説明

ポリアミド樹脂組成物およびその成形方法

【課題】結晶化速度が速く、成形効率に優れたキシリレンジアミンセバカミド系ポリアミド樹脂組成物を提供する。
【解決手段】キシリレンジアミンとセバシン酸とから得られるポリアミド樹脂(A)とポリアミド66(B)を含有してなるポリアミド樹脂組成物であって、
ポリアミド66(B)の融点がポリアミド樹脂(A)の融点より50℃を超えて高く、かつ、ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度とポリアミド66(B)の結晶化温度の温度差が50℃以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド樹脂組成物およびその成形方法に関し、詳しくは、結晶化速度が速く、成形サイクルを速めることが可能で成形効率に優れたポリアミド樹脂組成物およびポリアミド樹脂組成物の成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミド樹脂は、耐衝撃性、耐摩擦・摩耗性などの機械的強度に優れ、耐熱性、耐油性などにも優れたエンジニアリングプラスチックスとして、自動車部品、電子・電気機器部品、OA機器部品、機械部品、建材・住設関連部品などの分野で広く使用されており、近年更に使用分野が広がっている。
【0003】
ポリアミド樹脂には、例えばポリアミド6、ポリアミド66など多くの種類が知られているが、メタキシリレンジアミンとアジピン酸から得られるポリメタキシリレンアジパミド(以下、「MXD6」ともいう。)は、ポリアミド6、ポリアミド66などとは異なって主鎖に芳香族環を有し、高い機械的強度と弾性率を有し、低吸水率で、耐油性に優れ、また成形においては、成形収縮率が小さく、引けやソリが小さいことから精密成形にも適しており、極めて優れたポリアミド樹脂として位置付けられ、自動車等輸送機部品、一般機械部品、精密機械部品、電子・電気機器部品、レジャースポーツ用品、土木建築用部材等の様々な分野での成形材料として近年ますます広く利用されてきている。
【0004】
しかしながら、MXD6は結晶化速度が遅いため成形サイクルに長時間を要すという問題があり、成形コストの面で不利である。MXD6の結晶化速度を向上させる方法として、本出願人はポリアミド66とガラス繊維を配合することを提案した(特許文献1参照)。しかし、ポリアミド66を添加することは、吸水量の増加や機械的強度の低下等の不都合が生じる場合があり、ガラス繊維を配合することについては成形品の用途面で大きな制約となる。
このため、本出願人は、MXD6に結晶核剤としてタルク、あるいは窒化ホウ素を添加することを提案した(特許文献2および特許文献3参照)が、タルクや窒化ホウ素等の添加は機械強度の低下が起きるのでその配合量には制限があり、十分な結晶化速度の向上は達成しにくい。
【0005】
さらに、近年、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂として、キシリレンジアミンとセバシン酸からのポリアミド樹脂(以下、「キシリレンセバカミド系ポリアミド樹脂」ともいう。)が、MXD6に比べて、耐薬品性や耐衝撃性に優れることから、各種部品用の材料として大いに期待されてきている。
しかしながら、上記した問題点は、キシリレンセバカミド系ポリアミド樹脂において、さらに顕著であり、結晶化速度が遅く、成形品を射出成形した場合、結晶化度の低い成形品となる。また、十分な結晶化度の成形品を得るためには、冷却時間を長くする必要があり、成形サイクルも長くなり、成形効率が悪い。また、金型温度を上げて成形をしたり、成形品にアニール処理を施したりすることにより、結晶化度を上げる方法もあるが、金型温度を上げて成形した場合には、樹脂の流動性がよいため、成形品にバリが発生し易くなり、また、アニール処理を施す場合は、処理工程が増えるという問題が発生する。
【0006】
こうした状況下、結晶化速度が速く、成形サイクルを速めることが可能で成形効率に優れたキシリレンセバカミド系ポリアミド樹脂組成物の開発が強く望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公昭54−32458号公報
【特許文献2】特開2005−2298号公報
【特許文献3】特開2003−327692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、結晶化速度が速く、成形サイクルを速めることが可能で成形効率に優れたキシリレンセバカミド系ポリアミド樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、ポリアミド66は結晶化速度を速くする効果を有するものの、特にキシリレンセバカミド系ポリアミド樹脂に適用した場合においては、ポリアミド66の結晶化が、キシリレンセバカミド系ポリアミド樹脂に比べて速すぎるため、ポリアミド66のみが早々と結晶化してしまい、キシリレンセバカミド系ポリアミド樹脂の結晶化速度の向上効果が十分発現しないのではないかと推察するに至った。そこで、ポリアミド66の結晶化がキシリレンセバカミド系ポリアミド樹脂の結晶化を促すような添加法が有効であると考え、ポリアミド66の融点がキシリレンセバカミド系ポリアミド樹脂の融点より50℃を超える高いものを用い、しかも、キシリレンセバカミド系ポリアミド樹脂の結晶化温度とポリアミド66の結晶化温度の温度差が50℃以下となるように、キシリレンセバカミド系ポリアミド樹脂にポリアミド66を添加することが有効であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、キシリレンジアミンとセバシン酸とから得られるポリアミド樹脂(A)とポリアミド66(B)を含有してなるポリアミド樹脂組成物であって、
ポリアミド66(B)の融点がポリアミド樹脂(A)の融点より50℃を超えて高く、かつ、ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度とポリアミド66(B)の結晶化温度の温度差が50℃以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物が提供される。
【0011】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、ポリアミド66(B)の含有量が、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、7〜50質量部であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物が提供される。
【0012】
また、本発明の第3の発明によれば、第1または第2の発明において、ポリアミド樹脂組成物が、無機系結晶核剤を実質的に含有しないことを特徴とするポリアミド樹脂組成物が提供される。
【0013】
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜第3のいずれかの発明のポリアミド樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とする成形品が提供される。
【0014】
さらに、本発明の第5の発明によれば、ポリアミド66(B)の融点以上の温度で溶融し、射出成形することを特徴とする、第4の発明の成形品の成形方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明のポリアミド樹脂組成物によれば、結晶化速度が速く、成形サイクルを速めることが可能で成形効率に優れたキシリレンセバカミド系ポリアミド樹脂組成物を提供することができる。また、本発明のポリアミド樹脂組成物によれば、結晶化度が高く、優れた機械的物性を有し、吸水しても機械的物性の低下の少ない成形品を成形効率よく得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
[1.概要]
本発明のポリアミド樹脂組成物は、キシリレンジアミンとセバシン酸とから得られるポリアミド樹脂(A)とポリアミド66(B)を含有してなるポリアミド樹脂組成物であって、
ポリアミド樹脂組成物中のポリアミド66(B)の融点がポリアミド樹脂(A)の融点より50℃を超えて高く、かつ、ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度とポリアミド66(B)の結晶化温度の温度差が50℃以下であることを特徴とする。
【0017】
[2.ポリアミド樹脂(A)]
本発明のポリアミド樹脂組成物に用いるポリアミド樹脂(A)は、ジアミン成分としてキシリレンジアミン、ジカルボン酸成分としてセバシン酸を用いて得られるポリアミド樹脂である。
キシリレンジアミンとしては、メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンを単独又はこれらを混合して用いてもよく、メタキシリレンジアミン40〜100モル%とパラキシリレンジアミン60〜0モル%の範囲で用いるのが好ましい。パラキシリレンジアミンが60モル%を超えると得られるキシリレンセバカミド系ポリアミド樹脂の融点が高くなりすぎ、成形時の加熱による熱劣化を引き起こしやすく、また、結晶化速度が速くなりすぎ外観が悪くなる場合がある。
【0018】
メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンを混合して使用する場合は、その混合割合は、好ましくは、パラキシリレンジアミンが15〜60モル%、メタキシリレンジアミンが85〜40モル%、より好ましくはパラキシリレンジアミンが15〜45モル%、メタキシリレンジアミンが85〜55モル%であり、最も好ましくは、パラキシリレンジアミンが20〜40モル%、メタキシリレンジアミンが80〜60モル%である。パラキシリレンジアミンの量が15モル%未満では、結晶化速度が低下し、成形サイクルが長くなる場合があり、十分な融点の向上が見られにくく耐熱性が不足する場合があり、60モル%を超えると融点が高くなりすぎ、重合時及び成形時に熱劣化等の不都合を生じるおそれがあるので好ましくない。混合ジアミンにおけるジアミンとしては、パラキシリレンジアミンとメタキシリレンジアミン以外に、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン及び脂環族ジアミン等の他のジアミンを混合して使用してもよく、他のジアミンの使用割合は、好ましくは全ジアミンの10モル%以下であり、より好ましくは全ジアミンの5モル%以下である。脂肪族ジアミンとしては、例えばテトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン等が挙げられ、芳香族ジアミンとしては、例えば、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン等が挙げられ、脂環族ジアミンとしては、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
【0019】
もう一方のジカルボン酸成分としてのセバシン酸は、セバシン酸を単独で使用するのでもよく、他のジカルボン酸を混合して使用してもよい。
混合して使用する他のジカルボン酸としては、好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは6〜9の脂肪族ジカルボン酸であり、具体例としては、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等が挙げられ、このうち特に好ましいのは、アジピン酸である。
他のジカルボン酸の使用割合は、好ましくは全ジカルボン酸の10モル%以下であり、より好ましくは全ジカルボン酸の5モル%以下である。また、脂肪族ジカルボン酸以外に少量の芳香族ジカルボン酸を使用することもでき、芳香族ジカルボン酸としては、1,5−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸を使用する場合の使用量は、好ましくは、全ジカルボン酸の10モル%以下であり、より好ましくは全ジカルボン酸の5モル%以下である。
【0020】
ポリアミド樹脂(A)の相対粘度(96%硫酸中、濃度1g/100ml、温度25℃の測定条件)は、好ましくは1.6〜3.5であり、より好ましくは1.7〜3であり、最も好ましくは1.8〜2.8である。相対粘度が低すぎると機械的強度が不十分な場合があり、高すぎると成形性が低下しやすい。
【0021】
[3.ポリアミド66(B)]
本発明におけるポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド66(B)を含有する。
ポリアミド66(B)は、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との塩よりなるポリアミド構成単位(ポリアミド66単位)を主成分とする単独重合体あるいは共重合体であり、単独重合体としてはポリアミド66、共重合体としては、ヘキサメチレンアジパミド塩とカプロラクタムまたはε−アミノカプロン酸を主原料としたポリアミド66/6共重合体、またテレフタル酸やイソフタル酸も用いたポリアミド66/6T、ポリアミド66/6I、ポリアミド66/6T/6I共重合体等が好ましく挙げられる。なお、上記「I」はイソフタル酸由来成分、「T」はテレフタル酸由来成分を示す。
【0022】
このようなポリアミド66(B)の相対粘度(96%硫酸中、濃度1g/100ml、温度25℃の測定条件)は、好ましくは1〜4であり、より好ましくは1.8〜3.5であり、さらに好ましくは2〜3.2であり、最も好ましくは2〜3である。この範囲を外れると十分な結晶化速度が得られない場合があり、また機械的強度が不十分となったり、成形性が低下したりする場合がある。
【0023】
ポリアミド66(B)は、結晶核剤として作用し、ポリアミド樹脂(A)の結晶化速度を高める効果を有する。ポリアミド樹脂(A)の結晶化速度は、他のポリアミド樹脂に比べてかなり遅いため、本発明においては、以下の条件を満たすように、ポリアミド66(B)の種類を選択し、その添加量を調整することが必要である。
【0024】
すなわち、まず、ポリアミド樹脂組成物とした際のポリアミド66(B)の融点がポリアミド樹脂(A)の融点より50℃を超えて高くなるように、ポリアミド66(B)を選択することが必要である。両者の融点差が50℃以下であると、ポリアミド樹脂組成物を溶融させ冷却して成形品を得る際、ポリアミド66(B)の結晶化が遅くなり過ぎ、ポリアミド樹脂(A)の結晶化促進効果が不十分となる。融点差が50℃を超えるような組み合わせとすることで、得られる成形品を高い結晶化度のものとすることができる。また、このようにして得られた成形品は、機械的物性に優れ、吸水しても機械的物性の低下が少ない優れたものである。好ましい融点差は、60℃以上であり、さらに好ましくは70℃以上である。
【0025】
ポリアミド66(B)の融点がポリアミド樹脂(A)の融点より50℃を超えて高くするためには、ポリアミド樹脂(A)およびポリアミド66(B)の種類を選択する方法や、ポリアミド樹脂組成物を得る際の製造条件、例えば、溶融混練時の温度、時間、スクリュー回転数等の条件を調整する方法等を採用すればよい。
【0026】
本発明においては、さらに、ポリアミド樹脂組成物とした際の、ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度とポリアミド66(B)の結晶化温度の温度差が50℃以下であることが必要である。
ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度とポリアミド66(B)の結晶化温度との温度差を50℃以下とすることで、ポリアミド66(B)の結晶化をポリアミド樹脂(A)の結晶化が起こる領域近くの温度で行うことができる。すなわち、ポリアミド樹脂(A)が結晶化しやすい温度領域でポリアミド66(B)が結晶化することにより、結晶化したポリアミド66(B)がポリアミド樹脂(A)の結晶核剤として機能し、ポリアミド樹脂(A)の結晶化を促進することができて、得られる成形品を高い結晶化度のものとすることが可能となる。両者の温度差は、好ましくは45℃以下である。
【0027】
ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度とポリアミド66(B)の結晶化温度との温度差を50℃以下とするためには、ポリアミド樹脂(A)およびポリアミド66(B)の種類を選択し、これらの含有量と、また必要により添加する窒化ホウ素、タルク等の無機系結晶核剤の量を調製する方法等を採用すればよい。
【0028】
なお、本発明において、ポリアミド樹脂(A)およびポリアミド66(B)の融点は、示差走査熱量測定(DSC)法において、窒素雰囲気下、10℃/分の速度で昇温した際に観測される吸熱ピークのピークトップの温度として定義される。また、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド66(B)の結晶化温度は、DSC測定において、窒素雰囲気下、溶融状態から20℃/分の速度で降温した際に観測される発熱ピークのピークトップの温度として定義される。
具体的には、例えば、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド66(B)を配合し溶融混練後得られた樹脂組成物ペレットの場合で説明すると、得られた樹脂組成物ペレットを、室温で12時間放置後、ペレットから10mgの試料を切り出し、DSCに供する。条件としては、窒素雰囲気下、30℃〜300℃、共重合体の場合は予想される融点+30℃まで10℃/分の速度で昇温し、ポリアミド樹脂(A)成分とポリアミド66(B)成分に対応する吸熱ピークのピークトップの温度からそれぞれの融点が求められ、その後、30℃まで20℃/分の速度で降温し、ポリアミド樹脂(A)成分とポリアミド66(B)成分に対応する発熱ピークのピークトップの温度からそれぞれの結晶化温度が求められる。
【0029】
結晶化温度の調整、成形性及び物性のバランスから、ポリアミド66(B)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、好ましくは7〜50質量部であり、より好ましくは10〜30質量部である。このような含有比率とすることにより、核剤効果に優れ、かつ成形時の成形性が安定しやすい傾向にある。
ポリアミド66(B)の含有量が、7重量部より少ない場合は、期待される結晶化速度の向上効果が得られにくい。また、50重量部より多い場合は、ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度とポリアミド66(B)の結晶化温度の温度差を50℃以下とすることが困難となりやすい傾向にあり、この場合は、ポリアミド66(B)の結晶化が素早く進行してしまい、本来の目的であるポリアミド樹脂(A)の結晶化が促進されにくくなり、それにより、剛性等の機械的強度も低下する場合があるので、好ましくない。
【0030】
また、本発明のポリアミド樹脂は、窒化ホウ素やタルク等に代表される無機系結晶核剤を実質的に含有しない、具体的には、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し1質量部を超えて含有しないことが好ましい。このような無機系結晶核剤を併用すると、無機系核剤の周りにおいてポリアミド66(B)自体の結晶化が素早く進行しやすくなり、本来の目的であるポリアミド樹脂(A)の結晶化が促進されにくくなる。
本発明においては、無機系結晶核剤を実質的に含有しないことが好ましいが、ポリアミド66(B)の含有量が少ない場合には、少量の無機系結晶核剤を添加することも有効である。ポリアミド66(B)の含有量がポリアミド樹脂(A)100質量部に対し7〜20質量部程度である場合には、無機系結晶核剤の含有量が0.01〜1質量部となるように添加することが好ましく、ポリアミド66(B)の含有量がポリアミド樹脂(A)100質量部に対して10〜17質量部程度である場合は、無機系結晶核剤の含有量が0.1〜0.7質量部となるように添加することが好ましい。このような含有量とすることにより、ポリアミド66(B)の結晶核剤としての機能を有効に発揮させやすい傾向にある。
【0031】
[4.ガラス繊維]
本発明のポリアミド樹脂組成物は、成形品に反り性能および剛性等の機械的強度を付与させるために、ガラス繊維を含有するのも、好ましい。その含有量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、10〜250質量部が好ましく、より好ましくは20〜200質量部、さらに好ましくは30〜150質量部、特に好ましくは30〜120質量部である。ガラス繊維が、10質量部未満では、機械部品等としての強度、剛性を発揮するのが十分でない場合があり、250質量部を超えるとポリアミド樹脂組成物の溶融粘度が非常に高くなって射出成形等によって成形品を製造するのが困難となりやすい。
【0032】
ガラス繊維の組成は任意であるが、溶融ガラスよりもガラス繊維化が可能な組成が良い。好ましい組成としては、Eガラス組成、Cガラス組成、Sガラス組成、耐アルカリガラス等が挙げられる。通常、入手が容易である点でEガラスが好ましい。ガラス繊維の引張り強度は、任意であるが、290kg/mm以上が好ましい。
【0033】
ガラス繊維は、例えば、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤などで表面処理されていることが好ましい。表面処理剤の付着量は、通常ガラス繊維質量の0.01質量%以上であることが好ましい。
【0034】
更に、必要に応じ、脂肪酸アミド化合物、シリコーンオイル等の潤滑剤、第4級アンモニウム塩化合物などの帯電防止剤、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などの被膜形成能を有する樹脂混合物、被膜形成能を有する樹脂と熱安定剤、難燃剤などを併用したもの等によって表面処理されたガラス繊維を使用してもよい。
【0035】
ポリアミド樹脂組成物には、さらに他の充填材を配合することができ、炭素繊維、セラミック繊維などの無機繊維類、ステンレススチール繊維などの金属繊維類、液晶性全芳香族ポリアミド等の有機繊維類、マイカ、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、ウォラストナイト等が挙げられる。
【0036】
[5.その他の添加成分]
また、本発明におけるポリアミド樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない限り、必要に応じて難燃剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、可塑剤、ハロゲン化銅系(例えば、ヨウ化銅、塩化銅、臭化銅)及び/又はハロゲン化アルカリ金属塩系(例えば、ヨウ化カリウム、臭化カリウム等)等の安定剤や、ヒンダードフェノール系、ホスファイト系等の酸化防止剤、離型剤、顔料、染料、分散剤、紫外線吸収剤、抗菌剤及びその他の周知の添加剤を配合することができる。
【0037】
成形加工時の離型性の向上、成形サイクルの短縮および良好な表面外観の成形品を得る目的で、離型剤を含有させることが好ましい。離型剤としては、高級脂肪酸アルカリ(土類)金属塩、高級脂肪酸(ビス)アミド、ポリオレフィン系ワックス等が挙げられ、高級脂肪酸アルカリ(土類)金属塩、高級脂肪酸(ビス)アミドが好ましい。
【0038】
高級脂肪酸アルカリ(土類)金属塩は、高級脂肪酸のアルカリ金属塩、高級脂肪酸のアルカリ土類金属塩であり、その高級脂肪酸としては炭素数10〜30、好ましくは14〜24のものが、揮発性が低く、分散性が良好であることから好ましい。
高級脂肪酸の具体例としては、例えば、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸等が挙げられ、好ましくはステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸等が挙げられる。
【0039】
高級脂肪酸アルカリ(土類)金属塩としては、これらの高級脂肪酸のカリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩が挙げられる。
高級脂肪酸金属塩の具体例としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸ナトリウムなどを挙げることができる。
これらの中でも、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムがより好ましい。
【0040】
これらの高級脂肪酸アルカリ(土類)金属塩は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
【0041】
高級脂肪酸(ビス)アミドは、高級脂肪酸のアミド、高級脂肪酸のビスアミドであり、高級脂肪酸及び/又は多塩基酸とジアミンとの脱水反応によって得られる化合物が好ましい。高級脂肪酸としては、炭素数16以上、例えば炭素数16〜30の飽和脂肪族モノカルボン酸が好ましく、具体的には、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸等が挙げられる。
多塩基酸としては、二塩基酸以上のカルボン酸で、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ピメリン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸類及びフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸並びにシクロヘキシルジカルボン酸、シクロヘキシルコハク酸等の脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。
ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、フェニレンジアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
【0042】
高級脂肪酸(ビス)アミドとしては、具体的には、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、モンタン酸アミドなどが挙げられる。また、高級脂肪酸ビスアミドとしては、上記の高級脂肪酸と炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の脂肪族ジアミンとの反応により得られる高級脂肪酸ビスアミドが挙げられ、具体的には、メチレンビスステアリルアミド、エチレンビスステアリルアミド等が挙げられる。これらのうち、ヤケ、メヤニの発生防止効果の点で、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリルアミドが好ましい。
【0043】
これらの高級脂肪酸(ビス)アミドは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
【0044】
離型剤の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜2質量部が好ましく、0.05〜1.2質量部がより好ましく、0.07〜0.8質量部がさらに好ましい。含有量が0.01質量部未満であると、十分な離型性向上効果が得られにくく、2質量部を超えると、機械的強度が低下したり、樹脂組成物の溶融混練時や樹脂組成物の成形時に、押出機や射出成形機のスクリューが滑って十分な練りが得られない場合があるだけでなく、成形時のモールドデポジットが多くなり成形品外観が低下したり、生産性が悪くなったりする等の問題が発生する場合がある。
【0045】
さらに、本発明におけるポリアミド樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない限り、前記した以外の他の樹脂を配合してもよい。このような他の樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂(A)及びポリアミド66(B)以外のポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、及び、ポリエステル系、ポリオレフィン系、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)等の変性、未変性エラストマー等が挙げられる。また、配合できる熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。この様な他の樹脂を含む場合の他樹脂の含有量は、好ましくはポリアミド樹脂(A)100質量部に対して100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。
【0046】
[6.ポリアミド樹脂組成物の製造]
このようなポリアミド樹脂組成物を製造する方法は、特に制限はないが、押出機を使用して、押出機のホッパーにポリアミド樹脂(A)とポリアミド66(B)、必要により、ガラス繊維、無機系結晶核剤等を投入するか、又はガラス繊維はサイドフィードするか、あるいはまた、予めこれらを混合して得られた予備混合物をホッパーに投入し、これを溶融混練する。
押出機としては、樹脂組成物原料を加熱してスクリューを用いて連続的にダイから押出すタイプのものであって、単軸式押出機、ベント付押出機、多軸式押出機等が通常用いられる。
【0047】
このような押出機により、ポリアミド樹脂組成物は、溶融混練され、ダイノズルよりストランドとして押出される。ストランドの断面は、円又は楕円等の円に近い形状であることが好ましく、その径は通常1〜5mm、好ましくは1.5〜4.5mmであり、より好ましくは2〜4mmである。
【0048】
ダイノズルより押出されたストランドは、240〜400℃、好ましくは240〜360℃の高温溶融状態であり、このままではペレタイザーによるカッティングができないため、融点以下の150℃〜常温に冷却固化する必要がある。通常、この冷却には水が用いられ、ダイノズルより押出されたストランドは水にて冷却される。水冷するには、通常、水を含有する水槽を用い、ストランドを通過させる方法が一般的であるが、ストランドをコンベアベルト上で搬送しながらシャワーを浴びせ冷却する方法も好ましい。冷却に用いる水の温度としては、通常20〜80℃であり、好ましくは30〜60℃である。
【0049】
冷却されたストランドは、ペレタイザーによりカッティングされることによりペレットとなる。ペレットの形状としては、通常、円筒状であり、その長さは通常1〜25mm、好ましくは2〜15、より好ましくは2〜8mmである。
【0050】
[7.成形方法]
本発明で得られるポリアミド樹脂組成物ペレットから成形品を得る方法は、特に限定されず、ポリアミド樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。それらの例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法などが挙げられる。特には、射出成形により成形品を製造することが好ましい。
【0051】
射出成形法により成形品を成形する場合には、ポリアミド66(B)の融点以上の温度で成形することが好ましい。このような温度で成形することにより、ポリアミド66(B)が十分に融解し、樹脂組成物中での分散性が良好となり、結晶化速度の向上効果がより高くなりやすい傾向にある。また、結晶化度が高く、優れた機械的物性を有し、吸水しても機械的物性の低下も少ない成形品を成形効率よく得ることが容易となりやすい傾向にある。
【実施例】
【0052】
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
なお、実施例及び比較例で用いた測定・評価法および使用材料は、以下のとおりである。なお、ポリアミド樹脂の相対粘度は、96%硫酸溶液中、濃度1g/100ml、温度25℃の条件で測定した。
【0053】
<使用材料>
ポリアミド樹脂(A):
本発明におけるポリアミド樹脂(A)として、以下の方法で製造したものを使用した。
反応缶内でセバシン酸(伊藤製油製、TAグレード)を170℃にて加熱し溶融した後、内容物を攪拌しながら、メタキシリレンジアミン(三菱ガス化学(株)製、MXDA)をセバシン酸とのモル比が1:1になるように徐々に滴下しながら、温度を240℃まで上昇させた。滴下終了後、260℃まで昇温した。反応終了後、内容物をストランド状に取り出し、ペレタイザーにてペレット化した。得られたペレットをタンブラーに仕込み、減圧下で固相重合し、分子量を調整したポリアミド樹脂を得た。
得られたポリアミド樹脂は、下記記載の方法で測定された融点は190℃であった。また、相対粘度は2.1であった。
以下、このポリアミド樹脂を、「MXD10」と略記する。
【0054】
ポリアミド66(B):
(B−1)ポリアミド66
東レ社製、商品名「アミラン3001N」、下記記載方法で測定された融点は262℃であった。また、相対粘度は3.0であった。
以下、このポリアミド樹脂を、「PA66」と略記する。
【0055】
その他のポリアミド樹脂:
(B−2)ポリアミド6
三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名「ノバミッド(登録商標)1013J」、下記記載方法で測定された融点は223℃であった。また、相対粘度は2.5であった。
以下、このポリアミド樹脂を、「PA6」と略記する。
【0056】
結晶核剤(C):
(C−1)タルク、林化成社製、商品名「ミクロンホワイト#5000S」
(C−2)窒化ホウ素、電気化学工業社製、商品名「SP−2」(平均粒径1μm)を、MXD10との5質量%のマスターバッチとして配合した。
【0057】
(D)離型剤:
(D−1)モンタン酸カルシウム
クラリアントジャパン社製、商品名「リコモントCaV102」
(D−2)エチレンビスステアリン酸アマイド
共栄社化学社製、商品名「ライトアマイドWH−215」
【0058】
(E)ガラス繊維:
(E−1)日本電気硝子社製チョップドストランド、商品名「T−296GH」
(E−2)日本電気硝子社製チョップドストランド、商品名「T−275H」
【0059】
(実施例1〜6及び比較例1〜4)
<樹脂組成物の製造方法>
ガラス繊維(E)を除く上記(A)〜(D)成分を表1に記した割合(質量部)で配合し、タンブラーにてブレンドし、二軸押出機(東芝機械社製「TEM35B」)の基部から投入して溶融した後、ガラス繊維(E)を含有する場合はこれをサイドフィードして、樹脂組成物ペレットを作成した。押出機の温度設定は、サイドフィード部まで280℃、サイドフィード部からは260℃、吐出量は20kg/時間とした。得られたペレットを用い、下記記載の方法で融点及び結晶化温度を測定した。なお、表1中の窒化ホウ素の割合(質量部)は、MXD10 100質量部に対する窒化ホウ素の配合割合(マスターバッチの配合割合ではない)として表した。
結果を表1に示す。
【0060】
<評価方法>
[融点及び結晶化温度]
上記記載の方法で得られた樹脂組成物ペレットを室温で12時間放置後、10mgの試料を切り出し、セイコーインスツルメンツ社製「DSC−6200」を用いて、窒素雰囲気下、比較例4は30℃から260℃、比較例4以外は30℃から300℃まで10℃/分の速度で昇温し、MXD10、PA66又はPA6成分に相当する吸熱ピークのピークトップの温度から融点を求めた。比較例4は260℃、比較例4以外は300℃で3分保持後、30℃まで20℃/分の速度で降温し、MXD10、PA66またはPA6成分に相当する発熱ピークのピークトップの温度から結晶化温度を求めた。
【0061】
[成形性]
上記記載の方法で得られた樹脂組成物ペレットを85℃で12時間乾燥した後、ファナック社製射出成形機「100T」を使用し、シリンダー温度設定280℃(一律)、計量値55mm、計量初期設定時間5秒、回転数80rpm、背圧3MPaの条件で100×100×2mm厚の試験片を20ショット成形し、変形せずに安定して離型できる最短の冷却時間の平均値を求めた。冷却時間が短い程、成形性に優れているといえる。
【0062】
【表1】

【0063】
MXD10の融点がPA66の融点より50℃を超えて高く、かつ、結晶化温度の差が50℃以下である本発明のポリアミド樹脂組成物は、結晶化速度が速く、冷却時間が短いため、成形性に優れたものであることがわかる(実施例1〜6)。一方、PA66の含有量が多くMXD10とPA66の結晶化温度差が50℃を超える場合(比較例1)は、結晶化速度が遅く冷却時間が長くなり、成形性に劣るものであることがわかる。また、PA66の含有量が比較的多く、さらに結晶核剤として窒化ホウ素を配合した場合(比較例2)や、窒化ホウ素を多く配合した場合(比較例3)は、MXD10とPA66との結晶化温度の差が50℃を超えるため、結晶化速度が遅く冷却時間が長くなり、成形性に劣るものであることがわかる。PA66のかわりにPA6を配合した場合も、成形性に劣るものであることがわかる(比較例4)。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明のポリアミド樹脂組成物は、結晶化速度が速く、成形サイクルを速めることが可能で成形効率に優れたポリアミド樹脂組成物であるので、自動車等輸送機部品、一般機械部品、精密機械部品、電子・電気機器部品、レジャースポーツ用品、土木建築用部材等の広い分野の成形品の成形に利用でき、産業上の利用性は非常に高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キシリレンジアミンとセバシン酸とから得られるポリアミド樹脂(A)とポリアミド66(B)を含有してなるポリアミド樹脂組成物であって、
ポリアミド66(B)の融点がポリアミド樹脂(A)の融点より50℃を超えて高く、かつ、ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度とポリアミド66(B)の結晶化温度の温度差が50℃以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
【請求項2】
ポリアミド66(B)の含有量が、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、7〜50質量部であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項3】
ポリアミド樹脂組成物が、無機系結晶核剤を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とする成形品。
【請求項5】
ポリアミド66(B)の融点以上の温度で溶融し、射出成形することを特徴とする、請求項4に記載の成形品の成形方法。

【公開番号】特開2012−62417(P2012−62417A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208713(P2010−208713)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【Fターム(参考)】