説明

ホッパ

【課題】
本発明の課題は、容器本体内に投入された水分を含む内容物を効率的に十分に乾燥することができるホッパを提供することにある。
【解決手段】
本発明は、伝熱手段によって容器本体の内側から熱媒体の熱を伝えることができる。したがって、容器本体の壁面と、容器本体の内側の両方から容器本体に投入された内容物に効率的に熱を伝えることができる。そのため、ホッパは、この熱によって水分を含む内容物を十分に効率的に乾燥することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体内に投入された水分を含む内容物に熱媒体の熱を伝えることで、内容物を乾燥することができるホッパに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ホッパとしては、倒立円錐状もしくはピラミッド状に流出口に向かってその断面積が減少した容器からなり、容器壁面に加熱手段を設けたものがある(例えば特許文献1参照)。このホッパは、貯蔵する粉体を供給する際に、粉体を加熱することで閉塞現象を起こしにくくするものである。
【0003】
特許文献1では、内容物に流動性を与えるために加熱手段を設けているため、一部の内容物に流動性を与えれば、閉塞現象を解消することができることから加熱手段は容器の壁面外側に備えられている。すなわち、壁面を加熱するとすることで壁面を介して内容物を加熱し、壁面近傍の一部の内容物に流動性を与え、閉塞現象を解消することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2000−128278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の加熱手段で水分を含んだ内容物を乾燥させる場合、加熱手段が壁面外側に備えられているため、容器中心付近の内容物に熱を伝えにくいため、効率的な乾燥ができない。すなわち、このような加熱手段だけでは、容器内の内容物を乾燥させることは難しい。
【0006】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、容器内の内容物を効率的に十分に簡素することができるホッパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明のホッパは、内容物を投入する投入口と、前記内容物を排出する排出口とを有するホッパであって、前記投入口と前記排出口とを閉塞する蓋と、壁面及び底面に間隙が形成されるように内側容器と外側容器とが一体となった容器本体とを有し、前記容器本体は、当該容器本体の外側から前記間隙に熱媒体を流入させる流入口と、前記流入口を介して前記間隙に流入させた前記熱媒体を当該容器本体の外側に流出させる流出口と、前記容器本体に投入された前記内容物に前記容器本体の内側から前記熱媒体の熱を伝える伝熱手段とを備え、前記熱媒体の熱によって前記容器本体に投入された前記内容物を乾燥させることを特徴とする。
【0008】
本発明のホッパによれば、伝熱手段によって容器本体の内側から熱媒体の熱を伝えることができる。したがって、容器本体の壁面と、容器本体の内側の両方から容器本体に投入された内容物に効率的に熱を伝えることができる。これにより、水分を含む内容物を十分に効率的に乾燥することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のホッパは、容器本体の壁面からだけではなく、伝熱手段によって容器本体の内側からも投入された内容物に熱を伝えることができる。そのため、容器本体に投入された水分を含む内容物を十分に効率的に乾燥することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明のホッパについて図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、本発明のホッパの概観形状を示す斜視図である。本発明のホッパは、図1のように、例えば矩形状の容器の一部が突出した形状である容器本体1と、蓋2とを有している。
【0012】
図2は、本発明のホッパの底面形状を示す底面図である。また、図3は、本発明のホッパの容器本体の内部を示す上面図である。この容器本体1の上面には内容物を投入するための例えば矩形状の投入口12を有し、容器が突出した箇所の底面に内容物を排出する例えば矩形状の排出口13とを有している。
【0013】
蓋2は、投入口12に備えられることで投入口12を閉塞する。この蓋2の形状は特に限定するものではなく、投入口12を閉塞するものであれば特に限定するものではない。例えば、蓋2は、容器本体1の投入口12の形状に合わせた矩形状の形状で、例えばこの投入口12上にのせるように備えられてもよく、嵌め込むように備えられていてもよい。この蓋2には、下記で説明するように、容器本体1の内側に導入させた熱媒体を排出させるために蓋2を貫通するような排出部20が備えられている。この排出部20は、図1のように、蓋2から突出するように設けられていてもよいが、この場合、突出した部分を取り外し可能とするほうが好ましい。これにより、ホッパをきれいに積層させることも可能となる。
【0014】
また、容器本体1は、排出口13にも図示されていない蓋が備えられており、排出口13を閉塞する。この蓋も蓋2と同様に、特に限定するものではなく、排出口13を閉塞するものであれば特に限定するものではない。例えば、この蓋も蓋2と同様に、容器本体1の排出口13の形状に合わせた矩形状の形状で、例えばこの排出口13上にのせるように備えられてもよく、嵌め込むように備えられていてもよい。
【0015】
図4は、本発明のホッパの図3におけるA−A断面図であり、図5は、本発明のホッパの図3におけるB−B断面図である。容器本体1は、図4及び図5のように、内側容器10と外側容器11とからなる、所謂2重構造の容器である。内側容器10は、上面に開口を有した容器である。そして、外側容器11は、内側容器10と同様の形状で上面に開口を有している。さらに、外側容器11は、内側容器10をその内側に入れることができる程度の大きさを有している。すなわち、内側容器10は、外側容器11よりも小さい容器である。
【0016】
容器本体1は、図3乃至図5のように、外側容器11の内側に内側容器10を上面に開口を有するように入れた状態で、外側容器11の上面の開口の縁と、内側容器10の上面の開口の縁とを繋ぎ、内側容器10と外側容器11とが一体となるような形状を有している。これにより、外側容器11と内側容器10との間に間隙19が形成される。すなわち、容器本体1は、内側容器10と外側容器11とによって底面及び壁面に間隙19が形成されるように一体となった容器である。
【0017】
この間隙19には、容器本体1の外側からこの間隙19に熱媒体を流入させる流入口190が設けられている。例えば、この流入口190は、その形状を管状とし、外側容器11を貫通することで間隙19と接続するような位置に備えられ、その一端が容器本体1の所定の壁面から突出している。これにより、管状の流入口190が間隙19に接続する。この流入口190は、間隙19に熱媒体を流入させることができればどの位置に備えられていてもよい。また、その形状も限定されるものではない。この流入口190は、1つであっても複数であってもよい。
【0018】
そして、この間隙19には、この間隙19に流入させた熱媒体を容器本体1の外側に流出させる流出口191が備えられている。例えば、この流出口191は、その形状を管状とし、外側容器11を貫通することで間隙19と接続されるような位置に備えられ、その一端が容器本体1の所定の壁面から突出している。これにより、管状の流出口191が間隙19に接続する。この流出口191は、間隙19に熱媒体を流出させることができればどの位置に備えられていてもよい。また、その形状も限定されるものではない。この流出口191は、1つであっても複数であってもよい。
【0019】
この容器本体1の内側には、図3乃至図5のように、内容物搬送手段としてスクリューローラ15と、伝熱手段である伝熱管14とを有している。このスクリューローラ15は、軸150を中心に回転することで、羽部151が回転し、スクリューローラ15の長手方向に内容物を攪拌しながら押し出すことができる。すなわち、このスクリューローラ15は、正回転によって投入口12から排出口13の方向に内容物を押し出すことができる。また、このスクリューローラ15は逆回転も可能である。
【0020】
このスクリューローラ15は、図示されない駆動源と接続されており、この駆動源がスクリューローラ15の軸150を回転させる。この駆動源は、その動作が制御手段により制御されている。この制御手段は、駆動源を介してスクリューローラ15を回転させたりその回転を停止させたりすることができる。さらに、その回転の方向や速さを制御することができる。したがって、内容物を排出口13から排出する量を調整することができる。この制御手段は、本発明のホッパの使用者が使用しやすいように容器本体の外側壁面に備えられている。
【0021】
このスクリューローラ15の近傍、すなわち、容器本体1の内側底面には、スクリューローラ15が備えられている位置に向かって傾斜する傾斜部材16が備えられている。この傾斜部材16は、所定の厚さを有する部材で、容器本体1の内側底面とによって第2の間隙18が形成されている。さらに、この傾斜部材16は、複数の孔が形成されていてもよい。この複数の孔は、内容物に応じて直径が適宜変更される。さらには、熱媒体によっては、この孔を設けられていなくてもよい。また、この孔は、第2の間隙18から容器本体1の内側に熱媒体が導入できるようなものであればどのような形状であってもよい。例えば、この孔には所定の幅のスリットも含まれる。
【0022】
この第2の間隙18には、容器本体1の外側の所定の壁面の対応する位置に容器本体1の外側から熱媒体を流入する流入口180が備えられている。例えば、この流入口180は、その形状を管状とし、外側容器11及び内側容器10を貫通することで第2の間隙18と接続するような位置に備えられ、その一端が容器本体1の所定の壁面から突出している。これにより、管状の流入口180が第2の間隙18に接続する。この流入口180は、第2の間隙18に熱媒体を流入させることができればどの位置に備えられていてもよい。また、その形状も限定されるものではない。この流入口180は、1つであっても複数であってもよい。
【0023】
そして、この第2の間隙18には、この第2の間隙18に流入させた熱媒体を容器本体1の外側に流出させる流出口181が備えられている。例えば、この流出口181は、その形状を管状とし、外側容器11及び内側容器10を貫通することで第2の間隙18と接続するような位置に備えられ、その一端が容器本体1の所定の壁面から突出している。これにより、管状の流出口181が第2の間隙18に接続する。この流出口181は、第2の間隙18に熱媒体を流入させることができればどの位置に備えられていてもよい。また、その形状も限定されるものではない。この流出口181は、1つであっても複数であってもよい。
【0024】
伝熱管14は、容器本体1に挿通されるように形成される管である。この管は容器本体1の内側に熱媒体の熱を伝えることができればどのような形状であってもよい。以下伝熱管14の一例について、図3乃至図5を用いて説明する。
【0025】
伝熱管14は、まず、容器本体1の外側端面に開口を有するように端面から対向する端面に向かって容器本体1を長手方向に貫通するように設けられる基本管14を有している。この基本管140は内側容器10と外側容器11とを貫通しており、間隙19と基本管140とは接続していない。したがって、内側容器10と外側容器11とにより形成される間隙19に流入した熱媒体は伝熱管14の内部に流入しないように形成されている。
【0026】
この伝熱管14は、基本管140から上面方向垂直に垂直管141が複数設けられ、各垂直管141が基本管140に接続している。さらに、伝熱管14は、この各垂直管141から水平方向に延びるように枝管142が設けられ、各枝管142がそれぞれ垂直管141に接続している。この枝管142には、複数の孔が形成されている。この複数の孔は、内容物に応じて直径を適宜変更することができる。さらには、熱媒体によっては、この孔を設けられていなくてもよい。また、この孔は、枝管142から容器本体1の内側に熱媒体が導入できるようなものであればどのような形状であってもよい。例えば、この孔には所定の幅のスリットも含まれる。
【0027】
この容器本体1の投入口12から投入される内容物は、特に限定するものではない。例えば、水分を含む有機物などが挙げられる。より具体的には、水分を含んだ木材や竹などが挙げられ、その形状もチップ状や塊状などでもよく、建築現場などから排出される廃材や天然のものから切り出されたものであってもよい。
【0028】
また、この容器本体1の間隙19、第2の間隙18、及び、伝熱管14に流入させる熱媒体は、容器本体1の内容物に熱を伝えることができるのであればどのようなものであってもよい。例えば、乾燥した高温の空気や、温水などが挙げられる。これら熱媒体は、本発明のホッパのためのものであってもよいが、その他の装置から排出される廃熱を利用したものであってもよい。さらに、この熱媒体のための燃料としては、特に限定されないが、例えば廃棄物を炭化することで形成された炭などが利用できる。
【0029】
上述のような構成を有する本発明のホッパの動作について以下に説明する。まず、ホッパには、所定の内容物が投入される。このとき、排出口13は、図示されていない蓋によって閉塞される。この投入方法はどのような内容物に応じて適宜変更される。
【0030】
まず、投入された内容物の排出について説明する。投入された内容物を排出する場合、排出口13の蓋を開ける。そして、制御手段を介して、スクリューローラ15の軸150を中心に羽部151を正方向に回転させる。この羽部151がスクリューローラ15近傍の内容物を運ぶように排出口13の方向に移動させる。内容物がスクリューローラ15によって運ばれることで、運ばれた内容物の上方にあった他の内容物が落下するようにスクリューローラ15の近傍に移動する。スクリューローラ15の近傍に移動した内容物は、同様にスクリューローラ15によって排出口13の方向に移動する。排出口13に移動した内容物は、排出口13から排出される。
【0031】
排出口13から内容物の排出量は、スクリューローラ15の回転スピードに依存することになる。ホッパは、制御手段を操作することによって、駆動源を制御することができる。駆動源は、スクリューローラ15を正方向又は逆方向に回転させることができる。したがって、制御手段で駆動源を制御することで、スクリューローラを所定の方向及びスピードで回転させることができる。
【0032】
このように、内容物を排出したい装置や箇所に本発明のホッパを設置し、排出口13の蓋を開けて、スクリューローラ15を駆動させることで内容物を装置や箇所に排出することができる。
【0033】
次に、ホッパの内容物の乾燥について説明する。ホッパの許容量の内容物が投入された後、蓋2によって投入口12を閉塞する。これにより、ホッパは内容物を内包し、容易に内容物が容器本体1の外部に出ることを防止することができる。
【0034】
そして、ホッパは、内容物が内包された状態で、流入口180、190に熱媒体流入手段を取り外し可能に接続する。この熱媒体流入手段は、種々の装置から形成された熱媒体を流入させることができるポンプなどが挙げられ、この熱媒体流入手段を流入口180、190に接続することで間隙19及び第2の間隙18に熱媒体が流入する。さらに、伝熱管14の基本管140にも同様に、熱媒体流入手段を接続する。これにより、伝熱管14の基本管140、垂直管141、及び、枝管142に熱媒体が流入する。
【0035】
また、ホッパは、流出管181、191に熱媒体流出手段を取り外し可能に接続する。この熱媒体流出手段は、間隙19及び第2の間隙18に流入した熱媒体を流出させるためのポンプなどが挙げられる。さらに、伝熱管14の基本管140も同様に、熱媒体流入手段が接続されていない箇所に熱媒体流出手段を接続する。これにより、伝熱管14の基本管140、垂直管141、及び、枝管142に流入した熱媒体を流出させることができる。これら、熱媒体流出手段は、熱媒体によっては接続されていなくてもよい。
【0036】
流入口190から流入した熱媒体は、内側容器10と外側容器11との間隙19に流入する。間隙19に流入した熱媒体は、容器本体1の壁面を加熱することができる。加熱した壁面は、容器本体1に投入された内容物のうち、壁面付近の内容物を中心にその熱を伝達する。この熱によって、壁面付近の内容物を中心に内容物に含まれている水分を蒸発させ、内容物を乾燥させることができる。そして、熱媒体は、間隙19から流出口191を介して容器本体1の外側に流出する。このとき、熱媒体の流出量をポンプなどでコントロールすることで熱媒体を間隙19全体に流入させることができる。
【0037】
流入口180から流入した熱媒体は、内側容器10と傾斜部材16との第2の間隙18に流入する。第2の間隙18に流入した熱媒体は、傾斜部材16を加熱する。そして、間隙19と同様に、傾斜部材16近傍の内容物に熱を伝達し、内容物を加熱することができる。これにより、内容物に含まれている水分を蒸発させ、内容物を乾燥させることができる。そして、熱媒体は、第2の間隙18から流出口181を介して容器本体1の外側に流出する。このとき、熱媒体の流出量をポンプなどでコントロールすることで熱媒体を第2の間隙18全体に流入させることができる。
【0038】
また、第2の間隙18に流入した熱媒体は、傾斜部材16に設けられた複数の孔を介して容器本体1の内側に導入される。さらに、導入された熱媒体は、容器本体1に投入された内容物と接触し、直接内容物を加熱する。これにより、内容物に含まれている水分を蒸発させ、内容物を乾燥させることができる。この熱媒体は、容器本体1の内側に導入されるため、熱媒体が導入される傾斜部材16近傍以外の内容物も加熱することができる。したがって、より効率的に十分に内容物を乾燥させることができる。
【0039】
伝熱管14の基本管140の一端から流入した熱媒体は、垂直管141、及び枝管142に流入する。まず、伝熱管14に流入した熱媒体は、伝熱管14を加熱する。そして、伝熱管14近傍の内容物に対して、容器本体1の内側で熱を伝達し、内容物を加熱することができる。すなわち、投入された内容物に容器本体1の内側から熱媒体の熱を伝えることができる。これにより、内容物に含まれている水分を蒸発させ、内容物を乾燥させることができる。そして、熱媒体は、基本管140の他端を介して容器本体1の外側に流出する。このとき、熱媒体の流出量をポンプなどでコントロールすることで熱媒体を伝熱管14全体に流入させることができる。
【0040】
また、伝熱管14に流入した熱媒体は、枝管14に設けられた複数の孔を介して容器本体1の内側に導入される。さらに、導入された熱媒体は、容器本体1に投入された内容物と接触し、直接内容物を加熱する。これにより、内容物に含まれている水分を蒸発させ内容物を乾燥させることができる。この熱媒体は、容器本体1の内側に導入されるため、熱媒体が導入される伝熱管14近傍以外の内容物も加熱することができる。したがって、より効率的に十分に内容物を乾燥させることができる。
【0041】
ホッパは、蓋2の排出部20に吸引ポンプなどを取り外し可能に接続する。これにより、容器本体1の内側に導入された熱媒体を効率的に排出することができる。さらに、内容物の乾燥によって発生する水蒸気を熱媒体とともに排出することができる。これにより、容器本体1の内側が結露しなくなる。したがって、ホッパは、結露によって再び内容物が湿潤することを防ぐことができ、より効率的に内容物を乾燥させることができる。
【0042】
このように、従来の加熱手段とは異なり、加熱手段を壁面だけではなく、容器本体1の内側の中心付近にも備えることで、壁面近傍以外の内容物を十分に乾燥させることができる。特に伝熱管14を備えることで、内容物が加熱された伝熱管14や壁面等と接触する面積が増加するため、より効率的に内容物を乾燥させることができる。
【0043】
そして、この伝熱管14に複数の孔を設けることで、上述のように熱媒体を容器本体1の内側に導入することができ、内容物を熱媒体と接触させるように直接加熱することができる。これにより、より効率的に内容物全体を乾燥することができ、十分に乾燥した内容物を排出口13から排出することができる。
【0044】
さらに、このホッパは、熱媒体によって加熱しながらスクリューローラ15を回転させることで内容物を攪拌しながら加熱することができる。すなわち、より乾燥効率を向上させることができる。このとき、スクリューローラ15の回転方向は、正方向だけではなく逆方向に回転させてもよい。
【0045】
また、ホッパに流入させる熱媒体は、間隙19、第2の間隙18、伝熱管14にそれぞれ流入する。このように、独立して熱媒体を流入させることで、それぞれ異なる熱媒体を流入させることができる。例えば、間隙19には温水を流入させ、複数の孔によって熱媒体が容器本体1の内側に導入させることができる第2の間隙18、伝熱管14には、乾燥した高温のガスを熱媒体として流入させることも可能である。
【0046】
さらに、このホッパは、図4のように、枝管142の端部を外側壁面に嵌め込むように固定することで、容器本体1の内側からの内容物の圧力によって容器本体1を押し広げようとする力に対抗することができる。したがって、より丈夫なホッパとなる。さらに、ホッパを搬送させる際の振動にも耐えることができる。
【0047】
このように、本発明のホッパは、通常の装置、設備に備え付けられているホッパとは異なり、独立したホッパであるため、移動を可能とし、投入口12及び排出口13を閉塞して内容物を投入したままホッパ及び内容物を搬送することができる。このホッパには、キャスタやローラといったものを備え付けてもよく、これによりホッパの搬送が容易となる。また、大きさや内容物の重さによっては、本発明のホッパを手に持って使用することができる。この場合、上述のスクリューローラ15を駆動させる駆動源を制御する制御手段をホッパの外側側面に備えることで、手に持った状態であっても排出口13からの内容物の排出量を制御することができる。
【0048】
このように、本発明のホッパは移動可能に形成されている。したがって、内容物を投入した状態での搬送も可能である。例えば、本発明のホッパに所定の内容物を投入し、投入口12の蓋2及び排出口13の蓋をそれぞれ閉め、複数のホッパをトラックなどの搬送手段に載せて、所定の場所まで搬送することもできる。搬送されたホッパは、必要とする内容物の量に対応したホッパの数をトラックから降ろすこともできる。すなわち、内容物とホッパを合わせて流入させることができる。
【0049】
従来、ホッパは、装置等に備え付けられているものであるため、内容物を搬送手段で搬送し、搬送した内容物をホッパに移し変える必要があった。この場合、作業場所に内容物が散乱するという問題があり、有効に内容物を使用することができなかった。
【0050】
本発明のホッパは、装置等とは独立して移動可能に形成されることで、内容物を投入した状態で、内容物を使用する場所に搬送することができるため、内容物を投入する装置に確実に投入することができる。そして、作業場所に内容物を散乱させることなく内容物を有効に使用することができる。また、ホッパの搬送時に熱媒体を流入させる手段がある場合、搬送させながら内容物を乾燥させることができる。したがって、乾燥を必要とする内容物を搬送する場合、搬送中に内容物を乾燥することができる。これにより、乾燥工程を加える必要もなく、乾燥のための装置を新たに設置する必要もない。このとき、熱媒体として廃熱を利用することで、より資源の有効利用が可能となる。
【0051】
ホッパは、搬送時にコンテナのように積層させることができる。これにより、一度に多くのホッパを搬送することができる。このとき、1つのホッパの流出口181、191や伝熱管14の他端を、別のホッパの流入口180、190や伝熱管14の一端に配管等で接続することも可能である。このように、全てを接続することで、一度に熱媒体流入手段によって熱媒体を各ホッパに流入させることができる。
【0052】
本発明のホッパは、上述に挙げたものに限られるものではない。例えば、上述では、矩形状のホッパとしたが、円筒状のものであってもよい。また、ホッパに流入させる熱媒体は循環させてもよい。
【0053】
ホッパに流入させる熱媒体として、水分を比較的多く含むようなスチームガスや温水などを使用する場合、伝熱管14や傾斜部材16は、上述の形状で孔のないものを使用することで、内容物を加熱し、乾燥させることができる。
【実施例】
【0054】
まず、本発明のホッパには、上述の容器本体として、鋼材の2重構造の略矩形状の容器(容積3.86m)を使用した。また、熱媒体として、木屑を燃料としたボイラから発生する200℃の燃焼ガスを使用した。熱媒体を上述の各流入口に流入させるようにボイラと接続し、傾斜部材及び伝熱管に設けられた複数の孔から熱媒体が噴出していることを確認した。
【0055】
確認後、排出口の蓋を閉めた状態で、56.6%の含水率を有する木材チップ810kgを内容物として、ホッパの投入口から投入し、投入口の蓋を閉めた。その後、熱媒体を22時間流入させた後、熱媒体の流入を停止した。
【0056】
停止後、内容物の木材チップを計量した結果、451.2kgであった。したがって、木材チップの重量が358.8kg減少した。この減少は、木材チップ中の水分が蒸発したためであると考えられる。また、容器本体の内側には結露は発生していなかった。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明のホッパの概観形状を示す斜視図である。
【図2】本発明のホッパの底面形状を示す底面図である。
【図3】本発明のホッパの内部構造を示す上面図である。
【図4】本発明のホッパの図3におけるA−A断面図である。
【図5】本発明のホッパの図3におけるB−B断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 容器本体
11 外側容器
14 伝熱管
140 基本管
180、190 流入口
2 蓋
20 排出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を投入する投入口と、前記内容物を排出する排出口とを有するホッパであって、
前記投入口と前記排出口とを閉塞する蓋と、
壁面及び底面に間隙が形成されるように内側容器と外側容器とが一体となった容器本体とを有し、
前記容器本体は、
当該容器本体の外側から前記間隙に熱媒体を流入させる流入口と、
前記流入口を介して前記間隙に流入させた前記熱媒体を当該容器本体の外側に流出させる流出口と、
前記容器本体に投入された前記内容物に前記容器本体の内側から前記熱媒体の熱を伝える伝熱手段とを備え、
前記熱媒体の熱によって前記容器本体に投入された前記内容物を乾燥させることを特徴とするホッパ。
【請求項2】
前記伝熱手段は、前記熱媒体を前記間隙には流入させずに、前記容器本体の外側から直接流入させる伝熱管とを備え、当該伝熱管から前記容器本体に投入された前記内容物に前記容器本体の内側から前記熱媒体の熱を伝えることを特徴とする請求項1記載のホッパ。
【請求項3】
前記伝熱管には、複数の孔が設けられ、
前記複数の孔を介して前記容器本体の内側に前記熱媒体を導入し、前記容器本体に投入された前記内容物に前記熱媒体の熱を伝えることを特徴とする請求項2記載のホッパ。
【請求項4】
前記容器本体は、前記導入手段によって導入された前記熱媒体及び前記熱媒体によって加熱される前記内容物から発生する蒸気を排出する排出手段とを備えることを特徴とする請求項1記載のホッパ。
【請求項5】
前記容器本体は、移動可能であることを特徴とする請求項1記載のホッパ。
【請求項6】
前記容器本体には、底面近傍に当該容器本体の内側の内容物を前記排出口に向かって搬送する内容物搬送手段が備えられ、
前記内容物搬送手段によって前記排出口から前記内容物が排出されることを特徴とする請求項1記載のホッパ。
【請求項7】
前記内容物搬送手段は、スクリューローラであることを特徴とする請求項6記載のホッパ。
【請求項8】
前記容器本体は、前記内容物搬送手段を駆動する駆動源を備えることを特徴とする請求項6記載のホッパ。
【請求項9】
前記容器本体の外側壁面には、前記駆動源を制御する制御手段が備えられ、
前記制御手段によって前記内容物搬送手段を介して排出される前記内容物の排出が制御されることを特徴とする請求項8記載のホッパ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−182252(P2007−182252A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−3056(P2006−3056)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(506011261)株式会社ゼロエミッション (5)
【出願人】(504035179)
【出願人】(596116167)
【Fターム(参考)】