説明

ボックスパレット

【解決手段】フォーク挿入口が形成されているパレット部材1と、パレット部材に対して取り外し可能な相対する一方の側壁部材2と、パレット部材に対して取り外し可能或いはヒンジ連結されたもう一方の側壁部材3とからなるボックスパレットにおいて、箱型に組み立てられた状態から、最初に上方に引き抜かれる一方の側壁部材の下端面側の中央部に、下部手持ち用凹部2sを形成したものである。
【効果】箱型に組み立てられた状態から、最初に上方に引き抜かれる一方の側壁部材の下端面側の中央部に、下部手持ち用凹部を形成したので、水平状態に維持した状態で、一方の側壁部材を、円滑に、且つ、容易に、パレット部材から取り外すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーク挿入口が形成されているパレット部材と、パレット部材に取り外し可能な相対する一方の側壁部材と、同じく、パレット部材に取り外し可能或いはヒンジ連結された相対するもう一方の側壁部材とからなるボックスパレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述した構成を有するボックスパレットは、特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−362555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のボックスパレットにおいては、ボックスパレットが折り畳まれた状態から、先に組み立てられる側壁部材を持ち上げる際に、略水平状態の先に組み立てられる側壁部材に、持ち手がなく、従って、先に組み立てられる側壁部材の持ち上げ作業の作業性が悪いという問題があった。
【0005】
また、従来のボックスパレットにおいては、ボックスパレットが折り畳まれた状態から、略水平状態の後から組み立てられる側壁部材を持ち上げる際に、持ち手がなく、従って、後から組み立てられる側壁部材の持ち上げ作業、或いは、回動作業の作業性が悪いという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来のボックスパレットが有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した目的を達成するために、フォーク挿入口が形成されているパレット部材と、パレット部材に対して取り外し可能な相対する一方の側壁部材と、パレット部材に対して取り外し可能或いはヒンジ連結されたもう一方の側壁部材とからなるボックスパレットにおいて、箱型に組み立てられた状態から、最初に上方に引き抜かれる一方の側壁部材の下端面側の中央部に、下部手持ち用凹部を形成したものである。
【発明の効果】
【0008】
箱型に組み立てられた状態から、最初に上方に引き抜かれる一方の側壁部材の下端面側の中央部に、下部手持ち用凹部を形成したので、水平状態に維持した状態で、一方の側壁部材を、円滑に、且つ、容易に、パレット部材から取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明のボックスパレットが、箱型に組み立てられた状態の斜視図である。
【図2】図2は、本発明のボックスパレットが、折り畳まれた状態の斜視図である。
【図3】図3は、本発明のボックスパレットが、箱型に組み立てられた状態かた一方の引き抜き側壁部材が引き抜かれる状態の斜視図である。
【図4】図4は、本発明のボックスパレットを構成するパレット部材の斜視図である。
【図5】図5は、本発明のボックスパレットを構成するパレット部材の部分拡大斜視図である。
【図6】図6は、同じく、本発明のボックスパレットを構成するパレット部材の部分拡大斜視図である。
【図7】図7は、同じく、本発明のボックスパレットを構成するパレット部材の部分拡大斜視図である。
【図8】図8は、本発明のボックスパレットを構成するパレット部材の下面斜視図である。
【図9】図9は、本発明のボックスパレットを構成するパレット部材の下部半体の斜視図である。
【図10】図10は、本発明のボックスパレットを構成するパレット部材の上部半体の斜視図である。
【図11】図11は、本発明のボックスパレットを構成する引き抜き側壁部材の斜視図である。
【図12】図12は、同じく、本発明のボックスパレットを構成する引き抜き側壁部材の斜視図である。
【図13】図13は、本発明のボックスパレットを構成する引き抜き側壁部材の部分拡大斜視図である。
【図14】図14は、同じく、本発明のボックスパレットを構成する引き抜き側壁部材の部分拡大斜視図である。
【図15】図15は、本発明のボックスパレットを構成する引き抜き側壁部材の引き抜き側壁部材内側半体の斜視図である。
【図16】図16は、同じく、本発明のボックスパレットを構成する引き抜き側壁部材を構成する引き抜き側壁部材内側半体の斜視図である。
【図17】図17は、本発明のボックスパレットを構成する引き抜き側壁部材の引き抜き側壁部材外側半体の斜視図である。
【図18】図18は、同じく、本発明のボックスパレットを構成する引き抜き側壁部材の引き抜き側壁部材外側半体の斜視図である。
【図19】図19は、本発明のボックスパレットを構成する引き抜き側壁部材の部分拡大斜視図である。
【図20】図20は、本発明のボックスパレットを構成する先倒し側壁部材の斜視図である。
【図21】図21は、同じく、本発明のボックスパレットを構成する先倒し側壁部材の斜視図である。
【図22】図22は、本発明のボックスパレットを構成する先倒し側壁部材の部分拡大斜視図である。
【図23】図23は、本発明のボックスパレットを構成する先倒し側壁部材の先倒し側壁部材内側半体と先倒し側壁部材外側半体の斜視図である。
【図24】図24は、本発明のボックスパレットを構成するパレット部材と引き抜き側壁部材の部分拡大斜視図である。
【図25】図25は、本発明のボックスパレットの斜視図である。
【図26】図26は、本発明のボックスパレットを構成するパレット部材と引き抜き側壁部材の部分拡大斜視図である。
【図27】図27は、本発明のボックスパレットの一部垂直断面を含む部分拡大斜視図である。
【図28】図28は、同じく、本発明のボックスパレットの一部垂直断面を含む部分拡大斜視図である。
【図29】図29は、同じく、本発明のボックスパレットの一部垂直断面を含む部分拡大斜視図である。
【図30】図30は、本発明のボックスパレットの一方の引き抜き側壁部材が取り外された状態の斜視図である。
【図31】図31は、本発明のボックスパレットの一部垂直断面を含む部分斜視図である。
【実施例】
【0010】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら、本発明の実施例に限定されるものではない。
【0011】
図1において、B1は、ボックスパレットであり、ボックスパレットB1は、パレット部材1と、相対する一方の側壁部材2と、相対するもう一方の側壁部材3とから構成されている。
【0012】
図1に示されているように、ボックスパレットB1が、箱型に組み立てられた状態から、図2に示されているように、ボックスパレットB1を折り畳むには、先ず最初に、図3に示されているように、相対する一方の側壁部材2を上方に引き抜き、次いで、相対するもう一方の側壁部材3を、パレット部材1側に倒して、パレット部材1に重ね、次いで、引き抜かれた相対する一方の側壁部材2を、パレット部材1に重ねられた相対するもう一方の側壁部材3に重ねることにより、箱型に組み立てられたボックスパレットB1を、図2に示されているように、折り畳むことができるように構成されている。なお、相対するもう一方の側壁部材3を、先に倒し、その後、相対する一方の側壁部材2を上方に引き抜いた後、相対するもう一方の側壁部材3に重ねることもできる。
【0013】
箱型に組み立てられた状態のボックスパレットB1から、引き抜かれる相対する一方の側壁部材2を、以下、引き抜き側壁部材と称し、また、パレット部材1に、最初に重ねられる相対するもう一方の側壁部材3を、以下、先倒し側壁部材と称する。
【0014】
次に、図4〜図10を用いて、パレット部材1について説明する。
【0015】
パレット部材1は、荷物が載置される平面形状が方形状の荷物載置部1aと、パレット部材1の相対する一方の辺部に形成された土手部1bと、パレット部材1の相対するもう一方の辺部に形成された土手部1cとを有している。また、相対する一方の辺部に形成された土手部1bは、相対するもう一方の辺部に形成された土手部1cより高く形成されている。以下、相対する一方の辺部に形成された土手部1bを、高部土手部と称し、また、高部土手部1bより低い、相対するもう一方の辺部に形成された土手部1cを、以下、低部土手部と称する。
【0016】
高部土手部1bの中央部には、高部土手部1bの内面(荷物載置部1a側に位置する面)1b1側と上方が開放された内側中央嵌合凹部1dが形成されており、また、高部土手部1bの両端部には、内側中央嵌合凹部1dと同様に、高部土手部1bの内面1b1側と上方が開放された内側端部嵌合凹部1eが形成されている。更に、高部土手部1bに形成された内側中央嵌合凹部1dと内側端部嵌合凹部1eとの間には、高部土手部1bの内面1b1側と上方が開放されているとともに、内面1b1に沿って、相対する張出部1f1が延設されている張出部付き内側嵌合凹部1fが形成されている。
【0017】
また、内側端部嵌合凹部1eと張出部付き内側嵌合凹部1fとの間、及び、張出部付き内側嵌合凹部1fと内側中央嵌合凹部1dとの間には、高部土手部1bの内面1b1と相対する面及び上方が開放された、立てられた状態の引き抜き側壁部材2の箱型に組み立てられたボックスパレットB1の内側方向への移動を阻止するための外側嵌合凹部1gが形成されている。外側嵌合凹部1gは、底部1g1と、互いに離れるように傾斜した相対する傾斜部1g2と、奥壁1g3とから構成されており、また、外側嵌合凹部1gの深さ(高部土手部1bの上面1b2からの深さ)は、上述した内側中央嵌合凹部1d、内側端部嵌合凹部1e及び張出部付き内側嵌合凹部1fの深さより、浅く形成されており、更に、本実施例においては、上述した内側中央嵌合凹部1d、内側端部嵌合凹部1e及び張出部付き内側嵌合凹部1fの深さは、同じ深さに形成されている。
【0018】
外側嵌合凹部1gの相対する高部土手部1bの内面1b1には、高部土手部1bの内面1b1側と上方が開放された、外側嵌合凹部1gと対向する対向内部嵌合凹部1hが形成されている。また、高部土手部1bの両端には、低部土手部1c方向に延在するとともに、高部土手部1bの上面1b2と面一な上面を有する低部土手部側土手部1iが形成されており、更に、低部土手部側土手部1iと低部土手部1cとの下端角部には、高部土手部1bの内面1b1に垂直な両側面と低部土手部1c側とが開放された嵌合凹部1i1が形成されている。
【0019】
本実施例においては、1個の内側中央嵌合凹部1dと2個の内側端部嵌合凹部1eと2個の張出部付き内側嵌合凹部1fと4個の外側嵌合凹部1gと4個の対向内部嵌合凹部1hが形成されている例が示されているが、ボックスパレットB1の大きさ等により、これらの個数に限定されるものではない。
【0020】
低部土手部1cの中央部には、低部土手部1cの内面(荷物載置部1a側に位置する面)1c1側と上方が開放された内側中央嵌合凹部1jが形成されている。また、内側中央嵌合凹部1jと低部土手部1cの両端部との間には、内面1c1に沿って、相対する張出部1k1が延設された張出部付き内側嵌合凹部1kが、適当数、形成されている。本実施例においては、内側中央嵌合凹部1jと低部土手部1cの両端部との間に、2個の張出部付き内側嵌合凹部1kが形成されている例が示されているが、ボックスパレットB1の大きさ等により、これらの個数に限定されるものではない。
【0021】
パレット部材1には、低部土手部1cに沿って形成された側部桁1mと、側部桁1m間に形成された、側部桁1mに平行な中部桁1nとが形成されており、また、側部桁1mの両端部と中部桁1nの両端部とは、端部連結桟1pにより連結されており、また、側部桁1mの中央部と中部桁1nの中央部とは、中央部連結桟1qにより連結されている。このような構成により、パレット部材1には、低部土手部1cに沿って、フォーク挿入口1rが形成されている。更に、側部桁1mの両端部付近を、上方に凹ますとともに、同じく、中部桁1nの両端部付近を、上方に凹ますことにより、パレット部材1には、側部桁1mと中部桁1nの長手方向に対して垂直なフォーク挿入口1sが形成されている。
【0022】
側部桁1mの外側角部1m1付近の裏面には、側部桁1mの裏面角部の周辺を切り欠くことにより、外側角部1m1を挟んで、2個の段積み用凸部1tが形成されており、段積み用凸部1tは、外側角部1m1側に位置する傾斜面1t1と、傾斜面1t1と相対するとともに、裏面に略垂直な垂直面1t2と、水平底面1t3と、垂直な前面1t4とから、略逆台形状に形成されている。
【0023】
パレット部材1に形成されるフォーク挿入口は、公知のように、パレット部材1の裏面角部に形成される隅桁と、隅桁間の中間に形成される中間桁と、パレット部材1の裏面の中央部に形成される中央桁との間に形成することもできる。
【0024】
本実施例においては、パレット部材1が、それぞれ、別個に射出成形された、図9に示されている下部半体1Aと、図10に示されている上部半体1Bとを、溶着することにより形成されている。
【0025】
図9に示されているように、下部半体1Aを構成する下部側部桁半体1m’は、周壁桁1m1’と、下部側部桁半体1m’の長手方向に沿って形成された複数のリブ1m2’と、下部側部桁半体1m’の長さ方向に垂直な複数のリブ1m3’とから形成されている。また、下部半体1Aを構成する下部中部桁半体1n’も、周壁桁1n1’と、下部中部桁半体1n’の長手方向に沿った複数のリブ1n2’と、下部中部桁半体1n’の長さ方向に垂直な複数のリブ1n3’とから形成されている。
【0026】
図10に示されているように、上部半体1Bも、下部半体1Aと同様に、上部半体1Bを構成する上部側部桁半体1m”は、周壁桁1m1”と、上部側部桁半体1m”の長手方向に沿って形成された複数のリブ1m3”と、上部側部桁半体1m”の長さ方向に垂直な複数のリブ1m3”とから形成されている。また、上部半体1Bを構成する上部中部桁半体1n”も、周壁桁1n1”と、上部中部桁半体1n”の長手方向に沿った複数のリブ1n2”と、上部中部桁半体1n”の長さ方向に垂直な複数のリブ1n3”とから形成されている。
【0027】
また、図10に示されているように、上部半体1Bの上部中部桁半体1n”には、上部中部桁半体1n”の長手方向に沿って、上部中部桁半体1n”に形成されたリブ1n2”と上部中部桁半体1n”の長さ方向に垂直な複数のリブ1n3”の一部を、上部中部桁半体1n”の長さ方向に沿って、その高さ(上部半体1Bの裏面からの高さ)を低くすることにより、上部中部桁半体1n”の長さ方向に沿って、板状或いは棒状の補強部材Fが挿着される補強部材挿着凹部1n4”が形成されている。本実施例においては、2本の補強部材挿着凹部1n4”が形成されている例が示されている。
【0028】
上部半体1Bの上部中部桁半体1n”に形成された補強部材挿着凹部1n4”に、棒状の補強部材Fを配置した後、上部半体1Bと下部半体1Aとを、それぞれに形成されたリブの先端同士を溶着することにより、パレット部材1が形成されることになる。このように、パレット部材1を、リブ構造を有する上部半体1Bと、同じく、リブ構造を有する下部半体1Aとを、融着することにより構成したので、パレット部材1の重量を大きく増加することなく、補強部材Fを、パレット部材1に配設することができる。
【0029】
上述したように、リブ構造を有する上部半体1Bと、同じく、リブ構造を有する下部半体1Aとを融着した際には、補強部材Fが、パレット部材1内に配設されることになるので、従来のボックスパレットのように、パレット部材の外側に、螺子やボルト・ナット等の固定手段により、補強部材を取り付ける場合に比べ、補強部材Fの取り付け作業を省略することもできるとともに、補強部材Fの腐食を防止することができる。なお、補強部材挿着凹部1n4”を、上部半体1Bではなく、下部半体1Aに形成することもでき、また、上部半体1Bと下部半体1Aとに跨がって、形成することもできる。
【0030】
また、ボックスパレットB1のパレット部材1の外側に、補強部材Fが取り付けられていないので、ボックスパレットB1の洗浄作業の作業性が向上するとともに、補強部材Fに塵や埃等が溜まることがなく、従って、ボックスパレットB1の衛生面が向上することになる。
【0031】
次に、図11〜図19を用いて、引き抜き側壁部材2について説明する。
【0032】
引き抜き側壁部材2は、横長の方形状の本体部2aと、本体部2aの両端垂直縁から、本体部2aの内面(ボックスパレットB1が、箱型に組み立てられた際に、ボックスパレットB1の内側に位置する面)2a1に対して垂直に延在する係合部2bとを有している。係合部2bは、本体部2aの内面2a1に垂直な帯状の垂直端壁2b1と、本体部2aの内面2a1に略平行な帯状の奥壁2b2とを有している。
【0033】
また、垂直端壁2b1と奥壁2b2との上端隅部には、上端ブロック2cが形成されており、また、垂直端壁2b1と奥壁2b2との下端隅部には、下端ブロック2dが形成されている。また、上端ブロック2cの直下に位置する垂直端壁2b1と奥壁2b2の隅部には、ロック孔2e1が形成されたロック用ブロック2eが形成されており、ロック孔2e1は、垂直端壁2b1に沿って、ロック用ブロック2eの垂直端面2e2から奥壁2b2方向に向かって形成されている。更に、ロック用ブロック2eと下端ブロック2dとの間に位置する垂直端壁2b1と奥壁2b2との隅部には、所定の間隔をおいて、中間ブロック2fが形成されている。本実施例においては、ロック用ブロック2eと下端ブロック2dとの間には、3個の中間ブロック2fが形成されている。
【0034】
上述した上端ブロック2cの下面には、ロック用ブロック2eと所定の間隔を置いて、嵌合凸部2gが垂下されており、上端ブロック2cと嵌合凸部2gと垂直端壁2b1と奥壁2b2とにより、下方及び本体部2aの内面2a1側が開放された嵌合凹部2hが形成されている。また、ロック用ブロック2eの下面及び中間ブロック2fの下面にも、上述した嵌合凸部2gと同様の嵌合凸部2gが垂下されており、このような嵌合凸部2gを垂下することにより、ロック用ブロック2e及び中間ブロック2fにも、同様の嵌合凹部2hが形成されている。
【0035】
また、上端ブロック2cの下面と対向するロック用ブロック2eの上面、ロック用ブロック2eの下面と対向する中間ブロック2fの上面、該中間ブロック2fの下面と該中間ブロック2fの直下位置する中間ブロック2fの上面、及び、該中間ブロック2fの上面の直下位置する下端ブロック2dの上面は、係合部2bの奥壁2b2から、下方に延在する傾斜面2iが形成されている。
【0036】
更に、引き抜き側壁部材2の本体部2aの下端面2j1の中央部には、パレット部材1の高部土手部1bの中央部に形成された内側中央嵌合凹部1dに嵌合される中央嵌合凸部2kが垂下されており、また、引き抜き側壁部材2の本体部2aの下端面2j1の両端部には、パレット部材1の高部土手部1bに形成された内側端部嵌合凹部1eに嵌合される端部嵌合凸部2mが垂下されている。
【0037】
更にまた、引き抜き側壁部材2の本体部2aの下端面2j1に垂設された中央嵌合凸部2kと端部嵌合凸部2mとの間に位置する下端面2j1には、パレット部材1に形成された張出部付き内側嵌合凹部1fに嵌合される短軸付き嵌合凸部2nが垂下されており、短軸付き嵌合凸部2nの凸部本体部2n1の下端面2j1の長手方向に垂直な相対する側面には、該側面に垂直な短軸2n2が、突設されている。
【0038】
また、端部嵌合凸部2mと短軸付き嵌合凸部2nとの間、及び、短軸付き嵌合凸部2nと中央嵌合凸部2kとの間に位置する引き抜き側壁部材2の本体部2aの下端面2j1には、上述したパレット部材1を構成する高部土手部1bに形成された外側嵌合凹部1gに嵌合される外側嵌合凸部2pが形成されている。
【0039】
更に、引き抜き側壁部材2の本体部2aの上端面2j2の両端部付近には、上述したパレット部材1に形成された段積み用凸部1tが嵌合される段積み用凹部2qが形成されており、段積み用凹部2qは、段積み用凸部1tの傾斜面1t1と対向する傾斜面2q1と、段積み用凸部1tの垂直面1t2と対向する垂直面2q2と、段積み用凸部1tの水平底面1t3と対向する水平底面2q3とから形成されている。
【0040】
更にまた、引き抜き側壁部材2の本体部2aの上端面2j2側に位置する本体部2aには、所定の間隔を置いて、上部手持ち用凹部2rが形成されており、また、引き抜き側壁部材2の本体部2aの下端面2j1側の中央部には、下部手持ち用凹部2sが形成されている。下部手持ち用凹部2sを形成する下部水平辺2s1には、本体部2aの外面(ボックスパレットB1が、箱型に組み立てられた際に、ボックスパレットB1の外側に位置する面)2a2に沿った指引っ掛け板状片2s2が立設されている。なお更に、2tは、本体部2aの外面2a2に形成された、ボックスパレットB1に収容された荷物の内容が記憶されたラベル等が貼着されるラベル貼着凹部である。また更に、係合部2bの下端面2b3と本体部2aの垂直両端2uとにより形成される角部には、切欠き部2vが形成されている。
【0041】
本実施例においては、図15〜図18に示されているように、引き抜き側壁部材2は、本体部2aの内面2a1と本体部2aの外面2a2との略中間との間で、垂直に2分された引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとを、それぞれ、別個に射出成形し、別個に射出成形された引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとを溶着することにより形成されている。
【0042】
引き抜き側壁部材外側半体2Bの内面(引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとが溶着された際に、引き抜き側壁部材2の内部に位置する面)2B’の中央部には、円筒状の位置決め円筒部2w1が形成されており、また、引き抜き側壁部材内側半体2Aの内面(引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとが溶着された際に、引き抜き側壁部材2の内部に位置する面)2A’の中央部には、円筒状の位置決め円筒部2w1に嵌合される位置決め凸部2x1が突設されている。
【0043】
また、引き抜き側壁部材外側半体2Bの内面2B’の中央部に形成された位置決め円筒部2w1の上下方向には、縦長の楕円状筒部2w2を形成するとともに、引き抜き側壁部材内側半体2Aの内面2A’の中央部に形成された位置決め円筒部2w1の左右方向には、横長の楕円状筒部2w3が形成されている。
【0044】
引き抜き側壁部材外側半体2Bの内面2B’の中央部に形成された位置決め円筒部2w1の上下方向に形成された縦長の楕円状筒部2w2に対応して、引き抜き側壁部材内側半体2Aの内面2A’には、引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとが接合された際に、縦長の楕円状筒部2w2に挿入される凸部2x2が突設されており、また、引き抜き側壁部材外側半体2Bの内面2B’の中央部に形成された位置決め円筒部2w1の左右方向に形成された横長の楕円状筒部2w3に対応して、引き抜き側壁部材内側半体2Aの内面2A’には、引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとが接合された際に、横長の楕円状筒部2w3に挿入される凸部2x3が突設されている。
【0045】
引き抜き側壁部材外側半体2Bの内面2B’に形成された位置決め円筒部2w1に、引き抜き側壁部材内側半体2Aの内面2A’に突設された位置決め凸部2x1を嵌合するとともに、引き抜き側壁部材外側半体2Bの内面2B’に形成された縦長の楕円状筒部2w2に、引き抜き側壁部材内側半体2Aの内面2A’に突設された凸部2x2を挿入し、更に、引き抜き側壁部材外側半体2Bの内面2B’に形成された横長の楕円状筒部2w3に、引き抜き側壁部材内側半体2Aの内面2A’に突設された凸部2x3を挿入させた後、引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとを溶着させることにより、引き抜き側壁部材2が形成されることになる。このように構成することにより、引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとが接合された際に、引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとのずれを防止することができる。
【0046】
必要に応じて、引き抜き側壁部材外側半体2Bの内面2B’の中央部に形成された位置決め円筒部2w1を省略することもでき、位置決め円筒部2w1の省略にともなって、引き抜き側壁部材内側半体2Aの内面2A’に突設された位置決め凸部2x1が省略されることになる。なお、このような、引き抜き側壁部材外側半体2Bと引き抜き側壁部材内側半体2Aとの位置決めに関しては、上述した実施例に限定されるものではない。
【0047】
引き抜き側壁部材内側半体2Aの内面2A’及び引き抜き側壁部材外側半体2Bの内面2B’とには、共に、板部2y1と周辺リブ2y2と水平リブ2y3と垂直リブ2y4とが形成されている。引き抜き側壁部材内側半体2Aの内面2A’に形成された周辺リブと2y2と水平リブ2y3と垂直リブ2y4と引き抜き側壁部材外側半体2Bの内面2B’に形成された周辺リブと2y2と水平リブ2y3と垂直リブ2y4の先端同士を、それぞれ溶着することにより、引き抜き側壁部材2が製造されることになる。なお、本実施例においては、外側嵌合凸部2pの全体が、分割されることなく、引き抜き側壁部材外側半体2B側に形成されている。
【0048】
また、引き抜き側壁部材2の短軸付き嵌合凸部2nを形成する、引き抜き側壁部材内側半体2Aの短軸付き嵌合凸部半体2n’と引き抜き側壁部材外側半体2Bの短軸付き嵌合凸部半体2n’には、引き抜き側壁部材内側半体2Aの短軸付き嵌合凸部半体2n’と引き抜き側壁部材外側半体2Bの短軸付き嵌合凸部半体2n’とが接合された際には、溶着作業の際に生ずる余剰溶融樹脂が、引き抜き側壁部材2の下端面2j1からはみ出さないように、余剰溶融樹脂収容溝2y5が形成されるように構成されている。なお、同様の余剰溶融樹脂収容溝2y5は、中央嵌合凸部2kを形成する、引き抜き側壁部材内側半体2Aの中央嵌合凸部半体2k’と引き抜き側壁部材外側半体2Bの中央嵌合凸部半体2k’とが接合された際に、溶着作業の際に生ずる余剰溶融樹脂が、引き抜き側壁部材2の下端面2j1からはみ出さないように、余剰溶融樹脂収容溝2y5が形成されるように構成されている。
【0049】
更に、引き抜き側壁部材内側半体2Aの下端面2j1’と引き抜き側壁部材外側半体2Bの下端面2j1”とには、引き抜き側壁部材内側半体2Aの下端面2j1’と引き抜き側壁部材外側半体2Bの下端面2j1”に、引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとが接合されたた際に、互いに、当接することなく所定の間隔を維持するような余剰溶融樹脂収容リブ2y6が形成されており、引き抜き側壁部材内側半体2Aの下端面2j1’に形成された余剰溶融樹脂収容リブ2y6と引き抜き側壁部材外側半体2Bの下端面2j1”に形成された余剰溶融樹脂収容リブ2y6との間には、余剰溶融樹脂収納空間2y7が形成されている。
【0050】
なお更に、引き抜き側壁部材2の端部嵌合凸部2mを形成する、引き抜き側壁部材内側半体2Aの端部嵌合凸部半体2m’と引き抜き側壁部材外側半体2Bの端部嵌合凸部2mを形成する、引き抜き側壁部材外側半体2Bの端部嵌合凸部半体2m’との間にも、上述した余剰溶融樹脂収容溝2y5と同様の余剰溶融樹脂収容空間2y8が形成されている。
【0051】
また、余剰溶融樹脂が、溶着された引き抜き側壁部材2の本体部2aの内面2a1や外面2a2を越えて流れないように、引き抜き側壁部材内側半体2Aの下端面2j1’と引き抜き側壁部材外側半体2Bの下端面2j1”の周縁等に、上述した余剰溶融樹脂収容リブ2y6を連結するような周縁リブ2y9が垂設されている。
【0052】
上述した余剰溶融樹脂収容リブ2y6と周縁リブ2y9とが形成されているが、少なくとも、周縁リブ2y9を形成することにより、効果的に、余剰溶融樹脂の流出を阻止することができる。なお、余剰溶融樹脂収容リブ2y6と周縁リブ2y9の両方のリブを形成することが好ましい。
【0053】
上述したような余剰溶融樹脂収容溝2y5や余剰溶融樹脂収空間2y7、2y8や周縁リブ2y9を形成することにより、引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとを溶着した際に発生する余剰溶融樹脂に起因するバリのうち、バリの除去作業が困難な引き抜き側壁部材2の下端面2j1のバリの除去作業を省略することができる。また、周縁リブ2y9を形成することにより、引き抜き側壁部材2及び先倒し側壁部材を3を、パレット部材1に対して、垂直に立てた際に、引き抜き側壁部材2及び先倒し側壁部材3と、パレット部材1の高部土手部1bと低部土手部1cとの接触面積が増加し、従って、垂直に立てられた引き抜き側壁部材2及び先倒し側壁部材3に、上方から負荷が加わっても、引き抜き側壁部材2及び先倒し側壁部材3の損傷を防止することができる。 。
【0054】
次に、図20〜図23を用いて、先倒し側壁部材3について説明する。
【0055】
先倒し側壁部材3は、横長の方形状の本体部3aと、本体部3aの両端垂直縁から、本体部3aの内面(ボックスパレットB1が、箱型に組み立てられた際に、ボックスパレットB1の内側に位置する面)3a1に沿って、内面3a1と面一に垂直に延在する帯状の垂直端壁3b1を有する係合部3bが形成されている。
【0056】
係合部3bの垂直端壁3b1と本体部3aの相対する垂直端面3a2とにより形成される上端隅部には、上端ブロック3cが形成されており、また、垂直端壁3b1と本体部3aの相対する垂直端面3a2とにより形成される下端隅部には、下端ブロック3dが形成されている。更に、下端ブロック3dの真上に位置する垂直端壁3b1と本体部3aの相対する垂直端面3a2とにより形成される隅部には、下端ブロック3dと所定の間隔を置いて、下部ブロック3eが形成されている。下部ブロック3eは、ボックスパレットB1が、箱型に組み立てられた際に、引き抜き側壁部材2の係合部2bに形成された係合部2bの下端面2b3と本体部2aの垂直両端2uとにより形成された切欠き部2vに挿入されるように構成されている。このように構成することにより、箱型に組み立てられたボックスパレットB1を段積みした際に、引き抜き側壁部材2の座屈を防止することができる。
【0057】
本体部3aの上端面3a3と垂直端面3a2との角部付近には、本体部3aの外面(ボックスパレットB1が、箱型に組み立てられた際に、ボックスパレットB1の外側に位置する面)3a4には、略方形状のロック部材収容凹部3fが形成されている。また、ロック部材収容凹部3fには、垂直端面3a2に穿設されたロック部材出し入れ孔3f1が連通されている。このようなロック部材収容凹部3fやロック部材出し入れ孔3f1は、公知であるので、その詳細な説明は省略する。
【0058】
ロック部材収容凹部3fには、公知のように、ロック部材4が、水平方向にスライド可能に構成されている。ボックスパレットB1が箱型に組み立てられた状態において、ロック部材4が、ロック部材収容凹部3fの本体部3aの中央寄り側に位置している場合には、ロック部材4の先端部が、ロック部材出し入れ孔3f1から突出しないような、引き抜き側壁部材2と先倒し側壁部材3とのロックが解除された状態にあり、また、ボックスパレットB1が箱型に組み立てられた状態においては、ロック部材4の先端部が、ロック部材出し入れ孔3f1から突出し、ロック部材4の先端部が、引き抜き側壁部材2のロック用ブロック2eに形成されたロック孔2e1に挿入されて、引き抜き側壁部材2と先倒し側壁部材3とがロック状態となるように構成されている。このような、引き抜き側壁部材2と先倒し側壁部材3とのロック解除機構やロック状態機構は、公知であるので、その詳細な説明は省略する。
【0059】
また、ロック部材出し入れ孔3f1と下部ブロック3eとの間に位置する、係合部3bの垂直端壁3b1と本体部3aの垂直端面3a2とにより形成される隅部には、所定の間隔をおいて、中間ブロック3gが形成されている。本実施例には、ロック部材出し入れ孔3f1と下部ブロック3eとの間には、4個の中間ブロック3gが形成されている例が示されている。
【0060】
上述した上端ブロック3cの上面には、嵌合凸部3hが立設されており、上端ブロック3cと嵌合凸部3hと本体部3aの垂直端面3a2と垂直端壁3b1とにより、上方及び本体部3aの外面3a4側が開放された嵌合凹部3iが形成されている。また、中間ブロック3gの上面にも、上述した嵌合凸部3hと同様の嵌合凸部3hが立設されており、このような嵌合凸部3hを立設することにより、同様に、中間ブロック3gと嵌合凸部3hと本体部3aの垂直端面3a2と垂直端壁3b1とにより、上方及び本体部3aの外面3a4側が開放された嵌合凹部3iが形成されている。
【0061】
また、上端ブロック3cの下面及び中間ブロック3gの下面には、嵌合凸部3hから、本体部3aの垂直端面3a2に向かって、下方に延在する傾斜面3jが形成されている。
【0062】
先倒し側壁部材3の本体部3aの下端面3a5の中央部には、パレット部材1の低部土手部1cの中央部に形成された内側中央嵌合凹部1jに嵌合される中央嵌合凸部3kが垂下されている。また、先倒し側壁部材3の本体部3aの下端面3a5には、パレット部材1の低部土手部1cに形成された張出部付き内側嵌合凹部1kに嵌合される短軸付き嵌合凸部3mが垂下されており、短軸付き嵌合凸部3mの凸部本体部3m1の長手方向に垂直な相対する側面には、該側面に垂直な短軸3m2が突設されている。
【0063】
先倒し側壁部材3の本体部3aの下端面3a5に垂下された短軸付き嵌合凸部3mは、パレット部材1の低部土手部1cに形成された張出部付き内側嵌合凹部1kに嵌合されるように構成されているとともに、先倒し側壁部材3が垂直に立てられた状態で、先倒し側壁部材3が、パレット部材1の低部土手部1cに形成された張出部付き内側嵌合凹部1kに嵌合された際には、短軸付き嵌合凸部3mの短軸3m2が、張出部付き内側嵌合凹部1kの相対する張出部1k1の背後に位置し、垂直に立てられた状態の先倒し側壁部材3に、先倒し側壁部材3の外面3a4側から負荷がかかっても、短軸付き嵌合凸部3mの短軸3m2が、張出部付き内側嵌合凹部1kの相対する張出部1k1に当接し、先倒し側壁部材3が、ボックスパレットB1の内側方向に移動しないように構成されている。また、先倒し側壁部材3が垂直に立てられた状態から、先倒し側壁部材3を、パレット部材1方向に倒した際には、短軸付き嵌合凸部3mの凸部本体部3m1が、張出部付き内側嵌合凹部1kの相対する張出部1k1間に位置する間隙1k2に挿入されるように構成されており、従って、先倒し側壁部材3を、パレット部材1の荷物載置部1aに重なるように倒すことができるように構成されている。
【0064】
また、先倒し側壁部材3の本体部3aの上端面3a3と、本体部3aの垂直端面3a2とにより形成される上端角部には、上述したパレット部材1に形成された段積み用凸部1tが嵌合される段積み用段部3nが形成されており、段積み用段部3nは、上端面3a3に略垂直な垂直面3n1と水平面3n2とから構成されている。
【0065】
更に、先倒し側壁部材3の本体部3aの上端面3a3付近に位置する本体部3aの中央部或いは上端部付近には、上述した下部手持ち用凹部2sと同様の構成を有する上部手持ち用凹部3pが形成されている。上部手持ち用凹部3pを形成する下部水平辺3p1には、本体部3aの外面3a4に沿った指引っ掛け板状片3p2が立設されている。なお更に、3qは、本体部3aの外面3a4に形成された、ボックスパレットB1に収容された荷物の内容が記憶されたラベル等が貼着されるラベル貼着凹部である。
【0066】
本実施例においては、先倒し側壁部材3は、上述した引き抜き側壁部材2と同様に、本体部3aの内面3a1と本体部3aの外面3a4との略中間との間で、2分された先倒し側壁部材内側半体3Aと先倒し側壁部材外側半体3Bとを、別個に射出成形し、それぞれ別個に射出成形された先倒し側壁部材内側半体3Aと先倒し側壁部材外側半体3Bとを溶着することにより形成されている。
【0067】
先倒し側壁部材外側半体3Bの肉厚は、先倒し側壁部材内側半体3Aの肉厚より厚く形成されている。この際、先倒し側壁部材3の本体部3aの下端面3a5に形成された短軸付き嵌合凸部3mを構成する短軸3m2の全体が、分割されることなく、先倒し側壁部材外側半体3Bに形成されるように構成することが好ましい。このように構成することにより、強度的に弱い短軸3m2が損傷しないように構成されている。なお、図23において、3m’は、短軸3m2が形成されている先倒し側壁部材外側半体3B側に形成された短軸付き嵌合凸部3mの一方の半体であり、また、3m”は、短軸3m2が形成されている先倒し側壁部材内側半体3A側に形成された短軸付き嵌合凸部3mのもう一方の半体である。
【0068】
上述したように、先倒し側壁部材外側半体3Bの肉厚を、先倒し側壁部材内側半体3Aの肉厚より厚く形成されており、先倒し側壁部材外側半体3Bの肉厚は、垂直端面3a2に穿設されたロック部材出し入れ孔3f1の全体が、分割されることなく、換言すれば、先倒し側壁部材内側半体3Aに形成されることなく、先倒し側壁部材外側半体3B側のみに形成されるような肉厚に形成されている。このように構成することにより、先倒し側壁部材内側半体3Aと先倒し側壁部材外側半体3Bとを溶着した際に、ロック部材出し入れ孔3f1に、溶融樹脂が流れ込み、ロック部材出し入れ孔3f1にバリが発生することがない。従って、バリにより、ロック部材収容凹部3f内におけるロック部材4の水平移動が阻害されるようなことを防止することができる。
【0069】
上述した引き抜き側壁部材2を、引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとに分割し、引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとを接合し溶着するために、引き抜き側壁部材外側半体2Bの内面2B’の中央部に形成された位置決め円筒部2w1や、引き抜き側壁部材内側半体2Aの内面2A’の中央部に形成された位置決め凸部2x1等は、同様の構成が、先倒し側壁部材内側半体3Aと先倒し側壁部材外側半体3Bにも形成されている。
【0070】
また、先倒し側壁部材内側半体3Aの内面(先倒し側壁部材内側半体3Aと先倒し側壁部材外側半体3Bとが溶着された際に、先倒し側壁部材3内部に位置する面)3A’にも、上述した上述した上述した引き抜き側壁部材2の内部に形成された位置決め凸部2x1や凸部2x2、2x3が形成されており、また、先倒し側壁部材外側半体3Bの内面(先倒し側壁部材内側半体3Aと先倒し側壁部材外側半体3Bとが溶着された際に、先倒し側壁部材3内部に位置する面)3B’にも、上述した上述した上述した引き抜き側壁部材2の内部に形成された位置決め円筒部2w1や縦長の楕円状筒部2w2や横長の楕円状筒部2w3が形成されている。
【0071】
また、先倒し側壁部材内側半体3A及び先倒し側壁部材外側半体3Bの下面にも、上述した引き抜き側壁部材2の下端面2j1’と引き抜き側壁部材外側半体2Bの下端面2j1”に形成された余剰溶融樹脂収容溝2y5や余剰溶融樹脂収納空間2y7を形成することにより、バリの除去作業が困難な部分のバリの除去作業を省略することができる。
【0072】
更に、引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとは、それぞれ、別の色に形成するとともに、先倒し側壁部材内側半体3Aと先倒し側壁部材外側半体3Bとも、それぞれ、別の色で成形する。このように構成することにより、溶着の際に、引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとの表裏や、先倒し側壁部材内側半体3Aと先倒し側壁部材外側半体3Bの表裏を間違うようなことを、防止することができるとともに、ボックスパレットB1の組み立ての際にも、ボックスパレットB1の内側に位置する面と外側に位置する面とを、確実に、視認することができ、従って、ボックスパレットB1の組み立て作業の作業性が向上する。
【0073】
上述したように、引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとの肉厚とが同じではない場合には、引き抜き側壁部材内側半体2A及び引き抜き側壁部材外側半体2Bの周辺リブ2y2に連接されている垂直リブ2zの水平方向のリブ間隔を、他の垂直リブ2y4に比べて、狭く形成するように構成されている。同様に、先倒し側壁部材内側半体3A及び先倒し側壁部材外側半体3Bとの周辺リブに連接されている垂直リブの水平方向のリブ間隔を、他の垂直リブに比べて、狭く形成するように構成されている。このように構成することにより、引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとの周辺部の溶着、及び、先倒し側壁部材内側半体3Aと先倒し側壁部材外側半体3Bとの周辺部の溶着を確実に行なうことができるとともに、引き抜き側壁部材内側半体2Aと引き抜き側壁部材外側半体2Bとの剥離、及び、先倒し側壁部材内側半体3Aと先倒し側壁部材外側半体3Bとの剥離を防止することができる。
【0074】
次に、図6、図21及び図24〜図29を用いて、ボックスパレットB1を構成するパレット部材1、引き抜き側壁部材2及び先倒し側壁部材3によるボックスパレットB1の組み付けについて説明する。
【0075】
先ず最初に、先倒し側壁部材3のパレット部材1への取り付けについて、主に、図6及び図21を用いて説明する。
【0076】
パレット部材1の低部土手部1cへの先倒し側壁部材3は、先倒し側壁部材3の本体部3aの内面3a1を、パレット部材1の荷物載置部1a側に位置するように配置し、先倒し側壁部材3の本体部3aの下端面3a5に垂下された中央嵌合凸部3kを、パレット部材1の低部土手部1cに形成された内側中央嵌合凹部1jに嵌合するとともに、先倒し側壁部材3の本体部3aの下端面3a5に垂下された短軸付き嵌合凸部3mを、パレット部材1の低部土手部1cに形成された張出部付き内側嵌合凹部1kに嵌合することにより、先倒し側壁部材3が、パレット部材1の低部土手部1cに取り付けられることになる。
【0077】
上述したように、先倒し側壁部材3が、パレット部材1の低部土手部1cに形成された張出部付き内側嵌合凹部1kに嵌合された際には、短軸付き嵌合凸部3mの短軸3m2が、張出部付き内側嵌合凹部1kの相対する張出部1k1の背後に位置するように構成されているので、従って、先倒し側壁部材3が立てられた際に、先倒し側壁部材3の本体部3aの外面3a4側から負荷が加わっても、先倒し側壁部材3が内側に移動しないように構成されており、また、先倒し側壁部材3の本体部3aの下端面3a5に垂下された中央嵌合凸部3kが、パレット部材1の低部土手部1cに形成された内側中央嵌合凹部1jに嵌合されているので、先倒し側壁部材3の本体部3aに垂下された短軸付き嵌合凸部3mが、パレット部材1の低部土手部1cに形成された張出部付き内側嵌合凹部1kに嵌合されていることと相まって、先倒し側壁部材3の本体部3aの内面3a1側から負荷が加わっても、先倒し側壁部材3が外側に移動しないように構成されている。
【0078】
先倒し側壁部材3が立てられた状態から、先倒し側壁部材3を、パレット部材1の荷物載置部1aに回動させることにより、先倒し側壁部材3を、パレット部材1の荷物載置部1aに重なるように倒すことができるように構成されているが、この際には、先倒し側壁部材3に形成された短軸付き嵌合凸部3mの短軸3m2が、パレット部材1の低部土手部1cに形成された張出部付き内側嵌合凹部1kの張出部1k1の背後に位置するように構成されているので、短軸付き嵌合凸部3mと張出部付き内側嵌合凹部1kとが、パレット部材1と先倒し側壁部材3とのヒンジ連結機能を有するように構成されており、従って、上述したように、先倒し側壁部材3を、パレット部材1の荷物載置部1aに回動させることにより、先倒し側壁部材3を、パレット部材1の荷物載置部1aに重なるように倒すことができる。
【0079】
なお、先倒し側壁部材3が立てられた状態から、先倒し側壁部材3を、パレット部材1の荷物載置部1aに重ねるには、一旦、先倒し側壁部材3を上方に移動させて、先倒し側壁部材3に形成された中央嵌合凸部3kを、パレット部材1の低部土手部1cに形成された内側中央嵌合凹部1jから引き抜くとともに、先倒し側壁部材3に形成された短軸付き嵌合凸部3mを、パレット部材1の低部土手部1cに形成された張出部付き内側嵌合凹部1kから引き抜き、次いで、パレット部材1から取り外された先倒し側壁部材3を略水平状態にし、その後、先倒し側壁部材3に形成された中央嵌合凸部3kを、パレット部材1に形成された内側中央嵌合凹部1jに嵌合するとともに、先倒し側壁部材3に形成された短軸付き嵌合凸部3mを、パレット部材1の低部土手部1cに形成された張出部付き内側嵌合凹部1kを嵌合することにより、先倒し側壁部材3を、パレット部材1の荷物載置部1aに重ねることもできる。
【0080】
次に、引き抜き側壁部材2のパレット部材1への取り付けについて、主に、図5、図7及び図24を用いて説明する。
【0081】
図24に示されているように、引き抜き側壁部材2を立てた状態で、引き抜き側壁部材2の本体部2aの内面2a1が、パレット部材1の荷物載置部1a側に位置するように、引き抜き側壁部材2を、高部土手部1bの上方に配置し、その後、引き抜き側壁部材2を下降させることにより、引き抜き側壁部材2の本体部2aの下端面2j1の中央部に形成された中央嵌合凸部2kを、パレット部材1の高部土手部1bの中央部に形成された内側中央嵌合凹部1dに嵌合するとともに、引き抜き側壁部材2の本体部2aの下端面2j1の両端部に垂下された端部嵌合凸部2mを、パレット部材1の高部土手部1bに形成された内側端部嵌合凹部1eに嵌合する。また、引き抜き側壁部材2の本体部2aの下端面2j1に垂設された短軸付き嵌合凸部2nを、パレット部材1の高部土手部1bに形成された張出部付き内側嵌合凹部1fに嵌合する。更に、引き抜き側壁部材2の本体部2aの下端面2j1に垂設された外側嵌合凸部2pを、パレット部材1の高部土手部1bに形成された外側嵌合凹部1gに嵌合する。また、引き抜き側壁部材2に形成された短軸付き嵌合凸部2nを、パレット部材1の高部土手部1bに形成された張出部付き内側嵌合凹部1fに嵌合した際には、短軸付き嵌合凸部2nの短軸3n2が、張出部付き内側嵌合凹部1fの張出部1f1の背後に位置するように構成されている。このようにして、引き抜き側壁部材2が、パレット部材1の高部土手部1bに取り付けられることになる。
【0082】
上述したように、引き抜き側壁部材2に形成された外側嵌合凸部2pが、パレット部材1の高部土手部1bに形成された外側嵌合凹部1gに嵌合することにより、垂直に立てられた状態の引き抜き側壁部材2に、引き抜き側壁部材2の外面2a2側から負荷が加わっても、引き抜き側壁部材2が、内側に移動するようなことを防止することができる。また、垂直に立てられた状態の引き抜き側壁部材2においては、引き抜き側壁部材2に形成された短軸付き嵌合凸部2nの短軸2n2が、パレット部材1の高部土手部1bに形成された張出部付き内側嵌合凹部1fの張出部1f1に当接するように構成されているので、引き抜き側壁部材2に形成された外側嵌合凸部2pが、パレット部材1の高部土手部1bに形成された外側嵌合凹部1gに嵌合するように構成されていることと相まって、引き抜き側壁部材2が、内側に移動するようなことを防止することができる。
【0083】
また、ボックスパレットB1が折り畳まれた際には、パレット部材1の荷物載置部1aに重ねられた先倒し側壁部材3の上に、水平状態の引き抜き側壁部材2が重ねられることになるが、この際にも、上述したように、引き抜き側壁部材2に形成された短軸付き嵌合凸部2nの短軸2n2が、パレット部材1の高部土手部1bに形成された張出部付き内側嵌合凹部1fの張出部1f1に当接するように配設されることになるので、水平状態の引き抜き側壁部材2が、内側に移動するようなことを防止することができる。
【0084】
更に、引き抜き側壁部材2に形成された中央嵌合凸部2kが、パレット部材1の高部土手部1bに形成された内側中央嵌合凹部1dに嵌合されているので、垂直に立てられた状態の引き抜き側壁部材2に、引き抜き側壁部材2の内面2a1側から負荷が加わっても、引き抜き側壁部材2が、外側に移動するようなことを防止することができる。更に、上述したように、短軸付き嵌合凸部2nが、パレット部材1の高部土手部1bに形成された張出部付き内側嵌合凹部1fに嵌合されているので、この構成によっても、垂直に立てられた状態の引き抜き側壁部材2に、引き抜き側壁部材2の内面2a1側から負荷が加わっても、引き抜き側壁部材2が、外側に移動するようなことを防止することができる。
【0085】
図1に示されているように、ボックスパレットB1が箱型に組み立てられた状態から、引き抜き側壁部材2を上方に引き抜くことにより、ボックスパレットB1から、引き抜き側壁部材2を取り外すことができる。
【0086】
ボックスパレットB1から、取り外された引き抜き側壁部材2を、図25及び図26に示されているように、略水平に、パレット部材1の上方に配置し、その後、水平状態を維持したまま、パレット部材1方向に下降させて、引き抜き側壁部材2の本体部2aの下端面2j1の中央部に形成された中央嵌合凸部2kを、パレット部材1の高部土手部1bの中央部に形成された内側中央嵌合凹部1dに嵌合するとともに、引き抜き側壁部材2の本体部2aの下端面2j1の両端部に垂下された端部嵌合凸部2mを、パレット部材1の高部土手部1bに形成された内側端部嵌合凹部1eに嵌合する。また、引き抜き側壁部材2の本体部2aの下端面2j1に垂設された短軸付き嵌合凸部2nを、パレット部材1の高部土手部1bに形成された張出部付き内側嵌合凹部1fに嵌合する。更に、引き抜き側壁部材2の本体部2aの下端面2j1に垂設された外側嵌合凸部2pを、外側嵌合凹部1gと対向するように形成された対向内部嵌合凹部1hに嵌合する。このようにして、水平状態に、パレット部材1の荷物載置部1aに重ねられた先倒し側壁部材3の上に、水平状態の引き抜き側壁部材2が重ねられることになる。このようにして、箱型に組み立てられたボックスパレットB1が、図2に示されているように、折り畳まれることになる。
【0087】
折り畳まれた状態のボックスパレットB1を、箱型に組み立てるには、先ず最初に、水平状態の引き抜き側壁部材2を、上方に移動させることにより、パレット部材1の高部土手部1bから取り外す。次いで、水平状態に、パレット部材1の荷物載置部1aに重ねられている先倒し側壁部材3を、垂直方向に回動させることにより、先倒し側壁部材3を略垂直に立てるか、或いは、水平状態に、パレット部材1の荷物載置部1aに重ねられている先倒し側壁部材3を、上方に移動させることにより、一旦、パレット部材1の低部土手部1cから取り外した後、垂直状態の先倒し側壁部材3を、パレット部材1の低部土手部1cに取り付けることにより、先倒し側壁部材3を、パレット部材1の低部土手部1cに略垂直に立てる。その後、垂直状態を維持した引き抜き側壁部材2を、パレット部材1の高部土手部1bに取り付けることにより、折り畳まれた状態のボックスパレットB1を、箱型に組み立てるように構成されている。なお、パレット部材1の高部土手部1bから取り外された水平状態の引き抜き側壁部材2を、垂直に立てて、パレット部材1の高部土手部1bに取り付け、その後、パレット部材1の荷物載置部1aに重ねられている先倒し側壁部材3を、パレット部材1の低部土手部1cから取り外すことなく、垂直方向に回動させることにより、折り畳まれた状態のボックスパレットB1を、箱型に組み立てることもできる。
【0088】
上述したように、パレット部材1の低部土手部1cに、垂直状態に取り付けられた先倒し側壁部材3に次いで、垂直状態を維持した引き抜き側壁部材2を、パレット部材1の高部土手部1bに取り付ける際には、図27に示されているように、引き抜き側壁部材2の係合部2bに形成された上端ブロック2cを、先倒し側壁部材3の係合部3bに形成された上端ブロック3cの上方に配置し、また、引き抜き側壁部材2の係合部2bに形成されたロック用ブロック2eを、先倒し側壁部材3の係合部3bに形成された一番上の中間ブロック3gの上方に配置し、更に、引き抜き側壁部材2の係合部2bに形成された複数の中間ブロック2fを、先倒し側壁部材3の係合部3bに形成された複数の対応する中間ブロック3gの上方に配置する。
【0089】
その後、垂直状態を維持したまま引き抜き側壁部材2を下降させて、図29に示されているように、引き抜き側壁部材2の係合部2bに形成された各ブロック(上端ブロック2c、ロック用ブロック2e及び中間ブロック2f)を構成する嵌合凸部2gを、先倒し側壁部材3の係合部3bに形成された各ブロック(上端ブロック3c及び中間ブロック3g)を構成する嵌合凹部3iに嵌合し、また、引き抜き側壁部材2の係合部2bに形成された各ブロック(上端ブロック2c、ロック用ブロック2e及び中間ブロック2f)を構成する嵌合凹部2hに、先倒し側壁部材3の係合部3bに形成された各ブロック(上端ブロック3c及び中間ブロック3g)を構成する嵌合凸部3hを嵌合することにより、引き抜き側壁部材2と先倒し側壁部材3が、引き抜き側壁部材2の係合部2bと先倒し側壁部材3の係合部3bとを介して、連結されることになる。
【0090】
上述したように、引き抜き側壁部材2の係合部2bに形成された各ブロック(上端ブロック2c、ロック用ブロック2e及び中間ブロック2f)を構成する嵌合凸部2gを、先倒し側壁部材3の係合部3bに形成された各ブロック(上端ブロック3c及び中間ブロック3g)を構成する嵌合凹部3iに嵌合し、また、引き抜き側壁部材2の係合部2bに形成された各ブロック(上端ブロック2c、ロック用ブロック2e及び中間ブロック2f)を構成する嵌合凹部2hに、先倒し側壁部材3の係合部3bに形成された各ブロック(上端ブロック3c及び中間ブロック3g)を構成する嵌合凸部3hを嵌合することにより、引き抜き側壁部材2と先倒し側壁部材3が、引き抜き側壁部材2の係合部2bと先倒し側壁部材3の係合部3bとを介して、連結されているので、箱型に組み立てられた状態のボックスパレットB1の内部から、負荷が加わっても、引き抜き側壁部材2と先倒し側壁部材3との連結状態が解除されるようなことがなく、また、ロック部材4の損傷を防止することができる。
【0091】
上述したように、引き抜き側壁部材2の係合部2bと先倒し側壁部材3の係合部3bとを介して、連結された引き抜き側壁部材2と先倒し側壁部材3を、分離するには、引き抜き側壁部材2を、上方に引き上げることになるが、引き抜き側壁部材2を上方に引き上げる過程において、引き抜き側壁部材2の係合部2bに形成された各ブロック(ロック用ブロック2e、中間ブロック2f及び下端ブロック2d)の上面に形成された傾斜面2iが、それぞれ、先倒し側壁部材3の係合部3bに形成された各ブロック(上端ブロック3c及び中間ブロック3g)の下面に形成された傾斜面3jに当接することになり、引き抜き側壁部材2は、先倒し側壁部材3の係合部3bに形成された各ブロックの傾斜面3jに沿って、先倒し側壁部材3から離れる方向に移動することになり、従って、引き抜き側壁部材2の先倒し側壁部材3からの分離を、円滑に、且つ、容易に行うことができる。
【0092】
また、ボックスパレットB1が、箱型に組み立てられた際には、先倒し側壁部材3の本体部3aの上端面3a3の上端角部に形成された段積み用段部3nと、引き抜き側壁部材2を構成する係合部2bの上端ブロック2cの先倒し側壁部材3側の傾斜面2c1とにより、先倒し側壁部材3の両端部に段積み用凹部5が形成されている。
【0093】
箱型に組み立てられたボックスパレットB1が、段積みされた際には、下に位置するボックスパレットB1の引き抜き側壁部材2の本体部2aの上端面2j2の両端部付近に形成された段積み用凹部2qに、上に位置するボックスパレットB1のパレット部材1の側部桁1mに形成された段積み用凸部1tが嵌合され、また、下に位置するボックスパレットB1に形成された段積み用凹部5に、上に位置するボックスパレットB1のパレット部材1の側部桁1mに形成された段積み用凸部1tが嵌合されるように構成されている。
【0094】
上述したように、箱型に組み立てられたボックスパレットB1が、段積みされた際には、引き抜き側壁部材2の本体部2aの上端面2j2の両端部付近に段積み用凹部2qが形成されており、また、先倒し側壁部材3の両端部に段積み用凹部5が形成されているので、このような段積み用凹部が、側壁部材の中央部に形成されている従来のボックスパレットに比べて、引き抜き側壁部材2や先倒し側壁部材3が変形したり、損傷するようなことがなく、従って、安定した状態で、箱型に組み立てられたボックスパレットB1を、段積みすることができる。
【0095】
また、箱型に組み立てられたボックスパレットB1が、段積みされた際には、下に位置するボックスパレットB1の引き抜き側壁部材2の本体部2aの上端面2j2の両端部付近に形成された段積み用凹部2qの垂直面2q2が、上に位置するボックスパレットB1のパレット部材1の側部桁1mに形成された段積み用凸部1tの垂直面1t2に近接し、また、下に位置するボックスパレットB1に形成された段積み用凹部5を構成する、先倒し側壁部材3に形成された段積み用段部3nの垂直面3n1が、上に位置するボックスパレットB1のパレット部材1の側部桁1mに形成された段積み用凸部1tの垂直面1t2に近接するように構成されている。このように構成されているので、上に位置するボックスパレットB1が、下に位置するボックスパレットB1に対して、水平方向に移動した際には、下に位置するボックスパレットB1の引き抜き側壁部材2の本体部2aの上端面2j2の両端部付近に形成された段積み用凹部2qの垂直面2q2が、上に位置するボックスパレットB1のパレット部材1の側部桁1mに形成された段積み用凸部1tの垂直面1t2に当接し、また、下に位置するボックスパレットB1に形成された段積み用凹部5を構成する、先倒し側壁部材3に形成された段積み用段部3nの垂直面3n1が、上に位置するボックスパレットB1のパレット部材1の側部桁1mに形成された段積み用凸部1tの垂直面1t2に当接することになるので、従って、上に位置するボックスパレットB1の水平方向への移動を抑制することができ、従って、箱型に組み立てられたボックスパレットB1を、安定した状態で、段積みすることができる。
【0096】
また、上に位置するボックスパレットB1が水平方向に移動した際には、パレット部材1が、下に位置するボックスパレットB1の引き抜き側壁部材2及び先倒し側壁部材3に当接する前に、下に位置するボックスパレットB1の引き抜き側壁部材2の本体部2aの上端面2j2の両端部付近に形成された段積み用凹部2qの垂直面2q2が、上に位置するボックスパレットB1のパレット部材1の側部桁1mに形成された段積み用凸部1tの垂直面1t2に当接し、また、下に位置するボックスパレットB1に形成された段積み用凹部5を構成する、先倒し側壁部材3に形成された段積み用段部3nの垂直面3n1が、上に位置するボックスパレットB1のパレット部材1の側部桁1mに形成された段積み用凸部1tの垂直面1t2に当接するように構成されているので、下に位置するボックスパレットB1の引き抜き側壁部材2や先倒し側壁部材3に、上に位置するボックスパレットB1のパレット部材1のに水平移動による、直の負荷が加わることを抑制することができ、従って、下に位置するボックスパレットB1の引き抜き側壁部材2及び先倒し側壁部材3の損傷を防止することができる。
【0097】
更に、図2に示されているように、折り畳まれたボックスパレットB1を、箱型に組み立てる際には、上述したように、水平状態の引き抜き側壁部材2を、上方に移動させることになる。この引き抜き側壁部材2の上方移動作業の際に、下部手持ち用凹部2sが、引き抜き側壁部材2の本体部2aの下面2j1側に形成されているので、引き抜き側壁部材2を、水平状態に維持した状態で、引き抜き側壁部材2を、円滑に、且つ、容易に、パレット部材1の高部土手部1bから取り外すことができる。下部手持ち用凹部2sが、引き抜き側壁部材2の本体部2aの上端面2j2側に形成されていると、水平状態の引き抜き側壁部材2を、上方に移動させた際に、引き抜き側壁部材2が、パレット部材1の高部土手部1bに対して、引き抜き側壁部材2の本体部2aの上端面2j2が、大きく上方に位置し、引き抜き側壁部材2が大きく傾斜することになり、従って、引き抜き側壁部材2のパレット部材1の高部土手部1bからの取り外しが、円滑に、且つ、容易に、行えないことになる。
【0098】
折り畳まれた状態のボックスパレットB1を、箱型に組み立てるには、水平状態の引き抜き側壁部材2を、上方に移動させ、次いで、水平状態にパレット部材1の荷物載置部1aに重ねられている先倒し側壁部材3を、垂直方向に回動させることにより、或いは、水平状態にパレット部材1の荷物載置部1aに重ねられている先倒し側壁部材3を、上方に移動させることになるが、先倒し側壁部材3が、垂直方向に回動するように構成されている場合には、上部手持ち用凹部3pを、先倒し側壁部材3の本体部3aの中央部或いは上端部付近に形成することより、先倒し側壁部材3の垂直方向への回動を、円滑に、且つ、容易に行うことができる。
【0099】
また、水平状態にパレット部材1の荷物載置部1aに重ねられている先倒し側壁部材3を、水平状態を維持した状態で、上方に移動させる場合には、上述した持ち用凹部3pを、上述した引き抜き側壁部材2の本体部2aに形成された下部手持ち用凹部2sと同様に、先倒し側壁部材3の本体部3aの下端面3a5付近に形成することが好ましい。このように構成することにより、先倒し側壁部材3のパレット部材1の低部土手部1cからの取り外しを、円滑に、且つ、容易に行うことができる。
【0100】
箱型に組み立てられたボックスパレットB1に、荷物の出し入れを行う際には、図30に示されているように、箱型に組み立てられたボックスパレットB1の相対する引き抜き側壁部材2のうちの一方の引き抜き側壁部材2を引き抜いて、取り外し、引き抜き側壁部材2が取り外された側から、荷物の出し入れを行うことになる。また、引き抜き側壁部材2が取り外された側には、パレット部材1の高部土手部1bが存在しているので、収容されている荷物が、パレット部材1の荷物載置部1a上を移動しても、その移動が、高部土手部1bにより阻止されるので、荷物が、パレット部材1の荷物載置部1aから落下するようなことを防止することができる。
【0101】
また、図31に示されているように、収容された荷物としてのコンテナーCの高さが、パレット部材1の高部土手部1bと同じか、それより低い場合には、コンテナーCの取り出し作業の作業性が悪くなるが、本発明においては、内側中央嵌合凹部1dや内側端部嵌合凹部1eや張出部付き内側嵌合凹部1f等の高部土手部1bに形成された凹部に指を入れて、コンテナーCの上端フランジc1に指を掛けることにより、収容された荷物としてのコンテナーCの取り出しが容易になる。
【符号の説明】
【0102】
B1・・・・・・・・・・ボックスパレット
1・・・・・・・・・・・パレット部材
1b・・・・・・・・・・高部土手部
1c・・・・・・・・・・低部土手部
2・・・・・・・・・・・引き抜き側壁部材
2b・・・・・・・・・・係合部
3・・・・・・・・・・・先倒し側壁部材
3b・・・・・・・・・・係合部
4・・・・・・・・・・・ロック部材
5・・・・・・・・・・・段積み用凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーク挿入口が形成されているパレット部材と、パレット部材に対して取り外し可能な相対する一方の側壁部材と、パレット部材に対して取り外し可能或いはヒンジ連結されたもう一方の側壁部材とからなるボックスパレットにおいて、箱型に組み立てられた状態から、最初に上方に引き抜かれる一方の側壁部材の下端面側の中央部に、下部手持ち用凹部を形成したことを特徴とするボックスパレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2012−192937(P2012−192937A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56174(P2011−56174)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】