説明

ボトル缶体の製造装置及びボトル缶体の製造方法並びにボトル缶

【課題】口金部に形成された雄ねじ部の下方に位置するスカート部を高精度に形成することができるボトル缶体の製造装置及びボトル缶体の製造方法を提供することにある。
【解決手段】口金部に、雄ねじ形成予定部4cと、雄ねじ部形成予定部4cの下端に連設され径方向外方に膨出したスカート形成予定部4bとを備えたボトル缶体5に、雄ねじ部6とスカート部7とを形成する装置10であって、口金部の内側及び外側に各々配置され、雄ねじ形成予定部4cに雄ねじ部6を形成するねじ成形駒11と、ねじ成形駒11の缶軸方向下方に配設されるとともに、口金部の内側及び外側に各々配置され、スカート形成予定部4bにスカート部7を形成するスカート成形駒12とを備え、口金部のうち、ねじ成形駒11とスカート成形駒12との缶軸方向における間に位置するスカート形成予定部4bの缶軸方向上部を拘束する拘束部17を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口金部に、雄ねじ形成予定部と、該雄ねじ形成予定部の下端に連設され径方向外方に膨出したスカート形成予定部とを備えたボトル缶体に、雄ねじ部とスカート部とを形成するボトル缶体の製造装置及びボトル缶体の製造方法並びにボトル缶に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、清涼飲料水等が充填されるボトル缶は、次のようにして形成されている。
まず、純Al,またはAl合金からなる金属板に絞り,しごき加工を施し、有底筒状体1を形成し(図7(a))、次いで、この筒状体1の開口部にネックイン加工を施し、大径の胴部2と、この胴部2の上端と連設するとともに、缶軸方向上方へ向うに従い漸次径方向内方へ延在した肩部3と、この肩部3の上端と連設するとともに、缶軸方向上方へ延在した口金部4とを備えたボトル缶体5を形成する(図7(b))。
【0003】
そして、このボトル缶体5の口金部4のうち、この下部4aを除いた部分を一旦拡径した後(図7(c))、この拡径した部分に、順次、缶軸方向上方へ加工位置をずらして縮径加工を施し、図7(d)に示すボトル缶体5を形成する。
【0004】
このようにして形成されたボトル缶体5の口金部4は、口金部下部4aの缶軸方向上端に連設され径方向外方へ膨出したスカート形成予定部4bと、このスカート形成予定部4bの上端に連設され缶軸方向上方に延在した雄ねじ形成予定部4cと、この雄ねじ形成予定部4cの上端に連設されるとともに、この形成予定部4cより小径とされたカール部形成予定部4dとを備えている。なお、口金部下部4aの缶軸方向上端部は、スカート形成予定部4bより小径とされた首部形成予定部4eとされている。
その後、図8に示すように、ボトル缶体5の口金部4のうち、雄ねじ形成予定部4cに雄ねじ部6を形成するとともに、スカート形成予定部4bにスカート部7を形成する。
【0005】
これらのうち雄ねじ部6を形成する装置及び方法については、下記特許文献1に開示されているものがあるが、ボトル缶の口金部にキャップが螺着されたキャップ付ボトル缶においては、さらに、内容物の密封性を確保する等のために、スカート部7を形成する必要がある。
これらの雄ねじ部6及びスカート部7は、一般に、図9,図10に示す装置により形成されることが知られている。
この装置100は、ボトル缶体口金部4の内側及び外側に各々配置され、雄ねじ形成予定部4cに雄ねじ部6を形成するねじ成形駒101と、このねじ成形駒101の缶軸方向下方に配設されるとともに、口金部4の内側及び外側に各々配置され、スカート形成予定部4bにスカート部7を形成するスカート成形駒102とを備えている。
【0006】
ねじ成形駒101は、ボトル缶体口金部4の内側に配置される内側ねじ成形駒101aと、外側に配置される外側ねじ成形駒101bとを備え、また、スカート成形駒102も同様に内側スカート成形駒102aと外側スカート成形駒102bとを備えている。これらのうち、内側ねじ成形駒101a及び内側スカート成形駒102aは、同軸上に回転自在に支持されるとともに、ボトル缶体5の径方向に移動可能に支持され、また、外側ねじ成形駒101b及び外側スカート成形駒102bも同様の構成となっている。
ここで、これらのねじ成形駒101及びスカート成形駒102を有する装置100は、この装置100に配置されたボトル缶体5の缶軸と略一致した回転軸線に対して回転可能に支持された構成となっている。
【0007】
このように構成された装置100は、雄ねじ部6及びスカート部7を成形する際に、前記各ねじ成形駒101a,101bにより、ボトル缶体5の雄ねじ形成予定部4cを狭持した状態で、装置100全体がこの回転軸線回りに回転駆動することにより、ボトル缶体5に雄ねじ部6を形成する。
この際、内側スカート成形駒102aは、この最外周部102cによりボトル缶体5のスカート形成予定部4bの内周面を径方向外方へ押圧し、また、外側スカート成形駒102bは、内側スカート成形駒102aの最外周部102cより缶軸方向下方の部分、すなわち、スカート形成予定部4bの缶軸方向下端と連設された首部形成予定部4eの外周面を径方向内方へ押圧しており、これによりスカート部7も雄ねじ部6と同時に形成される。
【特許文献1】特開2002−066674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前記従来のボトル缶体の製造装置及び製造方法によれば,前述した成形加工の過程において、外側ねじ成形駒101bのねじ形成部下部101cと、内側スカート成形駒102aの最外周部102cとの缶軸方向における距離Cは、図10に示すように、順次大きくなる。すなわち、前記成形加工の始めには、前記距離Cは、図10(a)に示すように最小となっており、この際、図8に示すボトル缶体5の周方向位置Aが成形され、その後、前記装置100が回転駆動され雄ねじ部6及びスカート部7が形成されるに従い、前記距離Cは漸次大きくなり、この加工終わりには、前記距離Cは、図10(b)に示すように最大となり、この際、図8に示すボトル缶体5の周方向位置Bが成形される。
【0009】
従って、外側スカート成形駒102bにより、ボトル缶体5のスカート形成予定部4bの内周面を径方向外方へ押圧しスカート部7を成形する際、前記周方向位置Aにおいては、前記距離Cが最小となっているので、この押圧後にねじ成形駒101及びスカート成形駒102がボトル缶体口金部4から離間しても、この押し込み量を略保持することができるが、前記周方向位置Bにおいては、前記距離Cが最大となっているので、この押圧後に前記各成形駒101,102をボトル缶体口金部4から離間させると、いわゆるスプリングバックが生じ、前記押し込み量を保持できず、前記周方向位置B近傍におけるスカート部7の曲率半径R及びスカート角度θが他部と比べて大きくなる場合があった。
【0010】
このようなボトル缶体5に所定の加工が施されたボトル缶にキャップが螺着されたキャップ付ボトル缶において、キャップを緩めた際、ボトル缶のスカート部7に配置されるキャップのブリッジを破断できず、キャップのフレアーが拡径された状態で開栓されるという問題があった。従って、再度このボトル缶をリシールすることが困難になるという問題があった。
【0011】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、口金部に形成された雄ねじ部の缶軸方向下方に位置するスカート部を高精度に形成することができ、このボトル缶体に所定の加工が施されたボトル缶にキャップが螺着されたキャップ付ボトル缶を良好に開栓及びリシールすることが可能になるボトル缶体の製造装置及びボトル缶体の製造方法並びにボトル缶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、口金部に、雄ねじ形成予定部と、該雄ねじ形成予定部の下端に連設され径方向外方に膨出したスカート形成予定部とを備えたボトル缶体に、雄ねじ部とスカート部とを形成するボトル缶体の製造装置であって、前記口金部の内側及び外側に各々配置され、前記雄ねじ形成予定部に雄ねじ部を形成するねじ成形駒と、該ねじ成形駒の缶軸方向下方に配設されるとともに、前記口金部の内側及び外側に各々配置され、前記スカート形成予定部にスカート部を形成するスカート成形駒とを備え、前記ねじ成形駒と前記スカート成形駒との缶軸方向における間に位置する前記スカート形成予定部の缶軸方向上部を拘束する拘束部を備えていることを特徴とする。
【0013】
この発明に係るボトル缶体の製造装置によれば、ボトル缶体口金部に雄ねじ部及びスカート部を成形する際、前記スカート形成予定部の缶軸方向上部を拘束部により拘束することが可能になり、スカート部を高精度に形成することができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のボトル缶体の製造装置において、前記拘束部は、形成するスカート部の缶軸方向上部の内面形状と略同一の外周面を有する副スカート成形駒とされ、該副スカート成形駒は前記口金部の内側に配置され、該副スカート成形駒の前記外周面により、前記スカート形成予定部の缶軸方向上部の内周面を略全周にわたって径方向外方へ押圧する構成とされたことを特徴とする。
【0015】
この発明に係るボトル缶体の製造装置によれば、前記副スカート成形駒を備えているので、スカート部の缶軸方向における幅が、ボトル缶体の周方向位置で異なる構成にもかかわらず、この全周にわたって略同一の寸法精度でスカート部を形成することが可能になり、高精度なスカート部を形成することができる。
【0016】
請求項3に係る発明は、請求項2記載のボトル缶体の製造装置において、前記スカート成形駒は、前記口金部の内側に配設される内側スカート成形駒と、前記口金部の外側に配設される外側スカート成形駒とを備え、前記内側スカート成形駒は、前記スカート形成予定部の缶軸方向下部の内周面を径方向外方へ押圧する第1凸部を備え、前記外側スカート成形駒は、前記ボトル缶体の前記スカート形成予定部の缶軸方向下端に連設された首部形成予定部の外周面を径方向内方へ押圧する第2凸部と、形成するスカート部の缶軸方向下部の外面形状と略同一の外周面を有する第2凹部とを備え、前記内側スカート成形駒の前記第1凸部と、前記外側スカート成形駒の前記第2凹部とは、配置された前記ボトル缶体の前記スカート形成予定部の缶軸方向下部を挟んで対向配置され、前記第1凸部は、前記スカート形成予定部の缶軸方向下部を介して前記第2凹部を押圧する構成とされたことを特徴とする。
【0017】
この発明に係るボトル缶体の製造装置によれば、内側スカート成形駒が第1凸部を備え、外側スカート成形駒が第2凹部を備えているので、スカート部を成形するに際し、スカート形成予定部の缶軸方向下部の内周面のみならず外周面をも押圧成形することが可能になる。したがって、成形されるスカート部の曲率半径や、スカート角度のさらなる高精度化を実現することができる。
【0018】
請求項4に係る発明は、請求項2記載のボトル缶体の製造装置において、前記スカート成形駒は、前記口金部の内側に配設される内側スカート成形駒と、前記口金部の外側に配設される外側スカート成形駒とを備え、前記内側スカート成形駒は、前記スカート形成予定部の缶軸方向下部の内周面を径方向外方へ押圧する第1凸部と、該第1凸部の缶軸方向下端に連設された第1凹部とを備え、前記外側スカート成形駒は、前記ボトル缶体の前記スカート形成予定部の缶軸方向下端に連設された首部形成予定部の外周面を径方向内方へ押圧する第2凸部を備え、前記内側スカート成形駒の第1凹部と、前記外側スカート成形駒の第2凸部とは、配置された前記ボトル缶体の前記首部形成予定部を挟んで対向配置され、前記第2凸部は、前記首部形成予定部を介して前記第1凹部を押圧する構成とされたことを特徴とする。
【0019】
この発明に係るボトル缶体の製造装置によれば、内側スカート成形駒が第1凹部を備え、外側スカート成形駒が第2凸部を備えているので、スカート部を成形するに際し、首部形成予定部の内周面および外周面の双方を押圧しておくことが可能になる。したがって、形成されるボトル缶において、スカート部の缶軸方向下端と連設された首部を高精度に形成することが可能になり、これにより、この首部の缶軸方向上端部と連設されたスカート部、特にこのスカート部の缶軸方向下部を高精度に形成することが可能になる。以上により、成形されるスカート部の曲率半径や、スカート角度のさらなる高精度化を確実に実現することができる。
【0020】
請求項5に係る発明は、口金部に、雄ねじ形成予定部と、該雄ねじ形成予定部の下端に連設され径方向外方に膨出したスカート形成予定部とを備えたボトル缶体に、雄ねじ部とスカート部とを形成するボトル缶体の製造方法であって、前記口金部の内側及び外側に各々配置されたねじ成形駒により、前記雄ねじ形成予定部に雄ねじ部を形成するとともに、前記ねじ成形駒の缶軸方向下方に配設され、かつ、前記口金部の内側及び外側に各々配置されたスカート成形駒により、前記スカート形成予定部にスカート部を形成する際に、前記ねじ成形駒と前記スカート成形駒との缶軸方向における間に位置する前記スカート形成予定部の缶軸方向上部を拘束することを特徴とする。
【0021】
請求項6に係る発明は、請求項5記載のボトル缶体の製造方法において、前記雄ねじ部と前記スカート部とを成形する際、形成する前記スカート部の缶軸方向上部における内面形状と略同一の外周面を有する副スカート成形駒により、前記スカート形成予定部の缶軸方向上部の内周面を略全周にわたって径方向外方へ押圧することを特徴とする。
【0022】
請求項7に係る発明は、請求項6記載のボトル缶体の製造方法において、前記雄ねじ部と前記スカート部とを成形する際、前記スカート形成予定部の缶軸方向下部の外周面を支持した状態で、この内周面を径方向外方へ押圧するとともに、前記スカート形成予定部の缶軸方向下端に連設された首部形成予定部の外周面を径方向内方へ押圧することを特徴とする。
【0023】
請求項8に係る発明は、請求項6記載のボトル缶体の製造方法において、前記雄ねじ部と前記スカート部とを成形する際、前記スカート形成予定部の缶軸方向下端に連設された首部形成予定部の内周面を支持した状態で、この外周面を径方向内方へ押圧することを特徴とする。
【0024】
請求項9に係る発明は、有底筒状に形成され、大径の胴部と、該胴部の上端から缶軸方向上方へ向うに従い漸次径方向内方へ延在した肩部と、該肩部の上端から缶軸方向上方へ延在した口金部とを備え、該口金部は、この下部に径方向外方へ膨出したスカート部を備えるとともに、該スカート部の缶軸方向上方位置に形成された雄ねじ部を備えたボトル缶であって、前記スカート部の缶軸方向上部に、周方向に延在した溝部が形成されていることを特徴とする。
【0025】
この発明に係るボトル缶よれば、口金部に螺着するキャップの内周面のうち前記溝部と対向する部分に、当該溝部の溝形状と対応する形状とされ、かつこの溝部より小さい大きさの突起部を形成することによって、開栓時や閉栓時にキャップの突起部がボトル缶の前記溝部から出入りするときの音や手応えでこの缶の開閉状態を的確に把握することが可能になる。また、一旦開栓した後にこれをリキャップし、その後例えばこの缶を持ち運ぶ際においてもボトル缶の溝部内にキャップの突起部が位置していればキャップの螺着が緩まるのを防止することができる。さらに、缶内圧が過剰に上昇したときでも、キャップがボトル缶口金部から外れることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るボトル缶体の製造装置及びボトル缶体の製造方法並びにボトル缶によれば、ボトル缶体口金部に雄ねじ部及びスカート部を成形する際、前記スカート形成予定部の缶軸方向上部を拘束部により拘束するので、前記スカート形成予定部にスカート部を高精度に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。
図1から図3は、この発明の第一実施形態として示したボトル缶体の製造装置の概略構成を示すものである。
このボトル缶体製造装置に供されるボトル缶体は、前述した図7,図8に示す従来のものと同様であるのでこの説明を省略するとともに、これらの図に示す同一部分には同一符合を付して以下説明する。
【0028】
ボトル缶体の製造装置10は、ボトル缶体口金部4の内側に配置される内側成形駒60と外側に配置される外側成形駒50とを備え、これらの各成形駒50、60の缶軸方向上部がねじ成形部11とされるとともに、缶軸方向下部がスカート成形部12とされている。これを言い換えると、ボトル缶体口金部4の内側及び外側に各々配置され、雄ねじ形成予定部4cに雄ねじ部6を形成するねじ成形駒11と、このねじ成形駒11の缶軸方向下方に配設されるとともに、口金部4の内側及び外側に各々配置され、スカート形成予定部4bにスカート部7を形成するスカート成形駒12とを備えている。
【0029】
ねじ成形駒11は、ボトル缶体口金部4の内側に配置される内側ねじ成形駒11aと、外側に配置される外側ねじ成形駒11bとを備えている。また、スカート成形駒12も同様に内側スカート成形駒12aと外側スカート成形駒12bとを備えている。
そして、内側ねじ成形駒11a及び内側スカート成形駒12aと、外側ねじ成形駒11b及び外側スカート成形駒12bとは、各々同軸上に回転自在に支持されるとともに、径方向に移動可能に支持されている。
【0030】
ここで、内側スカート成形駒12aは、図3に示すように、この上部に、ボトル缶体5のスカート形成予定部4bの缶軸方向下部の内周面を径方向外方へ押圧する第1の押圧部13を備え、外側スカート成形駒12bは、この下部に、ボトル缶体5のスカート形成予定部4bの下端と連設する部分(首部形成予定部4e)の外周面を径方向内方へ押圧する第2の押圧部14を備えている。これら第1,第2の押圧部13,14は、各成形駒12a,12bの外表面に全周にわたって、略同一の断面形状で形成されるとともに、これら各成形駒12a,12bの回転軸方向における略同一の高さ位置に形成されている。
このように構成されたスカート成形駒12により、形成するスカート部7の下端部7aから缶軸方向上方に位置する内周面を第1の押圧部13により押圧し、この下端部7aから缶軸方向下方に位置する外周面を第2の押圧部14により押圧することで、スカート部7が形成されるようになっている。
【0031】
また、内側ねじ成形駒11a及び外側ねじ成形駒11bの外周面には、凹凸状のねじ形成部15,16が、螺旋状に、かつ互いに対応する形状で形成されている。さらに、内側ねじ成形駒11aの下端部17の外周面は、形成するスカート部7の缶軸方向上部の内面形状と略同一とされ、図3に示すように、この内側ねじ成形駒11a及び外側ねじ成形駒11bにより雄ねじ部6を形成する際、これと同時に、ボトル缶体5のスカート形成予定部4bの缶軸方向上部の内周面を前記下端部17により押圧できるようになっている。すなわちこれを言い換えると、ねじ成形駒11とスカート成形駒12との缶軸方向における間に、スカート形成予定部4bの缶軸方向上部の内周面を径方向外方へ押圧する副スカート成形駒17を備えた構成となっている。
【0032】
この副スカート成形駒17は、形成するスカート部7の内周面形状と適合するように、この缶軸方向下端位置を全周にわたって不変として、この上端が、この内側ねじ成形駒11aの回転軸線回りに漸次、前記不変とされた下端から離間するまたは接近するように、缶軸方向における幅が変化するように形成されている。
【0033】
以上のように構成されたボトル缶体の製造装置10は、配置されたボトル缶体5の缶軸と略一致した回転軸線O回りに回転可能に支持されるとともに、回転軸線O方向に進退可能に支持されており、この装置10が前進駆動されると、図2,図3に示すように、ボトル缶体口金部4の内側及び外側に、ねじ成形駒11及びスカート成形駒12が配置されるようになっている。
なお、ボトル缶体5は、口金部4がボトル缶体の製造装置10に向合うように、ボトル缶体5の底部が図示しない保持テーブル上に保持されている。
【0034】
以上のように構成されたボトル缶体の製造装置10により、ボトル缶体口金部4に雄ねじ部6及びスカート部7を形成する方法について説明する。
【0035】
まず、ボトル缶体5を保持テーブル上に保持した後、装置10を回転軸線O方向に前進駆動する。この際、ねじ成形駒11とスカート成形駒12とは、それぞれの待機位置に待機しており、これらのうち内側ねじ成形駒11a及び内側スカート成形駒12aは、これらの回転軸線が、装置10の回転軸線Oと略一致しているので、ボトル缶体口金部4の内側に、内側ねじ成形駒11a及び内側スカート成形駒12aが挿入配置され、この口金部4の外側に、外側ねじ成形駒11b及び外側スカート成形駒12bが配置されることになる。
【0036】
その後、図示しない駆動手段により、内側ねじ成形駒11aと外側ねじ成形駒11bとが互いに接近する方向に移動駆動されるとともに、内側スカート成形駒12aと外側スカート成形駒12bとが互いに接近する方向に移動駆動される。これにより、図2,図3に示すように、口金部4の雄ねじ形成予定部4cが、ねじ成形駒11により狭持され、また、スカート形成予定部4bの缶軸方向下部の内周面が内側スカート成形駒12aにより径方向外方へ押圧され、スカート形成予定部4bの缶軸方向下端に連設する部分(首部形成予定部4e)の外周面が外側スカート成形駒12bにより径方向内方へ押圧され、さらに、副スカート成形駒17により、ねじ成形駒11とスカート成形駒12との缶軸方向における間に位置するスカート形成予定部4bの缶軸方向上部の内周面が径方向外方へ押圧されることになる。
【0037】
この状態で、装置10が回転軸線O回りに回転駆動されることにより、ボトル缶体5の口金部4の全周にわたって、雄ねじ部6及びスカート部7が形成されることになる。なお、この成形過程において、副スカート成形駒17は、スカート形成予定部4bの缶軸方向上部の内周面を押圧しており、スカート部7の缶軸方向上部は、この全周にわたって副スカート成形駒17により押圧成形されることになる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によるボトル缶体の製造装置及び製造方法によれば、雄ねじ部6及びスカート部7を形成する過程において、ボトル缶体5のスカート形成予定部4bの缶軸方向上部の内周面を、副スカート成形駒17により径方向外方へ押圧しておくので、スカート部7の缶軸方向における幅が、ボトル缶体5の周方向位置で異なる構成にもかかわらず、この全周にわたって略同一の寸法精度でスカート部7を形成することが可能になり、高精度なスカート部7を形成することができる。
【0039】
これにより、図8に示すスカート部7の下部における曲率半径Rや、スカート角度θをボトル缶体5の全周にわたって適切な寸法で形成することが可能になり、従って、このボトル缶体5に所定の加工が施されたボトル缶にキャップが螺着されたキャップ付ボトル缶において、キャップを緩めた際に、確実にキャップのブリッジを破断することが可能になり、このキャップ付ボトル缶の開栓及びリシールについての不具合発生を抑制することができる。
【0040】
本実施形態に係るボトル缶体の製造装置および製造方法についての評価試験を実施した。評価方法として、前記製造装置10により形成した10個のボトル缶体5それぞれについて、スカート部7のうち、周方向位置を任意に異ならせた3箇所でスカート角度θ(図8参照)を測定した。比較例として、従来技術としての図9に示す製造装置100により形成したボトル缶体を用い、同様にスカート角度θを測定した。結果、比較例では、最大値と最小値との差(以下、単に「R」という)が11.42°であり、標準偏差が3.398であったのに対し、本実施形態に係る前記製造装置10により形成したボトル缶体5では、Rが6.93°であり、標準偏差が1.971であった。これにより、本実施形態に係る装置および方法の前述した作用効果が立証できた。
【0041】
次に、本発明の第二実施形態について説明するが、前述の第一実施形態と同様の部位には、同一符号を付し、その説明を省略する。
本第二実施形態によるボトル缶体の製造装置20は、図4に示すように、ねじ成形駒21と、このねじ成形駒21より缶軸方向下方に配設されたスカート成形駒22とを備え、ねじ成形駒21は、内側ねじ成形駒21aと外側ねじ成形駒11bとを備え、スカート成形駒22は、内側スカート成形駒12aと外側スカート成形駒22bとを備えている。このうち内側ねじ成形駒21aは、前記第一実施形態で示した構成から副スカート成形駒17を除去した従来の構成と同一であるのでこの説明は省略する。
【0042】
外側スカート成形駒22bは、前記第一実施形態の構成に加えて、この缶軸方向上部に、ボトル缶体5のスカート形成予定部4bの缶軸方向上部の外周面を径方向内方へ押圧する第3の押圧部23を備えている。すなわち、内側スカート成形駒12aの最外周部としての第1の押圧部13と、ねじ成形駒21との缶軸方向における間に、第3の押圧部23を備えている。
【0043】
この第3の押圧部23は、内側スカート成形駒12aの第1の押圧部13より缶軸方向上方へ位置し、かつ、ねじ成形駒21より缶軸方向下方へ位置するように形成されている。そして、この第3の押圧部23は、第1,第2の押圧部13,14と同様に、外側スカート成形駒22bの外周面に全周にわたって、略同一の断面形状で形成されるとともに、この成形駒22bの回転軸線方向における略同一の高さ位置に形成されている。この構成により、内側スカート成形駒12aの第1の押圧部13と、外側スカート成形駒22bの第3の押圧部23との缶軸方向における距離は、ボトル缶体5の全周にわたって略一定とされることになる。言い換えると、第1の押圧部13と、この押圧部13から缶軸方向上方に位置し、口金部4の外周面を径方向内方へ押圧する最初の部分としての、第3の押圧部23との缶軸方向における距離がボトル缶体5の全周にわたって略一定となっている。
【0044】
以上の構成により、ボトル缶体口金部4に雄ねじ部6及びスカート部7を形成すると、内側スカート成形駒12aがスカート形成予定部4bの缶軸方向下部の内周面を径方向外方へ押圧するとともに、外側スカート成形駒22bがスカート形成予定部4bの下端と連設する部分における外周面を径方向内方へ押圧することにより、スカート部7が形成される。この際同時に、外側スカート成形駒22bの第3の押圧部23が、スカート形成予定部4bの缶軸方向上部の外周面を径方向内方へ押圧することにより、図5(a)に示すように、スカート部7の缶軸方向上部外周面に径方向内方へ凹むとともに、周方向に延在する溝部24が形成されたボトル缶体5が形成される。すなわち、第3の押圧部23は、スカート部7の缶軸方向上部の外周面に溝部24を形成する溝部成形駒23して作用することになり、これを言い換えると、ねじ形成駒21とスカート成形駒22との缶軸方向における間に、溝部成形駒23が配設された構成となっている。
なお、このように形成されたボトル缶体5は、開口端部が径方向外方へ折り曲げられてカール部25が形成された後、このカール部25の外表面を径方向内方へ押潰すスロット加工が施されてボトル缶26が形成される。
【0045】
以上説明したように本実施形態によるボトル缶体の製造装置及び製造方法によれば、外側スカート成形駒22bが溝部成形駒23を備えているので、内側スカート成形駒12aの第1の押圧部13と、この押圧部13から缶軸方向上方に位置し、口金部4の外周面を径方向内方へ押圧する最初の部分との缶軸方向における距離をボトル缶体5の全周にわたって略一定にすることができる。
従って、形成する雄ねじ部6のねじ巻形状に依存して、スカート部7の缶軸方向における幅がボトル缶体5の周方向位置により異なるにもかかわらず、第1の押圧部13によるスカート部7の成形についての形状保持性を、ボトル缶体5の全周にわたって略一定とすることができ、スカート部7の成形不良発生を抑制することができる。
【0046】
すなわち、図9に示したように、溝部成形駒23を有さない従来の構成においては、第1の押圧部102c(13)と、この押圧部102c(13)から缶軸方向上方に位置し、口金部4の外周面を径方向内方へ押圧する最初の部分、すなわち外側ねじ成形駒101b(11b)のねじ形成部の下端101cとの缶軸方向における距離Cが、ボトル缶体5の周方向位置によって異なることになり、この距離Cが小さい場合は、第1の押圧部102c(13)によるスカート部7の成形についての形状保持性を良好に実現することができる一方、前記距離Cが大きい場合は、いわゆるスプリングバックが発生し易いため、良好な前記形状保持性を実現することが困難となる。
しかしながら、本実施形態によるボトル缶体の製造装置20では、溝部成形駒23を備えているので、前記距離をボトル缶体5の全周にわたって略一定にすることが可能になり、良好な形状保持性をこの缶体5の全周にわたって実現することができる。
さらに、溝部成形駒23により、スカート形成予定部4bの缶軸方向下部の内周面と、内側スカート成形駒12aの第1の押圧部13との密接力が向上することになり、高精度なスカート部7を確実に形成することができる。
また、このようにして形成されたボトル缶体5では、スカート部7の缶軸方向上部に、周方向に延在した溝部24が形成されているので、図5(b)に示すように、口金部4に螺着するキャップ40の内周面のうち、ボトル缶26の前記溝部24と対向する部分に、当該溝部24の溝形状と対応する形状とされ、かつこの溝部24より小さい大きさの突起部40aを形成することによって、開栓時や閉栓時にキャップ40の突起部40aがボトル缶26の前記溝部24から出入りするときの音や手応えでこの缶の開閉状態を的確に把握することが可能になる。また、一旦開栓した後にこれをリキャップし、その後例えばこの缶を持ち運ぶ際においてもボトル缶26の溝部24内にキャップ40の突起部40aが位置していればキャップ40の螺着が緩まるのを防止することができる。さらに、缶内圧が過剰に上昇したときでも、キャップ40がボトル缶口金部4から外れることを抑制することができる。
【0047】
次に、本発明に係る第三実施形態について説明する。
本実施形態によるボトル缶体の製造装置30は、図6に示すように、ねじ成形駒31と、このねじ成形駒31の配設位置より缶軸方向下方に配設されたスカート成形駒32とを備え、ねじ成形駒31は、内側ねじ成形駒31aと外側ねじ成形駒31bとを備え、また、スカート成形駒32は、内側スカート成形駒32aと外側ねじ成形駒32bとを備える概略構成とされている。なお、ねじ成形駒31は、図4で示した第二実施形態と略同一構成であるのでこの説明は省略する。
【0048】
内側スカート成形駒32aは、スカート形成予定部4bの缶軸方向下部の内周面を径方向外方へ押圧する第1の押圧部(第1凸部)13と、この第1の押圧部13の缶軸方向下端に連設された第1凹部34とを備えている。
ここで、第1の押圧部13の缶軸方向上端と連設された内側スカート成形駒32aの缶軸方向上端部35の外周面は、形成するスカート部7の缶軸方向上部の内面形状と略同一の形状とされており、図6に示すように、各成形駒31,32によりボトル缶体5に雄ねじ部6およびスカート部7等を形成する際、これと同時に、ボトル缶体5のスカート形成予定部4bの缶軸方向上部の内周面を前記上端部35の外周面により押圧できるようになっている。すなわちこれを言い換えると、ねじ成形駒31とスカート成形駒32との缶軸方向における間に、スカート形成予定部4bの缶軸方向上部の内周面を径方向外方へ押圧する副スカート成形駒35を備えた構成となっている。
なお、この成形駒32aの前記上端部35、および第1凹部34は、この駒32aの外表面に全周にわたって、略同一の断面形状で形成されるとともに、この駒32aの回転軸方向における略同一の高さ位置に形成されている。
【0049】
外側スカート成形駒32bは、スカート形成予定部4bの缶軸方向下端に連設された首部形成予定部4eの外周面を径方向内方へ押圧する第2の押圧部(第2凸部)14と、形成するスカート部7の缶軸方向下部の外面形状と略同一の外周面を有する第2凹部36とを備えている。
【0050】
以上のように構成されたボトル缶体の製造装置30にボトル缶体5が配置されると、図6に示すように、内側スカート成形駒32aの第1の押圧部13と、外側スカート成形駒32bの第2凹部36とが、スカート形成予定部4bの缶軸方向下部を挟んで対向配置され、また、内側スカート成形駒32aの第1凹部34と、外側スカート成形駒32bの第2の押圧部14とが、首部形成予定部4eを挟んで対向配置される。
【0051】
この状態で、内側および外側スカート成形駒32a,32bを互いが接近する方向に移動させると、内側スカート成形駒32aの第1の押圧部13が、スカート形成予定部4bの缶軸方向下部を介して外側スカート成形駒32bの第2凹部36を押圧することになる。これと同時に、外側スカート成形駒32bの第2の押圧部14が、首部形成予定部4eを介して内側スカート成形駒32aの第1凹部34を押圧することになる。
【0052】
その後、前記各実施形態と同様にして、ねじ成形駒31およびスカート成形駒32をボトル缶体5の缶軸回りに回動させることにより、ボトル缶体口金部の全周にわたって、雄ねじ部6およびスカート部7を形成する。
【0053】
以上説明したように本実施形態によるボトル缶体の製造装置及び製造方法によれば、内側スカート成形駒32aが第1の押圧部13を備え、外側スカート成形駒32bが第2凹部36を備えているので、スカート部7を成形するに際し、スカート形成予定部4bの缶軸方向下部の内周面のみならず外周面をも押圧成形することが可能になる。したがって、成形されるスカート部7の曲率半径や、スカート角度のさらなる高精度化を実現することができる。
【0054】
また、内側スカート成形駒32aが第1凹部34を備え、外側スカート成形駒32bが第2の押圧部14を備えているので、スカート部7を成形するに際し、首部形成予定部4eの内周面および外周面の双方を押圧しておくことが可能になる。したがって、形成されるボトル缶において、スカート部7の缶軸方向下端と連設された首部を高精度に形成することが可能になり、これにより、この首部の缶軸方向上端部と連設されたスカート部7、特にこのスカート部7の缶軸方向下部を高精度に形成することが可能になる。以上により、形成されるスカート部7の曲率半径や、スカート角度のさらなる高精度化を確実に実現することができる。
【0055】
本実施形態に係るボトル缶体の製造装置および製造方法についての評価試験を実施した。評価方法および比較例としては、前記実施形態と同様にした。
結果、比較例では、前述したように、Rが11.42°であり、標準偏差が3.398であったのに対し、前記製造装置30により形成したボトル缶体5では、Rが6.36°であり、標準偏差が1.487であった。これにより、本実施形態に係る装置および方法の前述した作用効果が立証できた。
【0056】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、前記第二実施形態において、溝部24をボトル缶体5の全周にわたって形成した構成を示したが、全周に限らず周方向における一部であってもよい。
【0057】
また、前記第一実施形態では、副スカート成形駒17を内側ねじ成形駒11aの缶軸方向下端部に形成し、前記第三実施形態では、副スカート成形駒35を内側スカート成形駒32aの缶軸方向上端部に形成した構成を各々示したが、これらに限らず、副スカート成形駒17,34を、前記各成形駒11a,32aとは別部品としてもよい。
【0058】
さらに、前記第三実施形態では、雄ねじ部6とスカート部7とを成形する際、スカート形成予定部4bの缶軸方向下部の外周面を支持した状態で、この内周面を径方向外方へ押圧するとともに、首部形成予定部4eの内周面を支持した状態で、この外周面を径方向内方へ押圧する構成を示したが、これに限らず、スカート形成予定部4bの前記外周面の前記支持、または首部形成予定部4eの内周面の前記支持のうち少なくとも一方を実施してもよい。
また、前記各実施形態では、外側ねじ成形駒11bと外側スカート成形駒12b・・・とを一体とした外側成形駒50として示し、また内側ねじ成形駒11a・・・と内側スカート成形駒12a・・・とを一体とした内側成形駒60として示したが、これらの各成形部50、60のねじ成形駒11b・・・とスカート成形駒12b・・・とを別部品としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
口金部に形成された雄ねじ部の下方に位置するスカート部を高精度に形成することができ、このボトル缶体に所定の加工が施されたボトル缶にキャップが螺着されたキャップ付ボトル缶を良好に開栓及びリシールすることが可能になるボトル缶体の製造装置及びボトル缶体の製造方法並びにボトル缶を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態として示したボトル缶体の製造装置を示す概略側面図であって、この装置にボトル缶体が配置される前の状態を示す図である。
【図2】図1に示すボトル缶体の製造装置の概略側面図であって、ボトル缶体口金部に雄ねじ部とスカート部とを成形している状態を示す図である。
【図3】本発明の第一実施形態として示したボトル缶体の製造装置であって、図2に示すねじ成形駒及びスカート成形駒を示す拡大断面側面図である。
【図4】本発明の第二実施形態として示したボトル缶体の製造装置であって、図2に示すねじ成形駒及びスカート成形駒を示す拡大断面側面図である。
【図5】本発明の一実施形態として示したボトル缶を示す拡大側面図である。
【図6】本発明の第三実施形態として示したボトル缶体の製造装置であって、図2に示すねじ成形駒及びスカート成形駒を示す拡大断面側面図である。
【図7】有底筒状体からボトル缶体を形成する工程を示す工程図である。
【図8】ボトル缶体を示す拡大側面図である。
【図9】本発明に係る従来例において、ボトル缶体の製造装置を示す拡大側面断面図である。
【図10】本発明に係る従来例において、ボトル缶体の製造装置のスカート成形駒とねじ成形駒との、ボトル缶体の各周方向位置における位置関係を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
4 口金部
4b スカート形成予定部
4c 雄ねじ成形予定部
4e 首部形成予定部
5 ボトル缶体
6 雄ねじ部
7 スカート部
10,20,30 ボトル缶体の製造装置
11,21,31 ねじ成形駒
12,22,32 スカート成形駒
12a,32a 内側スカート成形駒
12b,22b,32b 外側スカート成形駒
13 第1の押圧部(最外周部,第1凸部)
14 第2の押圧部(第2凸部)
17,35 副スカート成形駒(拘束部)
23 溝部成形駒(拘束部)
24 溝部
34 第1凹部
36 第2凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口金部に、雄ねじ形成予定部と、該雄ねじ形成予定部の下端に連設され径方向外方に膨出したスカート形成予定部とを備えたボトル缶体に、雄ねじ部とスカート部とを形成するボトル缶体の製造装置であって、
前記口金部の内側及び外側に各々配置され、前記雄ねじ形成予定部に雄ねじ部を形成するねじ成形駒と、
該ねじ成形駒の缶軸方向下方に配設されるとともに、前記口金部の内側及び外側に各々配置され、前記スカート形成予定部にスカート部を形成するスカート成形駒とを備え、
前記ねじ成形駒と前記スカート成形駒との缶軸方向における間に位置する前記スカート形成予定部の缶軸方向上部を拘束する拘束部を備えていることを特徴とするボトル缶体の製造装置。
【請求項2】
請求項1記載のボトル缶体の製造装置において、
前記拘束部は、形成するスカート部の缶軸方向上部の内面形状と略同一の外周面を有する副スカート成形駒とされ、
該副スカート成形駒は前記口金部の内側に配置され、該副スカート成形駒の前記外周面により、前記スカート形成予定部の缶軸方向上部の内周面を略全周にわたって径方向外方へ押圧する構成とされたことを特徴とするボトル缶体の製造装置。
【請求項3】
請求項2記載のボトル缶体の製造装置において、
前記スカート成形駒は、前記口金部の内側に配設される内側スカート成形駒と、前記口金部の外側に配設される外側スカート成形駒とを備え、
前記内側スカート成形駒は、前記スカート形成予定部の缶軸方向下部の内周面を径方向外方へ押圧する第1凸部を備え、
前記外側スカート成形駒は、前記ボトル缶体の前記スカート形成予定部の缶軸方向下端に連設された首部形成予定部の外周面を径方向内方へ押圧する第2凸部と、形成するスカート部の缶軸方向下部の外面形状と略同一の外周面を有する第2凹部とを備え、
前記内側スカート成形駒の前記第1凸部と、前記外側スカート成形駒の前記第2凹部とは、配置された前記ボトル缶体の前記スカート形成予定部の缶軸方向下部を挟んで対向配置され、
前記第1凸部は、前記スカート形成予定部の缶軸方向下部を介して前記第2凹部を押圧する構成とされたことを特徴とするボトル缶体の製造装置。
【請求項4】
請求項2記載のボトル缶体の製造装置において、
前記スカート成形駒は、前記口金部の内側に配設される内側スカート成形駒と、前記口金部の外側に配設される外側スカート成形駒とを備え、
前記内側スカート成形駒は、前記スカート形成予定部の缶軸方向下部の内周面を径方向外方へ押圧する第1凸部と、該第1凸部の缶軸方向下端に連設された第1凹部とを備え、
前記外側スカート成形駒は、前記ボトル缶体の前記スカート形成予定部の缶軸方向下端に連設された首部形成予定部の外周面を径方向内方へ押圧する第2凸部を備え、
前記内側スカート成形駒の第1凹部と、前記外側スカート成形駒の第2凸部とは、配置された前記ボトル缶体の前記首部形成予定部を挟んで対向配置され、
前記第2凸部は、前記首部形成予定部を介して前記第1凹部を押圧する構成とされたことを特徴とするボトル缶体の製造装置。
【請求項5】
口金部に、雄ねじ形成予定部と、該雄ねじ形成予定部の下端に連設され径方向外方に膨出したスカート形成予定部とを備えたボトル缶体に、雄ねじ部とスカート部とを形成するボトル缶体の製造方法であって、
前記口金部の内側及び外側に各々配置されたねじ成形駒により、前記雄ねじ形成予定部に雄ねじ部を形成するとともに、
前記ねじ成形駒の缶軸方向下方に配設され、かつ、前記口金部の内側及び外側に各々配置されたスカート成形駒により、前記スカート形成予定部にスカート部を形成する際に、
前記ねじ成形駒と前記スカート成形駒との缶軸方向における間に位置する前記スカート形成予定部の缶軸方向上部を拘束することを特徴とするボトル缶体の製造方法。
【請求項6】
請求項5記載のボトル缶体の製造方法において、
前記雄ねじ部と前記スカート部とを成形する際、形成する前記スカート部の缶軸方向上部における内面形状と略同一の外周面を有する副スカート成形駒により、前記スカート形成予定部の缶軸方向上部の内周面を略全周にわたって径方向外方へ押圧することを特徴とするボトル缶体の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載のボトル缶体の製造方法において、
前記雄ねじ部と前記スカート部とを成形する際、前記スカート形成予定部の缶軸方向下部の外周面を支持した状態で、この内周面を径方向外方へ押圧するとともに、前記スカート形成予定部の缶軸方向下端に連設された首部形成予定部の外周面を径方向内方へ押圧することを特徴とするボトル缶体の製造方法。
【請求項8】
請求項6記載のボトル缶体の製造方法において、
前記雄ねじ部と前記スカート部とを成形する際、前記スカート形成予定部の缶軸方向下端に連設された首部形成予定部の内周面を支持した状態で、この外周面を径方向内方へ押圧することを特徴とするボトル缶体の製造方法。
【請求項9】
有底筒状に形成され、大径の胴部と、該胴部の上端から缶軸方向上方へ向うに従い漸次径方向内方へ延在した肩部と、該肩部の上端から缶軸方向上方へ延在した口金部とを備え、該口金部は、この下部に径方向外方へ膨出したスカート部を備えるとともに、該スカート部の缶軸方向上方位置に形成された雄ねじ部を備えたボトル缶であって、
前記スカート部の缶軸方向上部に、周方向に延在した溝部が形成されていることを特徴とするボトル缶。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−279510(P2008−279510A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209189(P2008−209189)
【出願日】平成20年8月15日(2008.8.15)
【分割の表示】特願2004−72308(P2004−72308)の分割
【原出願日】平成16年3月15日(2004.3.15)
【出願人】(305060154)ユニバーサル製缶株式会社 (219)
【Fターム(参考)】