説明

ホームゲートウェイ遠隔制御システム、ホームゲートウェイ遠隔制御方法、ホームゲートウェイ遠隔制御プログラム及びホームゲートウェイ

【課題】ホームゲートウェイのオペレーティングシステムで動作する機能の不正使用を低コストで防止すること。
【解決手段】アプリケーション配信サーバ100が、OSGi標準技術に基づいたアプリケーションであって、オペレーティングシステムの機能をオフに制御することを要求する機能オフ要求アプリケーションをホームゲートウェイ300に配信し、ホームゲートウェイ300は、配信された機能オフ要求アプリケーションを受信してインストールし、OSGi標準技術に基づいたアプリケーションであって、機能オフ要求バンドルのインストールを検知した場合に、当該機能オフ要求アプリケーションでの要求を命令する制御命令をオペレーティングシステムに通知する監視アプリケーションにより当該通知を行い、当該制御命令に基づいてオペレーティングシステムの機能のオンオフを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホームゲートウェイを遠隔制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、宅内外の異なる通信ネットワークを相互接続し、各通信ネットワークの違いを吸収するホームゲートウェイが提供されている。一般には、インターネットと宅内通信ネットワークとの間に配置され、ルーティング機能やプロトコル変換機能といった、インターネット利用時に必要とされる最低限の機能に加えて、ひかり電話機能、ファイアウォール機能、無線LAN機能といった、契約ユーザの契約形態に応じて適宜利用される様々な機能も備えられている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】NTT西日本、「ホームゲートウェイ(レンタル)、無線LAN対応ホームゲートウェイ(レンタル)」、[online]、[平成23年2月22日検索]、<URL : http://flets-w.com/next/omoushikomi_goriyou/setsuzokukiki/hgw.html#step4>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ある機能(例えば、無線LAN等の無線機能)の利用が解約された後であっても当該無線機能はホームゲート内のオペレーティングシステムで引き続き動作しているため、利用契約外である無線機能を不正に継続使用されるという問題があった。
【0005】
また、ホームゲートウェイにおける機能上の問題ではないが、例えば、ひかり電話機能の利用が解約された場合には、当該ひかり電話機能を具備しない単なるONU(Optical Network Unit)に取り替える派遣工事を実施していたため、当該派遣に要する工事費が発生するという間接的な問題もあった。
【0006】
このような問題を解決するために、遠隔からホームゲートウェイを自動制御する機構を構築する手法も考えられるが、当該機構の開発には専用サーバや専用データベース等の構築が新たに必要であり、莫大な開発費や開発期間を要することになる。
【0007】
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、ホームゲートウェイのオペレーティングシステムで動作する機能の不正使用を低コストで防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載のホームゲートウェイ遠隔制御システムは、通信ネットワークを介して接続されたホームゲートウェイをバンドル配信サーバで遠隔制御するホームゲートウェイ遠隔制御システムにおいて、前記バンドル配信サーバは、OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、オペレーティングシステムの機能をオフに制御することを要求する機能オフ要求バンドルを記憶手段に記憶して管理する管理手段と、前記記憶手段から機能オフ要求バンドルを読み出して、前記通信ネットワークを介して前記ホームゲートウェイに配信する配信手段と、を有し、前記ホームゲートウェイは、前記バンドル配信サーバから配信された機能オフ要求バンドルを受信してインストールする第1制御手段と、OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、前記機能オフ要求バンドルのインストールを検知した場合に、当該機能オフ要求バンドルでの要求を命令する制御命令をオペレーティングシステムに通知する監視バンドルにより当該通知を行う通知手段と、前記制御命令に基づいてオペレーティングシステムの機能のオンオフを制御するオペレーティングシステム内の第2制御手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、バンドル配信サーバが、OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、オペレーティングシステムの機能をオフに制御することを要求する機能オフ要求バンドルをホームゲートウェイに配信し、ホームゲートウェイは、配信された機能オフ要求バンドルを受信してインストールし、OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、機能オフ要求バンドルのインストールを検知した場合に、当該機能オフ要求バンドルでの要求を命令する制御命令をオペレーティングシステムに通知する監視バンドルにより当該通知を行い、当該制御命令に基づいてオペレーティングシステムの機能のオンオフを制御するため、ホームゲートウェイのオペレーティングシステムで動作する機能の不正使用を低コストで防止することができる。
【0010】
すなわち、バンドル配信サーバ及びホームゲートウェイが有する既存のOSAP(OSGi Service Aggregation Platform)を利用しているため、すなわち、OSGi標準技術に基づいたバンドルと呼ばれるソフトウェア・モジュール技術を用いているため、バンドル配信サーバでの機能オフ要求バンドルの生成や、ホームゲートウェイの通知手段や第2制御手段のみの改良でホームゲートウェイの遠隔制御が可能となり、その遠隔制御に必要とされる開発費用や開発期間を極めて低減することができる。
【0011】
請求項2記載のホームゲートウェイ遠隔制御システムは、請求項1記載のホームゲートウェイ遠隔制御システムにおいて、前記第1制御手段は、前記記憶手段から機能オフ要求バンドルが削除された場合に、前記機能オフ要求バンドルをアンインストールし、前記通知手段の監視バンドルは、前記機能オフ要求バンドルのアンインストールを検知した場合に、前記オペレーティングシステムの機能をオンに制御する制御命令をオペレーティングシステムに通知することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、バンドル配信サーバの記憶手段から機能オフ要求バンドルが削除された場合に、当該機能オフ要求バンドルをアンインストールし、機能オフ要求バンドルのアンインストールを検知した場合に、ホームゲートウェイ内のオペレーティングシステムの機能をオンに制御する制御命令をオペレーティングシステムに通知するため、オフに制御されたオペレーティングシステムの機能を再使用することができる。
【0013】
請求項3記載のホームゲートウェイ遠隔制御方法は、通信ネットワークを介して接続されたホームゲートウェイをバンドル配信サーバで遠隔制御するホームゲートウェイ遠隔制御方法において、前記バンドル配信サーバは、OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、オペレーティングシステムの機能をオフに制御することを要求する機能オフ要求バンドルを記憶手段に記憶して管理する管理ステップと、前記記憶手段から機能オフ要求バンドルを読み出して、前記通信ネットワークを介して前記ホームゲートウェイに配信する配信ステップと、を有し、前記ホームゲートウェイは、前記バンドル配信サーバから配信された機能オフ要求バンドルを受信してインストールする第1制御ステップと、OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、前記機能オフ要求バンドルのインストールを検知した場合に、当該機能オフ要求バンドルでの要求を命令する制御命令をオペレーティングシステムに通知する監視バンドルにより当該通知を行う通知ステップと、前記制御命令に基づいてオペレーティングシステムの機能のオンオフを制御するオペレーティングシステム内の第2制御ステップと、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、バンドル配信サーバが、OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、オペレーティングシステムの機能をオフに制御することを要求する機能オフ要求バンドルをホームゲートウェイに配信し、ホームゲートウェイは、配信された機能オフ要求バンドルを受信してインストールし、OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、機能オフ要求バンドルのインストールを検知した場合に、当該機能オフ要求バンドルでの要求を命令する制御命令をオペレーティングシステムに通知する監視バンドルにより当該通知を行い、当該制御命令に基づいてオペレーティングシステムの機能のオンオフを制御するため、ホームゲートウェイのオペレーティングシステムで動作する機能の不正使用を低コストで防止することができる。
【0015】
すなわち、バンドル配信サーバ及びホームゲートウェイが有する既存のOSAPを利用しているため、すなわち、OSGi標準技術に基づいたバンドルと呼ばれるソフトウェア・モジュール技術を用いているため、バンドル配信サーバでの機能オフ要求バンドルの生成や、ホームゲートウェイの通知ステップや第2制御ステップのみの改良でホームゲートウェイの遠隔制御が可能となり、その遠隔制御に必要とされる開発費用や開発期間を極めて低減することができる。
【0016】
請求項4記載のホームゲートウェイ遠隔制御方法は、請求項3記載のホームゲートウェイ遠隔制御方法において、前記第1制御ステップは、前記記憶手段から機能オフ要求バンドルが削除された場合に、前記機能オフ要求バンドルをアンインストールし、前記通知ステップの監視バンドルは、前記機能オフ要求バンドルのアンインストールを検知した場合に、前記オペレーティングシステムの機能をオンに制御する制御命令をオペレーティングシステムに通知することを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、バンドル配信サーバの記憶手段から機能オフ要求バンドルが削除された場合に、当該機能オフ要求バンドルをアンインストールし、機能オフ要求バンドルのアンインストールを検知した場合に、ホームゲートウェイ内のオペレーティングシステムの機能をオンに制御する制御命令をオペレーティングシステムに通知するため、オフに制御されたオペレーティングシステムの機能を再使用することができる。
【0018】
請求項5記載のホームゲートウェイ遠隔制御プログラムは、請求項3又は4記載の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0019】
請求項6記載のホームゲートウェイは、OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、オペレーティングシステムの機能をオフに制御することを要求する機能オフ要求バンドルをバンドル配信サーバから受信してインストールする第1制御手段と、OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、前記機能オフ要求バンドルのインストールを検知した場合に、当該機能オフ要求バンドルでの要求を命令する制御命令をオペレーティングシステムに通知する監視バンドルにより当該通知を行う通知手段と、前記制御命令に基づいてオペレーティングシステムの機能のオンオフを制御するオペレーティングシステム内の第2制御手段と、を有することを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、オペレーティングシステムの機能をオフに制御することを要求する機能オフ要求バンドルをバンドル配信サーバから受信してインストールし、OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、機能オフ要求バンドルのインストールを検知した場合に、当該機能オフ要求バンドルでの要求を命令する制御命令をオペレーティングシステムに通知する監視バンドルにより当該通知を行い、当該制御命令に基づいてオペレーティングシステムの機能のオンオフを制御するため、ホームゲートウェイのオペレーティングシステムで動作する機能の不正使用を低コストで防止することができる。
【0021】
すなわち、バンドル配信サーバ及びホームゲートウェイが有する既存のOSAPを利用しているため、すなわち、OSGi標準技術に基づいたバンドルと呼ばれるソフトウェア・モジュール技術を用いているため、バンドル配信サーバでの機能オフ要求バンドルの生成や、ホームゲートウェイの通知手段や第2制御手段のみの改良でホームゲートウェイの遠隔制御が可能となり、その遠隔制御に必要とされる開発費用や開発期間を極めて低減することができる。
【0022】
請求項7記載のホームゲートウェイは、請求項6記載のホームゲートウェイにおいて、前記第1制御手段は、前記バンドル配信サーバの記憶手段から機能オフ要求バンドルが削除された場合に、前記機能オフ要求バンドルをアンインストールし、前記通知手段の監視バンドルは、前記機能オフ要求バンドルのアンインストールを検知した場合に、前記オペレーティングシステムの機能をオンに制御する制御命令をオペレーティングシステムに通知することを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、バンドル配信サーバの記憶手段から機能オフ要求バンドルが削除された場合に、当該機能オフ要求バンドルをアンインストールし、機能オフ要求バンドルのアンインストールを検知した場合に、ホームゲートウェイ内のオペレーティングシステムの機能をオンに制御する制御命令をオペレーティングシステムに通知するため、オフに制御されたオペレーティングシステムの機能を再使用することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ホームゲートウェイのオペレーティングシステムで動作する機能の不正使用を低コストで防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】OSAPの動作を概略的に示す図である。
【図2】ホームゲートウェイ遠隔制御システムを構成する各装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図3】無線機能オフの制御動作を模式的に示す図である。
【図4】無線機能オンの制御動作を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。但し、本発明は多くの異なる様態で実施することが可能であり、本実施の形態の記載内容に限定して解釈すべきではない。
【0027】
〔OSAPについて〕
最初に、ホームゲートウェイに実装されている既存機能について説明する。現在提供されているホームゲートウェイには、OSAP(OSGi Service Aggregation Platform)という基盤技術が実装されている。
【0028】
OSAPとは、一般に、複数のサービスプロバイダが、ホームゲートウェイと当該ホームゲートウェイを管理するセンターシステムとを共用し、そのホームゲートウェイの利用ユーザに対して所定のサービスを提供することができるプラットフォーム技術である。そして、そのサービスを実行するソフトウェアは、OSGi(Open Services Gateway initiative)標準技術に基づいたバンドルと呼ばれるソフトウェア・モジュール(アプリケーションプログラム)として構成されている。
【0029】
サービスプロバイダによって作成されたバンドルは、OSAPによって当該サービスを利用するユーザのホームゲートウェイにダウンロードされ、実行される。ホームゲートウェイ上のバンドルは、当該ホームゲートウェイに接続された宅内通信ネットワーク上のAV機器やPC等を制御することにより、上記サービスの提供を実現している。
【0030】
引き続き、このようなOSAPによる動作について図面を参照しながら説明する。なお、上記では、OSAPを一般的に説明するためセンターシステムという表現を使用したが、当該センターシステムには作成された様々なバンドルが集約管理され、その中から必要とされるバンドルがホームゲートウェイに配信されることから、バンドル配信サーバに表現を変更する。
【0031】
図1は、OSAPの動作を概略的に示す図である。通信ネットワーク500aを介してバンドル配信サーバ100と複数のホームゲートウェイ300とが通信可能に接続されている。
【0032】
バンドル配信サーバ100は、各ホームゲートウェイ300に配信する様々なバンドルをデータベース上で管理している。なお、このようなバンドルは、一般に、Java(登録商標)というオブジェクト指向型のプログラミング言語により生成され、ホームゲートウェイ300のオペレーティングシステム上で動作する。
【0033】
一方、ホームゲートウェイ300は、定期的にバンドル配信サーバ100にアクセスし、自機に登録されているバンドルとアプリケーション配信サーバ1に登録されているバンドルとの有無(相違)を随時確認している。
【0034】
ここで、オペレータのSO(Service Order)投入により、バンドル配信サーバ100に新たなバンドルが追加されると、ホームゲートウェイ300は、上記定期的なアクセスにより未登録の新たなバンドルの存在を確認し、ダウンロードしてインストールする。
【0035】
その後、ホームゲートウェイ300は、インストールされたバンドルを起動し、起動された当該バンドルにより、宅内通信ネットワーク500b上に配備されたPCやプリンタ等の通信機器が制御される。
【0036】
一方、バンドル配信サーバ100からバンドルが削除されると、ホームゲートウェイ300は、削除されたバンドルの未登録を確認し、自機にインストールされていた当該バンドルをアンインストールする。これにより、宅内通信ネットワーク500b上の通信機器の制御が不能となる。
【0037】
すなわち、OSAPは、携帯電話のiアプリの様にバンドル配信サーバ100からバンドルをダウンロードして利用する仕組みを提供しているとも言えるが、それだけではなく、サービスプロバイダから見ると、バンドル配信サーバ100にバンドルを登録するのみで契約ユーザに一定のサービスを提供できるため、ホームゲートウェイ側からのダウンロード処理を意識することなく、ホームゲートウェイ遠隔制御を簡便に実現していると言える。無論、契約ユーザ毎に、異なるバンドルの利用を契約することも可能である。
【0038】
なお、ホームゲートウェイ300が定期的にアプリケーション配信サーバ100にアクセスするのに代えて、アプリケーション配信サーバ100が、バンドルを追加・削除した時点で、その追加や削除をホームゲートウェイ300に通知することも可能である。
【0039】
本発明は、以上説明した既存のOSAPを利用することにより、ホームゲートウェイ300のオペレーティングシステムで動作する全機能又は一機能の不正使用を低コストで防止することを最たる目的としている。
【0040】
〔ホームゲートウェイ遠隔制御システムの構成について〕
次に、本実施の形態に係るホームゲートウェイ遠隔制御システムについて説明する。なお、以降では、発明の把握をより容易にするため、バンドルという表現をアプリケーションという表現に変更し、バンドル配信サーバという表現をアプリケーション配信サーバという表現に変更する。
【0041】
図2は、ホームゲートウェイ遠隔制御システムを構成する各装置の機能ブロック構成を示す図である。このホームゲートウェイ遠隔制御システムは、通信ネットワーク500を介して通信可能に接続されたアプリケーション配信サーバ100とホームゲートウェイ300とで構成される。
【0042】
アプリケーション配信サーバ100は、アプリケーション配信状態管理部10と、アプリケーション記憶部11と、アプリケーション配信部12とで主に構成される。
【0043】
アプリケーション配信状態管理部10は、サービスプロバイダ等によって生成された様々なアプリケーションをアプリケーション記憶部11に記憶して管理する機能を有している。また、ホームゲートウェイ300から登録アプリケーション確認要求を受信した場合には、当該受信時にアプリケーション記憶部11に登録されている全てのアプリケーション名を返信する機能を有している。
【0044】
アプリケーション配信部12は、ホームゲートウェイ300からアプリケーション配信要求を受信した場合に、アプリケーション記憶部11からアプリケーションを読み出して、通信ネットワーク500を介してホームゲートウェイ300に配信する機能を有している。
【0045】
一方、ホームゲートウェイ300は、アプリケーション照合部30と、アプリケーション記憶部31と、アプリケーション制御部32と、アプリケーションリスナ33と、アプリケーション監視部34と、OS機能管理部35とで主に構成される。
【0046】
アプリケーション照合部30は、アプリケーション配信サーバ100に登録アプリケーション確認要求を定期的に送信し、返信により受信したアプリケーション配信サーバ100に現在登録されているアプリケーション名と、自機のアプリケーション記憶部31に現在登録されているアプリケーション名とを随時比較する機能を有している。
【0047】
アプリケーション制御部32は、アプリケーション照合部30での比較結果に応じて、比較相違のあったアプリケーションを自機にインストール又は自機からアンインストールする機能を有している。
【0048】
すなわち、アプリケーション配信サーバ100に登録され、自機に登録されていない追加対象アプリケーションについては、当該追加対象アプリケーションの配信を要求するアプリケーション配信要求をアプリケーション配信サーバ100に送信し、返信により配信された追加対象アプリケーションをホームゲートウェイ300にインストールする。
【0049】
一方、自機に登録され、アプリケーション配信サーバ100に登録されていない削除対象アプリケーションについては、当該削除対象アプリケーションをホームゲートウェイ300からアンインストールする。
【0050】
なお、本実施の形態では、アプリケーション配信サーバ100において、OSGi標準技術に基づいたアプリケーションであって、ホームゲートウェイ300のオペレーティングシステムの機能をオフに制御することを要求する機能オフ要求アプリケーションが新たに生成され、アプリケーション配信サーバ100のアプリケーション記憶部11に追加又は削除される。
【0051】
アプリケーションリスナ33は、アプリケーション制御部32によるアプリケーションのインストール又はアンインストールを随時検知しており、検知結果に対応する情報を後段のアプリケーション監視部34に通知する機能を有している。
【0052】
すなわち、新たなアプリケーションがインストールされたことを検知した場合には、当該アプリケーションがインストールされたことを示すインストール情報をアプリケーション監視部34に通知する。一方、新たなアプリケーションがアンインストールされたことを検知した場合には、当該アプリケーションがアンインストールされたことを示すアンインストール情報をアプリケーション監視部34に通知する。
【0053】
なお、このようなアプリケーションリスナは、OSAPにおいて一般にバンドルリスナと称されている。
【0054】
アプリケーション監視部34は、アプリケーションリスナ33からインストール情報が通知された場合に、インストールされたアプリケーションでの要求(オペレーティングシステム機能のオフ制御要求)を命令する制御命令を、オペレーティングシステム内で動作するOS機能管理部35に通知する機能を有している。一方、当該アプリケーションのアンインストール情報が通知された場合には、オペレーティングシステムの該当機能をオンに制御する制御命令をOS機能管理部35に通知する機能を有している。
【0055】
なお、アプリケーション監視部34は、追加又は削除される機能オフ要求アプリケーションと同様なOSGi標準技術に基づいた監視アプリケーションであり、当該監視アプリケーションは上記アプリケーション監視部34の機能を実行する。以降、単に、監視アプリケーションという。
【0056】
OS機能管理部35は、オペレーティングシステム内で動作する機能部であり、アプリケーション監視部34から通知された制御命令に基づいてオペレーティングシステムの機能のオンオフを制御する機能を有している。
【0057】
以上説明したアプリケーション記憶部11,31は、メモリはハードディスク等により実現される。それら記憶部以外の各機能部は、CPU等により実現される。また、各機能部の動作処理はプログラムにより実行される。
【0058】
〔ホームゲートウェイ遠隔制御システムの動作について〕
次に、ホームゲートウェイ遠隔制御システムの動作について説明する。但し、以下説明する機能オフ要求アプリケーションは、ホームゲートウェイのオペレーティングシステムが管理する複数の機能のうち、無線機能をオフする無線機能オフ要求アプリケーションであるものとする。
【0059】
また、無線機能オフ要求アプリケーションがホームゲートウェイ300にインストール又はアンインストールされた時に、当該インストール情報又は当該アンインストール情報が監視アプリケーション34に通知される設定が、アプリケーションリスナ33に事前登録されているものとする。
【0060】
<機能オフ制御動作>
最初に、オペレーティングシステムの無線機能をオフに制御する動作について説明する。図3は、無線機能オフの制御動作を模式的に示す図である。
【0061】
まず、アプリケーション配信サーバ100のアプリケーション配信状態管理部10が、オペレータのSO投入によって入力された無線機能オフ要求アプリケーションをアプリケーション記憶部11に追加する(S101)。
【0062】
次に、ホームゲートウェイ300のアプリケーション照合部30が、登録アプリケーション確認要求をアプリケーション配信サーバ100に送信し、アプリケーション配信サーバ100に現在登録されているアプリケーション名を受信して、自機に現在登録されているアプリケーション名と比較する(S102)。
【0063】
次に、S102での比較結果、追加された無線機能オフ要求アプリケーションがアプリケーション配信サーバ100に存在するため、アプリケーション制御部32が、当該無線機能オフ要求アプリケーションの配信を要求する(S103)。
【0064】
次に、アプリケーション配信サーバ100のアプリケーション配信部12が、S103で要求された無線機能オフ要求アプリケーションをホームゲートウェイ300に配信する(S104)。
【0065】
次に、ホームゲートウェイ300のアプリケーション制御部32が、アプリケーション配信サーバ100から配信された無線機能オフ要求アプリケーションを受信してインストールする(S105)。
【0066】
次に、アプリケーションリスナ33が、配信された無線機能オフ要求アプリケーションのインストールを検知して、当該無線機能オフ要求アプリケーションがインストールされたことを示すインストール情報を監視アプリケーション34に通知する(S106)。
【0067】
次に、監視アプリケーション34が、インストールされた無線機能オフ要求アプリケーションでのオフ制御対象無線機能に対応するオペレーティングシステムの無線機能をオフするオフ制御命令を、オペレーティングシステムが開示提供しているAPI(Application Program Interface)を通じてOS機能管理部35に通知する(S107)。
【0068】
最後に、OS機能管理部35が、通知されたオフ制御命令に従って、オペレーティングシステムの無線機能をオフに制御する(S108)。
【0069】
以上の動作により、ホームゲートウェイ300の無線機能(例えば、無線LAN機能)が停止するため、利用契約外のユーザ宅に設置されたホームゲートウェイでの無線機能の不正使用を防止することができる。
【0070】
<機能オン制御動作>
最初に、オペレーティングシステムの無線機能をオンに制御する動作について説明する。図4は、無線機能オンの制御動作を模式的に示す図である。
【0071】
まず、アプリケーション配信サーバ100のアプリケーション配信状態管理部10が、登録されている無線機能オフ要求アプリケーションをアプリケーション記憶部11から削除する(S201)。
【0072】
次に、ホームゲートウェイ300のアプリケーション照合部30が、登録アプリケーション確認要求をアプリケーション配信サーバ100に送信し、アプリケーション配信サーバ100に現在登録されているアプリケーション名を受信して、自機に現在登録されているアプリケーション名と比較する(S202)。
【0073】
次に、S202での比較結果、無線機能オフ要求アプリケーションがアプリケーション配信サーバ100から削除されているため、アプリケーション制御部32が、インストールされている無線機能オフ要求アプリケーションをアンインストールする(S203)。
【0074】
次に、アプリケーションリスナ33が、無線機能オフ要求アプリケーションのアンインストールを検知して、当該無線機能オフ要求アプリケーションがアンインストールされたことを示すアンインストール情報を監視アプリケーション34に通知する(S204)。
【0075】
次に、監視アプリケーション34が、アンインストールされた無線機能オフ要求アプリケーションでのオフ制御対象無線機能に対応するオペレーティングシステムの無線機能をオンするオン制御命令を、APIを通じてOS機能管理部35に通知する(S205)。
【0076】
最後に、OS機能管理部35が、通知されたオン制御命令に従って、オフに制御されていたオペレーティングシステムの無線機能をオンに制御する(S206)。
【0077】
以上の動作により、ホームゲートウェイ300の無線機能の停止が解除されるため、利用契約のユーザ宅に設置されたホームゲートウェイでの無線機能を再使用することができる。
【0078】
〔効果について〕
以下、本実施の形態に係るホームゲートウェイ遠隔制御システムの効果について説明する。
【0079】
本実施の形態によれば、アプリケーション配信サーバ100が、OSGi標準技術に基づいたアプリケーションであって、オペレーティングシステムの機能をオフに制御することを要求する機能オフ要求アプリケーションをホームゲートウェイ300に配信し、ホームゲートウェイ300は、配信された機能オフ要求アプリケーションを受信してインストールし、OSGi標準技術に基づいたアプリケーションであって、機能オフ要求バンドルのインストールを検知した場合に、当該機能オフ要求アプリケーションでの要求を命令する制御命令をオペレーティングシステムに通知する監視アプリケーションにより当該通知を行い、当該制御命令に基づいてオペレーティングシステムの機能のオンオフを制御するので、ホームゲートウェイ300のオペレーティングシステムで動作する機能の不正使用を防止することができる。
【0080】
本実施の形態によれば、アプリケーション配信サーバ100及びホームゲートウェイ300が有する既存のOSAPを利用しているので、すなわち、OSGi標準技術に基づいたバンドルと呼ばれるソフトウェア・モジュール技術やOSAPの既存IF(Interface)を遠隔制御IFに用いているので、アプリケーション配信サーバ100での機能オフ要求バンドルの生成や、ホームゲートウェイ300のアプリケーション監視部34やOS機能管理部35のみの改良でホームゲートウェイ300の遠隔制御が可能となる。これにより、新たなる専用サーバや専用データベース等の構築を不要とし、その遠隔制御に必要とされる開発費用や開発期間を極めて低減することができる。
【0081】
本実施の形態によれば、アプリケーション配信サーバ100のアプリケーション記憶部11から機能オフ要求アプリケーションが削除された場合に、当該機能オフ要求アプリケーションをアンインストールし、機能オフ要求アプリケーションのアンインストールを検知した場合に、ホームゲートウェイ内のオペレーティングシステムの機能をオンに制御する制御命令をオペレーティングシステムに通知するので、オフに制御されたオペレーティングシステムの機能を再使用することができる。
【0082】
本実施の形態によれば、アプリケーション配信サーバ100への機能オフ要求アプリケーションの追加が、ホームゲートウェイ300での該当機能のオフと連動し、アプリケーション配信サーバ100から機能オフ要求アプリケーションの削除が、ホームゲートウェイ300での該当機能のオンと連動しているので、アプリケーション配信サーバ100のアプリケーション記憶部11への登録の有無(登録状態)に基づいてホームゲートウェイ300での該当機能のオンオフ状態を容易に把握することができる。
【0083】
最後に、本実施の形態で説明したホームゲートウェイ遠隔制御システムの応用例について説明する。
【0084】
アプリケーション配信サーバ100は、無線機能を解約したユーザと契約中のユーザとを区別して管理しておき、解約ユーザにのみ無線機能オフ要求アプリケーションを配信することも可能である。
【0085】
また、アプリケーション配信サーバ100は、無線機能オフ要求アプリケーションに代えて又は加えて、ルータ機能オフ要求アプリケーションを配信し、ホームゲートウェイ300で動作する「ONU+ルーティング」機能を「ONU+ハブ」機能に変更することも可能である。その場合、ひかり電話解約ユーザにのみ配信することも可能である。
【0086】
ホームゲートウェイ300で動作しているオペレーティングシステムの機能の拡張に応じて、拡張された機能のオンオフを制御することが可能である。
【0087】
アプリケーション監視部34は、機能オフ要求アプリケーションのインストール又はアンインストールが通知されるのみでよいため、機能オフ要求アプリケーション自体は何も処理しない空のアプリケーションであってもよい。単に、オンオフ対象となる機能種別とインストール/アンインストールとが識別可能であればよい。
【符号の説明】
【0088】
100…アプリケーション配信サーバ
10…アプリケーション配信状態管理部(管理手段)
11…アプリケーション記憶部(記憶手段)
12…アプリケーション配信部(配信手段)
300…ホームゲートウェイ
30…アプリケーション照合部
31…アプリケーション記憶部
32…アプリケーション制御部(第1制御手段)
33…アプリケーションリスナ
34…アプリケーション監視部(監視手段、監視アプリケーション)
35…OS機能管理部(第2制御手段)
500…通信ネットワーク
S101〜S108、S201〜S206…処理ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して接続されたホームゲートウェイをバンドル配信サーバで遠隔制御するホームゲートウェイ遠隔制御システムにおいて、
前記バンドル配信サーバは、
OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、オペレーティングシステムの機能をオフに制御することを要求する機能オフ要求バンドルを記憶手段に記憶して管理する管理手段と、
前記記憶手段から機能オフ要求バンドルを読み出して、前記通信ネットワークを介して前記ホームゲートウェイに配信する配信手段と、を有し、
前記ホームゲートウェイは、
前記バンドル配信サーバから配信された機能オフ要求バンドルを受信してインストールする第1制御手段と、
OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、前記機能オフ要求バンドルのインストールを検知した場合に、当該機能オフ要求バンドルでの要求を命令する制御命令をオペレーティングシステムに通知する監視バンドルにより当該通知を行う通知手段と、
前記制御命令に基づいてオペレーティングシステムの機能のオンオフを制御するオペレーティングシステム内の第2制御手段と、
を有することを特徴とするホームゲートウェイ遠隔制御システム。
【請求項2】
前記第1制御手段は、
前記記憶手段から機能オフ要求バンドルが削除された場合に、前記機能オフ要求バンドルをアンインストールし、
前記通知手段の監視バンドルは、
前記機能オフ要求バンドルのアンインストールを検知した場合に、前記オペレーティングシステムの機能をオンに制御する制御命令をオペレーティングシステムに通知することを特徴とする請求項1記載のホームゲートウェイ遠隔制御システム。
【請求項3】
通信ネットワークを介して接続されたホームゲートウェイをバンドル配信サーバで遠隔制御するホームゲートウェイ遠隔制御方法において、
前記バンドル配信サーバは、
OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、オペレーティングシステムの機能をオフに制御することを要求する機能オフ要求バンドルを記憶手段に記憶して管理する管理ステップと、
前記記憶手段から機能オフ要求バンドルを読み出して、前記通信ネットワークを介して前記ホームゲートウェイに配信する配信ステップと、を有し、
前記ホームゲートウェイは、
前記バンドル配信サーバから配信された機能オフ要求バンドルを受信してインストールする第1制御ステップと、
OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、前記機能オフ要求バンドルのインストールを検知した場合に、当該機能オフ要求バンドルでの要求を命令する制御命令をオペレーティングシステムに通知する監視バンドルにより当該通知を行う通知ステップと、
前記制御命令に基づいてオペレーティングシステムの機能のオンオフを制御するオペレーティングシステム内の第2制御ステップと、
を有することを特徴とするホームゲートウェイ遠隔制御方法。
【請求項4】
前記第1制御ステップは、
前記記憶手段から機能オフ要求バンドルが削除された場合に、前記機能オフ要求バンドルをアンインストールし、
前記通知ステップの監視バンドルは、
前記機能オフ要求バンドルのアンインストールを検知した場合に、前記オペレーティングシステムの機能をオンに制御する制御命令をオペレーティングシステムに通知することを特徴とする請求項3記載のホームゲートウェイ遠隔制御方法。
【請求項5】
請求項3又は4記載の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とするホームゲートウェイ遠隔制御プログラム。
【請求項6】
OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、オペレーティングシステムの機能をオフに制御することを要求する機能オフ要求バンドルをバンドル配信サーバから受信してインストールする第1制御手段と、
OSGi標準技術に基づいたバンドルであって、前記機能オフ要求バンドルのインストールを検知した場合に、当該機能オフ要求バンドルでの要求を命令する制御命令をオペレーティングシステムに通知する監視バンドルにより当該通知を行う通知手段と、
前記制御命令に基づいてオペレーティングシステムの機能のオンオフを制御するオペレーティングシステム内の第2制御手段と、
を有することを特徴とするホームゲートウェイ。
【請求項7】
前記第1制御手段は、
前記バンドル配信サーバの記憶手段から機能オフ要求バンドルが削除された場合に、前記機能オフ要求バンドルをアンインストールし、
前記通知手段の監視バンドルは、
前記機能オフ要求バンドルのアンインストールを検知した場合に、前記オペレーティングシステムの機能をオンに制御する制御命令をオペレーティングシステムに通知することを特徴とする請求項6記載のホームゲートウェイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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