステル、バルサム樹脂、トール樹脂または木材樹脂からの樹脂酸などの変性天然樹脂、例えば、完全に鹸化されたバルサム樹脂、場合により変性されたテルペン樹脂、より具体的にはスチレンテルペン、α−メチルスチレンテルペンなどのテルペンコポリマーまたはターポリマー、フェノール変性テルペン樹脂およびまたそれらの水素化誘導体、他のスチレン樹脂、他の、場合によりフェノール変性α−メチルスチレン樹脂、アクリル酸コポリマー、好ましくはスチレン−アクリル酸コポリマー、ならびにタイプC、C、C/C10の芳香族、脂肪族もしくは脂環式炭化水素樹脂およびまたそれらの変性または水素化誘導体。
【0028】
本発明のホットメルト接着剤に使用される粘着付与樹脂は典型的には、(DIN 52011に従った環球法によって測定された)60〜130℃の範囲の軟化点を有する。
【0029】
ロジンエステルについての典型的な市販製品には下記のものが含まれる:
・Sylvalite RE 100、RE 104、RE 105、RE 115などのArizona Chemical製のSylvalite
【0030】
水素化ロジンエステルについての典型的な市販製品には下記のものが含まれる:
・Foral(登録商標)85−E、Foral(登録商標)105−EなどのEastman Chemical Company製のForal(登録商標)
・Foralyn(登録商標)90およびForalyn(登録商標)110などのEastman Chemical Company製のForalyn(登録商標)
・C/Cタイプの炭化水素樹脂についてのNovares(登録商標)およびRegalite(登録商標)、フェノール変性テルペン樹脂についてのSylvares TP。
【0031】
ベースの炭化水素樹脂についての典型的な市販製品には下記のものが含まれる:
・Kristalex(登録商標)F−100、Kristalex(登録商標)F−115、Kristalex(登録商標)F−85などのEastman Chemical Company製のKristalex(登録商標)
・Regalite(登録商標)R−1100、Regalite(登録商標)R−7100、Regalite(登録商標)9100、Regalite(登録商標)R−5100などのEastman Chemical Company製のRegalite(登録商標)
【0032】
ベースの炭化水素樹脂についての典型的な市販製品には下記のものが含まれる:
・Picotac(登録商標)1095−N、Piccotac(登録商標)7590−NなどのEastman Chemical Company製のPicotac(登録商標)
【0033】
9/10ベースの炭化水素樹脂についての典型的な市販製品には下記のものが含まれる:
・Novares(登録商標)TM 90、Novares(登録商標)TNA 90、Novares(登録商標)TA 100、Novares(登録商標)TK 100、Novares(登録商標)TN 100、Novares(登録商標)TT 100、Novares(登録商標)TN 140などのRuetgers Chemicals AG製のNovares(登録商標)
【0034】
α−メチルスチレン樹脂についての典型的な市販製品には下記のものが含まれる:
・Arizona Chemical製のSylvares SA 100およびSylvares SA 140
・Arizona Chemical製のフェノール変性α−メチルスチレン樹脂としてのSyvlares 600
【0035】
テルペン樹脂についての典型的な市販製品には下記のものが含まれる:
・Arizona Chemical製のSylvares TP 105およびTR 1100
・Arizona Chemical製のフェノール変性テルペン樹脂としてのSylvares TP 300およびSylvares TP 2040
【0036】
本発明のホットメルト接着剤では、スチレン末端ブロックを軟化させない、すなわち、スチレンブロックコポリマ−の中間ブロックに対しておよび/またはエチレン酢酸ビニルコポリマーに対してより高い相溶性を有する樹脂を使用することが好ましい。このようにして、スチレンブロックはハード成分として未変化で保持され、そしてこの種の樹脂は熱安定性、すなわち、高温で一定の強度または流れ抵抗の保持に寄与することが明らかになった。
【0037】
粘着付与樹脂は、20〜200phrの量で使用され、25〜130phrのレベルが好ましい。ここで再び、phrは、ポリマーの100重量部を基準とした重量部を意味する。
【0038】
本発明のホットメルト接着剤に、室温で液体である粘着付与剤樹脂を、単独でかあるいは1種以上のさらなる粘着付与剤樹脂と組み合わせてかのいずれかで、40phr以下、好ましくは5〜30phrで使用することが適切であることが分かり、粘着付与剤樹脂の総量について観察される範囲は、既に述べられたもの、20〜200phrである。
【0039】
さらに、芳香族、脂肪族もしくは脂環式炭化水素樹脂、またはそれらの変性変形もしくは水素化変形を成分c)として使用することも可能である。
【0040】
任意の成分d)
絶対不可欠な成分a)、b)およびc)に加えて、粘度を下げる、さらに加工を簡単にする、そして多分粘着性を高める、可塑剤を成分d)として使用することが場合により可能である。ここで、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、フタル酸エステル、クエン酸エステル、安息香酸エスエル、メリト酸エステルおよび芳香族スルホン酸エステルなどの、脂肪族もしくは芳香族カルボン酸のアルキルエステルが好適である。これらの可塑剤の量は、接合される基材中への移行が全くないように選択されるべきである。これはまた、使用される可塑剤の少なすぎない量を選択することによっても回避することができる。ポリプロピレングリコールまたはポリブチレングリコールなどのポリアルキレングリコールもまた使用されてもよい。
【0041】
本発明のさらなる実施形態では、本発明のホットメルト接着剤は、20phr以下の量の少なくとも1種の鉱油ベースの可塑剤と混ぜ合わせられる。
【0042】
任意の成分e)
場合により、少量の、しかし室温での粘着性が悪影響を受けないような量のワックスをホットメルト接着剤に添加することが可能である。
【0043】
さらに、当業者に公知である安定剤および酸化防止剤を本発明のホットメルト接着剤に添加することも可能である。しかしながら、これは、本発明による混合物の重要な利点が、低い二重結合含有率を設定することが可能であるか、あるいは、実際に、二重結合を含有するポリマーを使用せずに完全に間に合うことが可能であるかのいずれかであるので、これは必須ではない。これは、酸化防止剤の使用が最小限されるかまたは完全に割愛されることを可能にする。例えば、ホットメルト接着剤の生産コストを低減する目的のためのフィラー、カラー顔料および接着促進剤などの、さらに考えられる成分は当業者に公知である。
【0044】
本発明は、成分a)、b)およびc)ならびにまた、場合により、d)およびe)を互いに混合することによる、本発明のホットメルト接着剤の製造方法をさらに提供する。この目的のために、当業者に公知である混合技法を用いることが可能である。均一な溶解物への成分の混合は、典型的には140〜190℃の温度範囲で行われる。
【0045】
本発明のホットメルト接着剤は、例えば、Z−翼ミキサーにおけるように、回分式か、あるいは、例えば、押出機、より具体的には二軸スクリュー押出機で、連続的かのいずれかで製造することができる。
【0046】
本発明は、基材を接合するための本発明のホットメルト接着剤の使用をさらに提供する。
【0047】
本発明のホットメルト接着剤は、広範な範囲の異なる基材を接合するために使用することができる。この種の基材は典型的には固体である。それらは可撓性であっても、あるいはまた、剛性であってもよい。好ましくは接合される基材の1つは薄く、可撓性であり、より具体的には、フィルム、多層フィルム、紙または紙とポリマーフィルムとからの多層構造物の形態にある。そうしたものの例には、ラベル、パックサラウンド(pack surround)またはバッグが挙げられる。それらは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンまたはポリ塩化ビニルなどのプラスチックでできていてもよい。しかしながら、ラベルはまた、適切な場合にはポリマーフィルムと組み合わせて紙をベースとしていてもよい。問題の基材がポリオレフィンをベースとするときは特に、接合強度は、再剥離および再接合が可能であるような方法で設定されてもよい。
【0048】
本発明のホットメルト接着剤によって第1基材に接合される、好適な第2基材には、例えば、ガラス、金属、塗装面もしくは非塗装面、コート紙または未処理紙、ボール紙パッケージング、好ましくはポリカーボネート、ポリエステル、PVC、ポリスチレン、SAN、ABS、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンまたはEVA(0重量%超〜40重量%未満の酢酸ビニル含有率を有するエチレン酢酸ビニルコポリマー)の熱可塑性樹脂が含まれる。
【0049】
2つの薄い可撓性基材の可逆的接合のための本発明のホットメルト接着剤の使用もまた特に好ましい。この方法によって、例えば、フィルムパウチが再閉鎖できるように(reclosably)接合されることが可能である。
【0050】
本発明はさらに、本発明のホットメルト接着剤を含む、接合された、好ましくは可逆的に接合された基材を提供する。
【実施例】
【0051】
下記の実施例は、以下の物質を使用した:
Levamelt(登録商標)600(成分a)
60重量%の酢酸ビニル含有率のエチレン酢酸ビニルコポリマー;Lanxess Deutschland GmbH
Kraton(登録商標)G 1657(成分b)
13%のスチレン含有率および8g/10分(200℃、50N)のメルトフローインデックスのSEBSポリマー;Kraton Polymers
Kraton(登録商標)D 1161(成分b)
15%のスチレン含有率および12g/10分(200℃、50N)のメルトフローインデックスのSISポリマー;Kraton Polymers
Rosin Ester Foral(登録商標)85 E(成分c)
85℃のR&B値の水素化ロジンエステル;Arizona Chemical
液体ロジンエステル樹脂(Liquid Rosin Ester Resin)RL−1(成分c)
Deqing Yinlong Industrial Co.Ltd.,P R China
KristallexTM F−85(成分c)
炭化水素樹脂;Eastman Chemical Company
Irganox(登録商標)1010(成分e)
安定剤;Ciba Geigy
Sunpar(登録商標)2280(成分e)
例えば、Natrochem,Inc.を通して入手可能な、Sunocoによって製造される、パラフィン油。
【0052】
混合物の調製:
個々の実施例について下に示す処方成分を、ミニ−ミキサー(15ml動作容積、二軸スクリュー押出機のDSM Midi−Mixer)にて170℃および180rpmで5分間溶融し混合した。混合物は、その後ノズルを通して排出させ、シリコーン紙上で冷却した。
【0053】
以下の検討を、生じたホットメルト接着剤について実施した。
【0054】
1.DMA(動的機械分析)測定
Mettler−Toledo DMA/SDT A861e機器を、二重サンドイッチ試料ホルダーで使用した。DMS測定は各場合に、1K/分の加熱速度で、および0.1%の変形振幅で、1、10および100Hzの振動数で行った。
【0055】
本明細書の実施例についての結果を下の表1および2に、ならびに図1〜3およびまた図5〜9に示す。
【0056】
2.剥離試験
実施例1〜4の接着剤混合物を、50g/mのコート重量に相当する、およそ50μmの層厚さでPET裏張りフィルムに塗布した。このようにコートしたPETフィルムの、V2Aステンレススチール板またはポリカーボネート板の形態の、それぞれの基材への接合は、フィルム貼合せ機にて100℃で3秒間行った。その次に、FINAT試験方法No.1に従った剥離試験を用いて、標準条件、すなわち、室温(22℃±2℃に相当する)下で24時間保管後に、剥離力を測定した。この試験は、300mm/分の剥離速度および寸法25mm×200mmの試験片での180°剥離試験における接合強度を含んだ。各場合に、ホットメルト接着剤当たり3つの実験を実施した、これらの3実験の結果を下の表1に各実施例について示す。
【0057】
実施例1〜4:スチレンブロックコポリマ−としてSEBS
実施例1:
混合物を
2.79g:EVMポリマー(Levamelt(登録商標)600)
4.18g:SEBSポリマー(Kraton(登録商標)G 1657)
6.69g:樹脂(Rosin Ester Foral(登録商標)85 E)
0.07g:安定剤(Irganox(登録商標)1010)
から調製した。
【0058】
実施例2(比較):
混合物を
6.97g:SEBSポリマー(Kraton(登録商標)G 1657)
6.69g:樹脂(Rosin Ester Foral(登録商標)85 E)
0.07g:安定剤(Irganox(登録商標)1010)
から調製した。
【0059】
実施例3:
混合物を
2.46g:EVMポリマー(Levamelt(登録商標)600)
3.70g:SEBSポリマー(Kraton(登録商標)G 1657)
6.16g:樹脂(Rosin Ester Foral(登録商標)85 E)
0.62g:液体ロジンエステル樹脂(RL−1)
0.07g:安定剤(Irganox(登録商標)1010)
から調製した。
【0060】
実施例4:
混合物を
2.15g:EVMポリマー(Levamelt(登録商標)600)
3.22g:SEBSポリマー(Kraton(登録商標)G 1657)
5.7g:樹脂(Rosin Ester Foral(登録商標)85 E)
0.07g:安定剤(Irganox(登録商標)1010)
2.15g:液体パラフィン(Sunpar(登録商標)2280)
から調製した。
【0061】
【表1】

【0062】
図1〜3:
図1〜3は、温度の関数としての損失係数tanδのプロットとして、各場合に1、10および100Hzの振動数で、実施例1、2および3のホットメルト接着剤についてのDMAプロットを示す。
【0063】
驚くべきことに、SEBSとEVMとの本発明調合物ははっきりした2相性を有することが分かった。−45℃の、純粋なSEBSのガラス転移温度Tg(DMA、2Hz、Carvagnoら、PSTC、2007年5月16−18日、Orlando,Florida,U.S.A.での発表)は、使用されるEVMのそれ(約−20℃のTg)より下であるが、EVMとブレンドされたとき、低温相が−18℃の近くに、および比較実験2によって、SEBSの「EB」中間ブロック相と特定できる+13℃の相が現れる。
【0064】
ガラス転移範囲は、典型的には粘着性の温度範囲と相関性がある。室温に近いガラス転移範囲は、室温またはわずかに高い温度での接着剤用途にとって明らかに有利である。例えば、冷凍パッケージング用のラベルなどの、低温での標的用途の場合には、ホットメルト接着剤は、0℃より下のガラス転移範囲を有するべきである。これは、例えば、SISと、SIS中間ブロックとの相溶性を示す粘着付与剤樹脂との混合物を用いて、先行技術に従って達成することができる。しかしながら、当該場合には、室温での凝集接合強度はそれほど顕著ではなく、従って、実用性は制限される。これとは対照的に、本発明のホットメルト接着剤は、室温でおよび低温での両方で使用することができる。
【0065】
実施例3および4は、実施例4におけるように、パラフィン油を使用するときには少々あまりはっきりしないレベルではあるが、液体樹脂または可塑剤が添加されるときに2相性が保持されることを示す。非極性油が多くとも非常に少量使用されるホットメルト接着剤がそれ故特に適切である。液体樹脂、特にロジンエステル型のものは、2相のガラス転移範囲をより低温に移動させ、それ故より低温で粘着性を増加させる手段である。
【0066】
実施例5〜9:スチレンブロックコポリマ−としてSIS
実施例5:(比較)
混合物を
100phr:EVMポリマー(Levamelt(登録商標)600)
33.33phr:KristallexTM F−85
から調製した。
【0067】
実施例6:(比較)
混合物を
100phr:Kraton(登録商標)D 1161
33.33phr:KristallexTM F−85
から調製した。
【0068】
実施例7(発明):
混合物を
25phr:EVMポリマー(Levamelt(登録商標)600)
75phr:Kraton(登録商標)D 1161
33.33ph:KristallexTM F−85
から調製した。
【0069】
実施例8:(発明)
混合物を
50phr:EVMポリマー(Levamelt(登録商標)600)
50phr:Kraton(登録商標)D 1161
33.33phr:KristallexTM F−85
から調製した。
【0070】
実施例9:(発明)
混合物を
75phr:EVMポリマー(Levamelt(登録商標)600)
25phr:Kraton(登録商標)D 1161
33.33phr:KristallexTM F−85
から調製した。
【0071】
実施例5〜9の混合物は、成分を混練チャンバーにて90℃で約5分間混合することによって調製した。
【0072】
DMA検討およびまた剥離試験は、既に実施例1〜4について概説したように、実施例5〜9の生じたホットメルト接着剤について実施した。DMA検討は、専ら1Hzの振動数で実施した。剥離試験では、スチールまたはポリカーボネートへの貼合せは80℃で行った。他の測定パラメーターの全ては変更しなかった。
【0073】
結果を下の表2に示す。DMA測定の結果は、加えて、図5〜9に見いだされる。
【0074】
【表2】

【0075】
図5〜9:
図5〜9は、温度の関数としての損失係数tanδのプロットとして、各場合に1Hzの振動数で、実施例5〜9のホットメルト接着剤についてのDMAプロットを示す。
【0076】
発明実施例7〜9から、驚くべきことに、SISおよびEVM(Levamelt(登録商標)600)をベースとする発明ホットメルト接着剤が調製されるとき、再び2相系が形成されることが明らかである。これは、2つの比較例5および6の場合に、使用される粘着付与剤樹脂が両成分、SISおよびEVMと明らかに相溶性であると見られることを考えれば、全くより驚くべきことであり、それ故に明らかな結論は、両成分のブレンド化がDMA測定においてたった1つの相を与えるのであろうということであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)5〜70phr、好ましくは10〜60phrの、40重量%〜90重量%の範囲の酢酸ビニル含有率を有する少なくとも1種のエチレン酢酸ビニルコポリマーと、
b)95〜30phr、好ましくは90〜40phrの、少なくとも1種のスチレンブロックコポリマ−と、
c)20〜200phr、好ましくは25〜130phrの、少なくとも1種の粘着付与樹脂と
を含む、基材接合用ホットメルト接着剤であって、
phrが、ポリマーの100重量部を基準とする重量部を表す、ホットメルト接着剤。
【請求項2】
40重量%超〜90重量%、好ましくは45重量%〜90重量%の範囲の、より好ましくは45重量%〜85重量%の範囲の、そしてより特に50重量%〜70重量%の範囲の酢酸ビニル含有率を有する少なくとも1種のエチレン酢酸ビニルコポリマーが成分a)として使用される、請求項1に記載の基材接合用ホットメルト接着剤。
【請求項3】
d)40phr以下、好ましくは5〜20phrの、少なくとも1種のパラフィン系、ナフテン系または芳香族可塑剤オイルまたはエステル型の可塑剤と、
e)20phr以下、好ましくは5phr以下の、老化防止剤、染料または帯電防止添加剤からなる群から選択される1種以上のさらなる添加剤と
をさらに含む、請求項1または2に記載の基材接合用ホットメルト接着剤であって、
phrが、ポリマーの100重量部を基準とする重量部を表す、ホットメルト接着剤。
【請求項4】
少なくとも1種のスチレンおよびスチレン−ブタジエンコポリマー(SBS、SBR)、スチレン−イソプレンコポリマー(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレンコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンコポリマー(SEPS)またはスチレン−イソプレン−ブチレンコポリマー(SIBS)を成分b)として含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基材接合用ホットメルト接着剤。
【請求項5】
10重量%〜50重量%の範囲のスチレン含有率を有する少なくともSEBSであって、元のブロックコポリマ−中に存在するC=C二重結合の少なくとも50%が水素化されているSEBSを成分b)として含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基材接合用ホットメルト接着剤。
【請求項6】
SEBSまたはSEPSと、SBSまたはSISとの混合物を成分b)として含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基材接合用ホットメルト接着剤。
【請求項7】
天然原料をベースとするロジンエステル樹脂、完全にまたは部分的に水素化されたロジンエステル樹脂、これらのロジンエステル樹脂のマレイン化誘導体、不均化誘導体、アビエチン酸エステル、バルサム樹脂、トール樹脂または木材樹脂からの樹脂酸などの変性天然樹脂、より具体的には完全に鹸化されたバルサム樹脂、場合により変性されたテルペン樹脂、より具体的にはテルペンコポリマーまたはターポリマー、好ましくはスチレンテルペン、α−メチルスチレンテルペン、フェノール変性テルペン樹脂およびまたそれらの水素化誘導体、さらにスチレン樹脂、他の、場合によりフェノール変性α−メチルスチレン樹脂、アクリル酸コポリマー、好ましくはスチレン−アクリル酸コポリマー、ならびにタイプC、C、C/C10の芳香族、脂肪族もしくは脂環式炭化水素樹脂およびまたそれらの変性または水素化誘導体を成分c)として含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基材接合用ホットメルト接着剤。
【請求項8】
(DIN 52011に準拠した環球法によって測定された)60〜130℃の範囲の軟化点を有する少なくとも1種の粘着付与樹脂を成分c)として含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基材接合用ホットメルト接着剤。
【請求項9】
少なくとも1種の脂肪族もしくは芳香族カルボン酸のアルキルエステル、好ましくはアジピン酸エステル、セバシン酸エステル、フタル酸エステル、クエン酸エステル、安息香酸エスエル、メリト酸エステル、芳香族スルホン酸エステル、ポリアルキレングリコール、好ましくはポリプロピレングリコールもしくはポリブチレングリコール、または少なくとも1種の鉱油ベースの可塑剤を成分d)として含む、請求項3〜8のいずれか一項に記載の基材接合用ホットメルト接着剤。
【請求項10】
成分a)、b)およびc)ならびに場合によりd)およびe)が140〜190℃の範囲の温度範囲で互いに混合される、請求項1〜9のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤の製造方法。
【請求項11】
基材を接合するための請求項1〜9のいずれか一項またはそれ以上に記載のホットメルト接着剤の使用。
【請求項12】
接合される基材の1つが薄く可撓性であり、そして好ましくはフィルム、多層フィルム、紙または紙とポリマーフィルムとからの多層構造物である、請求項11に記載のホットメルト接着剤の使用。
【請求項13】
接合される基材の1つが、金属、塗装面もしくは非塗装面、コート紙または未処理紙、ボール紙パッケージング、好ましくはポリカーボネート、ポリエステル、PVC、ポリスチレン、SAN、ABS、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンまたはEVA(0重量%超〜40重量%未満の酢酸ビニル含有率を有するエチレン酢酸ビニルコポリマー)の熱可塑性樹脂からなる群から選択される、請求項11または12に記載のホットメルト接着剤の使用。
【請求項14】
2つの基材が可逆的に、好ましくは2つの薄い可撓性基材の形態で、互いに接合される、請求項11または12に記載のホットメルト接着剤の使用。
【請求項15】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤を含む接合された基材、好ましくは可逆的に接合された基材。

【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−77429(P2010−77429A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−209290(P2009−209290)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(505422707)ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー (220)
【Fターム(参考)】