ホログラム転写箔及びこれを使用した帳票
【課題】記載又はプリントされた帳票の固有情報を改竄から保護するためのホログラム転写箔、及び、前記ホログラム転写箔を使用した帳票を提供する。
【解決手段】支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成されたホログラム転写箔であって、前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間に０．０２μｍ以下の厚さの金属薄膜層が形成されたホログラム転写箔、及び、前記ホログラム転写箔を使用した帳票であって、帳票には所定領域に固有情報が記載又はプリントされ、転写箔は、前記固有情報を被覆する状態で転写されたホログラム転写箔を使用した帳票を提供する。
【解決手段】支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成されたホログラム転写箔であって、前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間に０．０２μｍ以下の厚さの金属薄膜層が形成されたホログラム転写箔、及び、前記ホログラム転写箔を使用した帳票であって、帳票には所定領域に固有情報が記載又はプリントされ、転写箔は、前記固有情報を被覆する状態で転写されたホログラム転写箔を使用した帳票を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、反射層（金属薄膜層）を薄くしたホログラム転写箔、及び、前記ホログラム転写箔を使用した帳票に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、偽造防止のために、クレジットカードや有価証券類の一部にホログラムが使用されている。また、ホログラムは意匠効果が高いために、従来から印刷物や成型品の一部に貼付されて使用されている。
これらホログラムの多くは、物体に光を当て、物体から反射される物体光と参照光とをレンズなどの光学系を用いて集光させ、感光剤が塗布された記録媒体面に干渉縞を形成する方法で作製される。
前述の干渉縞によってホログラムを作製する方法のほかに、コンピュータを用い、演算により記録面上に干渉縞を形成させて作製する方法もある。このような方法で作製されたホログラムは、計算機ホログラム、または、ＣＧＨ（Ｃｏｎｐｕｔｅｒ Ｇｅｎｅｒａｔｅｄ Ｈｏｌｏｇｒａｍ）と呼ばれている。この計算機ホログラムは、光学的な干渉縞の生成プロセスをコンピュータによるシミュレーションにより行い、取得した画像データを媒体上に記録して作製する。
【０００３】
また、固有情報が手書き又はプリントされる帳票において、手書きで記載又はプリントされた情報が改竄される事件が多発している。
そこで、各種カードやチケット類或いは有価証券等の帳票の偽造防止を図ることを目的として、帳票面に金属薄膜層を設け、該金属薄膜層をサーマルヘッド或いはレーザービーム等の発熱素子で溶融して、文字，図柄，コード等の可変情報を表示する情報表示手段が知られている。また、紙基材内に前記金属薄膜層を備えた情報記録媒体を抄き入れした印刷用紙も提案されている（特許文献１参照）。
一方、帳票の意匠性を向上させることを目的として、前述のように文字や図柄を箔押しすることが知られている。
かかる箔押しは、箔押ししようとする基材面に、接着層を備えた熱転写箔を載置し、文字や図柄の形状で突出した押圧凸面で加圧することにより、基材面上に文字や図柄を形成するものである。
【０００４】
上述のような各種カードやチケット等に形成される金属薄膜層は、支持基材上に真空蒸着やスパッタリング等の形成手段により形成されるため、小ロット生産ではコスト高となる。また、特許文献１に開示されている技術のように、紙基材内に金属薄膜層を備えた情報記録媒体を抄き入れした印刷用紙にあっては、コストが高く、抄紙段階で抄き込まれるため基材の材質が紙に限定される。さらに、部分的に金属薄膜層を設けることは可能ではあるが、抄紙時に抄き入れ位置及び形状が設定されるため、印刷メーカーがかかる印刷用紙を購入して印刷加工を行う場合に、金属薄膜層の位置び形状を変更することができず、印刷デザインに制限を受けるという問題があった。
このような問題を解決する技術として、基材の材質を問わず、低コストでの小ロット生産が可能であり、可変情報を表示する表示領域を所望位置に形成でき、さらに該表示領域に表示される可変情報の変更に容易に対応し得る「箔押し帳票」が提供されている（例えば、特許文献２参照）。
【０００５】
【特許文献１】特開平１０−１０２３９８号公報
【特許文献２】特開２００４−２１６５７６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
そこで本発明のホログラム転写箔及びホログラム転写箔を使用した帳票は、記載又はプリントされた帳票の固有情報を改竄から保護するためのホログラム転写箔、及び、前記ホログラム転写箔を使用した帳票を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
前記課題の目的を達成するために、本発明のホログラム転写箔の第一の態様は、支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成されたホログラム転写箔であって、前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間に０．０２μｍ以下の厚さの金属薄膜層が形成されたことを特徴とするものである。
【０００８】
また、本発明のホログラム転写箔の第二の態様は、支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成されたホログラム転写箔であって、前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間の少なくとも一部に０．０３μｍ以上の厚さの金属薄膜層が形成されたことを特徴とするものである。
【０００９】
また、本発明のホログラム転写箔の第三の態様は、第一，第二の態様において、透明な接着剤層は粘着剤層で、粘着剤層を保護する保護材料が更に形成されたことを特徴とするものである。
【００１０】
また、第四の態様は、第一，第三何れかの態様のホログラム転写箔を使用した帳票であって、帳票には所定領域に固有情報が記載又はプリントされ、転写箔は、前記固有情報を被覆する状態で転写されたことを特徴とするものである。
【００１１】
また、第五の態様は、第二，第三何れかの態様のホログラム転写箔を使用した帳票であって、帳票には所定領域に固有情報が記載又はプリントされ、転写箔は、金属薄膜が形成されていない部分から前記固有情報が目視可能な状態で転写されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１２】
１）本発明のホログラム転写箔の第一の態様のように、支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成されたホログラム転写箔であって、前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間に０．０２μｍ以下の厚さの金属薄膜層が形成されたことによって、全体に金属薄膜層が形成されているために被覆部全体にわたって明確にホログラムの存在及び特徴を確認することができる。
また、第四の態様のように、第一，第三何れかの態様のホログラム転写箔を使用した帳票であって、帳票には所定領域に固有情報が記載又はプリントされ、転写箔は、前記固有情報を被覆する状態で転写されたことによって、ホログラムパターンが全面にわたって目視されるために偽造防止効果が大きく、また、広い領域で記載又はプリントされた固有情報の確認を行うことができる。
また、ホログラムは固定パターンで使用する必要がないためにホログラム転写箔を自由な位置で自由な大きさに切取り、必要な部分に使用することが可能なため、運用コストが安くなる。
２）また、第二の態様のように、支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成されたホログラム転写箔であって、前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間の少なくとも一部に０．０３μｍ以上の厚さの金属薄膜層が形成されたことによって、金属薄膜層が形成された部分から明確にホログラムの存在及び特徴を確認することができる。
また、第五の態様のように、第二，第三何れかの態様のホログラム転写箔を使用した帳票であって、帳票には所定領域に固有情報が記載又はプリントされ、転写箔は、金属薄膜が形成されていない部分から前記固有情報が目視可能な状態で転写されたことによって、金属薄膜層が形成されていない部分から貼付された部分の記載情報またはプリント情報を明瞭に確認することができる。
さらに、金属薄膜が形成されている部分と金属薄膜が形成されていない部分は一体であるために、ホログラム転写箔の偽造、および、このホログラム転写箔を使用した帳票のデータの改竄は極めて困難になる。
３）また、第三の態様のように第一，第二の態様において、透明な接着剤層は粘着剤層で、粘着剤層を保護する保護材料が更に形成されたことによって、転写箔を貼付するための装置を必要とせず、いつでもどこでも使用することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下、図面を参照して、本発明のホログラム転写箔、及び、前記ホログラム転写箔を使用した帳票について説明する。
図１は、本発明のホログラム転写箔を使用した帳票の一例について説明するための図，図２は、図１で使用されているホログラム転写箔の一例について説明するための図，図３は、図２のＡ−Ａ線断面図，図４は、本発明のホログラム転写箔を使用した帳票の他の一例について説明するための図，図５は、図４で使用されているホログラム転写箔の一例について説明するための図，図６は、図５のＢ−Ｂ線断面図，図７は、図６で説明したホログラム転写箔が転写された帳票の断面の一例について説明するための図である。
【００１４】
図１を参照して、本発明のホログラム転写箔を使用した帳票の一例について説明する。
図１は、帳票２について「金銭消費貸借契約書」の例で示したものである。
帳票２には、保護されるべき固有情報２１が複数箇所（「借入金額」，「利息」，「返済期日」，「延滞の場合の利息」）記載、または、プリントされている。
借主の情報「住所，氏名，印影」も固有情報に含まれるが、図に示した例では、貸主にとって改竄されては困る情報は、図のホログラム転写箔１で被覆された部分である。
図で示した帳票は、改竄された場合のチェックのために複写を残して保存されるが、固有情報の部分が不鮮明になっていた場合は紛争の原因になる。
【００１５】
また、図１で示したホログラム転写箔１は、図示しないが、支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成されたホログラム転写箔である。
また、前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間に０．０２μｍ以下の厚さの金属薄膜層が形成されたものである。
金属薄膜層が０．０２μｍ以下の厚さで形成されたことによって、ホログラム転写箔が転写された全領域の印刷情報はもとより、記載、または、プリンタなどによってプリントされた情報を、金属薄膜層を介して視認することができる。
【００１６】
図２，図３を参照して、図１で使用されたホログラム転写箔の一例について説明する。
図２のホログラム転写箔は、図１で使用されたホログラム転写箔の転写される前の状態を示している。
また、図３の断面図は、図２の転写箔１００のＡ−Ａ線断面を示したものである。
図３に示す転写前のホログラム転写箔１００は、支持基材１０１の片面に、保護層または剥離層１０２，ホログラム形成層１０３，「０．０２μｍ以下の厚さの」金属薄膜層１０４，透明な接着剤層１０５，剥離層（図示せず）を伴った保護材料１０６で構成されている。
金属薄膜層１０４が、０．０２μｍ以下の厚さに形成されているために、ホログラムが転写された帳票を正面から視認した場合、帳票の印刷、または、記載，プリントされた情報が金属薄膜層１０４を介して鮮明に視認することができる。また、所定の角度傾けた場合は、金属薄膜層１０４は反射層となり、形成されているホログラムが鮮明に視認される。
【００１７】
ホログラム転写箔１００が、専用の熱転写装置などによって帳票に転写される場合は、剥離層１０２は、熱によって剥離する材料で構成され、転写後最表面に露出した後は保護層となる。また、透明な接着剤層１０５は、熱溶融性の感熱接着剤で構成される。
その結果、転写装置を使用して転写された時点で支持基材１０１はホログラム転写箔１００から剥ぎ取られ、転写された後のホログラム転写箔１には支持基材１０１は形成されない。
また。透明な接着剤層１０５が熱溶融性の感熱接着剤で構成される場合は、ホログラム転写箔１００には、保護材料１０６は形成されない。
【００１８】
転写箔１００が、帳票に手で転写される場合は、剥離層１０２は、常温で剥離する材料で構成され、転写後最表面に露出した後は保護層となる。またこのとき、透明な接着剤層１０５は粘着剤で構成される。
透明な接着剤層１０５が粘着剤で構成される場合は、粘着剤面には、粘着剤を保護するための保護材料１０６が形成される。
透明な接着剤層１０５が粘着剤で構成され、転写箔１００が、手で帳票に転写される場合は、ホログラム形成層１０３を保護するために支持基材１０１を剥離せずに残すことがある。
前述のように、支持基材１０１がホログラム転写箔に形成されたまま帳票面に転写された場合は、通常、転写とは言わず貼付という。
そこで、以下の説明では、支持基材１０１がホログラム転写箔に形成されたまま帳票面に「転写」された場合は、「貼付」と記載する。
【００１９】
図４を参照して、本発明のホログラム転写箔を使用した帳票の他の一例について説明する。
図４に示す帳票２には、保護されるべき固有情報２１が複数箇所（「借入金額」，「利息」，「返済期日」，「延滞の場合の利息」）記載、または、プリントされている。
借主の情報「住所，氏名，印影」も固有情報に含まれるが、図の例の場合は、貸主にとって改竄されては困る情報は、図のホログラム転写箔３で被覆された「借入金額」の部分である。
【００２０】
また、図４で示したホログラム転写箔３は、図示しないが、支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成され、前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間にパターン化された０．０３μｍ以上の厚さの金属薄膜層が形成されている。
金属薄膜層の金属薄膜が形成されていない部分は、金属薄膜が形成された後の工程でエッチングなどの手段によって除去され、透明な状態になっている。
【００２１】
金属薄膜層が形成された部分ではホログラム図柄が鮮明にが視認され、金属薄膜層が形成されていない部分では、帳票２に記載又はプリントされた固有情報２１がホログラム形成層（図示せず）を介して鮮明に視認される。金属薄膜層が形成されていない部分の形状は、自由に設定することができ、偽造防止の一要素にもなっている。
【００２２】
図５を参照して、図４で使用されたホログラム転写箔の一例について説明する。
図５のホログラム転写箔３００は、図４で使用されているホログラム転写箔の転写される前の状態のホログラム転写箔である。
ホログラム転写箔３００の周辺部には金属薄膜層が形成され、中央部の金属薄膜層が無い部分３０４１は、透明な部分になっている。
【００２３】
図６は、図５の転写箔３００のＢ−Ｂ線断面を示したものである。
転写前のホログラム転写箔３００は、支持基材３０１の片面に、保護層または剥離層３０２，ホログラム形成層３０３，「０．０３μｍ以上の厚さの」金属薄膜層３０４，透明な接着剤層３０５，剥離層（図示せず）を伴った保護材料３０６で構成されている。
【００２４】
金属薄膜層３０４には、一部金属薄膜層が無い部分３０４１が形成されている。
一部金属薄膜層が無い部分３０４１は、前述のようにエッチングなどの方法によって部分的に除去されており、除去された部分は、実際には接着剤層３０５になっている。
それ以外の層構成部分は、図３で説明したと同様であり説明は省略する。
【００２５】
図７を参照して、図６で説明したホログラム転写箔が転写された帳票の断面の一例について説明する。
図７では、帳票２の片面に、図６で説明したホログラム転写箔が転写されている。
図で判るように、帳票２に記載又はプリントされた固有情報２１は、ホログラム転写箔に覆われて保護されている。
金属薄膜層が０．０３μｍ以上の厚さで形成されているために、ホログラム転写箔が転写された帳票を視認した場合、ホログラム形成層３０３の図柄は鮮明に視認することができ、一部金属薄膜層が無い部分３０４１からは、帳票２に記載又はプリントされた固有情報２１が鮮明に視認される。
【００２６】
ホログラム転写箔３００が熱転写装置などによって帳票に転写される場合は、剥離層３０２は、熱によって剥離する材料で構成され、支持基材３０１が剥がされた後はホログラム形成層の保護層となる。
このときに、透明な接着剤層３０５は、熱溶融性の感熱接着剤で構成される。
【００２７】
透明な接着剤層３０５が粘着剤で構成され、ホログラム転写箔３００が、手で帳票に転写される場合は、ホログラム形成層３０３を保護するために、支持基材３０１は剥離されずにホログラム転写箔と一緒に帳票に貼付される。
【００２８】
図６を参照して、ホログラム転写箔３００に使用される材料の一例について説明する。
支持基材３０１には、例えば、ポリエチレンテレフタレート（ポリエステル），ポリ塩化ビニル，ポリカーボネート，ポリイミド，ポリアミド，セルローストリアセテート，ポリスチレン，アクリル，ポリプロピレン，ポリエチレンなどから選択して使用することができる。
【００２９】
保護層または剥離層として、例えば、ジメチルポリシロキサン，ジフェニルポリシロキサン等のシリコーンをＵＶ硬化型インキに含有させたものが好適に使用される。
シリコーンの含有率は、低すぎると所望の剥離性能が得られず、一方、高すぎると被膜の強度が落ちるため、１０〜２０％の範囲で使用される。
【００３０】
ホログラム形成層３０３には、アクリル，ポリスチレン，ポリ塩化ビニル，ポリカーボネート，メラミン，エポキシ，ポリエステル，ウレタンなどの樹脂の中から選択して、単独、または、混合して使用することができ、更には、ラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質、または、これらにラジカル重合性不飽和単量体を加え電離放射線硬化性としたものなどを使用することができる。
【００３１】
金属薄膜層３０４には光を反射するアルミニウム等の金属薄膜が好適に使用される。金属薄膜層３０４の形成は、真空蒸着法，スパッタリング法，イオンプレーティング法などの薄膜形成法によって行なう。
金属薄膜層３０４をホログラム形成層より屈折率が小さい薄膜とする場合、すなわち不透明層として使用する場合は、前述のアルミニウムの他、例えば、クロム，鉄，コバルト，ニッケル，銅，銀，金，マグネシウム，鉛，錫，カドミウム，ビスマス，チタン，亜鉛，インジウムなどの金属，または、その酸化物、窒化物、または，これらの金属の合金などを使用する。
【００３２】
金属薄膜層３０４をホログラム形成層より屈折率が大きい薄膜とする場合、すなわち透明層として使用する場合は、硫化亜鉛，酸化チタン，酸化アルミニウム，酸化シリコン，硫化アンチモンなどを使用する。
【００３３】
金属薄膜層３０４の厚みは、目的に応じて設定する。多くの場合、０．００５μｍ〜１μｍ、好ましくは、０．０１μｍ〜０．１μｍ、の範囲で使用される。本発明の一つのように透過性を付与する場合は、０．０２μｍ以下で使用する。
【００３４】
接着剤層３０５が感熱接着剤層の場合は、塩化ビニル系樹脂，酢酸ビニル系樹脂，塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂，アクリル系樹脂，ポリエステル系樹脂，ポリウレタン系樹脂，ポリアミド系樹脂，ゴム変性物などから適宜選択して使用する。また、これらは単体、もしくは２種以上の混合系で、さらに必要に応じてハードレジンや可塑剤、その他の添加剤を加えて使用することができる。
【００３５】
接着剤層３０５が粘着剤の場合には、例えば、アクリル樹脂，アクリル酸エステル樹脂またはこれらの共重合体，天然ゴム，スチレン−ブタジエン共重合体，カゼイン，ゼラチン，ロジンエステル，テルペン樹脂，フェノール系樹脂，スチレン系樹脂，クマロンインデン樹脂，ポリビニルエーテル，シリコーン樹脂などから選択して使用する。
粘着剤層１５は、３μｍ〜２０μｍの厚みで使用するのが好適である。
【００３６】
保護材料３０６には、例えば、半晒、上質紙，グラシンシ紙などの表面にポリエチレン，ワックス，シリコンなどを塗布した材料が多く使われる。
保護材料基材にポリエステルフィルムなどを使用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【００３７】
商品券、小切手、手形、株券、入場券等の帳票、及び、これら帳票に準じるカード類の固有情報改竄防止手段として利用される。
【図面の簡単な説明】
【００３８】
【図１】本発明のホログラム転写箔を使用した帳票の一例について説明するための図である。
【図２】図１で使用されているホログラム転写箔の一例について説明するための図である。
【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。
【図４】本発明のホログラム転写箔を使用した帳票の他の一例について説明するための図である。
【図５】図４で使用されているホログラム転写箔の一例について説明するための図である。
【図６】図５のＢ−Ｂ線断面図である。
【図７】図６で説明したホログラム転写箔が転写された帳票の断面の一例について説明するための図である。
【符号の説明】
【００３９】
１，３ 転写されたホログラム転写箔
２ 帳票
２１ 固有情報
１００，３００ 転写前のホログラム転写箔
１０１，３０１ 支持基材
１０２，３０２ 保護層または剥離層
１０３，３０３ ホログラム形成層
１０４，３０４ 金属薄膜層
１０５，３０５ 透明な接着剤層
１０６，３０６ 保護材料
３０４１ 金属薄膜層が無い部分
【技術分野】
【０００１】
本発明は、反射層（金属薄膜層）を薄くしたホログラム転写箔、及び、前記ホログラム転写箔を使用した帳票に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、偽造防止のために、クレジットカードや有価証券類の一部にホログラムが使用されている。また、ホログラムは意匠効果が高いために、従来から印刷物や成型品の一部に貼付されて使用されている。
これらホログラムの多くは、物体に光を当て、物体から反射される物体光と参照光とをレンズなどの光学系を用いて集光させ、感光剤が塗布された記録媒体面に干渉縞を形成する方法で作製される。
前述の干渉縞によってホログラムを作製する方法のほかに、コンピュータを用い、演算により記録面上に干渉縞を形成させて作製する方法もある。このような方法で作製されたホログラムは、計算機ホログラム、または、ＣＧＨ（Ｃｏｎｐｕｔｅｒ Ｇｅｎｅｒａｔｅｄ Ｈｏｌｏｇｒａｍ）と呼ばれている。この計算機ホログラムは、光学的な干渉縞の生成プロセスをコンピュータによるシミュレーションにより行い、取得した画像データを媒体上に記録して作製する。
【０００３】
また、固有情報が手書き又はプリントされる帳票において、手書きで記載又はプリントされた情報が改竄される事件が多発している。
そこで、各種カードやチケット類或いは有価証券等の帳票の偽造防止を図ることを目的として、帳票面に金属薄膜層を設け、該金属薄膜層をサーマルヘッド或いはレーザービーム等の発熱素子で溶融して、文字，図柄，コード等の可変情報を表示する情報表示手段が知られている。また、紙基材内に前記金属薄膜層を備えた情報記録媒体を抄き入れした印刷用紙も提案されている（特許文献１参照）。
一方、帳票の意匠性を向上させることを目的として、前述のように文字や図柄を箔押しすることが知られている。
かかる箔押しは、箔押ししようとする基材面に、接着層を備えた熱転写箔を載置し、文字や図柄の形状で突出した押圧凸面で加圧することにより、基材面上に文字や図柄を形成するものである。
【０００４】
上述のような各種カードやチケット等に形成される金属薄膜層は、支持基材上に真空蒸着やスパッタリング等の形成手段により形成されるため、小ロット生産ではコスト高となる。また、特許文献１に開示されている技術のように、紙基材内に金属薄膜層を備えた情報記録媒体を抄き入れした印刷用紙にあっては、コストが高く、抄紙段階で抄き込まれるため基材の材質が紙に限定される。さらに、部分的に金属薄膜層を設けることは可能ではあるが、抄紙時に抄き入れ位置及び形状が設定されるため、印刷メーカーがかかる印刷用紙を購入して印刷加工を行う場合に、金属薄膜層の位置び形状を変更することができず、印刷デザインに制限を受けるという問題があった。
このような問題を解決する技術として、基材の材質を問わず、低コストでの小ロット生産が可能であり、可変情報を表示する表示領域を所望位置に形成でき、さらに該表示領域に表示される可変情報の変更に容易に対応し得る「箔押し帳票」が提供されている（例えば、特許文献２参照）。
【０００５】
【特許文献１】特開平１０−１０２３９８号公報
【特許文献２】特開２００４−２１６５７６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
そこで本発明のホログラム転写箔及びホログラム転写箔を使用した帳票は、記載又はプリントされた帳票の固有情報を改竄から保護するためのホログラム転写箔、及び、前記ホログラム転写箔を使用した帳票を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
前記課題の目的を達成するために、本発明のホログラム転写箔の第一の態様は、支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成されたホログラム転写箔であって、前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間に０．０２μｍ以下の厚さの金属薄膜層が形成されたことを特徴とするものである。
【０００８】
また、本発明のホログラム転写箔の第二の態様は、支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成されたホログラム転写箔であって、前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間の少なくとも一部に０．０３μｍ以上の厚さの金属薄膜層が形成されたことを特徴とするものである。
【０００９】
また、本発明のホログラム転写箔の第三の態様は、第一，第二の態様において、透明な接着剤層は粘着剤層で、粘着剤層を保護する保護材料が更に形成されたことを特徴とするものである。
【００１０】
また、第四の態様は、第一，第三何れかの態様のホログラム転写箔を使用した帳票であって、帳票には所定領域に固有情報が記載又はプリントされ、転写箔は、前記固有情報を被覆する状態で転写されたことを特徴とするものである。
【００１１】
また、第五の態様は、第二，第三何れかの態様のホログラム転写箔を使用した帳票であって、帳票には所定領域に固有情報が記載又はプリントされ、転写箔は、金属薄膜が形成されていない部分から前記固有情報が目視可能な状態で転写されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１２】
１）本発明のホログラム転写箔の第一の態様のように、支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成されたホログラム転写箔であって、前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間に０．０２μｍ以下の厚さの金属薄膜層が形成されたことによって、全体に金属薄膜層が形成されているために被覆部全体にわたって明確にホログラムの存在及び特徴を確認することができる。
また、第四の態様のように、第一，第三何れかの態様のホログラム転写箔を使用した帳票であって、帳票には所定領域に固有情報が記載又はプリントされ、転写箔は、前記固有情報を被覆する状態で転写されたことによって、ホログラムパターンが全面にわたって目視されるために偽造防止効果が大きく、また、広い領域で記載又はプリントされた固有情報の確認を行うことができる。
また、ホログラムは固定パターンで使用する必要がないためにホログラム転写箔を自由な位置で自由な大きさに切取り、必要な部分に使用することが可能なため、運用コストが安くなる。
２）また、第二の態様のように、支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成されたホログラム転写箔であって、前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間の少なくとも一部に０．０３μｍ以上の厚さの金属薄膜層が形成されたことによって、金属薄膜層が形成された部分から明確にホログラムの存在及び特徴を確認することができる。
また、第五の態様のように、第二，第三何れかの態様のホログラム転写箔を使用した帳票であって、帳票には所定領域に固有情報が記載又はプリントされ、転写箔は、金属薄膜が形成されていない部分から前記固有情報が目視可能な状態で転写されたことによって、金属薄膜層が形成されていない部分から貼付された部分の記載情報またはプリント情報を明瞭に確認することができる。
さらに、金属薄膜が形成されている部分と金属薄膜が形成されていない部分は一体であるために、ホログラム転写箔の偽造、および、このホログラム転写箔を使用した帳票のデータの改竄は極めて困難になる。
３）また、第三の態様のように第一，第二の態様において、透明な接着剤層は粘着剤層で、粘着剤層を保護する保護材料が更に形成されたことによって、転写箔を貼付するための装置を必要とせず、いつでもどこでも使用することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下、図面を参照して、本発明のホログラム転写箔、及び、前記ホログラム転写箔を使用した帳票について説明する。
図１は、本発明のホログラム転写箔を使用した帳票の一例について説明するための図，図２は、図１で使用されているホログラム転写箔の一例について説明するための図，図３は、図２のＡ−Ａ線断面図，図４は、本発明のホログラム転写箔を使用した帳票の他の一例について説明するための図，図５は、図４で使用されているホログラム転写箔の一例について説明するための図，図６は、図５のＢ−Ｂ線断面図，図７は、図６で説明したホログラム転写箔が転写された帳票の断面の一例について説明するための図である。
【００１４】
図１を参照して、本発明のホログラム転写箔を使用した帳票の一例について説明する。
図１は、帳票２について「金銭消費貸借契約書」の例で示したものである。
帳票２には、保護されるべき固有情報２１が複数箇所（「借入金額」，「利息」，「返済期日」，「延滞の場合の利息」）記載、または、プリントされている。
借主の情報「住所，氏名，印影」も固有情報に含まれるが、図に示した例では、貸主にとって改竄されては困る情報は、図のホログラム転写箔１で被覆された部分である。
図で示した帳票は、改竄された場合のチェックのために複写を残して保存されるが、固有情報の部分が不鮮明になっていた場合は紛争の原因になる。
【００１５】
また、図１で示したホログラム転写箔１は、図示しないが、支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成されたホログラム転写箔である。
また、前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間に０．０２μｍ以下の厚さの金属薄膜層が形成されたものである。
金属薄膜層が０．０２μｍ以下の厚さで形成されたことによって、ホログラム転写箔が転写された全領域の印刷情報はもとより、記載、または、プリンタなどによってプリントされた情報を、金属薄膜層を介して視認することができる。
【００１６】
図２，図３を参照して、図１で使用されたホログラム転写箔の一例について説明する。
図２のホログラム転写箔は、図１で使用されたホログラム転写箔の転写される前の状態を示している。
また、図３の断面図は、図２の転写箔１００のＡ−Ａ線断面を示したものである。
図３に示す転写前のホログラム転写箔１００は、支持基材１０１の片面に、保護層または剥離層１０２，ホログラム形成層１０３，「０．０２μｍ以下の厚さの」金属薄膜層１０４，透明な接着剤層１０５，剥離層（図示せず）を伴った保護材料１０６で構成されている。
金属薄膜層１０４が、０．０２μｍ以下の厚さに形成されているために、ホログラムが転写された帳票を正面から視認した場合、帳票の印刷、または、記載，プリントされた情報が金属薄膜層１０４を介して鮮明に視認することができる。また、所定の角度傾けた場合は、金属薄膜層１０４は反射層となり、形成されているホログラムが鮮明に視認される。
【００１７】
ホログラム転写箔１００が、専用の熱転写装置などによって帳票に転写される場合は、剥離層１０２は、熱によって剥離する材料で構成され、転写後最表面に露出した後は保護層となる。また、透明な接着剤層１０５は、熱溶融性の感熱接着剤で構成される。
その結果、転写装置を使用して転写された時点で支持基材１０１はホログラム転写箔１００から剥ぎ取られ、転写された後のホログラム転写箔１には支持基材１０１は形成されない。
また。透明な接着剤層１０５が熱溶融性の感熱接着剤で構成される場合は、ホログラム転写箔１００には、保護材料１０６は形成されない。
【００１８】
転写箔１００が、帳票に手で転写される場合は、剥離層１０２は、常温で剥離する材料で構成され、転写後最表面に露出した後は保護層となる。またこのとき、透明な接着剤層１０５は粘着剤で構成される。
透明な接着剤層１０５が粘着剤で構成される場合は、粘着剤面には、粘着剤を保護するための保護材料１０６が形成される。
透明な接着剤層１０５が粘着剤で構成され、転写箔１００が、手で帳票に転写される場合は、ホログラム形成層１０３を保護するために支持基材１０１を剥離せずに残すことがある。
前述のように、支持基材１０１がホログラム転写箔に形成されたまま帳票面に転写された場合は、通常、転写とは言わず貼付という。
そこで、以下の説明では、支持基材１０１がホログラム転写箔に形成されたまま帳票面に「転写」された場合は、「貼付」と記載する。
【００１９】
図４を参照して、本発明のホログラム転写箔を使用した帳票の他の一例について説明する。
図４に示す帳票２には、保護されるべき固有情報２１が複数箇所（「借入金額」，「利息」，「返済期日」，「延滞の場合の利息」）記載、または、プリントされている。
借主の情報「住所，氏名，印影」も固有情報に含まれるが、図の例の場合は、貸主にとって改竄されては困る情報は、図のホログラム転写箔３で被覆された「借入金額」の部分である。
【００２０】
また、図４で示したホログラム転写箔３は、図示しないが、支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成され、前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間にパターン化された０．０３μｍ以上の厚さの金属薄膜層が形成されている。
金属薄膜層の金属薄膜が形成されていない部分は、金属薄膜が形成された後の工程でエッチングなどの手段によって除去され、透明な状態になっている。
【００２１】
金属薄膜層が形成された部分ではホログラム図柄が鮮明にが視認され、金属薄膜層が形成されていない部分では、帳票２に記載又はプリントされた固有情報２１がホログラム形成層（図示せず）を介して鮮明に視認される。金属薄膜層が形成されていない部分の形状は、自由に設定することができ、偽造防止の一要素にもなっている。
【００２２】
図５を参照して、図４で使用されたホログラム転写箔の一例について説明する。
図５のホログラム転写箔３００は、図４で使用されているホログラム転写箔の転写される前の状態のホログラム転写箔である。
ホログラム転写箔３００の周辺部には金属薄膜層が形成され、中央部の金属薄膜層が無い部分３０４１は、透明な部分になっている。
【００２３】
図６は、図５の転写箔３００のＢ−Ｂ線断面を示したものである。
転写前のホログラム転写箔３００は、支持基材３０１の片面に、保護層または剥離層３０２，ホログラム形成層３０３，「０．０３μｍ以上の厚さの」金属薄膜層３０４，透明な接着剤層３０５，剥離層（図示せず）を伴った保護材料３０６で構成されている。
【００２４】
金属薄膜層３０４には、一部金属薄膜層が無い部分３０４１が形成されている。
一部金属薄膜層が無い部分３０４１は、前述のようにエッチングなどの方法によって部分的に除去されており、除去された部分は、実際には接着剤層３０５になっている。
それ以外の層構成部分は、図３で説明したと同様であり説明は省略する。
【００２５】
図７を参照して、図６で説明したホログラム転写箔が転写された帳票の断面の一例について説明する。
図７では、帳票２の片面に、図６で説明したホログラム転写箔が転写されている。
図で判るように、帳票２に記載又はプリントされた固有情報２１は、ホログラム転写箔に覆われて保護されている。
金属薄膜層が０．０３μｍ以上の厚さで形成されているために、ホログラム転写箔が転写された帳票を視認した場合、ホログラム形成層３０３の図柄は鮮明に視認することができ、一部金属薄膜層が無い部分３０４１からは、帳票２に記載又はプリントされた固有情報２１が鮮明に視認される。
【００２６】
ホログラム転写箔３００が熱転写装置などによって帳票に転写される場合は、剥離層３０２は、熱によって剥離する材料で構成され、支持基材３０１が剥がされた後はホログラム形成層の保護層となる。
このときに、透明な接着剤層３０５は、熱溶融性の感熱接着剤で構成される。
【００２７】
透明な接着剤層３０５が粘着剤で構成され、ホログラム転写箔３００が、手で帳票に転写される場合は、ホログラム形成層３０３を保護するために、支持基材３０１は剥離されずにホログラム転写箔と一緒に帳票に貼付される。
【００２８】
図６を参照して、ホログラム転写箔３００に使用される材料の一例について説明する。
支持基材３０１には、例えば、ポリエチレンテレフタレート（ポリエステル），ポリ塩化ビニル，ポリカーボネート，ポリイミド，ポリアミド，セルローストリアセテート，ポリスチレン，アクリル，ポリプロピレン，ポリエチレンなどから選択して使用することができる。
【００２９】
保護層または剥離層として、例えば、ジメチルポリシロキサン，ジフェニルポリシロキサン等のシリコーンをＵＶ硬化型インキに含有させたものが好適に使用される。
シリコーンの含有率は、低すぎると所望の剥離性能が得られず、一方、高すぎると被膜の強度が落ちるため、１０〜２０％の範囲で使用される。
【００３０】
ホログラム形成層３０３には、アクリル，ポリスチレン，ポリ塩化ビニル，ポリカーボネート，メラミン，エポキシ，ポリエステル，ウレタンなどの樹脂の中から選択して、単独、または、混合して使用することができ、更には、ラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質、または、これらにラジカル重合性不飽和単量体を加え電離放射線硬化性としたものなどを使用することができる。
【００３１】
金属薄膜層３０４には光を反射するアルミニウム等の金属薄膜が好適に使用される。金属薄膜層３０４の形成は、真空蒸着法，スパッタリング法，イオンプレーティング法などの薄膜形成法によって行なう。
金属薄膜層３０４をホログラム形成層より屈折率が小さい薄膜とする場合、すなわち不透明層として使用する場合は、前述のアルミニウムの他、例えば、クロム，鉄，コバルト，ニッケル，銅，銀，金，マグネシウム，鉛，錫，カドミウム，ビスマス，チタン，亜鉛，インジウムなどの金属，または、その酸化物、窒化物、または，これらの金属の合金などを使用する。
【００３２】
金属薄膜層３０４をホログラム形成層より屈折率が大きい薄膜とする場合、すなわち透明層として使用する場合は、硫化亜鉛，酸化チタン，酸化アルミニウム，酸化シリコン，硫化アンチモンなどを使用する。
【００３３】
金属薄膜層３０４の厚みは、目的に応じて設定する。多くの場合、０．００５μｍ〜１μｍ、好ましくは、０．０１μｍ〜０．１μｍ、の範囲で使用される。本発明の一つのように透過性を付与する場合は、０．０２μｍ以下で使用する。
【００３４】
接着剤層３０５が感熱接着剤層の場合は、塩化ビニル系樹脂，酢酸ビニル系樹脂，塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂，アクリル系樹脂，ポリエステル系樹脂，ポリウレタン系樹脂，ポリアミド系樹脂，ゴム変性物などから適宜選択して使用する。また、これらは単体、もしくは２種以上の混合系で、さらに必要に応じてハードレジンや可塑剤、その他の添加剤を加えて使用することができる。
【００３５】
接着剤層３０５が粘着剤の場合には、例えば、アクリル樹脂，アクリル酸エステル樹脂またはこれらの共重合体，天然ゴム，スチレン−ブタジエン共重合体，カゼイン，ゼラチン，ロジンエステル，テルペン樹脂，フェノール系樹脂，スチレン系樹脂，クマロンインデン樹脂，ポリビニルエーテル，シリコーン樹脂などから選択して使用する。
粘着剤層１５は、３μｍ〜２０μｍの厚みで使用するのが好適である。
【００３６】
保護材料３０６には、例えば、半晒、上質紙，グラシンシ紙などの表面にポリエチレン，ワックス，シリコンなどを塗布した材料が多く使われる。
保護材料基材にポリエステルフィルムなどを使用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【００３７】
商品券、小切手、手形、株券、入場券等の帳票、及び、これら帳票に準じるカード類の固有情報改竄防止手段として利用される。
【図面の簡単な説明】
【００３８】
【図１】本発明のホログラム転写箔を使用した帳票の一例について説明するための図である。
【図２】図１で使用されているホログラム転写箔の一例について説明するための図である。
【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。
【図４】本発明のホログラム転写箔を使用した帳票の他の一例について説明するための図である。
【図５】図４で使用されているホログラム転写箔の一例について説明するための図である。
【図６】図５のＢ−Ｂ線断面図である。
【図７】図６で説明したホログラム転写箔が転写された帳票の断面の一例について説明するための図である。
【符号の説明】
【００３９】
１，３ 転写されたホログラム転写箔
２ 帳票
２１ 固有情報
１００，３００ 転写前のホログラム転写箔
１０１，３０１ 支持基材
１０２，３０２ 保護層または剥離層
１０３，３０３ ホログラム形成層
１０４，３０４ 金属薄膜層
１０５，３０５ 透明な接着剤層
１０６，３０６ 保護材料
３０４１ 金属薄膜層が無い部分
【特許請求の範囲】
【請求項１】
支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成されたホログラム転写箔であって、
前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間に０．０２μｍ以下の厚さの金属薄膜層が形成されたことを特徴とするホログラム転写箔。
【請求項２】
支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成されたホログラム転写箔であって、
前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間の少なくとも一部に０．０３μｍ以上の厚さの金属薄膜層が形成されたことを特徴とするホログラム転写箔。
【請求項３】
請求項１，２に記載のホログラム転写箔において、
透明な接着剤層は粘着剤層で、粘着剤層を保護する保護材料が更に形成されたことを特徴とするホログラム転写箔。
【請求項４】
請求項１，３何れかに記載のホログラム転写箔を使用した帳票であって、
帳票には所定領域に固有情報が記載又はプリントされ、
転写箔は、前記固有情報を被覆する状態で転写されたことを特徴とするホログラム転写箔を使用した帳票。
【請求項５】
請求項２，３何れかに記載のホログラム転写箔を使用した帳票であって、
帳票には所定領域に固有情報が記載又はプリントされ、
転写箔は、金属薄膜が形成されていない部分から前記固有情報が目視可能な状態で転写されたことを特徴とするホログラム転写箔を使用した帳票。
【請求項１】
支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成されたホログラム転写箔であって、
前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間に０．０２μｍ以下の厚さの金属薄膜層が形成されたことを特徴とするホログラム転写箔。
【請求項２】
支持基材の片面に、少なくとも、保護層，ホログラム形成層，透明な接着剤層が順次形成されたホログラム転写箔であって、
前記ホログラム形成層と透明な接着剤層の間の少なくとも一部に０．０３μｍ以上の厚さの金属薄膜層が形成されたことを特徴とするホログラム転写箔。
【請求項３】
請求項１，２に記載のホログラム転写箔において、
透明な接着剤層は粘着剤層で、粘着剤層を保護する保護材料が更に形成されたことを特徴とするホログラム転写箔。
【請求項４】
請求項１，３何れかに記載のホログラム転写箔を使用した帳票であって、
帳票には所定領域に固有情報が記載又はプリントされ、
転写箔は、前記固有情報を被覆する状態で転写されたことを特徴とするホログラム転写箔を使用した帳票。
【請求項５】
請求項２，３何れかに記載のホログラム転写箔を使用した帳票であって、
帳票には所定領域に固有情報が記載又はプリントされ、
転写箔は、金属薄膜が形成されていない部分から前記固有情報が目視可能な状態で転写されたことを特徴とするホログラム転写箔を使用した帳票。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００８−２６８４８７（Ｐ２００８−２６８４８７Ａ）
【公開日】平成２０年１１月６日（２００８．１１．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−１１０３９２（Ｐ２００７−１１０３９２）
【出願日】平成１９年４月１９日（２００７．４．１９）
【出願人】（０００００２８９７）大日本印刷株式会社 (14,506)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年１１月６日（２００８．１１．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年４月１９日（２００７．４．１９）
【出願人】（０００００２８９７）大日本印刷株式会社 (14,506)
【Ｆターム（参考）】
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