説明

ホメオボックス遺伝子の発現による癌の判定方法

(課題) 本発明の課題は、癌の存在、癌の転移の可能性、癌の浸潤の可能性、および癌の進行度を判定および/または診断するための有用な方法およびキットを提供することにある。 (解決手段) 癌の存在、癌の転移の可能性、癌の浸潤の可能性、または癌の進行度を判定する方法であって、(1)被験者から採取した組織の少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量を測定する工程、(2)前記HOX遺伝子の発現量を対応する閾値HOX遺伝子発現量と比較する工程、を含み、ここで、前記HOX遺伝子の発現量が閾値HOX遺伝子発現量より高い場合または低い場合に、癌が存在する、癌の転移の可能性がある、癌の浸潤の可能性がある、または、癌が進行している、と判定される方法を用いる。また、HOX遺伝子の発現量を測定する手段を備えた、癌の存在、癌の転移の可能性、癌の浸潤の可能性、癌の進行度を判定するためのキットを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、ホメオボックス遺伝子の発現量および発現パターンを測定することにより、癌の存在、癌の転移の可能性、癌の浸潤の可能性、または癌の進行度を判定および/または診断する方法、およびキットに関する。
【背景技術】
ホメオボックス遺伝子は、胚発生の形態形成のマスター調節遺伝子であり、転写因子をコードしている。ホメオボックス遺伝子の1ファミリーであるHOX遺伝子群は、4つの染色体に存在し、各染色体上には9から11個の遺伝子からなるクラスターを形成している。現在、HOXファミリーに属する遺伝子は、ヒトでは39個の遺伝子が同定されている。39個のHOX遺伝子は、胚発生の形態形成過程では時間的、空間的に統制のとれた発現パターンを示す。HOX遺伝子は、細胞の持つ位置情報(番地)の担い手であり、その発現パターンが発現領域における組織構築や機能の特異化を決定している。HOX遺伝子は、胎生期だけでなく成体においても臓器、組織に特徴的な発現パターンを示し、組織構築や機能の維持に一役を担っていると考えられる。
一方、一般に癌が転移性および/または浸潤性のものであるかどうかを判定および/または診断することは容易ではなく、さらにどの部位に転移するのかを事前に判定および/または診断することは、事実上不可能である。また、癌の存在やその進行度を判定および/または診断する方法については、多くの提案がなされているが、まだ改善の余地がある。
ところで、癌とHOX遺伝子の発現との関連については、いくつかの報告がなされている(例えば、Cillo C,et al,J.Cell Physiol 188:161−169,2001;Cillo C,Invasion Metastasis 14:38−49,1994−95;Tiberi C,et al,Int.J.Cancer 58:608−615,1994;Calvo R,et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:12776−12781,2000;Taniguchi Y,et al,Bioscim Ciophys Acta 1132:332−334,1992)。しかし、これらの報告には、HOX遺伝子の発現量を測定し、これに基づいて癌の存在、癌の転移の可能性、癌の浸潤の可能性、癌の進行度を判定および/または診断することについては記載されていない。また、複数のHOX遺伝子の発現量を用いることにより、これらの判定および/または診断の精度が向上することについても知られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、癌の存在、癌の転移の可能性、癌の浸潤の可能性、および癌の進行度を判定および/または診断するための有用な方法およびキットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
癌における組織構築の乱れや浸潤、転移といった現象は、細胞の持つ位置情報(番地)の異常が原因と捉えることができる。即ち、間違った番地には住めないから癌細胞は原発巣から出て行き、番地にあった転移巣へ移住するというのが浸潤、転移であると考えることができる。したがって、HOX遺伝子によって位置情報が決められているのであれば、癌組織のHOX遺伝子の発現パターンを解析すれば、その癌が転移しやすいのか、またどこの臓器に転移するのかわかるはずである。本発明者らは、上記の発想の下に研究を進めた結果、HOX遺伝子の発現量を測定し、これをあらかじめ決定した閾値HOX遺伝子の発現量と比較することにより、癌の存在、癌の転移の可能性、癌の浸潤の可能性、および癌の進行度を判定および/または診断できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、癌の存在、癌の転移の可能性、癌の浸潤の可能性、または癌の進行度を判定および/または診断する方法であって、
(1)被験者から採取した組織の少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量を測定する工程、
(2)前記HOX遺伝子の発現量を対応する閾値HOX遺伝子発現量と比較する工程、
を含み、
ここで、前記HOX遺伝子の発現量が閾値HOX遺伝子発現量より高い場合または低い場合に、癌が存在する、癌の転移の可能性がある、癌の浸潤の可能性がある、または、癌が進行している、と判定および/または診断される方法、に関連する。
さらに、本発明は、HOX遺伝子の発現量を測定する手段を備えた、癌の存在、癌の転移の可能性、癌の浸潤の可能性、癌の進行度を判定および/または診断するためのキットに関連する。
【図面の簡単な説明】
図1は、ヒトの正常臓器の各HOX遺伝子の発現量を測定した結果を示す。
図2は、甲状腺癌細胞株8株(IAA,MSA,K−119,ROA,KOA−2,8305C,8505C,TCO−1)と正常甲状腺におけるHOX遺伝子の発現量を測定した結果を示す
図3は、ヒト甲状腺癌細胞の浸潤能を評価した結果を示す。
図4は、ヒト甲状腺細胞の浸潤能とHOX遺伝子の発現量との関係を示す。
図5は、ヒト胃癌組織におけるHOX遺伝子の発現量を示す。
図6は、リンパ節転移または肝転移のあるヒト胃癌組織におけるHOX遺伝子の発現量を示す。
図7は、ヒト肝癌組織におけるHOX遺伝子の発現量を示す。
図8は、浸潤によるヒト肝癌組織におけるHOX遺伝子の発現量および各進行度におけるヒト肝癌組織におけるHOX遺伝子の発現量を示す。
図9は、ヒト乳癌組織におけるHOX遺伝子の発現量を示す。
図10は、検体別のヒト乳癌組織におけるHOX遺伝子の発現量を示す。
図11は、ヒト大腸癌組織におけるHOX遺伝子の発現量を示す。
図12は、検体別のヒト大腸癌組織におけるHOX遺伝子の発現量を示す。
図13は、肝転移のあるヒト大腸癌組織におけるHOX遺伝子の発現量を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明において、HOX遺伝子の発現量を測定する方法または手段としては、その発現を定量することができるものであれば特に制限はないが、PCRを用いた以下の方法が好ましい。即ち、組織または細胞から全RNAを抽出し、この全RNAに対するcDNAを逆転写反応により得た後、例えば表1に示されるプライマーペアを用いて定量的PCRにより各HOX遺伝子の発現量を測定することができる。この場合、最初のRNA量に依存したサンプル間のばらつきをなくすために、例えば、β−アクチン遺伝子またはG3PDH遺伝子等の細胞内で安定して発現する遺伝子を内部標準として用いることができる。そして、これら内部標準遺伝子の発現についても同様の定量を行い、HOX遺伝子の発現量をこれら内部標準遺伝子の発現量で割って規格化した値を、HOX遺伝子発現量として用いてもよい。また、HOX遺伝子の発現量を測定する他の方法または手段としては、例えば、DNAチップを用いるものや、HOX遺伝子産物に対する抗体を用いるものなどを挙げることができる。特に、本発明のキットに用いるHOX遺伝子の発現量を測定する手段としては、DNAチップまたは抗体を用いるものが簡便であり、好ましい。
本発明に用いられる閾値HOX遺伝子発現量としては、本発明の判定および/または診断ができるものであれば特に制限はないが、例えば、正常な組織におけるHOX遺伝子の発現量、癌組織におけるHOX遺伝子の発現量、転移能および/または浸潤能を有しない癌組織のHOX遺伝子の発現量、転移能および/または浸潤能を有する癌組織のHOX遺伝子の発現量、I期ないしIV期からなる群より選ばれる少なくとも1つの進行度の癌組織におけるHOX遺伝子の発現量等を挙げることができる。また、例えば、正常な組織と癌組織との間でHOX遺伝子の発現量が異なる場合、これらをあらかじめ求めておき、これらの間で任意にカットオフ値を設定し、これを閾値HOX遺伝子発現量とすることもできる。同様に、浸潤能のある組織とない組織、転移能のある組織とない組織、進行度の異なる組織間におけるHOX遺伝子発現量の違いをあらかじめ求めておき、これらの間で閾値HOX遺伝子発現量を設定することもできる。
そして、被験者から採取した組織の少なくとも1つのHOX遺伝子発現量が、判定および/または診断の目的に応じてあらかじめ決定した閾値HOX遺伝子発現量より高い場合または低い場合に、癌が存在する、癌の転移の可能性がある、癌の浸潤の可能性がある、または、癌が進行していると判定および/または診断されることとなる。さらに、転移や浸潤に関しては、どの部位に転移や浸潤が起こるのかを判定および/または診断することも可能となる。
本発明において比較されるHOX遺伝子の数としては、少なくとも1つであるが、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上、さらに好ましくは4つ以上である。比較されるHOX遺伝子の数が多いほど、判定および/または診断の精度が向上することとなる。
本発明で対象となる癌としては、細胞の増殖異常に起因する疾患であれが特に制限はないが、例えば、甲状腺癌、胃癌、肝癌、乳癌、大腸癌、脳腫瘍、腎臓癌、膵臓癌、胆嚢・胆道癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮癌、骨肉腫等を挙げることができる。また、原発巣不明の癌(転移巣しか見いだせない癌)についても、HOX遺伝子の発現を調べることにより、その起源を明らかにすることができるようになる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに説明するが、実施例は例示のためのものであり、本発明を限定するものではない。
【実施例】
1.HOX遺伝子の発現量の測定方法
(プライマーペアの設計)
HOX遺伝子の塩基配列をPrimer ExpressR(Applied Biosystems Japan)に入力し、各HOX遺伝子間でホモロジーの高い領域を排除してプライマーを設計した。得られたプライマーペアにより増幅される領域をSmith−Waterman DNA Serch(SWsrchPrograms:http://www.dna.affrc.go.jp/htdocs/SWsrch/index.html)で解析し、他の遺伝子を増幅する可能性のないことを確認した。
さらに設計したプライマーペアを用いて得られるPCR産物が目的のHOX遺伝子であることを次のようにして確認した。まず、被験者から採取した組織から、TRIzol reagent(Invitrogen,Carlsbad,CA)を用いて、全RNAを抽出した。そして、3μgの全RNAを、4U/μLのモロニーウサギ白血病ウイルス転写酵素(Invitrogen)、7.5mMのジチオスレイトール、0.5mMのMgCl、0.5μMのdNTP、2μMのランダムプライマーを含んだ全量50μLの反応液中で37℃で2時間反応させて逆転写を行い、cDNAを得た。そして、1μLのcDNAを用いて、15mMのTris−HCl(pH8.05)、50mMのKCl、1.5mMのMgCl、200μMのdNTP、400nMのプライマー、0.1U/μLのAmpliTaqGold DNA ポリメラーゼ(Applied Biosystems Japan)を含む25μLの反応液中でPCR反応を行った。PCRは、95℃、10分の初期変性を行った後、94℃で40秒、60℃で40秒、72℃で1分のサイクルを35サイクル行った。PCR産物は、TOPO−TAクローニングキット(Invitrogen)でクローニングし、pCR2.1−HOXプラスミドベクターを得た。内部標準としてのβ−アクチン遺伝子およびグリセロール−3−ホスフェイトデヒドロゲナーゼ(G3PDH)遺伝子についても同様にクローニングを行い、pCR2.1−β−アクチンプラスミドベクターおよびpCR2.1−G3PDHプラスミドベクターを得た。これらのプラスミドベクターを鋳型にして、DYEnamicTM ET ターミネーターサイクルシークエンシングキット(Amersham Biosciences、Tokyo)を用いてシークエンス反応を行い、シークエンサーABI PRISM377(Applied Biosystems Japan)で塩基配列を決定した。その結果、表1に示すプライマーペアは、各HOX遺伝子を特異的に増幅できることを確認した。
(検量線の作成)
上記で得たpCR2.1−HOXプラスミドベクターの5×10〜5個を鋳型として、表1に示したプライマーペアとQuantiTextTMSYBRGreenPCRマスターミックス(Qiagen,Tokyo)を加えた全量20μLの反応液を、初期変成(95℃、15分)の後、95℃で15秒、60℃で30秒、72℃で1分、を1サイクルとして、40サイクルのPCRによる増幅を行った。これらの初期の既知量の対数値に対して、目的遺伝子のPCR反応生成物量が一定量(レポーター(SYBRGreen)の蛍光強度で0.3)に到達するのに必要なPCRのサイクル数(Ct)をプロットし、検量線を作成した。各HOX遺伝子の発現は、5×10〜10コピーの範囲で定量可能であった。また、内部標準としてのpCR2.1−β−アクチンプラスミドベクターおよびpCR2.1−G3PDHプラスミドベクターについても、5×10〜10個を鋳型として、同様に検量線を作成した。
(HOX遺伝子発現量の定量)
被験者から採取した組織または細胞から、TRIzol reagent(Invitrogen,Carlsbad,CA)を用いて、全RNAを抽出した。1μgの全RNAを用いて、TaqManRT緩衝液(Applied Biosystems Japan)、5.5mMのMgCl、500μMのdNTP、2.5μMのランダムヘキサマー、0.4U/μLのRNaseインヒビター、1.25U/μLのMultiScribeTM逆転写酵素を含む100μLの反応液中で、25℃で10分、48℃で30分、95℃で5分間反応させ、cDNAを得た。そして、2μLのcDNAを鋳型にして、表1に示したプライマーペアとQuantiTectTMSYBRGreenPCRマスターミックス(Qiagen、Tokyo)を加えた全量20μLの反応液を、初期変成(95℃、15分)の後、95℃で15秒、60℃で30秒、72℃で1分を1サイクルとして、40サイクルの増幅を行った。
そして、レポーターの蛍光強度が0.3となるのに必要なサイクル数から、検量線を用いて内挿法により初期量を求めた。そして、最初のRNA量に依存したサンプル間のばらつきをなくすために、内部標準として用いたβ−アクチン遺伝子またはG3PDH遺伝子の初期量で各HOX遺伝子の初期量を規格化した量((HOX遺伝子の初期量/β−アクチンまたはG3PDHの初期量)×100)を、HOX遺伝子の発現量とした。
なお、40サイクルの反応終了後、95℃で15秒、60℃で15秒、95℃で15秒の反応を行い、解離曲線を描き、得られたPCR産物が単一のTm値を持つことを確認した。これにより、表1に示したプライマーペアを用いて定量的リアルタイムRT−PCRを行った場合、プライマーダイマーなどの非特異的なPCR産物が生じないことを確認した。
2.ヒト正常臓器におけるHOX遺伝子発現量の測定例
上記の方法を用いて、ヒトの正常臓器の各HOX遺伝子の発現量を測定した結果を表2および図1に示す。図1では、最も発現量の高いものを白色、発現のないものを黒色で表している。発現しているHOX遺伝子の種類は、頭部側に位置する臓器ほど少なく、尾部側の臓器ほど多いことがわかる。また、HOXパラログの番号の大きい遺伝子(例えば、HOX12、HOX13等の、HOXクラスターのなかでも、より5’側のゲノムに位置しているもの)ほど、尾部側の臓器で発現が高いことがわかる。
3.甲状腺癌細胞株におけるHOX遺伝子発現量の測定
甲状腺癌細胞株8株(IAA,MSA,K−119,ROA,KOA−2,8305C,8505C,TCO−1)と正常甲状腺におけるHOX遺伝子発現量を測定した結果を図2に示す。なお、IAA,MSA,K−119,ROA,KOA−2は、大阪大学大学院医学研究科病態制御外科より、8305C,8505C,TCO−1は、The Health Science Research Resources Bank(Sennan,Japan)より得た。また、正常甲状腺は、RNAをBD Biosciences Clonteck Japan(Tokyo,Japan)より得た。図2より、パラログ9から13のHOX遺伝子の発現に特に差があることがわかった。例えば、HOXD9は正常甲状腺では発現しているが、癌細胞では全く発現が見られなかった。また、HOXA10、HOXA11、HOXA13、HOXB9、HOXB13、HOXC10、HOXC11、HOXC13、HOXD11、HOXD12は正常甲状腺では発現していないが、癌細胞では発現しているものがみられた。したがって、正常甲状腺におけるHOX遺伝子発現量を閾値HOX遺伝子発現量とし、HOXD9の発現量が、正常甲状腺のHOXD9の発現量より低い場合に、甲状腺癌が存在すると判定および/または診断されることとなる。例えば、図2より、閾値HOX遺伝子発現量として、0.001〜0.01を設定することができる。また、正常甲状腺におけるHOX遺伝子発現量を閾値HOX遺伝子発現量とし、HOXA10、HOXA11、HOXA13、HOXB9、HOXB13、HOXC10、HOXC11、HOXC13、HOXD11、HOXD12からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、対応する正常甲状腺におけるHOX遺伝子発現量より高い場合に、甲状腺癌が存在すると判定および/または診断されることとなる。例えば、図2より、それぞれの閾値HOX遺伝子発現量として、HOXA10について0.001、HOXA11について0.001、HOXA13について0.001、HOXB9について0.01、HOXB13について0.01、HOXC10について0.001、HOXC11について0.001、HOXC13について0.0001、HOXD11について0.0001、HOXD12について0.001を設定することができる。
次に、8株の甲状腺癌細胞のin vitroにおける浸潤能を内皮下基底膜のモデルであるマトリゲルTMに対する浸潤アッセイにより評価した。浸潤アッセイは、8μmの小孔の開いたフィルターで上下に仕切られたチャンバー(BD BioCoat Matrigel Invasion Chamber,Becton Dickinson,Bedford,MA)を用いて行った。フィルターの上面には、あらかじめマトリゲルのバリアが形成されている。500μlの培養液に懸濁した2万個の癌細胞を上室に入れ、下室には750μlのウシフィブロネクチンを含んだ培養液を注入した。24時間COインキュベーターで培養後、細胞をホルマリンで固定し、ギムザ染色を施し、フィルター上面の細胞を綿棒で拭い去った。顕微鏡下でフィルター下面の細胞を観察し、200倍の視野あたりの細胞数により浸潤能を評価した。結果を図3に示す。IAAおよびROA細胞は、他の6株に比べ浸潤能が低いことがわかった。次に、高浸潤株と低浸潤株とを区別できるHOX遺伝子を前方選択による特徴選択アルゴリズムにより解析し、HOXB6、HOXB13およびHOXD4を選定した。いずれの発現も低浸潤株で低い傾向にある。そして、この3つの遺伝子のうちの2つ以上、好ましくは3つすべてを組み合わせることにより、浸潤能をより高い精度で判定および/または診断できるようになった(図4)。即ち、IAAまたはROA細胞におけるHOX遺伝子発現量を閾値HOX遺伝子発現量とし、HOXB6、HOXB13、HOXD4からなる群より選ばれる少なくとも1つの、好ましくは2つの、最も好ましくは3つのHOX遺伝子の発現量が、対応する閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、浸潤する可能性のある甲状腺癌であると判定および/または診断されることとなる。例えば、IAA細胞におけるHOXB6、HOXB13、HOXD4の閾値を、それぞれ0.002、0.00007、0.0002と、ROA細胞におけるHOXB6、HOXB13、HOXD4の閾値を、それぞれ0.008、0.0002、0.00004と、設定することができる。
4.胃癌におけるHOX遺伝子発現量の測定
胃癌の手術検体(癌部21例、非癌部6例)のHOX遺伝子発現量を測定した結果を図5に示す。図5より、胃癌組織では、HOXB5、HOXB6、HOXB7、HOXB9、HOXC6、HOXC8、HOXC9、HOXC10、HOXC11の発現量が、非癌部組織に比べて有意に高かった(Mann−WhitneyのU検定、p<0.01)。したがって、非癌部組織のHOX遺伝子発現量を閾値HOX遺伝子発現量として、HOXB5、HOXB6、HOXB7、HOXB9、HOXC6、HOXC8、HOXC9、HOXC10、HOXC11からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、対応する閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、胃癌が存在すると判定および/または診断されることとなる。例えば、閾値をHOXB5について0.2、HOXB6について0.3、HOXB7について0.3、HOXB9について0.1、HOXC6について0.07、HOXC8について0.04、HOXC9について0.05、HOXC10について0.07、HOXC11について0.07と設定することができる。
また、胃癌組織の中でも、リンパ節転移のある症例(14例)は、これのない症例(7例)に比べ、HOXB6(p<0.01)、HOXB5、HOXB7、HOXB8およびHOXB9(p<0.05)の発現量が有意に高かった(図6参照)。したがって、リンパ節転移のない症例のHOX遺伝子発現量を閾値HOX遺伝子発現量として、HOXB5、HOXB6、HOXB7、HOXB8、HOXB9、HOXD11からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、リンパ節転移する可能性のある胃癌であると判定および/または診断されることとなる。
さらに、HOXB6において、(HOX遺伝子の初期量/B−アクチンの初期量)×100で表されるHOX遺伝子の発現量が0.243と0.301の間にカットオフ値を設定すると、各群の1例を除きリンパ節転移の有無を判定および/または診断できた。また、HOXB5は0.372以上、HOXB7は0.333以上、HOXB8は0.05以上の場合、各々1例を除きリンパ節転移があると判定および/または診断できた。なお、特異値を示した症例(st95およびst110)は、複数のHOX遺伝子において同様に特異値を示すため、リンパ節に微小転移(組織学的検索では検出不可能なほど小さな転移巣の形成)を起こしている可能性も考えられる。したがって、HOXB5、HOXB6、HOXB7、HOXB8、HOXB9の閾値HOX遺伝子発現量を、それぞれ0.372、0.243、0.333、0.05、0.084、として、HOXB5、HOXB6、HOXB7、HOXB8、HOXB9からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、リンパ節転移する可能性のある胃癌であると判定および/または診断されることとなる。
また、胃癌組織の中でも、肝転移のある症例(5例)は、これのない症例(16例)に比べ、HOXD11の発現量が有意に高かった(p<0.05)。したがって、肝転移のない症例のHOX遺伝子発現量を閾値HOX遺伝子発現量として、HOXD11の発現量が、対応する閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、肝転移する可能性のある冑癌であると判定および/または診断されることとなる。例えば、肝転移に関するHOXD11の閾値を0.036に設定することができる。
5.肝癌におけるHOX遺伝子発現量の測定
肝癌組織(25例)と非癌部組織(19例)のHOX遺伝子発現量を測定した結果を図7に示す。なお、非癌部組織は、病理組織学的に硬変肝、線維肝、慢性肝炎および正常と診断された組織である。図7より、非癌部組織で発現のあったHOX遺伝子は、パラログ2からパラログ5に属するものであり、その発現レベルは、HOXB2、HOXB3、HOXB4を除いて極めて低く、β−アクチン遺伝子発現との相対比で0.1%以下であった。一方、癌組織は、ほとんどすべてのHOX遺伝子を発現していたが、例外的にHOXB6、HOXB9、HOXD11を発現している癌組織はほとんどみられなかった。そして、癌組織と非癌組織のHOX遺伝子の発現量を比較すると、39個のうち28個のHOX遺伝子の発現量が癌組織において有意に高いことが明らかとなった(Mann WhitneyのU検定、p<0.01)。具体的には、HOXA3、HOXA5、HOXA6、HOXA7、HOXA9、HOXA10、HOXA11、HOXA13、HOXB1、HOXB6、HOXB7、HOXB8、HOXB9、HOXB13、HOXC5、HOXC6、HOXC8、HOXC9、HOXC10、HOXC11、HOXC12、HOXC13、HOXD1、HOXD3、HOXD4、HOXD8、HOXD9、HOXD10の発現量が有意に高く、特にHOXA9、HOXC9、HOXD4、HOXD9において、その差が大きかった。したがって、非癌部組織のHOX遺伝子発現量を閾値HOX遺伝子発現量として、HOXA3、HOXA5、HOXA6、HOXA7、HOXA9、HOXA10、HOXA11、HOXA13、HOXB1、HOXB6、HOXB7、HOXB8、HOXB9、HOXB13、HOXC5、HOXC6、HOXC8、HOXC9、HOXC10、HOXC11、HOXC12、HOXC13、HOXD1、HOXD3、HOXD4、HOXD8、HOXD9、HOXD10からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、肝癌が存在すると判定および/または診断されることとなる。例えば、閾値としては、HOXA3について0.145、HOXA5について0.310、HOXA6について0.275、HOXA7について0.017、HOXA9について0.166、HOXA10について0.064、HOXA11について0.021、HOXA13について0.266、HOXB1について0.029、HOXB6について0.053、HOXB7について0.066、HOXB8について0.090、HOXB9について0.036、HOXB13について0.019、HOXC5について0.290、HOXC6について0.023、HOXC8について0.031、HOXC9について0.147、HOXC10について0.021、HOXC11について0.036、HOXC12について0.021、HOXC13について0.050、HOXD1について0.021、HOXD3について0.028、HOXD4について1.486、HOXD8について0.044、HOXD9について0.089、HOXD10について0.007をそれぞれ設定することができる。
次に、門脈、肝動脈、肝静脈、または胆管への癌細胞浸潤のみられた組織では、これがみられなかった組織と比べ、HOXA5(p<0.01)、HOXA2、HOXA4、HOXA6、HOXA7、HOXA9、HOXA10、HOXB1、HOXB5、HOXB7、HOXB8、HOXB13、HOXC4、HOXC5、HOXC8、HOXC9、HOXC10、HOXC11、HOXD1(p<0.05)の発現量の低下が認められた(図8(1)参照)。したがって、癌細胞浸潤のみられた組織のHOX遺伝子発現量を閾値HOX遺伝子発現量として、HOXA2、HOXA4、HOXA5、HOXA6、HOXA7、HOXA9、HOXA10、HOXB1、HOXB5、HOXB7、HOXB8、HOXB13、HOXC4、HOXC5、HOXC8、HOXC9、HOXC10、HOXC11、HOXD1からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より低い場合に、門脈、肝動脈、肝静脈、または胆管に浸潤する可能性がある肝癌であると判定および/または診断されることとなる。例えば、閾値としては、HOXA2について0.061、HOXA4について0.045、HOXA5について0.065、HOXA6について0.027、HOXA7について0.025、HOXA9について0.142、HOXA10について0.067、HOXB1について0.025、HOXB5について0.067、HOXB7について0.053、HOXB8について0.017、HOXB13について0.015、HOXC4について0.068、HOXC5について0.038、HOXC8について0.017、HOXC9について0.158、HOXC10について0.024、HOXC11について0.032、HOXD1について0.043を設定することができる。
なお、ここで示した脈管侵襲を伴った肝癌組織におけるHOX遺伝子のうち、HOXA5、HOXA6、HOXA7、HOXA9、HOXA10、HOXB1、HOXB7、HOXB8、HOXB13、HOXC5、HOXC8、HOXC9、HOXC10、HOXC11、HOXD1の15のHOX遺伝子の発現量は、非癌部組織の発現量と同程度であるため、これら15のHOX遺伝子の発現量は、肝癌と診断されたものについての脈管侵襲の可能性の判定および/または診断に利用することができる。そして、HOXA3、HOXA11、HOXA13、HOXB6、HOXB9、HOXC6、HOXC12、HOXC13、HOXD3、HOXD4、HOXD8、HOXD9およびHOXD10遺伝子の発現量を、正常か肝癌かを判定および/または診断することに用いるなど、目的に応じた使い分けをすることにより、より有用な指標とすることができる。
さらに、癌の進行度をI、II期とIII、IV期に分けて比較すると、III、IV期の組織のHOXB1およびHOXA4遺伝子の発現が、I、II期のものより低かった(p<0.05)(図8(2)、(3)参照)。したがって、I期またはII期におけるHOX遺伝子発現量を閾値HOX遺伝子発現量として、HOXA4および/またはHOXB1の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より低い場合に、III期またはIV期に進行した肝癌であると判定および/または診断されることとなる。例えば、閾値をHOXA4について0.045、HOXB1について0.059と設定することができる。
6.乳癌におけるHOX遺伝子発現量の測定
乳癌の手術検体(癌部26例、非癌部6例)のHOX遺伝子発現量を測定した結果を図9に示す。図9に示すように、乳癌組織におけるHOXA1、HOXA2、HOXA3、HOXA5、HOXA9、HOXD3、HOXD4、HOXD8、HOXD9、HOXD10の発現量が、非癌部組織に比べて有意に低かった(Mann−WhitneyのU検定、p<0.01)。なお、これら10のHOX遺伝子の発現量を検体別に棒グラフで図10に示す。これより、3、4例の検体を除き、非癌部組織の発現量より、癌分組織の発現量の方が低いことが明らかである。特に、HOXA1、HOXA3、HOXA9、HOXD3では、3、4例の検体を除き、非癌部組織の発現量の最低値より、癌分組織の発現量の方が低いことが明らかである。したがって、非癌部組織におけるHOX遺伝子発現量を閾値HOX遺伝子発現量として、HOXA1、HOXA2、HOXA3、HOXA5、HOXA9、HOXD3、HOXD4、HOXD8、HOXD9、HOXD10からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より低い場合に、乳癌が存在すると判定および/または診断されることとなる。例えば、閾値として、HOXA1について0.058、HOXA2について0.257、HOXA3について0.090、HOXA5について0.278、HOXA9について0.130、HOXD3について0.179、HOXD4について0.170、HOXD8について0.446、HOXD9について0.170、HOXD10について0.033を設定することができる。
7.大腸癌におけるHOX遺伝子発現量の測定
大腸癌の手術検体(癌部30例、非癌部20例)のHOX遺伝子発現量を図11に示す。図11より、大腸癌組織では、HOXA9、HOXB2、HOXB3、HOXB8、HOXB9の発現量が、非癌部組織に比べて有意に高かった(Mann−WhitneyのU検定、p<0.01)。一方、HOXD1、HOXD3、HOXD4の発現量は、非癌部組織に比べて有意に低かった(p<0.01)。なお、図12に、これら8つのHOX遺伝子発現量を検体別に点グラフで示す。したがって、非癌部組織におけるHOX遺伝子発現量を閾値HOX遺伝子発現量として、HOXA9、HOXB2、HOXB3、HOXB8、HOXB9からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より高いか、および/または、HOXD1、HOXD3、HOXD4からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より低い場合に、大腸癌が存在すると判定および/または診断されることとなる。例えば、閾値としては、HOXA9について1.232、HOXB2について0.660、HOXB3について0.703、HOXB8について0.678、HOXB9について0.632、HOXD1について0.075、HOXD3について0.028、HOXD4について0.103を設定することができる。
また、癌組織の中で、肝転移のある症例(10例)とない症例(20例)についてHOX遺伝子発現量を測定した結果を図13に示す。肝転移症例では、HOXA4、HOXB1、HOXC12、HOXC13の発現量が、肝転移のない症例に比べ有意に高いことが明らかとなった(Mann−WhitneyのU検定、p<0.01)。したがって、肝転移のない症例のHOX遺伝子発現量を閾値HOX遺伝子発現量として、HOXA4、HOXB1、HOXC12、HOXC13からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、肝転移の可能性のある大腸癌であると判定および/または診断されることとなる。
さらに、図11より、(HOX遺伝子の初期量/β−アクチンの初期量)×100で表されるHOX遺伝子の発現量について、HOXA4は0.062と0.083の間、HOXB1は0.006と0.007の間、HOXC12は0.008と0.011の間、HOXC13は0.017と0.018の間、にそれぞれカットオフ値を設定すると、3つ以上のHOX遺伝子においてその発現量がカットオフ値を上回っている症例は、肝転移を起こしている可能性が高い(70%)と判定および/または診断できた。したがって、HOXA4、HOXB1、HOXC12、HOXC13の閾値HOX遺伝子発現量を、それぞれ0.062、0.006、0.008、0.017とし、HOXA4、HOXB1、HOXC12、HOXC13からなる群より選ばれる少なくとも1つの、好ましくは2つの、より好ましくは3つの、最も好ましくは4つすべての、HOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、肝転移の可能性のある大腸癌であると判定および/または診断されることとなる。
なお、肝転移のない20例のうちの2例において、これらのHOX遺伝子のうちの3つの発現量がカットオフ値以上であったが、これらについては、今後肝転移を起こす可能性があると考えられる。




【配列表】














【図1】




【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】


【図11】

【図12】


【図13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌の存在、癌の転移の可能性、癌の浸潤の可能性、または癌の進行度を判定する方法であって、
(1)被験者から採取した組織の少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量を測定する工程、
(2)前記HOX遺伝子の発現量を対応する閾値HOX遺伝子発現量と比較する工程、
を含み、
ここで、前記HOX遺伝子の発現量が閾値HOX遺伝子発現量より高い場合または低い場合に、癌が存在する、癌の転移の可能性がある、癌の浸潤の可能性がある、または、癌が進行している、と判定される方法。
【請求項2】
少なくとも2つのHOX遺伝子の発現量を測定する、請求の範囲第1項に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも3つのHOX遺伝子の発現量を測定する、請求の範囲第1項に記載の方法。
【請求項4】
癌が、甲状腺癌、胃癌、肝癌、乳癌、大腸癌からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
HOXD9の発現量が、対応する閾値HOX遺伝子発現量より低い場合に、甲状腺癌が存在すると判定される、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
HOXA10、HOXA11、HOXA13、HOXB9、HOXB13、HOXC10、HOXC11、HOXC13、HOXD11、HOXD12からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、対応する閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、甲状腺癌が存在すると判定される、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
HOXB6、HOXB13、HOXD4からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、対応する閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、浸潤する可能性のある甲状腺癌であると判定される、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
HOXB6、HOXB13、HOXD4からなる群より選ばれる少なくとも2つのHOX遺伝子の発現量が、対応する閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、浸潤する可能性のある甲状腺癌であると判定される、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
HOXB6、HOXB13、およびHOXD4の発現量が、対応する閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、浸潤する可能性のある甲状腺癌であると判定される、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
HOXB5、HOXB6、HOXB7、HOXB9、HOXC6、HOXC8、HOXC9、HOXC10、HOXC11からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、対応する閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、胃癌が存在すると判定される、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
HOXB5、HOXB6、HOXB7、HOXB8、HOXB9からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、対応する閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、リンパ節転移する可能性のある胃癌であると判定される、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
HOXD11の発現量が、対応する閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、肝転移する可能性のある胃癌であると判定される、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
HOXA3、HOXA5、HOXA6、HOXA7、HOXA9、HOXA10、HOXA11、HOXA13、HOXB1、HOXB6、HOXB7、HOXB8、HOXB9、HOXB13、HOXC5、HOXC6、HOXC8、HOXC9、HOXC10、HOXC11、HOXC12、HOXC13、HOXD1、HOXD3、HOXD4、HOXD8、HOXD9、HOXD10からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、肝癌が存在すると判定される、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
HOXA9、HOXC9、HOXD4、HOXD9からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、肝癌が存在すると判定される、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
HOXA2、HOXA4、HOXA5、HOXA6、HOXA7、HOXA9、HOXA10、HOXB1、HOXB5、HOXB7、HOXB8、HOXB13、HOXC4、HOXC5、HOXC8、HOXC9、HOXC10、HOXC11、HOXD1からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より低い場合に、門脈、肝動脈、肝静脈、または胆管に浸潤する可能性がある肝癌であると判定される、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
HOXA4および/またはHOXB1の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より低い場合に、進行した肝癌であると判定される、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
HOXA1、HOXA2、HOXA3、HOXA5、HOXA9、HOXD3、HOXD4、HOXD8、HOXD9、HOXD10からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より低い場合に、乳癌が存在すると判定される、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
HOXA1、HOXA3、HOXA9、HOXD3からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より低い場合に、乳癌が存在すると判定される、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
HOXA9、HOXB2、HOXB3、HOXB8、HOXB9からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より高いか、および/または、HOXD1、HOXD3、HOXD4からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より低い場合に、大腸癌が存在すると判定される、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
HOXA4、HOXB1、HOXC12、HOXC13からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量が、閾値HOX遺伝子発現量より高い場合に、肝転移の可能性のある大腸癌であると判定される、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
閾値HOX遺伝子発現量が、正常な組織のHOX遺伝子の発現量である、請求の範囲第1項ないし第6項、第10項、第13項、第14項、第17項ないし第19項のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
閾値HOX遺伝子発現量が、転移能および/または浸潤能を有しない癌組織のHOX遺伝子の発現量である、請求の範囲第1項ないし第4項、第1項ないし第9項、第11項、第12項、第15項、第20項のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
閾値HOX遺伝子発現量が、I期ないしIV期からなる群より選ばれる少なくとも1つの進行度の癌組織のHOX遺伝子の発現量である、請求の範囲第1項ないし第4項、第16項のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
以下からなる群より選ばれる少なくとも1組のプライマーペアを用いたPCRによりHOX遺伝子の発現量を測定する、請求の範囲第1項ないし第23項のいずれかに記載の方法:
配列番号1で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号2で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号3で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号4で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号5で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号6で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号7で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号8で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号9で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号10で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号11で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号12で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号13で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号14で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号15で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号16で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号17で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号18で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号19で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号20で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号21で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号22で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号23で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号24で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号25で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号26で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号27で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号28で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号29で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号30で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号31で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号32で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号33で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号34で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号35で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号36で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号37で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号38で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号39で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号40で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号41で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号42で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号43で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号44で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号45で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号46で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号47で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号48で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号49で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号50で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号51で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号52で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号53で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号54で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号55で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号56で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号57で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号58で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号59で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号60で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号61で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号62で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号63で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号64で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号65で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号66で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号67で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号68で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号69で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号70で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号71で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号72で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号73で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号74で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号75で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号76で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア、
配列番号77で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、および配列番号78で表される塩基配列またはその1若しくは2塩基が置換されている塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーペア。
【請求項25】
HOX遺伝子の発現量を測定する手段を備えた、癌の存在、癌の転移の可能性、癌の浸潤の可能性、または癌の進行度を判定するためのキット。
【請求項26】
HOXD9、HOXA10、HOXA11、HOXA13、HOXB9、HOXB13、HOXC10、HOXC11、HOXC13、HOXD11、HOXD12からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量を測定する手段を備えた、甲状腺癌の存在を判定するためのキット。
【請求項27】
HOXB6、HOXB13、HOXD4からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量を測定する手段を備えた、浸潤する可能性のある甲状腺癌を判定するためのキット。
【請求項28】
HOXB5、HOXB6、HOXB7、HOXB9、HOXC6、HOXC8、HOXC9、HOXC10、HOXC11からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量を測定する手段を備えた、胃癌の存在を判定するためのキット。
【請求項29】
HOXB5、HOXB6、HOXB7、HOXB8、HOXB9からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量を測定する手段を備えた、リンパ節転移する可能性のある胃癌を判定するためのキット。
【請求項30】
HOXD11の発現量を測定する手段を備えた、肝転移する可能性のある胃癌を判定するためのキット。
【請求項31】
HOXA3、HOXA5、HOXA6、HOXA7、HOXA9、HOXA10、HOXA11、HOXA13、HOXB1、HOXB6、HOXB7、HOXB8、HOXB9、HOXB13、HOXC5、HOXC6、HOXC8、HOXC9、HOXC10、HOXC11、HOXC12、HOXC13、HOXD1、HOXD3、HOXD4、HOXD8、HOXD9、HOXD10からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量を測定する手段を備えた、肝癌の存在を判定するためのキット。
【請求項32】
HOXA2、HOXA4、HOXA5、HOXA6、HOXA7、HOXA9、HOXA10、HOXB1、HOXB5、HOXB7、HOXB8、HOXB13、HOXC4、HOXC5、HOXC8、HOXC9、HOXC10、HOXC11、HOXD1からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量を測定する手段を備えた、門脈、肝動脈、肝静脈、または胆管に浸潤する可能性がある肝癌を判定するためのキット。
【請求項33】
HOXA4および/またはHOXB1の発現量を測定する手段を備えた、進行した肝癌を判定するためのキット。
【請求項34】
HOXA1、HOXA2、HOXA3、HOXA5、HOXA9、HOXD3、HOXD4、HOXD8、HOXD9、HOXD10からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量を測定する手段を備えた、乳癌の存在を判定するためのキット。
【請求項35】
HOXA1、HOXA3、HOXA9、HOXD3からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量を測定する手段を備えた、乳癌の存在を判定するためのキット。
【請求項36】
HOXA9、HOXB2、HOXB3、HOXB8、HOXB9、HOXD1、HOXD3、HOXD4からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量を測定する手段を備えた、大腸癌の存在を判定するためのキット。
【請求項37】
HOXA4、HOXB1、HOXC12、HOXC13からなる群より選ばれる少なくとも1つのHOX遺伝子の発現量を測定する手段を備えた、肝転移の可能性のある大腸癌を判定するためのキット。

【国際公開番号】WO2005/010180
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【発行日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−504564(P2005−504564)
【国際出願番号】PCT/JP2003/009340
【国際出願日】平成15年7月23日(2003.7.23)
【出願人】(800000024)北海道ティー・エル・オー株式会社 (20)
【Fターム(参考)】