ホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体
【課題】コインの咬み込み現象や詰まり現象を瞬時に解消して正しく払い出せるようにする。
【解決手段】基端部(42a)がローター受け盤(18)の裏面へ取り付け固定された1枚の金属板(42)と、その先端部付近に植え付けられたコイン受け止めピン(45)と、同じく金属板(42)の自由な先端部(42b)から曲げ起されたコイン逃し誘導片(46)とを備え、穴明きディスクローター(D)の正回転により一方向(F)へ押し進められてきたコイン(C)を、上記コイン受け止めピン(45)により一旦受け止めて、コイン払出し口(O)へ方向を変えるように誘導し、同じくディスクローター(D)の逆回転により他方向(R)へ押し進められてきたコイン(C)を、上記コイン逃し誘導片(46)のコイン受け止めピン(45)に向かう登り傾斜面(46a)により、上記コイン受け止めピン(45)への乗り越え状に逃し誘導するように設定した。
【解決手段】基端部(42a)がローター受け盤(18)の裏面へ取り付け固定された1枚の金属板(42)と、その先端部付近に植え付けられたコイン受け止めピン(45)と、同じく金属板(42)の自由な先端部(42b)から曲げ起されたコイン逃し誘導片(46)とを備え、穴明きディスクローター(D)の正回転により一方向(F)へ押し進められてきたコイン(C)を、上記コイン受け止めピン(45)により一旦受け止めて、コイン払出し口(O)へ方向を変えるように誘導し、同じくディスクローター(D)の逆回転により他方向(R)へ押し進められてきたコイン(C)を、上記コイン逃し誘導片(46)のコイン受け止めピン(45)に向かう登り傾斜面(46a)により、上記コイン受け止めピン(45)への乗り越え状に逃し誘導するように設定した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスロットマシンやその他の各種遊技機、両替機、金銭機、各種商品の自動販売機などに内蔵設置して、必要な枚数のコイン(メダルやその他の擬似コインも含む。)を払い出すために使うホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
この種ホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体としては、実用新案登録第2594435号と本発明者から提案した特許第3042778号が公知であり、特にその実用新案登録第2594435号は硬貨ガイドピン(19)と、これをベース(2)へ取り付ける板ばね(16)との2部品から組み立てられている点で、本発明に最も近似するものであると考えられる。
【特許文献1】実用新案登録第2594435号公報
【特許文献2】特許第3042778号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記公知考案の構成では円柱状をなす硬貨ガイドピン(19)のそれ自身に、約45度の傾斜面(20)が切り欠かれているため、これを板ばね(16)へ取り付ける際、その傾斜面(20)を硬貨投出円板(3)の逆転時に硬貨(6)と当接する方向性として、正確に位置決めすることが甚だ困難であり、その取り付け作業をすばやく行なうことができない。
【0004】
他方、上記公知発明の構成では1枚の金属板バネ材を、水平な折り曲げ稜線(X−X)から一旦裏向きに曲げ出すことにより、側面視のほぼJ字型をなす弾性片(44)とし、その弾性片(44)の起立先端部を引き続き垂直な折り曲げ稜線(Y−Y)から半折り状態に重合一体化させて、厚肉な接触子(45)とする必要があるため、そのプレス加工が複雑となり、上記半折り状態をなす接触子(45)のコイン受け止め垂立面(45f)に、コイン(C)の反復的な受け止めによる亀裂が発生しやすく、又同じく接触子(45)と上記弾性片(44)との境界部に、上記半折り加工上の皺寄りが発生する結果、可動誘導体(A)としての見栄えも悪くなる。
【0005】
殊更、可動誘導体(A)の弾性片(44)と接触子(45)を図16〜18のような一対づつとして、1枚の金属板バネ材からプレス加工する場合、その接触子(45)の一対がローター受け入れ凹溝(G)の溝底面から突出する高さ(h)や、そのローター受け入れ凹溝(G)の溝底面と交叉するコイン逃し傾斜面(45r)の傾斜角度(θ)を、互いに等しく均一に揃えることが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような諸問題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では基端部がローター受け盤の裏面へ片持ち状態に取り付け固定された1枚の金属板と、その金属板の先端部付近へ、上記ローター受け盤におけるローター受け入れ凹溝の溝底面からコインの厚みとほぼ対応する一定高さだけ突出する状態に植え付け一体化されたコイン受け止めピンとから成り、
【0007】
上記ローター受け盤のローター受け入れ凹溝に嵌め込まれたコイン搬送用穴明きディスクローターのコイン受け入れ孔へ受け入れられて、その正回転するディスクローターにより一方向へ押し進め搬送されてきたコインを、上記コイン受け止めピンにより一旦受け止めて、上記ローター受け入れ凹溝の円周面一部に開口するコイン払出し口へ、方向変換させるように誘導するホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体において、
【0008】
上記金属板の先端部から、上面がコイン受け止めピンに向かう登り傾斜面となるコイン逃し誘導片を曲げ起して、上記ディスクローターの逆回転により他方向へ押し進め搬送されてきたコインが、その逃し誘導片により上記コイン受け止めピンを自づと乗り越えるように定めたことを特徴とする。
【0009】
又、請求項2の構成では金属板の先端部を円弧縁取り形態として、その先端部に板幅の約半分だけ分離線を切り込むと共に、
【0010】
その分離線と直交する金属板の縦断折り曲げ稜線から、コイン逃し誘導片を直角に曲げ起し垂立させることにより、上記先端部の円弧縁取り面をコイン受け止めピンに向かう登り傾斜面として活用したことを特徴とする。
【0011】
請求項3の構成では、金属板の板面がコイン逃し誘導片のコイン受け止めピンに向かう登り傾斜面となるように、その金属板の先端部を横断折り曲げ稜線から鋭角に折り返したことを特徴とする。
【0012】
請求項4の構成では、金属板の先端部に加工した切り欠き片をコイン逃し誘導片として、その金属板の横断折り曲げ稜線から鋭角に曲げ起すことにより、上記金属板の板面をコイン受け止めピンに向かう登り傾斜面として活用したことを特徴とする。
【0013】
請求項5の構成では金属板をバネ鋼板として、その基端部からの張り出し長さに長短差がある二叉状に分岐させ、その分岐した撓み変形可能な先端部に、コイン受け止めピンとコイン逃し誘導片との対応的な一対づつを並列設置したことを特徴とする。
【0014】
更に、請求項6の構成では金属板を剛性なステンレス鋼板として、その基端部からの張り出し長さに長短差がある二叉状に分岐させ、その分岐した先端部にコイン受け止めピンとコイン逃し誘導片との対応的な一対づつを並列設置すると共に、
【0015】
上記金属板の基端部をローター受け盤へ取り付ける固定ビスに、そのコイン受け止めピンとコイン逃し誘導片とがローター受け入れ凹溝の溝底面から一定高さだけ突出する状態として常時押し上げ付勢する圧縮コイルバネを巻き付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の上記構成によれば、ローター受け盤の裏面へ基端部での片持ち状態に取り付け固定された金属板の自由な先端部から、コイン受け止めピンに向かう登り傾斜面を備えたコイン逃し誘導片が曲げ起されており、穴明きディスクローターの逆回転により他方向(反時計方向)へ押し進め搬送されてきたコインを、そのコイン逃し誘導片の登り傾斜面によって、上記コイン受け止めピンの乗り越え状に自づと逃し誘導し得るようになっている。
【0017】
そのため、コインの咬み込み現象や詰まり現象を瞬時に解消することができ、又穴明きディスクローターの正回転により一方向(時計方向)へ押し進め搬送されてきたコインを一旦受け止め、コイン払出し口へ方向変換させるように誘導するコイン受け止めピンとしても、その取り付け方向性の自由なありふれた円柱型を採用し得るのであり、冒頭に述べた公知考案のように、約45度の傾斜面を硬貨ガイドピン自身に切り欠き加工する必要がない結果、その円柱型のコイン受け止めピンを金属板の先端部付近へ、一切の制約なく容易に植え付け作業でき、量産効果の向上に役立つ。
【0018】
他方、冒頭に述べた公知発明のコイン払出し用可動誘導体と比較しても、その上記コイン逃し誘導片を金属板の自由な先端部から、1段階での単純に曲げ起すことができ、その高精度な加工状態と優れた耐久性を得られるのである。
【0019】
特に、請求項2の構成を採用するならば、金属板に打ち抜き又はカットされた先端部の円弧縁取り面を、コイン逃し誘導片のコイン受け止めピンに向かう登り傾斜面として、言わばそのまま活用することができ、コイン払出し用可動誘導体の品質と耐久性がますます向上する。
【0020】
請求項3や請求項4の構成を採用するならば、金属板の板面をコイン逃し誘導片のコイン受け止めピンに向かう登り傾斜面として、やはりそのまま活用することができるほか、その折り返し又は曲げ起しの鋭角をコイン受け止めピンの植立高さやコインの大きさ(直径)などに応じた大小として、容易に調整・選定し得る効果もあり、その対応性に優れる。
【0021】
又、請求項5の構成を採用するならば、コインが比較的大きい場合でも、これを一対のコイン受け止めピンにより一旦確実に受け止め、そのコイン払出し口に向かって正しく円滑に誘導し得るほか、穴明きディスクローターの逆回転により他方向(反時計方向)へ押し進め搬送されてきたコインと接触するコイン逃し誘導片を、金属板の先端部から弾力的に撓み変形する沈没作用により、その登り傾斜面の案内作用とも相俟って、一層円滑に逃し誘導できる効果もある。
【0022】
更に、請求項6の構成を採用するならば、金属板の基端部をローター受け盤へ取り付ける固定ビスに、そのコイン受け止めピンとコイン逃し誘導片とを常時押し上げ付勢する圧縮コイルバネが巻き付けられているため、その金属板として剛性なステンレス鋼板を採用することもでき、上記請求項5の構成と同じ効果を得られるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、そのホッパー型コイン払出し装置の組立状態と分解状態を示した図1〜22において、(10)は金属板から枠組み一体化された据付け台であり、その一定角度だけ傾斜する開口表面にはほぼ正方形の金属ベースプレート(11)が、上方から施蓋状態に取付け固定されている。(12)はそのベースプレート(11)のほぼ中央部に一定深さだけ陥没された固定ビス用頭部逃し凹溝である。
【0024】
(13)は穴明きディスクローター回転駆動用の可逆モーターであって、常時には図3、4、21の一方向(時計方向)(F)へ正回転されるが、図外のセンサーによってコイン(C)の咬み込み現象や詰まり現象を検知した時には、そのセンサーからの出力信号を受けて、他方向(反時計方向)(R)へ逆回転されるようになっている。(14)はモーター(13)の出力軸であり、これには伝動用のキー(15)が直交状態に貫通されている。
【0025】
上記モーター(13)はその上端部に平盤形態の減速ギヤケース(16)を具備しており、その減速ギヤーケース(16)が図1、2のように、上記ベースプレート(11)における固定ビス用頭部逃し凹溝(12)の裏面へ、複数の固定ビス(17)を介して吊り下げ状態に取付けられている。
【0026】
その固定ビス(17)の頭部が上記ベースプレート(11)の逃し凹溝(12)内へ悉く逃し入れられるようになっているため、上記一定角度の傾斜設置状態にあるベースプレート(11)の表面へ、引続き上方からローター受け盤(18)を積み重ね状態に接合一体化させることができる。
【0027】
そのローター受け盤(18)は合成樹脂材から図5、6のように、上記ベースプレート(11)とほぼ対応する大きさ・形状に成形されており、これには一定深さだけ陥没する円形のローター受け入れ凹溝(G)が設けられていると共に、そのローター受け入れ凹溝(G)内へ上方からコイン搬送用の穴明きディスクローター(D)が嵌め込まれることになる。
【0028】
(19)は上記ローター受け入れ凹溝(G)と合致連通する開口底面を備えた合成樹脂製のコイン収容ホッパーであって、その取付座(20)がローター受け盤(18)の表面へ上方から取付け固定されることにより、上記穴明きディスクローター(D)を上方への抜け止め状態に拘束する。
【0029】
先に一言したローター受け盤(18)の円形なローター受け入れ凹溝(G)は図7〜9のように、その円周面の一部が斜め上部位置で切り欠かれたC字型をなしており、そのC字型の中心部には穴明きディスクローター(D)の後述する取付ボスを逃し入れるボス逃し入れ孔(21)が、同じく傾斜設置状態の下端円弧部には点在分布する複数の異物排出孔(22)が、各々開口形成されている。
【0030】
その場合、上記モーター(13)は固定ビス(17)によって、ローター受け盤(18)と別個なベースプレート(11)のほぼ中央部へ取付けられるようになっているため、そのモーター(13)を取付けるために必要な複数の固定ビス受け入れ孔を、ローター受け盤(18)におけるローター受け入れ凹溝(G)の溝底面へ開口分布させる必要がなく、その溝底面の固定ビス受け入れ孔に塵埃などの異物が侵入・堆積することを効果的に防止できるのである。
【0031】
上記ボス逃し入れ孔(21)の1個はローター受け盤(18)とベースプレート(11)とを貫通する状態にあるが、複数の異物排出孔(22)はローター受け盤(18)にのみ開口分布されており、ベースプレート(11)の対応する下端部に開口形成された1個の大きな異物排出長孔(23)と悉く連通しているため、上記一定角度の傾斜設置状態にあることとも相俟って、その下端部から異物を自づと確実に排出させることができる。
【0032】
(24)は上記ローター受け入れ凹溝(G)の切り欠き一端部に臨む位置関係として、そのローター受け盤(18)の表面へ上方から接合一体化された金属板から成るコイン払出し用固定誘導片、(25)は同じくローター受け入れ凹溝(G)の切り欠き他端部に臨む位置関係として、上記ローター受け盤(18)に開口形成されたカウントローラー用スライドガイド長孔であり、そのローター受け盤(18)とベースプレート(11)とを貫通する楕円形として、ここにはベースプレート(11)の裏側からカウントローラー用枢支ピン(26)が差し込み垂立されている。
【0033】
そして、その枢支ピン(26)に嵌合された遊転可能なカウントローラー(27)と、上記固定誘導片(24)との向かい合う相互間隙が、穴明きディスクローター(D)により押し進め搬送されてくるコイン(C)の払出し口(O)として画定されているのである。但し、その払出し口(O)を画定できる限り、固定誘導片(26)に代る遊転ガイドローラー(図示省略)をローター受け盤(18)へ軸支しても良い。(W)はそのコイン払出し口(O)の開口幅を示している。
【0034】
上記カウントローラー用枢支ピン(26)は図10、11のように、ほぼ三角形の金属板から成るカウントレバー(28)の中途部に植立一体化されていると共に、そのカウントレバー(28)の基端部が枢支ビス(29)を介して、上記ベースプレート(11)の裏面に取付けられている。
【0035】
他方、その枢支ビス(29)を中心として回動し得るカウントレバー(28)の他端部は、裏向きのほぼL字型に折り曲げられており、上記ベースプレート(11)から対応的な裏向きに切り起されたストッパー片(30)によって、受け止められるようになっている。
【0036】
又、(31)は上記コイン払出し口(O)の開口幅(W)を常時コイン(C)の直径よりも狭小寸法に保つため、上記カウントローラー(27)をそのコイン払出し口(O)への進出状態に弾圧付勢する引張りコイルバネであって、上記ベースプレート(11)から裏向きに切り起されたバネ受け片(32)と、上記カウントレバー(28)の先端部付近との向かい合う相互間に連繋掛架されている。
【0037】
その結果、上記コイン払出し口(O)を通過しようとするコイン(C)は、引張りコイルバネ(31)の付勢力を受けたカウントローラー(27)と必らず接触して、上記カウントレバー(28)を回動させることになり、図外のカウントセンサーによってコイン(C)の払出し枚数がカウントされるのである。
【0038】
先に一言したコイン搬送用穴明きディスクローター(D)は、合成樹脂材から図12〜15のように成形されている。(33)はそのディスクローター本体であって、上記ローター受け盤(18)のローター受け入れ凹溝(G)と嵌合する一定厚みの円盤型をなしているが、その中心部はコイン(C)を周辺部へ滑り落し転倒させるための円錐凸子(34)として、表向きに背高く起立されていると共に、同じく中心部からは上記ボス逃し入れ孔(21)へ差し込まれる取付ボス(35)が裏向きに突出している。
【0039】
(36)はその取付ボス(35)に切り欠かれた伝動用のキー溝であり、上記モーター(13)の出力軸(14)を貫通する伝動用キー(15)と嵌合されることによって、そのモーター(13)とディスクローター本体(33)とが一体回転するようになっている。
【0040】
上記ディスクローター本体(33)の周辺部には複数の円形なコイン受け入れ孔(37)が、その全体的な放射対称分布型に開口形成されている。しかも、その各コイン受け入れ孔(37)の開口上縁部は円錐受皿面として、ここへコイン(C)を受け入れやすく面取りされた状態にある。
【0041】
(38)は上記コイン受け入れ孔(37)の隣り合う相互間に介在する位置関係として、そのディスクローター本体(33)の裏面からコイン(C)の厚みとほぼ対応する一定高さ(h)だけ一体的に突出された複数の後方弯曲翼であり、穴明きディスクローター(D)の回転に連れてコイン(C)を押し進め搬送作用する。
【0042】
つまり、その後方弯曲翼(38)の裏向き突出と相対して、ディスクローター本体(33)の周辺部に言わば切り欠かれた状態として残る裏面と、上記ローター受け盤(18)におけるローター受け入れ凹溝(G)の溝底面との向かい合う上下相互間隙が、コイン(C)の厚みとほぼ対応するコイン搬送路(P)として機能するように画定されているのである。
【0043】
上記各後方弯曲翼(38)は穴明きディスクローター(D)の正回転する進行方向(F)との関係上、その各コイン受け入れ孔(37)の開口縁部に沿う曲率半径の小さな凹曲面が後側となり、且つ各コイン受け入れ孔(37)の開口縁部に沿わない曲率半径の大きな凸曲面が前側となる先細り型に延在して、その前側の凸曲面によりコイン(C)を押し進める。
【0044】
しかも、そのディスクローター本体(33)の中心部から周辺部に向かう一定長さの先細り型として弯曲する各後方弯曲翼(38)の中途部には、後述するコイン払出し用可動誘導体の逃し凹溝(39)が、その全体的なサークル軌跡を描く配列として切り欠かれており、これによって各後方弯曲翼(38)は根元側翼片(38a)と先端側翼片(38b)との少なくとも2個に分断されている。
【0045】
この点、図示の実施形態では上記可動誘導体の逃し凹溝(39)を全体的なサークル軌跡の2列として、各後方弯曲翼(38)の弯曲中途部に切り欠いているが、適用するコイン(C)の大きさ如何により、その1列や3列以上として切り切り欠かれることもある。
【0046】
(40)は上記各後方弯曲翼(38)の前側をなす凸曲面へ、コイン(C)と接触するように植え込み一体化された金属製の補強ピンであって、各後方弯曲翼(38)が摩滅したり、殊更その分断された上記根元側翼片(38a)又は/及び先端側翼片(38b)の前端角隅部から欠けたり、或いは割れたりすることを予防する。
【0047】
その各補強ピン(40)は上記後方弯曲翼(38)と同じく、ディスクローター本体(33)の裏面からコイン(C)の厚みとほぼ対応する一定高さ(h)だけ突出する状態に植え込み固定されているが、その植え込み上ディスクローター本体(33)の表面からも適当な高さだけ突出する状態に貫通させることにより、その表面からの突出部分をコイン(C)の攪拌ピンとして兼用機能させることが好ましい。
【0048】
又、上記各補強ピン(40)を各後方弯曲翼(38)との密着状態に植え込み一体化してもさしつかえないが、殊更図示の実施形態から明白なように、各後方弯曲翼(38)を形作る根元側翼片(38a)又は/及び先端側翼片(38b)の前端角隅部へ、一定の間隙(s)を保つ離隔状態に植え込み固定することが望ましい。そうすれば、各補強ピン(40)によるコイン(C)の受け止め力が、各後方弯曲翼(38)へ直かに波及せず、上記欠けや割れの防止効果を一層昂め得るからである。
【0049】
更に、(41)は上記コイン払出し口(O)への入口付近において、ローター受け盤(18)のローター受け入れ凹溝(G)とベースプレート(11)とを貫通する楕円形に開口分布された一対の可動誘導体用出没孔であり、図3、4から示唆されるように、上記穴明きディスクローター(D)の後方弯曲翼(38)を分断した可動誘導体用逃し凹溝(39)の全体的なサークル軌跡上に並列している。
【0050】
(A)は上記一方向(時計方向)(F)へ正回転する穴明きディスクローター(D)により、コイン搬送路(P)に沿い押し進め搬送されてくるコイン(C)を一旦受け止めて、そのコイン搬送路(P)からコイン払出し口(O)へ方向を変えるように誘導するためのコイン払出し用可動誘導体である。
【0051】
茲に、コイン払出し用可動誘導体(A)は1枚のバネ性を有する金属板(バネ鋼板)(42)から、図16〜20のような細長い輪郭形状にプレス打ち抜き加工されており、(42a)はその取付座となる基端部であって、複数の固定ビス(43)により上記ベースプレート(11)の裏面へ、片持ち状態に取り付け一体化されることとなる。(44)はその固定ビス(43)の受け入れ孔を示している。
【0052】
上記金属板(42)の基端部(42a)を除く大半は、その基端部(42a)からの張り出し長さに長短差(L)を有する二叉状に分岐されており、その片持ち状態として弾力的に撓み変形し得る自由な先端部(42b)の付近には、一対のコイン受け止めピン(45)がかしめ付けにより植立一体化されている。
【0053】
その一対のコイン受け止めピン(45)は円柱型をなし、上記ベースプレート(11)の裏側から出没孔(41)を通じて、図21のようにローター受け入れ凹溝(G)の内部へ、常時コイン(C)の厚みとほぼ対応する一定高さ(h)だけ突出し、上記穴明きディスクローター(D)の正回転により一方向(時計方向)(F)へ押し進められてくるコイン(C)を、その円弧腹面によって一旦受け止め、上記コイン搬送路(P)からコイン払出し口(O)へ方向を変えるように誘導する。
【0054】
又、同じく金属板(42)の自由な先端部(42b)からは一対のコイン逃し誘導片(46)が、上記コイン受け止めピン(45)の円弧背中面に対応位置する直立状態として切り起されている。
【0055】
つまり、上記二叉状に分岐された金属板(42)の先端部(42b)は、何れも円弧縁取り形態にあり、ここには板幅(Z)の約半分だけ横断する分離線(47)が切り込まれている。しかも、その分離線(47)と直交する金属板(42)の縦断折り曲げ稜線(Y−Y)から、上記コイン逃し誘導片(46)が直角(α)に曲げ起し垂立されることにより、その曲げ起された上面(金属板の上記円弧縁取り面)が上記コイン受け止めピン(45)の頂点に向かう登り傾斜面(46a)として活用されているのである。
【0056】
そして、その取付状態を示した図22から明白なように、上記穴明きディスクローター(D)の逆回転により他方向(反時計方向)(R)へ押し進められてくるコイン(C)を、コイン逃し誘導片(46)の登り傾斜面(46a)により逃し誘導して、そのコイン(C)が上記コイン受け止めピン(45)を自づと乗り越え得るようになっている。その乗り越え時の瞬間的には、上記可動誘導体(A)の金属板(42)が弾力的に撓み変形し、その先端部(42b)のコイン逃し誘導片(46)やコイン受け止めピン(45)は上記出没孔(41)へ沈没する。
【0057】
この点、図16〜22に示したコイン払出し用可動誘導体(A)の第1実施形態では、そのコイン逃し誘導片(46)を側面視のほぼ扇型に造形して、金属板(42)に打ち抜かれた先端部(42b)の円弧縁取り面を、そのまま上記登り傾斜面(46a)として活用しているが、上記扇型に代る側面視の三角形に造形することにより、そのコイン逃し誘導片(46)の最も長い1辺を直線縁取り形態の上記登り傾斜面(46a)として活用しても良い。
【0058】
又、上記可動誘導体(A)のコイン逃し誘導片(46)はコイン受け止めピン(45)の円弧背中面に対応位置して、穴明きディスクローター(D)の逆回転により他方向(反時計方向)(R)へ押し進められてくるコイン(C)を、その登り傾斜面(46a)によりコイン受け止めピン(45)の乗り越え状として逃し誘導できる限り、図23の変形実施形態に示す如く、金属板(42)の自由な先端部(42b)を板幅(Z)の横断折り曲げ稜線(X−X)から鋭角(β)に折り返し、その折り返した金属板(42)の板面がコイン受け止めピン(45)の頂点を指向する登り傾斜面(46a)になるコイン逃し誘導片(46)として形成しても良い。
【0059】
更に、図24(I)(II)(III)の各種変形実施形態に例示する如く、金属板(42)における自由な先端部(42b)の中央個所に加工した切り欠き片を上記コイン逃し誘導片(46)として、やはり板幅(Z)の横断折り曲げ稜線(X−X)から鋭角(β)での連続的に曲げ起すことにより、その曲げ起した金属板(42)の板面がコイン受け止めピン(45)の頂点に向かう登り傾斜面(46a)となるように形成しても良く、何れにしても上記鋭角(β)はコイン受け止めピン(45)の植立高さやコイン(C)の大きさ(直径)などに応じて、適当に選定することができる。
【0060】
先の第1実施形態では可動誘導体(A)の金属板(42)として、その自由な先端部(42b)から撓み変形し得るバネ鋼板を採用しているが、図25〜29の第2実施形態に示す如く、上記バネ鋼板に代る剛性なステンレス鋼板などを採用して、レーザー加工により全体の輪郭形状をカットしても良い。
【0061】
その場合には、図28、29の取付状態から明白なように、金属板(42)の基端部(42a)に開口形成した1個のビス受け入れ孔(44)を、長い固定ビス(43)に通し込んだ上、その固定ビス(43)を上記ベースプレート(11)へ裏側から螺入締結すると共に、固定ビス(43)の頭部と金属板(42)との相互間に介在させた圧縮コイルバネ(48)によって、その金属板(42)をベースプレート(11)へ押し付けるのである。(49)はそのバネ受け座金を示している。
【0062】
そうすれば、上記金属板(42)自身がバネ性を発揮しなくとも、そのコイン受け止めピン(45)やコイン逃し誘導片(46)は長い固定ビス(43)に巻き付けられた圧縮コイルバネ(48)により、上記出没孔(41)を通じてローター受け入れ凹溝(G)内へ突出する押し上げ付勢状態に保たれるため、これに抗して出没孔(41)へ沈没する下降作用を営なむことができ、本発明の可動誘導体(A)として採用に値する。
【0063】
又、上記第1実施形態とその各種変形実施形態並びに第2実施形態では、穴明きディスクローター(D)における後方弯曲翼(38)の弯曲中途部に、可動誘導体用逃し凹溝(39)を全体的なサークル軌跡の2列として切り欠いたこととの関係上、可動誘導体(A)の金属板(42)を二叉状に分岐すると共に、そのコイン受け止めピン(45)やコイン逃し誘導片(46)並びに出没孔(41)も一対づつとして対応形成しているが、これらの個数はコイン(C)の大きさ(直径)に応じて適当に増減することができ、例えばコイン(C)が小さい場合、図30の別な変形実施形態に示すコイン受け止めピン(45)とコイン逃し誘導片(46)との1個づつを備えた可動誘導体(A)として適用しても良い。
【0064】
更に、図1〜22に示した実施形態では合成樹脂製ローター受け盤(18)の裏面へ、別個な金属ベースプレート(11)を接合一体化すると共に、そのベースプレート(11)の裏面へ上記穴明きディスクローター回転駆動用の可逆モーター(13)やカウントレバー(28)、コイン払出し用可動誘導体(A)などを取り付けているが、上記ベースプレート(11)の使用を省略して、これらをローター受け盤(18)の裏面へ直かに取り付けてもさしつかえない。
【0065】
尚、図23、24、30の各種変形実施形態と図25〜29の第2実施形態におけるその他の構成は、図16〜22の第1実施形態と実質的に同一であるめ、その図23〜30に図1〜22との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
【0066】
何れにしても、上記構成を備えたホッパー型コイン払出し装置では、穴明きディスクローター(D)がその駆動用モーター(13)によって、図3、4、21の一方向(時計方向)(F)へ正回転されると、ホッパー(19)内に収容されているコイン(C)が、1枚づつ自づとディスクローター本体(33)のコイン受け入れ孔(37)を通じて、その裏側に区画されているコイン搬送路(P)へ取り込まれ、ディスクローター本体(33)の裏面に突出している後方弯曲翼(38)により、上記コイン搬送路(P)をコイン払出し用可動誘導体(A)に向かって押し進め搬送される。
【0067】
その可動誘導体(A)はコイン払出し口(O)の入口部付近に位置しつ、上記ローター受け入れ凹溝(G)の溝底面からコイン搬送路(P)へ、コイン(C)の厚みとほぼ対応する一定高さ(h)だけ常時突出する押し上げ弾圧付勢状態にあるため、上記穴明きディスクローター(D)により押し進め搬送されてきたコイン(C)は、やがて可動誘導体(A)におけるコイン受け止めピン(45)の円弧腹面により一旦受け止められて、そのコイン搬送路(P)からコイン払出し口(O)へ方向を変えるように誘導され、そのコイン(C)に働く穴明きディスクローター(D)の回転遠心力とも相俟って、コイン払出し口(O)から勢い良く払い出される結果となる。
【0068】
そして、上記コイン払出し口(O)を通過する過程のコイン(C)は、その開口幅(W)を狭小寸法に画定付勢しているカウントローラー(27)と必らず接触して、そのカウントレバー(28)を回動させることになるため、図外のカウントセンサーによりコイン(C)の払出し枚数が正確にカウントされるのである。
【0069】
但し、上記カウントレバー(28)の設置を省略し、コイン払出し口(O)へ直接に光透過型又は光反射型のカウントセンサー(図示省略)を臨ませて、これによりコイン(C)の払出し枚数をカウントすると共に、その出力電気信号を受けたコントローラー(図示省略)により、穴明きディスクローター駆動用モーター(13)の正逆回転と停止を自動制御するように定めても良い。
【0070】
上記穴明きディスクローター(D)によるコイン(C)の押し進め搬送中、万一コイン(C)の咬み込み現象や詰まり現象が発生した場合には、コイン(C)のカウントが行なわれない結果、これを検知したセンサー(図示省略)からの出力信号により、上記穴明きディスクローター(D)がその駆動用モーター(13)により、図22のように他方向(反時計方向)(R)へ逆回転されることになる。
【0071】
しかし、これによって他方向(反時計方向)(R)へ押し進められるコイン(C)は、図22や図29から明白なように、上記可動誘導体(A)におけるコイン逃し誘導片(46)の登り傾斜面(46a)によって、そのコイン受け止めピン(45)を瞬時に乗り越える如く、逃し誘導されることになるため、その咬み込み現象や詰まり現象が自づと解消するのであり、その解消するや否や再度上記ディスクローター(D)が一方向(時計方向)(F)へ正回転することによって、上記コイン(C)の正規な払い出し作用を支障なく続行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係るホッパー型コイン払出し装置の組立状態を示す全体概略側面図である。
【図2】図1の部分拡大断面図である。
【図3】コイン収容ホッパーを取りはずして示す平面図である。
【図4】コイン搬送用穴明きディスクローターを破断して示す図3に対応する平面図である。
【図5】ローター受け盤とベースプレートとの組立状態を示す平面図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】ローター受け盤を抽出して示す平面図である。
【図8】図7の底面図である。
【図9】図7の9−9線断面図である。
【図10】ベースプレートを抽出して示す平面図である。
【図11】図10の底面図である。
【図12】穴明きディスクローターを抽出して示す平面図である。
【図13】図12の底面図である。
【図14】図12の正面図である。
【図15】図12の15−15線断面図である。
【図16】本発明に係るコイン払出し用可動誘導体の第1実施形態を抽出して示す斜面図である。
【図17】図16の平面図である。
【図18】図17の側面図である。
【図19】図17の19−19線断面図である。
【図20】図17の20−20線断面図である。
【図21】ディスクローターの正転時におけるコインの受け止め作用状態を示す側断面図である。
【図22】ディスクローターの逆転時におけるコインの逃し作用状態を示す側断面図である。
【図23】可動誘導体の部分変形実施形態を示す斜面図である。
【図24】可動誘導体の別な各種部分変形実施形態を示す斜面図である。
【図25】本発明に係る可動誘導体の第2実施形態を抽出して示す斜面図である。
【図26】図25の平面図である。
【図27】図26の側面図である。
【図28】第2実施形態のコイン受け止め作用状態を示す図21に対応する側断面図である。
【図29】第2実施形態のコイン逃し作用状態を示す図22に対応する側断面図である。
【図30】可動誘導体の更に別な変形実施形態を示す斜面図である。
【符号の説明】
【0073】
(13)・穴明きディスクローター回転駆動用可逆モーター
(18)・ローター受け盤
(33)・ディスクローター本体
(37)・コイン受け入れ孔
(38)・後方弯曲翼
(39)・可動誘導体用逃し凹溝
(41)・可動誘導体用出没孔
(42)・金属板
(42a)・基端部
(42b)・先端部
(43)・固定ビス
(44)・ビス受け入れ品
(45)・コイン受け止めピン
(46)・コイン逃し誘導片
(46a)・登り傾斜面
(47)・分離線
(48)・圧縮コイルバネ
(49)・バネ受け座金
(A)・コイン払出し用可動誘導体
(C)・コイン
(D)・穴明きディスクローター
(G)・ローター受け入れ凹溝
(F)・一方向(時計方向)
(R)・他方向(反時計方向)
(L)・長短差
(O)・コイン払出し口
(P)・コイン搬送路
(X−X)・横断折り曲げ稜線
(Y−Y)・縦断折り曲げ稜線
(h)・突出高さ
(α)・直角
(β)・鋭角
【技術分野】
【0001】
本発明はスロットマシンやその他の各種遊技機、両替機、金銭機、各種商品の自動販売機などに内蔵設置して、必要な枚数のコイン(メダルやその他の擬似コインも含む。)を払い出すために使うホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
この種ホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体としては、実用新案登録第2594435号と本発明者から提案した特許第3042778号が公知であり、特にその実用新案登録第2594435号は硬貨ガイドピン(19)と、これをベース(2)へ取り付ける板ばね(16)との2部品から組み立てられている点で、本発明に最も近似するものであると考えられる。
【特許文献1】実用新案登録第2594435号公報
【特許文献2】特許第3042778号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記公知考案の構成では円柱状をなす硬貨ガイドピン(19)のそれ自身に、約45度の傾斜面(20)が切り欠かれているため、これを板ばね(16)へ取り付ける際、その傾斜面(20)を硬貨投出円板(3)の逆転時に硬貨(6)と当接する方向性として、正確に位置決めすることが甚だ困難であり、その取り付け作業をすばやく行なうことができない。
【0004】
他方、上記公知発明の構成では1枚の金属板バネ材を、水平な折り曲げ稜線(X−X)から一旦裏向きに曲げ出すことにより、側面視のほぼJ字型をなす弾性片(44)とし、その弾性片(44)の起立先端部を引き続き垂直な折り曲げ稜線(Y−Y)から半折り状態に重合一体化させて、厚肉な接触子(45)とする必要があるため、そのプレス加工が複雑となり、上記半折り状態をなす接触子(45)のコイン受け止め垂立面(45f)に、コイン(C)の反復的な受け止めによる亀裂が発生しやすく、又同じく接触子(45)と上記弾性片(44)との境界部に、上記半折り加工上の皺寄りが発生する結果、可動誘導体(A)としての見栄えも悪くなる。
【0005】
殊更、可動誘導体(A)の弾性片(44)と接触子(45)を図16〜18のような一対づつとして、1枚の金属板バネ材からプレス加工する場合、その接触子(45)の一対がローター受け入れ凹溝(G)の溝底面から突出する高さ(h)や、そのローター受け入れ凹溝(G)の溝底面と交叉するコイン逃し傾斜面(45r)の傾斜角度(θ)を、互いに等しく均一に揃えることが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような諸問題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では基端部がローター受け盤の裏面へ片持ち状態に取り付け固定された1枚の金属板と、その金属板の先端部付近へ、上記ローター受け盤におけるローター受け入れ凹溝の溝底面からコインの厚みとほぼ対応する一定高さだけ突出する状態に植え付け一体化されたコイン受け止めピンとから成り、
【0007】
上記ローター受け盤のローター受け入れ凹溝に嵌め込まれたコイン搬送用穴明きディスクローターのコイン受け入れ孔へ受け入れられて、その正回転するディスクローターにより一方向へ押し進め搬送されてきたコインを、上記コイン受け止めピンにより一旦受け止めて、上記ローター受け入れ凹溝の円周面一部に開口するコイン払出し口へ、方向変換させるように誘導するホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体において、
【0008】
上記金属板の先端部から、上面がコイン受け止めピンに向かう登り傾斜面となるコイン逃し誘導片を曲げ起して、上記ディスクローターの逆回転により他方向へ押し進め搬送されてきたコインが、その逃し誘導片により上記コイン受け止めピンを自づと乗り越えるように定めたことを特徴とする。
【0009】
又、請求項2の構成では金属板の先端部を円弧縁取り形態として、その先端部に板幅の約半分だけ分離線を切り込むと共に、
【0010】
その分離線と直交する金属板の縦断折り曲げ稜線から、コイン逃し誘導片を直角に曲げ起し垂立させることにより、上記先端部の円弧縁取り面をコイン受け止めピンに向かう登り傾斜面として活用したことを特徴とする。
【0011】
請求項3の構成では、金属板の板面がコイン逃し誘導片のコイン受け止めピンに向かう登り傾斜面となるように、その金属板の先端部を横断折り曲げ稜線から鋭角に折り返したことを特徴とする。
【0012】
請求項4の構成では、金属板の先端部に加工した切り欠き片をコイン逃し誘導片として、その金属板の横断折り曲げ稜線から鋭角に曲げ起すことにより、上記金属板の板面をコイン受け止めピンに向かう登り傾斜面として活用したことを特徴とする。
【0013】
請求項5の構成では金属板をバネ鋼板として、その基端部からの張り出し長さに長短差がある二叉状に分岐させ、その分岐した撓み変形可能な先端部に、コイン受け止めピンとコイン逃し誘導片との対応的な一対づつを並列設置したことを特徴とする。
【0014】
更に、請求項6の構成では金属板を剛性なステンレス鋼板として、その基端部からの張り出し長さに長短差がある二叉状に分岐させ、その分岐した先端部にコイン受け止めピンとコイン逃し誘導片との対応的な一対づつを並列設置すると共に、
【0015】
上記金属板の基端部をローター受け盤へ取り付ける固定ビスに、そのコイン受け止めピンとコイン逃し誘導片とがローター受け入れ凹溝の溝底面から一定高さだけ突出する状態として常時押し上げ付勢する圧縮コイルバネを巻き付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の上記構成によれば、ローター受け盤の裏面へ基端部での片持ち状態に取り付け固定された金属板の自由な先端部から、コイン受け止めピンに向かう登り傾斜面を備えたコイン逃し誘導片が曲げ起されており、穴明きディスクローターの逆回転により他方向(反時計方向)へ押し進め搬送されてきたコインを、そのコイン逃し誘導片の登り傾斜面によって、上記コイン受け止めピンの乗り越え状に自づと逃し誘導し得るようになっている。
【0017】
そのため、コインの咬み込み現象や詰まり現象を瞬時に解消することができ、又穴明きディスクローターの正回転により一方向(時計方向)へ押し進め搬送されてきたコインを一旦受け止め、コイン払出し口へ方向変換させるように誘導するコイン受け止めピンとしても、その取り付け方向性の自由なありふれた円柱型を採用し得るのであり、冒頭に述べた公知考案のように、約45度の傾斜面を硬貨ガイドピン自身に切り欠き加工する必要がない結果、その円柱型のコイン受け止めピンを金属板の先端部付近へ、一切の制約なく容易に植え付け作業でき、量産効果の向上に役立つ。
【0018】
他方、冒頭に述べた公知発明のコイン払出し用可動誘導体と比較しても、その上記コイン逃し誘導片を金属板の自由な先端部から、1段階での単純に曲げ起すことができ、その高精度な加工状態と優れた耐久性を得られるのである。
【0019】
特に、請求項2の構成を採用するならば、金属板に打ち抜き又はカットされた先端部の円弧縁取り面を、コイン逃し誘導片のコイン受け止めピンに向かう登り傾斜面として、言わばそのまま活用することができ、コイン払出し用可動誘導体の品質と耐久性がますます向上する。
【0020】
請求項3や請求項4の構成を採用するならば、金属板の板面をコイン逃し誘導片のコイン受け止めピンに向かう登り傾斜面として、やはりそのまま活用することができるほか、その折り返し又は曲げ起しの鋭角をコイン受け止めピンの植立高さやコインの大きさ(直径)などに応じた大小として、容易に調整・選定し得る効果もあり、その対応性に優れる。
【0021】
又、請求項5の構成を採用するならば、コインが比較的大きい場合でも、これを一対のコイン受け止めピンにより一旦確実に受け止め、そのコイン払出し口に向かって正しく円滑に誘導し得るほか、穴明きディスクローターの逆回転により他方向(反時計方向)へ押し進め搬送されてきたコインと接触するコイン逃し誘導片を、金属板の先端部から弾力的に撓み変形する沈没作用により、その登り傾斜面の案内作用とも相俟って、一層円滑に逃し誘導できる効果もある。
【0022】
更に、請求項6の構成を採用するならば、金属板の基端部をローター受け盤へ取り付ける固定ビスに、そのコイン受け止めピンとコイン逃し誘導片とを常時押し上げ付勢する圧縮コイルバネが巻き付けられているため、その金属板として剛性なステンレス鋼板を採用することもでき、上記請求項5の構成と同じ効果を得られるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、そのホッパー型コイン払出し装置の組立状態と分解状態を示した図1〜22において、(10)は金属板から枠組み一体化された据付け台であり、その一定角度だけ傾斜する開口表面にはほぼ正方形の金属ベースプレート(11)が、上方から施蓋状態に取付け固定されている。(12)はそのベースプレート(11)のほぼ中央部に一定深さだけ陥没された固定ビス用頭部逃し凹溝である。
【0024】
(13)は穴明きディスクローター回転駆動用の可逆モーターであって、常時には図3、4、21の一方向(時計方向)(F)へ正回転されるが、図外のセンサーによってコイン(C)の咬み込み現象や詰まり現象を検知した時には、そのセンサーからの出力信号を受けて、他方向(反時計方向)(R)へ逆回転されるようになっている。(14)はモーター(13)の出力軸であり、これには伝動用のキー(15)が直交状態に貫通されている。
【0025】
上記モーター(13)はその上端部に平盤形態の減速ギヤケース(16)を具備しており、その減速ギヤーケース(16)が図1、2のように、上記ベースプレート(11)における固定ビス用頭部逃し凹溝(12)の裏面へ、複数の固定ビス(17)を介して吊り下げ状態に取付けられている。
【0026】
その固定ビス(17)の頭部が上記ベースプレート(11)の逃し凹溝(12)内へ悉く逃し入れられるようになっているため、上記一定角度の傾斜設置状態にあるベースプレート(11)の表面へ、引続き上方からローター受け盤(18)を積み重ね状態に接合一体化させることができる。
【0027】
そのローター受け盤(18)は合成樹脂材から図5、6のように、上記ベースプレート(11)とほぼ対応する大きさ・形状に成形されており、これには一定深さだけ陥没する円形のローター受け入れ凹溝(G)が設けられていると共に、そのローター受け入れ凹溝(G)内へ上方からコイン搬送用の穴明きディスクローター(D)が嵌め込まれることになる。
【0028】
(19)は上記ローター受け入れ凹溝(G)と合致連通する開口底面を備えた合成樹脂製のコイン収容ホッパーであって、その取付座(20)がローター受け盤(18)の表面へ上方から取付け固定されることにより、上記穴明きディスクローター(D)を上方への抜け止め状態に拘束する。
【0029】
先に一言したローター受け盤(18)の円形なローター受け入れ凹溝(G)は図7〜9のように、その円周面の一部が斜め上部位置で切り欠かれたC字型をなしており、そのC字型の中心部には穴明きディスクローター(D)の後述する取付ボスを逃し入れるボス逃し入れ孔(21)が、同じく傾斜設置状態の下端円弧部には点在分布する複数の異物排出孔(22)が、各々開口形成されている。
【0030】
その場合、上記モーター(13)は固定ビス(17)によって、ローター受け盤(18)と別個なベースプレート(11)のほぼ中央部へ取付けられるようになっているため、そのモーター(13)を取付けるために必要な複数の固定ビス受け入れ孔を、ローター受け盤(18)におけるローター受け入れ凹溝(G)の溝底面へ開口分布させる必要がなく、その溝底面の固定ビス受け入れ孔に塵埃などの異物が侵入・堆積することを効果的に防止できるのである。
【0031】
上記ボス逃し入れ孔(21)の1個はローター受け盤(18)とベースプレート(11)とを貫通する状態にあるが、複数の異物排出孔(22)はローター受け盤(18)にのみ開口分布されており、ベースプレート(11)の対応する下端部に開口形成された1個の大きな異物排出長孔(23)と悉く連通しているため、上記一定角度の傾斜設置状態にあることとも相俟って、その下端部から異物を自づと確実に排出させることができる。
【0032】
(24)は上記ローター受け入れ凹溝(G)の切り欠き一端部に臨む位置関係として、そのローター受け盤(18)の表面へ上方から接合一体化された金属板から成るコイン払出し用固定誘導片、(25)は同じくローター受け入れ凹溝(G)の切り欠き他端部に臨む位置関係として、上記ローター受け盤(18)に開口形成されたカウントローラー用スライドガイド長孔であり、そのローター受け盤(18)とベースプレート(11)とを貫通する楕円形として、ここにはベースプレート(11)の裏側からカウントローラー用枢支ピン(26)が差し込み垂立されている。
【0033】
そして、その枢支ピン(26)に嵌合された遊転可能なカウントローラー(27)と、上記固定誘導片(24)との向かい合う相互間隙が、穴明きディスクローター(D)により押し進め搬送されてくるコイン(C)の払出し口(O)として画定されているのである。但し、その払出し口(O)を画定できる限り、固定誘導片(26)に代る遊転ガイドローラー(図示省略)をローター受け盤(18)へ軸支しても良い。(W)はそのコイン払出し口(O)の開口幅を示している。
【0034】
上記カウントローラー用枢支ピン(26)は図10、11のように、ほぼ三角形の金属板から成るカウントレバー(28)の中途部に植立一体化されていると共に、そのカウントレバー(28)の基端部が枢支ビス(29)を介して、上記ベースプレート(11)の裏面に取付けられている。
【0035】
他方、その枢支ビス(29)を中心として回動し得るカウントレバー(28)の他端部は、裏向きのほぼL字型に折り曲げられており、上記ベースプレート(11)から対応的な裏向きに切り起されたストッパー片(30)によって、受け止められるようになっている。
【0036】
又、(31)は上記コイン払出し口(O)の開口幅(W)を常時コイン(C)の直径よりも狭小寸法に保つため、上記カウントローラー(27)をそのコイン払出し口(O)への進出状態に弾圧付勢する引張りコイルバネであって、上記ベースプレート(11)から裏向きに切り起されたバネ受け片(32)と、上記カウントレバー(28)の先端部付近との向かい合う相互間に連繋掛架されている。
【0037】
その結果、上記コイン払出し口(O)を通過しようとするコイン(C)は、引張りコイルバネ(31)の付勢力を受けたカウントローラー(27)と必らず接触して、上記カウントレバー(28)を回動させることになり、図外のカウントセンサーによってコイン(C)の払出し枚数がカウントされるのである。
【0038】
先に一言したコイン搬送用穴明きディスクローター(D)は、合成樹脂材から図12〜15のように成形されている。(33)はそのディスクローター本体であって、上記ローター受け盤(18)のローター受け入れ凹溝(G)と嵌合する一定厚みの円盤型をなしているが、その中心部はコイン(C)を周辺部へ滑り落し転倒させるための円錐凸子(34)として、表向きに背高く起立されていると共に、同じく中心部からは上記ボス逃し入れ孔(21)へ差し込まれる取付ボス(35)が裏向きに突出している。
【0039】
(36)はその取付ボス(35)に切り欠かれた伝動用のキー溝であり、上記モーター(13)の出力軸(14)を貫通する伝動用キー(15)と嵌合されることによって、そのモーター(13)とディスクローター本体(33)とが一体回転するようになっている。
【0040】
上記ディスクローター本体(33)の周辺部には複数の円形なコイン受け入れ孔(37)が、その全体的な放射対称分布型に開口形成されている。しかも、その各コイン受け入れ孔(37)の開口上縁部は円錐受皿面として、ここへコイン(C)を受け入れやすく面取りされた状態にある。
【0041】
(38)は上記コイン受け入れ孔(37)の隣り合う相互間に介在する位置関係として、そのディスクローター本体(33)の裏面からコイン(C)の厚みとほぼ対応する一定高さ(h)だけ一体的に突出された複数の後方弯曲翼であり、穴明きディスクローター(D)の回転に連れてコイン(C)を押し進め搬送作用する。
【0042】
つまり、その後方弯曲翼(38)の裏向き突出と相対して、ディスクローター本体(33)の周辺部に言わば切り欠かれた状態として残る裏面と、上記ローター受け盤(18)におけるローター受け入れ凹溝(G)の溝底面との向かい合う上下相互間隙が、コイン(C)の厚みとほぼ対応するコイン搬送路(P)として機能するように画定されているのである。
【0043】
上記各後方弯曲翼(38)は穴明きディスクローター(D)の正回転する進行方向(F)との関係上、その各コイン受け入れ孔(37)の開口縁部に沿う曲率半径の小さな凹曲面が後側となり、且つ各コイン受け入れ孔(37)の開口縁部に沿わない曲率半径の大きな凸曲面が前側となる先細り型に延在して、その前側の凸曲面によりコイン(C)を押し進める。
【0044】
しかも、そのディスクローター本体(33)の中心部から周辺部に向かう一定長さの先細り型として弯曲する各後方弯曲翼(38)の中途部には、後述するコイン払出し用可動誘導体の逃し凹溝(39)が、その全体的なサークル軌跡を描く配列として切り欠かれており、これによって各後方弯曲翼(38)は根元側翼片(38a)と先端側翼片(38b)との少なくとも2個に分断されている。
【0045】
この点、図示の実施形態では上記可動誘導体の逃し凹溝(39)を全体的なサークル軌跡の2列として、各後方弯曲翼(38)の弯曲中途部に切り欠いているが、適用するコイン(C)の大きさ如何により、その1列や3列以上として切り切り欠かれることもある。
【0046】
(40)は上記各後方弯曲翼(38)の前側をなす凸曲面へ、コイン(C)と接触するように植え込み一体化された金属製の補強ピンであって、各後方弯曲翼(38)が摩滅したり、殊更その分断された上記根元側翼片(38a)又は/及び先端側翼片(38b)の前端角隅部から欠けたり、或いは割れたりすることを予防する。
【0047】
その各補強ピン(40)は上記後方弯曲翼(38)と同じく、ディスクローター本体(33)の裏面からコイン(C)の厚みとほぼ対応する一定高さ(h)だけ突出する状態に植え込み固定されているが、その植え込み上ディスクローター本体(33)の表面からも適当な高さだけ突出する状態に貫通させることにより、その表面からの突出部分をコイン(C)の攪拌ピンとして兼用機能させることが好ましい。
【0048】
又、上記各補強ピン(40)を各後方弯曲翼(38)との密着状態に植え込み一体化してもさしつかえないが、殊更図示の実施形態から明白なように、各後方弯曲翼(38)を形作る根元側翼片(38a)又は/及び先端側翼片(38b)の前端角隅部へ、一定の間隙(s)を保つ離隔状態に植え込み固定することが望ましい。そうすれば、各補強ピン(40)によるコイン(C)の受け止め力が、各後方弯曲翼(38)へ直かに波及せず、上記欠けや割れの防止効果を一層昂め得るからである。
【0049】
更に、(41)は上記コイン払出し口(O)への入口付近において、ローター受け盤(18)のローター受け入れ凹溝(G)とベースプレート(11)とを貫通する楕円形に開口分布された一対の可動誘導体用出没孔であり、図3、4から示唆されるように、上記穴明きディスクローター(D)の後方弯曲翼(38)を分断した可動誘導体用逃し凹溝(39)の全体的なサークル軌跡上に並列している。
【0050】
(A)は上記一方向(時計方向)(F)へ正回転する穴明きディスクローター(D)により、コイン搬送路(P)に沿い押し進め搬送されてくるコイン(C)を一旦受け止めて、そのコイン搬送路(P)からコイン払出し口(O)へ方向を変えるように誘導するためのコイン払出し用可動誘導体である。
【0051】
茲に、コイン払出し用可動誘導体(A)は1枚のバネ性を有する金属板(バネ鋼板)(42)から、図16〜20のような細長い輪郭形状にプレス打ち抜き加工されており、(42a)はその取付座となる基端部であって、複数の固定ビス(43)により上記ベースプレート(11)の裏面へ、片持ち状態に取り付け一体化されることとなる。(44)はその固定ビス(43)の受け入れ孔を示している。
【0052】
上記金属板(42)の基端部(42a)を除く大半は、その基端部(42a)からの張り出し長さに長短差(L)を有する二叉状に分岐されており、その片持ち状態として弾力的に撓み変形し得る自由な先端部(42b)の付近には、一対のコイン受け止めピン(45)がかしめ付けにより植立一体化されている。
【0053】
その一対のコイン受け止めピン(45)は円柱型をなし、上記ベースプレート(11)の裏側から出没孔(41)を通じて、図21のようにローター受け入れ凹溝(G)の内部へ、常時コイン(C)の厚みとほぼ対応する一定高さ(h)だけ突出し、上記穴明きディスクローター(D)の正回転により一方向(時計方向)(F)へ押し進められてくるコイン(C)を、その円弧腹面によって一旦受け止め、上記コイン搬送路(P)からコイン払出し口(O)へ方向を変えるように誘導する。
【0054】
又、同じく金属板(42)の自由な先端部(42b)からは一対のコイン逃し誘導片(46)が、上記コイン受け止めピン(45)の円弧背中面に対応位置する直立状態として切り起されている。
【0055】
つまり、上記二叉状に分岐された金属板(42)の先端部(42b)は、何れも円弧縁取り形態にあり、ここには板幅(Z)の約半分だけ横断する分離線(47)が切り込まれている。しかも、その分離線(47)と直交する金属板(42)の縦断折り曲げ稜線(Y−Y)から、上記コイン逃し誘導片(46)が直角(α)に曲げ起し垂立されることにより、その曲げ起された上面(金属板の上記円弧縁取り面)が上記コイン受け止めピン(45)の頂点に向かう登り傾斜面(46a)として活用されているのである。
【0056】
そして、その取付状態を示した図22から明白なように、上記穴明きディスクローター(D)の逆回転により他方向(反時計方向)(R)へ押し進められてくるコイン(C)を、コイン逃し誘導片(46)の登り傾斜面(46a)により逃し誘導して、そのコイン(C)が上記コイン受け止めピン(45)を自づと乗り越え得るようになっている。その乗り越え時の瞬間的には、上記可動誘導体(A)の金属板(42)が弾力的に撓み変形し、その先端部(42b)のコイン逃し誘導片(46)やコイン受け止めピン(45)は上記出没孔(41)へ沈没する。
【0057】
この点、図16〜22に示したコイン払出し用可動誘導体(A)の第1実施形態では、そのコイン逃し誘導片(46)を側面視のほぼ扇型に造形して、金属板(42)に打ち抜かれた先端部(42b)の円弧縁取り面を、そのまま上記登り傾斜面(46a)として活用しているが、上記扇型に代る側面視の三角形に造形することにより、そのコイン逃し誘導片(46)の最も長い1辺を直線縁取り形態の上記登り傾斜面(46a)として活用しても良い。
【0058】
又、上記可動誘導体(A)のコイン逃し誘導片(46)はコイン受け止めピン(45)の円弧背中面に対応位置して、穴明きディスクローター(D)の逆回転により他方向(反時計方向)(R)へ押し進められてくるコイン(C)を、その登り傾斜面(46a)によりコイン受け止めピン(45)の乗り越え状として逃し誘導できる限り、図23の変形実施形態に示す如く、金属板(42)の自由な先端部(42b)を板幅(Z)の横断折り曲げ稜線(X−X)から鋭角(β)に折り返し、その折り返した金属板(42)の板面がコイン受け止めピン(45)の頂点を指向する登り傾斜面(46a)になるコイン逃し誘導片(46)として形成しても良い。
【0059】
更に、図24(I)(II)(III)の各種変形実施形態に例示する如く、金属板(42)における自由な先端部(42b)の中央個所に加工した切り欠き片を上記コイン逃し誘導片(46)として、やはり板幅(Z)の横断折り曲げ稜線(X−X)から鋭角(β)での連続的に曲げ起すことにより、その曲げ起した金属板(42)の板面がコイン受け止めピン(45)の頂点に向かう登り傾斜面(46a)となるように形成しても良く、何れにしても上記鋭角(β)はコイン受け止めピン(45)の植立高さやコイン(C)の大きさ(直径)などに応じて、適当に選定することができる。
【0060】
先の第1実施形態では可動誘導体(A)の金属板(42)として、その自由な先端部(42b)から撓み変形し得るバネ鋼板を採用しているが、図25〜29の第2実施形態に示す如く、上記バネ鋼板に代る剛性なステンレス鋼板などを採用して、レーザー加工により全体の輪郭形状をカットしても良い。
【0061】
その場合には、図28、29の取付状態から明白なように、金属板(42)の基端部(42a)に開口形成した1個のビス受け入れ孔(44)を、長い固定ビス(43)に通し込んだ上、その固定ビス(43)を上記ベースプレート(11)へ裏側から螺入締結すると共に、固定ビス(43)の頭部と金属板(42)との相互間に介在させた圧縮コイルバネ(48)によって、その金属板(42)をベースプレート(11)へ押し付けるのである。(49)はそのバネ受け座金を示している。
【0062】
そうすれば、上記金属板(42)自身がバネ性を発揮しなくとも、そのコイン受け止めピン(45)やコイン逃し誘導片(46)は長い固定ビス(43)に巻き付けられた圧縮コイルバネ(48)により、上記出没孔(41)を通じてローター受け入れ凹溝(G)内へ突出する押し上げ付勢状態に保たれるため、これに抗して出没孔(41)へ沈没する下降作用を営なむことができ、本発明の可動誘導体(A)として採用に値する。
【0063】
又、上記第1実施形態とその各種変形実施形態並びに第2実施形態では、穴明きディスクローター(D)における後方弯曲翼(38)の弯曲中途部に、可動誘導体用逃し凹溝(39)を全体的なサークル軌跡の2列として切り欠いたこととの関係上、可動誘導体(A)の金属板(42)を二叉状に分岐すると共に、そのコイン受け止めピン(45)やコイン逃し誘導片(46)並びに出没孔(41)も一対づつとして対応形成しているが、これらの個数はコイン(C)の大きさ(直径)に応じて適当に増減することができ、例えばコイン(C)が小さい場合、図30の別な変形実施形態に示すコイン受け止めピン(45)とコイン逃し誘導片(46)との1個づつを備えた可動誘導体(A)として適用しても良い。
【0064】
更に、図1〜22に示した実施形態では合成樹脂製ローター受け盤(18)の裏面へ、別個な金属ベースプレート(11)を接合一体化すると共に、そのベースプレート(11)の裏面へ上記穴明きディスクローター回転駆動用の可逆モーター(13)やカウントレバー(28)、コイン払出し用可動誘導体(A)などを取り付けているが、上記ベースプレート(11)の使用を省略して、これらをローター受け盤(18)の裏面へ直かに取り付けてもさしつかえない。
【0065】
尚、図23、24、30の各種変形実施形態と図25〜29の第2実施形態におけるその他の構成は、図16〜22の第1実施形態と実質的に同一であるめ、その図23〜30に図1〜22との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
【0066】
何れにしても、上記構成を備えたホッパー型コイン払出し装置では、穴明きディスクローター(D)がその駆動用モーター(13)によって、図3、4、21の一方向(時計方向)(F)へ正回転されると、ホッパー(19)内に収容されているコイン(C)が、1枚づつ自づとディスクローター本体(33)のコイン受け入れ孔(37)を通じて、その裏側に区画されているコイン搬送路(P)へ取り込まれ、ディスクローター本体(33)の裏面に突出している後方弯曲翼(38)により、上記コイン搬送路(P)をコイン払出し用可動誘導体(A)に向かって押し進め搬送される。
【0067】
その可動誘導体(A)はコイン払出し口(O)の入口部付近に位置しつ、上記ローター受け入れ凹溝(G)の溝底面からコイン搬送路(P)へ、コイン(C)の厚みとほぼ対応する一定高さ(h)だけ常時突出する押し上げ弾圧付勢状態にあるため、上記穴明きディスクローター(D)により押し進め搬送されてきたコイン(C)は、やがて可動誘導体(A)におけるコイン受け止めピン(45)の円弧腹面により一旦受け止められて、そのコイン搬送路(P)からコイン払出し口(O)へ方向を変えるように誘導され、そのコイン(C)に働く穴明きディスクローター(D)の回転遠心力とも相俟って、コイン払出し口(O)から勢い良く払い出される結果となる。
【0068】
そして、上記コイン払出し口(O)を通過する過程のコイン(C)は、その開口幅(W)を狭小寸法に画定付勢しているカウントローラー(27)と必らず接触して、そのカウントレバー(28)を回動させることになるため、図外のカウントセンサーによりコイン(C)の払出し枚数が正確にカウントされるのである。
【0069】
但し、上記カウントレバー(28)の設置を省略し、コイン払出し口(O)へ直接に光透過型又は光反射型のカウントセンサー(図示省略)を臨ませて、これによりコイン(C)の払出し枚数をカウントすると共に、その出力電気信号を受けたコントローラー(図示省略)により、穴明きディスクローター駆動用モーター(13)の正逆回転と停止を自動制御するように定めても良い。
【0070】
上記穴明きディスクローター(D)によるコイン(C)の押し進め搬送中、万一コイン(C)の咬み込み現象や詰まり現象が発生した場合には、コイン(C)のカウントが行なわれない結果、これを検知したセンサー(図示省略)からの出力信号により、上記穴明きディスクローター(D)がその駆動用モーター(13)により、図22のように他方向(反時計方向)(R)へ逆回転されることになる。
【0071】
しかし、これによって他方向(反時計方向)(R)へ押し進められるコイン(C)は、図22や図29から明白なように、上記可動誘導体(A)におけるコイン逃し誘導片(46)の登り傾斜面(46a)によって、そのコイン受け止めピン(45)を瞬時に乗り越える如く、逃し誘導されることになるため、その咬み込み現象や詰まり現象が自づと解消するのであり、その解消するや否や再度上記ディスクローター(D)が一方向(時計方向)(F)へ正回転することによって、上記コイン(C)の正規な払い出し作用を支障なく続行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係るホッパー型コイン払出し装置の組立状態を示す全体概略側面図である。
【図2】図1の部分拡大断面図である。
【図3】コイン収容ホッパーを取りはずして示す平面図である。
【図4】コイン搬送用穴明きディスクローターを破断して示す図3に対応する平面図である。
【図5】ローター受け盤とベースプレートとの組立状態を示す平面図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】ローター受け盤を抽出して示す平面図である。
【図8】図7の底面図である。
【図9】図7の9−9線断面図である。
【図10】ベースプレートを抽出して示す平面図である。
【図11】図10の底面図である。
【図12】穴明きディスクローターを抽出して示す平面図である。
【図13】図12の底面図である。
【図14】図12の正面図である。
【図15】図12の15−15線断面図である。
【図16】本発明に係るコイン払出し用可動誘導体の第1実施形態を抽出して示す斜面図である。
【図17】図16の平面図である。
【図18】図17の側面図である。
【図19】図17の19−19線断面図である。
【図20】図17の20−20線断面図である。
【図21】ディスクローターの正転時におけるコインの受け止め作用状態を示す側断面図である。
【図22】ディスクローターの逆転時におけるコインの逃し作用状態を示す側断面図である。
【図23】可動誘導体の部分変形実施形態を示す斜面図である。
【図24】可動誘導体の別な各種部分変形実施形態を示す斜面図である。
【図25】本発明に係る可動誘導体の第2実施形態を抽出して示す斜面図である。
【図26】図25の平面図である。
【図27】図26の側面図である。
【図28】第2実施形態のコイン受け止め作用状態を示す図21に対応する側断面図である。
【図29】第2実施形態のコイン逃し作用状態を示す図22に対応する側断面図である。
【図30】可動誘導体の更に別な変形実施形態を示す斜面図である。
【符号の説明】
【0073】
(13)・穴明きディスクローター回転駆動用可逆モーター
(18)・ローター受け盤
(33)・ディスクローター本体
(37)・コイン受け入れ孔
(38)・後方弯曲翼
(39)・可動誘導体用逃し凹溝
(41)・可動誘導体用出没孔
(42)・金属板
(42a)・基端部
(42b)・先端部
(43)・固定ビス
(44)・ビス受け入れ品
(45)・コイン受け止めピン
(46)・コイン逃し誘導片
(46a)・登り傾斜面
(47)・分離線
(48)・圧縮コイルバネ
(49)・バネ受け座金
(A)・コイン払出し用可動誘導体
(C)・コイン
(D)・穴明きディスクローター
(G)・ローター受け入れ凹溝
(F)・一方向(時計方向)
(R)・他方向(反時計方向)
(L)・長短差
(O)・コイン払出し口
(P)・コイン搬送路
(X−X)・横断折り曲げ稜線
(Y−Y)・縦断折り曲げ稜線
(h)・突出高さ
(α)・直角
(β)・鋭角
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端部(42a)がローター受け盤(18)の裏面へ片持ち状態に取り付け固定された1枚の金属板(42)と、その金属板(42)の先端部付近へ、上記ローター受け盤(18)におけるローター受け入れ凹溝(G)の溝底面からコイン(C)の厚みとほぼ対応する一定高さ(h)だけ突出する状態に植え付け一体化されたコイン受け止めピン(45)とから成り、
上記ローター受け盤(18)のローター受け入れ凹溝(G)に嵌め込まれたコイン搬送用穴明きディスクローター(D)のコイン受け入れ孔(37)へ受け入れられて、その正回転するディスクローター(D)により一方向(F)へ押し進め搬送されてきたコイン(C)を、上記コイン受け止めピン(45)により一旦受け止めて、上記ローター受け入れ凹溝(G)の円周面一部に開口するコイン払出し口(O)へ、方向変換させるように誘導するホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体(A)において、
上記金属板(42)の先端部(42b)から、上面がコイン受け止めピン(45)に向かう登り傾斜面(46a)となるコイン逃し誘導片(46)を曲げ起して、上記ディスクローター(D)の逆回転により他方向(R)へ押し進め搬送されてきたコイン(C)が、その逃し誘導片(46)により上記コイン受け止めピン(45)を自づと乗り越えるように定めたことを特徴とするホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体。
【請求項2】
金属板(42)の先端部(42b)を円弧縁取り形態として、その先端部(42b)に板幅(Z)の約半分だけ分離線(47)を切り込むと共に、
その分離線(47)と直交する金属板(42)の縦断折り曲げ稜線(Y−Y)から、コイン逃し誘導片(46)を直角(α)に曲げ起し垂立させることにより、上記先端部(42b)の円弧縁取り面をコイン受け止めピン(45)に向かう登り傾斜面(46a)として活用したことを特徴とする請求項1記載のホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体。
【請求項3】
金属板(42)の板面がコイン逃し誘導片(46)のコイン受け止めピン(45)に向かう登り傾斜面(46a)となるように、その金属板(42)の先端部(42b)を横断折り曲げ稜線(X−X)から鋭角(β)に折り返したことを特徴とする請求項1記載のホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体。
【請求項4】
金属板(42)の先端部(42b)に加工した切り欠き片をコイン逃し誘導片(46)として、その金属板(42)の横断折り曲げ稜線(X−X)から鋭角(β)に曲げ起すことにより、上記金属板(42)の板面をコイン受け止めピン(45)に向かう登り傾斜面(46a)として活用したことを特徴とする請求項1記載のホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体。
【請求項5】
金属板(42)をバネ鋼板として、その基端部(42a)からの張り出し長さに長短差(L)がある二叉状に分岐させ、その分岐した撓み変形可能な先端部(42b)に、コイン受け止めピン(45)とコイン逃し誘導片(46)との対応的な一対づつを並列設置したことを特徴とする請求項1記載のホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体。
【請求項6】
金属板(42)を剛性なステンレス鋼板として、その基端部(42a)からの張り出し長さに長短差(L)がある二叉状に分岐させ、その分岐した先端部(42b)にコイン受け止めピン(45)とコイン逃し誘導片(46)との対応的な一対づつを並列設置すると共に、
上記金属板(42)の基端部(42a)をローター受け盤(18)へ取り付ける固定ビス(43)に、そのコイン受け止めピン(45)とコイン逃し誘導片(46)とがローター受け入れ凹溝(G)の溝底面から一定高さ(h)だけ突出する状態として常時押し上げ付勢する圧縮コイルバネ(48)を巻き付けたことを特徴とする請求項1記載のホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体。
【請求項1】
基端部(42a)がローター受け盤(18)の裏面へ片持ち状態に取り付け固定された1枚の金属板(42)と、その金属板(42)の先端部付近へ、上記ローター受け盤(18)におけるローター受け入れ凹溝(G)の溝底面からコイン(C)の厚みとほぼ対応する一定高さ(h)だけ突出する状態に植え付け一体化されたコイン受け止めピン(45)とから成り、
上記ローター受け盤(18)のローター受け入れ凹溝(G)に嵌め込まれたコイン搬送用穴明きディスクローター(D)のコイン受け入れ孔(37)へ受け入れられて、その正回転するディスクローター(D)により一方向(F)へ押し進め搬送されてきたコイン(C)を、上記コイン受け止めピン(45)により一旦受け止めて、上記ローター受け入れ凹溝(G)の円周面一部に開口するコイン払出し口(O)へ、方向変換させるように誘導するホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体(A)において、
上記金属板(42)の先端部(42b)から、上面がコイン受け止めピン(45)に向かう登り傾斜面(46a)となるコイン逃し誘導片(46)を曲げ起して、上記ディスクローター(D)の逆回転により他方向(R)へ押し進め搬送されてきたコイン(C)が、その逃し誘導片(46)により上記コイン受け止めピン(45)を自づと乗り越えるように定めたことを特徴とするホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体。
【請求項2】
金属板(42)の先端部(42b)を円弧縁取り形態として、その先端部(42b)に板幅(Z)の約半分だけ分離線(47)を切り込むと共に、
その分離線(47)と直交する金属板(42)の縦断折り曲げ稜線(Y−Y)から、コイン逃し誘導片(46)を直角(α)に曲げ起し垂立させることにより、上記先端部(42b)の円弧縁取り面をコイン受け止めピン(45)に向かう登り傾斜面(46a)として活用したことを特徴とする請求項1記載のホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体。
【請求項3】
金属板(42)の板面がコイン逃し誘導片(46)のコイン受け止めピン(45)に向かう登り傾斜面(46a)となるように、その金属板(42)の先端部(42b)を横断折り曲げ稜線(X−X)から鋭角(β)に折り返したことを特徴とする請求項1記載のホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体。
【請求項4】
金属板(42)の先端部(42b)に加工した切り欠き片をコイン逃し誘導片(46)として、その金属板(42)の横断折り曲げ稜線(X−X)から鋭角(β)に曲げ起すことにより、上記金属板(42)の板面をコイン受け止めピン(45)に向かう登り傾斜面(46a)として活用したことを特徴とする請求項1記載のホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体。
【請求項5】
金属板(42)をバネ鋼板として、その基端部(42a)からの張り出し長さに長短差(L)がある二叉状に分岐させ、その分岐した撓み変形可能な先端部(42b)に、コイン受け止めピン(45)とコイン逃し誘導片(46)との対応的な一対づつを並列設置したことを特徴とする請求項1記載のホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体。
【請求項6】
金属板(42)を剛性なステンレス鋼板として、その基端部(42a)からの張り出し長さに長短差(L)がある二叉状に分岐させ、その分岐した先端部(42b)にコイン受け止めピン(45)とコイン逃し誘導片(46)との対応的な一対づつを並列設置すると共に、
上記金属板(42)の基端部(42a)をローター受け盤(18)へ取り付ける固定ビス(43)に、そのコイン受け止めピン(45)とコイン逃し誘導片(46)とがローター受け入れ凹溝(G)の溝底面から一定高さ(h)だけ突出する状態として常時押し上げ付勢する圧縮コイルバネ(48)を巻き付けたことを特徴とする請求項1記載のホッパー型コイン払出し装置のコイン払出し用可動誘導体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2007−317057(P2007−317057A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−147784(P2006−147784)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(506154421)松下金属工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(506154421)松下金属工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
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