ポットグリッパー及びグリップ体
【課題】簡単な構成で人が扱う際の重さが格段に小さく容易に、積層された育苗ポット積層体から、一層だけの育苗ポットをその配列状態のまま育苗トレイに収容するポットグリッパーを提供する。
【解決手段】下向きに載せられる育苗トレイと、この育苗トレイの側壁枠のない部分に育苗ポット側へ可撓性のある軽くとも一対の保持板2が付勢されて接触するように配置され、前記保持板の育苗ポットに接触する側に設置された滑り止め部材3を備えたグリップ体5とを備え、育苗トレイにグリップ体5を下向きに載せ、グリップ体5と育苗トレイとを共に育苗ポット積層体に押し付けた後に、ポットグリッパーに収容保持された一層分の育苗ポットを持ち上げ、これらのグリップ体5、育苗トレイ、育苗ポットの1セットを、育苗ポットの開口側が上になるように適所に裁置し、その後、育苗ポットを収容した育苗トレイを、前記グリップ体5から分離する。
【解決手段】下向きに載せられる育苗トレイと、この育苗トレイの側壁枠のない部分に育苗ポット側へ可撓性のある軽くとも一対の保持板2が付勢されて接触するように配置され、前記保持板の育苗ポットに接触する側に設置された滑り止め部材3を備えたグリップ体5とを備え、育苗トレイにグリップ体5を下向きに載せ、グリップ体5と育苗トレイとを共に育苗ポット積層体に押し付けた後に、ポットグリッパーに収容保持された一層分の育苗ポットを持ち上げ、これらのグリップ体5、育苗トレイ、育苗ポットの1セットを、育苗ポットの開口側が上になるように適所に裁置し、その後、育苗ポットを収容した育苗トレイを、前記グリップ体5から分離する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦横に配列され、積層された育苗ポット積層体から、一層だけの育苗ポットをその配列状態のまま育苗トレイに収容するようにするポットグリッパーと、このポットグリッパーで用いられるグリップ体に関する。
【背景技術】
【0002】
縦横に配列され、積層された育苗ポット積層体から、一層だけの育苗ポットをその配列状態のまま育苗トレイに収容するようにするポットグリッパーについては、例えば、特許文献1〜特許文献5で提案されたものがある。
【0003】
いずれの文献に記載のものも、育苗ポットの開口側から、積層された育苗ポットの最上部の一層分だけを、ポットを外に広げるようにして保持し、別の場所に置かれた育苗トレイの上に位置させた状態で、分離手段で、各育苗ポットを落下させ、各収容部に入るようにするものである。
【0004】
しかしながら、この方法では、ポットグリッパーの構成としては、育苗ポットの開口側の内側に入って育苗ポットを保持する複数の保持具と、この保持具を配列された育苗ポットに応じた配列状態で支持する支持プレートと、各保持具毎の分離手段と、これらの分離手段を同様に支持する分離支持プレート、とが必要で、全体の構成が二段状態で複雑なものにならざるを得なかった。
【0005】
そこで、本願出願人は、上記とは異なる方法で、より簡単な構成で、同様に、積層された育苗ポット積層体から、一層だけの育苗ポットをその配列状態のまま育苗トレイに収容するようにするポットグリッパーはできないものかと研究、試作を重ねた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3921652号公報
【特許文献2】特許第4576188号公報(図1)
【特許文献3】特許第4576189号公報(図1)
【特許文献4】特開2009−89654号公報(図1)
【特許文献5】特開2010−263882号公報(図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題を解決しようとするもので、従来とは全く異なる方法で、簡単な構成で人が扱う際の重さが格段に軽く容易に、積層された育苗ポット積層体から、一層だけの育苗ポットをその配列状態のまま育苗トレイに収容するポットグリッパーと、その要部であるグリッパー体とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のポットグリッパーは、育苗ポットの開口側を下にして、縦横に配列された状態で積層された育苗ポット積層体から、一層ずつ育苗ポットを育苗トレイに収容するものであって、
育苗ポット積層体の最上部の育苗ポットにその育苗ポットを収容すべく、下向きに載せられる育苗トレイと、この育苗トレイの側壁枠のない部分に育苗ポット側へ可撓性のある軽くとも一対の保持板が付勢されて接触するように配置され、前記保持板の育苗ポットに接触する側に設置された滑り止め部材を備えたグリップ体とを備え、前記育苗トレイに前記グリップ体を下向きに載せ、前記グリップ体と前記育苗トレイとを共に育苗ポット積層体に押し付けた後に、前記グリップ体と前記育苗トレイと該育苗トレイの各収容部に前記滑り止め部材によって収容保持された一層分の育苗ポットを持ち上げ、これらのグリップ体、育苗トレイ、育苗ポットの1セットを、育苗ポットの開口側が上になるように適所に裁置し、その後、育苗ポットを収容した育苗トレイを、前記グリップ体から分離するように構成されているので、従来とは全く異なる方法で、簡単な構成で人が扱う際の重さが格段に軽く容易に、積層された育苗ポット積層体から、一層だけの育苗ポットをその配列状態のまま育苗トレイに収容することができる。
【0009】
本発明のグリップ体は、上記のポットグリッパーで記載された構成を備えており、育苗トレイと組み合わせることで、上記ポットグリッパーの効果をグリップ体として発揮する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のポットグリッパーとグリップ体との効果は、上記手段に記載した通りである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のグリップ体の一例を示すもので、(a)はその外観斜視図、(b)は、その要部上面図、(c)は、(b)の側面図
【図2】図1のグリップ体と組み合わせて用いられる育苗トレイを示す外観斜視図
【図3】図1のグリップ体の上に、図2の育苗トレイを載せた状態を示す外観斜視図
【図4】図1、2のグリップ体と育苗トレイとを組み合わせたものを、開口側を下にして配列積層された育苗ポット積層体の底側にはめ込む状態を示す正面図
【図5】(a)は、図4の状態から、グリップ体と育苗トレイとを組み合わせたものを育苗ポット積層体の底側に押し込んだ状態を示す正面図、b)はその一収容部の拡大断面図
【図6】一層だけの育苗ポットと共にグリップ体と育苗トレイとを持ち上げた状態を示す正面図
【図7】一層の育苗ポットを収容した育苗トレイとグリップ体を開口側が上になる姿勢とした状態を示す正面図
【図8】一層の育苗ポットを収容した育苗トレイをグリップ体から分離する状態を示す正面図
【図9】一層だけ分離され育苗トレイに収容された状態の育苗ポットを示す外観斜視図
【図10】本発明のグリップ体の他例を示すもので、(a)はその外観斜視図、(b)は、その要部上面図、(c)は、(b)の側面図
【図11】図10のグリップ体と組み合わせて用いられる育苗トレイを示す外観斜視図
【図12】本発明のグリップ体の他例を示す外観斜視図
【図13】本発明のグリップ体の他例を示す外観斜視図
【符号の説明】
【0012】
1、1A 育苗トレイ
2〜2C 保持材
3 滑り止め部材
4 弾性手段(輪ゴム)
5〜5C グリップ体
10〜10C ポットグリッパー
P 育苗ポット
PO 開口
PB 底部
PS 側壁部
PM 育苗ポット積層体
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
<実施形態1>
【0014】
図1は、本発明のグリップ体の一例を示すもので、(a)はその外観斜視図、(b)は、その要部上面図、(c)は、(b)の側面図である。
【0015】
図1に示されたグリップ体5は、一般に市場に出回っている角形のポット収容部5aを縦横に配列した育苗トレイから、底部を切り取り、各辺の中央部分に設けられた側壁枠5eの内、対向する一対のものを保持材2とし、この保持材2の底部に近い部分の内側に滑り止め部材3を取り付け、保持材2の最端部に対向する保持材2との間に相互に引き合う付勢力を発揮する弾性手段4(この例では、輪ゴムであるが、これに限定されるものではない。)を設けたものである。
【0016】
グリップ体5は、上記特徴点を除けば、一般の育苗トレイと同じ構成であって、上記外に、最上部の外形を形成する一対の長手枠5bと、この長手枠5bに直交する一対の横手枠5cと、各収容部を形成する中間枠5dとを備えている。
【0017】
このグリップ体5は、既成の育苗トレイの底部を取り除き、各辺の中央に設けられた側壁枠5eを、保持材2として、弾性手段4による付勢力をあたえ、かつ、滑り止め部材3を、以下に説明するように、収容すべき育苗トレイの側壁枠の間から、各育苗トレイの底部付近の側壁に付勢されて接触するようにしたものである。
【0018】
なお、このグリップ体5は、テスト用に余計な加工を軽くして、初期の目的を達成するように構成された、試作品であり、後述するように、製品としては、その機能を発揮するするのに必要なものだけを組み合わせたものが適している。
【0019】
また、滑り止め部材3の素材としては、特許文献2に記載の「可撓性を有するシート体の表面に、微細な凸凹が不規則に密集して形成された鑢状のもの」や、紙やすりや布やすり(いわゆるサンドペーパー)や、ダースボンド(登録商標。日本ダースボンド株式会社製)や、ナイロン不織布に硬質の粒を貼着したものや、滑り止め効果のあるゴムシートや、車のトランクなどに敷いて、荷物の移動を止めるような合成樹脂製の滑り染めであってもよく、要するに、滑り止め機能のあるものであれば、どのようなものでも適切である。
【0020】
図3は、図1のグリップ体の上に、図2の育苗トレイを載せた状態を示す外観斜視図であり、これら両者が一体となって、本発明のポットグリッパー10を構成している。なお、これより既に説明した部分には同じ符号を付して、重複説明を省略する。
【0021】
この図を見ると解るように、育苗トレイ1は、角部分に側壁枠1eがあるので、辺部分にはなにもなく、ここに、グリップ体5の滑り止め部材3を備えた保持材2が弾性手段(輪ゴム)4で対向する保持材2に近づくように付勢されているので、この育苗トレイ1の収容部1aに収容された育苗ポットPの側壁に滑り止め部材3が付勢されて接触状態となる。
【0022】
図4は、 図1、2のグリップ体と育苗トレイとを組み合わせたものを、開口側を下にして配列積層された育苗ポット積層体の底側にはめ込む状態を示す正面図である。本発明の特徴の一つは、育苗ポット積層体PMが、その開口を下にして積層されているという点である。なお、最下層には、育苗トレイ1が開口側を下にして台B上に置かれ、育苗ポット積層体PMの各育苗ポットを各収容部の外側部分で受けている。
【0023】
図5(a)は、図4の状態から、グリップ体と育苗トレイとを組み合わせたものを育苗ポット積層体の底側に押し込んだ状態を示す正面図、(b)はその一収容部の拡大断面図である。
【0024】
この時、図5(b)に示すように、育苗トレイ1の各収容部1aの側壁部分はなにも無いので、そこにグリップ体5の滑り止め部材3を備えた保持材2が弾性手段4で付勢された状態で、育苗ポットPの側壁の底部に近い部分に接触するようになっている。その接触部分には、滑り止め部材3があり、この育苗ポットに接触するように付勢された滑り止め部材3により、育苗ポット積層体PMの最上層の一層だけの育苗ポットPだけがポットグリッパー10と一緒に持ち上がる。
【0025】
図6は、一層だけの育苗ポットと共にグリップ体と育苗トレイとを持ち上げた状態を示す正面図である。何回も実験を繰り返したが、概ね、配列された全部の育苗ポットを各一層だけ持ち上げることができた。
【0026】
図7は、一層の育苗ポットを収容した育苗トレイとグリップ体を開口側が上になる姿勢とした状態を示す正面図であり。上から順に、一層の育苗ポットP、育苗トレイ1、グリップ体5が三層に積み重なって台Bの別の位置に置かれている。
【0027】
図8は、一層の育苗ポットを収容した育苗トレイをグリップ体から分離する状態を示す正面図である。グリップ体5の滑り止め部材3が育苗ポットを保持する力は、逆さまにした状態で育苗ポットPが落ちない程度であり、その保持力に抗してし、育苗トレイ1に収容された育苗ポットPを確実に分離することができる。
【0028】
図9は、一層だけ分離され育苗トレイに収容された状態の育苗ポットを示す外観斜視図である。次に一層だけ分離され育苗トレイ1に収容された状態の育苗ポットPを、この上に順次重ねていくか、次の工程に回すようにすればよい。
【0029】
こうして、本発明のポットグリッパー10によれば、育苗ポット積層体PMの最上部の育苗ポットPにその育苗ポットPを収容すべく、下向きに載せられる育苗トレイ1と、この育苗トレイ1の側壁枠のない部分に育苗ポット側へ可撓性のある軽くとも一対の保持板3が付勢されて接触するように配置され、前記保持板2の育苗ポットPに接触する側に設置された滑り止め部材3を備えたグリップ体5とを備え、前記育苗トレイ1に前記グリップ体5を下向きに載せ、前記グリップ体5と前記育苗トレイ1とを共に育苗ポット積層体PMに押し付けた後に、前記ポットグリッパー10により前記グリップ体5の滑り止め部材3によって収容保持された一層分の育苗ポットPと共に持ち上げ、これらのグリップ体5、育苗トレイ1、育苗ポットPの1セットを、育苗ポットPの開口側が上になるように適所に裁置し、その後、育苗ポットを収容した育苗トレイ1を、前記グリップ体5から分離することで、従来とは全く異なる方法で、簡単な構成で人が扱う際の重さが格段に軽く容易に、積層された育苗ポット積層体から、一層だけの育苗ポットをその配列状態のまま育苗トレイに収容することができる。
【0030】
また、本発明のグリッパー体5は、上記ポットグリッパー10に含まれるグリップ体5と同じ構成であり、育苗トレイ1と組み合わせることで、上記、ポットグリッパー10の効果を、グリッパー体5として発揮する。
【0031】
また、本発明のポットグリッパーは、従来の育苗ポットの開口側を開くようにする技術に比べ、育苗ポットの底部付近の側壁あるいは角側壁に適当な力で滑り止め材を押しつけ、ポットグリッパーから落ちないようにした点に特徴が有り、内から外へ広げるものとは、全く、反対に外から内へ軽く押しつけるようにした点が従来の技術と異なっている。
【0032】
また、ポットグリッパーの構成部品として、育苗ポットを収容すべき育苗トレイを用いたので、グリッパー体の構成は、製品としては、図12、図13に示されるように、非常にシンプルで軽いものとなり、コスト的にも安くなる。
【0033】
また、開口側を下にして育苗ポットを積層すると、底部を下に籍層する場合に比べ、上段に行くにつれての各育苗ポットの底部間の間隔が広がることが少ないので、育苗ポット積層体の最上段の育苗ポットに育苗トレイを入れる際に、より問題なくいれることができる。
【0034】
<実施形態2>
図10は、本発明のグリップ体の他例を示すもので、(a)はその外観斜視図、(b)は、その要部上面図、(c)は、(b)の側面図、図11は、図10のグリップ体と組み合わせて用いられる育苗トレイを示す外観斜視図である。
【0035】
図10のグリップ体5Aは、図1のものに比べ、各角の側壁枠5iの内の対向する一対が保持材2Aとされ、その育苗ポットに接触する側に滑り止め部材3が設けられ、一対の保持材2Aの端部が弾性手段4Aで内側への付勢力が与えられ、これにより、滑り止め部材3が育苗ポットPの底部近傍の角壁部分に接触するようになっている点が異なっている。
【0036】
図11の育苗トレイ1Aは、このようなグリップ体5Aに適用できるように、収容部の各編に側壁枠1gが設けられている点が、図2の育苗トレイ1と異なっている。
【0037】
このようなグリップ体5Aと育苗トレイ1Aとを組み合わせたポットグリッパー10Aも、これまでの本願のポットグリッパー10の説明から解るように、同様の効果を発揮し、また、グリップ体5Aも育苗トレイ1Aと組み合わせることで、図1のグリッパー体1と同じ効果を発揮する。
【0038】
<実施形態3>
図12は、本発明のグリップ体の他例を示す外観斜視図である。このグリップ体5Bは、既述したものに比べて、育苗トレイに少し改良を加えたものでなく、グリップ体5Bとしての必要な機能だけを抽出して構成したものである。
【0039】
このグリップ体5Bは、図1のグリップ体5の保持材2に相当する部分は、帯状バネ鋼を、育苗ポットの底部と側壁部との形状に合わせて、逆台形型に屈曲加工し、真ん中の平板部分で、プレート6に、育苗トレイ1の角側枠1eに干渉しないように、空間のある辺部分方向に設けられた保持材2Bを育苗トレイ1の縦横配列に対応させて取付け、育苗ポットの底部近傍の側壁に接触する部分には、滑り止め部材3が設置されているものである。
【0040】
このグリップ体5Bには、育苗トレイ1と共に掴むのに掴みやすくする把持部7が設けられている。このような構成で、このグリップ体5Bは、育苗トレイ1と組み合わせて、ポットグリッパー10Bとして、ポットグリッパー10と同様の効果を発揮し、グリップ体5Bもグリップ体5と同様の効果を発揮する。
【0041】
なお、育苗トレイ1との位置決めが必要な場合には、プレート6の4角に、育苗トレイ1の底部全体の4角が填まり込むようなガイドを設けてもよい。また、帯状バネ鋼を用いるこのグリップ体5Bは、そのバネ定数や、開放側の角度を適性にすることで、各収容部に収容された育苗ポットの底部近傍の側壁に適切な付勢力で接触するようにできるので、弾性手段は必要がない。
【0042】
また、保持材2を全部同じ方向でなく、交互に90度方向を変えて設けるようにすると、育苗トレイ1との前後左右の位置決めができるので、その場合は、上述のガイドは設けなくとも良い。
【0043】
図13は、本発明のグリップ体の他例を示す外観斜視図である。このグリップ体5Cは、図12のグリップ体5Bに比べ、保持材2Cが育苗ポットの底角側面に接触するように構成され、なおかつ、一つの育苗ポットPに対して、直交する2対の保持材2Cを設けて、その接触部分には、滑り止め部材3が設けられている。
【0044】
このグリップ体5Cは、育苗トレイ1Aと共に用いられてポットグリッパー10Cを構成し、図1、2に記載のポットグリッパー10と同様の効果を発揮する。また、グリップ体5Cは、4角を接触保持することでより保持を確実にすることができる。
【0045】
また、このグリップ体5Cによれば、育苗トレイ1Aの各収容部の外側底部近傍を抱き込むため、図12のグリップ体5Bのようなガイドは必要性が少ないが、ガイドを設けてもよい。
【0046】
なお、本発明のポットグリッパ−とグリップ体は、上記の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、それらも本発明の技術的範囲に属するものである。
【0047】
例えば、保持材は、一対設けても良いし、二対設けてもよい。弾性手段としては、輪ゴムに変えて、バネ鋼条を使ったリング状スプリングなどであってもよい。また、グリップ体5B、5Cの形状をしたものを、滑り止め部材3を除いて、育苗トレイと同様な硬質合成樹脂を用いて、プレート6等を含んで全体を一体成形するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明のポットグリッパ−とグリップ体は、従来とは全く異なる方法で、簡単な構成で人が扱う際の重さが格段に軽く容易に、積層された育苗ポット積層体から、一層だけの育苗ポットをその配列状態のまま育苗トレイに収容することが要請される産業分野、特に園芸関連分野に用いることができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦横に配列され、積層された育苗ポット積層体から、一層だけの育苗ポットをその配列状態のまま育苗トレイに収容するようにするポットグリッパーと、このポットグリッパーで用いられるグリップ体に関する。
【背景技術】
【0002】
縦横に配列され、積層された育苗ポット積層体から、一層だけの育苗ポットをその配列状態のまま育苗トレイに収容するようにするポットグリッパーについては、例えば、特許文献1〜特許文献5で提案されたものがある。
【0003】
いずれの文献に記載のものも、育苗ポットの開口側から、積層された育苗ポットの最上部の一層分だけを、ポットを外に広げるようにして保持し、別の場所に置かれた育苗トレイの上に位置させた状態で、分離手段で、各育苗ポットを落下させ、各収容部に入るようにするものである。
【0004】
しかしながら、この方法では、ポットグリッパーの構成としては、育苗ポットの開口側の内側に入って育苗ポットを保持する複数の保持具と、この保持具を配列された育苗ポットに応じた配列状態で支持する支持プレートと、各保持具毎の分離手段と、これらの分離手段を同様に支持する分離支持プレート、とが必要で、全体の構成が二段状態で複雑なものにならざるを得なかった。
【0005】
そこで、本願出願人は、上記とは異なる方法で、より簡単な構成で、同様に、積層された育苗ポット積層体から、一層だけの育苗ポットをその配列状態のまま育苗トレイに収容するようにするポットグリッパーはできないものかと研究、試作を重ねた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3921652号公報
【特許文献2】特許第4576188号公報(図1)
【特許文献3】特許第4576189号公報(図1)
【特許文献4】特開2009−89654号公報(図1)
【特許文献5】特開2010−263882号公報(図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題を解決しようとするもので、従来とは全く異なる方法で、簡単な構成で人が扱う際の重さが格段に軽く容易に、積層された育苗ポット積層体から、一層だけの育苗ポットをその配列状態のまま育苗トレイに収容するポットグリッパーと、その要部であるグリッパー体とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のポットグリッパーは、育苗ポットの開口側を下にして、縦横に配列された状態で積層された育苗ポット積層体から、一層ずつ育苗ポットを育苗トレイに収容するものであって、
育苗ポット積層体の最上部の育苗ポットにその育苗ポットを収容すべく、下向きに載せられる育苗トレイと、この育苗トレイの側壁枠のない部分に育苗ポット側へ可撓性のある軽くとも一対の保持板が付勢されて接触するように配置され、前記保持板の育苗ポットに接触する側に設置された滑り止め部材を備えたグリップ体とを備え、前記育苗トレイに前記グリップ体を下向きに載せ、前記グリップ体と前記育苗トレイとを共に育苗ポット積層体に押し付けた後に、前記グリップ体と前記育苗トレイと該育苗トレイの各収容部に前記滑り止め部材によって収容保持された一層分の育苗ポットを持ち上げ、これらのグリップ体、育苗トレイ、育苗ポットの1セットを、育苗ポットの開口側が上になるように適所に裁置し、その後、育苗ポットを収容した育苗トレイを、前記グリップ体から分離するように構成されているので、従来とは全く異なる方法で、簡単な構成で人が扱う際の重さが格段に軽く容易に、積層された育苗ポット積層体から、一層だけの育苗ポットをその配列状態のまま育苗トレイに収容することができる。
【0009】
本発明のグリップ体は、上記のポットグリッパーで記載された構成を備えており、育苗トレイと組み合わせることで、上記ポットグリッパーの効果をグリップ体として発揮する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のポットグリッパーとグリップ体との効果は、上記手段に記載した通りである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のグリップ体の一例を示すもので、(a)はその外観斜視図、(b)は、その要部上面図、(c)は、(b)の側面図
【図2】図1のグリップ体と組み合わせて用いられる育苗トレイを示す外観斜視図
【図3】図1のグリップ体の上に、図2の育苗トレイを載せた状態を示す外観斜視図
【図4】図1、2のグリップ体と育苗トレイとを組み合わせたものを、開口側を下にして配列積層された育苗ポット積層体の底側にはめ込む状態を示す正面図
【図5】(a)は、図4の状態から、グリップ体と育苗トレイとを組み合わせたものを育苗ポット積層体の底側に押し込んだ状態を示す正面図、b)はその一収容部の拡大断面図
【図6】一層だけの育苗ポットと共にグリップ体と育苗トレイとを持ち上げた状態を示す正面図
【図7】一層の育苗ポットを収容した育苗トレイとグリップ体を開口側が上になる姿勢とした状態を示す正面図
【図8】一層の育苗ポットを収容した育苗トレイをグリップ体から分離する状態を示す正面図
【図9】一層だけ分離され育苗トレイに収容された状態の育苗ポットを示す外観斜視図
【図10】本発明のグリップ体の他例を示すもので、(a)はその外観斜視図、(b)は、その要部上面図、(c)は、(b)の側面図
【図11】図10のグリップ体と組み合わせて用いられる育苗トレイを示す外観斜視図
【図12】本発明のグリップ体の他例を示す外観斜視図
【図13】本発明のグリップ体の他例を示す外観斜視図
【符号の説明】
【0012】
1、1A 育苗トレイ
2〜2C 保持材
3 滑り止め部材
4 弾性手段(輪ゴム)
5〜5C グリップ体
10〜10C ポットグリッパー
P 育苗ポット
PO 開口
PB 底部
PS 側壁部
PM 育苗ポット積層体
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
<実施形態1>
【0014】
図1は、本発明のグリップ体の一例を示すもので、(a)はその外観斜視図、(b)は、その要部上面図、(c)は、(b)の側面図である。
【0015】
図1に示されたグリップ体5は、一般に市場に出回っている角形のポット収容部5aを縦横に配列した育苗トレイから、底部を切り取り、各辺の中央部分に設けられた側壁枠5eの内、対向する一対のものを保持材2とし、この保持材2の底部に近い部分の内側に滑り止め部材3を取り付け、保持材2の最端部に対向する保持材2との間に相互に引き合う付勢力を発揮する弾性手段4(この例では、輪ゴムであるが、これに限定されるものではない。)を設けたものである。
【0016】
グリップ体5は、上記特徴点を除けば、一般の育苗トレイと同じ構成であって、上記外に、最上部の外形を形成する一対の長手枠5bと、この長手枠5bに直交する一対の横手枠5cと、各収容部を形成する中間枠5dとを備えている。
【0017】
このグリップ体5は、既成の育苗トレイの底部を取り除き、各辺の中央に設けられた側壁枠5eを、保持材2として、弾性手段4による付勢力をあたえ、かつ、滑り止め部材3を、以下に説明するように、収容すべき育苗トレイの側壁枠の間から、各育苗トレイの底部付近の側壁に付勢されて接触するようにしたものである。
【0018】
なお、このグリップ体5は、テスト用に余計な加工を軽くして、初期の目的を達成するように構成された、試作品であり、後述するように、製品としては、その機能を発揮するするのに必要なものだけを組み合わせたものが適している。
【0019】
また、滑り止め部材3の素材としては、特許文献2に記載の「可撓性を有するシート体の表面に、微細な凸凹が不規則に密集して形成された鑢状のもの」や、紙やすりや布やすり(いわゆるサンドペーパー)や、ダースボンド(登録商標。日本ダースボンド株式会社製)や、ナイロン不織布に硬質の粒を貼着したものや、滑り止め効果のあるゴムシートや、車のトランクなどに敷いて、荷物の移動を止めるような合成樹脂製の滑り染めであってもよく、要するに、滑り止め機能のあるものであれば、どのようなものでも適切である。
【0020】
図3は、図1のグリップ体の上に、図2の育苗トレイを載せた状態を示す外観斜視図であり、これら両者が一体となって、本発明のポットグリッパー10を構成している。なお、これより既に説明した部分には同じ符号を付して、重複説明を省略する。
【0021】
この図を見ると解るように、育苗トレイ1は、角部分に側壁枠1eがあるので、辺部分にはなにもなく、ここに、グリップ体5の滑り止め部材3を備えた保持材2が弾性手段(輪ゴム)4で対向する保持材2に近づくように付勢されているので、この育苗トレイ1の収容部1aに収容された育苗ポットPの側壁に滑り止め部材3が付勢されて接触状態となる。
【0022】
図4は、 図1、2のグリップ体と育苗トレイとを組み合わせたものを、開口側を下にして配列積層された育苗ポット積層体の底側にはめ込む状態を示す正面図である。本発明の特徴の一つは、育苗ポット積層体PMが、その開口を下にして積層されているという点である。なお、最下層には、育苗トレイ1が開口側を下にして台B上に置かれ、育苗ポット積層体PMの各育苗ポットを各収容部の外側部分で受けている。
【0023】
図5(a)は、図4の状態から、グリップ体と育苗トレイとを組み合わせたものを育苗ポット積層体の底側に押し込んだ状態を示す正面図、(b)はその一収容部の拡大断面図である。
【0024】
この時、図5(b)に示すように、育苗トレイ1の各収容部1aの側壁部分はなにも無いので、そこにグリップ体5の滑り止め部材3を備えた保持材2が弾性手段4で付勢された状態で、育苗ポットPの側壁の底部に近い部分に接触するようになっている。その接触部分には、滑り止め部材3があり、この育苗ポットに接触するように付勢された滑り止め部材3により、育苗ポット積層体PMの最上層の一層だけの育苗ポットPだけがポットグリッパー10と一緒に持ち上がる。
【0025】
図6は、一層だけの育苗ポットと共にグリップ体と育苗トレイとを持ち上げた状態を示す正面図である。何回も実験を繰り返したが、概ね、配列された全部の育苗ポットを各一層だけ持ち上げることができた。
【0026】
図7は、一層の育苗ポットを収容した育苗トレイとグリップ体を開口側が上になる姿勢とした状態を示す正面図であり。上から順に、一層の育苗ポットP、育苗トレイ1、グリップ体5が三層に積み重なって台Bの別の位置に置かれている。
【0027】
図8は、一層の育苗ポットを収容した育苗トレイをグリップ体から分離する状態を示す正面図である。グリップ体5の滑り止め部材3が育苗ポットを保持する力は、逆さまにした状態で育苗ポットPが落ちない程度であり、その保持力に抗してし、育苗トレイ1に収容された育苗ポットPを確実に分離することができる。
【0028】
図9は、一層だけ分離され育苗トレイに収容された状態の育苗ポットを示す外観斜視図である。次に一層だけ分離され育苗トレイ1に収容された状態の育苗ポットPを、この上に順次重ねていくか、次の工程に回すようにすればよい。
【0029】
こうして、本発明のポットグリッパー10によれば、育苗ポット積層体PMの最上部の育苗ポットPにその育苗ポットPを収容すべく、下向きに載せられる育苗トレイ1と、この育苗トレイ1の側壁枠のない部分に育苗ポット側へ可撓性のある軽くとも一対の保持板3が付勢されて接触するように配置され、前記保持板2の育苗ポットPに接触する側に設置された滑り止め部材3を備えたグリップ体5とを備え、前記育苗トレイ1に前記グリップ体5を下向きに載せ、前記グリップ体5と前記育苗トレイ1とを共に育苗ポット積層体PMに押し付けた後に、前記ポットグリッパー10により前記グリップ体5の滑り止め部材3によって収容保持された一層分の育苗ポットPと共に持ち上げ、これらのグリップ体5、育苗トレイ1、育苗ポットPの1セットを、育苗ポットPの開口側が上になるように適所に裁置し、その後、育苗ポットを収容した育苗トレイ1を、前記グリップ体5から分離することで、従来とは全く異なる方法で、簡単な構成で人が扱う際の重さが格段に軽く容易に、積層された育苗ポット積層体から、一層だけの育苗ポットをその配列状態のまま育苗トレイに収容することができる。
【0030】
また、本発明のグリッパー体5は、上記ポットグリッパー10に含まれるグリップ体5と同じ構成であり、育苗トレイ1と組み合わせることで、上記、ポットグリッパー10の効果を、グリッパー体5として発揮する。
【0031】
また、本発明のポットグリッパーは、従来の育苗ポットの開口側を開くようにする技術に比べ、育苗ポットの底部付近の側壁あるいは角側壁に適当な力で滑り止め材を押しつけ、ポットグリッパーから落ちないようにした点に特徴が有り、内から外へ広げるものとは、全く、反対に外から内へ軽く押しつけるようにした点が従来の技術と異なっている。
【0032】
また、ポットグリッパーの構成部品として、育苗ポットを収容すべき育苗トレイを用いたので、グリッパー体の構成は、製品としては、図12、図13に示されるように、非常にシンプルで軽いものとなり、コスト的にも安くなる。
【0033】
また、開口側を下にして育苗ポットを積層すると、底部を下に籍層する場合に比べ、上段に行くにつれての各育苗ポットの底部間の間隔が広がることが少ないので、育苗ポット積層体の最上段の育苗ポットに育苗トレイを入れる際に、より問題なくいれることができる。
【0034】
<実施形態2>
図10は、本発明のグリップ体の他例を示すもので、(a)はその外観斜視図、(b)は、その要部上面図、(c)は、(b)の側面図、図11は、図10のグリップ体と組み合わせて用いられる育苗トレイを示す外観斜視図である。
【0035】
図10のグリップ体5Aは、図1のものに比べ、各角の側壁枠5iの内の対向する一対が保持材2Aとされ、その育苗ポットに接触する側に滑り止め部材3が設けられ、一対の保持材2Aの端部が弾性手段4Aで内側への付勢力が与えられ、これにより、滑り止め部材3が育苗ポットPの底部近傍の角壁部分に接触するようになっている点が異なっている。
【0036】
図11の育苗トレイ1Aは、このようなグリップ体5Aに適用できるように、収容部の各編に側壁枠1gが設けられている点が、図2の育苗トレイ1と異なっている。
【0037】
このようなグリップ体5Aと育苗トレイ1Aとを組み合わせたポットグリッパー10Aも、これまでの本願のポットグリッパー10の説明から解るように、同様の効果を発揮し、また、グリップ体5Aも育苗トレイ1Aと組み合わせることで、図1のグリッパー体1と同じ効果を発揮する。
【0038】
<実施形態3>
図12は、本発明のグリップ体の他例を示す外観斜視図である。このグリップ体5Bは、既述したものに比べて、育苗トレイに少し改良を加えたものでなく、グリップ体5Bとしての必要な機能だけを抽出して構成したものである。
【0039】
このグリップ体5Bは、図1のグリップ体5の保持材2に相当する部分は、帯状バネ鋼を、育苗ポットの底部と側壁部との形状に合わせて、逆台形型に屈曲加工し、真ん中の平板部分で、プレート6に、育苗トレイ1の角側枠1eに干渉しないように、空間のある辺部分方向に設けられた保持材2Bを育苗トレイ1の縦横配列に対応させて取付け、育苗ポットの底部近傍の側壁に接触する部分には、滑り止め部材3が設置されているものである。
【0040】
このグリップ体5Bには、育苗トレイ1と共に掴むのに掴みやすくする把持部7が設けられている。このような構成で、このグリップ体5Bは、育苗トレイ1と組み合わせて、ポットグリッパー10Bとして、ポットグリッパー10と同様の効果を発揮し、グリップ体5Bもグリップ体5と同様の効果を発揮する。
【0041】
なお、育苗トレイ1との位置決めが必要な場合には、プレート6の4角に、育苗トレイ1の底部全体の4角が填まり込むようなガイドを設けてもよい。また、帯状バネ鋼を用いるこのグリップ体5Bは、そのバネ定数や、開放側の角度を適性にすることで、各収容部に収容された育苗ポットの底部近傍の側壁に適切な付勢力で接触するようにできるので、弾性手段は必要がない。
【0042】
また、保持材2を全部同じ方向でなく、交互に90度方向を変えて設けるようにすると、育苗トレイ1との前後左右の位置決めができるので、その場合は、上述のガイドは設けなくとも良い。
【0043】
図13は、本発明のグリップ体の他例を示す外観斜視図である。このグリップ体5Cは、図12のグリップ体5Bに比べ、保持材2Cが育苗ポットの底角側面に接触するように構成され、なおかつ、一つの育苗ポットPに対して、直交する2対の保持材2Cを設けて、その接触部分には、滑り止め部材3が設けられている。
【0044】
このグリップ体5Cは、育苗トレイ1Aと共に用いられてポットグリッパー10Cを構成し、図1、2に記載のポットグリッパー10と同様の効果を発揮する。また、グリップ体5Cは、4角を接触保持することでより保持を確実にすることができる。
【0045】
また、このグリップ体5Cによれば、育苗トレイ1Aの各収容部の外側底部近傍を抱き込むため、図12のグリップ体5Bのようなガイドは必要性が少ないが、ガイドを設けてもよい。
【0046】
なお、本発明のポットグリッパ−とグリップ体は、上記の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、それらも本発明の技術的範囲に属するものである。
【0047】
例えば、保持材は、一対設けても良いし、二対設けてもよい。弾性手段としては、輪ゴムに変えて、バネ鋼条を使ったリング状スプリングなどであってもよい。また、グリップ体5B、5Cの形状をしたものを、滑り止め部材3を除いて、育苗トレイと同様な硬質合成樹脂を用いて、プレート6等を含んで全体を一体成形するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明のポットグリッパ−とグリップ体は、従来とは全く異なる方法で、簡単な構成で人が扱う際の重さが格段に軽く容易に、積層された育苗ポット積層体から、一層だけの育苗ポットをその配列状態のまま育苗トレイに収容することが要請される産業分野、特に園芸関連分野に用いることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
育苗ポットの開口側を下にして、縦横に配列された状態で積層された育苗ポット積層体から、一層ずつ育苗ポットを育苗トレイに収容するポットグリッパーであって、
育苗ポット積層体の最上部の育苗ポットにその育苗ポットを収容すべく、下向きに載せられる育苗トレイと、この育苗トレイの側壁枠のない部分に育苗ポット側へ可撓性のある軽くとも一対の保持板が付勢されて接触するように配置され、前記保持板の育苗ポットに接触する側に設置された滑り止め部材を備えたグリップ体とを備え、前記育苗トレイに前記グリップ体を下向きに載せ、前記グリップ体と前記育苗トレイとを共に育苗ポット積層体に押し付けた後に、前記グリップ体と前記育苗トレイと該育苗トレイの各収容部に前記滑り止め部材によって収容保持された一層分の育苗ポットを持ち上げ、これらのグリップ体、育苗トレイ、育苗ポットの1セットを、育苗ポットの開口側が上になるように適所に裁置し、その後、育苗ポットを収容した育苗トレイを、前記グリップ体から分離するように構成されたポットグリッパ−。
【請求項2】
育苗ポットの開口側を下にして、縦横に配列された状態で積層された育苗ポット積層体から、一層ずつ育苗ポットを育苗トレイに収容するポットグリッパーで用いられるグリップ体であって、
育苗ポット積層体の最上部の育苗ポットにその育苗ポットを収容すべき育苗トレイを下向きに載せ、この育苗トレイの上に、該育苗トレイの側壁枠のない部分に、育苗ポット側へ可撓性のある軽くとも一対の保持板が付勢されて接触するように配置され、前記保持板の育苗ポットに接触する側に設置された滑り止め部材を備えた前記グリップ体を下向きに載せ、前記グリップ体と前記育苗トレイとを共に育苗ポット積層体に押し付けた後に、前記グリップ体と前記育苗トレイと該育苗トレイの各収容部に前記滑り止め部材によって収容保持された一層分の育苗ポットを持ち上げ、これらのグリップ体、育苗トレイ、育苗ポットの1セットを、育苗ポットの開口側が上になるように適所に裁置し、その後、育苗ポットを収容した育苗トレイから分離されるように構成されたグリップ体。
【請求項1】
育苗ポットの開口側を下にして、縦横に配列された状態で積層された育苗ポット積層体から、一層ずつ育苗ポットを育苗トレイに収容するポットグリッパーであって、
育苗ポット積層体の最上部の育苗ポットにその育苗ポットを収容すべく、下向きに載せられる育苗トレイと、この育苗トレイの側壁枠のない部分に育苗ポット側へ可撓性のある軽くとも一対の保持板が付勢されて接触するように配置され、前記保持板の育苗ポットに接触する側に設置された滑り止め部材を備えたグリップ体とを備え、前記育苗トレイに前記グリップ体を下向きに載せ、前記グリップ体と前記育苗トレイとを共に育苗ポット積層体に押し付けた後に、前記グリップ体と前記育苗トレイと該育苗トレイの各収容部に前記滑り止め部材によって収容保持された一層分の育苗ポットを持ち上げ、これらのグリップ体、育苗トレイ、育苗ポットの1セットを、育苗ポットの開口側が上になるように適所に裁置し、その後、育苗ポットを収容した育苗トレイを、前記グリップ体から分離するように構成されたポットグリッパ−。
【請求項2】
育苗ポットの開口側を下にして、縦横に配列された状態で積層された育苗ポット積層体から、一層ずつ育苗ポットを育苗トレイに収容するポットグリッパーで用いられるグリップ体であって、
育苗ポット積層体の最上部の育苗ポットにその育苗ポットを収容すべき育苗トレイを下向きに載せ、この育苗トレイの上に、該育苗トレイの側壁枠のない部分に、育苗ポット側へ可撓性のある軽くとも一対の保持板が付勢されて接触するように配置され、前記保持板の育苗ポットに接触する側に設置された滑り止め部材を備えた前記グリップ体を下向きに載せ、前記グリップ体と前記育苗トレイとを共に育苗ポット積層体に押し付けた後に、前記グリップ体と前記育苗トレイと該育苗トレイの各収容部に前記滑り止め部材によって収容保持された一層分の育苗ポットを持ち上げ、これらのグリップ体、育苗トレイ、育苗ポットの1セットを、育苗ポットの開口側が上になるように適所に裁置し、その後、育苗ポットを収容した育苗トレイから分離されるように構成されたグリップ体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−254030(P2012−254030A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128190(P2011−128190)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(593049914)株式会社東海化成 (20)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(593049914)株式会社東海化成 (20)
【Fターム(参考)】
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