ポリアリールエーテルケトン人工椎間板
隣接する椎骨の間に挿入するための椎間板補綴具は、一実施形態において、上側および下側補綴プレート(10、12)と、可動コア(14)とを含む。補綴プレートと、選択的にコアとは、撮像特性の向上のために、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)から形成される。金属挿入具(20)は、PAEK補綴プレートの各々の上に提供され、骨成長面を提供する。別の側面に従うと、椎間板補綴具は、プレートの少なくとも2つの座面の滑動移動によって相互に対して関節運動するように構成されるPAEKの上側および下側の補綴プレートを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/050,455号(名称「POLYARYLETHERKETONE ARTIFICIAL INTERVERTEBRAL DISC」、2008年5月5日出願)および米国仮特許出願第61/082,012号(名称「POLYARYLETHERKETONE ARTIFICIAL INTERVERTEBRAL DISC」、2008年7月18日出願)の優先権の利益を主張し、これらの出願の全開示は、本明細書に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、医療用デバイスおよび方法に関する。より具体的には、本発明は、椎間板補綴具に関する。
【背景技術】
【0003】
背痛は、世界中の人々の健康および生産性を非常に損なう。米国整形外科学会によると、約80%の米国人は、人生のある時点で背痛に悩む。ある1日で、米国の労働人口の5%が背痛によって障害を負うと推定される。
【0004】
背痛の一般的な原因は、1つ以上の椎間板の損傷、縮退および/または機能不全である。椎間板は、脊(脊髄)柱を構成する33の椎骨の各々の間に位置する軟組織構造である。基本的に、椎間板は、椎骨が相互に対して動けるようにする。椎柱および椎間板は、頭および胴を支える中心軸を形成するという点において、重要な解剖学的構造であり、背中の動きを可能にし、椎間板に近い椎骨を通る脊髄を保護する。
【0005】
椎間板は、しばしば、摩耗および裂傷、または急性損傷のため破損する。例えば、椎間板は、隆起(ヘルニア)、裂傷、破断、縮退等をする場合がある。隆起した椎間板は、脊髄または脊髄に存在する神経を押圧し、「神経根」痛(神経根の衝突によって引き起こされる1つ以上の四肢の痛み)を引き起こす。縮退または椎間板への他の破損は、「椎間板の高さ」の損失を生じる場合がある、つまり、2つの椎骨間の自然間隔が減少する。椎間板の高さの減少は、椎間板の隆起、椎間負荷の増大、不自然な状態での2つの椎骨の擦り合わせ、および/または椎骨ならびに/もしくは神経根のある一部における圧力の増加を引き起こす場合があり、よって痛みを引き起こす。概して、椎間板への慢性および急性破損は、背中に関連する痛みおよび動きの損失の一般的な原因である。
【0006】
1つ以上の破損した椎間板が、患者に痛みおよび不快感を引き起こすと、外科手術が、時には必要となる。従来、椎間板を治療するための外科手技は、椎間板に隣接する2つの椎骨の融合を伴うか、または伴わない、椎間板切除(椎間板の一部または全除去)を含む。2つの椎骨の融合は、2つの椎骨間に骨移植材料を挿入することによって達成されるので、2つの椎骨と移植材料が一緒に成長する。しばしば、ピン、ロッド、ネジ、ケージ等は、恒久的に融合する間、所定の場所に椎骨と移植材料とを維持するように、支持構造としての役割を果たす。融合は、時折、背痛を治療するが、背中は、融合部で曲げたり、捻ったりできないため、患者の運動能力を低減する。加えて、融合は、椎骨の隣接レベルでストレスを増大させ、それらの椎間板の縮退を加速する可能性がある。
【0007】
融合をせずに椎間板関連の痛みを治療する試みにおいて、動作可能で移植可能な人工椎間板(または「椎間板補綴具」)が2つの椎骨間に挿入される、代替のアプローチが開発された。数多くの異なる人工椎間板が、近年、開発された。例えば、米国特許公開第2005/0021146号、第2005/0021145号、および第2006/0025862号は、人工椎間板を説明しており、参照によりその全体が本明細書に援用される。このタイプの椎間板は、椎骨間の横方向および回転動作の関節運動を可能にするために、椎骨に対して配置される上側および下側プレートと、2つのプレート間に配置される可動コアとを備える。
【0008】
可動コアを有する椎間板補綴具の別の例は、CHARITE人工椎間板(DePuy Spine,Inc.により提供される)であり、米国特許第5,401,269号に説明される。椎間板補綴具の他の例は、MOBIDISK(商標登録)椎間板補綴具(LDR Medicalにより提供される)、BRYAN(商標登録)頚部椎間板補綴具(Medtronic Sofamor Danek,Inc.により提供される)、およびPRODISC(商標登録)椎間板補綴具(Synthes Stratec,Inc.から)を含み、特許文献1に説明される。これらの椎間板の一部は、可動コア椎間板であるが、他は、ボールソケット型のツーピース設計である。既存の椎間板補綴具は従来の治療方法に利点を提供するが、改善が継続されている。
【0009】
既知の人工椎間板は、概して、隣接する椎体に対して配置され、係合する上側および下側プレートと、プレート間の動作を提供するためのコアとを含む。コアは、可動もしくは固定、金属、セラミックもしくは重合体であり得、概して、固定されたコアデバイスのプレートのうちの1つ、または可動コアデバイスのプレートの双方の凹状部と嵌合する、少なくとも1つの凸形の外面を有する。
【0010】
公知の椎間板材料は、各々、利点および欠点を有する。例えば、セラミックおよび重合体材料は、概して、金属よりも、X線、CT、またはMRI画像等の医療画像においてアーチファクトをあまり引き起こさない。金属は、重合体より優れた骨付着特性ならびに、重合体およびセラミックより優れた摩耗特徴を有する。しかしながら、MRIにおいて、金属は、隣接する組織を不明瞭にするアーチファクトをつくり、人工椎間板の部位での可視化をほぼ不可能にする。人工椎間板形成における継続的挑戦は、材料の的確な組み合わせを見出し、利用可能な最良の材料の利点を利用するように設計することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,936,071号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、X線、MRIならびにCT画像等の医療画像における可視性の向上、および骨が成長するための表面の改善による、人工椎間板の改善の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に従うと、一実施形態において、隣接する椎骨間に挿入するための椎間板補綴具を提供し、該補綴具は、上側および下側補綴プレートと、可動コアとを備える。補綴プレートおよび隋意でコアは、向上した撮像特性のために、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)から形成される。金属挿入具は、骨成長面を提供するためのPAEK補綴プレートの各々の上に提供される。
【0014】
本発明の別の側面に従うと、椎間板補綴具は、プレートの少なくとも2つの座面の滑動移動によって、相互に対して関節運動するように構成されるPAEKの上側および下側の補綴プレートを含む。
【0015】
本発明の一側面に従うと、椎間板は、上側プレートが骨の付着を向上するために、複数の突起がその上に形成される金属挿入具から少なくとも部分的に形成される上側面と共にポリアリールエーテルケトン(PAEK)で形成される、上側椎骨接触面および下側座面を有する上側プレートと、下側プレートが骨の付着を向上するためにその上に形成される複数の突起を有する金属挿入具から少なくとも部分的に形成される下側面と共にPAEKで形成される、下側椎骨接触面および上側座面を有する下側プレートと、上側プレートと下側プレートの間に配置されるコアとを備える。コアは、上側プレートおよび下側プレートの座面と嵌合するように構成される上側および下側面を有する。
【0016】
本発明の別の側面に従い、椎間板は、上側プレートと、下側プレートと、上側および下側プレートの間に配置されるコアとを備える。上側プレートは、上側椎骨接触面と、下側座面とを有し、上側プレートは、少なくとも0.3mmの厚さを有する金属挿入具から少なくとも部分的に形成される上側面と共にポリアリールエーテルケトン(PAEK)で形成される。下側プレートは、下側椎骨接触面および上側座面を有し、下側プレートは、少なくとも0.3mmの厚さを有する金属挿入具から少なくとも部分的に形成される下側面と共にPAEKで形成される。コアは、上側および下側プレートの座面と嵌合するように構成される上側および下側面を有する。
【0017】
本発明のさらなる側面に従い、椎間板は、上側椎骨接触面および下側座面を有する上側プレートと、下側椎骨接触面および上側座面を有する下側プレートとを備え、該上側座面および下側座面は、上側椎骨接触面と下側椎骨接触面との間の関節運動を可能にするように構成される。上側および下側プレートは、骨の付着を向上するためにその上に形成される複数の突起を有する金属挿入具から少なくとも部分的に形成される椎骨接触面と共にポリアリールエーテルケトン(PAEK)で形成される。
【0018】
本発明の追加の側面に従い、椎間板は、PAEKに固定される金属挿入具と共にポリアリールエーテルケトン(PAEK)で形成され、第1の椎骨と接触するように構成される上側プレートと、PAEKに固定される金属挿入具と共にPAEKで形成され、第1の椎骨に隣接する第2の椎骨と接触するように構成される下側プレートとを備える。上側および下側プレートは、相互に対して前後方向ならびに横方向に関節運動するように、および相互に対して回転するように構成される。
【0019】
本発明の他の特徴は、付属の特許請求の範囲に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従う、椎間板の分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明の別の実施形態に従う、椎間板の上側プレートの部分的な側断面図である。
【図3】図3は、本発明の代替実施形態に従う、椎間板のプレートの斜視図である。
【図4】図4は、線4−4に沿った図3のプレートの断面図である。
【図5】図5は、図4のプレートを含む、組み立てられた椎間板の断面図である。
【図6】図6は、図3のプレートの分解斜視図である。
【図7】図7は、椎骨に移植された図1の実施形態に従う、2つの椎間板のX線画像である。
【図8】図8は、図7のX線に示される2つの椎間板のMRI画像である。
【図9】図9は、図7のX線に示される2つの椎間板のCTスキャン画像である。
【図10】図10は、椎骨に移植された図5の実施形態に従う、1つの椎間板のX線画像である。
【図11】図11は、図10のX線に示される椎間板のMRI画像である。
【図12】図12は、図10のX線に示される椎間板のCTスキャン画像である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、上側プレート10、下側プレート12、およびコア14を有する椎間板を図示する。上側および下側プレート10、12は、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)等の耐久性のある画像調和型材料で形成され、一実施形態では、純ポリ(アリールエーテルエーテルケトン)(PEEK)である。上側および下側プレートのPEEK部分は、コア14および1つ以上のフィン16と接触するための内側座面を含む。上側および下側プレート10、12は、骨組込み面としての役割を果たす材料で形成される1つ以上の金属挿入具20も含む。挿入具20は、骨組込みを確実にする鋸歯または歯のような特性を強化する1つ以上の骨組込みを含み得る。図1の実施形態に示す通り、特性を強化する骨組込みは、鋸歯18を含む。金属挿入具20は、様々な形状、および様々な骨組込み特性で形成され得るが、金属挿入具は、プレート10、12の骨接触面の実質的な部分を被覆する。
【0022】
図1に示す金属挿入具20は、型押、加工等によってチタンまたは他の金属から形成されるスクリーンの形態である。スクリーン20は、プレート10、12の外側面にしっかりまたは緩く固定され得る。チタンスクリーン20は、鋸歯18および任意の歯によって双方の即時固定を提供する表面を形成し、長期安定性のための骨成長面を提供する。固定の提供に加え、挿入具またはスクリーン20は、放射線マーカとしての役割も果たすことができる。PEEKは、放射線透過性または医療画像下でほぼ非可視であるため、挿入具20が、椎間板の境界を識別するためのマーカとしての役割を果たし、X線、蛍光透視法、MRIまたはCTスキャン下の椎間板の性能を評価する。
【0023】
PEEKは、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)系統群の一部であり、ポリケトンとも呼ばれ、整形移植の移植材料として益々利用されている。PAEKは、ケトンおよびエーテル官能基によって相互接続される芳香族主分子鎖から成る、本質的に強い生体適合性高温熱可塑性重合体の系統群である。PAEK系統群は、ポリ(アリール−エーテル−エーテル−ケトン)(PEEK)、ポリ(アリール−エーテル−ケトン−エーテル−ケトン−ケトン)(PEKEKK)、およびポリ(エーテル−ケトン−ケトン)(PEKK)を含み、高温かつ高強度でのその安定性のため、本来、航空機産業で開発された。
【0024】
上側および下側プレート10、12は、Invibio,Inc.から入手可能な純(非充填)PEEK、PEEK−OPTIMA、Invibio,Inc.のPEEK−CFR(炭素繊維強化)等の繊維強化PEEK、ガラス繊維強化PEEK、セラミック充填PEEK、テフロン(登録商標)充填PEEK、硫酸バリウム充填PEEK、または他の強化もしくは充填PAEK材料を含む、数多くの異なるPAEKから製造され得る。これらのPAEK材料は、安定しており、生体不活性で強く、接合部の関節運動のための基礎材料に最適である。しかしながら、放射線画像下で非可視またはほぼ非可視であり、生体不活性で高強度を有する他の材料も、使用され得る。純PEEKは、3−4GPaの弾性係数を有するが、PEEKを強化する繊維は、皮質骨(18GPa)に合致するか、またはチタン(105−120GPa)に合致するまで係数を向上させることができる。
【0025】
図1に示す通り、フィン16は、スクリーン20の開口部24内に受容される突起部分またはリム22によって包囲される。リム22および周囲開口部24は、スクリーンがプレート10の表面に配置される役割を果たす。リム22および開口部24は、スクリーン20を所定の位置に保持するためのスナップロック機能を提供できる。スクリーン20の代替的固定手段は、挿入成形、周囲ロック機能、または接着を含む。一実施形態において、スクリーン20およびPEEKプレートは、一緒に固定されない。固定されない実施形態において、スクリーンは、椎間板が移植されると、自然な解剖学的構造によってPEEKが外れることを防止する一方で、リム22および開口部24は、プレートの表面に対するスクリーンの摺動を防止する。
【0026】
スクリーン20は、好ましくは、任意の鋸歯または歯の高さを含まない、約0.1mm乃至約1.0mm、好ましくは、約0.3乃至0.7mmの厚さを有する薄いスクリーンである。スクリーン20は、好ましくは、骨接触面の少なくとも50%(任意のフィンを含まず)、好ましくは、骨接触面の少なくとも75%等、椎間板の骨接触面の大部分を被覆する。
【0027】
一実施形態において、スクリーン20は、椎間板の金属部をプレートの後端からより遠くへ移動させることによって、脊柱の画像を向上させるためにプレート10の後端前で終わる。別の実施形態において、骨接触面は、スクリーン20によって、部分的に、例えば50%被覆され、骨接触面の残りおよび隋意にフィンは、骨成長の向上のためにチタンプラズマ溶射で被覆される。プラズマ溶射は、スクリーン20より薄く形成され得るため、画像は、スクリーンおよび被覆の組み合わせによって提供される金属の減少によってさらに強化される場合がある。
【0028】
フィン16は、1つ以上の横方向の穴26によって貫通される細長いフィンであってもよい。椎間板は、前方のアクセスから患者に後方に挿入され得るため、椎間板の後側が椎間腔、次いで椎間板の前側に入ると、フィン16の斜めの後端28は、椎骨の1つの溝に入ることができる。
【0029】
チタンスクリーン20と対向するプレート10、12の表面において、プレートは、コア14に対する座面としての役割を果たす凹状部30によって形成される。座面は、PEEK座面として示されるが、コバルトクロム合金等の金属座面挿入具も、使用され得る。
【0030】
コア14は、プレート10、12の凹状部または座面30の曲率と合致する上側および下側座面36と共に、円形ディスク形状部材として形成され得る。椎間板が患者の椎骨間に移植される時、コア14は、プレート間にコアを保持するために、少なくとも1つの椎間板上の保持特徴34と連動する1つ以上の環状リム32も有する。コア14は、相互に対して上側および下側プレートの関節運動、平行移動、および回転を可能にする上側および下側椎間板の双方に対して可動である。コア14の球状に湾曲した外面36およびプレート10、12の座面30は、椎間板の大きさにより変動し得る、同じ曲率半径を有する。
【0031】
座面は、球状に湾曲した面として示されるが、他の形状の面も使用され得る。例えば、1つの平らな座面および1つの球状面が使用され得る。代替的に、小判またはインゲン豆形状の座面等、椎間板の回転動作を制限するために、プレートおよびコア上の非対称座面が使用され得る。
【0032】
本発明の一実施形態において、コア14は、対応するプレート10、12の座面30の曲率半径より僅かに小さい曲率半径を有する。曲率半径の僅かな差異は、コアに対して曲率半径の約0.5乃至5%の減少率である。曲率の僅かな差異は、任意の可能な座面の初期付着を低減することによって関節運動を改善でき、PEEKコアおよびPEEK座面の組み合わせに特に有益である。
【0033】
図1に示す実施形態において、単一の中心フィン16は、挿入を補助するための傾斜した後端を伴って前後方向に延在する、各々のプレート10、12上に提供される。本実施形態は、椎間板腔の前側からの挿入に特に有益である。代替的に、2つ以上のフィン16も、各々のプレートに提供され得る。一実施例において、単一のフィンは、一方のプレートに提供され得る一方で、二重フィンが、多段椎間板移植法に特に有用なねじれ型構成を達成するために、他方のプレートに提供され得る。本ねじれ型構成は、多段移植用の同一平面における椎体の切削を避けることによって、稀にある椎体開裂の発生を防止する。フィン16の配向も、椎間板10への挿入方向によって修正され得る。代替的実施形態において、フィン16は、側面−側面配向、後側−前側配向等、前後軸から離れるように回転させられ得る。
【0034】
プレートの2つのフィンの一実施形態において、2つのフィンは、スクリーンの一部として、金属で形成される。本実施形態において、2つのフィン形状部材は、平らなスクリーンに切削され、2つのフィンを形成するように上方向に畳まれる。これは、PEEK面として残され得る、またはチタンでプラズマ溶射され得るフィンの間にギャップを残す。
【0035】
フィン16は、椎体に切削されたスロット内に設置されるように構成される。一実施形態において、フィン16は、骨成長のために横方向の穴26によって貫通される。横方向の穴26は、任意の形状に形成され得、フィン16を通って部分的にまたは全体に渡って延在し得る。好ましくは、フィン16は、各々、幅を上回る高さを有し、高さを上回る長さを有する。
【0036】
フィン16は、骨への付着の向上を提供し、骨におけるプレートの回転を防止する。一部の実施形態において、フィン16は、90°以外の角度で、プレート10、12の表面から延在し得る。例えば、複数のフィン16が表面に付着する1つ以上のプレート10、12上において、フィンは、約80乃至88°等の角度でそれらの端より僅かに近接する基部を伴って、相互から離れるように傾き得る。フィン16は、様々な実施形態において、様々な数値の角度を含む、任意の他の適切な構成を有し得る。一部の実施形態において、フィン16は、全て省かれ得る。
【0037】
フィン16に加えて、骨組込みが、骨の付着を向上するために複数の突起がその上に形成される金属挿入具またはスクリーン20を提供することによって改善され得る。図1において、突起は、開口部24のいずれかの側に複数の列で配列されるピラミッド型鋸歯18の形態である。
【0038】
突起は、1つ以上のフィンレット、歯等も含み得る。突起は、使用されるプレートの大きさおよび形状により、様々な数および構成で配置され得る。一実施例において、4〜6の楔形歯は、頚部用途のために、各々の金属挿入具20上に提供される。例えば、ピラミッド形、円錐形、長方形および/または円筒形歯等、他の歯形状も使用され得る。歯および/またはフィンレットは、約0.7−3mm、好ましくは、約1−2mmであってもよい様々な高さを有することができる。鋸歯は、約0.3−1mmの異なる高さを有することができる。時間の経過と共に、スクリーン20と椎骨との間の堅固な連結は、骨組織が鋸歯状の加工、歯および/またはフィンレット上に成長する骨組織として達成される。骨組織の成長は、また、フィン16の周囲およびその穴26を通って発生し、達成される連結をさらに強化する。
【0039】
歯、溝、リッジ、ピン、逆とげ等を含む、骨組込み構造の他の幾何学構造も使用され得る。骨組込み構造が、リッジ、歯、逆とげ、または類似する構造の場合、これらは、挿入を容易にし、移動を防止するために曲げられ得る。これらの骨組込み構造は、骨を出血させ、骨組込みを容易にさせるために、移植中、骨を正確に切削するために使用され得る。加えて、プレート10、12の外面は、骨組込みを向上するために、酸化アルミニウム微粒子等でブラスト処理をすることによって形成される粗い微小加工によって提供され得る。一部の実施形態において、外面は、外面の椎骨への付着をさらに強化するために、チタンプラズマ溶射またはHA被覆され得る。
【0040】
複数の突起を有する加工された平らなプレートとして、スクリーン20を図1に示す。図2に示す通り、スクリーンは、また、椎骨接触方向に骨係合歯を形成する穴の配列、および/またはスクリーンをPEEKプレートに固着するための固着歯を形成する穴の配列で型押される薄い金属プレートの形態をとり得る。図2は、代替的な椎間板の上側プレート110を示す。上側プレートは、PEEK部分の椎体接触面上にPEEK部分112と、金属スクリーン120とを含む。金属スクリーン120は、向上した固定を提供するために、図1の鋸歯18の様式で機能するように構成される、複数の穿孔歯122を含む。金属スクリーン120は、スクリーンをPEEK部分112に固着するように構成される、複数の歯124も含むことができる。一実施例において、PEEK部分112は、歯124の周囲に挿入成形され得る。
【0041】
図2は、また、スクリーン部分120をPEEKまたは重合体部分112に係止するためのロック機能130を図示する。ロック機能130は、スナップロック機能、挿入成形機能、または他の機械的接続を含む場合がある。ロック機能130は、上側プレート110の2つ以上の側面に提供され得、離散的または連続的であり得る。同一の、または異なるロック機能が、対応する下側プレートに使用され得る。図2の上述の機能は、図1に示す多数の構造と組み合わされ得る。
【0042】
図1の実施形態に従うコア14は、下側プレート12の端から内側方向に突起する保持リングを含む保持機能34によって、下側プレート12に保持され得る。周縁コア保持機能を示すが、少なくとも米国特許公開第2005/0251262号、第2005/0021146号ならびに第2005/0021145号に示されるものを含む、他のコア保持機能も使用され得、これらは参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0043】
コア14は、球状形状の座面36の円形として断面で示されるが、小判、楕円、またはインゲン豆形状を含む、他の形状が使用され得る。これらの非円形形状コアは、上側および下側プレート10、12間の回転運動を制限するために使用され得る。コア14およびプレート10、12は、固体部材として示されるが、コアおよびプレートは、複数の部品および/または複数の材料から作製され得る。コアは、チタン、窒化チタン、他のチタンベース合金、タンタル、ニッケルチタン合金、ステンレススチール、コバルトクロム合金、セラミック、またはPEEK、UHMWPE、PLA、または繊維強化重合体を含む生体適合性重合体材料等、低摩擦材料から作製され得る。高摩擦被覆材料も使用され得る。
【0044】
コアが放射線画像下で非可視であるPEEK等の重合体から形成されるとき、コア内に埋め込まれる放射線マーカを備えることが望まれる場合がある。例えば、単一チタンピンは、コアの中央を通って軸方向に配置され得るため、PEEKコアは、術後X線検査で目視可能である。1つ以上の半径方向のピン等、ピンの他の構成も、放射線マーカとしての役割を果たすことができ、そのような検査中にコア14の位置を確認することができる。
【0045】
代替的に、PEEKコアは、特定のPEEK材料、または強化PEEK材料の場合、強化材料の選択によって、放射線検査でより目視可能になる。一実施形態において、PEEKコア14は、X線でコアをプレートから識別可能にするために、プレート10、12と異なる密度(高い可視性)のPEEK材料で形成される。目視可能なコアを形成するために使用され得るPEEK材料の1つは、硫酸バリウムで充填されたPEEKである。硫酸バリウムで充填されたPEEKは、また、コアの潤滑性を向上させ、コアに対する座面の摺動を向上させるために使用され得る。
【0046】
PEEKコアの代替として、金属コアが使用され得る。PEEKプレートは関心領域に近位に位置するが、コアは画像の関心領域から離れるように配置されるため、金属コアは、大きさが比較的に小さい場合、MRIまたはCTスキャン画像の歪みを最小に抑えて使用され得る。金属被覆PEEKコアは、2つの材料の組み合わせた利点を提供できる。金属コアは、潤滑性の向上とPEEK座面上の金属からの摩耗の低減との組み合わせた利点を提供する。代替的に、PEEKプレートは、PEEKプレート上に薄いカップ形状の座面挿入具を提供することによって、金属座面と共に形成され得る。座面挿入具は、厚さが約1mmまたはそれ未満であり得、チタンまたはコバルトクロム合金で形成される。金属座面挿入具を伴うPEEKプレートは、画像の向上のために金属量を最小にでき、PEEKコアとの組み合わせで使用され得る。
【0047】
本発明に従う椎間板は、二方向の関節運動および回転を提供する。関節運動および回転の程度は、用途または特定の患者によって制限される場合がある。
【0048】
プレート10、12は、椎間板の挿入および除去のための椎間板の把持および操作を容易にするための器具で、椎間板の把握に使用するための溝34Aが側縁に提供される。溝34Aは、プレート10、12が把握され、ロック配向で同時に挿入されることを可能にする。環状溝または内部ボアを含む、他の代替把握構成も使用され得る。
【0049】
上側および下側プレート10、12は、好ましくは、PEEKまたは他の高強度の生体適合性重合体から形成される。スクリーン20等の上側および下側プレート10、12の一部も、チタン、窒化チタン、他のチタンベース合金、タンタル、ニッケルチタン合金、ステンレススチール、コバルトクロム合金、セラミック、またはUHMWPE、PLA、または繊維強化重合体等の生体適合性重合体材料から形成され得る。座面30は、窒化チタン加工等の硬い被覆を有することができる。
【0050】
プレート10、12の一部は、骨組込みを向上するためにチタンプラズマ溶射で処理され得る。例えば、フィン16の表面は、チタンプラズマ溶射され得る。別の実施例において、フィン16およびスクリーン20は、一緒にチタンプラズマ溶射され得る。HA(ヒドロキシアパタイト)被覆、微小HA被覆、表面を粗くするためのブラスト処理手順、および/または他の骨組込みを促進する被覆等、他の材料および被覆も使用され得る。スナップ嵌め、スリップ嵌め、ラミネート加工、締り嵌め、接着剤の使用、溶接等、任意の適切な技法が材料を一緒に結合するために使用され得る。
【0051】
本明細書に説明される椎間板は、損傷した椎間板の代わりに、隣接する椎骨の間に外科的に移植される。当該分野の当事者は、本明細書に要約される椎間腔の準備および椎間板の移植手順を理解するであろう。典型的な人工椎間板手順において、損傷した椎間板は、部分的にまたは全体が除去され、隣接する椎骨は、椎間板の挿入に必要な空間を提供するために、相互に強制的に離されるか、または分裂させられる。1つ以上のスロットが、フィン16がある場合、これを収容するために椎骨に切削される。プレート10、12は、それらを受容するように、対向する椎骨表面に切削されたスロットに入るフィン16と共に椎骨間の場所にはめ込まれる。プレートは、コアと共に、またはコアなしで、同時にまたは順を追って挿入され得る。椎間板の一部が挿入された後、個々のプレート10、12は、独立して、または一緒に、最終位置にさらに前進し得る。椎間板が挿入されると、椎骨は、整列された椎間板を所定の位置に保持するように一緒に移動する。
【0052】
鋸歯18およびフィン16を含むプレート10、12の椎骨接触面は、対向する椎骨に対して配置され、時間の経過と共に、プレートと椎骨との間の強固な接続が、鋸状加工上に、およびフィンを通ってフィンの周囲に骨組織成長として達成される。
【0053】
椎間板および周囲の生体構造は、X線、蛍光透視法、CTスキャン、MRI、または他の医療画像技法によって、術後、可視化され得る。コア14の座面が過剰に摩耗された場合に、コアは、さらなる外科手技によって除去され、交換され得る。
【0054】
図7、8、および9は、2つの隣接する頚部椎間板レベルの椎骨に移植された、図1の2つの椎間板を示す画像である。画像は、X線(図7)、MRI(図8)、およびCTスキャン(図9)で撮られる。画像のAで示される椎間板は、図1に示される通り、スクリーン20上に鋸歯18を有する。画像のBで示される椎間板は、鋸歯がない。双方の椎間板は、純PEEKプレートと、コアと、チタンスクリーンとで形成される。X線画像に見られる通り、チタンスクリーン20は、明らかに目視可能であるが、一方、プレート10、12のPEEK部分およびPEEKコアは、X線下で完全に非可視である。X線画像の造影の調整で、プレートのPEEK部分は、僅かに目視可能となる場合がある。MRIおよびCTスキャンは、椎間板10によって生じる非常に僅かな歪みを伴う椎骨および周囲組織を明確に示す。これは、MRIまたはCT画像下で大きな歪みを生じ、画像の一部を隠すアーチファクトの生成によって周囲の構造を隠す傾向にある従来の金属椎間板に対して著しい向上である。
【0055】
従来の金属椎間板において、MRIおよびCT画像は、椎間板周囲の領域の調査にはほとんど使用されない。医師は、椎間板に関与している可能性のある、または関与していない可能性がある、継続する痛みを医師が診断できる、本出願に示すようなMRIおよびCTスキャン調和型椎間板の所有を熱望している。しかしながら、従来の金属ディスクにおいては、画像不良のため、利用可能な医療画像技法によって、継続する問題を診断することは、しばしば不可能である。
【0056】
金属挿入具を伴う2つの部分に分かれるPEEKプレート10、12の利点の1つは、プレートのPEEK部分は、金属挿入具を取り外さずに除去可能なように作製され得ることである。例えば、プレート10、12の座面が過剰に摩耗した場合において、プレートのPEEK部は、金属挿入具20を所定位置に残したまま、除去され、交換され得る。代替的に、プレート10、12のPEEK部分は除去されることができ、一方、金属挿入具は、残り、後の融合または他の固定手順において組み込まれる。
【0057】
図3〜6は、2つの部分の金属スクリーン設計を有する、PEEKと金属ディスクとの組み合わせの代替的実施形態を図示する。椎間板(図5に組み立てを示す)は、上側プレート110と、下側プレート112と、コア114とを備える。上側および下側プレート110、112は、コア114と接触するための内側座面とともに、1つ以上の金属挿入具、または骨組込み面としての役割を果たす材料から形成されるスクリーン120A、120Bを伴う、PAEK(PEEK)等の耐久性があり、画像調和型の材料から形成される。図1の実施形態のように、挿入具120A、120Bは、保持性および骨組込みを確実にするために、鋸歯118および/または歯もしくはフィンレット119等の1つ以上の骨組込み強化特徴を含み得る。本ディスク椎間板構造は、金属スクリーン120A、120Bが鋸歯118を有する骨組込み面を形成するだけでなく、フィンへの良好な骨付着のための金属フィン16も含むという点で図1のものと異なる。
【0058】
金属スクリーンは、型押、加工等によってチタンで形成される2つの部分のスクリーン120Aおよび120Bの形態で、溶接または他の取り付けにより中心線で一緒に固着される。チタンスクリーン120A、120Bの2つの部分は、各々、PEEKプレート110、112の対応する内側リム122を収容するスクリーンに、半分のフィン部材116と、半分の開口部124とを含む。
【0059】
図4および6は、PEEK部分の外側リム132を取り囲み、係合する周辺突起128を提供することによって、金属スクリーンの2つの部分120Aおよび120Bのプレート110のPEEK部分への取り付けを図示する。この外側リム132は、スクリーン120A、120Bの2つの部分が一緒に固着されるとき、ロック嵌めを生成する傾斜した外面を有する。図1の実施形態のように、プレート110は、座面130を含み、保持リング134等、コアを保持するための保持機能を備えることができる。本実施形態におけるスクリーン120A、120Bは、好ましくは、任意の鋸歯もしくは歯の高さ、または周辺突起128の高さを含まない、約0.5mm乃至約1.5mm、好ましくは、約0.5〜0.1mmの厚さを有する薄いスクリーンである。
【0060】
図10〜12は、頚椎に移植された図5の椎間板を示す画像である。画像は、X線(図10)、MRI(図11)、およびCTスキャン(図12)によって撮られる。椎間板は、画像のCで示され、金属フィンは、プレート上に目視できる。特に、図12の上側面CTスキャンで確認できるように、脊柱は近傍の椎間板よって干渉されず、明確に目視できる。
【0061】
本発明の一実施形態において、PEEKコアは、1つ以上のスプリング要素を組み入れることができる。スプリング要素は、異種金属の相互作用を懸念せずに、金属材料で形成され得る。例えば、ニッケルチタン合金で形成されるスプリング要素は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2009年1月23日に出願された米国特許出願第12/358,716号に説明される様式で、適合コアを形成するように2つのPEEKエンドキャップの間に使用され得る。
【0062】
本明細書で説明されるPEEKと金属ディスクとの組み合わせは、多くの人工椎間板設計、および前方、側方、後方ならびに後側方アプローチを含む、椎間板腔への異なるアプローチで使用され得る。そのような人工椎間板の様々な実施形態が、図で示され、本明細書でさらに説明されるが、これらの実施形態の一般的な原理、つまり、骨組込みのための金属挿入具と共にPEEK椎間板を提供することは、LINK(登録商標)SB CHARITEディスク(DePuy Spine,Inc.により提供される)、MOBIDISK(登録商標)(LDR Medical(www.ldrmedical.fr)によって提供される)、BRYAN頚椎ディスクおよびMAVERICK腰部ディスク(Medtronic Sofamor Danek,Inc.によって提供される)、PRODISC(登録商標)またはPRODISC−C(登録商標)(Synthes Stratec, Inc.より)、およびPCMディスク(Cervitech,Inc.によって提供される)等、任意の数多くの他の椎間板補綴具に適用され得るが、これらに限定されない。
【0063】
代替実施形態の1つにおいて、金属スクリーン椎間板を伴うPEEKは、ボールおよびソケット設計で形成される。本実施形態において、下側プレートは、チタン骨組込みスクリーンを備える下側面と、凸球形面の形態でのPEEK座面を備える上側面とを含む。上側プレートは、チタン骨組込みスクリーンを備える上側面と、上側プレートの凹形座面と嵌合するPEEK凹形座面を備える下側面とを含む。この2つの部分のPEEKおよびチタン椎間板は、異なる形状の座面、被覆座面、および/または金属座面挿入具によって他の構成をとることができる。
【0064】
本明細書で説明される椎間板は、本来、PEEKおよびチタンの組み合わせを含むように説明されるが、PEEKの開示は、他のPAEK重合体を含むよう意図され、チタンの開示は、良好な骨成長特性を有する他の生体適合性金属を含むよう意図されることを理解されたい。
【0065】
例示的実施形態が、実施例として、および明確な理解のために詳細に説明されたが、当該分野の当事者は、様々な修正、適用、および変更が利用され得ることを認識されたい。したがって、本発明の範囲は、付属の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/050,455号(名称「POLYARYLETHERKETONE ARTIFICIAL INTERVERTEBRAL DISC」、2008年5月5日出願)および米国仮特許出願第61/082,012号(名称「POLYARYLETHERKETONE ARTIFICIAL INTERVERTEBRAL DISC」、2008年7月18日出願)の優先権の利益を主張し、これらの出願の全開示は、本明細書に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、医療用デバイスおよび方法に関する。より具体的には、本発明は、椎間板補綴具に関する。
【背景技術】
【0003】
背痛は、世界中の人々の健康および生産性を非常に損なう。米国整形外科学会によると、約80%の米国人は、人生のある時点で背痛に悩む。ある1日で、米国の労働人口の5%が背痛によって障害を負うと推定される。
【0004】
背痛の一般的な原因は、1つ以上の椎間板の損傷、縮退および/または機能不全である。椎間板は、脊(脊髄)柱を構成する33の椎骨の各々の間に位置する軟組織構造である。基本的に、椎間板は、椎骨が相互に対して動けるようにする。椎柱および椎間板は、頭および胴を支える中心軸を形成するという点において、重要な解剖学的構造であり、背中の動きを可能にし、椎間板に近い椎骨を通る脊髄を保護する。
【0005】
椎間板は、しばしば、摩耗および裂傷、または急性損傷のため破損する。例えば、椎間板は、隆起(ヘルニア)、裂傷、破断、縮退等をする場合がある。隆起した椎間板は、脊髄または脊髄に存在する神経を押圧し、「神経根」痛(神経根の衝突によって引き起こされる1つ以上の四肢の痛み)を引き起こす。縮退または椎間板への他の破損は、「椎間板の高さ」の損失を生じる場合がある、つまり、2つの椎骨間の自然間隔が減少する。椎間板の高さの減少は、椎間板の隆起、椎間負荷の増大、不自然な状態での2つの椎骨の擦り合わせ、および/または椎骨ならびに/もしくは神経根のある一部における圧力の増加を引き起こす場合があり、よって痛みを引き起こす。概して、椎間板への慢性および急性破損は、背中に関連する痛みおよび動きの損失の一般的な原因である。
【0006】
1つ以上の破損した椎間板が、患者に痛みおよび不快感を引き起こすと、外科手術が、時には必要となる。従来、椎間板を治療するための外科手技は、椎間板に隣接する2つの椎骨の融合を伴うか、または伴わない、椎間板切除(椎間板の一部または全除去)を含む。2つの椎骨の融合は、2つの椎骨間に骨移植材料を挿入することによって達成されるので、2つの椎骨と移植材料が一緒に成長する。しばしば、ピン、ロッド、ネジ、ケージ等は、恒久的に融合する間、所定の場所に椎骨と移植材料とを維持するように、支持構造としての役割を果たす。融合は、時折、背痛を治療するが、背中は、融合部で曲げたり、捻ったりできないため、患者の運動能力を低減する。加えて、融合は、椎骨の隣接レベルでストレスを増大させ、それらの椎間板の縮退を加速する可能性がある。
【0007】
融合をせずに椎間板関連の痛みを治療する試みにおいて、動作可能で移植可能な人工椎間板(または「椎間板補綴具」)が2つの椎骨間に挿入される、代替のアプローチが開発された。数多くの異なる人工椎間板が、近年、開発された。例えば、米国特許公開第2005/0021146号、第2005/0021145号、および第2006/0025862号は、人工椎間板を説明しており、参照によりその全体が本明細書に援用される。このタイプの椎間板は、椎骨間の横方向および回転動作の関節運動を可能にするために、椎骨に対して配置される上側および下側プレートと、2つのプレート間に配置される可動コアとを備える。
【0008】
可動コアを有する椎間板補綴具の別の例は、CHARITE人工椎間板(DePuy Spine,Inc.により提供される)であり、米国特許第5,401,269号に説明される。椎間板補綴具の他の例は、MOBIDISK(商標登録)椎間板補綴具(LDR Medicalにより提供される)、BRYAN(商標登録)頚部椎間板補綴具(Medtronic Sofamor Danek,Inc.により提供される)、およびPRODISC(商標登録)椎間板補綴具(Synthes Stratec,Inc.から)を含み、特許文献1に説明される。これらの椎間板の一部は、可動コア椎間板であるが、他は、ボールソケット型のツーピース設計である。既存の椎間板補綴具は従来の治療方法に利点を提供するが、改善が継続されている。
【0009】
既知の人工椎間板は、概して、隣接する椎体に対して配置され、係合する上側および下側プレートと、プレート間の動作を提供するためのコアとを含む。コアは、可動もしくは固定、金属、セラミックもしくは重合体であり得、概して、固定されたコアデバイスのプレートのうちの1つ、または可動コアデバイスのプレートの双方の凹状部と嵌合する、少なくとも1つの凸形の外面を有する。
【0010】
公知の椎間板材料は、各々、利点および欠点を有する。例えば、セラミックおよび重合体材料は、概して、金属よりも、X線、CT、またはMRI画像等の医療画像においてアーチファクトをあまり引き起こさない。金属は、重合体より優れた骨付着特性ならびに、重合体およびセラミックより優れた摩耗特徴を有する。しかしながら、MRIにおいて、金属は、隣接する組織を不明瞭にするアーチファクトをつくり、人工椎間板の部位での可視化をほぼ不可能にする。人工椎間板形成における継続的挑戦は、材料の的確な組み合わせを見出し、利用可能な最良の材料の利点を利用するように設計することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,936,071号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、X線、MRIならびにCT画像等の医療画像における可視性の向上、および骨が成長するための表面の改善による、人工椎間板の改善の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に従うと、一実施形態において、隣接する椎骨間に挿入するための椎間板補綴具を提供し、該補綴具は、上側および下側補綴プレートと、可動コアとを備える。補綴プレートおよび隋意でコアは、向上した撮像特性のために、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)から形成される。金属挿入具は、骨成長面を提供するためのPAEK補綴プレートの各々の上に提供される。
【0014】
本発明の別の側面に従うと、椎間板補綴具は、プレートの少なくとも2つの座面の滑動移動によって、相互に対して関節運動するように構成されるPAEKの上側および下側の補綴プレートを含む。
【0015】
本発明の一側面に従うと、椎間板は、上側プレートが骨の付着を向上するために、複数の突起がその上に形成される金属挿入具から少なくとも部分的に形成される上側面と共にポリアリールエーテルケトン(PAEK)で形成される、上側椎骨接触面および下側座面を有する上側プレートと、下側プレートが骨の付着を向上するためにその上に形成される複数の突起を有する金属挿入具から少なくとも部分的に形成される下側面と共にPAEKで形成される、下側椎骨接触面および上側座面を有する下側プレートと、上側プレートと下側プレートの間に配置されるコアとを備える。コアは、上側プレートおよび下側プレートの座面と嵌合するように構成される上側および下側面を有する。
【0016】
本発明の別の側面に従い、椎間板は、上側プレートと、下側プレートと、上側および下側プレートの間に配置されるコアとを備える。上側プレートは、上側椎骨接触面と、下側座面とを有し、上側プレートは、少なくとも0.3mmの厚さを有する金属挿入具から少なくとも部分的に形成される上側面と共にポリアリールエーテルケトン(PAEK)で形成される。下側プレートは、下側椎骨接触面および上側座面を有し、下側プレートは、少なくとも0.3mmの厚さを有する金属挿入具から少なくとも部分的に形成される下側面と共にPAEKで形成される。コアは、上側および下側プレートの座面と嵌合するように構成される上側および下側面を有する。
【0017】
本発明のさらなる側面に従い、椎間板は、上側椎骨接触面および下側座面を有する上側プレートと、下側椎骨接触面および上側座面を有する下側プレートとを備え、該上側座面および下側座面は、上側椎骨接触面と下側椎骨接触面との間の関節運動を可能にするように構成される。上側および下側プレートは、骨の付着を向上するためにその上に形成される複数の突起を有する金属挿入具から少なくとも部分的に形成される椎骨接触面と共にポリアリールエーテルケトン(PAEK)で形成される。
【0018】
本発明の追加の側面に従い、椎間板は、PAEKに固定される金属挿入具と共にポリアリールエーテルケトン(PAEK)で形成され、第1の椎骨と接触するように構成される上側プレートと、PAEKに固定される金属挿入具と共にPAEKで形成され、第1の椎骨に隣接する第2の椎骨と接触するように構成される下側プレートとを備える。上側および下側プレートは、相互に対して前後方向ならびに横方向に関節運動するように、および相互に対して回転するように構成される。
【0019】
本発明の他の特徴は、付属の特許請求の範囲に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従う、椎間板の分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明の別の実施形態に従う、椎間板の上側プレートの部分的な側断面図である。
【図3】図3は、本発明の代替実施形態に従う、椎間板のプレートの斜視図である。
【図4】図4は、線4−4に沿った図3のプレートの断面図である。
【図5】図5は、図4のプレートを含む、組み立てられた椎間板の断面図である。
【図6】図6は、図3のプレートの分解斜視図である。
【図7】図7は、椎骨に移植された図1の実施形態に従う、2つの椎間板のX線画像である。
【図8】図8は、図7のX線に示される2つの椎間板のMRI画像である。
【図9】図9は、図7のX線に示される2つの椎間板のCTスキャン画像である。
【図10】図10は、椎骨に移植された図5の実施形態に従う、1つの椎間板のX線画像である。
【図11】図11は、図10のX線に示される椎間板のMRI画像である。
【図12】図12は、図10のX線に示される椎間板のCTスキャン画像である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、上側プレート10、下側プレート12、およびコア14を有する椎間板を図示する。上側および下側プレート10、12は、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)等の耐久性のある画像調和型材料で形成され、一実施形態では、純ポリ(アリールエーテルエーテルケトン)(PEEK)である。上側および下側プレートのPEEK部分は、コア14および1つ以上のフィン16と接触するための内側座面を含む。上側および下側プレート10、12は、骨組込み面としての役割を果たす材料で形成される1つ以上の金属挿入具20も含む。挿入具20は、骨組込みを確実にする鋸歯または歯のような特性を強化する1つ以上の骨組込みを含み得る。図1の実施形態に示す通り、特性を強化する骨組込みは、鋸歯18を含む。金属挿入具20は、様々な形状、および様々な骨組込み特性で形成され得るが、金属挿入具は、プレート10、12の骨接触面の実質的な部分を被覆する。
【0022】
図1に示す金属挿入具20は、型押、加工等によってチタンまたは他の金属から形成されるスクリーンの形態である。スクリーン20は、プレート10、12の外側面にしっかりまたは緩く固定され得る。チタンスクリーン20は、鋸歯18および任意の歯によって双方の即時固定を提供する表面を形成し、長期安定性のための骨成長面を提供する。固定の提供に加え、挿入具またはスクリーン20は、放射線マーカとしての役割も果たすことができる。PEEKは、放射線透過性または医療画像下でほぼ非可視であるため、挿入具20が、椎間板の境界を識別するためのマーカとしての役割を果たし、X線、蛍光透視法、MRIまたはCTスキャン下の椎間板の性能を評価する。
【0023】
PEEKは、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)系統群の一部であり、ポリケトンとも呼ばれ、整形移植の移植材料として益々利用されている。PAEKは、ケトンおよびエーテル官能基によって相互接続される芳香族主分子鎖から成る、本質的に強い生体適合性高温熱可塑性重合体の系統群である。PAEK系統群は、ポリ(アリール−エーテル−エーテル−ケトン)(PEEK)、ポリ(アリール−エーテル−ケトン−エーテル−ケトン−ケトン)(PEKEKK)、およびポリ(エーテル−ケトン−ケトン)(PEKK)を含み、高温かつ高強度でのその安定性のため、本来、航空機産業で開発された。
【0024】
上側および下側プレート10、12は、Invibio,Inc.から入手可能な純(非充填)PEEK、PEEK−OPTIMA、Invibio,Inc.のPEEK−CFR(炭素繊維強化)等の繊維強化PEEK、ガラス繊維強化PEEK、セラミック充填PEEK、テフロン(登録商標)充填PEEK、硫酸バリウム充填PEEK、または他の強化もしくは充填PAEK材料を含む、数多くの異なるPAEKから製造され得る。これらのPAEK材料は、安定しており、生体不活性で強く、接合部の関節運動のための基礎材料に最適である。しかしながら、放射線画像下で非可視またはほぼ非可視であり、生体不活性で高強度を有する他の材料も、使用され得る。純PEEKは、3−4GPaの弾性係数を有するが、PEEKを強化する繊維は、皮質骨(18GPa)に合致するか、またはチタン(105−120GPa)に合致するまで係数を向上させることができる。
【0025】
図1に示す通り、フィン16は、スクリーン20の開口部24内に受容される突起部分またはリム22によって包囲される。リム22および周囲開口部24は、スクリーンがプレート10の表面に配置される役割を果たす。リム22および開口部24は、スクリーン20を所定の位置に保持するためのスナップロック機能を提供できる。スクリーン20の代替的固定手段は、挿入成形、周囲ロック機能、または接着を含む。一実施形態において、スクリーン20およびPEEKプレートは、一緒に固定されない。固定されない実施形態において、スクリーンは、椎間板が移植されると、自然な解剖学的構造によってPEEKが外れることを防止する一方で、リム22および開口部24は、プレートの表面に対するスクリーンの摺動を防止する。
【0026】
スクリーン20は、好ましくは、任意の鋸歯または歯の高さを含まない、約0.1mm乃至約1.0mm、好ましくは、約0.3乃至0.7mmの厚さを有する薄いスクリーンである。スクリーン20は、好ましくは、骨接触面の少なくとも50%(任意のフィンを含まず)、好ましくは、骨接触面の少なくとも75%等、椎間板の骨接触面の大部分を被覆する。
【0027】
一実施形態において、スクリーン20は、椎間板の金属部をプレートの後端からより遠くへ移動させることによって、脊柱の画像を向上させるためにプレート10の後端前で終わる。別の実施形態において、骨接触面は、スクリーン20によって、部分的に、例えば50%被覆され、骨接触面の残りおよび隋意にフィンは、骨成長の向上のためにチタンプラズマ溶射で被覆される。プラズマ溶射は、スクリーン20より薄く形成され得るため、画像は、スクリーンおよび被覆の組み合わせによって提供される金属の減少によってさらに強化される場合がある。
【0028】
フィン16は、1つ以上の横方向の穴26によって貫通される細長いフィンであってもよい。椎間板は、前方のアクセスから患者に後方に挿入され得るため、椎間板の後側が椎間腔、次いで椎間板の前側に入ると、フィン16の斜めの後端28は、椎骨の1つの溝に入ることができる。
【0029】
チタンスクリーン20と対向するプレート10、12の表面において、プレートは、コア14に対する座面としての役割を果たす凹状部30によって形成される。座面は、PEEK座面として示されるが、コバルトクロム合金等の金属座面挿入具も、使用され得る。
【0030】
コア14は、プレート10、12の凹状部または座面30の曲率と合致する上側および下側座面36と共に、円形ディスク形状部材として形成され得る。椎間板が患者の椎骨間に移植される時、コア14は、プレート間にコアを保持するために、少なくとも1つの椎間板上の保持特徴34と連動する1つ以上の環状リム32も有する。コア14は、相互に対して上側および下側プレートの関節運動、平行移動、および回転を可能にする上側および下側椎間板の双方に対して可動である。コア14の球状に湾曲した外面36およびプレート10、12の座面30は、椎間板の大きさにより変動し得る、同じ曲率半径を有する。
【0031】
座面は、球状に湾曲した面として示されるが、他の形状の面も使用され得る。例えば、1つの平らな座面および1つの球状面が使用され得る。代替的に、小判またはインゲン豆形状の座面等、椎間板の回転動作を制限するために、プレートおよびコア上の非対称座面が使用され得る。
【0032】
本発明の一実施形態において、コア14は、対応するプレート10、12の座面30の曲率半径より僅かに小さい曲率半径を有する。曲率半径の僅かな差異は、コアに対して曲率半径の約0.5乃至5%の減少率である。曲率の僅かな差異は、任意の可能な座面の初期付着を低減することによって関節運動を改善でき、PEEKコアおよびPEEK座面の組み合わせに特に有益である。
【0033】
図1に示す実施形態において、単一の中心フィン16は、挿入を補助するための傾斜した後端を伴って前後方向に延在する、各々のプレート10、12上に提供される。本実施形態は、椎間板腔の前側からの挿入に特に有益である。代替的に、2つ以上のフィン16も、各々のプレートに提供され得る。一実施例において、単一のフィンは、一方のプレートに提供され得る一方で、二重フィンが、多段椎間板移植法に特に有用なねじれ型構成を達成するために、他方のプレートに提供され得る。本ねじれ型構成は、多段移植用の同一平面における椎体の切削を避けることによって、稀にある椎体開裂の発生を防止する。フィン16の配向も、椎間板10への挿入方向によって修正され得る。代替的実施形態において、フィン16は、側面−側面配向、後側−前側配向等、前後軸から離れるように回転させられ得る。
【0034】
プレートの2つのフィンの一実施形態において、2つのフィンは、スクリーンの一部として、金属で形成される。本実施形態において、2つのフィン形状部材は、平らなスクリーンに切削され、2つのフィンを形成するように上方向に畳まれる。これは、PEEK面として残され得る、またはチタンでプラズマ溶射され得るフィンの間にギャップを残す。
【0035】
フィン16は、椎体に切削されたスロット内に設置されるように構成される。一実施形態において、フィン16は、骨成長のために横方向の穴26によって貫通される。横方向の穴26は、任意の形状に形成され得、フィン16を通って部分的にまたは全体に渡って延在し得る。好ましくは、フィン16は、各々、幅を上回る高さを有し、高さを上回る長さを有する。
【0036】
フィン16は、骨への付着の向上を提供し、骨におけるプレートの回転を防止する。一部の実施形態において、フィン16は、90°以外の角度で、プレート10、12の表面から延在し得る。例えば、複数のフィン16が表面に付着する1つ以上のプレート10、12上において、フィンは、約80乃至88°等の角度でそれらの端より僅かに近接する基部を伴って、相互から離れるように傾き得る。フィン16は、様々な実施形態において、様々な数値の角度を含む、任意の他の適切な構成を有し得る。一部の実施形態において、フィン16は、全て省かれ得る。
【0037】
フィン16に加えて、骨組込みが、骨の付着を向上するために複数の突起がその上に形成される金属挿入具またはスクリーン20を提供することによって改善され得る。図1において、突起は、開口部24のいずれかの側に複数の列で配列されるピラミッド型鋸歯18の形態である。
【0038】
突起は、1つ以上のフィンレット、歯等も含み得る。突起は、使用されるプレートの大きさおよび形状により、様々な数および構成で配置され得る。一実施例において、4〜6の楔形歯は、頚部用途のために、各々の金属挿入具20上に提供される。例えば、ピラミッド形、円錐形、長方形および/または円筒形歯等、他の歯形状も使用され得る。歯および/またはフィンレットは、約0.7−3mm、好ましくは、約1−2mmであってもよい様々な高さを有することができる。鋸歯は、約0.3−1mmの異なる高さを有することができる。時間の経過と共に、スクリーン20と椎骨との間の堅固な連結は、骨組織が鋸歯状の加工、歯および/またはフィンレット上に成長する骨組織として達成される。骨組織の成長は、また、フィン16の周囲およびその穴26を通って発生し、達成される連結をさらに強化する。
【0039】
歯、溝、リッジ、ピン、逆とげ等を含む、骨組込み構造の他の幾何学構造も使用され得る。骨組込み構造が、リッジ、歯、逆とげ、または類似する構造の場合、これらは、挿入を容易にし、移動を防止するために曲げられ得る。これらの骨組込み構造は、骨を出血させ、骨組込みを容易にさせるために、移植中、骨を正確に切削するために使用され得る。加えて、プレート10、12の外面は、骨組込みを向上するために、酸化アルミニウム微粒子等でブラスト処理をすることによって形成される粗い微小加工によって提供され得る。一部の実施形態において、外面は、外面の椎骨への付着をさらに強化するために、チタンプラズマ溶射またはHA被覆され得る。
【0040】
複数の突起を有する加工された平らなプレートとして、スクリーン20を図1に示す。図2に示す通り、スクリーンは、また、椎骨接触方向に骨係合歯を形成する穴の配列、および/またはスクリーンをPEEKプレートに固着するための固着歯を形成する穴の配列で型押される薄い金属プレートの形態をとり得る。図2は、代替的な椎間板の上側プレート110を示す。上側プレートは、PEEK部分の椎体接触面上にPEEK部分112と、金属スクリーン120とを含む。金属スクリーン120は、向上した固定を提供するために、図1の鋸歯18の様式で機能するように構成される、複数の穿孔歯122を含む。金属スクリーン120は、スクリーンをPEEK部分112に固着するように構成される、複数の歯124も含むことができる。一実施例において、PEEK部分112は、歯124の周囲に挿入成形され得る。
【0041】
図2は、また、スクリーン部分120をPEEKまたは重合体部分112に係止するためのロック機能130を図示する。ロック機能130は、スナップロック機能、挿入成形機能、または他の機械的接続を含む場合がある。ロック機能130は、上側プレート110の2つ以上の側面に提供され得、離散的または連続的であり得る。同一の、または異なるロック機能が、対応する下側プレートに使用され得る。図2の上述の機能は、図1に示す多数の構造と組み合わされ得る。
【0042】
図1の実施形態に従うコア14は、下側プレート12の端から内側方向に突起する保持リングを含む保持機能34によって、下側プレート12に保持され得る。周縁コア保持機能を示すが、少なくとも米国特許公開第2005/0251262号、第2005/0021146号ならびに第2005/0021145号に示されるものを含む、他のコア保持機能も使用され得、これらは参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0043】
コア14は、球状形状の座面36の円形として断面で示されるが、小判、楕円、またはインゲン豆形状を含む、他の形状が使用され得る。これらの非円形形状コアは、上側および下側プレート10、12間の回転運動を制限するために使用され得る。コア14およびプレート10、12は、固体部材として示されるが、コアおよびプレートは、複数の部品および/または複数の材料から作製され得る。コアは、チタン、窒化チタン、他のチタンベース合金、タンタル、ニッケルチタン合金、ステンレススチール、コバルトクロム合金、セラミック、またはPEEK、UHMWPE、PLA、または繊維強化重合体を含む生体適合性重合体材料等、低摩擦材料から作製され得る。高摩擦被覆材料も使用され得る。
【0044】
コアが放射線画像下で非可視であるPEEK等の重合体から形成されるとき、コア内に埋め込まれる放射線マーカを備えることが望まれる場合がある。例えば、単一チタンピンは、コアの中央を通って軸方向に配置され得るため、PEEKコアは、術後X線検査で目視可能である。1つ以上の半径方向のピン等、ピンの他の構成も、放射線マーカとしての役割を果たすことができ、そのような検査中にコア14の位置を確認することができる。
【0045】
代替的に、PEEKコアは、特定のPEEK材料、または強化PEEK材料の場合、強化材料の選択によって、放射線検査でより目視可能になる。一実施形態において、PEEKコア14は、X線でコアをプレートから識別可能にするために、プレート10、12と異なる密度(高い可視性)のPEEK材料で形成される。目視可能なコアを形成するために使用され得るPEEK材料の1つは、硫酸バリウムで充填されたPEEKである。硫酸バリウムで充填されたPEEKは、また、コアの潤滑性を向上させ、コアに対する座面の摺動を向上させるために使用され得る。
【0046】
PEEKコアの代替として、金属コアが使用され得る。PEEKプレートは関心領域に近位に位置するが、コアは画像の関心領域から離れるように配置されるため、金属コアは、大きさが比較的に小さい場合、MRIまたはCTスキャン画像の歪みを最小に抑えて使用され得る。金属被覆PEEKコアは、2つの材料の組み合わせた利点を提供できる。金属コアは、潤滑性の向上とPEEK座面上の金属からの摩耗の低減との組み合わせた利点を提供する。代替的に、PEEKプレートは、PEEKプレート上に薄いカップ形状の座面挿入具を提供することによって、金属座面と共に形成され得る。座面挿入具は、厚さが約1mmまたはそれ未満であり得、チタンまたはコバルトクロム合金で形成される。金属座面挿入具を伴うPEEKプレートは、画像の向上のために金属量を最小にでき、PEEKコアとの組み合わせで使用され得る。
【0047】
本発明に従う椎間板は、二方向の関節運動および回転を提供する。関節運動および回転の程度は、用途または特定の患者によって制限される場合がある。
【0048】
プレート10、12は、椎間板の挿入および除去のための椎間板の把持および操作を容易にするための器具で、椎間板の把握に使用するための溝34Aが側縁に提供される。溝34Aは、プレート10、12が把握され、ロック配向で同時に挿入されることを可能にする。環状溝または内部ボアを含む、他の代替把握構成も使用され得る。
【0049】
上側および下側プレート10、12は、好ましくは、PEEKまたは他の高強度の生体適合性重合体から形成される。スクリーン20等の上側および下側プレート10、12の一部も、チタン、窒化チタン、他のチタンベース合金、タンタル、ニッケルチタン合金、ステンレススチール、コバルトクロム合金、セラミック、またはUHMWPE、PLA、または繊維強化重合体等の生体適合性重合体材料から形成され得る。座面30は、窒化チタン加工等の硬い被覆を有することができる。
【0050】
プレート10、12の一部は、骨組込みを向上するためにチタンプラズマ溶射で処理され得る。例えば、フィン16の表面は、チタンプラズマ溶射され得る。別の実施例において、フィン16およびスクリーン20は、一緒にチタンプラズマ溶射され得る。HA(ヒドロキシアパタイト)被覆、微小HA被覆、表面を粗くするためのブラスト処理手順、および/または他の骨組込みを促進する被覆等、他の材料および被覆も使用され得る。スナップ嵌め、スリップ嵌め、ラミネート加工、締り嵌め、接着剤の使用、溶接等、任意の適切な技法が材料を一緒に結合するために使用され得る。
【0051】
本明細書に説明される椎間板は、損傷した椎間板の代わりに、隣接する椎骨の間に外科的に移植される。当該分野の当事者は、本明細書に要約される椎間腔の準備および椎間板の移植手順を理解するであろう。典型的な人工椎間板手順において、損傷した椎間板は、部分的にまたは全体が除去され、隣接する椎骨は、椎間板の挿入に必要な空間を提供するために、相互に強制的に離されるか、または分裂させられる。1つ以上のスロットが、フィン16がある場合、これを収容するために椎骨に切削される。プレート10、12は、それらを受容するように、対向する椎骨表面に切削されたスロットに入るフィン16と共に椎骨間の場所にはめ込まれる。プレートは、コアと共に、またはコアなしで、同時にまたは順を追って挿入され得る。椎間板の一部が挿入された後、個々のプレート10、12は、独立して、または一緒に、最終位置にさらに前進し得る。椎間板が挿入されると、椎骨は、整列された椎間板を所定の位置に保持するように一緒に移動する。
【0052】
鋸歯18およびフィン16を含むプレート10、12の椎骨接触面は、対向する椎骨に対して配置され、時間の経過と共に、プレートと椎骨との間の強固な接続が、鋸状加工上に、およびフィンを通ってフィンの周囲に骨組織成長として達成される。
【0053】
椎間板および周囲の生体構造は、X線、蛍光透視法、CTスキャン、MRI、または他の医療画像技法によって、術後、可視化され得る。コア14の座面が過剰に摩耗された場合に、コアは、さらなる外科手技によって除去され、交換され得る。
【0054】
図7、8、および9は、2つの隣接する頚部椎間板レベルの椎骨に移植された、図1の2つの椎間板を示す画像である。画像は、X線(図7)、MRI(図8)、およびCTスキャン(図9)で撮られる。画像のAで示される椎間板は、図1に示される通り、スクリーン20上に鋸歯18を有する。画像のBで示される椎間板は、鋸歯がない。双方の椎間板は、純PEEKプレートと、コアと、チタンスクリーンとで形成される。X線画像に見られる通り、チタンスクリーン20は、明らかに目視可能であるが、一方、プレート10、12のPEEK部分およびPEEKコアは、X線下で完全に非可視である。X線画像の造影の調整で、プレートのPEEK部分は、僅かに目視可能となる場合がある。MRIおよびCTスキャンは、椎間板10によって生じる非常に僅かな歪みを伴う椎骨および周囲組織を明確に示す。これは、MRIまたはCT画像下で大きな歪みを生じ、画像の一部を隠すアーチファクトの生成によって周囲の構造を隠す傾向にある従来の金属椎間板に対して著しい向上である。
【0055】
従来の金属椎間板において、MRIおよびCT画像は、椎間板周囲の領域の調査にはほとんど使用されない。医師は、椎間板に関与している可能性のある、または関与していない可能性がある、継続する痛みを医師が診断できる、本出願に示すようなMRIおよびCTスキャン調和型椎間板の所有を熱望している。しかしながら、従来の金属ディスクにおいては、画像不良のため、利用可能な医療画像技法によって、継続する問題を診断することは、しばしば不可能である。
【0056】
金属挿入具を伴う2つの部分に分かれるPEEKプレート10、12の利点の1つは、プレートのPEEK部分は、金属挿入具を取り外さずに除去可能なように作製され得ることである。例えば、プレート10、12の座面が過剰に摩耗した場合において、プレートのPEEK部は、金属挿入具20を所定位置に残したまま、除去され、交換され得る。代替的に、プレート10、12のPEEK部分は除去されることができ、一方、金属挿入具は、残り、後の融合または他の固定手順において組み込まれる。
【0057】
図3〜6は、2つの部分の金属スクリーン設計を有する、PEEKと金属ディスクとの組み合わせの代替的実施形態を図示する。椎間板(図5に組み立てを示す)は、上側プレート110と、下側プレート112と、コア114とを備える。上側および下側プレート110、112は、コア114と接触するための内側座面とともに、1つ以上の金属挿入具、または骨組込み面としての役割を果たす材料から形成されるスクリーン120A、120Bを伴う、PAEK(PEEK)等の耐久性があり、画像調和型の材料から形成される。図1の実施形態のように、挿入具120A、120Bは、保持性および骨組込みを確実にするために、鋸歯118および/または歯もしくはフィンレット119等の1つ以上の骨組込み強化特徴を含み得る。本ディスク椎間板構造は、金属スクリーン120A、120Bが鋸歯118を有する骨組込み面を形成するだけでなく、フィンへの良好な骨付着のための金属フィン16も含むという点で図1のものと異なる。
【0058】
金属スクリーンは、型押、加工等によってチタンで形成される2つの部分のスクリーン120Aおよび120Bの形態で、溶接または他の取り付けにより中心線で一緒に固着される。チタンスクリーン120A、120Bの2つの部分は、各々、PEEKプレート110、112の対応する内側リム122を収容するスクリーンに、半分のフィン部材116と、半分の開口部124とを含む。
【0059】
図4および6は、PEEK部分の外側リム132を取り囲み、係合する周辺突起128を提供することによって、金属スクリーンの2つの部分120Aおよび120Bのプレート110のPEEK部分への取り付けを図示する。この外側リム132は、スクリーン120A、120Bの2つの部分が一緒に固着されるとき、ロック嵌めを生成する傾斜した外面を有する。図1の実施形態のように、プレート110は、座面130を含み、保持リング134等、コアを保持するための保持機能を備えることができる。本実施形態におけるスクリーン120A、120Bは、好ましくは、任意の鋸歯もしくは歯の高さ、または周辺突起128の高さを含まない、約0.5mm乃至約1.5mm、好ましくは、約0.5〜0.1mmの厚さを有する薄いスクリーンである。
【0060】
図10〜12は、頚椎に移植された図5の椎間板を示す画像である。画像は、X線(図10)、MRI(図11)、およびCTスキャン(図12)によって撮られる。椎間板は、画像のCで示され、金属フィンは、プレート上に目視できる。特に、図12の上側面CTスキャンで確認できるように、脊柱は近傍の椎間板よって干渉されず、明確に目視できる。
【0061】
本発明の一実施形態において、PEEKコアは、1つ以上のスプリング要素を組み入れることができる。スプリング要素は、異種金属の相互作用を懸念せずに、金属材料で形成され得る。例えば、ニッケルチタン合金で形成されるスプリング要素は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2009年1月23日に出願された米国特許出願第12/358,716号に説明される様式で、適合コアを形成するように2つのPEEKエンドキャップの間に使用され得る。
【0062】
本明細書で説明されるPEEKと金属ディスクとの組み合わせは、多くの人工椎間板設計、および前方、側方、後方ならびに後側方アプローチを含む、椎間板腔への異なるアプローチで使用され得る。そのような人工椎間板の様々な実施形態が、図で示され、本明細書でさらに説明されるが、これらの実施形態の一般的な原理、つまり、骨組込みのための金属挿入具と共にPEEK椎間板を提供することは、LINK(登録商標)SB CHARITEディスク(DePuy Spine,Inc.により提供される)、MOBIDISK(登録商標)(LDR Medical(www.ldrmedical.fr)によって提供される)、BRYAN頚椎ディスクおよびMAVERICK腰部ディスク(Medtronic Sofamor Danek,Inc.によって提供される)、PRODISC(登録商標)またはPRODISC−C(登録商標)(Synthes Stratec, Inc.より)、およびPCMディスク(Cervitech,Inc.によって提供される)等、任意の数多くの他の椎間板補綴具に適用され得るが、これらに限定されない。
【0063】
代替実施形態の1つにおいて、金属スクリーン椎間板を伴うPEEKは、ボールおよびソケット設計で形成される。本実施形態において、下側プレートは、チタン骨組込みスクリーンを備える下側面と、凸球形面の形態でのPEEK座面を備える上側面とを含む。上側プレートは、チタン骨組込みスクリーンを備える上側面と、上側プレートの凹形座面と嵌合するPEEK凹形座面を備える下側面とを含む。この2つの部分のPEEKおよびチタン椎間板は、異なる形状の座面、被覆座面、および/または金属座面挿入具によって他の構成をとることができる。
【0064】
本明細書で説明される椎間板は、本来、PEEKおよびチタンの組み合わせを含むように説明されるが、PEEKの開示は、他のPAEK重合体を含むよう意図され、チタンの開示は、良好な骨成長特性を有する他の生体適合性金属を含むよう意図されることを理解されたい。
【0065】
例示的実施形態が、実施例として、および明確な理解のために詳細に説明されたが、当該分野の当事者は、様々な修正、適用、および変更が利用され得ることを認識されたい。したがって、本発明の範囲は、付属の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側椎骨接触面および下側座面を有する上側プレートであって、該上側プレートは、該上側面と共にポリアリールエーテルケトン(PAEK)から形成され、該上側面は、骨の付着を向上するために、複数の突起がその上に形成される金属挿入具から少なくとも部分的に形成される、上側プレートと、
下側椎骨接触面および上側座面を有する下側プレートであって、該下側プレートは、該下側面と共にPAEKから形成され、該下側面は、骨の付着を向上するために、複数の突起がその上に形成される金属挿入具から少なくとも部分的に形成される、下側プレートと、
該上側プレートと下側プレートとの間に配置されるコアであって、該コアは、該上側プレートおよび下側プレートの該座面と嵌合するように構成される、上側面および下側面を有する、コアと
を備える、椎間板。
【請求項2】
前記コアは、前記上側プレートおよび下側プレートに対して可動である、請求項1に記載の板。
【請求項3】
前記上側プレートの前記上側面、および前記下側プレートの前記下側面から延在する、フィンの形態の固着要素をさらに備える、請求項1に記載の板。
【請求項4】
前記フィンは、各々、それらの幅を上回る高さと、それらの高さを上回る長さとを有する、請求項3に記載の板。
【請求項5】
前記フィンは、PAEKから形成される、請求項3に記載の板。
【請求項6】
前記フィンは、PAEKから形成され、金属材料で被覆される、請求項3に記載の板。
【請求項7】
前記フィンは、前記金属挿入具の一部として形成される、請求項3に記載の板。
【請求項8】
前記金属挿入具は、チタンから形成される、請求項1に記載の板。
【請求項9】
前記金属挿入具は、前記上側プレートおよび下側プレートの前記PAEKに成形される挿入具である、請求項1に記載の板。
【請求項10】
前記金属挿入具は、約0.1乃至約1.0mmの厚さを有する、請求項1に記載の板。
【請求項11】
前記金属挿入具は、プレス嵌めによって前記上側プレートおよび下側プレートの前記PAEKに取り付けられる、請求項1に記載の板。
【請求項12】
前記上側プレートの前記上側面および前記下側プレートの前記下側面の一部は、骨付着のためのチタンプラズマ溶射を含む、請求項1に記載の板。
【請求項13】
前記コアは、PAEKから形成される、請求項1に記載の板。
【請求項14】
上側椎骨接触面および下側座面を有する上側プレートであって、該上側プレートは、該上側面と共にポリアリールエーテルケトン(PAEK)から形成され、該上側面、少なくとも0.3mmの厚さを有する金属挿入具から少なくとも部分的に形成される、上側プレートと、
下側椎骨接触面および上側座面を有する下側プレートであって、該下側プレートは、該下側面と共にPAEKから形成され、該下側面は、少なくとも0.3mmの厚さを有する金属挿入具から少なくとも部分的に形成される、下側プレートと、
該上側プレートと下側プレートとの間に配置されるコアであって、該上側プレートおよび下側プレートの該座面と嵌合するように構成される、上側面および下側面を有する、コアと
を備える、椎間板。
【請求項15】
前記コアは、前記上側プレートおよび下側プレートに対して可動である、請求項14に記載の板。
【請求項16】
前記上側プレートの前記上側面から、および前記下側プレートの前記下側面から延在する、フィンの形態の固着要素をさらに備える、請求項14に記載の板。
【請求項17】
前記フィンは、各々、それらの幅を上回る高さと、それらの高さを上回る長さとを有する、請求項16に記載の板。
【請求項18】
前記フィンは、PAEKから形成される、請求項16に記載の板。
【請求項19】
前記フィンは、PAEKから形成され、金属材料で被覆される、請求項16に記載の板。
【請求項20】
前記フィンは、金属挿入具の一部として形成される、請求項16に記載の板。
【請求項21】
前記金属挿入具は、チタンから形成される、請求項14に記載の板。
【請求項22】
前記金属挿入具は、前記上側プレートおよび下側プレートの前記PAEKに成形される挿入具である、請求項14に記載の板。
【請求項23】
前記金属挿入具は、プレス嵌めによって前記上側プレートおよび下側プレートの前記PAEKに取り付けられる、請求項14に記載の板。
【請求項24】
前記コアは、PAEKから形成される、請求項1に記載の板。
【請求項25】
前記金属挿入具は、型押した歯を含む、請求項1に記載の板。
【請求項26】
上側椎骨接触面および下側座面を有する上側プレートであって、該上側プレートは、該上側面と共にポリアリールエーテルケトン(PAEK)から形成され、該上側面は、骨の付着を向上するために、複数の突起がその上に形成される金属挿入具から少なくとも部分的に形成される、上側プレートと、
下側椎骨接触面および上側座面を有する下側プレートであって、該下側プレートは、該下側面と共にPAEKから形成され、該下側面は、骨の付着を向上するために、複数の突起がその上に形成される金属挿入具から少なくとも部分的に形成される、下側プレートと
を備えており、
該上側座面および下側座面は、該上側椎骨接触面と該下側椎骨接触面との間の関節運動を可能にするように構成される、椎間板。
【請求項27】
前記上側座面および下側座面は、前記上側プレートと下側プレートとの間に配置される可動コアに係合するように構成される、請求項26に記載の板。
【請求項28】
前記上側プレートの前記上側面から、および前記下側プレートの前記下側面から延在する、フィンの形態の固着要素をさらに備える、請求項26に記載の板。
【請求項29】
前記フィンは、各々、それらの幅を上回る高さと、それらの高さを上回る長さとを有する、請求項28に記載の板。
【請求項30】
前記フィンは、PAEKから形成される、請求項28に記載の板。
【請求項31】
前記金属挿入具は、チタンから形成される、請求項26に記載の板。
【請求項32】
前記金属挿入具は、前記上側プレートおよび下側プレートの前記PAEKに成形される挿入具である、請求項26に記載の板。
【請求項33】
前記金属挿入具は、約0.1乃至約1.0mmの厚さを有する、請求項26に記載の板。
【請求項34】
前記金属挿入具は、プレス嵌めによって前記上側プレートおよび下側プレートの前記PAEKに取り付けられる、請求項26に記載の板。
【請求項35】
前記金属挿入具は、PAEKに取り付けられ、前記上側プレートおよび下側プレートの骨接触面の少なくとも50%を被覆する、請求項26に記載の板。
【請求項36】
前記PAEKは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む、請求項26に記載の板。
【請求項37】
ポリアリールエーテルケトン(PAEK)に固定される金属挿入具と共に該PAEKから形成される上側プレートであって、該上側プレートは、第1の椎骨に接触するように構成される、上側プレートと、
PAEKに固定される金属挿入具と共に該PAEKから形成され、該第1の椎骨に隣接する第2の椎骨に接触するように構成される、下側プレートと
を備えており、
該上側プレートおよび下側プレートは、相互に対して前後方向および横方向に関節運動するように、および相互に対して回転するように配設される、椎間板。
【請求項1】
上側椎骨接触面および下側座面を有する上側プレートであって、該上側プレートは、該上側面と共にポリアリールエーテルケトン(PAEK)から形成され、該上側面は、骨の付着を向上するために、複数の突起がその上に形成される金属挿入具から少なくとも部分的に形成される、上側プレートと、
下側椎骨接触面および上側座面を有する下側プレートであって、該下側プレートは、該下側面と共にPAEKから形成され、該下側面は、骨の付着を向上するために、複数の突起がその上に形成される金属挿入具から少なくとも部分的に形成される、下側プレートと、
該上側プレートと下側プレートとの間に配置されるコアであって、該コアは、該上側プレートおよび下側プレートの該座面と嵌合するように構成される、上側面および下側面を有する、コアと
を備える、椎間板。
【請求項2】
前記コアは、前記上側プレートおよび下側プレートに対して可動である、請求項1に記載の板。
【請求項3】
前記上側プレートの前記上側面、および前記下側プレートの前記下側面から延在する、フィンの形態の固着要素をさらに備える、請求項1に記載の板。
【請求項4】
前記フィンは、各々、それらの幅を上回る高さと、それらの高さを上回る長さとを有する、請求項3に記載の板。
【請求項5】
前記フィンは、PAEKから形成される、請求項3に記載の板。
【請求項6】
前記フィンは、PAEKから形成され、金属材料で被覆される、請求項3に記載の板。
【請求項7】
前記フィンは、前記金属挿入具の一部として形成される、請求項3に記載の板。
【請求項8】
前記金属挿入具は、チタンから形成される、請求項1に記載の板。
【請求項9】
前記金属挿入具は、前記上側プレートおよび下側プレートの前記PAEKに成形される挿入具である、請求項1に記載の板。
【請求項10】
前記金属挿入具は、約0.1乃至約1.0mmの厚さを有する、請求項1に記載の板。
【請求項11】
前記金属挿入具は、プレス嵌めによって前記上側プレートおよび下側プレートの前記PAEKに取り付けられる、請求項1に記載の板。
【請求項12】
前記上側プレートの前記上側面および前記下側プレートの前記下側面の一部は、骨付着のためのチタンプラズマ溶射を含む、請求項1に記載の板。
【請求項13】
前記コアは、PAEKから形成される、請求項1に記載の板。
【請求項14】
上側椎骨接触面および下側座面を有する上側プレートであって、該上側プレートは、該上側面と共にポリアリールエーテルケトン(PAEK)から形成され、該上側面、少なくとも0.3mmの厚さを有する金属挿入具から少なくとも部分的に形成される、上側プレートと、
下側椎骨接触面および上側座面を有する下側プレートであって、該下側プレートは、該下側面と共にPAEKから形成され、該下側面は、少なくとも0.3mmの厚さを有する金属挿入具から少なくとも部分的に形成される、下側プレートと、
該上側プレートと下側プレートとの間に配置されるコアであって、該上側プレートおよび下側プレートの該座面と嵌合するように構成される、上側面および下側面を有する、コアと
を備える、椎間板。
【請求項15】
前記コアは、前記上側プレートおよび下側プレートに対して可動である、請求項14に記載の板。
【請求項16】
前記上側プレートの前記上側面から、および前記下側プレートの前記下側面から延在する、フィンの形態の固着要素をさらに備える、請求項14に記載の板。
【請求項17】
前記フィンは、各々、それらの幅を上回る高さと、それらの高さを上回る長さとを有する、請求項16に記載の板。
【請求項18】
前記フィンは、PAEKから形成される、請求項16に記載の板。
【請求項19】
前記フィンは、PAEKから形成され、金属材料で被覆される、請求項16に記載の板。
【請求項20】
前記フィンは、金属挿入具の一部として形成される、請求項16に記載の板。
【請求項21】
前記金属挿入具は、チタンから形成される、請求項14に記載の板。
【請求項22】
前記金属挿入具は、前記上側プレートおよび下側プレートの前記PAEKに成形される挿入具である、請求項14に記載の板。
【請求項23】
前記金属挿入具は、プレス嵌めによって前記上側プレートおよび下側プレートの前記PAEKに取り付けられる、請求項14に記載の板。
【請求項24】
前記コアは、PAEKから形成される、請求項1に記載の板。
【請求項25】
前記金属挿入具は、型押した歯を含む、請求項1に記載の板。
【請求項26】
上側椎骨接触面および下側座面を有する上側プレートであって、該上側プレートは、該上側面と共にポリアリールエーテルケトン(PAEK)から形成され、該上側面は、骨の付着を向上するために、複数の突起がその上に形成される金属挿入具から少なくとも部分的に形成される、上側プレートと、
下側椎骨接触面および上側座面を有する下側プレートであって、該下側プレートは、該下側面と共にPAEKから形成され、該下側面は、骨の付着を向上するために、複数の突起がその上に形成される金属挿入具から少なくとも部分的に形成される、下側プレートと
を備えており、
該上側座面および下側座面は、該上側椎骨接触面と該下側椎骨接触面との間の関節運動を可能にするように構成される、椎間板。
【請求項27】
前記上側座面および下側座面は、前記上側プレートと下側プレートとの間に配置される可動コアに係合するように構成される、請求項26に記載の板。
【請求項28】
前記上側プレートの前記上側面から、および前記下側プレートの前記下側面から延在する、フィンの形態の固着要素をさらに備える、請求項26に記載の板。
【請求項29】
前記フィンは、各々、それらの幅を上回る高さと、それらの高さを上回る長さとを有する、請求項28に記載の板。
【請求項30】
前記フィンは、PAEKから形成される、請求項28に記載の板。
【請求項31】
前記金属挿入具は、チタンから形成される、請求項26に記載の板。
【請求項32】
前記金属挿入具は、前記上側プレートおよび下側プレートの前記PAEKに成形される挿入具である、請求項26に記載の板。
【請求項33】
前記金属挿入具は、約0.1乃至約1.0mmの厚さを有する、請求項26に記載の板。
【請求項34】
前記金属挿入具は、プレス嵌めによって前記上側プレートおよび下側プレートの前記PAEKに取り付けられる、請求項26に記載の板。
【請求項35】
前記金属挿入具は、PAEKに取り付けられ、前記上側プレートおよび下側プレートの骨接触面の少なくとも50%を被覆する、請求項26に記載の板。
【請求項36】
前記PAEKは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む、請求項26に記載の板。
【請求項37】
ポリアリールエーテルケトン(PAEK)に固定される金属挿入具と共に該PAEKから形成される上側プレートであって、該上側プレートは、第1の椎骨に接触するように構成される、上側プレートと、
PAEKに固定される金属挿入具と共に該PAEKから形成され、該第1の椎骨に隣接する第2の椎骨に接触するように構成される、下側プレートと
を備えており、
該上側プレートおよび下側プレートは、相互に対して前後方向および横方向に関節運動するように、および相互に対して回転するように配設される、椎間板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2011−519637(P2011−519637A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507717(P2011−507717)
【出願日】平成21年5月5日(2009.5.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/042892
【国際公開番号】WO2009/137514
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(505284817)スパイナルモーション, インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月5日(2009.5.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/042892
【国際公開番号】WO2009/137514
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(505284817)スパイナルモーション, インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】
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