説明

ボールバルブ作動機構

【課題】カテーテルシステムのためのバルブアセンブリを提供すること。
【解決手段】カテーテルアセンブリと共に用いるためのバルブアセンブリであって、カテーテルアセンブリと流体係合するように適合されたバルブハウジングと、バルブハウジング内に少なくとも部分的に配置され、かつ、バルブ通路を画定するバルブ部材と、該バルブハウジングに搭載され、かつ、該バルブ部材に動作可能なように連結された作動機構と
を含む、バルブアセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本開示は、カテーテルシステムのためのバルブアセンブリに関する。より詳細には、本開示は、ボールバルブ(ball−valve)を回転させることにより、アセンブリ内の流体通路を開いたり閉じたりするための線形作動機構を含む、バルブアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の背景)
アクセスカテーテルは、単一の管腔、デュアル管腔、または、マルチ管腔であり得、透析および収尿を含む様々な処置のために用いられ得る。カテーテルの本体は、患者と動作可能なように係合するように設計されており、遠位端または外端は、各管腔に対する延長部を含む。これらの延長部を可撓性チューブから作成し、その結果、そのチューブが身体外部で操作されたり、外科用包帯を用いて任意の都合の良い位置に保持されたりすることを可能にすることは一般的である。チューブは、一般的に、自由端においてルアーロックコネクタを担持し、そのようなルアーロックコネクタは、流体ラインへの取り付けのためのものであり、そして、その後カテーテルが用いられないときに管腔を閉鎖および密封するためのものである。これらのコネクタは機能しなくなる傾向を有するので、クランプを延長部の各々の上に配置することにより、チューブを変形させたり、第2の閉鎖機構として機能させたりすることもまた一般的である。
【0003】
可撓性チューブおよびクランプは、いくつかの理由のために、アクセスカテーテルにおいて用いるには不十分である。最も深刻な問題は、クランプがピンチ動作を介してチューブを閉じるので、クランプが非常に長い時間にわたって所定の位置に置かれた場合、クランプが解放されたときに、チューブが復元しないことがあり得るということである。チューブにおいて生じる襞は、流れの問題を引き起こし、極端な場合では、カテーテルは、チューブがもはや開存しないことが理由で、除去されなければならない。この問題は、ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリウレタン(PU)から作成される熱可塑性のチューブ延長部を有するカテーテルにおいて最も一般的である。
【0004】
チューブをピンチ留めするために用いられるクランプが正確に整列されない限り、クランプは、小さな衝撃によってチューブを脱係合し得る。さらに、従来のクランプは、チューブに襞を形成するために必要な鋭いエッジを有する傾向がある。これらの鋭いエッジは、特にシリコンラバーのチューブが用いられるときに、チューブを切断および/または剪断する結果を招き得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、カテーテルまたはチューブに損傷を与えることなくカテーテルを通る流体を調整するための少なくとも1つの作動機構を含むアクセスカテーテルにおいて用いるためのバルブアセンブリに対する継続的な需要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
カテーテルアセンブリと共に用いるためのバルブアセンブリが提供される。バルブアセンブリは、カテーテルアセンブリと流体係合(fluid engagement)するように適合されたバルブハウジングであって、バルブハウジングは、長手軸を画定し、かつ、カテーテルアセンブリに対して流体が流れるようにする内部通路を有する、バルブハウジングと、バルブハウジング内に少なくとも部分的に配置され、かつ、バルブ通路を画定するバルブ部材であって、バルブ部材は、バルブハウジング内で、バルブハウジングの内部通路と略整列(generally aligned)することによりバルブハウジングを通って流体が流れることを可能にする開位置と、バルブハウジングの内部通路を実質的に閉塞する閉位置との間で動くように適合されている、バルブ部材と、バルブハウジングに搭載され、かつ、バルブ部材に動作可能なように連結された作動機構であって、作動機構は、略長手方向に選択的に動くことにより開位置と閉位置との間でのバルブ部材の対応する動きを引き起こす、作動機構とを含む。
【0007】
バルブ部材は、バルブハウジング内で回転可能なように動くことにより、バルブハウジングの開位置と閉位置との間で動くように適合され得る。バルブ部材のバルブ通路は、バルブ部材の閉位置にあるときに、バルブハウジングの内部通路に対して略不整列(generally misaligned)され得る。バルブ部材は、略球状を画定し得る。作動機構は、バルブハウジングに対して、バルブ部材の開位置に対応する第1の位置と、バルブ部材の閉位置に対応する第2の位置との間で動くことが可能であり得る。作動機構は、作動機構の第1の位置と第2の位置とのうちの少なくとも1つにあるときに、バルブハウジングに対して解放可能なようにロックされるように適合され得る。
【0008】
バルブハウジングは、カンチレバー部材をさらに含み得、カンチレバー部材は、作動機構と動作可能なように係合することにより、作動機構の第1の位置と第2の位置とのうちの1つに、作動機構を選択的に解放可能なように固定し得る。解放部材が作動機構に対して搭載され得、解放部材は、選択的に動くことにより、カンチレバー部材の対応する動きを引き起こし、かつ、カンチレバー部材と作動機構のロック部材との動作可能な係合を解放し、それにより、作動機構が動くことを可能にする。解放部材は、作動機構に対してカンチレバー部材の固定状態に対応する位置へと通常付勢され得る。ロック部材は、カンチレバー部材を係合し得、カンチレバー部材は、解放部材が動くと、作動機構に対して固定状態から非固定状態へと旋回し、それにより、作動機構が動くことを可能にするように適合されている。
【0009】
作動機構は、作動機構の第1位置と第2の位置との各々にあるときに、バルブハウジングに対して解放可能なようにロックされるように適合され得る。バルブアセンブリは、第1のカンチレバー部材と第2のカンチレバー部材とを含み得、第1のカンチレバー部材は、作動機構を作動機構の第1の位置に解放可能なように固定するように適合され得、第2のカンチレバー部材は、作動機構を作動機構の第2の位置に解放可能なように固定するように適合され得る。第1のカンチレバー部材と第2のカンチレバー部材との各々は、解放部材が動くと、作動機構に対して非固定状態に旋回するように適合され得る。解放部材は、カンチレバー部材の固定状態に対応する解放部材の非作動位置へと通常付勢され得る。バルブハウジングは、カテーテルアセンブリに連結するように適合されたカップリングを含み得る。
【0010】
カテーテルアセンブリと共に用いるためのバルブアセンブリの別の実施形態もまた提供される。バルブアセンブリは、カテーテルアセンブリと流体係合するように適合されたバルブハウジングであって、バルブハウジングは、長手軸を画定し、かつ、カテーテルアセンブリに対して流体が流れるようにするための内部通路を有する、バルブハウジングと、バルブハウジング内に少なくとも部分的に配置され、かつ、バルブ通路を画定するバルブ部材であって、バルブ部材は、バルブハウジング内で、バルブハウジングの内部通路と略整列することによりバルブハウジングを通って流体が流れることを可能にする開位置と、バルブハウジングの内部通路を実質的に閉塞する閉位置との間で動くように適合されている、バルブ部材と、バルブハウジングに搭載され、かつ、バルブ部材に動作可能なように連結された作動機構であって、作動機構は、バルブ部材の開位置に対応する第1の位置とバルブ部材の閉位置に対応する第2の位置との間で選択的に動くことが可能であり、作動機構は、作動機構の第1の位置と第2の位置との少なくとも1つにあるときに、バルブハウジングに対して解放可能なようにロックされるように適合されている。
【0011】
作動機構は、作動機構の第1の位置と第2の位置との各々に解放可能なようにロックされるように適合され得る。バルブハウジングは、第1のカンチレバー部材と第2のカンチレバー部材とを含み得、第1のカンチレバー部材は、作動機構を作動機構の第1の位置に解放可能なように固定するように適合され得、第2のカンチレバー部材は、作動機構を作動機構の第2の位置に解放可能なように固定するように適合されている。
【0012】
解放部材は、作動機構に対して搭載され、かつ、選択的に動くことにより、第1のカンチレバー部材と第2のカンチレバー部材とのうちの1つの対応する動きを引き起こし、第1のカンチレバー部材と第2のカンチレバー部材とのうちの1つと作動機構との解放を引き起こし、それにより、作動機構が動くことを可能にし得る。第1のカンチレバー部材と第2のカンチレバー部材とは、解放部材が動くと、作動機構に対して固定状態から非固定状態へと旋回し、それにより、作動機構が動くことを可能にし、各カンチレバー部材が、固定状態へと通常付勢されることを可能にするように適合されている。
【0013】
本明細書の一部に組み込まれ、そして本明細書の一部を構築する添付の図面は、上記の本開示の一般的な説明とともに、さらに以下で与えられる実施形態の詳細な説明とともに、本開示の原理を説明するために役立つ。
【0014】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
(項目1)
カテーテルアセンブリと共に用いるためのバルブアセンブリであって、
カテーテルアセンブリと流体係合するように適合されたバルブハウジングであって、該バルブハウジングは、長手軸を画定し、かつ、該カテーテルアセンブリに対して流体が流れるようにする内部通路を有する、バルブハウジングと、
バルブハウジング内に少なくとも部分的に配置され、かつ、バルブ通路を画定するバルブ部材であって、該バルブ部材は、該バルブハウジング内で、該バルブハウジングの該内部通路と略整列することにより該バルブハウジングを通って流体が流れることを可能にする開位置と、該バルブハウジングの該内部通路を実質的に閉塞する閉位置との間で動くように適合されている、バルブ部材と、
該バルブハウジングに搭載され、かつ、該バルブ部材に動作可能なように連結された作動機構であって、該作動機構は、略長手方向に選択的に動くことにより該開位置と該閉位置との間での該バルブ部材の対応する動きを引き起こす、作動機構と
を含む、バルブアセンブリ。
(項目2)
上記バルブ部材は、上記バルブハウジング内で回転可能なように動くことにより、該バルブハウジングの上記開位置と上記閉位置との間で動くように適合されている、上記項目に記載のバルブアセンブリ。
(項目3)
上記バルブ部材の上記バルブ通路は、該バルブ部材の上記閉位置にあるときに、上記バルブハウジングの上記内部通路に対して略不整列される、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目4)
上記バルブ部材は、略球状を画定する、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目5)
上記作動機構は、上記バルブハウジングに対して、上記バルブ部材の上記開位置に対応する第1の位置と、該バルブ部材の上記閉位置に対応する第2の位置との間で動くことが可能である、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目6)
上記作動機構は、該作動機構の上記第1の位置と上記第2の位置とのうちの少なくとも1つにあるときに、上記バルブハウジングに対して解放可能なようにロックされるように適合されている、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目7)
上記バルブハウジングは、カンチレバー部材を含み、該カンチレバー部材は、上記作動機構と動作可能なように係合することにより、該作動機構の上記第1の位置と上記第2の位置とのうちの1つに、該作動機構を選択的に解放可能なように固定する、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目8)
上記作動機構に対して搭載された解放部材であって、選択的に動くことにより、上記カンチレバー部材の対応する動きを引き起こし、かつ、該カンチレバー部材と該作動機構との動作可能な係合を解放し、それにより、該作動機構が動くことを可能にする解放部材
を含む、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目9)
上記カンチレバー部材は、上記作動機構に対して該カンチレバー部材の固定状態に対応する位置へと通常付勢される、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目10)
上記カンチレバー部材は、上記解放部材が動くと、上記作動機構に対して上記固定状態から非固定状態へと旋回し、それにより、該作動機構が動くことを可能にするように適合されている、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目11)
上記作動機構は、該作動機構の上記第1位置と上記第2の位置との各々にあるときに、上記バルブハウジングに対して解放可能なようにロックされるように適合されている、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目12)
第1のカンチレバー部材と第2のカンチレバー部材とを含み、
該第1のカンチレバー部材は、上記作動機構を該作動機構の上記第1の位置に解放可能なように固定するように適合されており、
該第2のカンチレバー部材は、該作動機構を該作動機構の上記第2の位置に解放可能なように固定するように適合されている、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目13)
上記第1のカンチレバー部材と上記第2のカンチレバー部材との各々は、上記解放部材が動くと、上記作動機構に対して非固定状態に旋回するように適合されている、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目14)
上記解放部材は、上記カンチレバー部材の上記固定状態に対応する該解放部材の非作動位置に通常付勢される、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
(項目15)
上記バルブハウジングは、上記カテーテルアセンブリに対する連結に適合されたカップリングを含む、上記項目のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
【0015】
(摘要)
カテーテルアセンブリと共に用いるためのバルブアセンブリが提供される。バルブアセンブリは、カテーテルアセンブリと流体係合するように適合されたバルブハウジングであって、バルブハウジングは、長手軸を画定し、かつ、カテーテルアセンブリに対して流体が流れるようにするための内部通路を有する、バルブハウジングと、バルブハウジング内に少なくとも部分的に配置され、かつ、バルブ通路を画定するバルブ部材であって、バルブ部材は、バルブハウジング内で、バルブハウジングの内部通路と略整列することによりバルブハウジングを通って流体が流れることを可能にする開位置と、バルブハウジングの内部通路を実質的に閉塞する閉位置との間で動くように適合されている、バルブ部材と、バルブハウジングに搭載され、かつ、バルブ部材に動作可能なように連結された作動機構であって、作動機構は、略長手方向に選択的に動くことにより開位置と閉位置との間でのバルブ部材の対応する動きを引き起こす、作動機構とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本開示に従う、バルブアセンブリの実施形態を含むカテーテルアセンブリの斜視図である。
【図2A】図2Aは、第1状態または開状態における、図1のカテーテルアセンブリのバルブアセンブリの部分断面側面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aのバルブアセンブリの上面図である。
【図3】図3は、解放部材が押された状態の図2Aおよび2Bのバルブアセンブリの部分断面側面図である。
【図4A】図4Aは、第2状態または閉状態における図2A−3のバルブアセンブリの部分断面側面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aのバルブアセンブリの上面図である。
【図5】図5は、第1状態または開状態における、本開示に従うバルブアセンブリの代替の実施形態の部分断面側面図である。
【図6】図6は、解放部材が押された状態の図5のバルブアセンブリの部分断面側面図である。
【図7】図7は、中間状態における図5および6のバルブアセンブリの部分断面側面図である。
【図8】図8は、第2状態または閉状態における図5−7のバルブアセンブリの部分断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(詳細な説明)
まず、図1を参照すると、本開示の一実施形態に従うバルブアセンブリを含むカテーテルアセンブリが、概してカテーテルアセンブリ5として示される。概略すると、カテーテルアセンブリ5は、第1の端部にデュアル管腔シャフト6と、反対の端部に一対の管状延長部10、12とを含む。管状延長部10、12は、シャフト6に流体連結され、それぞれコネクタ11、13を含み、バルブアセンブリ100、100aを含む。本開示の実施形態は、カテーテルアセンブリ5に関連するように説明されるが、本開示のバルブアセンブリは、カテーテルアセンブリ5と共に使用されることに限定されるように読み取られるべきではない。本開示の実施形態は、さまざまな流体システムとの使用のために修正され得ることが想定され、該流体システムは透析、収尿(urine collection)、外部摂食および呼吸支援を含むがこれらに限定はされない。
【0018】
さらに図1を参照すると、バルブアセンブリ100、100aは、互いに実質的に同一であり、バルブアセンブリ100を参照して説明される。ここで、図2Aおよび2Bを参照すると、バルブアセンブリ100は、バルブハウジング110と、バルブハウジング110に回転可能に受容されるバルブ部材120と、バルブハウジング110にスライド可能に据え付けられ、かつバルブ部材120と動作可能に係合される作動機構130とを含む。
【0019】
図2Aおよび2Bをさらに参照すると、バルブハウジング110は、第1および第2のハウジング半部材112a、112bを含む。ハウジング半部材112a、112bは、図2Bに示されるように鏡像の第1および第2の側112a、112bとして形成され得るか、またはハウジング110は、上部区画および下部区画212a、212bに分割され得る(図5)。ハウジング半部材112a、112bは、任意の従来の方法を用いて互いに取り付けられ、該従来の方法は、接着剤、グルー(glue)、化学結合、超音波溶接、スナップ嵌め接続および機械的ファスナを含む。ハウジング110は、長手軸「X」を画定し、近位端部110aと、遠位端部110bと、それらの間の内部通路113とを含む。一実施形態において、近位端部および遠位端部110a、110bは、接続継ぎ手111a、111bを含む。代替の実施形態において、近位端部および/または遠位端部110a、110bは、カテーテルアセンブリ5内に一体化して形成され得る(図1)。
【0020】
図2Aおよび2Bをさらに参照すると、球状のカットアウト部分115は、バルブハウジング110の内部通路113に沿って形成される。カットアウト部分115は、バルブ部材120を受容するようにサイズおよび寸法が決められる。以下でさらに詳細に議論するように、バルブ部材120は、ボールバルブ122の形態で、実質的に球状の部材を画定する。カットアウト部分115は、ボールバルブ122から延びるステム124の受容のために構成された開放性の上部端部115aを含む。同様に以下にさらに詳細に議論されるように、カットアウト部分115の開放性の上部端部115aの長さは、開位置(図2A)から閉位置(図4A)までボールバルブ122が移動しなければならない角度に依存する。回転の程度が小さくなればなるほど、開放性の上部端部115aがより小さくなり得る。逆もまた正しく、ボールバルブ122を開閉するために必要とされる回転の程度が大きくなればなるほど、開放性の端部115aは大きくならなければならない。
【0021】
バルブハウジング110の上部表面110cは、作動機構130をスライド可能に受容するように構成されている。上部表面110cは、窪み部分117を画定する。窪み部分117は、作動機構130のロック部材132を動作可能に係合するために、窪み部分117の長さに沿って延びる向かい合うレールまたは溝117aを含む。溝117aは、ロック部材132上に形成されたタブ133を受容するように構成されている。溝117aは、窪み部分117の長さを延長し、ロック部材132が第1のロック位置(図2A)から第2のロック位置(図4A)まで、窪み部分117の長さを横断し得るように構成される。窪み部分117は、向かい合うカンチレバー部材118、119をさらに含む。カンチレバー部材118、119は、ハウジング半部材112a、112bのうちの一方または両方に形成され得、窪み部分117の幅を延長し得る。カンチレバー部材118、119は、ハウジング110にしっかりと取り付けられた内側第1端部118a、119aをそれぞれ含み、外側第2端部118b、119bをそれぞれ含み、これらの端部はハウジング110に沿って、間隔を空けて延びている。外側第2端部118b、119bはハウジング110に対して曲げられている。この態様において、外側第2端部118b、119bは、ロック部材132の第1の区画134上に形成された係合表面134bを選択的に係合するように構成されている。
【0022】
上記のように図2Aを概略的に参照すると、バルブ部材120はボールバルブ122を含み、ボールバルブ122はそこから延びるステム124を有する。ボールバルブ122は、バルブハウジング110のカットアウト115内に受容されるようにサイズおよび寸法が決定される。ボールバルブ122がカットアウト115内に受容されるとき、ステム124が、開放性の上部端部115aを通って延び、ロック部材132の第2の区画136内に形成された窪み136aに係合する。ボールバルブ122は、バルブアセンブリ100が第1位置または開位置(図2A)にあるとき、バルブハウジング110の内部通路113と整列して、バルブアセンブリ100を通る流体の流れ(図示せず)を可能にするように構成された経路123を画定する。カットアウト115の上部開放性端部115a内での矢印「A」の方向へのステム124の前進は、ボールバルブ122の回転を引き起こし、結果として経路123および内部通路113を整列していない状態にする。上記したように、カットアウト115の開放性の上部端部115aは、経路123および内部通路113が完全に整列している第1の位置(図2A)から、経路123および内部通路113が完全に整列していない第2の位置(図4A)までのボールバルブ122の回転を引き起こすように、ステム124の前進を可能にするために十分な長さである。
【0023】
ボールバルブ122の直径および経路123は、経路123および内部通路113の完全に整列していない状態を確実にするために、ステム124が移動しなければならない直線距離を決定する。例えば、ボールバルブ122が直径10ミリメートル(10mm)であり、経路123が直径5ミリメートル(5mm)である場合には、ステム124は、ボールバルブ122を第1の位置から第2の位置まで回転させるために、5.8ミリメートル(5.8mm)移動するか、または60度(60°)の回転を介することが必要である。ボールバルブ122の直径を約7ミリメートル(約7mm)に低減して、一方で経路123を5ミリメートル(5mm)に維持すると、7ミリメートル(7mm)のステム124の最小直線移動距離が必要とされるか、または90度(90°)の回転を介することが必要とされる。
【0024】
図2Aおよび2Bを参照すると、作動機構130は、ロック部材132と、解放部材138と、付勢部材140とを含む。作動機構130は、少なくとも第1位置または開位置(図2A)から少なくとも第2位置または閉位置(図4B)まで、バルブハウジング110に対して選択的に配置されるように構成されている。一実施形態において、作動機構130は、臨床医の親指(図示せず)による係合のために構成されている。
【0025】
ロック部材132は、第1および第2の区画134、136を含み、解放部材138の受容のためにこれらの区画の間に開口部135を画定する。第1および第2の区画134、136は、一体化して形成され得るか、またはその代わりに任意の従来の方法を用いて互いにしっかりと取り付けられ得、該任意の従来の方法は、接着剤、グルー、化学結合、超音波溶接、スナップ嵌め接続および機械的ファスナを含む。好適には、第1および第2の区画134、136は、解放部材138がそれらの間で受容されるまで接続されない。第1の区画134は、臨床医による動作可能な係合に対して構成されている窪み部分134aを画定する。第1の区画134は、作動機構130がそれぞれの第1の位置(図2A)および第2の位置(図4A)にあるとき、カンチレバー部材118、119の外側第2端部118b、119bに係合するように構成された係合表面134bをさらに含む。複数の向かい合うタブ133(図2B)は、第1の区画134から外側に延び、バルブハウジング110の窪み部分117に形成された溝117a内で受容されるように構成されている。タブ133は、作動機構130が窪み部分117内でスライド可能に受容されることを可能にする。代替の実施形態において、タブ133は、第1の区画134の全長に沿って形成され得る。第2の区画136は、また溝117a内でスライド可能に受容されるように構成されているタブ(図示せず)を含み得ることが想定される。この態様において、第1および第2の区画134、136は、一体化して形成されることなしに、または従来の固定方法の使用によって、互いに対して維持される。第2の区画136は、バルブハウジング110のカットアウト115の開放性端部115aを通って延びるボールバルブ122のステム124の端部を受容するように構成されている窪み136aを含む。
【0026】
図2Aおよび2Bをさらに参照すると、解放部材138は、実質的に「C」形状の部材を画定し、該解放部材138は、臨床医によって押されるように構成されている係合表面138aと、作動機構130がそれぞれの第1および第2の位置あるときに、バルブハウジング110上に形成されるカンチレバー部材118、119のそれぞれの外側第2端部118b、119bを係合するように構成されている反対側の接触表面138bとを含む。解放部材138は、付勢部材140を受容するように構成されている窪み139をさらに含む。付勢部材140は、第2区画136と解放部材138の間に延び、解放部材138を第2区画136から離れるように付勢する。付勢部材140は、示されるようなバネの形態であり得るか、または代わりにカンチレバー、圧力シリンダもしくは他の付勢要素を含み得る。
【0027】
バルブアセンブリ100の動作が、ここで図2A−4Bを参照して説明される。まず図2Aおよび2Bを参照すると、第1状態または開状態においてバルブアセンブリ100が示される。この開状態において、ボールバルブ122の経路123は、バルブハウジング110の内部通路113と完全に整列する。バルブアセンブリ100が開状態にあるとき、第1の区画134の係合表面134bは、カンチレバー118の外側第2端部118bを係合することにより、作動機構130を第1の位置にロックされたままにする。
【0028】
図3を参照すると、矢印「B」の方向への、解放部材138の係合表面138aへの臨床医による下向きの圧力は、付勢部材140の圧縮、およびロック部材132の第2の区画136への解放部材138の接近を引き起こす。解放部材138の下向きの動きは、解放部材138の接触表面138bのカンチレバー118の外側第2端部118bとの係合を引き起こす。解放部材138のカンチレバー部材118との係合の継続は、カンチレバー部材118の外側第2端部118bを、第1の区画134の係合表面134bから離れるように曲げ、その係合を解除する。カンチレバー部材118の外側第2端部118aによる係合表面134bの係合解除は、作動機構130のロックを解除し、作動機構130の直線状の動きを可能にする。矢印「C」の方向への作動機構130の前進は、ボールバルブ122の回転を引き起こすことにより、ボールバルブ122の経路123とバルブハウジング110の内部通路113との整列していない状態をもたらす。臨床医が解放部材138を解放するとき、付勢部材140は、第2の区画136から間隔の空いた本来の位置に戻るように解放部材138を付勢する。
【0029】
図4Aおよび4Bを参照すると、作動機構130の継続する前進は、ボールバルブ122のステム124の直線状の動きを引き起こし、この直線状の動きが、ボールバルブ122の経路123およびバルブハウジング110の内部通路113が完全に整列せず、内部通路113が全体的にボールバルブ122によって閉塞されるまで、ボールバルブ122の継続した回転をもたらす。この閉位置または第2位置において、ロック部材132の第1の区画134の向かい合う係合表面134bは、カンチレバー119の外側第2端部119bを係合する。この態様において、作動機構130は、第2位置または閉位置において、ハウジング110の窪み部分117内にロックされる。バルブアセンブリ100は、解放部材138を押すことと、反対の方向に作動機構130を前進させることとによって再開放され得る。
【0030】
ここで図5−8を参照すると、本開示に従うバルブアセンブリの実施形態は、概してバルブアセンブリ200として示される。バルブアセンブリ200はバルブアセンブリ100と実質的に類似の形態および機能であり、それらの差異に関してのみ説明される。類似の参照数字は、類似の構造を描く。バルブアセンブリ200は、ハウジング上部212aおよびハウジング下部212bとして形成されるハウジング210を含む。バルブアセンブリ200は、解放部材238を有する作動機構230をさらに含む。作動機構230は、ロック部材232の解放部材238と第2の区画236との間に付勢部材を含まない。この態様において、解放部材230は、解放部材238の接触表面238bがカンチレバー部材218、219の外側第2端部218b、219bと係合していないとき、ロック部材232の第1の区画234と第2の区画236との間でゆるく保持される(図7)。しかしながら、作動機構230が、第1の開位置(図5)または第2の閉位置(図7)のいずれかにあるとき、カンチレバー部材218、219のそれぞれの外側第2端部218b、219bは、解放部材238の接触表面238bを係合して、第2の区画236から離れるように解放部材238を付勢する。この態様において、解放部材238は、作動機構230が第1位置または第2位置にロックされているか、あるいは代わりに中間位置にあるかの視覚的な指示を臨床医に提供する。
【0031】
本開示の例示的な実施形態が添付の図面を参照して本明細書に説明されてきたが、本開示がそれらの正確な実施形態に限定されないことと、さまざまな他の変更または修正が、本開示の範囲または精神から逸脱することなしに、当業者によって、実施形態において実行され得ることとが理解されるべきである。例えば、作動機構130が電気的モータまたはスライドによる自動作動に対して構成され得ることが想定される。この態様において、作動機構130は、手動で解放部材138を押すことと、手動で作動機構130を前進させることとを行う必要なしに、臨床医によって自動的に作動され得る。さらに、作動機構130は、遠隔作動に対して構成され得る。
【符号の説明】
【0032】
5 カテーテルアセンブリ
6 シャフト
10、12 管状延長部
11、13 コネクタ
100、100a バルブアセンブリ
110 バルブハウジング
120 バルブ部材
130 作動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルアセンブリと共に用いるためのバルブアセンブリであって、
カテーテルアセンブリと流体係合するように適合されたバルブハウジングであって、該バルブハウジングは、長手軸を画定し、かつ、該カテーテルアセンブリに対して流体が流れるようにする内部通路を有する、バルブハウジングと、
バルブハウジング内に少なくとも部分的に配置され、かつ、バルブ通路を画定するバルブ部材であって、該バルブ部材は、該バルブハウジング内で、該バルブハウジングの該内部通路と略整列することにより該バルブハウジングを通って流体が流れることを可能にする開位置と、該バルブハウジングの該内部通路を実質的に閉塞する閉位置との間で動くように適合されている、バルブ部材と、
該バルブハウジングに搭載され、かつ、該バルブ部材に動作可能なように連結された作動機構であって、該作動機構は、略長手方向に選択的に動くことにより該開位置と該閉位置との間での該バルブ部材の対応する動きを引き起こす、作動機構と
を含む、バルブアセンブリ。
【請求項2】
前記バルブ部材は、前記バルブハウジング内で回転可能なように動くことにより、該バルブハウジングの前記開位置と前記閉位置との間で動くように適合されている、請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項3】
前記バルブ部材の前記バルブ通路は、該バルブ部材の前記閉位置にあるときに、前記バルブハウジングの前記内部通路に対して略不整列される、請求項1または2に記載のバルブアセンブリ。
【請求項4】
前記バルブ部材は、略球状を画定する、請求項1、2または3に記載のバルブアセンブリ。
【請求項5】
前記作動機構は、前記バルブハウジングに対して、前記バルブ部材の前記開位置に対応する第1の位置と、該バルブ部材の前記閉位置に対応する第2の位置との間で動くことが可能である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
【請求項6】
前記作動機構は、該作動機構の前記第1の位置と前記第2の位置とのうちの少なくとも1つにあるときに、前記バルブハウジングに対して解放可能なようにロックされるように適合されている、請求項5に記載のバルブアセンブリ。
【請求項7】
前記バルブハウジングは、カンチレバー部材を含み、該カンチレバー部材は、前記作動機構と動作可能なように係合することにより、該作動機構の前記第1の位置と前記第2の位置とのうちの1つに、該作動機構を選択的に解放可能なように固定する、請求項5または6に記載のバルブアセンブリ。
【請求項8】
前記作動機構に対して搭載された解放部材であって、選択的に動くことにより、前記カンチレバー部材の対応する動きを引き起こし、かつ、該カンチレバー部材と該作動機構との動作可能な係合を解放し、それにより、該作動機構が動くことを可能にする解放部材
を含む、請求項7に記載のバルブアセンブリ。
【請求項9】
前記カンチレバー部材は、前記作動機構に対して該カンチレバー部材の固定状態に対応する位置へと通常付勢される、請求項7または8に記載のバルブアセンブリ。
【請求項10】
前記カンチレバー部材は、前記解放部材が動くと、前記作動機構に対して前記固定状態から非固定状態へと旋回し、それにより、該作動機構が動くことを可能にするように適合されている、請求項8または9に記載のバルブアセンブリ。
【請求項11】
前記作動機構は、該作動機構の前記第1位置と前記第2の位置との各々にあるときに、前記バルブハウジングに対して解放可能なようにロックされるように適合されている、請求項5〜10のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
【請求項12】
第1のカンチレバー部材と第2のカンチレバー部材とを含み、
該第1のカンチレバー部材は、前記作動機構を該作動機構の前記第1の位置に解放可能なように固定するように適合されており、
該第2のカンチレバー部材は、該作動機構を該作動機構の前記第2の位置に解放可能なように固定するように適合されている、請求項5〜11のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
【請求項13】
前記第1のカンチレバー部材と前記第2のカンチレバー部材との各々は、前記解放部材が動くと、前記作動機構に対して非固定状態に旋回するように適合されている、請求項12に記載のバルブアセンブリ。
【請求項14】
前記解放部材は、前記カンチレバー部材の前記固定状態に対応する該解放部材の非作動位置に通常付勢される、請求項8〜13のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。
【請求項15】
前記バルブハウジングは、前記カテーテルアセンブリに対する連結に適合されたカップリングを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載のバルブアセンブリ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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