説明

ポップアップバネおよびディスク記録及び/又は再生装置

【課題】 カートリッジ押えバネが作用した時に発生する捻り応力によって容易に変形することのないポップアップバネを提供する。
【解決手段】
ポップアップバネ116は、カートリッジホルダ102の上面に設けられていて、開閉蓋110によってカートリッジ挿抜位置に移動させた時にカートリッジホルダと開閉蓋110との間にクリアランスを形成し、開閉蓋110によってカートリッジホルダを記録再生位置に移動させる時に開閉蓋110の内面で押されて撓んでカートリッジホルダの上面と開閉蓋110の内面を接近させる。ポップアップバネ116は、細長い板バネ状に形成されている。ポップアップバネ116は、長さ方向に沿って伸びる刳り貫き部118と、刳り貫き部118を跨いで幅方向の両側部を連結する梁部119と、分岐部を介して一側部から分岐するカートリッジ押えバネ部117と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジホルダをカートリッジ挿抜位置に移動させると該カートリッジホルダからホルダカバーを離間させて該ホルダカバーによる上記カートリッジホルダのカートリッジ挿抜口の閉塞を解除してディスクカートリッジを挿入可能な状態にすると共に、ホルダカバーによってカートリッジホルダを記録再生位置に移動させると、ホルダカバーの内面で押されて撓んでホルダカバーをカートリッジホルダに密着させて、ホルダカバーにより上記カートリッジ挿抜口の閉塞させるポップアップバネおよび該ポップアップバネを備えたディスク記録及び/又は再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポップアップバネを備えたディスク記録及び/又は再生装置として図21〜図24に示すものが知られている。
【0003】
図21〜図23は、ポップアップバネを備えたディスク記録及び/又は再生装置311を搭載したゲーム機等の電子機器301を示す。上記電子機器301は、偏平な横長の形状に形成されていて、図21に示すように、上記電子機器301の外筐302の前面302a側の中央部には液晶等の表示部303が配置され、両側部には複数のコントロールキイ304が配置されている。また、図22に示すように、上記電子機器301の外筐302の背面側302bの中央部には回動開閉可能な蓋部305が設けられている。図23に示すように、上記蓋部305に上記ディスク記録及び/又は再生装置311のカートリッジホルダ312が保持され、外筐302側に上記ディスク記録及び/又は再生装置311のシャーシ313が取付けられていて、上記蓋部305を開けば一緒にカートリッジホルダ312も回動して、カートリッジ挿抜位置に移動するようになっている。
【0004】
上記蓋部305を開けば、カートリッジホルダ312の上面に設けたポップアップバネ306によって、カートリッジホルダ312に対して蓋部305が押し上げられてカートリッジホルダ312から離間して、蓋部305の前面板305aによるカートリッジホルダ312のカートリッジ挿抜口312aの閉塞が解除され、該カートリッジ挿抜口312aにディスクカートリッジ(図示省略)が挿抜可能になる。
【0005】
また、図23に示す状態から、蓋部305を閉じると、蓋部305の内面でポップアップバネ306が押されて撓んで、蓋部305をカートリッジホルダ312に密着させて、蓋部305の前面板305aにより上記カートリッジ挿抜口312aを閉塞する。
【0006】
図24に示すように、従来のポップアップバネ306は、カートリッジホルダ312の上面板312aの一部を切り起こすことにより形成されている。上記ポップアップバネ306の一側部からはカートリッジ押えバネ307が分岐されている。そして、蓋部305を閉じて、ポップアップバネ306が押されて撓んだときに、上記カートリッジ押えバネ307の先端でディスクカートリッジをカートリッジホルダ312のカートリッジ支持部312bに押し付けるようになっている。(例えば、特許文献1参照)
【特許文献1】特開2005−322288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記ポップアップバネ306を使用したディスク記録及び/又は再生装置には、次に述べるような問題点がある。
【0008】
(1)ポップアップバネ306の力量が適性値を下回ると、蓋部305を開いた時に、図23に示すように、カートリッジホルダ312に対して蓋部305を十分に離間させることが出来ず、カートリッジ挿抜口312aからディスクカートリッジを挿入出来ない場合が発生する。
【0009】
(2)ポップアップバネ306の力量が適性値を上回ると、蓋部305を閉じた時に、ポップアップバネ306の反力で蓋部305を強く押すために蓋部305の変形等を引き起こす危険性がある。
【0010】
(3)ポップアップバネ306の力量が適性値を上回ることのないように、ポップアップバネ306の幅を狭くすると、カートリッジ押えバネ307が作用した時に、ポップアップバネ306に捻り応力が発生して、ポップアップバネ306が塑性変形する虞がある。
【0011】
本発明の目的は、幅を広くした場合でも、ポップアップバネの力量が適性値を上回ることのないポップアップバネを提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、カートリッジ押えバネが作用した時に発生する捻り応力によって容易に塑性変形することのないポップアップバネを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、カートリッジホルダの上面に設けられていて、該カートリッジホルダをホルダカバーによってカートリッジ挿抜位置に移動させた時に上記カートリッジホルダと上記ホルダカバーとの間にカートリッジ挿入のためのクリアランスを形成し、上記ホルダカバーによって上記カートリッジホルダを記録再生位置に移動させる時に上記ホルダカバーの内面で押されて撓んでカートリッジホルダの上面と上記ホルダカバーの内面を接近させる板バネ状のポップアップバネにおいて、
ポップアップバネに、長さ方向に沿って伸びる刳り貫き部と、該刳り貫き部を跨いで両側部を連結する梁部と、分岐部を介して一側部から分岐するカートリッジ押えバネと、を設けた。
【発明の効果】
【0014】
刳り貫き部によってポップアップバネの力量を適性値に設定することができる。また、刳り貫き部を設けることによりポップアップバネは捻れ易くなるが、梁部によってポップアップバネの捻れを抑制することができる。特に、梁部を、カートリッジ押えバネ部の分岐部の近傍に設けることにより、カートリッジ押えバネ部が作用した時に発生する捻り応力を、上記梁部を介して刳り貫き部の両側部に分散してポップアップバネの捩れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を(1)ディスク記録及び/又は再生装置全体の概略構成、(2)カートリッジホルダおよびポップアップバネの構成、(3)ディスクカートリッジの構成、(4)イジェクトレバー、イジェクトレバー付勢部材およびイジェクトレバーロック部材の構成、(5)イジェクトレバーロック解除機構の構成、(6)シャーシの構成、(7)記録及び/又は再生装置の構成、(8)その他の構成および他の実施例、(9)作用、の順に説明する。
【0016】
(1)ディスク記録及び/又は再生装置全体の概略構成、
図1はディスクカートリッジ1を挿入するカートリッジホルダ102がカートリッジ挿抜位置に在る状態のディスク記録及び/又は再生装置の斜視図、図2はカートリッジホルダ102にディスクカートリッジ1を挿入した状態のディスク記録及び/又は再生装置の斜視図、図3はカートリッジホルダ102が記録再生位置に在る状態のディスク記録及び/又は再生装置の斜視図、図4は裏面側から見た平面図、図5は分解斜視図である。
【0017】
ディスク記録及び/又は再生装置101は、ディスクカートリッジ1を挿入、保持するカートリッジホルダ102と、カートリッジホルダ102をカートリッジ挿抜位置と記録再生位置の相互間で移動可能に支持しているシャーシ103と、シャーシ103に設けられていてディスクカートリッジ1の記録及び/又は再生を行なう記録及び/又は再生装置104と、シャーシ103にディスクカートリッジ1の挿抜方向に回動移動(以下、単に回動と称する)可能に、且つシャーシ103に対して接離方向に移動可能に設けられていてカートリッジホルダ102に挿入されてきたディスクカートリッジ1によって押されて回動するイジェクトレバー105と、イジェクトレバー105にディスクカートリッジ排出方向の回動力およびシャーシ103に接近する方向の力を付与している付勢手段としての第1の付勢部材106と、イジェクトレバー105のイジェクト途中において上記第1の付勢部材106の回動力を弱める方向の付勢力をイジェクトレバー105に付与する第2の付勢部材107と、ディスクカートリッジ1の挿入によって回動されたイジェクトレバー105をシャーシ103にロック(位置決め係止)するイジェクトレバーロック部材108と、上記カートリッジホルダ102を記録再生位置からカートリッジ挿抜位置に回動させたときにイジェクトレバーロック部材108によるイジェクトレバー105のロック(係止)を解除するイジェクトレバーロック解除機構109と、を備えている。上記イジェクトレバーロック解除機構109は、板バネ材によって上記カートリッジホルダ102とは別個に形成されていて上記カートリッジホルダ102に取付けられている。
【0018】
上記カートリッジホルダ102の上面板102aのカートリッジ挿抜口102n側の近傍には左右一対のポップアップバネ116が設けられている。
【0019】
図1に示すように、カートリッジホルダ102がカートリッジ挿抜位置に在る状態(カートリッジホルダ102がシャーシ103に対して所定の傾斜角度で傾斜している状態)において、イジェクトレバー105は、カートリッジホルダ102に挿入されたディスクカートリッジ1の前面で押されて回動する前はイジェクトレバーロック部材108上に覆い被さっていて、第1の付勢部材106の付勢力によってイジェクトレバーロック部材108の上端に押し付けられている。
【0020】
図2に示すように、ディスクカートリッジ1をカートリッジホルダ102内に挿入すると、ディスクカートリッジ1の前面でイジェクトレバー105の被押圧部105cが押され、イジェクトレバー105は、軸105fを中心にして第1の付勢部材106の付勢力に抗して時計方向に回動する。そして、ディスクカートリッジ1がカートリッジホルダ102内に完全に収納された状態になると、イジェクトレバー105のイジェクトレバーロック部材108上への乗り上げが解除され、イジェクトレバー105は、第1の付勢部材106によってシャーシ103上面に重なる。そして、イジェクトレバーロック部材108がイジェクトレバー105の外側面105gに係合して、イジェクトレバー105の戻り回動が阻止される。
【0021】
図3に示すように、ディスクカートリッジ1を挿入してカートリッジホルダ102を記録再生位置に移動させると、図7のCに示すように、イジェクトレバーロック解除機構109の係合部109gがイジェクトレバー105の被操作部105eの下面105iに係合する。
【0022】
このように、カートリッジホルダ102を記録再生位置に移動させた状態で記録再生が行われる。記録再生終了後にカートリッジホルダ102を、カートリッジ挿抜位置に移動させると、図8のCに示すように、イジェクトレバーロック解除機構109の係合部109gによってイジェクトレバー105が持ち上げられて、イジェクトレバーロック部材108によるイジェクトレバー105の係合(ロック)が解除されて、イジェクトレバー105は第1の付勢部材106によって反時計方向に戻り回動してカートリッジホルダ102からディスクカートリッジ1を押し出す。
【0023】
(2)カートリッジホルダおよびポップアップバネの構成、
図5に示すように、上記カートリッジホルダ102は、略正方形状の上面板(天面板)102aと、該上面板102aの左右両側部を下方に向けて略直角に折り曲げることにより形成された左右の側面板(以下、第1,第2の側面板と称する)102b,102cと、これら第1,第2の側面板102b,102cの下端を内側に向けて略直角に折り曲げることにより形成されていて挿入されたディスクカートリッジ1の下面の左右両側部を支持する左右一対の第1、第2カートリッジ支持部102d,102eおよび第2カートリッジ支持部102eよりも奥側に所定の間隔をもって設けられている第3,第4カートリッジ支持部102f,102gと、第1、第2カートリッジ支持部102d,102eの前縁を下方に向けて折り曲げることにより形成された受け面部102h,102iと、を備えている。そして、これら上面板102a、第1,第2の側面板102b,102c、左右一対のカートリッジ支持部102d,102e等によってカートリッジ挿抜口102nおよび収納部102pが形成されている。
【0024】
上記上面板102aの中央部には軽量化等を図るために亀甲形の開口部111が打ち抜き形成されている。上記上面板102aの開口部111の左右両側部にはディスクカートリッジ挿入方向と略平行に左右一対の第1,第2の板バネ部112,113が上記上面板102aの一部を切り起こすことにより形成されている。これら第1,第2の板バネ部112,113は、先端の自由端側が上記収納部102p内に入り込むように屈曲されていて、上記収納部102p内に挿入されたディスクカートリッジ1の上面を押圧して該ディスクカートリッジ1を上記第1〜第4カートリッジ支持部102d〜102g側に押し付けるようになっている。
【0025】
また、上記上面板102aの開口部111よりも前端側(挿入口102n側)には、中央部からディスクカートリッジ挿入方向と略直交する方向に向かって伸びる左右一対の第1,第2の板バネ部114,115が上記上面板102aの一部を切り起こすことにより形成されている。
【0026】
図11に拡大して示すように、第3,第4の板バネ部114,115は、細長い略四角形状のポップアップバネ116と、該ポップアップバネ116の一側部から分岐されてポップアップバネ116と平行に伸びる細長い略四角形状のカートリッジ押えバネ117と、からなっている。ポップアップバネ116の幅W1は、カートリッジ押えバネ117の幅W2よりも幅広に形成されている。
【0027】
ポップアップバネ116は、長さ方向に伸びる刳り貫き部118によって所謂枠状に形成されていると共に、刳り貫き部118には梁部119が設けられている。梁部119は、カートリッジ押えバネ117の付根部分、即ちポップアップバネ116からカートリッジ押えバネ117が分岐されている部分の近傍に設けられている。
【0028】
ポップアップバネ116の付根部116aやカートリッジ押えバネ117の付根部117a或いは刳り貫き部118の端部118a等は、アール状に形成されて、これらポップアップバネ116やカートリッジ押えバネ117が撓んだときに応力が1箇所に集中するのを防止している。
【0029】
また、図12に示すように、ポップアップバネ116は、付根部116aにおいて緩やかなアールによって折り曲げられていてポップアップバネ116が撓んだときに応力が付根部116aの1箇所に集中するのを防止している。また、カートリッジ押えバネ117は、ポップアップバネ116の途中から上面板102aに対して略平行に、或いはポップアップバネ116の対して略平行に伸びている。
【0030】
図13、図14に示すように、ポップアップバネ116の先端部116bは、カートリッジホルダ102を記録再生位置とカートリッジ挿抜位置の間で回動移動させるキャビネットのホルダカバー(以下、開閉蓋と称する)110の内面110aに接触するようになっている。カートリッジホルダ102内にディスクカートリッジ1を挿入して開閉蓋110を閉じると、図15に示すように、カートリッジホルダ102は、記録再生位置に移動する。そして、開閉蓋110の内面110aでポップアップバネ116の先端部116bが押されてポップアップバネ116がディスクカートリッジ1側に撓む。ポップアップバネ116が撓むと、ポップアップバネ116の一側部から分岐されているカートリッジ押えバネ117の先端部117aがディスクカートリッジ1の上面に接触してディスクカートリッジ1をカートリッジホルダ102のカートリッジ支持部に押し付ける。このとき、カートリッジ押えバネ117の反力によりポップアップバネ116には、捻れ方向の力が作用するが、ポップアップバネ116に設けた梁部119等によって、捻れ方向の力はポップアップバネ116の全域に分散されて、ポップアップバネ116が捻れ方向に塑性変形するのが阻止される。
【0031】
上述のように、第1,第2の板バネ112,113の先端部と、第3,第4の板バネ114,115のポップアップバネ116及びカートリッジ押えバネ117のバネ力でディスクカートリッジ1を第1〜第4カートリッジ支持部102d〜102gに押し付けた状態で記録再生が行われる。記録再生終了後に開閉蓋110を開くとカートリッジホルダ102は、カートリッジ挿抜位置に回動移動する。そして、図13に示すように、ポップアップバネ116によりカートリッジホルダ102と開閉蓋110との間に所定のクリアランスCを形成して、開閉蓋110の前面板110bによるカートリッジホルダ102のカートリッジ挿抜口102nの閉塞を解除して、カートリッジ挿抜口102nを開放する。
【0032】
図1に示すように、カートリッジホルダ102の第1の側面板102bには上記第1の付勢部材106によるディスクカートリッジ1の排出に制動力を付与して上記ディスクカートリッジ1がカートリッジホルダ102から脱落するのを阻止するカートリッジ脱落防止手段としてのカートリッジ脱落防止部材211が切り起こし形成されている。上記カートリッジ脱落防止部材211は、カートリッジホルダ102のカートリッジ挿抜口102n側に向かって伸びる弾性片部212と、該弾性片部212の先端部に設けられていてディスクカートリッジ排出時にディスクカートリッジ1の第1の側面3bに摺接する凸部213と、で構成されている。上記凸部213は、ディスクカートリッジ1のカートリッジホルダ102内への収納完了時においては、ディスクカートリッジ1の第1の側面3bに設けた第1の側圧解除用の凹部41内に嵌合して、上記第1の側面3bに対して非接触状態になって側圧を解除する。
【0033】
また、図16に示すように、上記カートリッジホルダ102の第2の側面板102cのカートリッジ挿抜口102n側の端部には、カートリッジ収納部102p内に突出するカートリッジ挿入ガイド用の凸部214が設けられている。上記カートリッジ挿入ガイド用の凸部214は、上記カートリッジホルダ102の第2の側面板102cの厚み方向の略中央部に切り起こし形成されている。
【0034】
カートリッジ挿入ガイド用の凸部214は、図16に示すように、ディスクカートリッジ1を正規の姿勢でカートリッジホルダ102に挿入した場合に、ディスクカートリッジ1の一側面3cに設けたガイド溝42内に導入される。そして、ディスクカートリッジ1が所定の位置まで挿入されると、カートリッジ挿入ガイド用の凸部214は、ガイド溝42の先端部に連続して設けられた第2の側圧解除用の凹部43内に位置してディスクカートリッジ1と非接触状態になる。
【0035】
カートリッジ挿入ガイド用の凸部214は、ディスクカートリッジ1をカートリッジホルダ102内に挿入する際に、ディスクカートリッジ1の挿入をガイドすると共に、図17に示すように、ディスクカートリッジ1の記録及び/又は再生用開口部34にカートリッジホルダ102の第2カートリッジ支持部102eの端部102tや第3カートリッジ支持部102f等が侵入して、これら第2カートリッジ支持部102e等によりディスク状記録媒体の情報記録面がダメージを受けるのを防止する。
【0036】
即ち、ディスクカートリッジ1がシャッターレスタイプのものである場合には、記録及び/又は再生用開口部34が常に開放された状態になっているために、ディスクカートリッジ1をカートリッジホルダ102内に挿入する際などにおいて、ディスクカートリッジ1に何等かの理由で強い押し下げ力が加わった場合に、記録及び/又は再生用開口部34にカートリッジホルダ102の第2カートリッジ支持部102eの端部102tや第3カートリッジ支持部102f等が侵入して、これら第2カートリッジ支持部102eの端部102t等によりディスク状記録媒体の情報記録面が傷付けられたり、或いはディスクカートリッジ1内のディスク状記録媒体の外周面が第2カートリッジ支持部102eに乗り上げたりする虞がある。カートリッジ挿入ガイド用の凸部214は、ディスクカートリッジ1のガイド溝42の上面42a(図16参照)に接触し、ディスクカートリッジ1の厚さ方向への動きを規制して、記録及び/又は再生用開口部34にカートリッジホルダ102の第2カートリッジ支持部102eの端部102tや第3カートリッジ支持部102f等が侵入して、第2カートリッジ支持部102eの端部102t等によりディスク状記録媒体の情報記録面が傷付けられたり、ディスク状記録媒体の外周面が第3のカートリッジ支持部102fに乗り上げたりするのを防止する。
【0037】
また、カートリッジ挿入ガイド用の凸部214は、ディスクカートリッジ1の誤挿入を防止する誤挿入防止部材としても作用する。即ち、ディスクカートリッジ1を表裏逆に挿入した場合にはカートリッジ挿入ガイド用の凸部214がディスクカートリッジ1の側面に当接してディスクカートリッジ1の更なる挿入を阻止する。また、ディスクカートリッジ1を前後逆に挿入した場合には、カートリッジ挿入ガイド用の凸部214がディスクカートリッジ1の第1の側圧解除溝41の端面41aに当接してディスクカートリッジ1の更なる挿入を阻止する。なお、ディスクカートリッジ1の誤挿入は、上記カートリッジ挿入ガイド用の凸部214を設けない場合には、図5に示した、第3のカートリッジ支持部102fにより行うことも可能であるが、カートリッジ挿入ガイド用の凸部214は、第3のカートリッジ支持部102fよりもカートリッジ挿抜口102nに近い位置に設けられているので、カートリッジを誤挿入した場合に、より早い段階で更なるカートリッジの挿入を阻止することが出来る。
【0038】
また、図5に示すように、上記第2の板バネ113とカートリッジホルダ102の第2の側面板102cとの間で、且つ上記カートリッジホルダ102に挿入されたディスクカートリッジ1のカートリッジ本体3の円弧状の前面3aとの間の空間部、所謂デッドスペースに窪み状のイジェクトレバーロック解除機構取付部102jが形成されている。
【0039】
図10に示すように、上記イジェクトレバーロック解除機構取付部102jの側方に位置する上記カートリッジホルダ102の第2の側面板102cには2個の円筒形のボス状の突起102rが形成されている。上記イジェクトレバーロック解除機構109は、上記取付部109aに設けた突起嵌合穴109jに上記ボス状の突起102rを挿入するとともに、重合部109bを上記イジェクトレバーロック解除機構取付部102jの上面に重ね合わせ、上記弾性片部109cとイジェクトレバー操作部109dを上記カートリッジホルダ102内に挿入し、上記ボス状の突起102rの先端部をカシメて拡径することにより、上記カートリッジホルダ102に挿入されたディスクカートリッジ1のカートリッジ本体3の円弧状の前面3aと、カートリッジホルダ102の前面および側面との間で形成される略三角形状のデッドスペースに取付けられている。
【0040】
なお、図1に示すように、上記カートリッジホルダ102の第1,第2カートリッジ支持部102d,102eには,一対の位置決め孔121が形成されていて、これら一対の位置決め孔121には、シャーシ103に設けた位置決めピン122が挿入される。また、上記カートリッジホルダ102の第1,第2の側面板102b,102cの上記カートリッジ挿抜口と反対側の端部には、上記カートリッジホルダ102を次に説明するシャーシ103に回動可能に取付けるための一対の軸受孔123,124が設けられている。
【0041】
(3)ディスクカートリッジの構成、
図19はディスクカートリッジ1を上ハーフ側から見た斜視図、図20はディスクカートリッジ1を下ハーフ側から見た斜視図である。
【0042】
ディスクカートリッジ1は、ディスク状記録媒体2と、上記ディスク状記録媒体2を円形状のディスク収納部内に回転可能に収納しているとともに、上記ディスク状記録媒体2の一部を外部に臨ませる記録及び/又は再生用開口部34を設けたカートリッジ本体3と、を備えている。ディスクカートリッジ1は、記録及び/又は再生用開口部34を開閉するシャッタを具備しない所謂シャッタレスディスクカートリッジとして構成されている。
【0043】
図20に示すように、上記ディスク状記録媒体2は、ゲーム用のソフト等が記録された光ディスク21の中央部にチャッキング用のハブ22を取付けることにより構成されている。上記光ディスク21は、直径50mm程度の小径に形成されている。上記チャッキング用のハブ22は、マグネットに吸引されるステンレス等の磁性金属により形成されている。
【0044】
上記カートリッジ本体3は、上,下ハーフ31,32の周壁を突き合わせることにより形成されている。上記カートリッジ本体3は、前面3a(後に説明するディスク記録及び/又は再生装置への挿入端側の側面)が上記光ディスク21と略同じ曲率半径の円弧状面(半円形状面)に形成され、上記前面3aに連続する左右の側面3b,3cは、互いに平行するフラット面に形成され、上記前面3aに対向する背面3dは、上記左右の側面3b,3cに連続するなだらかに連続する湾曲面に形成されている。
【0045】
上記下ハーフ32の中央部には、上記ディスク状記録媒体2のハブ22を外部に臨ませる駆動用開口部33が設けられている。また、上記駆動用開口部33の近傍から上記一方の側面3cに亘って、上記ディスク状記録媒体2の光ディスク21の情報記録面を外部に臨ませる記録及び/又は再生用開口部34が設けられている。
【0046】
図19に示すように、上記シャッタレスのディスクカートリッジ1は、カートリッジ本体3の第1の側面3bに、ディスクカートリッジ1のカートリッジホルダ102への収納完了時において、先に説明したカートリッジホルダ102のカートリッジ脱落防止部材211の凸部213(図1参照)が嵌合して該凸部213を上記ディスクカートリッジ1のカートリッジ本体3の第1の側面3bに対して非接触状態にして上記カートリッジ脱落防止部材211によるカートリッジホルダ102への側圧を除去するための第1の側圧解除用の凹部41を備えている。
【0047】
また、図20に示すように、第2の側面3cにはディスクカートリッジ1をカートリッジホルダ102へ挿入する際に上記カートリッジホルダ102の第2の側面板102c(図16参照)に設けたカートリッジ挿入ガイド用の凸部214が挿入されてディスクカートリッジ1の挿入をガイドするガイド溝42と、カートリッジホルダ102へのディスクカートリッジ1の収納完了時において、上記カートリッジ挿入ガイド用の凸部214が嵌合して、該凸部214を上記ディスクカートリッジ1のカートリッジ本体3の第2の側面3cに対して非接触状態にして、上記凸部214によるカートリッジホルダ102への側圧を除去するための第2の側圧解除用の凹部43が設けられている。
【0048】
上記ディスクカートリッジ1は、上記駆動用開口部33を介して上記ディスク状記録媒体2のハブ22がディスク記録及び/又は再生装置のディスクテーブル上にマグネットチャッキングされる。また、上記記録及び/又は再生用開口部34を介して上記ディスク状記録媒体2の光ディスク21に対してディスク記録及び/又は再生装置の光学ポップアップにより情報の記録及び/又は再生が行われる。
【0049】
(4)イジェクトレバー、イジェクトレバー付勢部材およびイジェクトレバーロック部材の構成、
イジェクトレバー105は、ディスクカートリッジ1をカートリッジホルダ102内に挿入する際に、カートリッジ本体3の前面3aで押されて、第1の付勢部材106の付勢力に抗して回動し、イジェクトレバーロック部材108により戻り回動不可能にロック(係止)され、記録及び/又は再生終了後に、上記イジェクトレバーロック部材108によるロックを、次に説明するイジェクトレバーロック解除機構109により解除されて上記第1の付勢部材106の付勢力により戻り回動して上記カートリッジホルダ102からディスクカートリッジ1を排出させる。
【0050】
図5に示すように、上記イジェクトレバー105は、上記シャーシ103の上面に重ね合わせる略V字状の平板状主部105aと、該平板状主部105aの一端側にアーム部105bを介して設けられていてカートリッジ本体3の前面3aで押圧される被押圧部105cと、上記平板状主部105aの他端側に設けられた軸受孔105dと、上記軸受孔105dを介して上記被押圧部105cと略対称位置に設けられていて上記イジェクトレバーロック解除機構109のイジェクトレバー操作部109dによってロック解除操作される被操作部105eと、を備えている。
【0051】
上記イジェクトレバー105は、軸105fにより回動可能に上記シャーシ103の上面に取付けられていて、上記カートリッジホルダ102内に挿入されてきたディスクカートリッジ1のカートリッジ本体3の前面3aの中央部が上記被押圧部105cに当接する。また、上記イジェクトレバー105は、上記軸105fによって上記平板状主部105aを上記イジェクトレバーロック部材108によるロックを解除可能な位置まで浮き上がらせることができるように上記シャーシ103の上面に取付けられている。上記イジェクトレバー105は、第1の付勢部材106によりディスクカートリッジ排出方向の回動力を付与されていると共に、シャーシ103側に牽引されている。
【0052】
図6に示すように、第1の付勢部材106には、引張りコイルバネが用いられている。第1の付勢部材106は、上記シャーシ103の下面側に配置されていて一端側が上記シャーシ103に設けた第1のスプリング係止部201に係止され、他端側が上記イジェクトレバー105に設けた第2のスプリング係止部202に係止されている。上記第2のスプリング係止部202は、シャーシ103に設けた切欠孔部203からシャーシ103の下面側に突出している。第2の付勢部材107は、イジェクトレバー105の回動中心軸105fの外周に取付けられていて、一端側がイジェクトレバー105に係止され、他端側がシャーシ103に係止され、イジェクトレバー105にイジェクト途中において、上記第1の付勢部材106の付勢力を弱める力を付与する。第2の付勢部材107には、コイルスプリングが用いられている。
【0053】
イジェクトレバーロック部材108は、第1の付勢部材106に抗してイジェクトレバー105をディスクカートリッジ1がカートリッジホルダ102内に完全に収納される位置まで回動させたときに、上記イジェクトレバー105の平板状主部105aの外側面105gに係合して、上記イジェクトレバー105を戻り回動不可能に係止する。
【0054】
イジェクトレバーロック部材108は、シャーシ103の上面にボス状の凸部を設けることにより形成されている。上記イジェクトレバーロック部材108は、上記第1の付勢部材106の付勢力に抗して上記イジェクトレバー105の平板状主部105aをシャーシ103から浮き上がらせた状態にすると上記イジェクトレバー105の外側面105gと係合が外れるようになっている。上記イジェクトレバーロック部材108との係合が外れたイジェクトレバー105は、平板状主部105aが上記イジェクトレバーロック部材108上に乗り上げて回動し、カートリッジホルダ102からディスクカートリッジ1を排出させる。
【0055】
イジェクトレバー105は、上述のような構成であって、図1に示すように、カートリッジ挿抜位置(カートリッジホルダ102を上記シャーシ103に対して所定の傾斜角度θに傾斜させた状態)において上記カートリッジホルダ102にディスクカートリッジ1を挿入した場合に、カートリッジ本体3の前面3aで上記被押圧部105cが押されて第1の付勢部材106の付勢力に抗して回動し、上記カートリッジホルダ102にディスクカートリッジ1が完全に収納された状態になると、図2に示すように、イジェクトレバー105は、平面状主部105aの外側面105gにイジェクトレバーロック部材108が係合して戻り回動不可能に係止され、図3に示すように、上記カートリッジホルダ102を記録再生位置に回動させた場合でもイジェクトレバー105を戻り回動不可能に維持する。そして、記録及び/又は再生終了後に、カートリッジホルダ102を記録再生位置からカートリッジ挿抜位置に回動させると、図8に示すように、イジェクトレバーロック解除機構109によりイジェクトレバーロック部材108によるイジェクトレバー105の係止を解除する。従って、イジェクトレバー105は、第1の付勢部材106の付勢力により戻り回動してカートリッジホルダ102からディスクカートリッジ1を排出させる。
【0056】
(5)イジェクトレバーロック解除機構の構成、
イジェクトレバーロック解除機構109は、その機能上、ラチェット機構とも称さる。イジェクトレバーロック解除機構109は、板バネ材によってカートリッジホルダ102とは別個に形成されていてカートリッジホルダ102に取付けられている。
【0057】
図9,図10に示すように、イジェクトレバーロック解除機構109は、カートリッジホルダ102の側面に取付け固定(止着)される取付部(止着部)109aと、該取付部109aに対して略直角に折り曲げた状態で連続し上記カートリッジホルダ102の上面102aを凹ませることにより形成したロック解除機構取付部102jの上面に重ね合わせる重合部109bと、該重合部109bに対して鋭角θ1(略80°)に折り曲げた状態で連続しカートリッジホルダ102の上面102aに設けた切欠窓部102kからカートリッジホルダ102内に侵入してシャーシ103側に伸びる弾性片部109cと、該弾性片部109cに対して鈍角θ2(略160°)折り曲げた状態で連続するイジェクトレバー操作部109dと、イジェクトレバー操作部109dがイジェクトレバー105に係合する際に押し上げられて浮き上がるのを防止する浮き上がり防止部109eと、を備えている。浮き上がり防止部109eは、重合部109bの弾性片部109c側の端部の一部を該重合部109bと略平行に、或いは上方に向けて僅かに傾斜させた状態で突出させることにより形成されていて、カートリッジホルダ102の上面板102aの下面に当接されている。
【0058】
イジェクトレバー操作部109dは、図6のCに示すイジェクトレバー105の被操作部105eの側面105hで押圧されて弾性片部109cを撓ませる傾斜面部109fと、上記被操作部105eの側面105hによる上記傾斜面部109fの押圧が解除されて上記弾性片部109cが戻り移動したときに上記被操作部105eの下面105iに係合する係合部109gを備えている。
【0059】
図10に示すように、上記弾性片部109cは、上記イジェクトレバーロック解除機構取付部102jの下面に設けた弾性片位置決め部102mに押し付けられて略直角になるように折り曲げられて所謂予圧が付与されているとともに、所定の位置に位置決めされた状態になっている。上記イジェクトレバーロック解除機構109は、所定の形状に打ち抜いたバネ板材を折り曲げることにより形成されている。
【0060】
図6に示すように、上記イジェクトレバー操作部109dは、上記カートリッジホルダ102をカートリッジ挿抜位置から記録再生位置に移動させる過程で、イジェクトレバー105の被操作部105eの側面105hで上記傾斜面部109fを押圧されて逃げ方向(図6のBの矢印A方向)に移動する。
【0061】
上記カートリッジホルダ102がカートリッジ記録再生位置に移動すると、図8に示すように、上記被操作部105eの側面105hによる上記傾斜面部109fの押圧が解除されて上記弾性片部109cが戻り移動、すなわち弾性復帰して、上記被操作部105eの下面105iに上記係合部109gが係合する。
【0062】
図9に示すように、上記浮き上がり防止部109eは、重合部109bの弾性片部109c側の端部から突出して上記カートリッジホルダ102の下面に当接している。
【0063】
上記重合部109bには、上記浮き上がり防止部109eと上記弾性片部109cとの間にスリット109hが形成されていて、該スリット109hにより上記浮き上がり防止部109eに適度の弾性を付与している。
【0064】
上記浮き上がり防止部109eは、図10に示したように、上記カートリッジホルダ102の上面102aを下方に向けて凹ませることにより形成したリブ状の膨出部102sに接触している。上記リブ状の膨出部102sは、上記浮き上がり防止部109eと略直交する方向に伸びて、カートリッジホルダ102の浮き上がり防止部109eが接触する部分の機械的強度を向上させている。
【0065】
上記浮き上がり防止部109eを含むイジェクトレバーロック解除機構109は、図2に示すように、上記カートリッジホルダ102に挿入されたディスクカートリッジ1のカートリッジ本体3の円弧状の前面3aと上記カートリッジホルダ102の一側面と前面とで構成される略三角形状のデッドスペースとしての遊び空間に配置されている。
【0066】
イジェクトレバーロック解除機構109は、上述のような構成であって、ディスクカートリッジ1を挿入してカートリッジホルダ102を記録再生位置に移動させる際に、図6に示すように、イジェクトレバーロック解除機構109のイジェクトレバー操作部109dがイジェクトレバー105の被操作部105eの側面105hに接触して矢印A方向に撓むのと同時に、イジェクトレバーロック解除機構109を矢印B方向に押し上げて、重合部109bをカートリッジホルダ102から浮き上がらせる方向の力が作用するが、上記浮き上がり防止部109eが上記カートリッジホルダ102の下面に接触しているのでイジェクトレバーロック解除機構109が押し上げられるのを抑制する。
【0067】
また、記録及び/又は再生終了後において上記カートリッジホルダ102をカートリッジ挿抜位置から記録再生位置に移動させる際には、図8,図9に示すように、イジェクトレバーロック解除機構109のイジェクトレバー操作部109dにより上記イジェクトレバー105の被操作部105eの下面105iが持ち上げられてイジェクトレバー105が上記シャーシ103の上面から浮き上がり、上記イジェクトレバーロック部材108による上記イジェクトレバー105の係止が解除され、上記イジェクトレバー105は、第1の付勢部材106の付勢力で回動して、ディスクカートリッジ1をカートリッジホルダ102から押し出す。
【0068】
(6)シャーシの構成、
図5に示すように、シャーシ103は、金属板によって略四角形状に形成されている。上記シャーシ103の四隅部にはダンパ取付部131が設けられていて、これらダンパ取付部131には、ゴム製のダンパ132が取付けられている。上記シャーシ103の左右の側部には、上記カートリッジホルダ102の第1,第2の側面板102b,102cの外側に位置する左右の側壁133,134が設けられている、これら左右の側壁133,134の一端側には、上記カートリッジホルダ102を回動可能に取付けるための一対の軸受部135,136が設けられていて、一方の軸受部135の外面に設けた軸137と他方の軸受部136の内面に設けた軸137を上記カートリッジホルダ102の軸受孔123,124に挿入することにより上記カートリッジホルダ102をカートリッジ挿抜位置と記録再生位置の相互間で回動可能に支持している。
【0069】
上記シャーシ103は、上記カートリッジホルダ102を記録再生位置に移動させたときに、上記カートリッジホルダ102の左右一対のカートリッジ支持部102d,102eに設けた位置決め孔121に侵入する位置決めピン122を備えている。
【0070】
(7)記録及び/又は再生装置の構成、
図5に示すように、記録及び/又は再生装置104は、上記ディスクカートリッジ1のディスク状記録媒体2を回転させるスピンドルモータ151と、上記ディスク状記録媒体2への情報の記録及び/又は再生を行なう光学ピックアップ152と、光学ピックアップ152を駆動するスレッドモータ153と、を備えている。
【0071】
光学ピックアップ152は、対物レンズ駆動装置171と、該対物レンズ駆動装置171を上記ディスク状記録媒体2のディスク状記録媒体2の半径方向に移動させる移動台172と、を備えている。
【0072】
上記移動台172は、第1の軸受部173と第2の軸受部174を備えている。上記第1の軸受部173には、リードスクリュー175が取付けられている。また、上記第2の軸受部174にはガイド部176が取付けられている。
【0073】
上記リードスクリュー175は、上記シャーシ103の下面側において一対の軸受177によって回転可能に支持されている。また、上記ガイド部176は、アウトサート成形によりシャーシ103と一体に形成されている。上記リードスクリュー175の一端部にはウォームギヤ181が取付けられている。
【0074】
図4に示すように、上記ウォームギヤ181は、上記シャーシ103の下面に軸182により回転自在に取付けられた第3のギヤ183と噛合している。
【0075】
上記第3のギヤ183は、下端部に該第3のギヤ183よりも大径で、且つこれと同軸の第2のギヤ184を備えている。上記第2のギヤ184は、第1のギヤ185を介してスレッドモータ153により回転駆動される。
【0076】
そして、上記スレッドモータ153で上記第1のギヤ185、第2のギヤ184、第3のギヤ183、ウォームギヤ181を介して上記リードスクリュー175を回転させると、上記移動台172は、上記ガイド部176でガイドされながら上記ピックアップ配置孔144内を移動して、上記該対物レンズ駆動装置171を上記ディスク状記録媒体2のディスク状記録媒体2の半径方向に移動させるようになっている。
【0077】
(8)その他の構成および他の実施例、
上記実施例においてはポップアップバネ116およびカートリッジ押えバネ117をカートリッジホルダ102の上面板102aを切り起こして形成する場合を示したが、ポップアップバネ116およびカートリッジ押えバネ117をカートリッジホルダ102の上面板102aと別個に形成して、カートリッジホルダ102の上面板102aに取付ける構成にしてもよい。また、上記実施例においてはポップアップバネ116に刳り貫き部118を設けた場合を示したが、カートリッジ押えバネ117に刳り貫き部を設けてもよい。また、上記実施例においてはイジェクトレバー105を回動させる場合を示したが、イジェクトレバー105は直線移動するものであっても良い。
【0078】
(9)作用、
実施例のディスク記録及び/又は再生装置101は、上述のような構成であって、開閉蓋110を開けばカートリッジホルダ102はカートリッジ挿抜位置に移動する。そして、カートリッジホルダ102の上面板102aに設けたポップアップバネ116により開閉蓋110はカートリッジホルダ102よりも更に押し上げられてカートリッジホルダ102に設けられているカートリッジ挿抜口102nが開放された状態になる。カートリッジホルダ102をカートリッジ挿抜位置に移動させれば、イジェクトレバーロック解除機構109によってイジェクトレバー105のロックが解除されて、イジェクトレバー105は、第1の付勢部材106の付勢力によって回動して、カートリッジホルダ102内に収納されているディスクカートリッジ1をカートリッジ挿抜口102nから外部に排出させる。
【0079】
新たにディスクカートリッジ1をカートリッジホルダ102内に挿入すれば、カートリッジ本体3の前面3aの中央部が上記イジェクトレバー105の被押圧部105cに当接し、該被押圧部105cを押圧する。上記被押圧部105cが押圧されると、上記イジェクトレバー105は、上記第1の付勢部材106の付勢力に抗して回動し、ディスクカートリッジ1がカートリッジホルダ102内に完全に収納された状態になるとともに、上記イジェクトレバー105は、イジェクトレバーロック部材108によって戻り回動不可能に係止された状態になる。
【0080】
ディスクカートリッジ1をカートリッジホルダ102内に完全に収納したのち、上記開閉蓋110を閉じてカートリッジホルダ102をカートリッジ挿抜位置から記録再生位置に移動させれば、開閉蓋110の内面でポップアップバネ116は押されて撓み、ポップアップバネ116の一側部から分岐されているカートリッジ押えバネ117の先端部がディスクカートリッジ1の上面に接触してディスクカートリッジ1をカートリッジホルダ102のカートリッジ支持部に押し付ける。このとき、カートリッジ押えバネ117の反力によりポップアップバネ116には捻れ方向の力が作用するが、ポップアップバネ116に設けた梁部119によって、捻れ方向の力はポップアップバネ116の全域に分散されて、ポップアップバネ116が捻れ方向に塑性変形するのが阻止される。
【0081】
上記カートリッジホルダ102がカートリッジ挿抜位置から記録再生位置に移動する際には、上記イジェクトレバーロック解除機構109の傾斜面部109fに上記イジェクトレバー105の被操作部105eの側面105hが接触して上記弾性片部109cを所謂逃げ方向に撓ませる。そして、上記傾斜面部109fの端部が上記イジェクトレバー105の被操作部105eの位置まで移動して来ると、上記傾斜面部109fと上記イジェクトレバー105の被操作部105eの側面105hの接触が外れて、上記弾性片部109cは、弾性復帰して上記係合部109gが上記イジェクトレバー105の被操作部105eの下面105iに係合する。
【0082】
上記イジェクトレバー操作部105eがイジェクトレバー105の被操作部105eに係合する際に、イジェクトレバーロック解除機構109を浮き上げる方向の力が作用するがホルダ接触部109eがカートリッジホルダ102の上面板102aの下面に接触してイジェクトレバーロック解除機構109の浮き上がりを防止する。
【0083】
上記ディスクカートリッジ1の記録及び/又は再生終了後に、上記カートリッジホルダ102をカートリッジ挿抜位置に移動させれば、図8に示すように、上記係合部109gによって上記イジェクトレバー105の被操作部105eの下面105iが持ち上げられて、上記イジェクトレバーロック部材108による上記イジェクトレバー105の係止が解除されて上記イジェクトレバー105は、第1の付勢部材106の付勢力で回動して、ディスクカートリッジ1をカートリッジホルダ102から押し出す。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】ホルダが挿抜位置に在るディスク記録及び/又は再生装置の斜視図。
【図2】ホルダにカートリッジを挿入したディスク記録及び/又は再生装置の斜視図。
【図3】ホルダが記録再生位置に在るディスク記録及び/又は再生装置の斜視図。
【図4】ディスク記録及び/又は再生装置を裏側から見た平面図。
【図5】ディスク記録及び/又は再生装置の分解斜視図。
【図6】Aはイジェクトレバーロック解除機構の傾斜面部にイジェクトレバーの被操作部の側面が接触している状態を示す側面図、Bは同正面図、Cは同斜視図。
【図7】Aは弾性片部が弾性復帰して係合部がイジェクトレバーの被操作部の下面に係合した状態を示す側面図、Bは同正面図、Cは同斜視図。
【図8】Aは係合部によってイジェクトレバーの被操作部の下面が持ち上げられてイジェクトレバーロック部材によるイジェクトレバーの係止が解除された状態を示す側面図、Bは同正面図、Cは同斜視図。
【図9】イジェクトレバーロック解除機構の斜視図。
【図10】イジェクトレバーロック解除機構を取付けた状態の断面図。
【図11】ポップアップバネ部分の拡大図。
【図12】図11のA−A断面図。
【図13】ポップアップバネによって開閉蓋が押し上げられている状態の側面図。
【図14】ポップアップバネによって開閉蓋が押し上げられている状態の正面図。
【図15】開閉蓋が閉じられてポップアップバネが撓んだ状態の側面図。
【図16】カートリッジ挿入ガイド用の凸部を設けた第1の側面から見たカートリッジホルダの斜視図。
【図17】ディスクカートリッジの挿入過程を示すディスクカートリッジの底面図。
【図18】ディスクカートリッジを収納した状態のディスクカートリッジの底面図。
【図19】ディスクカートリッジの斜視図。
【図20】ディスクカートリッジを底面側から見た斜視図。
【図21】電子機器の斜視図。
【図22】電子機器を背面側から見た斜視図。
【図23】蓋部を開いた状態の斜視図。
【図24】従来のポップアップバネの斜視図。
【符号の説明】
【0085】
1…ディスクカートリッジ、101…ディスク記録及び/又は再生装置、102…カートリッジホルダ、102c…弾性片位置決め部、103…シャーシ、104…記録及び/又は再生装置、105…イジェクトレバー、106…第1の付勢部材、107…第2の付勢部材、108…イジェクトレバーロック部材、109…イジェクトレバーロック解除機構、110…ホルダカバー(開閉蓋)、116…ポップアップバネ、117…カートリッジ押えバネ、118…刳り貫き部、119…梁部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジホルダの上面に設けられていて、該カートリッジホルダをホルダカバーによってカートリッジ挿抜位置に移動させた時に上記カートリッジホルダと上記ホルダカバーとの間にカートリッジ挿入のためのクリアランスを形成し、上記ホルダカバーによって上記カートリッジホルダを記録再生位置に移動させる時に上記ホルダカバーの内面で押されて撓んでカートリッジホルダの上面と上記ホルダカバーの内面を接近させる板バネ状のポップアップバネであって、
ポップアップバネは、長さ方向に沿って伸びる刳り貫き部と、該刳り貫き部を跨いで両側部を連結する梁部と、分岐部を介して一側部から分岐するカートリッジ押えバネと、を備えていることを特徴とするポップアップバネ。
【請求項2】
上記梁部は、カートリッジ押えバネの分岐部の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のポップアップバネ。
【請求項3】
上記ポップアップバネは、上記カートリッジホルダの上面に対する付根部において緩やかな湾曲面を介してもって上記ホルダカバー側に向けて傾斜されていることを特徴とする請求項2に記載のポップアップバネ。
【請求項4】
上記ポップアップバネは、上記カートリッジホルダの上面に対する付根部および上記刳り貫き部の端部がアール状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のポップアップバネ。
【請求項5】
上記ポップアップバネは、上記カートリッジホルダの上面の一部を切り起こすことにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のポップアップバネ。
【請求項6】
カートリッジホルダの上面に設けられていて、該カートリッジホルダをホルダカバーによってカートリッジ挿抜位置に移動させた時に上記カートリッジホルダと上記ホルダカバーとの間にカートリッジ挿入のためのクリアランスを形成し、上記ホルダカバーによって上記カートリッジホルダを記録再生位置に移動させる時に上記ホルダカバーの内面で押されて撓んでカートリッジホルダの上面と上記ホルダカバーの内面を接近させる板バネ状のポップアップバネを備えたディスク記録及び/又は再生装置において、
ポップアップバネは、長さ方向に沿って伸びる刳り貫き部と、該刳り貫き部を跨いで両側部を連結する梁部と、分岐部を介して一側部から分岐するカートリッジ押えバネと、を備えていることを特徴とするディスク記録及び/又は再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−41127(P2008−41127A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−210639(P2006−210639)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】