ホールカッター
【課題】 本発明はグリーン及びその下の砂地にホールカッターでホールを切削する際、比較的軽量な電気ドリルによって静粛にホールカッターを回動し、熟練を要せず、簡便迅速に芝生の切削及び砂地切削を行いグリーンに安全容易にホールを切削形成することを目的とする。
【解決手段】 鋼製円筒1の下縁に複数の切削刃2を設け、該円筒1の上端板3に共通中心線c上に回動軸4を設け、上記上端板3に昇降摺動自在に挿通した少なくとも3個のロッド5の下端に上記中心線cを共有する1個の接地板6を上記円筒1内に設け、上記ロッド5の上端部を上記回動軸4に昇降摺動自在にかつ上記中心線cを共有する台板7に接続してなり、上記回動軸4の上端部4’に上記中心線cを共有する電気ドリル8の駆動管軸9を回動方向及び摺動方向に固定し、上記電気ドリル8の両側に把手10,10を設け、上記切削刃2を鋸刃状2’に形成してなるホールカッター。
【解決手段】 鋼製円筒1の下縁に複数の切削刃2を設け、該円筒1の上端板3に共通中心線c上に回動軸4を設け、上記上端板3に昇降摺動自在に挿通した少なくとも3個のロッド5の下端に上記中心線cを共有する1個の接地板6を上記円筒1内に設け、上記ロッド5の上端部を上記回動軸4に昇降摺動自在にかつ上記中心線cを共有する台板7に接続してなり、上記回動軸4の上端部4’に上記中心線cを共有する電気ドリル8の駆動管軸9を回動方向及び摺動方向に固定し、上記電気ドリル8の両側に把手10,10を設け、上記切削刃2を鋸刃状2’に形成してなるホールカッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフ場のグリーンにホールを穿設する装置(ホールカッター)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ホールカッターは、両手でハンドルレバーを持ち押し下げながら手動で左右に回転させ、グリーン上の芝を円筒形に切って穴を開けていく装置で、手動式である。しかし過去にはエンジンを搭載した穿孔機と言うホールカッターが開発された(例えば特許文献1、2)、構造はエンジン付でエキセントリックにカムが回転しピストンにより上下運動し打撃によって穴を開けていく物でエンジン音や打撃音等の騒音が大きく、重量も重く持ち歩き不便であり使い勝手が悪いという問題があった。
【0003】
又切削用円筒の下縁の切削刃は開き角45度程度の4個の大波形(円弧形)切削刃であるためグリーン芝生及びその下の砂地切削に際し、垂直方向の推進抵抗が大であるため昇降ハンマによる強い打撃力を要した(例えば特許文献3)。
【0004】
従って1個のグリーンホールを切削開孔する際重量大な押圧を要し、人力による把持が困難で労力、熟練、騒音及び搬送その他ホールカッター作業を容易に行い難いという問題があった。
【0005】
【特許文献1】実開昭58−72289号公報
【特許文献2】特開昭58−72290号公報
【特許文献3】特開昭58−99386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はグリーン及びその下の砂地にホールカッターでホールを切削する際、比較的軽量な電気ドリルによって静粛にホールカッターを回動し、熟練を要せず、簡便迅速に芝生の切削及び砂地切削を行いグリーンに安全容易にホールを切削形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため本発明は
第1に鋼製円筒の下縁に複数の切削刃を設け、該円筒の上端板に共通中心線上に回動軸を設け、上記上端板に昇降摺動自在に挿通した少なくとも3個のロッドの下端に上記中心線を共有する1個の接地板を上記円筒内に設け、上記ロッドの上端部を上記回動軸に昇降摺動自在にかつ上記中心線を共有する台板に接続してなり、上記回動軸の上端部に上記中心線を共有する電気ドリルの駆動軸を回動方向及び摺動方向に固定し、上記電気ドリルの両側に把手を設け、上記切削刃を鋸刃状に形成してなるホールカッター、
第2に上記回動軸の上端部と上記電気ドリルの駆動軸とを回動方向に回動し、摺動方向に着脱自在に固定してなる上記第1発明記載のホールカッター、
第3に上記把手の一方にバッテリー電源を支持し、上記電気ドリル本体又は把手に水準器を設けてなる上記第1又は第2発明記載のホールカッター、
第4に上記鋸刃状切削刃の各刃に超硬チップを鑞付けした上記第1〜第3発明のいずれかに記載のホールカッター、
によって構成される。
【0008】
従って、グリーンの芝生上に鋼製円筒の下縁の鋸刃状切削刃を載置すると、芝生上面に上記鋼製円筒、回動軸、3個のロッド、接地板、台板、電気ドリル、把手等の全重量が掛り、その重量により多数の鋸刃状切削刃はそれぞれ芝生に切込む。
【0009】
この状態において両側の把手を両手で把持し、電気ドリルのスイッチをONし、該ドリルの駆動軸を中心線の回りに回動させることにより上記回動軸、上端板を経て鋼製円筒を中心線の回りに回動させることができ、その反力を把手を介して両手で支持する。
【0010】
このようにすると上記鋸刃状切削刃が芝生や根を円形に切削し、これを取外して容器に収容した後、露出した砂地を上述同様に鋸刃状切削刃による切込み及び回動によって中心線の回りに砂地を円筒形に切込むことができる。
【0011】
上記鋸刃状切削刃及び上記円筒が上端板附近までグリーンに推進すると上記3個のロッド、接地板及び台板は砂地に押上げられ、接地板は上端板の下面に接し、上記円筒内に円筒形砂地が押し込まれる。
【0012】
この状態でスイッチをOFFし、上記回動及び切削を停止し、両側の把手を把持して中心線の方向に上方に上記円筒を芝生上に引抜くと該円筒内には円筒形砂地が充填されたまま芝生上に上昇し、砂地に円筒形穴(ホール)が凹設される。
【0013】
上記砂地充填円筒はホールカップを取外した既設ホール上に共通中心線上に搬送され、その位置で台板を足で踏むことにより、上記3個のロッドを介して接地板が上記円筒内を下降し、該円筒内の充填筒状砂地を既設ホール内に下降嵌合し、該既設ホールを埋めることができ、上記新たな円筒形穴(ホール)にホールカップを嵌合させることにより、新しいホールを芝生(グリーン)上に形成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述のように構成したので、グリーンの芝生及び地盤砂地に人力で回動させる力を要せず、比較的簡便迅速かつ安全にグリーンホールを垂直方向に切削形成し得る効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
高さ約180〜250mm、外径約108mm厚さ約1mmの鋼製円筒1の下端縁周に高さ約5mmの小山形の鋸刃状2’の切削刃2を8〜28山形成し、焼入れ又は超硬チップ2”を銀ろう付け(図1、図2(ロ)図)する。
【0016】
上記円筒1は円形上端板3で閉鎖され、円筒1と共通中心線c上に該上端板3の上面に回転軸4の下端を溶接その他により1体に固定して設ける。
【0017】
上記上端板3の上記中心線cと外周との中間円周線上に形成した3個の透孔3’,3’,3’にそれぞれスライドブッシュ3”を嵌合し、該スライドブッシュ3”,3”,3”にそれぞれ昇降摺動自在に嵌合したロッド5,5,5の下端に上記中心線cを共有する1個の円形接地板6を上記円筒1内に上記ロッド5,5,5の昇降に伴って昇降摺動自在に支持される。上記透孔3’、スライドブッシュ3”及び上記ロッド5をそれぞれ3〜6個とすることができる。
【0018】
上記3個のロッド5,5,5の上端部は、上記回動軸4に主スライドブッシュ4”を介して昇降摺動自在に嵌合しかつ上記中心線cを共有するほぼ3角形台板7に接続する。
【0019】
上記接続は図1〜図5に示すように台板7に穿設した透孔にロッド5,5,5の上端部に形成した雄螺子5’に雌螺子5”,5”を台板7の上下に螺合することによって該台板7に固着する。
【0020】
上記台板7には図1、図2に示すように該台板7の各辺に(3方に)足踏ペダル7’,7’,7’を水平方向に上記円筒1の外周以内に突出し、先端を引掛防止弧状に形成すると良い。
【0021】
上記回動軸4の上端部には上記中心線cを共有する多角(3〜6角)柱4’を形成し、上記中心線cを共有する直流電気ドリル8の駆動管軸9を上記多角柱4’に回動方向及び摺動方向に嵌合固定する。
【0022】
即ち上記電気ドリル8の駆動管軸9内に上記多角柱4’を挿入し、管軸9内に配設して直径方向締付杆9’,9’,9’(図3(ロ)(ハ)図)(チャック)を正逆回動調整環8’を正逆回動させることによって上記多角柱4’の各側面を締付け又は弛めて管軸9と上記多角注4’(回動軸)の中心線cを共有させることができる。
【0023】
又締付杆9’,9’,9’(チャック)と多角柱4’とを締付け圧着することにより回動軸4と管軸9とを中心線cの回りに互に回動方向に固定し、摺動方向(中心線c方向)に固定することができる。
【0024】
しかし上記回動調整環8’を反対方向に回動することにより、上締付杆9’,9’,9’(チャック)と多角柱4’との締付けを弛めることによって管軸9を中心線cの方向に摺動させ管軸9と回動軸4とを分離することができ、かつ上記チャックを締付けてこれらを摺動方向に着脱自在に固定することができる。
【0025】
上記電気ドリル8の本体ケース8”の上記中心線cの両側に把手10,10を横向きに突設し、一方の把手10の基部に電動スイッチsを設け、本体ケース8”の側部に正逆回動変換スイッチs’を設け、回動軸4及び鋼製円筒1を中心線cの回りに正逆に回動することができる。
【0026】
図1に示すように本体ケース8”の上端(図1)又は一方の把手10の先端(図2)にバッテリー電源11を着脱自在に設け、分離して直流充電器(図示していない)により充電することができる。
【0027】
本発明では直流充電式バッテリーによるバッテリードライバードリル(最大トルク85N−m)を使用し、刃先は従来の波形4山とは異なる鋸刃状2で8〜28山を使用する。
【0028】
即ち電動ドライバー8はBOSCH(登録商標)であって、管軸(チャック)9に嵌合するネジ径は最大14mm、電圧24volt、トルク2−10(85)Nm、穴あけ能力 木工/鉄工=max40/16mmのものを用いる。
【0029】
上記中心線cの垂直を示す水準器12を電源バッテリー11その他の上面に支持し、該水準器12を見て作業時中心線cを垂直に保持することができ上記円筒1によって傾斜グリーン13位置に垂直ホール14を開削することができる。
【0030】
図6(イ)図に示す開削位置において把手10,10を把持してスイッチsをONすると回動軸4以下の円筒1、ロッド5,5,5、台板7及び接地板6が電気ドリル8の管軸9(チャック)のトルクによって図1矢印a方向に回動し、グリーン13の芝生13’を円形に鋸刃2’によって円形にカットし、先ず図10(イ)図に示す芝生部13”を円筒1を上昇して足踏ペタル7’を踏んで接地板6を下降させて容器内に収容する(図示していない。)
【0031】
その後図6(ロ)(ハ)図に示すように把手10,10を両手で圧下して上記円筒1を矢印a方向に回動し下降すると鋸刃状2切削刃2’及び超硬チップ2”によって砂地15(図10(ロ)図)を円筒状に上記円筒1内に収容することができる(図6(ハ)図)、その際接地板6は砂地15によって上記円筒1の上端部まで押上げられる。
【0032】
その状態(図6(ハ)図の状態)で電気ドリル8のスイッチsをOFFし、把手10,10を両手でグリーン13上に引上げると(図6(ニ)にその状態を示す)、上記円筒1と共に円筒形砂地15’も一緒に持上げられ、グリーン13に円筒状の穴14が開削される(図6(二)図にその状態を示す)。
【0033】
グリーン13の既ホール14’から図9に示すホールカップ16を取外し、既ホール14の直上に上記円筒1及びその中の円筒形砂地15’を垂直中心線c上に手で支持し、台板7に設けた足踏ペタル7’を踏むことによって上記台板7を強制下降する。
【0034】
上記下降によって上記円筒1内の円筒形砂地15’を図8に示す既ホール14内にすっぽり嵌合し、これを該砂地15’で充填した後図10(イ)図に示す円形芝生13”を既ホール14の上面に嵌合させて作業を終了する。
【0035】
尚図916’で示すものはホールカップ16の底孔、17は底孔16’に挿入したピン、図11中2aは従来の波形円弧形切削刃である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明では電動ドリル8が直流電動機であるため管軸9における駆動回転数(rpm)の始動時の低回転時においてトルクが低下するおそれがなく、比較的コンパクトな穿孔ドリルを利用し得てかつ騒音が少なく比較的軽量で作業能率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】(イ)図は本発明のホールカッターを示す正面図、(ロ)図はc−c線による水準器の平面図である。
【図2】図1の他の実施例の正面図である。
【図3】(イ)図は図1A−A線による平面図、(ロ)図は図1B−B線によるチャック弛緩状態の底面図、(ハ)図はチャック締付状態の底面図、(ニ)図は鋸刃の一部側面図である。
【図4】電気ドリルを分離した状態を示すホールカッターの斜視図である。
【図5】図4の一部縦断正面図である。
【図6】(イ)図はホール掘削直前の縦断正面図、(ロ)図は掘削中の縦断正面図、(ハ)図は掘削終了状態の縦断面図、(ニ)図はホール開削状態の縦断面図、(ホ)図は既存ホール充填状態縦断面図である。
【図7】グリーンの平面図である。
【図8】芝生切削及び土砂開削状態の縦断面図である。
【図9】ホールカップ及びピンの側面図である。
【図10】(イ)図は芝生カット状態の正面図、(ロ)図は掘削土砂の正面図である。
【図11】従来の波形又は円弧形切削刃の斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
1 鋼製円筒
2 切削刃
2’ 鋸刃状
3 上端板
c 共通中心線
4 回動軸
4’ 多角柱
5 ロッド
6 接地板
7 台板
8 電気ドリル
9 駆動管軸
10 把手
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフ場のグリーンにホールを穿設する装置(ホールカッター)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ホールカッターは、両手でハンドルレバーを持ち押し下げながら手動で左右に回転させ、グリーン上の芝を円筒形に切って穴を開けていく装置で、手動式である。しかし過去にはエンジンを搭載した穿孔機と言うホールカッターが開発された(例えば特許文献1、2)、構造はエンジン付でエキセントリックにカムが回転しピストンにより上下運動し打撃によって穴を開けていく物でエンジン音や打撃音等の騒音が大きく、重量も重く持ち歩き不便であり使い勝手が悪いという問題があった。
【0003】
又切削用円筒の下縁の切削刃は開き角45度程度の4個の大波形(円弧形)切削刃であるためグリーン芝生及びその下の砂地切削に際し、垂直方向の推進抵抗が大であるため昇降ハンマによる強い打撃力を要した(例えば特許文献3)。
【0004】
従って1個のグリーンホールを切削開孔する際重量大な押圧を要し、人力による把持が困難で労力、熟練、騒音及び搬送その他ホールカッター作業を容易に行い難いという問題があった。
【0005】
【特許文献1】実開昭58−72289号公報
【特許文献2】特開昭58−72290号公報
【特許文献3】特開昭58−99386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はグリーン及びその下の砂地にホールカッターでホールを切削する際、比較的軽量な電気ドリルによって静粛にホールカッターを回動し、熟練を要せず、簡便迅速に芝生の切削及び砂地切削を行いグリーンに安全容易にホールを切削形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため本発明は
第1に鋼製円筒の下縁に複数の切削刃を設け、該円筒の上端板に共通中心線上に回動軸を設け、上記上端板に昇降摺動自在に挿通した少なくとも3個のロッドの下端に上記中心線を共有する1個の接地板を上記円筒内に設け、上記ロッドの上端部を上記回動軸に昇降摺動自在にかつ上記中心線を共有する台板に接続してなり、上記回動軸の上端部に上記中心線を共有する電気ドリルの駆動軸を回動方向及び摺動方向に固定し、上記電気ドリルの両側に把手を設け、上記切削刃を鋸刃状に形成してなるホールカッター、
第2に上記回動軸の上端部と上記電気ドリルの駆動軸とを回動方向に回動し、摺動方向に着脱自在に固定してなる上記第1発明記載のホールカッター、
第3に上記把手の一方にバッテリー電源を支持し、上記電気ドリル本体又は把手に水準器を設けてなる上記第1又は第2発明記載のホールカッター、
第4に上記鋸刃状切削刃の各刃に超硬チップを鑞付けした上記第1〜第3発明のいずれかに記載のホールカッター、
によって構成される。
【0008】
従って、グリーンの芝生上に鋼製円筒の下縁の鋸刃状切削刃を載置すると、芝生上面に上記鋼製円筒、回動軸、3個のロッド、接地板、台板、電気ドリル、把手等の全重量が掛り、その重量により多数の鋸刃状切削刃はそれぞれ芝生に切込む。
【0009】
この状態において両側の把手を両手で把持し、電気ドリルのスイッチをONし、該ドリルの駆動軸を中心線の回りに回動させることにより上記回動軸、上端板を経て鋼製円筒を中心線の回りに回動させることができ、その反力を把手を介して両手で支持する。
【0010】
このようにすると上記鋸刃状切削刃が芝生や根を円形に切削し、これを取外して容器に収容した後、露出した砂地を上述同様に鋸刃状切削刃による切込み及び回動によって中心線の回りに砂地を円筒形に切込むことができる。
【0011】
上記鋸刃状切削刃及び上記円筒が上端板附近までグリーンに推進すると上記3個のロッド、接地板及び台板は砂地に押上げられ、接地板は上端板の下面に接し、上記円筒内に円筒形砂地が押し込まれる。
【0012】
この状態でスイッチをOFFし、上記回動及び切削を停止し、両側の把手を把持して中心線の方向に上方に上記円筒を芝生上に引抜くと該円筒内には円筒形砂地が充填されたまま芝生上に上昇し、砂地に円筒形穴(ホール)が凹設される。
【0013】
上記砂地充填円筒はホールカップを取外した既設ホール上に共通中心線上に搬送され、その位置で台板を足で踏むことにより、上記3個のロッドを介して接地板が上記円筒内を下降し、該円筒内の充填筒状砂地を既設ホール内に下降嵌合し、該既設ホールを埋めることができ、上記新たな円筒形穴(ホール)にホールカップを嵌合させることにより、新しいホールを芝生(グリーン)上に形成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述のように構成したので、グリーンの芝生及び地盤砂地に人力で回動させる力を要せず、比較的簡便迅速かつ安全にグリーンホールを垂直方向に切削形成し得る効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
高さ約180〜250mm、外径約108mm厚さ約1mmの鋼製円筒1の下端縁周に高さ約5mmの小山形の鋸刃状2’の切削刃2を8〜28山形成し、焼入れ又は超硬チップ2”を銀ろう付け(図1、図2(ロ)図)する。
【0016】
上記円筒1は円形上端板3で閉鎖され、円筒1と共通中心線c上に該上端板3の上面に回転軸4の下端を溶接その他により1体に固定して設ける。
【0017】
上記上端板3の上記中心線cと外周との中間円周線上に形成した3個の透孔3’,3’,3’にそれぞれスライドブッシュ3”を嵌合し、該スライドブッシュ3”,3”,3”にそれぞれ昇降摺動自在に嵌合したロッド5,5,5の下端に上記中心線cを共有する1個の円形接地板6を上記円筒1内に上記ロッド5,5,5の昇降に伴って昇降摺動自在に支持される。上記透孔3’、スライドブッシュ3”及び上記ロッド5をそれぞれ3〜6個とすることができる。
【0018】
上記3個のロッド5,5,5の上端部は、上記回動軸4に主スライドブッシュ4”を介して昇降摺動自在に嵌合しかつ上記中心線cを共有するほぼ3角形台板7に接続する。
【0019】
上記接続は図1〜図5に示すように台板7に穿設した透孔にロッド5,5,5の上端部に形成した雄螺子5’に雌螺子5”,5”を台板7の上下に螺合することによって該台板7に固着する。
【0020】
上記台板7には図1、図2に示すように該台板7の各辺に(3方に)足踏ペダル7’,7’,7’を水平方向に上記円筒1の外周以内に突出し、先端を引掛防止弧状に形成すると良い。
【0021】
上記回動軸4の上端部には上記中心線cを共有する多角(3〜6角)柱4’を形成し、上記中心線cを共有する直流電気ドリル8の駆動管軸9を上記多角柱4’に回動方向及び摺動方向に嵌合固定する。
【0022】
即ち上記電気ドリル8の駆動管軸9内に上記多角柱4’を挿入し、管軸9内に配設して直径方向締付杆9’,9’,9’(図3(ロ)(ハ)図)(チャック)を正逆回動調整環8’を正逆回動させることによって上記多角柱4’の各側面を締付け又は弛めて管軸9と上記多角注4’(回動軸)の中心線cを共有させることができる。
【0023】
又締付杆9’,9’,9’(チャック)と多角柱4’とを締付け圧着することにより回動軸4と管軸9とを中心線cの回りに互に回動方向に固定し、摺動方向(中心線c方向)に固定することができる。
【0024】
しかし上記回動調整環8’を反対方向に回動することにより、上締付杆9’,9’,9’(チャック)と多角柱4’との締付けを弛めることによって管軸9を中心線cの方向に摺動させ管軸9と回動軸4とを分離することができ、かつ上記チャックを締付けてこれらを摺動方向に着脱自在に固定することができる。
【0025】
上記電気ドリル8の本体ケース8”の上記中心線cの両側に把手10,10を横向きに突設し、一方の把手10の基部に電動スイッチsを設け、本体ケース8”の側部に正逆回動変換スイッチs’を設け、回動軸4及び鋼製円筒1を中心線cの回りに正逆に回動することができる。
【0026】
図1に示すように本体ケース8”の上端(図1)又は一方の把手10の先端(図2)にバッテリー電源11を着脱自在に設け、分離して直流充電器(図示していない)により充電することができる。
【0027】
本発明では直流充電式バッテリーによるバッテリードライバードリル(最大トルク85N−m)を使用し、刃先は従来の波形4山とは異なる鋸刃状2で8〜28山を使用する。
【0028】
即ち電動ドライバー8はBOSCH(登録商標)であって、管軸(チャック)9に嵌合するネジ径は最大14mm、電圧24volt、トルク2−10(85)Nm、穴あけ能力 木工/鉄工=max40/16mmのものを用いる。
【0029】
上記中心線cの垂直を示す水準器12を電源バッテリー11その他の上面に支持し、該水準器12を見て作業時中心線cを垂直に保持することができ上記円筒1によって傾斜グリーン13位置に垂直ホール14を開削することができる。
【0030】
図6(イ)図に示す開削位置において把手10,10を把持してスイッチsをONすると回動軸4以下の円筒1、ロッド5,5,5、台板7及び接地板6が電気ドリル8の管軸9(チャック)のトルクによって図1矢印a方向に回動し、グリーン13の芝生13’を円形に鋸刃2’によって円形にカットし、先ず図10(イ)図に示す芝生部13”を円筒1を上昇して足踏ペタル7’を踏んで接地板6を下降させて容器内に収容する(図示していない。)
【0031】
その後図6(ロ)(ハ)図に示すように把手10,10を両手で圧下して上記円筒1を矢印a方向に回動し下降すると鋸刃状2切削刃2’及び超硬チップ2”によって砂地15(図10(ロ)図)を円筒状に上記円筒1内に収容することができる(図6(ハ)図)、その際接地板6は砂地15によって上記円筒1の上端部まで押上げられる。
【0032】
その状態(図6(ハ)図の状態)で電気ドリル8のスイッチsをOFFし、把手10,10を両手でグリーン13上に引上げると(図6(ニ)にその状態を示す)、上記円筒1と共に円筒形砂地15’も一緒に持上げられ、グリーン13に円筒状の穴14が開削される(図6(二)図にその状態を示す)。
【0033】
グリーン13の既ホール14’から図9に示すホールカップ16を取外し、既ホール14の直上に上記円筒1及びその中の円筒形砂地15’を垂直中心線c上に手で支持し、台板7に設けた足踏ペタル7’を踏むことによって上記台板7を強制下降する。
【0034】
上記下降によって上記円筒1内の円筒形砂地15’を図8に示す既ホール14内にすっぽり嵌合し、これを該砂地15’で充填した後図10(イ)図に示す円形芝生13”を既ホール14の上面に嵌合させて作業を終了する。
【0035】
尚図916’で示すものはホールカップ16の底孔、17は底孔16’に挿入したピン、図11中2aは従来の波形円弧形切削刃である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明では電動ドリル8が直流電動機であるため管軸9における駆動回転数(rpm)の始動時の低回転時においてトルクが低下するおそれがなく、比較的コンパクトな穿孔ドリルを利用し得てかつ騒音が少なく比較的軽量で作業能率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】(イ)図は本発明のホールカッターを示す正面図、(ロ)図はc−c線による水準器の平面図である。
【図2】図1の他の実施例の正面図である。
【図3】(イ)図は図1A−A線による平面図、(ロ)図は図1B−B線によるチャック弛緩状態の底面図、(ハ)図はチャック締付状態の底面図、(ニ)図は鋸刃の一部側面図である。
【図4】電気ドリルを分離した状態を示すホールカッターの斜視図である。
【図5】図4の一部縦断正面図である。
【図6】(イ)図はホール掘削直前の縦断正面図、(ロ)図は掘削中の縦断正面図、(ハ)図は掘削終了状態の縦断面図、(ニ)図はホール開削状態の縦断面図、(ホ)図は既存ホール充填状態縦断面図である。
【図7】グリーンの平面図である。
【図8】芝生切削及び土砂開削状態の縦断面図である。
【図9】ホールカップ及びピンの側面図である。
【図10】(イ)図は芝生カット状態の正面図、(ロ)図は掘削土砂の正面図である。
【図11】従来の波形又は円弧形切削刃の斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
1 鋼製円筒
2 切削刃
2’ 鋸刃状
3 上端板
c 共通中心線
4 回動軸
4’ 多角柱
5 ロッド
6 接地板
7 台板
8 電気ドリル
9 駆動管軸
10 把手
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼製円筒の下縁に複数の切削刃を設け、該円筒の上端板に共通中心線上に回動軸を設け、
上記上端板に昇降摺動自在に挿通した少なくとも3個のロッドの下端に上記中心線を共有する1個の接地板を上記円筒内に設け、
上記ロッドの上端部を上記回動軸に昇降摺動自在にかつ上記中心線を共有する台板に接続してなり、
上記回動軸の上端部に上記中心線を共有する電気ドリルの駆動軸を回動方向及び摺動方向に固定し、
上記電気ドリルの両側に把手を設け、
上記切削刃を鋸刃状に形成してなるホールカッター。
【請求項2】
上記回動軸の上端部と上記電気ドリルの駆動軸とを回動方向に回動し、摺動方向に着脱自在に固定してなる請求項1記載のホールカッター。
【請求項3】
上記把手の一方にバッテリー電源を支持し、上記電気ドリル本体又は把手に水準器を設けてなる請求項1又は2記載のホールカッター。
【請求項4】
上記鋸刃状切削刃の各刃に超硬チップを鑞付けした請求項1〜3のいずれかに記載のホールカッター。
【請求項1】
鋼製円筒の下縁に複数の切削刃を設け、該円筒の上端板に共通中心線上に回動軸を設け、
上記上端板に昇降摺動自在に挿通した少なくとも3個のロッドの下端に上記中心線を共有する1個の接地板を上記円筒内に設け、
上記ロッドの上端部を上記回動軸に昇降摺動自在にかつ上記中心線を共有する台板に接続してなり、
上記回動軸の上端部に上記中心線を共有する電気ドリルの駆動軸を回動方向及び摺動方向に固定し、
上記電気ドリルの両側に把手を設け、
上記切削刃を鋸刃状に形成してなるホールカッター。
【請求項2】
上記回動軸の上端部と上記電気ドリルの駆動軸とを回動方向に回動し、摺動方向に着脱自在に固定してなる請求項1記載のホールカッター。
【請求項3】
上記把手の一方にバッテリー電源を支持し、上記電気ドリル本体又は把手に水準器を設けてなる請求項1又は2記載のホールカッター。
【請求項4】
上記鋸刃状切削刃の各刃に超硬チップを鑞付けした請求項1〜3のいずれかに記載のホールカッター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−13925(P2008−13925A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−183297(P2006−183297)
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【出願人】(506227770)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【出願人】(506227770)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]