説明

ボンベ切替装置

【課題】簡単かつ円滑にボンベを切り替えることが可能なボンベ切替装置を提供する。
【解決手段】第二のガスボンベ3から第二の切替バルブ20、第二の逆止弁18、バルブ17、レギュレータ26の経路で炭酸ガスが供給されているときに第二のガスボンベ3が空になると、第一の逆止弁16が開いて第二の逆止弁18が閉じ、第一のガスボンベ2からホース12、チーズ13、第一の切替バルブ10、第一の逆止弁16、バルブ17、レギュレータ26の経路で炭酸ガスが供給されるようにガスボンベが自動切り替えされる。この段階で第二のガスボンベ3を交換し、更に第一,第二の切替バルブ10,20の第一,第二の切替レバー11,19を「a」の位置から「b」の位置にして炭酸ガスの通過するルートを切り替え、第一のガスボンベ2からの炭酸ガスを第二の逆止弁18に通過させ、次のガスボンベの自動交換に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用中のボンベ内のガスが終了したとき、別のボンベに簡単かつ迅速に切り替えることが可能なボンベ切替装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファーストフード店やレストランなどで提供される炭酸飲料は、飲料ディスペンサによって容器から供給される炭酸飲料のシロップと炭酸ガスボンベから供給される炭酸ガスを混合することによって提供されている。
【0003】
上記のような発泡飲料注出装置としては特許文献1に示されるものがあり、飲料が収容された飲料容器にガス圧調節器を介して炭酸ガスボンベから圧力調整された炭酸ガスを供給し、飲料抽出弁から炭酸ガスの圧力により飲料を取り出すようになっている。この発泡飲料注出装置では、温度センサに基づいて飲料容器内の飲料の温度が検出され、この検出温度に基づいて制御装置により上記飲料抽出弁が制御されることで適正な圧力の飲料が抽出されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−133397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した飲料ディスペンサでは、炭酸ガスをボンベから供給しており、ボンベに充填されている炭酸ガスが終了すれば、新しい炭酸ガスボンベと交換する必要がある。しかし、ファーストフード店やレストランなどにおいて混雑する時間帯に炭酸ガスが無くなった場合、炭酸ガスボンベの交換のためにお客を待たせることになり、営業に支障を及ぼすことがあった。また、炭酸ガスボンベの交換には工具を使用して行う必要があるため、女性アルバイト店員などにとっては作業が難しく、負担になっていた。
【0006】
この問題を解消すべく、自動炭酸ガスボンベ切替装置も提案されている。この装置は例えば、複数本の炭酸ガスボンベを並列的に接続し、使用中の1つが空になってガス圧が低下したことを圧力センサが検知すると、これを基にボンベ切り替え用のバルブを電気的に制御し、自動的に炭酸ガスボンベを切り替えるようにしたものである。しかし、このような自動炭酸ガスボンベ切替装置は高価であり、各ディスペンサごとに設置することは難しい。また、制御を電気的に行うため、装置の構成が複雑になるという問題もある。
【0007】
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、電気的な制御を不要とし、しかも簡単かつ円滑にボンベを切り替えることが可能なボンベ切替装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、同じ圧力でガスを供給する2つのガスボンベのうちの一方側の使用が終了した際に他方側のガスボンベに自動的に切り換えるボンベ切替装置において、一端に第一のガスボンベが着脱可能に取り付けられると共に、他端には第二のガスボンベが着脱可能に取り付けられるガス供給管を備え、ガス供給管には、第一のボンベから供給されるガスの通過を許容又は阻止する第一の逆止弁と、第二のボンベから供給されるガスの通過を許容又は阻止する第二の逆止弁とが配置されると共に、第二の逆止弁は第一の逆止弁よりも相対的に弱い圧力で動作してガスの通過を許容するようにされ、そして、第一の逆止弁と第二の逆止弁との間には第一のガスボンベから供給されるガス及び第二のガスボンベから供給されるガスを流通させるための分岐部材が配置されていることを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、同じ圧力でガスを供給する2つのガスボンベのうちの一方側の使用が終了した際に他方側のガスボンベに自動的に切り換えるボンベ切替装置において、第一のガスボンベから供給されるガスを第一の切替バルブ側及び第二の切替バルブ側にそれぞれ流通させるための第一のガス供給手段と、第二のガスボンベから供給されるガスを第一の切替バルブ側及び第二の切替バルブ側にそれぞれ流通させるための第二のガス供給手段と、第一の切替バルブと第二の切替バルブとを連通するガス供給管とを備え、ガス供給管には、第一の切替バルブ側から供給されるガスの通過を許容又は阻止する第一の逆止弁と、第二の切替バルブ側から供給されるガスの通過を許容又は阻止する第二の逆止弁とが配置されると共に、第二の逆止弁は第一の逆止弁よりも相対的に弱い圧力で動作してガスの通過を許容するようにされ、第一の切替バルブ及び第二の切替バルブは、第一のガスボンベから供給されるガス及び第二のガスボンベから供給されるガスをそれぞれ第一の逆止弁側又は第二の逆止弁側へ供給するように流通経路を切り替え可能に形成され、そして、第一の逆止弁と第二の逆止弁との間には第一のガスボンベから供給されるガス及び第二のガスボンベから供給されるガスを流通させるための分岐部材が配置されていることを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載のボンベ切替装置において、第一の切替バルブには第一の切替レバーが設けられると共に、第二の切替バルブには第二の切替レバーが設けられ、第一の切替レバー及び第二の切替レバーを動作させることにより第一のガスボンベから供給されるガス及び第二のガスボンベから供給されるガスの流通経路を変更可能とされたこと特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載のボンベ切替装置において、第一の切替レバーと第二の切替レバーとは連動して動作するようにされたことを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のボンベ切替装置において、第二の逆止弁は、その動作圧が第一の逆止弁より相対的に0.3MPa低く設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るボンベ切替装置によれば、電気的な制御を行うことなく、簡単かつ円滑にボンベを切り替えることができるという効果がある。また、空になったボンベは他のボンベが空になるまでの間の手の空いた時間に行えばよいのでファーストフード店やレストランなどにおいて炭酸ガスボンベの交換のためにお客を待たせることもなく、炭酸ガスが無くなった場合には、混雑する時間帯を避けて交換を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るボンベ切替装置の第1の実施形態を示す説明図である。
【図2】逆止弁の断面図である。
【図3】本発明に係るボンベ切替装置の第2の実施形態を示す説明図である。
【図4】図3に示すボンベ切替装置の動作状態を示す説明図である。
【図5】図4に示すボンベ切替装置のガスの流通経路が変更された状態を示す説明図である。
【図6】図5に示すボンベ切替装置の切替レバーを動作させた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1の実施形態]
以下、本発明に係るボンベ切替装置について、好ましい一実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るボンベ切替装置の第1の実施形態を示す配管図である。
ボンベ切替装置1は、概略として、一端に第一のガスボンベ2を着脱可能に取り付けるための図示しない第一の取付口を備えたホース12が取り付けられると共に、他端には第二のガスボンベ3を着脱可能に取り付けるための図示しない第二の取付口を備えたホース14が設けられたガス供給管7を備え、ガス供給管7には第一の逆止弁16及び第二の逆止弁18が配置され、第一の逆止弁16と第二の逆止弁18との間にはガスをレギュレータ26に供給するための分岐部材であるバルブ17を備えて構成されている。そして、図示しない第一の取付口には第一のガスボンベ2が接続され、図示しない第二の取付口には第二のガスボンベ3が接続される。本実施形態では第一のガスボンベ2及び第二のガスボンベ3はいずれも炭酸ガスボンベであり、また、レギュレータ26は、図示しない炭酸飲料のディスペンサの一部を構成しており、図示しないタンクから供給される炭酸飲料用シロップにレギュレータ26を介して炭酸ガスを吹き込むことによって炭酸飲料が調整されるようになっている。
【0016】
第一のガスボンベ2及び第二のガスボンベ3は、共に図示しない減圧弁と2つのゲージを備えており、ゲージの1つはボンベ内のガス圧(一次側ガス圧)を計測し、他の一つは減圧後の圧力(二次側ガス圧)を計測するために用いられる。そして、第一のガスボンベ2及び第二のガスボンベ3は共に二次側ガス圧が同じ圧力である1.5Mpaに設定されている。尚、ガス圧は、適宜に調整されて使用されることはいうまでもない。
【0017】
第一の逆止弁16及び第二の逆止弁18は、いずれも例えば、図2に示すように、ボール16aとバネ16bを備えて構成された公知の逆止弁である。図2は第一の逆止弁16の断面図を示しているが第二の逆止弁18もその構成は同様である。尚、第一の逆止弁16及び第二の逆止弁18についての詳しい説明は省略するが、第一の逆止弁16及び第二の逆止弁18は、第一のガスボンベ2又は第二のガスボンベ3から供給される炭酸ガスのガス圧が所定の圧力以上の場合には炭酸ガスのバルブ17側への通過を許容する(図2のA方向)が、反対方向(図2のB方向)からの炭酸ガスの通過は阻止する構造になっている。そして、第二の逆止弁18のバネの力は第一の逆止弁16のバネの力よりも相対的に弱く設定されている。例えば、第二の逆止弁18は第一の逆止弁16よりも動作圧が相対的に0.3MPa低く設定されている。
【0018】
レギュレータ26は、圧力調整バルブ261a,261b及び圧力計262a,262b,263を備え、所望のガス圧に調整された炭酸ガスがガス出口264a,264bの2箇所から取り出され、図示しないホースを介して図示しないディスペンサに供給されるように構成されている。ここで、圧力計263はレギュレータに供給される炭酸ガスの圧力測定に用いられ、圧力計262a,262bはシロップと混合される炭酸ガスの供給停止を確認するものである。尚、ガス出口264a,264bの数、それに伴う圧力計262a,262bの数はこれに限定されるものではない。
【0019】
[ボンベ切替装置の動作]
次に、上述したボンベ切替装置1の動作について説明する。まず、第一のガスボンベ2及び第二のガスボンベ3の図示しない圧力調整バルブを調整し、両者ともガス圧1.5Mpaで炭酸ガスを供給できる状態にする。そして、第二の逆止弁18は、第一の逆止弁16よりも相対的に低い圧力で動作するようになっている。また、第一の逆止弁16及び第二の逆止弁18の動作圧は、いずれも第一のガスボンベ2及び第二のガスボンベ3から供給される炭酸ガスのガス圧(1.5Mpa)よりも低い圧力で動作するようになっている。
【0020】
第一のガスボンベ2及び第二のガスボンベ3から炭酸ガスの供給が同時に開始されると、第一のガスボンベ2からの炭酸ガスは第一の逆止弁16に至り、第二のガスボンベ3からの炭酸ガスは第二の逆止弁18に至る。ここで、第一のガスボンベ2と第二のガスボンベ3の二次側圧力は共に1.5MPaであるが、上述したように第一の逆止弁16と第二の逆止弁18とでは動作圧力に差異(約0.3MPa)があるため、動作圧の低い第二の逆止弁18を通過した炭酸ガスがバルブ17内に至り、その内圧が1.5Mpaとなる。そのため、1.5MPaの圧力で供給される第一のガスボンベ2から供給される炭酸ガスのガス圧と同じになるので第一の逆止弁16は開かない。従って、この時点では第二のガスボンベ3から供給される炭酸ガスのみがバルブ17内に供給され、第一のガスボンベ2から供給される炭酸ガスは第一の逆止弁16によってバルブ内への流通が阻止された状態となる。
【0021】
第二のガスボンベ3内の炭酸ガスが順次使用されることによって第二のガスボンベ3の圧力が低下するとバルブ17内の内圧も次第に低下してくる。これに伴い、第一のガスボンベ2から供給される炭酸ガスの圧力がバルブ17内の圧力を上回ると、今度は第一の逆止弁16が開いて第一のガスボンベ2から供給される炭酸ガスがバルブ17内に至り、バルブ17内が第一のガスボンベ2から供給される炭酸ガスによって内圧が1.5Mpaとなる。すると、第二のガスボンベ3から供給される炭酸ガスの圧力はそれよりも低くなるので今度は第二の逆止弁18が閉じる共に、第一のガスボンベ2から供給される炭酸ガスが第二のガスボンベ3側への移動も第二の逆止弁18によって阻止される。これにより、第二のガスボンベ3に代わって第一のガスボンベ2からの炭酸ガスがバルブ17を介してレギュレータ26に導入されることになる。
【0022】
[第1の実施形態の効果]
第1の実施形態に係るボンベ切替装置によれば、一方のガスボンベ内のガスが少なくなってガス圧が低下すると他のガスボンベとレギュレータ26とが自動的に連通して切り替わるので、ガスボンベの交換に時間をとられずに済むために客を待たせないようにすることができるという効果がある。
【0023】
[第2の実施形態]
次に、本発明に係るボンベ切替装置の第2の実施形態について説明する。図3は本発明に係るボンベ切替装置の第2の実施形態を示す配管図である。
図3に示されたボンベ切替装置1は、概略として、手動式の第一の切替レバー11を備えた第一の切替バルブ10と、手動式の第二の切替レバー19を備えた第二の切替バルブ20とを備えると共に、第一の切替バルブ10と第二の切替バルブ20とはガス供給管7によって連通されている。第一の切替バルブ10の一方の入り側にはその一端に図示しない第一の取付口を備えたホース12が接続されたT型のチーズ13接続されると共に、第一の切替バルブ10の他方の入り側には一端に図示しない第二の取付口を備えたホース14が接続されたT型のチーズ15が接続されている。第一の切替バルブ10の出側には第一の逆止弁16が接続され、この第一の逆止弁16の出側には炭酸ガスの取出口を備えたバルブ17の一方の入り側が接続されている。また、バルブ17の他方の入り側には第二の逆止弁18の出側が接続され、第二の切替バルブ20の出側が第二の逆止弁18の入り側と接続されている。そして、チーズ13の出側と第二の切替バルブ20の一方の入り側とがエルボ21を介してパイプ22によって接続されると共に、チーズ15の出側と第二の切替バルブ20の他方の入り側とがエルボ23を介してパイプ24によって接続されている。そして、バルブ17の炭酸ガスの取出口はホース25を介してレギュレータ26に接続されている。尚、ホース12には図示しない第一の取付口を介して第一のガスボンベ2が接続され、ホース14には図示しない第二の取付口を介して第二のガスボンベ3が接続される。
【0024】
第一のガスボンベ2及び第二のガスボンベ3は、上記第一の実施形態で述べたものと同様であり詳しい説明は省略するが、図示しない減圧弁と2つのゲージを備えており、ゲージの1つはボンベ内のガス圧(一次側ガス圧)を計測し、他の一つは減圧後の圧力(二次側ガス圧)を計測するために用いられる。そして、第一のガスボンベ2と第二のガスボンベ3は共に二次側ガス圧が1.5Mpaに設定されている。
【0025】
第一の切替バルブ10及び第二の切替バルブ20は略同の一構成を有し、共に炭酸ガスの流路を切り替えるための器具である。具体的には、第一の切替バルブ10は、第一の切替レバー11を操作することによって第一のガスボンベから供給される炭酸ガスを第一の切替バルブ10内を通って第一の逆止弁16に流通させるか又はパイプ22を介して第二の切替バルブ20へ流通させるかの切替を行う。一方、第二の切替バルブ20は、第二の切替レバー19を操作することによって第二のガスボンベから供給される炭酸ガスを切替バルブ10内を通って第一の逆止弁16に流通させるか又はパイプ24を介して第二の切替バルブ20へ流通させるかの切替を行う。炭酸ガスの流路を切り替えるための第一の切替レバー11と第二の切替レバー19は、それぞれ図1に示す「a」の位置または「b」の位置の一方が連動して同時に選択及び操作できるように形成されており、これによって炭酸ガスの供給ルートが変更できるようになっている。尚、ボンベ切替装置1の使用中においては、第一のガスボンベ2と第二のガスボンベ3は同時に「開」状態にされ、常に両方のボンベから炭酸ガスが供給される状態となっている。また、第一の切替レバー11と第二の切替レバー19は、常に同時に切り替えられるものであって、例えば、一方が「a」の位置で他方が「b」の位置という様な操作は行えないようになっている。このような操作を回避するには、例えば、ボンベ切替装置1を図3における上下方向の略真ん中の位置で2つ折りにすることによって、第一の切替レバー11と第二の切替レバー19とが上下で隣接するような構成とし、その状態で第一の切替レバー11と第二の切替レバー19とを連結することによって、1回の操作で第一の切替レバー11と第二の切替レバー19とが同時に作動するように構成することができる。尚、このような実施形態を図に示すとボンベ切替装置1の全体構造が複雑となるので理解を容易にするため図3に示すような構成に基づいて説明を行う。尚、第一の切り替えレバー11と第二の切替レバー19を異なる方向に位置させた場合には、第一のガスボンベ2と第二のガスボンベ3の炭酸ガスは両方がほぼ同時に無くなることになる。
【0026】
第一,第二の逆止弁16,18及びレギュレータ26は、上記の第一の実施形態のものと同一であり、ここでの説明は省略する。尚、第二の逆止弁18は第一の逆止弁16よりも低い圧力で動作するようになっている。ここで、チーズ13と、パイプ22と、エルボ21によって第一のガスボンベ2から供給される炭酸ガスを第一の切替バルブ10側及び第二の切替バルブ20側にそれぞれ流通させるための「第一のガス供給手段」が形成され、チーズ15と、パイプ24と、エルボ23によって第二のガスボンベ3から供給される炭酸ガスを第一の切替バルブ10側及び第二の切替バルブ20側にそれぞれ流通させるための「第二のガス供給手段」が形成される。
【0027】
[ボンベ切替装置の動作]
次に、上述したボンベ切替装置1の動作について図4〜図6を参照して説明する。まず、第一のガスボンベ2と第二のガスボンベ3の図示しない圧力調整バルブを調整し、ガス圧1.5Mpaで炭酸ガスを供給できる状態にする。また、初期状態においては、第一の切替バルブ10の第一の切替レバー11と第二の切替バルブ20の第二の切替レバー19は共に「a」の位置に位置している。
【0028】
第一の切替レバー11と第二の切替レバー19が共に「a」の位置にあるときには、図4に示すように、第二のガスボンベ3から供給される炭酸ガスは、第一の逆止弁16に至るルートが第一の切替バルブ10によって阻止されているので、チーズ15及びパイプ24を経て下方に向かい、第二の切替バルブ20を経て第二の逆止弁18に到達する。一方、第一のガスボンベ2から供給される炭酸ガスは、チーズ13及び第一の切替バルブ10を経て第一の逆止弁16に至る。これと同時にチーズ13を経てパイプ22内に充満するが、その先の流路が第二の切替バルブ20によってそれ以上の流通が阻止されているため、第二の切替バルブ18には至らない。ここで、第一のガスボンベ2と第二のガスボンベ3の二次側圧力は共に1.5MPaであるが、上述したように第一の逆止弁16と第二の逆止弁18とでは動作圧力に差異(約0.3MPa)があるため、第二の逆止弁18が開いて第二のガスボンベ3から供給される炭酸ガスがバルブ17内に至る。これによりバルブ17内も第二のガスボンベ3の炭酸ガスによって内圧が1.5Mpaとなるため、第一の逆止弁16は開かない。また、バルブ17内に充満している第二のガスボンベ3の炭酸ガスは第一の逆止弁16によって第一の切替バルブ10側への移動が阻止される。従って、第一のガスボンベ2と第二のガスボンベ3のそれぞれがボンベ切替装置1に連通しているものの、この状態では第二のガスボンベ3からの炭酸ガスのみがバルブ17に供給され、第一のガスボンベ2から供給される炭酸ガスは第一の逆止弁16と第二の切替バルブ20によってバルブ17への供給が阻止された状態となっている。
【0029】
第二のガスボンベ3内の炭酸ガスが順次使用されることによって第二のガスボンベ3の圧力が低下すると、バルブ17内の内圧も次第に低下してくる。これに伴い、第一のガスボンベ2から供給される炭酸ガスの圧力がバルブ17内の圧力を上回ると、今度は第一の逆止弁16が開いて第一のガスボンベ2から供給される炭酸ガスがバルブ17内に至り、バルブ17内が第一のガスボンベ2から供給される炭酸ガスによって内圧が1.5Mpaとなる。すると、第二のガスボンベ3から供給される炭酸ガスの圧力はそれよりも低くなるので、今度は図5に示すように、第二の逆止弁18が閉じる共に、第一のガスボンベ2から供給される炭酸ガスが第二の切替バルブ20側への移動も第二の逆止弁18によって阻止される。これにより、第二のガスボンベ3に代わって第一のガスボンベ2からの炭酸ガスがバルブ17を介してレギュレータ26に導入されることになる。
【0030】
そして、この段階でユーザは、第一のガスボンベ2の炭酸ガスが所定の圧力以下になるまでの間に第二のガスボンベ3の交換を行う。従って、炭酸ガスが無くなった時点で直ちにガスボンベの交換を行わなくても、炭酸飲料の提供を継続することができ、時間に余裕ができたときに交換作業を行えばよい。ガスボンベの交換に際しては、ボンベに付属するバルブ類を定められたマニュアル等にしたがった操作をすることが必要である。
【0031】
そして、第二のガスボンベ3の交換を行った後には、ユーザは第一の切替バルブ10の第一の切替レバー11と第二の切替バルブ20の第二の切替レバー19を共に「a」の位置から「b」の位置へ手動により90°回転させ、炭酸ガスの供給ルートを切り替える。これにより、図6に示すように、第一の切替バルブ10が閉じて第一の逆止弁16に供給されていた第一のガスボンベ2からの炭酸ガスは、第一の切替バルブ10を通過することが阻止される一方、第二の切替バルブ20が開き、今度はパイプ22を経て動作圧の低い第二の逆止弁18側に向かうことになる。これに対して、切替レバー11の操作によって今度は第二のガスボンベ3からの炭酸ガスが第一の切替バルブ10を介して第一の逆止弁16に供給されることになり、チーズ15,パイプ24,エルボ23内に充満した第二のガスボンベ3からの炭酸ガスは第二の切替バルブ20によって流通が阻止される。従って、今度は、第一のガスボンベ2から供給される炭酸ガスが第二の逆止弁18を通過しさらにバルブ17を経てホース25に導入され、レギュレータ26に送られることになる。尚、第二のガスボンベ3から供給される炭酸ガスは、第一の切替バルブ10を経て第一の逆止弁16に向かうが、この第一の逆止弁16はバルブ17内の内圧が1.5MPaであるため開かず、第二のガスボンベ3から供給される炭酸ガスは第一の逆止弁16によって流通が阻止される。
【0032】
そして、第一のガスボンベ2の炭酸ガスが減ってガス圧が低下してくると、上述の場合と同様に、バルブ17内の内圧が低くなるので第二のガスボンベ3から供給される炭酸ガスの圧力(1.5Mpa)によって第一の逆止弁16が開いて炭酸ガスがバルブ17内に流通する。これによって今度は第二の逆止弁18が閉じられ、バルブ17には第二のガスボンベ3から供給される炭酸ガスが導入され、第二のガスボンベ3から供給される炭酸ガスがバルブ17を経てホース25に導入され、レギュレータ26に送られることになる。そして、先の場合と同様に、ユーザは、第二のガスボンベ3の炭酸ガスが無くなるまでの間に第一のガスボンベ2の交換を行う。そして、ユーザは、第一のガスボンベ2の交換を行ったら、第一の切替レバー11及び第二の切替レバー19を「b」の位置から「a」の位置へ手動で90°回転させ、炭酸ガスの供給ルートを切り替える。これにより炭酸ガスの供給ルートが図4に示すものとなり、第二のガスボンベ3からの炭酸ガスは第一の逆止弁16へは向かわず、チーズ15、パイプ24、エルボ23及び第二の切替バルブ20を介して第二の逆止弁18に導入され、バルブ17を介してホース25へ、さらにはレギュレータ26へ送られることになる。以後、使用中の第一のガスボンベ2及び第二のガスボンベ3のガス圧が所定圧力以下になる毎に上記したような手順を行うことでガスボンベの切り替えが自動的に行われる。しかも、第一のガスボンベ2と第二のガスボンベ3の先入れ先出しを行うことができ、一方側のガスボンベだけが先に無くなるということも回避することが可能となる。
【0033】
尚、上記第二の実施形態の構成では、ユーザが時々ボンベ切替装置1の点検に行かないとガスボンベの切り替わりをユーザは認知することができない。そこで、一方から他方へ切り換えられたことをセンサで検知し、警報音を発生させる、警告ランプを点灯させる等の警報装置を設ければ、1回の切り替え以後に生じるボンベの切替にも迅速に対応することが可能になる。
【0034】
[第2の実施形態の効果]
第2の実施形態に係るボンベ切替装置によれば、第一の切替バルブ10と第二の切替バルブ20、第一の切替レバー11と第二の切替レバー11、第一の逆止弁16と第二の逆止弁18を設け、第一の逆止弁16と第二の逆止弁18との動作圧力を相違させたことにより、1つのガスボンベ内のガスが少なくなると他方のガスボンベに自動的に切り替わるようにしたので、ガスボンベの交換作業を都合の良いときに行えばよいので繁忙時を避けてガスボンベの交換を行うことができ、客を待たせないようにすることができるという効果がある。
【0035】
以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。また、本発明に係る切り替え手段を備えたボンベ切替装置は、炭酸ガスの以外のガス、例えば、ヘリウムガス、アルゴンガス、酸素、窒素等の複数のボンベを有するボンベ切替装置の全般に採用可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 ボンベ切替装置
2 第一のガスボンベ
3 第二のガスボンベ
7 ガス供給管
10 第一の切替バルブ
20 第二の切替バルブ
11 第一の切替レバー
12 ホース
13 チーズ
14 ホース
15 チーズ
16 第一の逆止弁
17 バルブ
18 第二の逆止弁
19 第二の切替レバー
20 第二の切替バルブ
21 エルボ
22 パイプ
23 エルボ
24 パイプ
25 ホース
26 レギュレータ
261a 圧力調整バルブ
261b 圧力調整バルブ
262a 圧力計
262b 圧力計
263 圧力計
264a ガス出口
264b ガス出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ圧力でガスを供給する2つのガスボンベのうちの一方側の使用が終了した際に他方側のガスボンベに自動的に切り換えるボンベ切替装置において、
一端に第一のガスボンベが着脱可能に取り付けられると共に、他端には第二のガスボンベが着脱可能に取り付けられるガス供給管を備え、
前記ガス供給管には、前記第一のボンベから供給されるガスの通過を許容又は阻止する第一の逆止弁と、前記第二のボンベから供給されるガスの通過を許容又は阻止する第二の逆止弁とが配置されると共に、前記第二の逆止弁は前記第一の逆止弁よりも相対的に弱い圧力で動作してガスの通過を許容するようにされ、そして、
前記第一の逆止弁と前記第二の逆止弁との間には前記第一のガスボンベから供給されるガス及び前記第二のガスボンベから供給されるガスを流通させるための分岐部材が配置されている
ことを特徴とするボンベ切替装置。
【請求項2】
同じ圧力でガスを供給する2つのガスボンベのうちの一方側の使用が終了した際に他方側のガスボンベに自動的に切り換えるボンベ切替装置において、
第一のガスボンベから供給されるガスを第一の切替バルブ側及び第二の切替バルブ側にそれぞれ流通させるための第一のガス供給手段と、
第二のガスボンベから供給されるガスを前記第一の切替バルブ側及び前記第二の切替バルブ側にそれぞれ流通させるための第二のガス供給手段と、
前記第一の切替バルブと前記第二の切替バルブとを連通するガス供給管と、
を備え、
前記ガス供給管には、前記第一の切替バルブ側から供給されるガスの通過を許容又は阻止する第一の逆止弁と、前記第二の切替バルブ側から供給されるガスの通過を許容又は阻止する第二の逆止弁とが配置されると共に、前記第二の逆止弁は前記第一の逆止弁よりも相対的に弱い圧力で動作してガスの通過を許容するようにされ、
前記第一の切替バルブ及び前記第二の切替バルブは、前記第一のガスボンベから供給されるガス及び前記第二のガスボンベから供給されるガスをそれぞれ前記第一の逆止弁側又は前記第二の逆止弁側へ供給するように流通経路を切り替え可能に形成され、そして、
前記第一の逆止弁と前記第二の逆止弁との間には前記第一のガスボンベから供給されるガス及び前記第二のガスボンベから供給されるガスを流通させるための分岐部材が配置されている
ことを特徴とするボンベ切替装置。
【請求項3】
請求項2に記載のボンベ切替装置において、
前記第一の切替バルブには第一の切替レバーが設けられると共に、前記第二の切替バルブには第二の切替レバーが設けられ、前記第一の切替レバー及び前記第二の切替レバーを動作させることにより前記第一のガスボンベから供給されるガス及び第二のガスボンベから供給されるガスの流通経路を変更可能とされたこと特徴とするボンベ切替装置。
【請求項4】
請求項3に記載のボンベ切替装置において、
前記第一の切替レバーと前記第二の切替レバーとは連動して動作するようにされたことを特徴とするボンベ切替装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のボンベ切替装置において、
前記第二の逆止弁は、その動作圧が前記第一の逆止弁より相対的に0.3MPa低く設定されていることを特徴とするボンベ切替装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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