説明

ホバリング可能な航空機、航空機操縦支援方法及びインターフェイス

【課題】オペレータ側の判断ミスと、オペレータとパイロットとの間のコミュニケーション不良との両方または一方によって引き起こされる航空機と障害物との衝突を防止するように構成された航空機を、簡単かつ低コストのやり方で提供する。
【解決手段】ホバリング可能な航空機(1)であって、平面掃引領域(R)を有し、かつ前記航空機(1)が操縦飛行しているときに前記平面掃引領域(R)内に在る障害物(O)上の第1の点(P)と前記航空機(1)上の第2の点(Q)との間のそれぞれの距離値(C)を入手するように構成された少なくとも1つのセンサ(10、10’、10”)と、前記第1の点(P)のうちの少なくとも1つが前記航空機(1)上の前記第2の点(Q)を含む安全領域(Z)内に在るときに警告信号を発するように構成された制御ユニット(20)とを有する航空機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホバリングできるすなわち一定の高さにおいて実質的にゼロ速度で飛行を持続できる航空機、特にヘリコプタまたは転換式航空機に関する。
【0002】
また、本発明は、航空機操縦支援方法、例えば離陸時、着陸時または救助作業時、すなわち航空機が実際上ホバリングしているときまたは上下方向に対して直角の平面において実質的にゼロ速度であるときの航空機操縦支援方法に関する。
【0003】
また、本発明は、グラフィックインターフェイスに関する。
【背景技術】
【0004】
航空機のホバリングは、一般に、例えば船上での離陸及び着陸の両方もしくは一方、または山岳もしくは海難救助作業など緊急時及びアクセスの悪い場所の両方もしくは一方での救難もしくは救助作業実施時など、固定した障害物及び移動する障害物の両方または一方の付近で操縦する際に使用される。
【0005】
このような場合、オペレータは、航空機が障害物から所与の距離を保っていることを視覚的に確認する。
【0006】
航空機が障害物に接近しすぎて、それにより回転翼の羽根と障害物との間で衝突する危険があると、オペレータはパイロットに警告し、パイロットはこれにしたがって航空機を引き戻す。
【0007】
業界は、オペレータ側の判断ミスと、オペレータとパイロットとの間のコミュニケーション不良との両方または一方によって引き起こされる航空機と障害物との衝突を防止する必要を感じている。
【0008】
特許文献1は、擬水平掃引領域を有しかつ掃引領域内の障害物の点と航空機の点との間の距離値を入手するように設計されたセンサが設けられた航空機を開示する。詳細には、センサは胴体の底部から突出する回転光学素子を備える。
【0009】
特許文献2は、航空機の胴体に分散して配置されたレーダ検出器を有するヘリコプタを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5371581(A)号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102006053354(A)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、簡単かつ低コストのやり方でこの要件を満たすように構成された航空機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、請求項1に記載されているような、ホバリング可能な航空機が提供される。
【0013】
また、本発明は、請求項12に記載されているように、多数の表示項目を表示する表示手段を備えるグラフィックインターフェイスに関する。
【0014】
また、本発明は、請求項13に記載されているように、ホバリング可能な航空機の操縦を支援する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る、図を明確にするために一部が取り除かれている、実質的にホバリング操縦を行っている航空機の俯瞰図。
【図2】図を明確にするために一部が取り除かれている図1の航空機の側面図。
【図3】図1及び2の航空機の一部の概略図。
【図4】図1及び2の航空機のグラフィックインターフェイス。
【図5】図1及び2の航空機の他の部分の動作線図。
【図6】図1及び2の航空機の制御ユニットの一部の概略図。
【図7】図6の制御ユニットのさらなる部分の概略図。
【図8】図を明確にするためにさらなる部分が取り除かれている、図1及び2の航空機の俯瞰図。
【図9】図4のインターフェイスのさらなる部分の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の好ましい非限定的実施形態について添付図面を参照しながら例として説明する。
【0017】
図1、2及び8の参照番号1は、ホバリングできる、すなわち一定の高さにおいて実質的にゼロ速度で飛行を持続できる航空機を示す。
【0018】
図示される例において、航空機はヘリコプタである。
【0019】
あるいは、航空機1は転換式航空機でもよい。
【0020】
ヘリコプタ1は、実質的に、胴体2と、胴体2の上面に取り付けられ軸線A回りに回転する主回転翼3と、回転翼3によって胴体2に伝達されるトルクに対抗するために胴体2の後端部の尾翼から突出する反トルク尾部回転翼4とを備える。
【0021】
ヘリコプタ1は、胴体2から突出する回転翼3を駆動する駆動シャフト5(図2)と、尾翼から突出する尾部回転翼4を駆動する駆動シャフト6(図1)とを備える。
【0022】
ヘリコプタ1は、
−多数のセンサ10、10’、10”(図1には1つのみ示す)であって、各センサが平面掃引領域R(図1には1つのみ示す)を有し、ヘリコプタのホバリング操縦時に障害物O上の点Pとヘリコプタ上の点Qとの間の距離C、C’、C”の第1の値を入手するように構成された、多数のセンサと、
−点Pのうち1つが点Qを含む安全領域Z内に在るときに、警告信号を発するように構成された制御ユニット20と、
を備える。
【0023】
センサ10、10’、10”のそれぞれが駆動シャフト6を取り囲むと有利である。
【0024】
図示される例において、センサ10、10’、10”は3個であり、それぞれの領域Rはそれぞれ別個の平行平面に在る。
【0025】
より明確に言うと、センサ10、10’、10”は駆動シャフト5の周りに位置し(図8)、それぞれの領域Rは、それぞれ別個の平面に在るにもかかわらず重なる。
【0026】
図1の例において、点Qは、軸線Aと回転翼3の円盤形平面7との交点によって画定される。
【0027】
図3を参照すると、各センサ10は、実質的に、
−それぞれの領域Rの平面において障害物O上の点Pに対して電磁放射を発するエミッタ11と、
−障害物O上の点Pによって反射された電磁放射を受け取るレシーバ12と、
−エミッタ11による電磁放射の放射とレシーバ12による電磁放射の反射の受信との間の時間間隔を測定するクロノメータ13と、
−クロノメータ13が測定した時間間隔に基づいて点Pと点Qとの間の距離C、C’、C”を検出するコンピュータ14と、
を備える。
【0028】
示される例において、エミッタ11は、レーザ送信レンズ15を備えるレーザダイオードであり、レシーバ12はレーザ受信レンズ16を備えるフォトダイオードである。
【0029】
エミッタ11は、それぞれが固定軸線に対して角度θを形成する(図1)、多数のレーザビーム19を放射する。
【0030】
より明確に言うと、コンピュータ14は、クロノメータ13によって測定された時間間隔に基づいて点Pとレシーバ12との間の距離を判断し、ヘリコプタの形状データに基づいて点Pと点Qとの間の距離C、C’、C”を判断する。
【0031】
制御ユニット20はまた、センサ10、10’、10”によって測定された距離C、C’、C”に基づいて、障害物Oからヘリコプタを引き戻す推奨バックオフ方向Dを判断するように構成されている(図5)。
【0032】
本発明の第1の実施形態において、方向Dは、点Qと点Qに最も近い障害物O上の点Pとを結ぶ方向に対応する。
【0033】
本発明の別の実施形態において、方向Dは、点Qに最も近い点Pの周りの障害物Oの形状を考慮することにより、制御ユニット20によって判断される。
【0034】
安全領域Zは、点Qを中心とする円であることが好ましい。
【0035】
より明確に言うと、安全領域Zの半径は、
−軸Aと主回転翼3の羽根の先端との間の距離と、
−安全距離と、
の合計に等しい。
【0036】
安全領域Zのサイズは、選択的にユーザによって、特にパイロットによって調整可能である。
【0037】
好ましくは、安全領域Zのサイズは、相似(すなわち、安全領域Zの輪郭上の2点の接線同士の間の角度を保持したままの変形)を用いてユーザにより調整可能である。
【0038】
例えば、安全領域Zが円である場合、ユーザは円の半径を調節することができる。
【0039】
言い換えると、ユーザは様々な操縦安全マージンを設定できる。すなわち安全領域Zの面積が小さければ小さいほど安全マージンは低くなる。
【0040】
ヘリコプタ1は、また、
−自動操舵システム25と、
−多数のフィルタを備えるフィルタシステム30であって、フィルタリングされた距離値C、C’、C”を制御ユニット20の出力に供給するために、ノイズを減衰させるためまたはセンサ10、10’、10”によって入手された距離値C、C’、C”の精度を向上させるために単独でまたは組み合わせでパイロットが起動できる、フィルタシステム30と、
−センサ10、10’、10”によって入手され、かつ場合によりフィルタシステム30によってフィルタリングされた距離値C、C’、C”に基づいて制御ユニット20によって制御される、ユーザ情報を表示するグラフィックインターフェイス35と、
を備える(図5)。
【0041】
より明確に言うと、制御ユニット20は、障害物上Oの少なくとも1つの点Pが安全領域Z内に在るときヘリコプタを障害物Oから引き戻すようシステム25に命令するように構成される。
【0042】
制御ユニット20は、ヘリコプタをD方向に並進移動させるようシステム25に命令するように構成されることが好ましい。
【0043】
フィルタシステム30の各フィルタは、実質的に、センサ10、10’、10”によって測定された1または複数の点Pと点Qとの間の距離値C、C’、C”を比較する比較ステージ(図示せず)と、フィルタリングされた距離値C、C’、C”を生成する生成ステージ(図示せず)とを含む。
【0044】
第1のフィルタは、同じ角度θからの複数の電磁放射の存在を判定し、最大距離値C、C’、C”を選択する。第1のフィルタは、複数の反射を生じる雪片など半透明の物体を排除する役割をする。
【0045】
第2のフィルタは、同じ角度θから連続的にセンサ10、10’、10”が測定した距離C、C’、C”値を受け取る。第2のフィルタの生成ステージは、上記距離値C、C’、C”の算術平均、移動平均または中央値に等しいフィルタリングされた距離値C、C’、C”を生成する。
【0046】
第3のフィルタは、センサ10、10’、10”によって同時に測定された隣接する点Pの距離値C、C’、C”を受け取る。第3のフィルタの生成ステージは、各角度θについて、この角度θで測定された値と別の角度θで測定された値の関数との組み合わせに等しいそれぞれのフィルタリングされた距離値C、C’、C”を生成する。
【0047】
第4のフィルタは、距離値C、C’、C”を受け取ると共にセンサ10、10’、10”によって測定された同じ点Pと点Qとの間の距離値C、C’、C”を比較する比較ステージと、フィルタリングされた距離値C、C’、C”を生成する生成ステージ(図示せず)とを含む。
【0048】
第4のフィルタが、点Qと少なくとも2つのそれぞれのセンサ10、10’、10”の少なくとも2つの重なる掃引領域内に在る点Pとの間の距離値C、C’、C”を比較することに留意することが重要である。
【0049】
第4のフィルタの比較ステージは、
−障害物Oの仮説的三次元形状例えば円筒形状に基づいて、センサ10、10’、10”によって測定された多数の同一点Pの距離値C、C’、C”を評価し、
−センサ10、10’、10”によって測定された同一点Pと点Qとの間の距離値C、C’、C”を比較し、
−例えば、或る距離値(例えば距離値C)が他の値(C’、C”)と大きく異なる場合、これを廃棄する、
ように構成される。
【0050】
第4のフィルタは、障害物Oの三次元形状(示される例においては円筒形状)を想定し、それにより障害物O上の各点Pを、センサ10によって測定された点Qからの距離Cと、センサ10’によって測定された点Qからの距離C’と、センサ10”によって測定された点Qからの距離C”とに関連付けることができる。
【0051】
言い換えると、第4のフィルタは、センサ10、10’、10”によって測定された距離値C、C’、C”の確率的誤差を排除する。
【0052】
グラフィックインターフェイス35は、
−障害物Oの外表面と領域Rの少なくとも1つとの交差を表す輪郭線37と、
−輪郭線37に対するヘリコプタ上の点Qの位置を示す点38と、
−回転翼3の円盤形7の輪郭線を示す円の形の表示39と、
−ヘリコプタの全体的なサイズの表示46と、
−方向Dを示すベクトル40と、
を有利に表示するグラフィックディスプレイ36を備える(図4)。
【0053】
より明確に言うと、ベクトル40は方向Dに対して平行であり、点Qから障害物Oへ向かうか(図4)または点Qから障害物Oの反対側へ向かう。
【0054】
グラフィックディスプレイ36は、輪郭線37、点38、表示39、46及びベクトル40を示す第1のエリア41と、センサ10、10’、10”によって測定された点Qと点Pとの間の距離値C、C’、C”の最小値の表示43を示す第2のエリア42とを備える。
【0055】
表示43を、最小距離値に応じて様々な色で示すことができる。例えば、最小値が下限値よりも小さい場合、すなわち点Qが障害物O上の点Pの1つに特に近いときに、表示43を赤で示すことができる。
【0056】
逆に、最小距離値が上限値よりも大きい場合、すなわち点Qが障害物Oから良好な距離にあるときに、表示43を緑色で示すことができる。
【0057】
最小距離値が上限値と下限値との間である場合、表示43を黄色で示すことができる。
【0058】
制御ユニット20はまた、センサ10、10’、10”によって測定された距離値C、C’、C”及びグラフィックインターフェイス35上のユーザ選択可能値に基づいて、
−第1のユーザ選択可能値よりも大きい、点Qからの距離に位置する障害物O上の第1の点Pの第1のセットと、
−第1のユーザ選択可能値よりも小さくかつ第2のユーザ選択可能値よりも大きい、点Qからの距離に位置する障害物O上の第2の点Pの第2のセットと、
−第2のユーザ選択可能値よりも小さい、点Qからの距離に位置する障害物O上の第3の点Pの第3のセットと、
を評価するようにも構成される(図9)。
【0059】
制御ユニット20はまた、グラフィックディスプレイ36上に
−第1の色、例えば緑色のエリア100、
−第2の色、例えば黄色のエリア101、
−第3の色、例えば赤色のエリア102、
−表示39の側のエリア100の境界と表示39の反対側のエリア101の境界とを定める輪郭線103と、
−表示39側のエリア101の境界と表示39の反対側のエリア102の境界とを定める輪郭線104と、
−表示39側のエリア102の境界を定めると共に領域Zの輪郭線と部分的に一致する輪郭線105と、
を表示するようにも構成される。
【0060】
輪郭線103は、限界値よりも大きい、点Qからの距離に位置する障害物O上の点Pを表す1または複数(示される例においては2つ)の部分110を含み、点38を中心とする円の第1の円弧によって(示される例において)部分110を接続する1または複数の部分111を含むことができる。
【0061】
輪郭線104は、限界値よりも小さい、点Qからの距離に位置する障害物O上の点Pを表す1または複数(示される例においては2つ)の部分115を含み、点38を中心としかつ第1の円弧より小さい半径の円の第2の円弧によって(示される例において)部分115を接続する1または複数の部分116を含むことができる。輪郭線104は反対の端部を輪郭線103と共有する。
【0062】
輪郭線105は反対の端部を輪郭線104と共有する。
【0063】
したがって、輪郭線103によって境界が定められたエリア100は、点Qから良好な距離にあり、それによりヘリコプタの安全にとって脅威とならない障害物Oのエリアを表す。輪郭線103、104によって境界を定められたエリア101は、点Qからの平均距離にある障害物Oのエリアを表す。輪郭線104、105によって境界を定められたエリア102は障害物Oに近い空間のエリアであって、パイロットがヘリコプタから離しておかなければならないエリアを表す。
【0064】
センサ10、10’、10”のうちのいずれか1つが機能不良である場合、制御ユニット20は、機能不良のセンサ10、10’、10”によって掃引されなかった障害物Oの輪郭線部分をディスプレイ36上に表示するように構成される。
【0065】
センサ10、10’、10”のうちいずれか1つが機能不良である場合、制御ユニット20は、他のセンサ10、10’、10”によって測定された距離値C、C’、C”に基づいて、機能不良のセンサ10、10’、10”によって掃引されなかった障害物Oの輪郭線部分の再構築された輪郭線をディスプレイ36上に表示するように構成される。
【0066】
ヘリコプタ1はさらに、ユーザのヘッドセットの第1のイヤピース内部で第1の音響信号を発する変換器50と、ヘッドセットの第2のイヤピース内部で第2の音響信号を発する変換器51とを備える(図5)。
【0067】
制御ユニット20はまた、
−ユーザのヘッドセットと一体的な軸線と固定軸線との間の角度に関連付けられた信号(例えば、ユーザのヘッドセットに一体化され、第1及び第2のチャネルと角度的に一体的な慣性プラットフォームによって発せられた信号)を受信し、
−変換器50、51を介してかつ上記角度に関連付けられた上記信号に基づいて、方向Dを立体音響的に表すそれぞれの音響信号の送信を命令する、
ようにも構成される。
【0068】
本発明の1つの具体的な実施形態において、制御ユニット20は、
−センサ10、10’、10”によって測定された点Qと点Pとの間の距離値C、C’、C”の最小値が第1のユーザ選択可能限界値よりも大きいときに、変換器50、51を介して任意の音響信号を送信することを命令せず、
−上記の最小値が第1の限界値よりも小さくかつ第1の限界値よりも小さい第2のユーザ選択可能限界値よりも大きいときに、変換器50、51を介して間欠的音響信号を送信することを命令し、
−上記の最小値が第2の限界値よりも小さいときに、変換器50、51を介して定常信号を送信することを命令する、
ように構成される。
【0069】
制御ユニット20は、第1の限界値と第2の限界値との間にさらなる多数の限界値を生成し、上記の最小値がそれぞれの前記のさらなる限界値よりも小さくなるたびに音響危険信号を発するように構成されることが好ましい。
【0070】
言い換えると、制御ユニット20は、ヘリコプタが障害物Oに近づいた結果として、上記の最小値が第1の限界値から第2の限界値になるにつれて、多数の危険信号を発する。
【0071】
さらなる限界値は第1の限界値と第2の限界値との間で等間隔ではなく、第2の限界値に近づくにつれ密になる。
【0072】
あるいは、D方向へのヘリコプタの飛行速度が所与の値を超えると、制御ユニット20は、前記最小値が第2の限界値よりも大きい場合であっても定常音響信号を発することができる。
【0073】
また、ヘリコプタ1は、
−ヘリコプタの重要な点、例えば重心の絶対的位置を判断する検出装置60(図5)、例えばGPS受信器と、
−ヘリコプタと一体的な軸線と空間における固定軸線との間の絶対回転角度を判断する慣性プラットフォーム61(図5)と、
を備える。
【0074】
言い換えると、検出装置60及び慣性プラットフォーム61は、センサ10、10’、10”の掃引領域Rの平面に対して平行の平面におけるヘリコプタの移動を画定する3つの自由度を判断する。
【0075】
検出装置60及び慣性プラットフォーム61によって判断された、ヘリコプタの重心の位置と、ヘリコプタと一体的な軸線と空間における固定軸線との間の回転角度とのタイムパターンに基づいて、制御ユニット20は、或る平面内におけるヘリコプタの基準運動法則を評価するように構成される。基準運動法則という用語はヘリコプタの重心の線形速度、ヘリコプタの重心の線形加速並びにヘリコプタの角速度及び角加速度のタイムパターンを意味することを目的とする。
【0076】
基準運動法則は、検出装置60によって判断された重心の絶対的位置のタイムパターンと、慣性プラットフォーム61によって判断された回転角度のタイムパターンとを導出することによって得られる。
【0077】
また、制御ユニット20は、
−センサ10、10’、10”によって測定された点Pと点Qとの間の距離C、C’、C”のタイムパターンに基づいてヘリコプタの実際の運動法則を判断し、
−ヘリコプタの実際の運動法則を基準運動法則と比較して、
−実際の運動法則と基準運動法則との間の差の有効値、例えばノルムが所与の限界値を超えるときに、センサ10、10’、10”の機能不良を示す機能不良信号を発する、
ようにもプログラムされる。
【0078】
制御ユニット20が、障害物Oが空間において固定されていると想定して、ヘリコプタの実際の運動法則を判断するように構成されていることに留意することが重要である。
【0079】
より明確に言うと、制御ユニット20は、
−検出装置60及び慣性プラットフォーム61によって制御される、基準運動法則を評価する評価ステージ70と、
−センサ10、10’、10”によって制御される、実際の運動法則を評価する評価ステージ71と、
−評価ステージ70、71によって制御されると共に基準運動法則と実際の運動法則との間の差の有効値、例えばノルムを評価するようにプログラムされた比較ステージ72と、
−比較ステージ72によって制御されると共に比較ステージ72によって計算された有効値が所与の限界値を超えるときにセンサ10、10’、10”の機能不良を示す機能不良信号を発するようにプログラムされた発信ステージ73と、
を含む(図6)。
【0080】
また、制御ユニット20は、
−少なくとも2つのセンサ10、10’によって判断された運動法則を、検出装置60及び慣性プラットフォーム61による測定に基づいて判断された基準運動法則と比較し、
−これにしたがって、センサ10、10’のうちの少なくとも1つを修正するための信号を発する、
ようにもプログラムされる。
【0081】
言い換えると、実際の絶対運動法則同士は理論上相関関係にない。すなわち、これらの間に相関があれば、センサ10、10’、10”による距離C、C’、C”の測定にシステムエラーがあることを示す可能性があることを意味する。
【0082】
制御ユニット20は、少なくとも2つのセンサ10、10’によって判断された運動法則を基準運動法則と比較することによって任意の相関を判断し、これにしたがって、センサ10、10’を修正する信号を発する。
【0083】
このために、制御ユニット20は、
−少なくとも2つのセンサ10、10’、検出装置60及び慣性プラットフォーム61によって制御され、かつセンサ10、10’、10”によって測定された距離C、C’、C”に基づいて判断された運動法則と慣性プラットフォーム61及び検出装置60による測定に基づいて判断された基準運動法則との間の相関を計算するようにプログラムされた比較ステージ80と、
−比較ステージ80によって制御され、かつセンサ10、10’のうちの少なくとも1つによって測定された距離C、C’を修正するようにプログラムされた修正ステージ81と、
を含む(図7)。
【0084】
制御ユニット20にロードされ実行されるソフトウェアは、グラフィックインターフェイス35、自動操舵システム25もしくはフィルタシステム30、またはこれらの組み合わせを制御し、かつ安全領域Zのサイズを調整することの両方または一方を行う。
【0085】
次に、例えば離陸、着陸または救助作業と救難作業との両方または一方の際に、ヘリコプタの飛行速度が水平平面すなわちヘリコプタの上下方向に対して直角の平面において実質的にゼロである飛行条件に関して、ヘリコプタ1の作用をこれより説明する。
【0086】
ユーザ、例えばヘリコプタのパイロットは、所与の安全マージンとして安全領域Zの面積値を選択し、操縦条件上必要であればフィルタシステム30の1または複数のフィルタを起動させることもできる。
【0087】
センサ10、10’、10”はそれぞれの領域Rを掃引して、障害物O上の点Pとヘリコプタ上の点Qとの間の多数の距離C、C’、C”を判断する。
【0088】
より明確に言うと、レーザ放射は、各センサ10、10’、10”のエミッタ11によってそれぞれの領域Rに発せられ、障害物O上の点Pによってそれぞれのレシーバ12に反射される。
【0089】
各センサ10、10’、10”のクロノメータ13は、レーザ放射の発射と受け取りとの間の時間経過を測定し、コンピュータ14は、点Qとセンサ10、10’、10”の掃引領域R内に在る障害物O上の各点との間の距離C、C’、C”を計算する。
【0090】
少なくとも1つの点Pと点Qとの間の距離C、C’、C”が、点Pが安全領域Z内に在ることを示す場合、制御ユニット20は警告信号を発する。
【0091】
自動操舵システム25が作動している場合、制御ユニット20は、障害物O上の少なくとも1つの点Pが安全領域Z内に在るときにヘリコプタを障害物Oから引き戻すように操舵システムに命令する。
【0092】
距離C、C’、C”に基づいて、制御ユニット20は推奨バックオフ方向Dも計算する。
【0093】
制御ユニット20は、グラフィックインターフェイス35のディスプレイ36のエリア41において、障害物Oの外表面と領域Rの1つとの交差を表す輪郭線37と、輪郭線37に対する点Qの位置を示す点38と、回転翼3の円盤形7を表す表示39と、方向Dに関連付けられると共に点38から輪郭線37に向かうまたはこれから離れるベクトル40と、ヘリコプタの全体的なサイズを示す表示46とを表示することを命令する。
【0094】
制御ユニット20は、ディスプレイ36のエリア42において、センサ10、10’、10”によって測定された点Qと障害物O上の点Pとの間の最小距離値C、C’、C”を示す表示43を表示することを命令する。
【0095】
制御ユニット20は、ディスプレイ36上にエリア100、101、102を表示することを命令することが好ましい。
【0096】
本発明の1つの実施形態において、制御ユニット20は、ユーザに方向Dの立体音響的な表示を提供するように、変換器50、51を介してそれぞれの音響信号を送信することも命令する。
【0097】
自動操舵システム25が作動している場合、制御ユニット20は、方向Dと平行の方向にヘリコプタを障害物Oから引き戻すように操舵システムに命令する。
【0098】
本発明の1つの具体的な実施形態において、山など固定した障害物Oの場合、制御ユニット20は、センサ10、10’、10”によって測定された距離C、C’、C”のタイムパターンに基づいてヘリコプタの実際の運動法則を計算する。
【0099】
制御ユニット20はまた、検出装置60及び慣性プラットフォーム61によって判断されたヘリコプタの重心位置及び絶対回転角度に基づいてヘリコプタの基準運動法則を判断する。
【0100】
最後に、制御ユニット20は、検出装置60及び慣性プラットフォーム61による測定に基づいて判断されたヘリコプタの基準運動法則を、センサ10、10’、10”によって測定された距離C、C’、C”に基づいて判断されたヘリコプタの実際の運動法則と比較して、基準運動法則と実際の運動法則との間の差の有効値が所与の限界値を超えるときに、機能不良信号を発する。
【0101】
このようにして、ユーザはセンサ10、10’、10”の機能不良の可能性について警告される。
【0102】
制御ユニット20は、評価ステージ71によって判断された実際の運動法則と評価ステージ70によって判断されたヘリコプタの基準運動法則との間の相関を判断し、これに応じて距離C、C’の値を修正することが好ましい。
【0103】
本発明に係る、航空機1、方法及びグラフィックインターフェイス35の利点は、以上の説明から明らかであろう。
【0104】
具体的には、センサ10、10’、10”(または単一のセンサ10、10’、10”)及び制御ユニット20は、障害物O上の少なくとも1つの点Pが安全領域Z内に在ること、すなわちヘリコプタが障害物Oに近づきすぎていることをユーザに自動的に知らせる。
【0105】
これによって、障害物Oに対するヘリコプタの位置を評価する際の救助/救難員の側の判断ミスと、パイロットと障害物Oの視覚的監視を担当するオペレータとの間のコミュニケーション不良との両方または一方によって引き起こされる衝突の可能性を防ぐ。
【0106】
さらに、非常に特殊な作業状況においてすなわち、固定した障害物及び移動する障害物の一方または両方の非常に近くで、パイロットが障害物と航空機1との間の最小距離を検索するときに、航空機1の駆動シャフト6を取り囲むセンサ10、10’、10”(または単一のセンサ10、10’、10”)を効果的に使用できる。このような状況の典型的な例は、船での離陸及び着陸の両方もしくは一方、または山岳もしくは海上救助作業などの緊急時の及びアクセスの悪い場所での両方または一方の救助または救難作業を行うことである。
【0107】
実際、このような場合、航空機1が障害物Oに近づきすぎたならば、パイロットに対して警告を発する必要があり、パイロットは警告にしたがって航空機1を引き戻す。
【0108】
このような状況において、センサ10、10’、10”(または単一のセンサ10、10’、10”)の掃引領域は主回転翼3の平面に非常に近い。したがって、センサ10、10’、10”(または単一のセンサ10)は、主回転翼3の平面に非常に近くかつ実質的にこれと一致する平面において、障害物Oの存在を検出する。
【0109】
したがって、主回転翼に非常に近い障害物の存在は直ちに検出され、これにしたがって警告が発せられる。
【0110】
安全領域Zのサイズが選択的に調節可能であるので、様々な作動状況に合わせて制御ユニット20の作用をユーザが適合させることができる。
【0111】
選択的に起動されるフィルタシステム30により、ユーザが特定の大気条件及び作動条件の両方又は一方によって引き起こされたノイズを排除できるようにする。
【0112】
制御措置20によって判断された推奨バックオフ方向Dは、ユーザが障害物Oから引き戻す際の貴重な支援となる。
【0113】
グラフィックインターフェイス35は、障害物Oの輪郭線37、方向D及び障害物Oに対する安全領域Zの輪郭線の位置の簡潔で読み取りやすい表示を1つの計器上でユーザに提供することにより、特に有利となる。したがって、方向D及び任意の所与の救助/救難作業に含まれる危険に関する全ての情報を、パイロットによって最小限の誤差マージンで直ちに吸収することができる。このことは安全にとって決定的要因でありうる。
【0114】
固定した障害物Oの場合に制御ユニット20が、センサ10、10’、10”によって判断されたヘリコプタの実際の運動法則を基準運動法則と比較するということは、センサ10、10’、10”の任意の機能不良についてパイロットが直ちに警告を受けることを意味する。
【0115】
少なくとも2つのセンサ10、10’によって測定された距離C、C’同士の間の相関を評価し、これに応じて距離値C、C’を修正することによって、制御ユニット20は、システムエラーなしに、パイロット及びグラフィックインターフェイス35に、警告信号と推奨バックオフ方向の非常に正確な表示との両方または一方を供給する。
【0116】
本発明の保護範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された航空機、方法及びグラフィックインターフェイス35に変更を加えることができることは明白である。
【0117】
具体的には、航空機は駆動シャフト6を取り囲むセンサ10を1つだけ備えてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホバリング可能な航空機(1)であって、
胴体(2)と、
前記胴体(2)の上面に取り付けられた回転翼(3)と、
前記胴体(2)から突出する、前記回転翼(3)を駆動する駆動シャフト(5)と、
平面掃引領域(R)を有し、かつ前記航空機(1)が操縦飛行しているときに前記平面掃引領域(R)内に在る障害物(O)上の第1の点(P)と前記航空機(1)上の第2の点(Q)との間のそれぞれの距離値(C、C’、C”)を入手するように構成された少なくとも1つのセンサ(10、10’、10”)と、
前記第1の点(P)のうちの少なくとも1つが前記航空機(1)上の前記第2の点(Q)を含む安全領域(Z)内に在るときに警告信号を発するように構成された制御ユニット(20)と、
を備える、
航空機において、
前記少なくとも1つのセンサ(10、10’、10”)が前記駆動シャフト(5)を取り囲む、
航空機。
【請求項2】
前記駆動シャフト(5)を取り囲む多数のセンサ(10、10’、10”)を備える、
請求項1に記載の航空機。
【請求項3】
前記安全領域(Z)のサイズが選択的にユーザにより調整可能である、
請求項1または2に記載の航空機。
【請求項4】
選択的にユーザにより起動されるフィルタ手段(30)を備え、
該フィルタ手段が、
前記センサ(10、10’、10”)によって入手された前記値を比較する比較ステージと、
前記センサ(10、10’、10”)によって入手された前記値を処理して前記入手された値のフィルタリングされた値を生成する生成ステージと、
を備える、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項5】
前記制御ユニット(20)が前記入手された値に基づいて前記障害物(O)からの推奨バックオフ方向(D)を判断するように構成される、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項6】
航空機(1)を自動的に制御する自動操舵システム(25)を備え、
前記制御ユニット(20)が、前記第1の点(P)のうちの少なくとも1つが前記安全領域(Z)内に在るときに、前記航空機(1)を前記障害物(O)から引き戻すために前記入手された値に基づいて前記自動操舵システム(25)を制御するように構成される、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項7】
前記自動操舵システム(25)が、前記推奨バックオフ方向(D)に対して平行の方向に前記航空機(1)を前記障害物(O)から引き離すように、前記制御ユニット(20)によって制御可能である、
請求項5に従属するときの請求項6に記載の航空機。
【請求項8】
前記センサ(10、10’、10”)から独立していると共に前記障害物(O)の位置に関係なく前記航空機(1)の基準運動法則を判断するように構成された検出手段(60、61)を備え、
前記制御ユニット(20)が、前記入手された値に基づいて前記航空機(1)の実際の運動法則を判断するように構成され、かつ、
前記制御ユニット(20)がさらに、使用時に、前記基準運動法則と前記実際の運動法則との間の差の有効値が所与の限界値を超えるときに、前記センサ(10、10’、10”)の機能不良を表示する機能不良信号を発するように構成される、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項9】
表示手段(36)を備え、
前記制御ユニット(20)が、前記表示手段(36)上に、
前記推奨バックオフ方向(D)の第1の表示(40)と、
前記第2の点(Q)の位置の第2の表示(38)と、
前記航空機(1)の全体的なサイズの第3の表示(39、46)と、
前記平面掃引領域(R)と前記障害物(O)の外表面との交差として画定された前記障害物(O)の輪郭線の第4の表示(37)と、
を表示することを命令するように構成される、
請求項5〜8のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項10】
航空機が、
第1の音響信号用の第1の変換器(50)と、
前記第1の変換器とは別個の、第2の音響信号用の第2の変換器(51)と、
を備え、
前記制御ユニット(20)が、
前記センサ(10、10’、10”)によって測定された前記距離(C、C’、C”)の最小値が第1のユーザ選択可能限界値よりも大きいときに、前記第1及び第2の変換器(50、51)を介して任意の音響信号を送信することを命令せず、
前記最小値が前記第1のユーザ選択可能限界値よりも小さくかつ第2のユーザ選択可能限界値よりも大きいときに、前記第1及び第2の変換器(50、51)を介して間欠的に音響信号を送信することを命令し、
前記最小値が前記第2のユーザ選択可能限界値よりも小さいときに、前記第1及び第2の変換器(50、51)を介して定常信号を送信することを命令する、
ように構成される、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項11】
前記制御ユニット(20)が、前記推奨バックオフ方向(D)を表示する音響信号を、前記第1及び第2の変換器(50、51)を介して送信することを命令するように構成される、
請求項5に従属するときの請求項10に記載の航空機。
【請求項12】
多数の表示(37、38、46、40、39、102)を表示する表示手段(36)を備えるグラフィックインターフェイス(35)において、
障害物(O)上のそれぞれの第1の点(P)と航空機(1)上の第2の点(Q)との間のそれぞれの距離値(C、C’、C”)に基づいて、制御ユニット(20)によって制御可能であり、
前記航空機(1)が回転翼(3)を備え、
前記値がセンサ(10、10’、10”)によって入手され、
前記グラフィックインターフェイス(35)が、
前記第2の点(Q)の場所の第1の表示(38)と、
前記航空機(1)の全体的なサイズの少なくとも1つの第2の表示(39、46)と、
平面掃引領域(R)と前記障害物(O)の外表面との交差として画定された前記障害物(O)の第1の輪郭線の第3の表示(37)と、
前記回転翼(3)の円盤形(7)の第2の輪郭線(105)の第4の表示(39)と、
を備え、
推奨バックオフ方向(D)の第5の表示と、
前記第3の表示(39、46)側の前記第2の輪郭線(105)と、前記第3の表示(39、46)の反対側の第3の輪郭線(104)によって境界を定められるエリア(102)とを備え、
前記エリア(102)が、前記障害物(O)に近い空間のエリアであって、前記航空機(1)が離れていなければならないエリアを表し、
前記第3の輪郭線(104)が、限界値よりも小さい前記第2の点(Q)からの距離に位置する前記第1の点(P)を表す少なくともいくつかの部分(115)を含む、
グラフィックインターフェイス。
【請求項13】
ホバリング可能な航空機(1)の操縦を支援する方法であって、
前記航空機が、
胴体(2)と、
前記胴体(2)の上面に取り付けられた回転翼(3)と、
前記胴体(2)から突出する、前記回転翼(3)を駆動する駆動シャフト(5)と、
を備え、
前記方法が、
前記航空機(1)が操縦飛行しているときに、第1のセンサ(10、10’、10”)の第1の平面掃引領域(R)内に在る障害物(O)上の複数の第1の点(P)と前記航空機(1)上の第2の点(Q)との間のそれぞれの第1の距離(C、C’、C”)の第1の値を入手するステップと、
前記航空機(1)上の前記第2の点(Q)を含む安全領域(Z)を画定するステップと、
前記第1の点(P)のうちの少なくとも1つが前記航空機(1)上の前記第2の点(Q)を含む前記安全領域(Z)内に在るときに、警告信号を発するステップと、
を含む、
方法において、
前記駆動シャフト(5)を取り囲む位置に前記第1のセンサ(10、10’、10”)を配置するステップを含む、
方法。
【請求項14】
前記駆動シャフト(5)を取り囲む位置に複数のセンサ(10、10’、10”)を配置するステップを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の値に基づいて前記航空機(1)の移動を自動的に制御して、少なくとも1つの前記第1の点(P)が前記安全領域(Z)内に在るときに前記航空機(1)を前記障害物(O)から引き離すステップを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法が、
前記第1の値に基づいて前記障害物(O)からの前記航空機(1)の推奨バックオフ方向(D)を判断するステップと、
前記推奨バックオフ方向(D)に対して平行の方向に前記障害物(O)から離れる前記航空機(1)の移動を自動的に制御するステップと、
を含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法が、
前記第1の値に基づいて前記航空機(1)の第1の実際の運動法則を判断するステップと、
前記第1の値に関係なく前記航空機(1)の基準運動法則を判断するステップと、
前記基準運動法則と前記第1の実際の運動法則との間の差の有効値を評価するステップと、
前記有効値が所与の限界値を超えるときに、前記第1のセンサ(10、10’、10”)の機能不良を示す機能不良信号を発するステップと、
を含む、
請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、
前記航空機が操縦飛行しているときに、第2のセンサ(10、10’、10”)の第2の平面掃引領域(R)内に在る前記障害物(O)上の第2の点(P)同士の間のそれぞれの第2の距離(C、C’、C”)の少なくとも第2の値を判断するステップと、
前記第2の値に基づいて前記航空機(1)の第2の実際の運動法則を判断するステップと、
前記第1及び第2の実際の運動法則と前記基準運動法則との間の相関を判断するステップと、
前記相関に基づいて前記第1の値及び前記第2の値の両方または一方を修正するステップと、
を含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、
前記センサ(10、10’、10”)によって測定された前記距離(C、C’、C”)の最小値が第1のユーザ選択可能限界値よりも大きいときに、第1及び第2の変換器(50、51)を介して任意の音響信号を送信することを命令しないステップと、
前記最小値が前記第1のユーザ選択可能限界値よりも小さくかつ第2のユーザ選択可能限界値よりも大きいときに、前記第1及び第2の変換器(50、51)を介して間欠的に音響信号を送信することを命令するステップと、
前記最小値が前記第2のユーザ選択可能限界値よりも小さいときに、前記第1及び第2の変換器(50、51)を介して定常信号を送信することを命令するステップと、
を含む、
請求項13〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
実行されるときに請求項13〜19のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するように設計された、前記航空機(1)の制御ユニット(20)にロードすることが可能なソフトウェア製品。

【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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