説明

ポインティングデバイス

【課題】良好な操作性を保ちつつ高い携帯性を実現するポインティングデバイスを提供する。
【解決手段】ポインティングデバイス300であって、長方形形状を有する底面と、底面と同一形状を有し、底面に対して平行に対向する上面と、底面及び上面に対して垂直な複数の長方形形状の側面で構成される二対の側面対と、を有する。上面には、決定の入力を行う入力ボタン302とメニュー画面を開く入力ボタン301の2つの入力ボタンが長手方向に配置され、2つの入力ボタンの片方である第1入力ボタン302が上面の長手方向の中央でかつ短手方向の中央の位置を含む領域に配置され、2つの入力ボタンの他方である第2入力ボタン301が上面に配置される第1入力ボタン302と上面の長手方向の端との間でかつ短手方向の中央の位置を含む領域に配置される。側面に、内部蓄電池の充電に用いられる充電用端子が配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータにおけるGUI(Graphical User Interface)であるカーソルの操作を行うポインティングデバイスおよび前記ポインティングデバイスを収納できるスペースを設けたコンピュータに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの画面上のカーソルを移動させる装置であるポインティングデバイスとしてマウスがある。図29に一般的なマウスの形状を示す。ユーザは、上面後方を手のひらで覆うようにして支え、側面から親指、薬指、小指の3本の指を用いて筐体を把持する。上面前方には2つの入力ボタンを配し、人差し指と中指でそれぞれ2つのボタンをクリックすることにより入力を行う。また、背面にはマウスの移動距離及び移動方向を検出するための球体若しくはイメージセンサが取り付けられており、検出した移動距離及び移動方向をカーソルの移動に反映させる。
【0003】
一方、一般的なモバイル用コンピュータには、持ち運びの便利さを考慮してタッチパッドやトラックボールがポインティングデバイスとしてコンピュータ本体に設置されている。タッチパッドは、ユーザが触れることにより生じる静電容量や抵抗値の変化を利用してカーソルの移動を行う。トラックボールは、ボールの回転をイメージセンサで検出し、カーソルの移動を行う。タッチパネルまたはトラックボールの周辺にはマウスの2つの入力ボタンに対応する実行ボタンと補助ボタンが備え付けられている。
【0004】
しかしながら、タッチパッドやトラックボールは、操作性でマウスに劣ることが多い。ユーザの中には、タッチパッドやトラックボールがコンピュータ本体に備え付けられていても、マウスを別途接続して使用するユーザも存在する。このようなニーズに対応するため、マウスの小型化や薄型化を行うことで携帯性を向上させている。
【0005】
一般的にマウスを小型化すると、親指、薬指、小指の3点で把持することになり、手のひらを加えた4点で把持する持ち方に比べて操作の安定性が下がる。このような小型化の欠点を補う従来のマウスとして特許文献1に記載されているマウスがある。このマウスによれば中央に板状の突起を配し、人差し指と中指でこの突起を挟持することで安定して操作することができる。
【0006】
また、薄型化に伴う操作性の低下を補う従来のマウスとして特許文献2に記載されているマウスがある。このマウスによれば設置した回動可能なパネル部を有し、一定の角度で固定できるようにすることにより通常のマウスと同様な把持が可能となり一定の操作性を保つことができる。また、薄型化に伴ってコンピュータに備え付けられたPCMCIAカードスロット(PCMCIAはPersonal Computer Memory Card International Associationの登録商標。以下省略)に収納可能とすることで携帯性を向上させることが可能となる。
【0007】
その他、スクロールホイルの突起を小さくするために、特許文献3や特許文献4に記載されているマウスのように、タッチパネルのような平面入力手段を上面若しくは側面に設置し、スクロール入力部の小型化を図っている。
【特許文献1】特開2003−131806号公報
【特許文献2】特開2001−34405号公報
【特許文献3】特開2000−311057号公報
【特許文献4】特開平11−345082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願発明は、良好な操作性を保ちつつ高い携帯性を実現するポインティングデバイスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の一態様であるポインティングデバイスは、6mm〜20mmの高さを有するポインティングデバイスであって、長手方向の長さを40mm〜100mmとする長方形の形状を有する底面と、前記底面と同一の形状を有し、前記底面に対して平行に対向する上面と、前記底面及び前記上面に対して垂直な複数の長方形形状の側面で構成される二対の側面対と、を有する。前記上面には、決定の入力を行う入力ボタンとメニュー画面を開く入力ボタンの2つの入力ボタンが長手方向に配置され、前記2つの入力ボタンの片方である第1入力ボタンが前記上面の長手方向の中央でかつ短手方向の中央の位置を含む領域に配置され、前記2つの入力ボタンの他方である第2入力ボタンが前記上面に配置される前記第1入力ボタンと前記上面の長手方向の端との間でかつ短手方向の中央の位置を含む領域に配置される。内部には、前記2つの入力ボタンより送られる信号を無線送信する無線送信部と、前記無線送信部に電力を供給する蓄電池と、が少なくとも備えられる。前記側面には、前記蓄電池の充電に用いられる充電用端子が配置される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば携帯性を向上し、高い操作性を有するポインティングデバイスを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの概観図である。デバイス100は、上面110、底面120及び、それぞれ対向する2対の側面130、140と150、160で構成される。ユーザは、左側面150と右側面160を把持面として、親指と薬指若しくは親指と小指で両側から挟みこむようにして筐体を把持する。一方、コンピュータ本体には、デバイス100を収納可能なスペースが設けられており、デバイス不使用時は、コンピュータに収納することにより携帯性を高めることができる。
【0013】
図2、図3、図4、図5、図6はそれぞれデバイス100の上面図、底面図、正面図、背面図及び分解斜視図を示している。
【0014】
デバイス上面には入力ボタン101、102が備え付けられている。入力ボタンの下部には回路基板に実装されたマイクロスイッチ177、178が配置されており、入力ボタンをクリックすることで、マイクロスイッチを通じて信号が入力される。
【0015】
デバイス底面には、中央付近に開口部121が設けられており、開口部上方にはレンズ122および接触面を照らす発光素子123が備え付けられている。レンズ122の上方にはイメージセンサ173が備え付けられ、接触面の状態を光学的に読み取る。光学処理部174は、イメージセンサ173で得られたイメージデータを数千分の一の間隔で相関を取ることで比較を行い、デバイスの移動方向と移動距離を算出する。ここで、両側から2点で把持すると、中央を軸としてデバイス全体の回転が起こりやすいため、回転による読み取り誤差を最小限に留めるためにイメージセンサ173は底面における2本の対角線の交点上方に備え付けられている。
【0016】
デバイス正面には、凹部131が設けられ、収納時にコンピュータ本体の収納部に備え付けられた凸部と嵌合させることで、デバイスをコンピュータ本体に固定することができる。
【0017】
デバイス背面には、コンピュータと通信するためのアンテナ141が埋め込まれた状態で備え付けられている。光学処理部174で求められた移動方向と移動距離に関するデータ及び、マイクロスイッチ177、178を通じて入力された信号は、送信部175で、変調、D/A変換、アップコンバート等の処理が施され、アンテナ141を通じてコンピュータに送信される。デバイスとコンピュータ間の通信方式としては、赤外線通信や、Bluetooth(登録商標)を用いた通信などが考えられる。なお通信方式はこれに限るものではなく、デバイスで読み取った移動量及び移動方向を通信するのに最低限必要となる数十キロビット/秒以上の通信速度を持つ方式であればどのような方式でも良い。ここで、数100キロビット/秒〜数十メガビット/秒程度の通信速度があると、精度と安定性の観点から望ましい。また、デバイスの使用状態と使用電力低減の観点から、数m以内を通信距離とする通信方式が望ましい。
【0018】
また、デバイス背面には、グラウンド端子142と充電用端子143が備え付けられている。収納時にコンピュータ本体の収納部に備え付けられたグラウンド端子及び電力供給用端子と接触することでデバイスに内蔵されている蓄電池171、172への充電が行われる。ここで、グラウンド端子は安定した接地ができるよう他の端子と比べて総面積が大きく取られている。また、収納時に、グラウンド端子が他の端子と比べて最初にコンピュータ側のグラウンド端子と接触して接地できるように、収納部への挿入方向に最も近い場所に備え付けられている。
【0019】
デバイス内部には、送信部175、光学処理部174、発光素子123の動作制御を行う制御部176が設けられており、制御部176は、デバイスがコンピュータに収納されている時は、各部の機能を停止する制御も行う。
【0020】
蓄電池171、172は、各部へ電力を供給する。ここで蓄電池は2つである必要はないが、デバイスの総重量に占める蓄電池の重量割合は大きいため、デバイスの長手方向を半分に分断する断面に対して対称的に配置されていることが望ましい。また、デバイス全体の重心を通る垂直方向の軸がイメージセンサ173を通るようにデバイスの各部位の配置を設計しておくと、重心を軸とした回転によって生じる読み取り誤差を最小限に留めることができる。
【0021】
次に、上述のポインティングデバイスを収納するコンピュータについて説明する。図7は、コンピュータ200の概観図である。コンピュータは、画像表示部204を備える蓋体201と本体202が回動部203を介して開閉可能な状態で繋がれており、携帯可能なノートパソコンである。本体上面には文字を入力する複数のキー203、ポインティングデバイスであるタッチパッド、マウスの右クリック、左クリックに対応する入力ボタン205、206が設置されている。
【0022】
コンピュータ不使用時は、折り畳み、蓋体に設けられた鉤状の係止部材209を、本体に設けられた係止受部210内の爪に引っ掛けて固定する。使用時は、解除ボタン11を押し込むことで固定を解除し、蓋体を開ける。
【0023】
本体は、本体正面に開口部を有する収納部212を有しており、ポインティングデバイス100を開口部から挿入することで収納できるようになっている。収納部212の側面にはバネ止めされ、デバイスの挿入方向と直角方向に移動可能な凸部を有し、収納時はポインティングデバイス側面に設けられた凹部と嵌合されることでポインティングデバイスが収納部に固定される。使用時は、図示せぬイジェクトボタンを押し込むことで、ロック位置にある凸部が、バネの付勢力に抗してロック解除位置に戻ることで嵌合が解除され、ポインティングデバイスを排出する。このようなロック機構を設けることでポインティングデバイスの着脱が可能となる。
【0024】
ここで、図7のように画面表示部が備え付けられた蓋体と、ポインティングデバイスを収納する収納部が備え付けられた本体とが、ヒンジによって開閉可能なモバイルコンピュータにおいて、蓋体が閉じられている時は、収納部からポインティングデバイスを排出できない構成を備えておくとなおよい。具体的には、例えば蓋体を閉じた時に、蓋体に取り付けられた係止部材が本体の係止受部と係合することにより蓋体と本体を一体に固定すると共に、係止部材の一部がイジェクトボタンの通路をふさいだり、係止部材の一部とイジェクトボタンの一部とが係合されたりすることでイジェクトボタンの移動を妨げるよう構成されてもよい。イジェクトボタンが誤って押しこまれることを防ぐことによりデバイスが誤って排出されるのを防ぐことができる。また、係止部材の一部が、バネ止めされた凸部が凹部から外れる方向に移動することを妨げるように構成しても良いし、係止部材によって押し込まれた部材がイジェクトボタンや凸部の動きを固定するよう構成されていてもよい。蓋体が閉じられている時は、ポインティングデバイスが使用される状況は考えられないため、蓋体に設けられた係止部材を用いてイジェクトボタン又はロック機構自体をロックすることで、コンピュータ不使用時に誤動作でポインティングデバイスが収納部から抜け出てしまうことを防ぐことができる。
【0025】
収納部212の側面にはグラウンド端子及び電力供給用端子を有する。グラウンド端子はコンピュータ本体のグランドに接続され、電力供給用端子は図示せぬコンピュータの電源ジャック及びバッテリーに接続されており、ポインティングデバイス収納時に、ポインティングデバイス側面に備え付けられたグラウンド端子及び充電用端子と接触することで、ポインティングデバイス内の蓄電池を充電することができる。
【0026】
以上のように、長手方向と短手方向及び一定の高さを有する直方体形状の筐体であり、短手方向に沿った対向する一対の側面を両側から把持するための把持面として設けたポインティングデバイスであり、コンピュータに収納しやすい形状となっている。なお、筺体の形状としては、両側から摘まんで把持しやすいよう、筺体の高さは3mmから20mm程度の高さであることが望ましい。また、自然な状態の人間の親指と薬指の間の距離を考慮して長手方向の筺体の長さは4cmから12cm程度に設計すると把持しやすい。なお、平均的な成人の手の大きさでは高さが6mmから16mm、長手方向の筺体の長さが6cmから10cmの間である場合が最も持ちやすく、より望ましい。なお、ポインティングデバイスの形状やコンピュータに備え付けられた収納部の位置は、上記形状に限定されるものではない。図8から図20に示すようなポインティングデバイスであってもよい。以下、同一部分に関しては一部説明を省略する。
【0027】
図8では、デバイス上面の入力ボタン301、302がデバイスの中心からずれた位置に配置されている。350の側面を親指で、360の側面を薬指でそれぞれ摘まんで把持する場合、手の形の関係上、入力ボタンを押下する指である人指し指と中指は薬指側によっているので入力ボタンを薬指側の把持面方向に中心からずらして配置しており、自然に入力スイッチを押すことができる。また、通常左クリックとなる人指し指側の入力ボタン302は、決定、選択等に用いられる入力ボタンでありで、例えばプルダウンメニューを開くといった補助的役割を持つ右クリックの入力ボタン301よりも使用頻度が高いため、人指し指で操作する左クリック用の入力ボタンを中指で操作する右クリック用の入力ボタンよりも大きく設計しておいても良い。
【0028】
図9は、デバイス上面にスクロールホイル403を備えている。スクロールホイルを回転させることで、ブラウザ等の画面が上下左右にスクロールする。このようなスクロール手段を備えることで操作性をさらに向上させることができる。また、人指し指、中指は他の指よりも長いため、入力ボタンを上部から押下する場合、指を大きく曲げる必要がある。そこで上面と親指と薬指で把持する側面450、460とは異なる、長手方向に沿った側面と上面とを面取りし、入力ボタンを上面、面取り面、側面の3つの面にまたがる構成とすることで側面側からも入力できるため自然な指の形で入力スイッチを押すことが可能となる。
【0029】
また、図10のように上面と側面を曲面で面取りしてもよい。また、図11のように上面と側面を1対の曲面で構成し、入力ボタン601、602を任意の角度から押すことができるようにしてもよい。曲面を混ぜることで入力スイッチを押すときに角が人指し指、中指に当たらないため指を疲れにくくすることができる。
【0030】
また、図12のように把持する面750、760の高さを筺体のその他の部分の高さよりも高く構成しても良い。デバイスの薄型化が進むと把持部も高さが低くなるため、一定以上の低さになると両側から指で挟んで挟持しにくくなる。そこで把持面の高さは一定の高さを保たせ、その他の部分を薄型化することで操作性を損なわず、小型化が可能となる。また、把持面から筺体中心へ向けて斜面770、780を設けることで、入力ボタン701、702を押す時のガイドの役割を持たせることができる。
【0031】
また、図13のように把持面から中心へ向かって斜面ではなく曲面を設けてもよい。また、図14のように把持面と中心へ向かう斜面との間に底面と平行である面を設けてもよい。また、入力スイッチ901、902の間に設けたスクロールホイル903の高さが把持面の高さより低く設計することで収納時にスクロールホイルが引っかかることによる破損を防ぐことができる。
【0032】
また、図15のように筺体短手方向に沿った両側の側面を斜面として把持面を構成してもよい。斜面に指をおくことで筺体を接地面方向に押さえつけ、かつ両側から把持できるので安定してデバイスを操作できる。また、短手方向に沿った垂直な側面と上面とを面取りして斜面を形成してもよい。
【0033】
また、図16のように、上面に入力ボタン1101、1102を配置している筺体の中央部分が把持面1150、1160の有する両側部分よりも前方に突き出している構成でもよい。このように構成すると人指し指と中指をそれほど深く折り曲げなくても入力ボタン1101、1102を押下できる。同様に図17のように筺体の中央部分が把持面1250、1260の有する前方に突き出して把持面の幅よりも長く構成されていてもよい。
【0034】
図18は、別の形態の収納部を有するコンピュータ1300を示した概念図である。なお、各収納部は図7に示すコンピュータ200の収納部212と同様、嵌合のための突起部とグラウンド端子、電源供給用端子が内部に備え付けられている。ここで、これら各端子及び突起部は収納するデバイスに合わせて収納部の側面、底面、上面に適宜配置することも可能である。
【0035】
収納部1302のようにコンピュータ本体の左右の側面に開口部を設けてデバイスを収納できるように構成されても良い。正面に比べて本体に厚みのある側面を開口部とすることで厚めのデバイスであっても側面に収納部を設けて収納可能となる。
【0036】
また、開口部への挿入方向は長手方向、短手方向のどちらを挿入方向としてもよい。収納部1303のように構成することで本体1301の奥深くまで収納部を設ける必要が無いので、PCMCIAスロット等その他の部品を邪魔せずに配置がしやすく、設計が容易になる。
【0037】
また、収納部1304のように本体上面に開口部を設けデバイスを上方から挿入するよう構成してもよい。この時、例えば図12から図14のデバイスのように、把持面の高さが中央付近の高さより高いデバイスを挿入する場合に、デバイス把持面の高さと収納部1304の深さを同じにしておいてもよい。このようにすると、スクロールホイルが本体1301から突出しないため、適切に収納することができる。
【0038】
また収納部1305のように本体1301の角に収納部を設けてもよい。本体正面と本体側面の面取り角度を、図16、図17に示すデバイスの把持面と正面の面取り角度と等しくしておくことで図16、17のような形状のデバイスでも適切に収納可能である。
【0039】
以上のように、本願発明実施の形態1に関するポインティングデバイス及びコンピュータを用いれば、ポインティングデバイスとしての操作性を損なうことなくコンピュータに収納可能とすることで高い操作性と携帯性を有することができる。
【0040】
なお、デバイスを収納している時は、不使用状態にあるとして、デバイスの電源をオフにする機能が備わっていていてもよい。
【0041】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るポインティングデバイスおよびコンピュータは、コンピュータ本体へのデバイスの脱着に応じて適宜、デバイス機能の一部を制限、変更する構成を追加したものである。
【0042】
図19は、本実施の形態に係わるポインティングデバイスの概観図である。側面にはグラウンド端子1410、充電用端子1420に加えて外部接続端子として4つの信号出力用端子1431、1432、1433、1434及び着脱検出用端子1440が備え付けられている。信号出力用端子は、デバイスで入力された信号を外部に伝えるための端子である。信号出力用端子1431、1432は、それぞれスクロールホイル1403の回転を検出する回転検出部及びスクロールホイル下部に取り付けられたマイクロスイッチと接続されており、信号出力用端子1433、1434は、それぞれ入力ボタン1401、1402下部に設けられたマイクロスイッチと接続されている。一方、着脱検出用端子1440は、デバイスがコンピュータに装着されているかどうかを検出するための端子である。
【0043】
図20は、本実施の形態に係わるコンピュータの一部の概観図である。本体1501上面には、タッチパッド1502が取り付けられている。一方、ポインティングデバイスの左クリック及び右クリックに対応する入力ボタンは、本体には取り付けられておらず、代わりにタッチバッドを挟んでキーボード1503の反対側に上面を開口部として収納部1504が取り付けられている。
【0044】
収納部1504には、外部接続端子である4つの信号入力用端子1531、1532、1533、1534と、グラウンド端子1510と電力供給用端子1520と、着脱検出用端子1540とが設けられており、各端子は、図19のポインティングデバイス1400収納時にそれぞれ対応する端子と接続できるようになっている。
【0045】
図21は、ポインティングデバイス1400とコンピュータ1500の動作関係を示すブロック図である。以下、図19、図20を援用して詳細に説明する。
【0046】
CPUやメモリー等で構成される中央制御部1554は、ポインティングデバイス1400がコンピュータ1500の収納部1504に装着されているかを調べるため、一定周期で着脱検出用端子1540を通じてポインティングデバイス1400側の制御部1454にポーリングを行う。中央制御部1554は、応答がない場合は、ポインティングデバイス1400が装着されていないと判断し、タッチパッド1553の機能を停止させる。
【0047】
制御部1454は、着脱検出用端子1440を通じて中央制御部1554からのポーリングを受信しない場合は、ポインティングデバイス1400はコンピュータ本体1500に装着されていないと判断し、送信部1452及び移動検出部1453を作動させる。
【0048】
移動検出部1453は、イメージセンサ、発光素子、光学処理回路等で構成され、ポインティングデバイス1400の移動距離及び移動方向を検出し、カーソルの移動距離及び移動方向に関する情報を求めて送信部1452に出力する。
【0049】
信号入力部1455は、入力スイッチ1401、1402、スクロールホイル1403の押下及び回転によって得られる各入力信号を送信部1452に出力する。
【0050】
送信部1452は、移動検出部1453から入力された移動距離及び移動方向に関する情報と、信号入力部1455から入力された入力信号とに対して、変調、D/A変換、アップコンバート等の無線送信処理を行い、アンテナ1451を介して無線送信する。
【0051】
なお、蓄電池1456は、ポインティングデバイス1400内の各部に電力を供給する。
【0052】
受信部1552は、アンテナ1551を介して無線受信した信号に対して、ダウンコンバート、A/D変換、等化処理、復調等の無線受信処理を行い、得られた信号を中央制御部1554に出力する。
【0053】
中央制御部1554は、受信部1552から入力された信号に基づいて、カーソルの移動、選択や決定の動作、スクロール動作、補助動作等、対応する各処理を行い、画面表示部1456で処理を反映させる。
【0054】
一方、制御部1454は、着脱検出用端子1440を通じて中央制御部1554からのポーリングを受信した場合は、デバイスがコンピュータに装着されていることを検出及び判断し、中央制御部1554に応答信号を送信し、送信部1452、移動検出部1453の機能を停止させる制御を行う。デバイスがコンピュータに装着されている時は、電力制御を行い、使用しない送信部1452と移動検出部1453への通電を停止しておくことで使用電力を低減できる。
【0055】
中央制御部1554は、応答信号を受信すると、デバイスがコンピュータに装着されていることを検出及び判断し、タッチパッド1553を作動させる制御を行う。また、電源管理部1555に蓄電池1456を充電させる指示を行う。電源管理部1555は、中央制御部1554からの充電指示に従い、バッテリーや外部電源を用いて電力供給用端子を通じて蓄電池1456を充電する。その他電源管理部1555は、デバイス収納時に必要に応じてデバイス内の制御部1454に電力を供給して起動、停止を行う。
【0056】
中央制御部1554は、タッチパッド1553から入力される情報に基づいてカーソルの移動に関する制御を行い、装着されたデバイス1400の信号入力部1455から信号入力用端子を介して入力されるユーザからの指示に基づいて、選択及び決定の決定動作、スクロール動作、補助動作等、対応する処理を行い、画面表示部1456で処理を反映させる。
【0057】
以上のように、ポインティングデバイスは、コンピュータに装着されていない時は、入力ボタンやスクロールホイル等のインターフェース通じてユーザから入力される入力信号及び光学処理により求めたカーソルの移動に関する情報、を無線通信でコンピュータに送信し、装着されている時は、カーソルの移動に関する情報の生成、送信機能は停止し、入力ボタンやスクロールホイル等のインターフェース通じてユーザから入力される信号を筺体に設けた信号出力用端子を通じてコンピュータに出力する。コンピュータは、デバイスが装着されているかどうかの確認を行い、装着されていない時は、デバイスに設けられた入力ボタンやスクロールホイル等のインターフェース通じてユーザから入力される入力信号、及びカーソルの移動に関する情報の両方を、無線を通じて受信すると共に、本体に備え付けられたタッチパッドの機能を停止させる。一方、装着されている時は、タッチパッドを起動させ、カーソルの移動に関する情報はタッチパッドから入力し、デバイスに設けられた入力ボタンやスクロールホイル等のインターフェース通じてユーザから入力される入力信号は、収納部に設けた信号入力端子を通じてデバイスから入力する。
【0058】
このように、ポインティングデバイスの機能を使用状況に応じて一部制限することで、電力の消費を低減でき、入力ボタンをデバイスとコンピュータ本体の両方に設ける必要が無いので製造コストや小型化の点で有利になる。
【0059】
例えば、デスクなどで使用する場合はポインティングデバイスをコンピュータから切り離してマウスとして使用することで高い操作性で入力することができる。一方、電車の中など切り離して使えない時は、コンピュータに装着した状態のまま、タッチパッドと装着状態のマウスの入力ボタン、スクロールホイルを用いてカーソルの移動及び信号入力を行うことができる。このように、コンピュータに固定して備え付けられたポインティングデバイスと着脱式ポインティングデバイスの一部の機能を組み合わせて使用できる構成とすることで使用状況に柔軟に対応した高い操作性と携帯性を有するポインティングデバイスを提供することが可能となる。
【0060】
また、収納部をタッチパッド手前側に配置することで、この領域は通常キーパッドを両手で入力する場合、左右斜め手前からキーパッドにおかれる手が当たらない場所であるため、デバイスを外してスペースになっていても邪魔になることはない。
【0061】
また、コンピュータ本体にデバイス装着時に、デバイス内の制御部はコンピュータのOS起動状態を確認する手段を具備し、OSが起動していない、又はログオフ状態にある場合はデバイス本体の電源を切るよう構成しておくとさらに電力を節約できる。
【0062】
なお、本実施の形態では、イメージセンサで得られた画像を基にカーソルの移動距離及び移動方向を算出する処理を行う光学処理部をポインティングデバイス側に配置したが、この機能をコンピュータ側に行わせてもよい。ポインティングデバイス側では、イメージセンサで得られた画像データを送信部を通じて無線送信し、コンピュータ側に別途設けた光学処理部が、受信部で受信された画像データからカーソルの移動距離及び移動方向を求める構成でもよい。このように構成することでポインティングデバイス側に光学処理部が必要なくなるため、デバイスの小型化が可能となる。また、ポインティングデバイス側ではイメージセンサで得られた画像データを光学処理し、ポインティングデバイスの移動距離及び移動方向を求めて送信部より無線送信し、コンピュータ側に設けた処理部が、受信部で受信されたポインティングデバイスの移動距離及び移動方向に関する信号に対してユーザが設定したカーソル速度等を用いてカーソルの移動距離及び移動方向に関する情報に変換する処理を行い、画像表示部上でカーソルの動きに反映させる構成でもよい。
【0063】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係るポインティングデバイスは、実施の形態2と同じく収納時に信号の一部を外部接続端子を介してコンピュータに出力する構成であって、デバイスに取り付けられた2つの入力ボタンにより入力される信号はコンピュータに出力せず、スクロールホイルを操作することにより得られる信号を、コンピュータに出力する構成としたものである。なお、実施の形態1、2と同一の部分に関しては説明を省略する。
【0064】
図22は、本実施の形態に係わるポインティングデバイスの概観図である。筺体上面には2つの入力ボタンが配置され、収納部への挿入方向とは反対の把持面にスクロールホイル1603が備え付けられている。ユーザは、スクロールホイルが備え付けられた把持面に親指あて、対向する把持面に薬指又は小指をあて、両側から摘まむように把持する。また、背面には、図示せぬグラウンド端子、充電用端子、着脱検出端子及び2つの信号出力用端子が備え付けられている。ここで2つの信号出力用端子は、それぞれスクロールホイルの回転を検出する検出部及びスクロールホイルの奥に取り付けられたマイクロスイッチと接続されている。
【0065】
一方、本実施の形態に係わるコンピュータの概観は、図7に示すコンピュータ200と同一であるため省略する。但し、収納部にはデバイス装着時に信号をやり取りするための2つの信号入力用端子および、デバイスの着脱状態を検出する着脱検出端子が外部接続端子としてさらに設けられている。
【0066】
デバイスがコンピュータに装着されていない場合はデバイス及びコンピュータは実施の形態2と同様の動作を行うため説明を省略する。コンピュータに装着されている時は、スクロールホイルを用いてユーザより入力される信号を、信号出力用端子を介してコンピュータ内の中央制御部へ出力する。
【0067】
コンピュータ内の中央制御部は、タッチパッドから入力されるカーソルの移動制御を行うための信号、及び本体上面に取り付けられた2つの入力ボタンを通じてユーザより入力される指示動作、補助動作に関する信号、及び、信号入力用端子を介して装着状態にあるデバイスから入力されるスクロール動作に関する信号を用いて、対応する処理を行う。
【0068】
このように、デバイス装着時にデバイスに取り付けられたスクロールホイルを利用することで、コンピュータ本体にスクロールホイルを別途設ける必要が無く、デバイスのスクロールホイルから入力される信号、コンピュータ本体に取り付けられたタッチパッド及び2つの入力ボタンから入力されると組み合わせて操作性を向上させることができる。
【0069】
対向する把持面を有する本実施の形態のデバイスでは、把持面にスクロールホイルを設けたとしても、筐体を把持する際にスクロールホイルを親指が垂直に覆う形で接触されるため、スクロールを回転させる誤動を起こす可能性は少なく、スクロールさせたい場合は、親指を前後に動かすことで、スクロールホイル奥に配置されたマイクロスイッチを作動させたい場合は強めに親指を押し込むことで実行できるため、筐体を把持した状態でスクロールホイルを操作できる。
【0070】
なお、上記説明では把持面にスクロールホイルが設けられる構成としたが、これに限定されるものではない。図23のように長手方向に沿った正面の側面にスクロールホイルを配置し、コンピュータ本体の側面の開口部からスクロールホイルが突出するように収納部を設けてもよいし、図24のように隣り合う2つの側面の角部にスクロールホイルを設けて、開口部からスクロールホイルの一部が突出するように収納部を設けてもよい。
【0071】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係るポインティングデバイスは、ユーザのデバイス使用状態を検出する検出手段を追加し、ユーザがデバイス操作を行っていない時は各部への電力供給を制限する構成に関する。
【0072】
図25は、本実施の形態に係わるポインティングデバイスの概観図である。把持面にピンホール1904が設けられており、ピンホール奥に図示せぬ光検出部を備えている。デバイス内の制御手段は、光検出部によって検出される光量が所定値以上である場合は、デバイスが不使用状態であるとして、デバイス各部の機能を停止する。
【0073】
本発明に係わるポインティングデバイスのように、一対の把持面を2本の指で挟持して操作するデバイス形状では、デバイスを使用する時必ず把持面が指で覆われる。従って、ユーザがデバイスを使用するときピンホール1904は指で覆われるため、光検出部で検出される光量が減る。この光量の変化から使用状態を読み取り、電力制御及び機能制御を行うことで必要な時にのみ電力を消費するため、消費電力を削減できる。
【0074】
このように、構成することで例えば振動検出部等を用いて制御する場合に比べて、小型な構成で検出手段を備えることができる。また、振動検出部等では、例えば手が誤って触れてしまう場合や地震や乗り物内での振動などの場合にも使用状態であると誤認識してしまうが、本構成ではそのようなご認識は発生しない。デバイスの形状上、ユーザ毎の持ち方の個性に依存せず使用時に必ず指が触れる領域が存在するため、その部分に検出手段を設けることで、的確に使用時かどうかを判断し、適切な電力制御及び機能制御を行うことができる。
【0075】
なお、親指の方が薬指や小指より面積が大きいためピンホールは親指側の把持面に設けるのが望ましい。また、面取りした第2の把持面である面取り面1970、1980にピンホールを設けてもよい。
【0076】
また、使用状態を検出する検出手段としては、ピンホールと光検出部の組み合わせに限定されるものではなく、例えば静電容量の変化や抵抗値の変化を検出する平面状検出部材を把持面1950、1960、1970、1980のいずれかに取り付けておき、検出結果に基づいて同様の制御を行ってもよい。
【0077】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係るポインティングデバイスは及びコンピュータは、ユーザがより自然な持ち方でポインティングデバイスを使用できることを目的としたものである。
【0078】
光学式マウスでは、画像素子がX−Y方向に2次元アレイ状に配列されたイメージセンサによってマウスの移動量及び移動方向が検出される。イメージセンサは、N×N個の画像素子が並ぶ前記X−Y方向が、マウス筺体の左右前後とほぼ一致するようにマウス内部に取り付けられている。ここでマウスの前後方向とは2つの入力スイッチの境界線に沿った方向であり、左右方向は前記境界線に直交する方向である。このようにイメージセンサ内の画像素子の配列方向とマウス筺体の左右前後方向を揃えることで画面上におけるカーソルの上下左右の移動を、マウス筺体の前後左右の移動で行うことができる。
【0079】
しかしながら、図26に示すとおり、直方体の形状を有するポインティングデバイス2002を、短手方向に沿った2枚の側面を把持面として親指と薬指若しくは親指と小指で把持する場合、コンピュータ2001と平行な関係を保った状態で動作しようとすると、手首を外側にひねる必要がある。これは、人間の手は親指が他の指よりも短く、コンピュータと平行な位置関係を保つために薬指を手前側に引き戻す必要があるからである。このように、手首に不要な力をかける必要があるため操作性が若干低下する。なお、イメージセンサ2003は、イメージセンサのX−Y方向とマウス筺体の左右前後方向が一致するようにマウス内に備え付けられている。
【0080】
上記の第2の課題を鑑みて本発明の実施の形態5に係わるポインティングデバイスの構成は、イメージセンサ内に配列された画像素子の2つの配列方向をデバイス筺体の長手方向及び短手方向から所定の角度ずらした状態でイメージセンサをデバイス内に備え付ける構成としている。
【0081】
図27は、コンピュータ本体とデバイス及びデバイスを把持する手の位置関係を表した概念図である。図のようにイメージセンサのX−Y方向とデバイス筺体の右方向及び前方向が所定の角度を有するようにイメージセンサが取り付けられている。ここでイメージセンサのX−Y方向は、イメージセンサ内にアレイ配列された画像素子の2つの直交する配列方向である。また、デバイス筺体の左右方向はデバイス筺体の長手方向に平行な方向であり、前後方向は短手方向に平行な方向である。また、デバイス上面には、図示せぬ2つの入力ボタンが取り付けてあり、2つの入力ボタンの境界線が、短手方向と平行になるように、2つの入力ボタンが取り付けられている。
【0082】
図27のようにイメージセンサのX方向をコンピュータ本体1501と平行になるように備えるとマウス筺体の薬指側の把持面が前方へ突き出す状態になる。従って、手首をひねらなくても自然な状態の親指と薬指の位置に把持面がくるため、自然な状態でマウス操作が可能となる。
【0083】
なお、イメージセンサのX−Y方向と、マウス筺体の左右前後方向の間に設けられるオフセット角度としては10度以上設けると効果を感じることができる。但し80度を越えて傾けると今度は内側に大きく手首をひねる必要が出てくるため、10度から80度の間の角度に設定されるとよい。なお、15度、30度、45度、60度など、きりの良い角度にしておくと、ユーザが感覚で認識しやすいので望ましい。またマウス表面にX−Y方向を示す印をつけておいてもよい。こうすることでユーザはX−Y方向を判別できるので画面上のカーソルを的確に動かすことができる。
【0084】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6に係る発明では、実施の形態5と同一の課題を、コンピュータ上で実行させるプログラムを用いて、カーソルの移動角度に補正を行うことにより、ソフトウェア的に解決することを目的としたものである。
【0085】
図27は、画面表示部2201に呼び出されたマウス設定用のプロパティ画面2202を現している。ユーザは、マウス等のインターフェースを用いて所定の入力を行うことでコンピュータ本体に記憶されたマウス設定用のプログラムを読み込み、プロパティ画面2202を画面表示部2201に表示させる。プロパティ画面内には、マウスの移動距離とカーソルの移動距離との関係を設定する設定手段と共に、マウスの移動方向とカーソルの移動方向の角度を補正する角度補正手段があり、ユーザはマウス等でカーソル2205を用いて設定値を示すアイコンを希望設定値に移動させ、またはキーボード等の入力装置で希望設定値を入力し、所望の設定をコンピュータ内の記憶手段に記憶させる。コンピュータ内の制御手段は、マウスから送られてきたマウスの移動距離及び移動方向を示す信号に対して、前記記憶した移動速度の設定値を用いて対応するカーソルの移動距離を決定し、前記記憶した補償角度の設定値を用いて、移動方向に設定された補償角度分回転を加えた移動方向をカーソルの移動方向として決定する処理を行い、画面表示部2201のカーソル2205の動作に反映させる。
【0086】
このように、カーソル設定用のプログラムは、マウスの移動方向とカーソルの移動方向との関係を設定する設定手段によって設定された設定値に基づいて、マウスの移動方向に補正を行う処理を行い、補正処理後の移動方向をカーソルの移動方向として画面に表示させる処理を行うものであり、ユーザの好みに応じた設定が可能であり、ユーザ毎に最適なカスタマイズが可能となる。
【0087】
このように、収納を考えない一般的なマウスでは、マウスの移動方向とカーソルの移動方向を揃えることは用意であるが、収納を前提として取り得る形状が限定される場合に、マウスの移動方向とカーソルの移動方向との対応関係を設定し、設定した対応関係に従ってカーソルを表示させるプログラムをコンピュータに実行可能とすることで、デバイス形状によって生じる操作性の低下の一部を補うことができる。
【0088】
以上、本発明に係わるポインティングデバイス及びコンピュータに関して説明を行った。このように本発明によれば、高い操作性と携帯性を有するポインティングデバイス及びコンピュータを提供することができる。
【0089】
また、上記説明した本願発明のポインティングデバイスは、選択及び決定の指示を入力する入力ボタン及び、カーソルの移動に関する情報を生成、出力する手段を有しているため、マウスである。
【0090】
なお、上記各実施の形態では、コンピュータに固定して取り付けられるポインティングデバイスとしてタッチパッドを中心に説明を行ったが、これに限定されるものではなく、例えばトラックボール、ポインティングスティック、タッチパネル等、カーソルを移動させる機能を有するポインティングデバイスであればどのようなものとも置き換えが可能である。
【0091】
また、上記で説明した各制御部、送信部、受信部、移動検出部、イメージセンサ、光学検出部は、それぞれ半導体集積回路を用いて実現されてもよい。ここで集積回路はLSI、VLSI,ULSIと称されることもある。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明にかかるポインティングデバイス及びコンピュータは、主に持ち運ぶことが想定されるモバイルコンピュータとモバイルコンピュータに組み込まれるポインティングデバイスとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの概観図
【図2】本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの上面図
【図3】本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの底面図
【図4】本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの正面図
【図5】本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの背面図
【図6】本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの分解斜視図
【図7】本発明の実施の形態1に係るコンピュータの概観図
【図8】本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの概観図
【図9】本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの概観図
【図10】本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの概観図
【図11】本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの概観図
【図12】本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの概観図
【図13】本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの概観図
【図14】本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの概観図
【図15】本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの概観図
【図16】本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの概観図
【図17】本発明の実施の形態1に係るポインティングデバイスの概観図
【図18】本発明の実施の形態1に係るコンピュータの概観図
【図19】本発明の実施の形態2に係るポインティングデバイスの概観図
【図20】本発明の実施の形態2に係るコンピュータの概観図
【図21】本発明の実施の形態2に係る動作関係を示すブロック図
【図22】本発明の実施の形態3に係るポインティングデバイスの概観図
【図23】本発明の実施の形態3に係るポインティングデバイスの概観図
【図24】本発明の実施の形態3に係るポインティングデバイスの概観図
【図25】本発明の実施の形態4に係るポインティングデバイスの概観図
【図26】本発明の実施の形態5に係るコンピュータとポインティングデバイスと手の関係を表す概念図
【図27】本発明の実施の形態5に係るコンピュータとポインティングデバイスと手の関係を表す概念図
【図28】本発明の実施の形態6に係るマウス設定画面を表す説明図
【図29】従来技術のマウスの概略図
【符号の説明】
【0094】
100、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1400、1600、1700、1800、1900、2002、2102 ポインティングデバイス
101、301、401、501、601、701、801、901、1001、1101、1201、1401、1601、1701、1801、1901 右入力ボタン
102、302、402、502、602、702、802、902、1002、1102、1202,1402,1602,1702,1802,1902 左入力ボタン
150、350、450、550、650、750、850、950、1050、1150、1250、1950 左把持面
160、360、460、560、660、760、860、960、1060、1160、1260、21960 右把持面
110 上面
120 底面
130 正面
140 背面
131 凹部
121 開口部
122 レンズ
123 発光素子
142、1410 グラウンド端子
143、1420 充電用端子
141 アンテナ
171、172 蓄電池
173、2003、2103 イメージセンサ
174 光学処理部
175 送信部
176 制御部
177 右マイクロスイッチ
178 左マイクロスイッチ
200、1300、1500 コンピュータ
201 蓋体
202、1301、1501、2001、2101 コンピュータ本体
203 回動部
204 画像表示部
205、1503 キーボード
206、1502 タッチパッド
207 右入力ボタン
208 左入力ボタン
209 係止部材
210 係止受部
211 解除ボタン
212、1302、1303、1304、1305、1504 収納部
403、503、903、1403、1603、1703、18031903 スクロールホイル
770、780 斜面
1431、1432、1433、1434 信号出力用端子
1440 着脱検出用端子
1510 グラウンド端子
1520 電力供給用端子
1531、1532、1533、1534 信号入力用端子
1540 着脱検出用端子
1400 ポインティングデバイス
1451 アンテナ
1452 送信部
1453 移動検出部
1454 制御部
1455 信号入力部
1456 蓄電池
1500 コンピュータ
1551 アンテナ
1552 受信部
1553 タッチパッド
1554 中央制御部
1555 電源管理部
1556、2201 画像表示部
2104 目印
2202 設定画面
2203、2204 アイコン
2205 カーソル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
6mm〜20mmの高さを有するポインティングデバイスであって、
長手方向の長さを40mm〜100mmとする長方形の形状を有する底面と、
前記底面と同一の形状を有し、前記底面に対して平行に対向する上面と、
前記底面及び前記上面に対して垂直な複数の長方形形状の側面で構成される二対の側面対と、
を有し、
前記上面には、決定の入力を行う入力ボタンとメニュー画面を開く入力ボタンの2つの入力ボタンが長手方向に配置され、
前記2つの入力ボタンの片方である第1入力ボタンが前記上面の長手方向の中央でかつ短手方向の中央の位置を含む領域に配置され、前記2つの入力ボタンの他方である第2入力ボタンが前記上面に配置される前記第1入力ボタンと前記上面の長手方向の端との間でかつ短手方向の中央の位置を含む領域に配置され、
内部には、
前記2つの入力ボタンより送られる信号を無線送信する無線送信部と、
前記無線送信部に電力を供給する蓄電池と、
が少なくとも備えられ、
前記側面には、
前記蓄電池の充電に用いられる充電用端子が配置される、
ポインティングデバイス。
【請求項2】
前記2つの入力ボタンの片方である第1入力ボタンが前記上面の長手方向の中央でかつ短手方向の中央の位置を含む領域に配置され、前記2つの入力ボタンの他方である第2入力ボタンが前記上面に配置される前記第1入力ボタンと前記上面の長手方向の端との間でかつ短手方向の中央の位置を含む領域に配置されることで、前記上面に配置される前記2つの入力ボタンは前記上面において長手方向に非対称でかつ短手方向に対称となるように配置されることを特徴とする、
請求項1に記載のポインティングデバイス。
【請求項3】
前記底面の中央付近には、接触面の状態を光学的に読み取るための開口が配置され、
前記内部には、前記ポインティングデバイスの移動距離及び移動方向を光学的に検出する移動検出部が更に配置されることを特徴とする、
請求項1又は2に記載のポインティングデバイス。
【請求項4】
前記メニュー画面を開く入力ボタンよりも大きな入力ボタンが前記決定の入力を行う入力ボタンとして前記上面に配置されている事を特徴とする、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
【請求項5】
前記上面の長手方向の中央でかつ短手方向の中央の位置を含む領域に配置される前記第1入力ボタンが、前記上面の前記第1入力ボタンと前記上面の長手方向の端との間でかつ短手方向の中央の位置を含む領域に配置される前記第2ボタンよりも大きいことを特徴とする、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−190481(P2012−190481A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−128467(P2012−128467)
【出願日】平成24年6月6日(2012.6.6)
【分割の表示】特願2007−136063(P2007−136063)の分割
【原出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(707000956)
【Fターム(参考)】