説明

ポリアルケンベースの超分子ポリマー、ブロックポリマーおよび揮発性溶媒を含む、ケラチン線維をトリートメントするための組成物

【課題】本発明の目的は、ケラチン線維、特にヒトの毛髪をトリートメントするための組成物を提供し、シャンプーに対するコーティングの抵抗力を有することを可能にし、外的な攻撃、特に皮脂に対する耐性を改善した特性を備え、ケラチン線維の劣化がなく、および完全に1本ずつ独立し、べたつかなくすることである。
【解決手段】本発明の主題は、ケラチン線維をトリートメントするための組成物であって、
・1つまたは複数のポリアルケンベースの超分子ポリマー、
・1つまたは複数のブロックエチレン性コポリマーであって、ホモポリマーにするとガラス転移温度が40℃以上となる1つまたは複数の第1モノマーから全体もしくは一部が得られる、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上の少なくとも1つの第1ブロック、および、ホモポリマーにするとガラス転移温度が20℃以下となる1つまたは複数の第2モノマーから全体もしくは一部が得られる、ガラス転移温度(Tg)が20℃以下の少なくとも1つの第2ブロックを含み、前記第1ブロックおよび第2ブロックはお互いに、前記第1ブロックを構成する少なくとも1つの第1モノマー、および前記第2ブロックを構成する少なくとも1つの第2モノマーを含むモノマーを含むランダムな中間セグメントで結合されており、多分散性指数Iが2より大きい、ブロックコポリマー、および
・1つまたは複数の揮発性溶媒
を含む組成物である。
本発明は、ケラチン線維に対して、染色されてもよく、線維の物理的特性を維持すると同時に、毛髪は1本ずつ独立した状態を維持することが可能なコーティングを得ることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、ケラチン線維、特に毛髪などのヒトのケラチン線維をトリートメントするための組成物、および顔料を用いて髪染めするための組成物である。
【背景技術】
【0002】
毛髪は一般的に、光や荒天などの、外的な大気の因子によって、およびブラッシング、櫛で梳くこと、漂白、パーマネントウェーブ、および/または染色などの機械的または化学的な扱いによって損傷し、脆くなる。その結果、毛髪はたいてい扱いにくく、特にもつれを解いたりスタイリングしたりことが難しくなり、頭髪において、豊富な頭髪でさえ、魅力的なヘアスタイルを持続することは毛髪の活力(vigour)、ボリューム(volume)、活気(liveliness)が欠如するために難しい。
【0003】
この毛髪の劣化は、さらに、染色の前駆体、および酸化剤を毛髪に塗ることからなる持続的な髪染めを繰り返すことで顕著になる。
【0004】
このように、現在、これを改善するためには、毛髪の調子を整え、ボディー(body)、かさ(bulk)、ボリューム、を与えるスタイリング製品を使用することが一般的な方法である。
【0005】
これらのスタイリング剤は、一般的に、毛髪と強い親和性を持ち、最も一般的には毛髪の表面に表面特性を改質し、特にコンディショニングする目的で被膜を形成する機能を有する、1つまたは複数のポリマーを含む、美容のための毛髪用組成物である。
【0006】
これら毛髪用組成物を使用することに関係する1つの欠点は、そのような組成物によってもたらされる美容効果は、特に毛髪が最初にシャンプーされるとすぐに消滅する傾向があることである。
【0007】
他の方法として、欧州特許第1392222号によって、ケラチン物質を手入れし、および/またはトリートメントするために、ポリマー骨格と少なくとも3つの水素結合を形成できる少なくとも2つの官能基とを有する超分子ポリマーを含む、化粧品組成物を使用することが知られている。また、欧州特許第1435900号によって、コーティングの持続性を改善するために、ポリマー骨格と、少なくとも3つの水素結合を形成できる少なくとも2つの官能基とを有する超分子ポリマー、および界面活性剤または毛髪のコンディショニング剤を使用する方法が知られている。
【0008】
特に、ポリアルケンベースの超分子を使用することで、コーティングが得られる。これらのポリマーが毛髪に使用されると、毛髪は均一にコーティングされ、同時に個々に残存する。このコーティングは毛髪に持続的なボディーおよびかさを与える。上記コーティングが顔料を含む場合、得られた染色は、暗い背景で彩り良く、極めて目立つ。
【0009】
ポリアルケンベースの超分子ポリマーを使用したコーティングに関連する1つの欠点は、脂肪物質、特に皮脂などの外的な攻撃に対する耐性が欠落していることである。脂肪物質に対するコーティングの敏感さは、シャンプーに対するコーティングの抵抗力およびその美観の低下をもたらし、髪が触るとべたつくようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第1392222号
【特許文献2】欧州特許第1435900号
【特許文献3】仏国特許第2782723号
【特許文献4】米国特許第5246694号
【特許文献5】国際公開2005/075567
【特許文献6】米国特許出願2004/0180011号
【特許文献7】米国特許第5266321号
【特許文献8】米国特許第4742142号
【特許文献9】米国特許第5654362号
【特許文献10】仏国出願公開第2864784号
【特許文献11】米国特許第4970252号
【特許文献12】米国特許第4987169号
【特許文献13】米国特許第5412004号
【特許文献14】米国特許第5654362号
【特許文献15】米国特許第5760116号
【特許文献16】特開昭61-194009
【特許文献17】米国特許第5236986号
【特許文献18】米国特許第5412004号
【特許文献19】米国特許第5837793号
【特許文献20】米国特許第5811487号
【特許文献21】米国特許第5538793号
【特許文献22】米国特許第4693935号
【特許文献23】米国特許第4728571号
【特許文献24】米国特許第4972037号
【特許文献25】欧州出願公開第0412704号
【特許文献26】欧州出願公開第0412707号
【特許文献27】欧州出願公開第0640105号
【特許文献28】国際公開95/00578
【特許文献29】仏国特許第2679771号
【特許文献30】欧州特許第1184426号
【特許文献31】独国特許第10238090号
【特許文献32】米国特許第4578266号
【特許文献33】欧州出願公開第1400234
【特許文献34】欧州出願公開第708114号
【特許文献35】国際公開02/056847
【特許文献36】国際公開02/47619
【特許文献37】米国出願公開第5783657号
【特許文献38】欧州出願公開第1266647号
【特許文献39】仏国出願公開第0216039号
【特許文献40】欧州出願公開第1400234号
【特許文献41】国際公開03/105788
【特許文献42】米国出願公開第2002/005562号
【特許文献43】米国特許第5221534号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Polymer Handbook、第3版、1989年、John Wiley
【非特許文献2】Kirk-Othmer、Encyclopaedia of Chemical Technology
【非特許文献3】Ullmann、Encyclopaedia of Industrial Chemistry
【非特許文献4】Cosmetics and Toiletries、1990年2月、vol. 105、53〜64頁
【非特許文献5】Mineralogie des argiles[Clay Mineralogy]、S.Caillere、S.Henin、M.Rautureau、第2版、1982年、Masson
【非特許文献6】CTFA、第6版、1995年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、ケラチン線維、特にヒトの毛髪をトリートメントするための組成物を提供ことであり、その組成物はシャンプーに対して抵抗性のコーティングを得ることを可能にし、外的な攻撃、特に皮脂に対する耐性を改善した特性を備え、ケラチン線維の劣化がなく、および完全に1本ずつ独立し、べたつかなくすることを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によってこの目的は達成され、その主題は、ケラチン線維、特に毛髪をトリートメントするための組成物であって、
・1つまたは複数のポリアルケンベースの超分子ポリマー、
・1つまたは複数のブロックエチレン性コポリマーであって、ホモポリマーにするとガラス転移温度が40℃以上となる1つまたは複数の第1モノマーから全体もしくは一部が得られる、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上の少なくとも1つの第1ブロック、および、ホモポリマーにするとガラス転移温度が20℃以下となる1つまたは複数の第2モノマーから全体もしくは一部が得られる、ガラス転移温度(Tg)が20℃以下の少なくとも1つの第2ブロックを含み、前記第1ブロックおよび第2ブロックはお互いに、前記第1ブロックを構成する少なくとも1つの第1モノマー、および前記第2ブロックを構成する少なくとも1つの第2モノマーを含むモノマーを含むランダムな中間セグメントで結合されており、多分散性指数Iが2より大きい、ブロックコポリマー、および
・1つまたは複数の揮発性溶媒
を含む組成物である。
【0014】
本発明による組成物は、ケラチン線維上で、シャンプーに対して耐性であり、かつケラチン線維の物理的特性を保つコーティングを得ることを可能にする。このようなコーティングは、特に、毛髪が受け得る外的な攻撃、例えば、ブロードライングおよび発汗、特に皮脂などの脂肪物質、などに対して耐性がある。コーティングは、特に滑らかで、均一な付着を得ることを可能にする。さらに、驚くべきことに、毛髪は1本ずつ完全に独立した状態を維持し、問題なくスタイリングすることができることが認められた。
【0015】
用語「1本ずつ独立した毛髪」は、毛髪が、組成物を適用し、乾燥した後で、コーティングがほとんどすべての毛髪の周囲に形成されるために、互いにくっつきあうことがなく(あるいは、すべてが互いに分離しており)、したがって毛髪の集塊を形成しない毛髪を意味するように意図されている。
【0016】
本発明の主題はまた、本組成物を用いて、ケラチン線維、特に、毛髪をトリートメントするための方法でもある。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ポリアルケンベースの超分子ポリマー
本発明の目的のためには、用語「ポリアルケンベースの超分子ポリマー」は、その構造中に、少なくとも1つのポリアルケン部分、および少なくとも3つのH-結合、好ましくは少なくとも4つのH-結合を形成可能な少なくとも1つの基を含む少なくとも1つの部分を含むポリマーを意味するよう意図されている。
【0018】
ポリアルケンは、好ましくはポリ(エチレン-ブチレン)、ポリブタジエンおよびポリイソプレンから選択される。
【0019】
本発明の超分子ポリマーは、特に、少なくとも1つの反応性基によって官能基化された少なくとも1つのポリアルケンポリマーと、その官能基化されたポリ(アルケン)ポリマーの反応性基と反応可能な少なくとも1つの反応性基によって官能基化された少なくとも1つのグラフトとの縮合により誘導されてもよく、前記グラフトは少なくとも3つのH-結合、好ましくは少なくとも4つのH-結合を形成可能な少なくとも1つの基を有することができる。
【0020】
好ましくは、官能基化されたポリアルケンポリマーは、式A:
HX-R-X'H
[式中、XHおよびX'Hは反応性基であって、ここでXおよびX'は、同一でも異なっていてもよく、O、S、NH、またはRaがC1〜C6アルキル基を表すNRaから選択され;好ましくは、Xおよび/またはX'は、Oを示し;さらにより好ましくは、XおよびX'は、Oを示し;
Rは、1つまたは複数のモノ不飽和またはポリ不飽和C2〜C10アルケン、好ましくは、C2〜C4アルケンから誘導されるホモポリマーまたはコポリマーを表し;Rは好ましくは、ポリ(エチレン-ブチレン)、ポリブタジエンまたはポリイソプレンを表す]
のポリアルケンポリマーである。
【0021】
ポリ(エチレン-ブチレン)は、1-ブテンおよびエチレンのコポリマーである。これらは、図式的には、下記構造:
[-CH2-CH2-]および[-CH2CH(CH2-CH3)]
のユニットの連なりにより表される。
【0022】
ポリブタジエンは、1,4-ポリブタジエンまたは1,2-ポリブタジエンであってよく、図式的には、それぞれ下記ユニット:
[-CH2-CH=CH-CH2-](1,4-ポリブタジエン)
[-CH2-CH(CH=CH2)-](1,2-ポリブタジエン)
の連なりにより表される。
【0023】
好ましくは、ポリブタジエンは、1,2-ポリブタジエンである。
【0024】
官能基化は、好ましくは鎖の末端で行われる。この場合、用語「テレケリックポリマー」が使用される。官能基化基は、リンカー、好ましくは直鎖状または分枝状C1〜C4アルキレン基を介してポリアルケンポリマーに連結してよい。
【0025】
これらのポリ(アルケン)は、架橋のリスクを避けるために、水素添加されていてもよい。
【0026】
ポリ(アルケン)は、その構造中に、他のモノマーから誘導される他のユニットを含んでよい。コモノマーとして、特にスチレンを挙げることができる。
【0027】
ヒドロキシル末端を有するポリジエンは、好ましくは水素添加されており、かつ、ヒドロキシル末端を有するポリオレフィンは、本発明の好ましいポリマー骨格である。
【0028】
これらのヒドロキシル末端を有するポリジエンは、例えば、Elf Atochem社による仏国特許第2782723号に定義されている。これらのポリジエンは、ポリブタジエン、ポリイソプレンおよびポリ(1,3-ペンタジエン)のホモポリマーおよびコポリマーを含む群から選択される。これらのポリジエンは、7000未満、好ましくは1000〜5000、の数平均分子量を有し、1.8〜3、好ましくは2程度の末端ヒドロキシル官能性を有するオリゴマーである。
【0029】
Poly BD R-45HTおよびPoly BD R-20 LMの商標でElf Atochem社により販売されているヒドロキシル化ポリブタジエンを特に挙げることができる。これは好ましくは水素添加されて使用される。ジ-OH水素添加(1,2-ポリブタジエン)、例えばNisso社により販売されているMn=2600〜3200のGI3000およびMn=1800〜2200のGI2000も挙げることができる。
【0030】
α,ω-ヒドロキシル末端ポリオレフィン、ホモポリマーまたはコポリマー、例えば:
・α,ω-ヒドロキシル末端ポリイソブチレンオリゴマー;
・特に、式:
【0031】
【化1】

【0032】
に相当し、Polytailの商標でMitsubishi社により販売されているコポリマー;
も使用することができる。
【0033】
本発明の超分子ポリマーは、その構造中に、少なくとも3つのH-結合、好ましくは少なくとも4つのH-結合を形成可能な少なくとも1つの基を有する少なくとも1つのグラフトを有する。
【0034】
少なくとも3つのH-結合を形成可能なこれらの基は、例えば、以下:
【0035】
【化2】

【0036】
から選択される、少なくとも3つの官能基、好ましくは少なくとも4つの官能基を含んでよい。
【0037】
これらの官能基は、2つのカテゴリーに分けることができる:
- H-結合供与体官能基、例えば以下のものなど:
【0038】
【化3】

【0039】
- H-結合受容体官能基、例えば以下のものなど:
【0040】
【化4】

【0041】
少なくとも3つのH-結合を形成可能な基は、H-結合を形成可能な少なくとも3つの官能基、好ましくは少なくとも4つの官能基、より優先的には4つの官能基を含む基本構造要素を形成する。3つまたは4つのH-結合を形成可能な基本構造要素は、図式的には以下の様式:
【0042】
【化5】

【0043】
[式中、Xi(iは自然整数)は、H-結合受容体官能基であり、Yiは、H-結合供与体官能基である]
で表すことができる。
【0044】
したがって、各構造要素は、2つのパートナー構造要素の各対合が、少なくとも3つのH-結合、好ましくは少なくとも4つのH-結合、より優先的には4つのH-結合の形成によって起こるように、同一(例えば自己相補的に)でも異なっていてもよい1つまたは複数のパートナー構造要素とともにH-結合を形成することができなければならない。
【0045】
プロトン受容体Xは、プロトン供与体Yと対合することになる。
【0046】
いくつかの可能性、例えば以下の対合:
XXXXとYYYY;
XXXYとYYYX;
XXYXとYYXY;
XYYXとYXXY;
XXYYとYYXX、自己相補的または非自己相補的対合;
XYXYとYXYX、自己相補的または非自己相補的対合;
が提案される。
【0047】
好ましくは、前記基は、同一の(または自己相補的な)パートナー基と4つのH-結合を確立することができ、これらの結合のうち、2つは供与体結合(例えば、NH)かつ2つは受容体結合(例えば、COおよび-C=N-)である。
【0048】
好ましくは、少なくとも3つのH-結合を形成可能な基は、非常に多くの場合Cおよび/またはN原子から構成され、かつ、安定化しH相互作用を導くために共役二重結合を有する、5または6個の原子を有する環(不飽和複素環または芳香環)を含む。
【0049】
より好ましくは、少なくとも3つのH-結合を形成可能な基は、Cおよび/またはN原子を含み、かつ、H相互作用を安定化し導くために共役二重結合を有する、6個の原子を有する環に関連する。
【0050】
本発明の特定の一実施形態によれば、3つまたは4つのH-結合を形成可能な基は、以下のファミリーから選択され、当然のことながらすべての互変異性型が含まれる:
- (i)式:
【0051】
【化6】

【0052】
のアミノピリミドン:
- (ii)式:
【0053】
【化7】

【0054】
のウレイドピリミドン:
- (iii)アシルアミノピリジン、および特に:
- 構造:
【0055】
【化8】

【0056】
のモノアシルアミノピリジン:
- ジ(アシルアミノ)ピリジン、およびより特に、構造:
【0057】
【化9】

【0058】
の2,6-ジ(アシルアミノ)ピリジン:
- (iv)アミノピリミジン、および特に:
- 以下のアミノピリミジン化合物:
【0059】
【化10】

【0060】
- 構造:
【0061】
【化11】

【0062】
のジアミノピリミジン化合物:
- トリアミノピリミジン化合物;
- (v)ウレイドトリアジン、および特に、モノ-、ジ-およびトリウレイドトリアジン、および特に、構造:
【0063】
【化12】

【0064】
のウレイドアミノトリアジン:
- (vi)(アシルアミノ)トリアジン、および特に、モノ-、ジ-およびトリ(アシルアミノ)トリアジン、任意選択で、アミノ(モノ-、ジ-またはトリアミノ)、および特に:
- 構造:
【0065】
【化13】

【0066】
のジ(アシルアミノ)トリアジン:
- (アシルアミノ)アミノトリアジン(モノ-またはジ(アシルアミノ)、およびモノ-またはジアミノ)、および特に、構造:
【0067】
【化14】

【0068】
の化合物:
- 構造:
【0069】
【化15】

【0070】
の(アシルアミノ)トリアジン:
- トリ(アシルアミノ)トリアジン;
- (vii)アミノトリアジン、および特に:
- モノアミノトリアジン;
- 構造:
【0071】
【化16】

【0072】
の2,6-ジアミノ-s-トリアジン:
- 構造:
【0073】
【化17】

【0074】
のトリアミノ-s-トリアジン化合物:
- (viii)構造:
【0075】
【化18】

【0076】
のアシルアミノトリアゾール:
- (ix)構造:
【0077】
【化19】

【0078】
のウラゾイル安息香酸ファミリーの化合物:
- (x)構造:
【0079】
【化20】

【0080】
のフタルヒドラジド:
- (xi)構造:
【0081】
【化21】

【0082】
のウラシル:
- (xii)構造:
【0083】
【化22】

【0084】
のチミン:
- (xiii)構造:
【0085】
【化23】

【0086】
のスクシンイミド:
- (xiv)構造:
【0087】
【化24】

【0088】
のグルタルイミド:
- (xv)構造:
【0089】
【化25】

【0090】
のシアヌル酸ファミリーの化合物:
- (xvi)マレイミド
【0091】
【化26】

【0092】
- (xvii)構造:
【0093】
【化27】

【0094】
のバルビツール酸ファミリーの化合物:
- (xviii)構造:
【0095】
【化28】

【0096】
の化合物
- (xix)式:
【0097】
【化29】

【0098】
のトリメリト酸ファミリーの化合物:
- (xx)ウレイドピリジン、特にモノ-またはジウレイドピリジン、および特に式:
【0099】
【化30】

【0100】
のもの:
- (xxi)式:
【0101】
【化31】

【0102】
のカルバモイルピリジン:
- (xxii)式:
【0103】
【化32】

【0104】
のアデニン:
- (xxiii)式:
【0105】
【化33】

【0106】
のグアニン:
- (xxiv)式:
【0107】
【化34】

【0108】
のシチジン。
【0109】
これらの式すべてにおいて、基の意味は以下の通りである:
- (a)R1基は、同一でも異なっていてもよく、単結合、水素原子、ハロゲン原子、および/または飽和もしくは不飽和の、任意選択で芳香族、直鎖状、分岐状、もしくは環状の、1価C1〜C6000炭素ベースの(特にアルキル)基であって、O、S、N、P、Cl、BrまたはFなどの1つまたは複数のヘテロ原子を含んでよい基を表すか;あるいはこれらの意味の組合せを表す。
【0110】
R1基は、特にC4〜C12シクロアルキル基、直鎖状もしくは分岐状C1〜C30アルキル基、またはC4〜C12アリール基であってよく、アミノ、エステル、および/またはヒドロキシル官能基によって任意選択で置換されていてもよい。
【0111】
R1基はまた、以下の群のうちの1つであってもよい:C4H9、フェニル;1,4-ニトロフェニル;1,2-エチレン;1,6-ヘキシレン;1,4-ブチレン;1,6-(2,4,4-トリメチルヘキシレン);1,4-(4-メチルペンチレン);1,5-(5-メチルヘキシレン);1,6-(6-メチルヘプチレン);1,5-(2,2,5-トリメチルヘキシレン);1,7-(3,7-ジメチルオクチレン);-イソホロン-;4,4'-メチレンビスシクロヘキシレン;トリレン;2-メチル-1,3-フェニレン;4-メチル-1,3-フェニレン;4,4-ビフェニレンメチレン;
好ましくは:-イソホロン-;-(CH2)2-;-(CH2)6-;-CH2CH(CH3)-CH2-C(CH3)2-CH2-CH2;4,4'-メチレンビスシクロヘキシレン;2-メチル-1,3-フェニレン。
【0112】
さらにより好ましくは、R1は単結合である;
- (b)R2基は、同一の式中で同一でも異なっていてもよく、単結合、水素原子、ハロゲン原子(-Br、-Cl、-F)、-OHまたは-N(R)2基(RはH、あるいは直鎖状または分岐状C1〜C12、好ましくはC1〜C4アルキル基、さらによりよくはメチルまたはエチル基)、あるいは飽和または不飽和の、任意選択で芳香族、直鎖状、分岐状、または環状の、1価C1〜C6000炭化水素ベースの基であって、O、S、N、PまたはFなどの1つまたは複数のヘテロ原子を含んでいてもよい基を表すか;あるいはこれらの意味の組合せを表す。
【0113】
R2基は、特に、H、CN、NH2、あるいは:
- C1〜C30アルキル基;
- C4〜C12シクロアルキル基;
- C4〜C12アリール基;
- (C4〜C12)アリール(C1〜C30)アルキル基;
- C1〜C4アルコキシ基;
- アリールアルコキシ基、特に(C1〜C4)アリールアルコキシ基;
- C4〜C12複素環;
- チオアルコキシ基;
- スルホキシ基;
あるいはこれらの混合物であってよく、これらの基は、アミノ、エステルおよび/またはヒドロキシル官能基によって、任意選択で置換されていてもよい。
【0114】
好ましくは、R2基は、H、CH3、C13H27、C7H15またはフェニルを表す。
【0115】
- (c)R3基は、同一の式中で同一でも異なっていてもよく、水素原子、あるいは飽和または不飽和の、任意選択で芳香族、直鎖状、分岐状、または環状の、1価C1〜C6000炭化水素ベースの基であって、O、S、N、PまたはFなどの1つまたは複数のヘテロ原子を含んでいてもよい基を表すか;あるいはこれらの意味の組合せを表す。
【0116】
R3基は、特に、アミノ、エステルおよび/またはヒドロキシル官能基によって、任意選択で置換されていてもよい、C4〜C12シクロアルキル基、直鎖状または分岐状のC1〜C30アルキル基あるいはC4〜C12アリール基であってよい。好ましくは、R3基はメチル基を表す。
【0117】
これらの式すべてにおいて、R1および/またはR2基の少なくとも1つ、特に1つまたは2つが、グラフトの残基上に少なくとも3つのH-結合を形成可能な基の連結点を構成する単結合であることが明らかに理解される。
【0118】
好ましくは、前記連結点を、R1および/またはR2が有し、連結点をR1が有することが好ましい。
【0119】
少なくとも3つのH-結合を形成可能な基は、特に以下のものから選択されてよい:
(a)相補的かつ同一である、すなわち自己相補的である、少なくとも3つのH-結合を形成可能な基、特に:
- アミノピリミドン、ウレイドピリミドン、
- トリメリト酸ファミリーの、またはウラゾイル安息香酸ファミリーの化合物、
- アシルアミノピリジン、ウレイドピリジン、カルバモイルピリジン、
- アシルアミノトリアジン、ウレイドトリアジン、特にウレイドアミノトリアジン、ジアミノトリアジン、
- アシルアミノトリアゾール、
- フタルヒドラジド、
- 式:
【0120】
【化35】

【0121】
[式中、R1は、水素原子、あるいは飽和または不飽和の、任意選択で芳香族、直鎖状、分岐状、または環状の、1価C1〜C6000炭化水素ベースの基であって、O、S、N、PまたはFなどの1つまたは複数のヘテロ原子を含んでいてもよい]
の化合物;
(b)相補的であるが異なっている、少なくとも3つのH-結合を形成可能な基、特に:
- グアニンに相補的なアデニン、
- チミンに相補的なシチジン、
- ウラシル、またはスクシンイミド、またはグルタルイミド、またはシアヌル酸、またはチミン、またはマレイミド、または(ジ)アミノピリミジン、またはバルビツール酸に相補的なトリアミノ-s-トリアジン、
- ウラシル、またはスクシンイミド、またはグルタルイミド、またはシアヌル酸、またはチミン、またはマレイミド、または(ジ)アミノピリミジン、またはバルビツール酸に相補的な(アシルアミノ)アミノ-s-トリアジン。
【0122】
好ましくは、少なくとも3つのH-結合を形成可能な基は、少なくとも3つのH-結合それら自体で、特に少なくとも4つのH-結合をそれら自体で確立可能(自己相補的)な基から選択される。これらの基の中で、特に:
- ウレイドピリミドン;
- ウレイドピリジン、カルバモイルピリジン;
- アシルアミノ-s-トリアジン、および特にアシル(ジアミノ)-s-トリアジン;
- ウレイドトリアジン;
- フタルヒドラジド;
- 式:
【0123】
【化36】

【0124】
[式中、R1、R2およびR3基は、上記に示した意味、特に好ましいものとして示した意味を有する]
の化合物、
を挙げることができる。
【0125】
さらによりよくは、少なくとも3つのH-結合を形成可能な基の好ましい例として、ウレイドピリミドンから誘導される基、特に、2-ウレイドピリミドンまたは6-メチル-2-ウレイドピリミドンを挙げることができる。
【0126】
グラフトの残基は、官能基化されたポリ(アルケン)基と反応可能な少なくとも1つの反応性基を有するリンカーLで構成される。
【0127】
この反応性基は、例えば、カルボキシル基またはイソシアナート基であってもよい。好ましくは、反応性基は、-N=C=Oまたは-N=C=S基、さらにより好ましくは-N=C=O(イソシアナート)基である。
【0128】
好ましくは、リンカーLは、以下の基:
フェニレン;1,4-ニトロフェニル;1,2-エチレン;1,6-ヘキシレン;1,4-ブチレン;1,6-(2,4,4-トリメチルヘキシレン);1,4-(4-メチルペンチレン);1,5-(5-メチルヘキシレン);1,6-(6-メチルヘプチレン);1,5-(2,2,5-トリメチルヘキシレン);1,7-(3,7-ジメチルオクチレン);-イソホロン-;4,4'-メチレンビスシクロヘキシレン;トリレン;2-メチル-1,3-フェニレン;4-メチル-1,3-フェニレン;4,4-ビフェニレンメチレン;
好ましくは:-イソホロン-;-(CH2)2-;-(CH2)6-;-CH2CH(CH3)-CH2-C(CH3)2-CH2-CH2;4,4'-メチレンビスシクロヘキシレン;2-メチル-1,3-フェニレン、
のうちの1つである。
【0129】
本発明の特に好ましい変形例において、グラフトは、式(B):
【0130】
【化37】

【0131】
[式中、Lは上記と同じ意味を有する]
のグラフトである。
【0132】
さらにより好ましくは、本発明の超分子ポリマーは、式(C):
【0133】
【化38】

【0134】
[式中、R、X、X'およびLは、上記に示したものと同じ意味を有する]
のポリマーである。
【0135】
好ましくは、式(C)において、XおよびX'は酸素原子を示す。
【0136】
本発明のポリアルケンベースの超分子ポリマーはまた、ポリアルケン部分を含むポリマー(A1)から得られてもよく、前記ポリマーは、少なくとも1つの反応性基(B2)を含む少なくとも1つの分子(A3)との縮合によって、少なくとも1つの反応性基(B1)により官能基化され、前記分子は、(B1)および(B2)基の反応の後に、少なくとも3つのH-結合、好ましくは少なくとも4つのH-結合を形成可能な要素の形成が起こる分子である。
【0137】
好ましくは、これらの要素は、R1が単結合を示す、上記に定義の構造(i)〜(xxiv)を有する。
【0138】
ポリマー(A1)は、特に、上記に定義の式Aのポリアルケンポリマー上での、ポリアルケンの官能基化された基と反応可能な2つの反応性基(B'2)を含む化合物(A2)の作用により生じてよい。
【0139】
これらの反応性基は、例えば、カルボキシル基またはイソシアナート基であってもよい。好ましくは、反応性基は、-N=C=Oまたは-N=C=S基、さらにより好ましくは-N=C=O(イソシアナート)基である。
【0140】
好ましくは、B2基は、B'2基と同一である。
【0141】
好ましくは、化合物(A2)は、以下の構造(C')である:
B'2-L'-B'2(C')
リンカーLは上記に定義のLと同じ意味を有する。
【0142】
本発明の特定の一変形例において、ポリマーA1は、式(C1):
CON-L-NCO-X-R-X'-CON-L-NCO
(C1)
[式中、L、X、X'およびRは、上記と同じ意味を有する]
のポリマーである。
【0143】
好ましくは、分子(A3)は、式:
【0144】
【化39】

【0145】
の6-メチルイソシトシンである。
【0146】
実際には、本発明の超分子ポリマーは、ポリヒドロキシル化されたポリアルケンの遊離OH官能基と接合基が有するイソシアナート官能基との間に、ウレタン結合を形成するために当業者が通常用いるプロセスによって調製されてよい。例証として、一般的な調製プロセスは、以下の方法からなる:
- 官能基化されるポリマーが、いかなる追加の水も含まないことを確認すること;
- 少なくとも2つの反応性官能基を含むポリマーを、特にOHを、60℃〜140℃の間であってもよい温度まで加熱すること。ポリマーのヒドロキシル価は反応の進行状態を測るための参考にすることができる;
- 反応性官能基、特にイソシアナートを有するグラフトを直接、加えること;
- 制御された雰囲気下、90〜130℃程度の温度で、1〜24時間、混合物を撹拌すること;
- 赤外線スペクトル法により、イソシアナートに特有のバンド(2500〜2800cm-1)の消滅をモニターし、ピークの完全な消滅時に反応を停止させることおよびそれに続いて最終生成物を周囲温度に戻すこと;
- 反応は、ヒドロキシル官能基の定量的測定によってモニターしてもよい;
- 残存イソシアナート官能基が完全に消滅したことを確実にするために、任意選択でエタノールを加えることも可能である;
- 混合物は必要に応じて、ろ過してよい、
からなる。
【0147】
この反応は、溶媒、特にメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、トルエンまたは酢酸ブチル、あるいはプロピレンカーボネートの存在下で行ってもよい。
【0148】
ウレタン結合の形成に従来使用されている触媒を加えることも可能である。例として、ジラウリン酸ジブチルスズを挙げることができる。
【0149】
最後に、当業者の一般的知識に従って、化合物を洗浄し、かつ乾燥し、あるいはさらに精製してよい。
【0150】
別の実施形態によれば、反応は以下の段階を含む:
(i)予め乾燥したポリヒドロキシル化されたポリアルケンポリマーPのジイソシアナートによる以下の反応図式に基づく官能基化:
OH-P-OH(leq)+NCO-X-NCO leq)→
OCN-X-NH-(O)CO-P-OC(O)-NH-X-NCO
【0151】
ジイソシアナートは、任意選択で、ポリマーに対して過剰であってもよい。この第一の段階は、溶媒の存在下、20℃〜100℃の間の温度で行ってよい。
【0152】
この第1の段階に続いて、制御された雰囲気下、1時間〜24時間の範囲の期間の、撹拌期間があってもよい。混合物を、任意選択で、加熱してよい。
【0153】
この第1の段階の進行状況は、ヒドロキシル官能基の定量的測定によってモニターすることができる;
次に、
(ii)段階(i)において得られたプレポリマーと6-メチルイソシトシンとの反応:
【0154】
【化40】

【0155】
この第2段階は、任意選択で、トルエン、酢酸ブチルあるいはプロピレンカーボネートなどの共溶媒の存在下で行ってよい。反応混合物は、80℃〜140℃の間で、1時間〜24時間の範囲の時間、加熱してよい。
【0156】
触媒の存在は、所望の最終生成物の取得を促進することができる。例えば、ジラウリン酸ジブチルスズの使用を挙げることができる。
【0157】
反応は、2200cm-1と2300cm-1の間のイソシアナートに特有のピークの消滅をモニターすることにより、赤外線スペクトル法によってモニターすることができる。
【0158】
反応の最後に、残存イソシアナート官能基を中和するために、反応媒体にエタノールを加えてよい。反応混合物を任意選択でろ過してもよい。応用ニーズに関して、ポリマーを直接化粧品用溶媒中にストリップしてもよい。
【0159】
ポリアルケンベースの超分子ポリマーは、組成物中に、組成物の全質量と比較して、0.1質量%〜40質量%の範囲、好ましくは0.1質量%〜30質量%の範囲、より好ましくは0.5質量%〜20質量%の範囲、さらにより好ましくは1質量%〜15質量%の範囲の含有量で存在してよい。
【0160】
ブロックエチレン性コポリマー
本発明による組成物は、少なくとも1つのブロックエチレン性コポリマー(ブロックエチレン性ポリマーとも呼ぶ)を含み、このブロックエチレン性コポリマーは、ホモポリマーにするとガラス転移温度が40℃以上となる1つまたは複数の第1モノマーから全体もしくは一部が得られるガラス転移温度(Tg)が40℃以上の少なくとも1つの第1ブロック、および、ホモポリマーにするとガラス転移温度が20℃以下となる1つまたは複数の第2モノマーから全体もしくは一部が得られるガラス転移温度(Tg)が20℃以下の少なくとも1つの第2ブロックを含み、前記第1ブロックおよび第2ブロックは互いに、前記第1ブロックを構成する少なくとも1つの第1モノマー、および前記第2ブロックを構成する少なくとも1つの第2モノマーを含むランダムな中間セグメントで結合されており、多分散性指数Iが2より大きい。
【0161】
本発明によるブロックポリマーは、少なくとも1つの第1ブロックおよび少なくとも1つの第2ブロックを含む。
【0162】
用語「少なくとも1つの」ブロックは、1つまたは複数のブロックを意味するように意図されている。
【0163】
用語「ブロック」ポリマーは、少なくとも2個の別個ブロック、好ましくは少なくとも3個の別個ブロックを含むポリマーを意味する。
【0164】
用語「エチレン性」ポリマーは、エチレン性不飽和を含むモノマーの重合により得られたポリマーを意味するように意図されている。
【0165】
本発明にしたがって用いられるブロックエチレン性ポリマーは、単官能モノマーのみから調製される。
【0166】
これは、本発明にしたがって用いられるブロックエチレン性ポリマーは、程度によってはポリマーの直線性を壊し、分岐または架橋されたポリマーを得ることを可能にする、多官能モノマーを含んでいないことを意味する。本発明による使用される前記ポリマーは、グラフトポリマーの調製に使用される、マクロモノマー(用語「マクロモノマー」は、重合性であり、好ましくは500g/molより大きい分子量を有するペンダント基を有する単官能モノマー、または末端の中で重合可能な末端基を1つのみに含む(またはエチレン性不飽和基を含む)ポリマーを意味するように意図されている)も含んでいない。
【0167】
これまで、および以下の明細書中で述べるが、用語「第1」ブロックと「第2」ブロックは、ポリマー構造中の前述のブロックの順番を条件とするものではない。
【0168】
有利には、ブロックポリマーの第1ブロックと第2ブロックとは、互いに非相溶性である。
【0169】
用語「互いに非相溶性のブロック」は、第1ブロックに対応するポリマーと第2ブロックに対応するポリマーとから形成された混合物は、ブロックポリマー重合の溶媒中で混和性ではないことを意味するように意図され、室温(25℃)および大気圧(105Pa)で、大量、すなわち、前記ポリマーおよび重合溶媒の混合物の全質量に対して5質量%以上のポリマー混合物の含量で含まれていることを意味し、以下のように理解される:
i)前記ポリマーは、それぞれの質量比が10/90〜90/10の範囲の含量で混合物中に存在する、および
ii)第1ブロックと第2ブロックに対応する各々のポリマーは、ブロックポリマー±15%と等しい平均(質量平均または数平均)分子量を有する。
【0170】
重合溶媒が混合物の場合、2種以上の液体が同一質量比で存在する場合には、前記ポリマー混合物は、それらの少なくとも1つに非混和性である。
【0171】
明らかに、重合が1つの溶媒で行われる場合、この溶媒が主たる溶媒である。
【0172】
本発明によるブロックポリマーは、少なくとも1つの第1ブロックと、少なくとも1つの第2ブロックとを含み、お互いに、第1ブロックを構成する少なくとも1つのモノマー、および第2ブロックを構成する少なくとも1つのモノマーを含む中間セグメントで結合されている。前記中間セグメント(中間ブロックとも呼ばれる)は、第1および第2ブロックの間のガラス転移温度Tgを有する。
【0173】
前記中間セグメントは、ポリマーの第1ブロックを構成する少なくとも1つのモノマー、および第2ブロックを構成する少なくとも1つのモノマーを含むブロックであり、これらのブロックを「相溶化」させることを可能にする。
【0174】
有利には、第1ブロックを構成する少なくとも1つのモノマー、および第2ブロックを構成する少なくとも1つのモノマーを含む中間セグメントは、ランダムポリマーである。
【0175】
好ましくは、中間ブロックは、本質的に第1ブロックおよび第2ブロックを構成するモノマーから誘導される。
【0176】
用語「本質的に」は、少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは95%、さらにより好ましくは100%の程度であることを意味するように意図されている。
【0177】
本発明によるブロックポリマーは、有利には、フィルム形成性ブロックエチレン性ポリマーである。
【0178】
用語「エチレン性」ポリマーは、エチレン性不飽和を含むモノマーの重合により得られたポリマーを意味するように意図されている。
【0179】
用語「フィルム形成性」ポリマーは、単独でまたはフィルム形成補助剤の存在下で、担体、特にケラチン物質に付着する連続フィルムを形成することが可能なポリマーを意味するように意図されている。
【0180】
好ましくは、本発明によるポリマーは、骨格にケイ素原子を含まない。用語「骨格」は、ペンダント側鎖とは対照的に、ポリマーの主鎖を意味するように意図されている。
【0181】
好ましくは、本発明によるポリマーは、水溶性ではない。つまりポリマーは、水に、または水と、2〜5個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状低級モノアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、またはn-プロパノールとの混合物に、室温(25℃)でpHの変化を起こすことなく、少なくとも1質量%の活性物質含量以上は溶解しない。
【0182】
好ましくは、本発明によるポリマーはエラストマーではない。
【0183】
用語「非エラストマーポリマー」は、(例えば、初期の長さに対して30%)引き伸ばすことを意図した応力を受ける場合、応力を止めるとその初期の長さと実質的に同一の長さには戻らないポリマーを意味するように意図されている。
【0184】
より具体的には、用語「非エラストマーポリマー」は、30%の伸びを受けた後、瞬間回復率Ri<50%と遅延回復率R2h<70%を有するポリマーを表すように意図されている。好ましくは、Riは、<30%であり、R2hは、<50%である。
【0185】
より具体的には、ポリマーの非エラストマー的性質は、以下のプロトコルにしたがって決定される。
【0186】
ポリマーフィルムは、テフロン(登録商標)コートした型中にポリマー溶液を注ぎ、続いて23±5℃で50±10%の相対湿度の条件の環境で7日間乾燥させることにより調製される。
【0187】
それにより厚さ約100μmのフィルムが得られ、それから幅15mm、長さ80mm(例えば、パンチを使用して)の長方形の試験片をカットする。
【0188】
このサンプルは、Zwickより販売されている機械を使用して、乾燥と同じ温度と同じ湿度条件で引張応力を受ける。
【0189】
試験片は、50mm/minの速度で引っ張られる。また、ジョー(jaw)の間の距離は50mmであり、試験片の初期の長さ(I0)に相当する。
【0190】
瞬間回復率Riは以下の方法で決定される。
- 試験片を、30%(εmax)、すなわちその初期の長さ(I0)の約0.3倍まで引っ張る。
- 応力を、引張速度、すなわち50mm/minと等しい戻り速度を適用することにより解放し、また、試験片の残留伸びパーセントを、ゼロ荷重応力(εi)に戻った後に測定する。
【0191】
瞬間回復率パーセント(Ri)は、以下の式で与えられる。
【0192】
【数1】

【0193】
遅延回復率を決定するために、試験片の残留伸びパーセント(ε2h)を、ゼロ荷重応力に戻った2時間後に測定する。
【0194】
遅延回復率パーセント(R2h)は、以下の式で与えられる。
【0195】
【数2】

【0196】
単に指針として、本発明の一実施形態によるポリマーは、10%の瞬間回復率Riと30%の遅延回復率R2hを有することが好ましい。
【0197】
本発明のポリマーの多分散性指数は、2より大きい
【0198】
有利には、本発明による組成物中で使用されるブロックポリマーは、2より大きい多分散性指数I、例えば2〜9の範囲、好ましくは2.5以上、例えば2.5〜8の範囲、より好ましくは2.8以上、特に2.8〜6の範囲を有する。
【0199】
ブロックポリマーの多分散性指数Iは、質量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比に等しい。
【0200】
質量平均モル分子量(Mw)と数平均モル分子量(Mn)は、ゲル浸透液体クロマトグラフィー(THF溶媒、直鎖状ポリスチレン基準で定められた検量線、屈折率測定検出器)により決定される。
【0201】
本発明によるブロックポリマーの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは300000以下である。例えば、35000〜200000、より好ましくは45000〜150000g/molの範囲である。
【0202】
本発明によるブロックポリマーの数平均分子量(Mn)は、好ましくは70000以下である。例えば、10000〜60000、さらに好ましくは12000〜50000g/molの範囲である。
【0203】
好ましくは、本発明によるポリマーの多分散性指数は、2より大きく、例えば2〜9の範囲、好ましくは2.5以上、例えば2.5〜8の範囲、より好ましくは2.8以上、特に2.8〜6の範囲である。
【0204】
(40℃以上のTgを有する第1のブロック)
40℃以上のTgを有するブロックは、例えば、40℃〜150℃の範囲、好ましくは50℃以上、例えば50℃〜120℃の範囲、さらに好ましくは60℃以上、例えば60℃〜120℃の範囲のTgを有する。
【0205】
第1ブロックと第2ブロックについて示されたガラス転移温度は、それぞれのブロックの構成モノマーの理論的なTg値から決定された理論的なTg値であってよく、レファレンスマニュアル、例えばPolymer Handbook、第3版、1989年、John Wileyに、フォックスの法則(Fox’s law)として知られている以下の関係で示されている。
【0206】
【数3】

【0207】
[式中、ωiは対象となるブロック中のモノマーiの質量分率であり、Tgiはモノマーiのホモポリマーのガラス転移温度である。]
【0208】
別のことが示されていない限り、本特許出願での第1ブロックと第2ブロックについて示されたTg値は、理論的なTg値である。
【0209】
第1ブロックと第2ブロックのガラス転移温度間の差は、一般的に10℃より大きく、好ましくは20℃より大きく、さらに好ましくは30℃より大きい。
【0210】
本発明では、表現「…と…の間(between … and …)」は、示された境界が除外される数値範囲を表すように意図され、「…から(〜) …(from…to…)」と「…から(〜) …の範囲(ranging from … to…)」は、示された境界が含まれる数値範囲を表すように意図される。
【0211】
40℃以上のTgを有するブロックは、ホモポリマーまたはコポリマーであってよい。
【0212】
40℃以上のTgを有するブロックは、ホモポリマーにするとガラス転移温度が40℃以上となるような1つまたは複数のモノマーから全体、または一部が誘導されてもよい。このブロックは、「剛直なブロック」とも言うことができる。
【0213】
このブロックがホモポリマーである場合、それらのモノマーから調製されたホモポリマーが40℃以上のガラス転移温度を有するようなモノマーから誘導される。この第1ブロックは、たった1つのタイプのモノマー(対応するホモポリマーのTgが40℃以上となる)からなるホモポリマーであってもよい。
【0214】
第1ブロックがコポリマーである場合、1つまたは複数のモノマーから全体または一部が誘導され、その性質および濃度は、得られるコポリマーのTgが40℃以上になるように選択される。コポリマーは、例えば、
- それらのモノマーから調製されたホモポリマーが40℃以上のTg値、例えば40℃〜150℃の範囲、好ましくは50℃以上、例えば50℃〜120℃の範囲、さらに好ましくは60℃以上、例えば60℃〜120℃の範囲のTgを有するようなモノマー、および
- それらのモノマーから調製されたホモポリマーが40℃未満のTg値を有するようなモノマーであって、20℃と40℃の間のTgを有するモノマー、および/または20℃以下、後で記載されるように例えば-100℃〜20℃の範囲、好ましくは15℃未満のTg、特に-80℃〜15℃の範囲、さらに好ましくは10℃未満、例えば-50℃〜0℃の範囲のTgを有するモノマーから選択されたモノマー、
を含んでよい。
【0215】
そのホモポリマーが40℃以上のガラス転移温度を有する第1のモノマーは主モノマーとしても知られており、好ましくは以下のモノマーから選択される:
- 式CH2=C(CH3)-COOR1のメタクリレート
[式中、R1は1〜4個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状非置換アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピルまたはイソブチル基を表し、またはR1はC4〜C12シクロアルキル基、好ましくはイソボルニルメタクリレートなどのC8〜C12シクロアルキル基を表す]、
- 式CH2=CH-COOR2のアクリレート
[式中、R2はC4〜C12シクロアルキル基、例えばイソボルニル基またはt-ブチル基を表す]、
- 以下の式の(メタ)アクリルアミド
【0216】
【化41】

【0217】
[式中、R7およびR8は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、または直鎖状または分岐状C1〜C12アルキル基、例えばn-ブチル、t-ブチル、イソプロピル、イソヘキシル、イソオクチルまたはイソノニル基を表し;またはR7はHを表し、R8は1,1-ジメチル-3-オキソブチル基を表し、R’はHまたはメチルを表す。
挙げことのできるモノマーの例には、N-ブチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミドおよびN,N-ジブチルアクリルアミドが含まれる]、
- およびこれらの混合物、
から選択される。
【0218】
第1のブロックは、有利には、式CH2=CH-COOR2で表される少なくとも1つのアクリレートモノマー、および式CH2=C(CH3)-COOR2で表される少なくとも1つのメタクリレートモノマーから得られ、ここでR2はC4〜C12シクロアルキル基、好ましくはイソボルニル基などのC8〜C12シクロアルキル基を表す。モノマーおよびそれらの割合は、好ましくは、第1ブロックのガラス転移温度が40℃以上になるように選ばれる。
【0219】
一実施形態によれば、第1ブロックは、
i)式CH2=CH-COOR2で表される少なくとも1つのアクリレートモノマーであって、R2はC4〜C12シクロアルキル基、好ましくはイソボルニル基などのC8〜C12シクロアルキル基を表すモノマー、
ii)および式CH2=C(CH3)-COOR’2で表される少なくとも1つのメタクリレートモノマーであって、R’2はC4〜C12シクロアルキル基、好ましくはイソボルニル基などのC8〜C12シクロアルキル基を表すモノマー、
から得られる。
【0220】
一実施形態によれば、第1のブロックは、式CH2=CH-COOR2で表される少なくとも1つのアクリレートモノマーであって、R2はイソボルニル基などのC8〜C12シクロアルキル基を表すモノマー、および式CH2=C(CH3)-COOR’2で表される少なくとも1つのメタクリレートモノマーであって、R’2はイソボルニル基などのC8〜C12シクロアルキル基を表すモノマー、から得られる。
【0221】
好ましくは、R2およびR’2は、独立にもしくは同時に、イソボルニル基を表す。
【0222】
好ましくは、ブロックコポリマーは、50質量%〜80質量%の範囲のイソボルニルメタクリレート/アクリレート、10質量%〜30質量%の範囲のイソブチルアクリレート、および2質量%〜10質量%の範囲のアクリル酸を含む。
【0223】
第1のブロックは、前記アクリレートモノマーおよび前記メタクリレートモノマーのみから得られてもよい。
【0224】
前記アクリレートモノマーおよびメタクリレートモノマーは、好ましくは質量で30:70〜70:30の間、好ましくは40:60〜60:40の間、特には50:50の割合である。
【0225】
第1ブロックの割合は、有利には、ポリマーの20質量%〜90質量%の範囲、好ましくは30質量%〜80質量%の範囲、さらに好ましくは60質量%〜80質量%の範囲である。
【0226】
一実施形態によれば、第1ブロックは、イソボルニルメタクリレートおよびイソボルニルアクリレートの重合から得られる。
【0227】
(20℃以下のTgを有する第2のブロック)
第2ブロックは20℃以下のTg、有利には、例えば-100℃〜20℃、好ましくは15℃以下、特に-80℃〜15℃の範囲、さらに好ましくは10℃以下、例えば-100℃〜10℃、特に-30℃〜10℃の範囲のTgを有する。
【0228】
第2ブロックは、ホモポリマーにするとガラス転移温度が20℃以下となるような1つまたは複数の第2モノマーから全体、または一部が誘導される。
【0229】
このブロックは、「柔軟なブロック」とも言うことができる。
【0230】
20℃以下のTgを有するモノマー(第2モノマーという)は、好ましくは、以下のモノマーから選択される:
- 式CH2=CHCOOR3のアクリレート
[式中、R3は、t-ブチル基を除く直鎖状または分岐状C1〜C12非置換アルキル基を表し、O、NおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子が、任意に挿入されていてもよい]、
- 式CH2=C(CH3)-COOR4のメタクリレート
[式中、R4は直鎖状または分岐状C6〜C12非置換アルキル基を表し、O、NおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子が、任意に挿入されていてもよい]、
- 式R5-CO-O-CH=CH2のビニルエステル
[式中、R5は直鎖状または分岐状C4〜C12アルキル基を表す]、
- C4〜C12アルキルビニルエーテル、
- N-(C4〜C12アルキル)アクリルアミド、例えばN-オクチルアクリルアミド、
- これらの混合物、
から選択される。
【0231】
Tgが20℃以下の好ましいモノマーは、イソブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、またはこららの任意の割合の混合物である。
【0232】
第1および第2ブロックはそれぞれ、他のブロックを構成する少なくとも1つのモノマーをわずかな割合で含んでもよい。
【0233】
したがって、第1ブロックは、少なくとも1つの第2のブロックの構成モノマーを含んでもよく、その逆もあり得る。
【0234】
各々の第1ブロックおよび/または第2ブロックは、上記に示されたモノマーに加えて、追加モノマーとして知られている1つまたは複数の別のモノマーを含んでもよく、これは上記で述べた主モノマーとは異なる。
【0235】
これらの追加モノマーの性質と量は、追加モノマーがその中に存在するブロックが所望のガラス転移温度を有するように選択される。
【0236】
この追加のモノマーは、例えば以下のモノマー:
- 少なくとも1個の第4級アミン官能基を含むエチレン性不飽和モノマー、例えば2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、およびこれらの塩、
- 式CH2=C(CH3)-COOR6のメタクリレート
[式中、R6は1〜4個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピルまたはイソブチル基を表し、このアルキル基は、ヒドロキシル基(例えば2-ヒドロキシプロピルメタクリレートまたは2-ヒドロキシエチルメタクリレート)およびハロゲン原子(Cl、Br、I、F)(例えばトリフルオルエチルメタクリレート)から選択される1つまたは複数の置換基で置換されている]、
- 式CH2=C(CH3)-COOR9のメタクリレート
[式中、R9は直鎖状または分岐状C6〜C12アルキル基を表し、O、NおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子が、任意に挿入されていてもよく、このアルキル基は、ヒドロキシル基およびハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)から選択される1つまたは複数の置換基で置換されている]、
- 式CH2=CHCOOR10のアクリレート
[式中、R10は、ヒドロキシル基およびハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)から選択される1つまたは複数の置換基で置換された直鎖状または分岐状C1〜C12アルキル基、例えば2-ヒドロキシプロピルアクリレートおよび2-ヒドロキシエチルアクリレートを表し、またはR10は、オキシエチレン単位の5〜10回の繰り返しを有する(C1〜C12アルキル)-O-POE(ポリオキシエチレン)、例えばメトキシ-POEを表し、またはR10は、5〜10個のエチレンオキシド単位を含むポリオキシエチレン基を表す]、
から選択される。
【0237】
特に、第1のブロックは追加モノマーとして:
- (メタ)アクリル酸、好ましくはアクリル酸、
- t-ブチルアクリレート、
- 式CH2=C(CH3)-COOR1のメタクリレート
[式中、R1は1〜4個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状非置換アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピルまたはイソブチル基を表す]、
- 以下の式の(メタ)アクリルアミド
【0238】
【化42】

【0239】
[式中、R7およびR8は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、または直鎖状または分岐状C1〜C12アルキル基、例えばn-ブチル、t-ブチル、イソプロピル、イソヘキシル、イソオクチルまたはイソノニル基を表し;またはR7はHを表し、R8は1,1-ジメチル-3-オキソブチル基を表し、R’はHまたはメチルを表す。
挙げことのできるモノマーの例には、N-ブチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミドおよびN,N-ジブチルアクリルアミドが含まれる]、
- およびこれらの混合物、
を含み得る。
【0240】
前記追加モノマーはポリマー質量に対して0.5質量%〜30質量%の範囲であってもよい。一実施形態によれば、本発明のポリマーは追加モノマーを含まない。
【0241】
好ましくは、本発明のポリマーは、少なくともイソボルニルアクリレートおよびイソボルニルメタクリレートモノマーを第1ブロックに含み、イソブチルアクリレートおよびアクリル酸モノマーを第2ブロックに含む。
【0242】
好ましくは、ポリマーは第1ブロック中に、少なくともイソボルニルアクリレートおよびイソボルニルメタクリレートモノマーを均等な割合で含み、第2ブロック中にイソブチルアクリレートおよびアクリル酸モノマーを含む。
【0243】
好ましくは、ポリマーは第1ブロック中に、少なくともイソボルニルアクリレートおよびイソボルニルメタクリレートモノマーを均等な割合で含み、第2ブロック中にイソブチルアクリレートおよびアクリル酸モノマーを含み、前記第1のブロックはポリマーの70質量%である。
【0244】
好ましくは、ポリマーは第1ブロック中に、少なくともイソボルニルアクリレートおよびイソボルニルメタクリレートモノマーを均等な割合で含み、第2ブロック中にイソブチルアクリレートおよびアクリル酸モノマーを含む。好ましくは、Tgが40℃以上のブロックは、ポリマーの70質量%であり、アクリル酸がポリマーの5質量%である。
【0245】
一実施形態によれば、第1ブロックは追加モノマーを含まない。
【0246】
好ましい一実施形態によれば、第2ブロックは追加モノマーとしてアクリル酸を含む。特に、前記第2ブロックは、有利には、アクリル酸モノマーおよびTgが20℃以下の少なくとも1つの他のモノマーから得られる。
【0247】
前記ブロックコポリマーは、有利には、前記コポリマーの全質量に対して2質量%より多いアクリル酸モノマーを含むことができ、とりわけ2質量%〜15質量%の範囲、例えば3質量%〜15質量%の範囲、特には4質量%〜15質量%の範囲で、さらには4質量%〜10質量%の範囲で含むことができる。
【0248】
第2ブロックを構成する前記モノマー、およびその割合は、第2ブロックのガラス転移温度が20度以下になるように選択される。
【0249】
(中間セグメント)
中間セグメント(中間ブロックともいう)は、本発明で使用するポリマーの第1ブロックおよび第2ブロックを結合する。中間セグメントは以下:
i)第1ブロックを形成するために最大90%の転化率で重合した残りの、第1モノマーおよび任意選択で追加モノマー、および、
ii)反応混合物に追加された、第2モノマーおよび任意選択で追加モノマー、
の重合の結果、得られる。
【0250】
第2ブロックの形成は、第1モノマーがすべて消費されてしまう、または消費されるほどの反応性がなくなったために、第1モノマーが反応しなくなる、またはポリマー鎖の中に組み込まれなくなったときに開始する。
【0251】
したがって、中間セグメントは、ポリマー合成中に第2モノマーを導入したときに、第1モノマーの転化率が90%以下となった結果、利用可能となる第1モノマーを含む。
【0252】
前記ブロックポリマーの中間セグメントは、ランダムポリマー(ランダム配列とも言うことができる)である。つまり、中間セグメントは、第1モノマー、第2モノマー、および任意選択により存在してもよい追加モノマーのランダムな分布を含む。
【0253】
したがって、中間セグメントは、もし第1ブロックおよび第2ブロックがホモポリマーでない場合は(つまり、それらが両方とも少なくとも2つの異なるモノマーから形成されている)、第1ブロックおよび第2ブロックのように、ランダムブロックである。
【0254】
(コポリマーの調製方法)
本発明によるブロックエチレン性コポリマーは、このタイプの重合法としてはよく知られている、フリーラジカル重合によって調製される。
【0255】
前記フリーラジカル重合は、開始剤の存在下で行われ、その性質は所望の重合温度および重合溶媒しだいで、知られている方法によって調製される。特に、開始剤は過酸化物の官能基を有する開始剤、酸化/還元組合せ剤、または当業者に知られている他のラジカル重合開始剤から選択され得る。
【0256】
特に、過酸化物の官能基を含む開始剤として、例えば以下に示す:
a.ペルオキシ酸エステル、例えばt-ブチルペルオキシアセテート、t-ブチルペルベンゾエート、t-ブチルペルオキシ(2-エチルヘキサン酸)(Trigonox 21S、アクゾノーベル(Akzo Nobel))、または2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチル-ヘキサン(Trigonox 141、アクゾノーベル);
b.ペルオキシジカーボネート、例えばジイソプロピルペルオキシジカーボネート;
c.ペルオキシケトン、例えばメチルエチルケトンペルオキシド;
d.ヒドロペルオキシド、例えば過酸化水素(H2O2)水またはt-ブチルヒドロペルオキシド;
e.ジアシルペルオキシド、例えばアセチルペルオキシドまたはベンゾイルペルオキシド;
f.ジアルキルペルオキシド、例えばジ(t-ブチル)ペルオキシド;
g.無機ペルオキシド、例えばペルオキソ-二硫酸カリウム(K2S2O8);
が挙げられる。
【0257】
酸化/還元組合せ剤の形態の開始剤として、例えばチオ硫酸カリウム+ペルオキソ-二硫酸カリウムの組合せであってもよい。
【0258】
好ましい実施形態において、開始剤は8〜30の炭素原子を含む有機過酸化物から選択される。好ましくは、使用される開始剤は、アクゾノーベル社からTrigonox(登録商標)の名前で販売されている、2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチル-ヘキサンである。
【0259】
本発明で用いるブロックコポリマーは、制御重合またはリビング重合によってではなく、フリーラジカル重合によって調製される。特に、このブロックエチレン性コポリマーの重合は、制御剤の不存在下で行われ、特にリビングまたは制御重合法で従来使用されている制御剤、例えばニトロキシド、アルコキシアミン、ジチオエステル、ジチオカルバメート、ジチオカーボネート、またはキサンテート、トリチオカーボネート、銅ベースの触媒、の不存在下で行われる。
【0260】
上に示したように、中間セグメントは第1ブロックおよび第2ブロックのように、それらがホモポリマーでなくても(つまり、それらが両方とも少なくとも2つの異なるモノマーから形成されている)、ランダムブロックである。
【0261】
上記ブロックコポリマーはフリーラジカル重合によって調製されることができ、特に、重合溶媒、開始剤、ガラス転移温度が40℃以上の少なくとも1つのモノマー、ガラス転移温度が20℃以下の少なくとも1つのモノマー、を同じ反応器内で混合することからなる方法によって調製することができ、その方法は以下の手順による:
- 重合溶媒の一部、任意選択で場合により第1流体添加物の開始剤およびモノマーの一部を、反応器に導入し、その混合物を60℃〜120℃の間の反応温度まで加熱し、
- 前記Tgが40℃以上の少なくとも1つの第1モノマー、および任意選択で場合により一部の開始剤を続けて第1の流体添加物の中に入れ、前記モノマーの転化率が最大90%になる時間Tまでの間反応させておき、
- 再び重合開始剤および前記Tgが20℃以下の少なくとも1つの第2モノマーを、第2流体添加物として、続けて反応器の中に入れ、前記モノマーの転化率が変化しなくなる時間T’の間反応させておき、
- 反応混合物を室温に戻す。
【0262】
好ましくは、上記コポリマーはフリーラジカル重合によって調製されることができ、特に、重合溶媒、開始剤、アクリル酸モノマー、ガラス転移温度が20℃以下の少なくとも1つのモノマー、式CH2=CH-COOR2で表され、R2はC4〜C12シクロアルキル基を表す少なくとも1つのアクリレートモノマー、および式CH2=C(CH3)-COOR’2で表され、R’2はC4〜C12シクロアルキル基を表す少なくとも1つのメタクリレートモノマー、を同じ反応器内で混合することからなる方法によって調製することができ、その方法は以下の段階の手順による:
- 重合溶媒の一部、任意選択で場合により第1流体添加物の開始剤およびモノマーの一部を、反応器に導入し、その混合物を60℃〜120℃の間の反応温度まで加熱し、
- Tgが40℃以上のモノマーとして、式CH2=CH-COOR2で表される少なくとも1つのアクリレートモノマー、および式CH2=C(CH3)-COOR’2で表される少なくとも1つのメタクリレートモノマー、ならびに任意選択で場合により一部の開始剤を続けて第1の流体添加物の中に入れ、前記モノマーの転化率が最大90%になる時間Tの間反応させておき、
- 再び重合開始剤、アクリル酸モノマー、および前記Tgが20℃以下の少なくとも1つのモノマーを、第2流体添加物として、続けて反応器の中に入れ、前記モノマーの転化率が変化しなくなる時間T’の間反応させておき、
- 反応混合物を室温に戻す。
【0263】
用語「重合溶媒」は、溶媒または溶媒の混合物を意味するように意図されている。使用できる重合溶媒は、特に以下のものを挙げることができる:
- 室温で液体のケトン、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、またはアセトン;
- 室温で液体のプロピレングリコールエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、またはジプロピレングリコールモノ(n-ブチル)エーテル;
- 短鎖エステル(全部で3〜8つの炭素原子を有する)、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸n-ブチル、または酢酸イソペンチル;
- 室温で液体のエーテル、例えばジエチルエーテル、ジメチルエーテル、またはジクロロジエチルエーテル;
- 室温で液体のアルカン、例えばデカン、ヘプタン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、またはイソヘキサデカン;
- 室温で液体の環状芳香族化合物、例えばトルエン、およびキシレン;室温で液体のアルデヒド、例えばベンズアルデヒド、これらの混合物。
【0264】
従来、重合溶媒は引火点が80℃未満の揮発性の油である。引火点は、特に標準ISO 3679によって測定される。
【0265】
重合溶媒は、特に酢酸エチル、酢酸ブチル、アルコール、例えばイソプロパノール、エタノール、脂肪族アルカン、例えばイソドデカン、およびこれらの混合物から選択できる。好ましくは、重合溶媒は、酢酸ブチルとイソプロパノールまたはイソドデカンとの混合物である。
【0266】
他の実施形態によれば、上記コポリマーはフリーラジカル重合によって調製されることができ、重合溶媒、開始剤、ガラス転移温度が20℃以下の少なくとも1つのモノマー、ガラス転移温度が40℃以上の少なくとも1つのモノマー、を同じ反応器内で混合することからなる方法によって調製することができ、その方法は以下の段階の手順による:
- 重合溶媒の一部、任意選択で場合により第1流体添加物の開始剤およびモノマーの一部を、反応器に導入し、その混合物を60℃〜120℃の間の反応温度まで加熱し、
- 前記Tgが20℃以下の少なくとも1つの第1モノマー、および任意選択で場合により一部の開始剤を続けて第1の流体添加物の中に入れ、前記モノマーの転化率が最大90%になる時間Tの間反応させておき、
- 再び重合開始剤および前記Tgが40℃以上の少なくとも1つの第2モノマーを、第2流体添加物として、続けて反応器の中に入れ、前記モノマーの転化率が変化しなくなる時間T’の間反応させておき、
- 反応混合物を室温に戻す。
【0267】
好ましい実施形態によれば、上記コポリマーはフリーラジカル重合によって調製されることができ、重合溶媒、開始剤、アクリル酸モノマー、ガラス転移温度が20℃以下の少なくとも1つのモノマー、ガラス転移温度が40℃以上の少なくとも1つのモノマー、特にTgが40℃以上のモノマーとして、式CH2=CH-COOR2で表され、R2はC4〜C12シクロアルキル基を表す少なくとも1つのアクリレートモノマー、式CH2=C(CH3)-COOR’2で表され、R’2はC4〜C12シクロアルキル基を表す少なくとも1つのメタクリレートモノマー、を同じ反応器内で混合することからなる方法によって調製することができ、その方法は以下の段階の手順による:
- 重合溶媒の一部、任意選択で場合により第1流体添加物の開始剤およびモノマーの一部を、反応器に導入し、その混合物を60℃〜120℃の間の反応温度まで加熱し、
- アクリル酸モノマー、および前記Tgが20℃以下の少なくとも1つのモノマー、ならびに任意選択で場合により一部の開始剤を続けて第1の流体添加物の中に入れ、前記モノマーの転化率が最大90%になる時間Tの間反応させておき、
- 再び重合開始剤、式CH2=CH-COOR2で表される少なくとも1つのアクリレートモノマー、および式CH2=C(CH3)-COOR’2で表される少なくとも1つのメタクリレートモノマー、ならびに前記Tgが40℃以上の少なくとも1つのモノマーを、第2流体添加物として、続けて反応器の中に入れ、前記モノマーの転化率が変化しなくなる時間T’の間反応させておき、
- 反応混合物を室温に戻す。
【0268】
重合温度は、好ましくはほぼ90℃程度である。
【0269】
第2流体添加物の後の反応時間は、好ましくは3〜6時間の間である。
【0270】
(合成溶媒の蒸留)
本発明による組成物中でブロックポリマーを使用するため、および引火点が80℃未満の揮発性溶媒または揮発性油内でポリマーが調製される場合には、揮発性溶媒または油を完全にまたは一部除去する段階を行う必要がある。この操作は特に蒸留によって行われ、任意選択で場合により真空下で、少なくとも16の炭素原子を含み、かつ650g/mol未満の分子量を有する、非揮発性の炭化水素ベースのエステル油を添加して行われる。
【0271】
この方法は当業者に知られている。合成溶媒(従来はイソドデカン)の蒸留は、少なくとも16の炭素原子を含み、かつ650g/mol未満の分子量を有する、非揮発性の炭化水素ベースのエステル油を、同時添加または蒸留前の混合物にすでに存在させて行われる。この段階は、加熱条件下、およびもしイソドデカン(より一般的には、合成溶媒)が重合溶媒として使用されるならば、イソドデカンを最大限蒸留するために、任意選択で場合により真空下で行われ、より一般的には、80℃未満の引火点を有する揮発性油を最大限蒸留するために、真空下で行われる。揮発性エステル油を、一部または完全に、蒸留前に揮発性溶媒中のポリマーに添加することができる。
【0272】
前記引火点80℃未満の揮発性油(従来はイソドデカン)の除去は、ブロックコポリマー溶液中の揮発性油の含量を制限することを可能にし、したがって、組成物の全質量に対してイソドデカン(より一般的には揮発性溶媒)が10質量%未満、好ましくはイソドデカン(より一般的には揮発性溶媒)が5質量%未満の化粧品組成物を製造することを可能にする。
【0273】
本発明による前記組成物は、好ましくは、組成物の全質量に対して0.5質量%〜40質量%の範囲のブロックエチレン性コポリマーを含み、有利には1質量%〜40質量%の範囲、特には2質量%〜30質量%の範囲、またはさらには2質量%〜20質量%の範囲の活性物質を含む。
【0274】
揮発性溶媒
本発明による組成物は、1つまたは複数の揮発性溶媒を含む。
【0275】
本発明の文脈において、用語「揮発性溶媒」は、室温(20℃)、大気圧(760mmHg)で、液体であり、20℃で0.1mmHg超、好ましくは0.1〜300mmHgの間、さらにより好ましくは0.5〜200mmHgの間の蒸気圧を有する化合物を意味するように意図されている。
【0276】
この揮発性溶媒は、水、非シリコーン有機溶媒、シリコーン有機溶媒、またはこれらの混合物であってよい。
【0277】
揮発性の非シリコーン有機溶媒として、以下を挙げることができる:
- C1〜C4揮発性アルカノール、例えばエタノールまたはイソプロパノール;
- C5〜C7揮発性アルカン、例えばn-ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、2,3-ジメチルブタン、2,2-ジメチルブタン、2-メチルペンタンまたは3-メチルペンタン;
- 液体のC1〜C20酸とC1〜C8アルコールの揮発性エステルであって、例えば酢酸メチル、酢酸n-ブチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソペンチルまたはエチル3-エトキシプロピオネート;
- 室温で液体であり揮発性のケトン、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンまたはアセトン;
- 揮発性ポリオール、例えばプロピレングリコール;
- 揮発性エーテル、例えばジメトキシメタン、ジエトキシエタンまたはジエチルエーテル;
- 揮発性グリコールエーテル、例えば2-ブトキシエタノール、ブチルジグリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;
- 揮発性炭化水素ベースの油、例えば8〜16個の炭素原子を含む揮発性炭化水素ベースの油、およびこれらの混合物、特に、C8〜C16分岐状アルカン、例えば、C8〜C16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られる)、イソドデカンまたはイソデカン、および、例えば、IsoparsまたはPermetylsの商品名で販売されている油、あるいはこれらの混合物。イソヘキシルネオペンタノエートまたはイソデシルネオペンタノエートも挙げることができる。
【0278】
上記揮発性炭化水素ベースの油は8〜17個の炭素原子、特に9〜15個の炭素原子、およびさらに好ましくは11〜13個の炭素原子を含む、特に植物起源の直鎖の揮発性アルカンから選択される、直鎖の揮発性アルカンでもよい。
【0279】
本発明に好適な直鎖の揮発性アルカンの例としては、n-ノナデカン(C9)、n-デカン(C10)、n-ウンデカン(C11)、n-ドデカン(C12)、n-トリデカン(C13)、n-テトラデカン(C14)、n-ペンタデカン(C15)、およびn-ヘキサデカン(C16)が挙げられ;
- C4〜C10の揮発性パーフルオロアルカン、例えばドデカフルオロペンタン、テトラデカフルオロへキサンまたはデカフルオロペンタン;
- 揮発性パーフルオロシクロアルキル、例えばパーフルオロメチルシクロペンタン、1,3-パーフルオロジメチルシクロヘキサンおよびパーフルオロデカリン(それぞれ、F2 Chemicals社によりFlutec PC1(登録商標)、Flutec PC3(登録商標)およびFlutec PC6(登録商標)の名称で販売されている)、ならびにパーフルオロジメチルシクロブタンおよびパーフルオロモルホリン;
- 以下の式:
CH3-(CH2)n-[Z]t-X-CF3
[式中、tは0または1であり;nは0、1、2または3であり;Xは、2〜5個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状の2価のパーフルオロアルキル基であり、ZはO、S、またはRが水素もしくは-(CH2)n-CH3基もしくは-(CF2)m-CF3基である(mは2、3、4または5である)NRを表しす。]
に相当する、揮発性フルオロアルキルまたはヘテロフルオロアルキル化合物。
【0280】
揮発性フルオロアルキルまたはヘテロフルオロアルキル化合物の中で、3M社によってMSX 4518(登録商標)およびHFE-7100(登録商標)の名称で販売されているメトキシノナフルオロブタン、および3M社によってHFE-7200(登録商標)の名称で販売されているエトキシノナフルオロブタンを特に挙げることができる。
【0281】
好ましくは、溶媒は、その沸点が200℃未満となるように選択される。
【0282】
一実施形態によれば、非シリコーン有機溶媒は、エタノール、イソプロパノール、アセトン、およびイソドデカンなどの25℃、大気圧(760mmHg)で液体のアルカンから選択される。
【0283】
揮発性シリコーン溶媒として、2〜7個のケイ素原子を含む直鎖状または環状のシリコーンから選択される低粘度シリコーン化合物であって、任意選択で1〜10個の炭素原子を含んでいてもよいアルキルまたはアルコキシ基を含んでいてもよいシリコーン、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルへキシルトリシロキサン、ヘプタメチルエチルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、およびこれらの混合物を挙げることができる。一実施形態によれば、シリコーン化合物は、シクロペンタジメチルシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサンおよびデカメチルテトラシロキサンから選択される。
【0284】
特定の一実施形態によれば、揮発性シリコーン溶媒は50センチストークス未満の粘度を有する。
【0285】
好ましくは、揮発性シリコーンはデカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、およびデカメチルテトラシロキサンから選択される。
【0286】
例として、DC-245の名称でDow Corning社により販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、DC-246の名称でDow Corning社により販売されているドデカメチルシクロヘキサシロキサン、DC-200 Fluid 1 cstの名称でDow Corning社により販売されているオクタメチルトリシロキサン、およびDC-200 Fluid 1.5 cstの名称でDow Corning社により販売されているデカメチルテトラシロキサンを挙げることができる。
【0287】
本発明の特定の一実施形態によれば、揮発性溶媒は、水、エタノール、イソプロパノール、アセトン、前に定義した揮発性アルカン、特にイソドデカン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、およびデカメチルテトラシロキサン、およびこれらの混合物から選択される。
【0288】
揮発性溶媒は、本発明において有用である方法に用いられる組成物中に、組成物の全質量に対して、0.1質量%〜95質量%の範囲、好ましくは1質量%〜90質量%の範囲、優先的には5質量%〜90質量%の範囲の含量で存在してよい。
【0289】
追加のシリコーン化合物
本発明の組成物のよりよい塗れ広がり性、かつ向上したコーティング性を得るために、本発明の組成物は、100cst超、好ましくは300cst超の粘度を有する1つまたは複数のポリシロキサンも含んでよい。これらポリシロキサンの粘度は、ASTM規格D-445に準拠して測定することができる。このようなポリシロキサンは、シリコーン油、シリコーンガムまたはシリコーン樹脂、または架橋シリコーンであってよい。
【0290】
100cst超の粘度を有するポリシロキサンとして、ポリジメチルシロキサン;アルキルジメチコーン;ポリフェニルメチルシロキサン、例えば、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチコーンおよびビニルメチルメチコーン;ならびに、任意選択でフッ素化されていてもよい脂肪族および/または芳香族基により、あるいは、ヒドロキシル、チオールおよび/またはアミン基などの官能基により修飾されたシリコーンを、特に挙げることができる。
【0291】
このようなポリシロキサンは、式(I):
【0292】
【化43】

【0293】
[式中、R1、R2、R5およびR6は、一緒にまたは別個に、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基であり、R3およびR4は、一緒にまたは別個に、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基、ビニル基、アリール基、1〜6個の炭素原子を含み、任意選択で置換されていてもよいアミノアルキル基、ヒドロキシル基または1〜6個の炭素原子を含むチオアルキル基であり、Xは、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基、ヒドロキシル基、ビニル基、1〜6個の炭素原子を含み、任意選択で置換されていてもよいアミノアルキル基、または1〜6個の炭素原子を含むチオアルキル基であり、nおよびpは、300cstを超える粘度を得るように選択される整数である]
のシリコーンから選択されてよい。
【0294】
例示として、以下のポリジメチルシロキサンを挙げることができる:
・置換基R1〜R6およびXがメチル基を表す、例えば、Baysilicone TP 3898の名称でGeneral Electric社によって販売されている製品、およびAK 500000の名称でWacker社によって販売されている製品、
・置換基R1〜R6およびXがメチル基を表し、pおよびnは、分子量が120000g/molである、例えば、Dow Corning 200 Fluid 60000 CSの名称でDow Corning社によって販売されている製品、
・置換基R1〜R6およびXがメチル基を表し、pおよびnは、分子量が250000g/molである、例えば、Mirasil DM 500.000の名称でRhodia社によって販売されている製品、およびDow Corning 200 Fluid 500.000 cstの名称でDow Corning社によって販売されている製品、
・置換基R1〜R6がメチル基を表し、基Xがヒドロキシル基を表し、nおよびpは、ポリマーの分子量が600000g/molとなるものである、例えば、SGM 36の名称でDow Corning社によって販売されている製品、
・(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)タイプのジメチコーン、例えば、GE Bayer Siloconesによって販売されているSE63、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニル)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ならびにこれらの混合物など。
【0295】
ポリシロキサンがフルオロ基を含む場合、以下の構造を有するコポリマーが選択されてよい:
【0296】
【化44】

【0297】
[式中、
Rは、1〜6個の炭素原子を含む2価の、直鎖状または分岐状アルキル基、好ましくは、メチル、エチル、プロピルまたはブチル2価基を表し、Rfは、フルオロアルキル基、特に、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜9個の炭素原子を含むパーフルオロアルキル基を表し、R1は、互いに独立して、C1〜C20アルキル基、ヒドロキシル基またはフェニル基を表し、R2は、R1またはRfを表し、mは、0〜500、好ましくは0〜200から選択され、nは、1〜1000、好ましくは1〜500から選択される。]
【0298】
好ましくは、R1基は同一であり、メチル基を表す。
【0299】
このようなポリシロキサンは、特に、Shin Etsu社によりFL-5、FL-10、X22-821およびX22-822またはFL-100の名称で、Dow Corning社によりFS-1265 Fluidの名称で、あるいはPhoenix Chemical社によりPecosil FSシリーズとして、Pecosil FSL-150、Pecosil FSL-300、Pecosil FSH-150、Pecosil FSH-300、Pecosil FSU-150およびPecosil FSU-300の名称で販売されているものである。
【0300】
ポリシロキサンの質量平均分子量は、1000〜1500000g/molの間、特に、20000〜1000000g/molの間であってよい。
【0301】
ポリシロキサンは樹脂の形態であってよい。用語「樹脂」は、架橋または非架橋の3次元構造を意味するよう意図されている。ポリシロキサン樹脂の例として、シルセスキオキサンおよびシロキシシリケートを挙げることができる。
【0302】
シリコーン樹脂の命名は「MDTQ」として知られており、樹脂は、それが含む種々のシロキサンモノマーユニットの関数として記述され、「MDTQ」の文字の各々はユニットのタイプを特徴付けている。
【0303】
文字Mは、式(CH3)3SiO1/2の単官能性ユニットを表し、ケイ素原子はこのユニットを含むポリマーにおいて1個の酸素原子に結合している。
【0304】
文字Dは、2官能性の(CH3)2SiO2/2ユニットを意味し、ケイ素原子は2個の酸素原子に結合している。
【0305】
文字Tは、式(CH3)SiO3/2の3官能性ユニットを表す。
【0306】
上記に定義のM、DおよびTユニットにおいて、メチル基のうち少なくとも1つは、メチル基とは異なる基R、例えば、2〜10個の炭素原子を含む炭化水素ベースの(特にアルキル)基またはフェニル基、あるいは、それに代えてヒドロキシル基により置換されていてもよい。
【0307】
最後に、文字Qは、4官能性のSiO4/2ユニットを意味し、ケイ素原子は4個の水素原子に結合しており、これらの原子は、それら自体、ポリマーのその他の部分に結合している。
【0308】
異なる特性を有する種々の樹脂を、これらの種々のユニットから得ることができ、これらのポリマーの特性は、モノマー(またはユニット)のタイプ、置換された基のタイプと数、ポリマー鎖の長さ、分岐の度合い、およびペンダント鎖のサイズに応じて変化する。
【0309】
これらのシリコーン樹脂の例として以下のものを挙げることができる:
- シロキシシリケート、これらは、xおよびyが50〜80の範囲の整数である式[(CH3)3SiO]x(SiO4/2)y(MQユニット)のトリメチルシロキシシリケートであってよい、
- 式(CH3SiO3/2)x(Tユニット)のポリシルセスキオキサン、ここで、メチル基のうちの少なくとも1つは、上記で定義の基Rにより置換されていてもよい。好ましくは、シルセスキオキサンのTユニットの数xは500以下であり、50〜500の間であることがより好ましい。したがって、本発明のシリコーン樹脂の分子量は、好ましくは500〜50000g/molの間、より好ましくは500〜20000g/molの間、さらにより好ましくは500〜10000g/molの間である;
- ポリメチルシルセスキオキサンで、メチル基が別の基により全く置換されていないポリシルセスキオキサンであるもの。このようなポリメチルシルセスキオキサンは、米国特許5246694号明細書に記載されており、その内容は参照として本明細書に援用する;
- ポリプロピルシルセスキオキサンで、メチル基がプロピル基によって置換されているもの。これらの化合物、ならびにその合成は、特に、特許出願WO 2005/075567に記載されている;
- ポリフェニルシルセスキオキサンで、メチル基がフェニル基によって置換されているもの。これらの化合物、ならびにその合成は、特に、特許出願US 2004/0180011に記載されている、
を挙げることができる。
【0310】
商業的に入手可能なポリメチルシルセスキオキサン樹脂の例として、以下の市販製品を挙げることができる:
- Wacker社によってResin MKの参照名で販売されているもの、例えば、Belsil PMS MK:CH3SiO3/2ユニット(Tユニット)の繰返しを含むポリマーで、1質量%までの(CH3)2SiO2/2ユニット(Dユニット)も含んでよく、かつ、約10000g/molの平均分子量を有する。このポリマーは、以下の図に示すように、「かご型」および「はしご型」立体配置をとっていると考えられる。「かご型」立体配置にあるユニットの平均分子量は、536g/molと算出された。ポリマーの大部分は、末端にエトキシ基を有する「はしご型」立体配置である。これらのエトキシ基は、ポリマーの4.5質量%に相当する。これらの末端は水と反応し得るため、少量かつ種々の量のSiOH基もまた存在することがある。
【0311】
【化45】

【0312】
- Shin-Etsu社により、KR-220Lの参照名で販売されているもので、式CH3SiO3/2のTユニットからなり、かつ、SiOH(シラノール)末端基を有するもの、参照名KR-242Aで販売されているもので、98%のTユニットおよび2%のジメチルユニットDを含み、SiOH末端基を有するもの、あるいは、KR-251の参照名で販売されているもので、88%のTユニットおよび12%のジメチルユニットDを含み、SiOH末端基を有するもの。
【0313】
商業的に入手可能なポリプロピルシルセスキオキサン樹脂の例として、以下の市販製品を挙げることができる:
- Dow Corning社により、Dow Corning 670 Fluidの参照名で販売されているもので、D5で希釈したポリプロピルシルセスキオキサン。
【0314】
商業的に入手可能なポリフェニルシルセスキオキサン樹脂の例として、以下の市販製品を挙げることができる:
- Dow Corning社により、Dow Corning 217 Flake Resinの参照名で販売されているもので、シラノール末端を有するポリフェニルシルセスキオキサン、
- Wacker社によりBelsil SPR 45 VPの参照名で販売されているもの。
【0315】
シロキシシリケート樹脂として、トリメチルシロキシシリケート(TMS)樹脂を挙げることができ、任意選択でパウダー形態であってもよい。このような樹脂は、General Electric社によりSR1000の参照名で、またはWacker社によりTMS 803の参照名で市販されている。トリメチルシロキシシリケート樹脂として、Shin-Etsu社によりKF-7312Jの名称で、またDow Corning社によりDC 749およびDC 593の名称で、シクロメチコーンなどの溶媒に入ったものとして市販されているものを挙げることができる。
【0316】
本発明のシリコーン樹脂は、好ましくはフィルム形成性である。実際、すべてのシルセスキオキサンがフィルム形成性であるというわけではなく、例えば、ToshibaのTospearl TMまたはShin-EtsuのKMP590などの高重合性ポリメチルシルセスキオキサンは不溶性であり、フィルム形成性ではない。
【0317】
本発明の一実施形態において、シリコーン樹脂は、本発明の組成物中で溶解性または分散性である。好ましくは、本発明によるシリコーン樹脂は、揮発性シリコーンおよび有機溶媒に溶解する。一実施形態において、シリコーン樹脂は25℃で固体である。
【0318】
本発明によるシリコーン樹脂は、トリメチルシロキシシリケート樹脂、ポリメチルシルセスキオキサン樹脂およびポリプロピルシルセスキオキサン樹脂が好ましい。
【0319】
本発明の組成物はまた、架橋シリコーン、例えば柔軟性のある固体物質の粘弾特性を有する3次元構造の高分子量シリコーン化合物である、架橋オルガノポリシロキサンエラストマー、を含んでよい。したがって、これらのオルガノポリシロキサンは、パウダー状の乾燥形態、または膨潤した形態、溶媒中でもよく、得られる生成物は一般にゲルである。これらの生成物はまた、水性溶媒に分散した形態であってもよい。
【0320】
これらのオルガノポリシロキサンの合成は、以下の特許に記載されている:
- Kobayashi Koseによる米国特許第5266321号、
- Toray Siliconeによる米国特許第4742142号、
- Dow Corning Corp.による米国特許第5654362号、
- 仏国出願公開第2864784号。
【0321】
組成物に使用されるオルガノポリシロキサンエラストマーは、部分的にまたは全体的に架橋されていてもよい。それらは一般に、粒子の形態である。特に、オルガノポリシロキサンエラストマー粒子は、0.1〜500μmの範囲の数平均サイズを有する。これらの粒子はいかなる形状であってよく、例えば、球状、板状、または無定形であってもよい。
【0322】
得られる架橋オルガノポリシロキサンは、非乳化合成物または乳化合成物であってよい。用語「非乳化」は、ポリオキシアルキレンユニットを含まない架橋オルガノポリシロキサンと定義する。用語「乳化」は、少なくとも1つのポリオキシアルキレン、特に、ポリオキシエチレン単位またはポリオキシプロピレン単位を有する架橋オルガノポリシロキサン化合物を意味する。
【0323】
架橋オルガノポリシロキサン粒子は、少なくとも1つの炭化水素ベースの油および/または1つのシリコーン油中に含まれる架橋オルガノポリシロキサンからなるゲルの形態で運搬されてよい。これらのゲルにおいて、オルガノポリシロキサン粒子は、通常、非球状粒子である。架橋オルガノポリシロキサン粒子はまた、パウダーの形態、特に球状パウダーの形態であってもよい。
【0324】
非乳化の架橋オルガノポリシロキサンは、特に、米国特許第4970252号、米国特許第4987169号、米国特許第5412004号、米国特許第5654362号、および米国特許第5760116号、ならびに特開昭61-194009に記載されている。
【0325】
非乳化の架橋オルガノポリシロキサンとして、Shin-Etsu社によってKSG-6、KSG-15、KSG-16、KSG-18、KSG-31、KSG-32、KSG-33、KSG-41、KSG-42、KSG-43、KSG-44およびUSG-103の名称で、Dow Corning社によってDC 9040、DC 9041、DC 9509、DC 9505、DC 9506およびDC 9045の名称で、Grant Industries社によってGransilの名称で、ならびにGeneral Electric社によってSFE 839の名称で販売されているものを使用することができる。
【0326】
有利には、乳化架橋オルガノポリシロキサンは、ジビニル化合物、特にポリシロキサンのSi-H結合と反応する少なくとも2つのビニル基を有するポリシロキサンから形成される、ポリオキシアルキレン修飾オルガノポリシロキサンを含む。乳化架橋オルガノポリシロキサンは、特に、米国特許第5236986号、米国特許第5412004号、米国特許第5837793号、および米国特許第5811487号に記載されている。
【0327】
乳化架橋オルガノポリシロキサンとして、Shin Etsu社によりKSG-21、KSG-20、KSG-30の名称で、およびDow Corning社によりDC 9010およびDC 9011の名称で市販されているものを使用してもよい。
【0328】
架橋オルガノポリシロキサンエラストマー粒子はまた、シリコーン樹脂により、特に、例えば米国特許第5538793号に記載の、シルセスキオキサン樹脂によりコーティングされた架橋オルガノポリシロキサンエラストマーのパウダーの形態であってもよい。
【0329】
このようなエラストマーは、Shin Etsu社によって、KSP-100、KSP-101、KSP-102、KSP-103、KSP-104およびKSP-105の名称で販売されている。
【0330】
好ましくは、架橋オルガノポリシロキサンは、非乳化である。
【0331】
本発明の組成物はまた、グラフト化シリコーンポリマーを含んでもよい。本発明の文脈において、用語「グラフト化シリコーンポリマー」は、ポリシロキサン部分および非シリコーン有機鎖からなる部分を含み、2つの部分の一方がポリマーの主鎖を構成し、他方が前記主鎖にグラフトされているポリマーを意味するよう意図されている。
【0332】
本発明による化粧品組成物において使用されるグラフト化シリコーンポリマーは、好ましくは、ポリシロキサンを含むモノマーがグラフトした非シリコーン有機骨格を有するポリマー、非シリコーン有機モノマーがグラフトしたポリシロキサン骨格を有するポリマー、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0333】
グラフト化シリコーンポリマーの主鎖を構成する非シリコーン有機モノマーは、フリーラジカル重合性のエチレン性不飽和モノマー、重縮合-重合性モノマー、例えば、ポリアミド、ポリエステルまたはポリウレタンを生成するもの、および開環性モノマー、例えば、オキサゾリンまたはカプロラクトンタイプのもの、から選択されてもよい。
【0334】
ポリシロキサンを含むモノマーがグラフトした非シリコーン有機骨格を有するポリマーは、本発明によれば、米国特許第4693935号、米国特許第4728571号および米国特許第4972037号、および欧州出願公開第0412704号、欧州出願公開第0412707号、欧州出願公開第0640105号おならびに国際公開95/00578に記載のものから選択されてもよい。それらは、エチレン性不飽和モノマーおよび末端ビニル基を有するシリコーンマクロマーから出発するフリーラジカル重合によって得られるコポリマー、または、官能基化された基を含むポリオレフィンおよび前記官能基化された基と反応性のある末端官能基を含むポリシロキサンマクロマーの反応によって得られるコポリマーである。
【0335】
ポリシロキサンを含むモノマーがグラフトした非シリコーン有機骨格を有するコポリマーは、例えば、以下の構造:
【0336】
【化46】

【0337】
を有する。
【0338】
このようなポリマーは、Shin EtsuによりKP 561の名称で市販されている。
【0339】
ポリシロキサンを含むモノマーがグラフトした非シリコーン有機骨格を有するコポリマーは、以下の構造:
【0340】
【化47】

【0341】
も有してよい。
【0342】
このようなポリマー、ポリシリコーン7は、3MによってSA70の名称で市販されている。
【0343】
ポリシロキサンを含むモノマーがグラフトした非シリコーン有機骨格を有する他のコポリマーはまた、Shin Etsuによって販売されているKP545、KP574およびKP575であってもよい。
【0344】
グラフト化シリコーン化合物として、Grant IndustriesによってGranacrysil BMASの名称で販売されている、イソブチルメタクリレート/ビス(ヒドロキシプロピル)ジメチコーンアクリレートコポリマーも挙げることができる。
【0345】
本発明によれば、非シリコーン有機モノマーがグラフトしたポリシロキサン骨格を有するグラフト化シリコーンポリマーは、シリコーン主鎖(すなわち、ポリシロキサン(≡Si-O-)n)を含み、この主鎖に、主鎖内および任意選択で場合により主鎖の末端の少なくとも1つに、シリコーンを含まない少なくとも1つの有機基がグラフトしている。
【0346】
この定義に対応するシリコーンポリマーの例は、特に、チオプロピレンタイプの連結鎖を介して、ポリ(メタ)アクリル酸タイプおよびポリ(アルキル(メタ)アクリレート)タイプの混合ポリマーユニットがグラフトした、ポリジメチルシロキサン(PDMSs)である。この定義に対応する化合物として、メチル3-(プロピルチオ)アクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸基を含むポリジメチルシロキサンまたはポリメチルシロキサン、または、3M社によってVS80の名称で市販されているポリシリコーン-8を挙げることができる。
【0347】
シリコーンポリマーの他の例は、特に、チオプロピレンタイプの連結鎖を介して、ポリ(イソブチル(メタ)アクリレート)タイプのポリマーユニットがグラフトした、ポリジメチルシロキサン(PDMSs)である。
【0348】
本発明の、非シリコーン有機モノマーがグラフトしたポリシロキサン骨格を有するシリコーンポリマーの数平均分子量は、好ましくは、約10000〜約1000000、さらにより好ましくは、約10000〜約100000の範囲である。
【0349】
好ましくは、グラフト化シリコーンポリマーは、ポリジメチルシロキサンがグラフトされたアルキルメタクリレートコポリマー、イソブチルメタクリレート/アクリル酸/シリコーンマクロマーコポリマー、およびメチル3-(プロピルチオ)アクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸基を含むポリジメチルシロキサンまたはポリメチルシロキサン、からなる群から選択される。
【0350】
好ましいシリコーン化合物は、シリコーン油、特に式(I)で表される化合物、およびシリコーン樹脂である。
【0351】
これらが本発明の組成物中に存在する場合、入れられるこれらシリコーン化合物の量は、組成物の全質量に対して、0.1質量%〜30質量%の間、好ましくは0.1質量%〜20質量%の間、さらにより好ましくは0.1質量%〜10質量%の間である。
【0352】
顔料
1つの変法として、毛髪をトリートメントするための組成物は、追加で顔料を含む、ケラチン線維を染色するための組成物である。そのような組成物は、ケラチン線維を劣化させることなく、持続性がある着色コーティングを得ることを可能にする。
【0353】
用語「顔料」は、ケラチン物質に着色を与えるあらゆる顔料を意味するよう意図されている。25℃、大気圧(760mmHg)における、それら顔料の水への溶解度は、0.05質量%未満、好ましくは0.01質量%未満である。
【0354】
使用することができる顔料は、当該技術分野で既知の有機および/または無機顔料、特にKirk-OthmerのEncyclopaedia of Chemical TechnologyおよびUllmannのEncyclopaedia of Industrial Chemistryに記載されたものから特に選択される。
【0355】
これらの顔料は、顔料パウダーまたは顔料ペーストの形態であってもよい。それらはコートされていてもいなくてもよい。
【0356】
顔料は、例えば、無機顔料、有機顔料、レーキ、特別な効果を有する顔料、例えば真珠光沢剤、メタリック顔料またはグリッター、およびこれらの混合物から選択されてもよい。
【0357】
顔料は、無機顔料であってもよい。用語「無機顔料」は、UllmannのEncyclopaediaの「無機顔料」の章における定義に対応するいかなる顔料も意味するよう意図されている。無機顔料の中で本発明に使用されるものとして、酸化鉄または酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物、フェリックブルーおよび酸化チタンが挙げられる。
【0358】
顔料は、有機顔料であってもよい。用語「有機顔料」は、UllmannのEncyclopaediaの「有機顔料」の章における定義に対応するいかなる顔料も意味するよう意図されている。有機顔料は、ニトロソ、ニトロ、アゾ、キサンテン、キノリン、アントラキノン、フタロシアニン、イソインドリノン、イソインドリン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、ジオキサジン、トリフェニルメタンまたはキノフタロン化合物から特に選択されてよい。
【0359】
特に、有色有機顔料は、カルミン、カーボンブラック、アニリンブラック、アゾイエロー、キナクリドン、フタロシアニンブルー、参照名CI 42090、69800、69825、73000、74100および74160でColor Indexにおいてコードされている青色顔料、参照名CI 11680、11710、15985、19140、20040、21100、21108、47000および47005でColor Indexにおいてコードされている黄色顔料、参照名CI 61565、61570および74260でColor Indexにおいてコードされている緑色顔料、参照名CI 11725、15510、45370および71105でColor Indexにおいてコードされている橙色顔料、参照名CI 12085、12120、12370、12420、12490、14700、15525、15580、15620、15630、15800、15850、15865、15880、17200、26100、45380、45410、58000、73360、73915および75470でColor Indexにおいてコードされている赤色顔料、ならびに仏国特許第2679771号に記載のものなどの、インドールまたはフェノール誘導体の酸化重合によって得られる顔料から選択されてもよい。
【0360】
本発明の顔料はまた、欧州特許第1184426号に記載のような、複合顔料の形態であってもよい。これらの複合顔料は、特に、1つの無機コア、コアと有機顔料との連結を与える少なくとも1つのバインダー、およびコアを少なくとも部分的に被覆する少なくとも1つの有機顔料を含む粒子からなってよい。
【0361】
有機顔料はまた、レーキであってもよい。用語「レーキ」は、不溶性粒子に吸着した染料を意味するよう意図され、このようにして得られた組合せは、使用する間、溶解しないままである。
【0362】
染料が吸着している無機物質は、例えば、アルミナ、シリカ、カルシウムナトリウムボロシリケート、カルシウムアルミニウムボロシリケートおよびアルミニウムである。
【0363】
染料の中で、コチニールカルミンを挙げることができる。以下の名称で知られている染料も挙げることができる:D&C Red 21 (CI 45 380)、D&C Orange 5 (CI 45 370)、D&C Red 27 (CI 45 410)、D&C Orange 10 (CI 45 425)、D&C Red 3 (CI 45 430)、D&C Red 4 (CI 15 510)、D&C Red 33 (CI 17 200)、D&C Yellow 5 (CI 19 140)、D&C Yellow 6 (CI 15 985)、D&C Green (CI 61 570)、D&C Yellow 10 (CI 77 002)、D&C Green 3 (CI 42 053)、D&C Blue 1 (CI 42 090)。
【0364】
レーキの例として、以下の名称で知られている製品を挙げることができる:D&C Red 7 (CI 15 850:1)。
【0365】
顔料はまた、特別な効果を有する顔料でもあり得る。用語「特別な効果を有する顔料」は、一般的に、有色の外観(特定の色調、特定の鮮明度、および特定の明度によって特徴付けられる)を作り出す顔料を意味するよう意図され、それは均一でなく、かつ観察条件(光、温度、観察角度など)に応じて変化する。したがって、これらの顔料は、従来の不透明、半透明または透明で均一な着色を与える有色顔料とは対照をなしている。
【0366】
特別な効果を有するいくつかのタイプの顔料が存在し、低い屈折率を有するもの、例えば蛍光顔料、フォトクロミックまたはサーモクロミック顔料、および高い屈折率を有するもの、例えば真珠光沢剤またはグリッターなどが存在する。
【0367】
特別な効果を有する顔料の例として、真珠光沢顔料(例えば酸化チタンまたはオキシ塩化ビスマスでコートされたマイカ)、染色真珠光沢顔料(例えば酸化チタンと酸化鉄で被覆されたマイカ、酸化鉄で被覆されたマイカ、酸化チタンと、特にフェリックブルーまたは酸化クロムとで被覆されたマイカ、酸化チタンと上記で定義された有機顔料で被覆されたマイカ)、およびオキシ塩化ビスマスベースの真珠光沢顔料であってもよい。これらはまた、マイカ粒子であってよく、表面には金属酸化物および/または有機着色物質の少なくとも2つの連続層が重なっている。
【0368】
真珠光沢剤は、より特に、黄、桃、赤、ブロンズ、橙、茶、金および/または銅などの色または輝きを有し得る。
【0369】
本発明の文脈において使用することができる真珠光沢剤の例として、特にEngelhardによりGold 222C (Cloisonne)、Sparkle Gold (Timica)、Gold 4504 (Chromalite)およびMonarch Gold 233X(Cloisonne)の名称で販売されている金色の真珠光沢剤;特にMerckによりBronze Fine (17384) (Colorona)およびBronze (17353) (Colorona)の名称で、EckartによりPrestige BronzeおよびPrestige Soft Bronzeの名称で、ならびにEngelhardによりSuper Bronze (Cloisonne)の名称で販売されているブロンズ色真珠光沢剤;特にEngelhardによりOrange 363C (Cloisonne)およびOrange MCR 101 (Cosmica)の名称で、ならびにMerckによりPassion Orange (Colorona)およびMatte Orange (17449) (Microna)の名称で販売されている橙色真珠光沢剤;特にEngelhardによりNu Antique Copper 340XB (Cloisonne)およびBrown CL4509 (Chromalite)の名称で販売されている茶色着色真珠光沢剤;特にEngelhardによりCopper 340A (Timica)の名称で、EckartによりPrestige CopperおよびPrestige Soft Copperの名称で販売されている銅色の輝きのある真珠光沢剤;特にMerckによりSienna Fine (17386) (Colorona)の名称で販売されている赤色の輝きのある真珠光沢剤;特にEngelhardによりYellow (4502) (Chromalite)の名称で販売されている黄色の輝きのある真珠光沢剤;特にEngelhardによりSunstone G012 (Gemtone)の名称で販売されている金色の輝きのある赤色着色真珠光沢剤;特にEngelhardによりNu Antique Bronze 240 AB (Timica)の名称で販売されている金色の輝きのある黒色真珠光沢剤;特にMerckによりMatte Blue (17433) (Microna)またはDark Blue (117324) (Colorona)の名称で販売されている青色真珠光沢剤;特にMerckによりXirona Silverの名称で販売されている銀色の輝きのある白色真珠光沢剤;ならびに特にMerckによりIndian Summer (Xirona)の名称で販売されている金緑桃橙色の真珠光沢剤;ならびにこれらの混合物を挙げることができる。
【0370】
マイカを支持体とする真珠光沢剤に加えて、アルミナ、シリカ、カルシウムナトリウムボロシリケート、カルシウムアルミニウムボロシリケートおよびアルミニウムなどの合成基質に基づく多層顔料を想定することが可能である。
【0371】
基質に連結されていない干渉効果を有する顔料として、例えば液晶(WackerによるHelicones HC)、干渉ホログラフィックグリッター(SpectratekによるGeometric PigmentsまたはSpectra f/x)などを挙げることができる。特別な効果のある顔料はまた、日光下で蛍光を発する基質であるか、あるいは紫外線蛍光を発する基質であるかにかかわらず、蛍光顔料、燐光顔料、フォトクロミック顔料、サーモクロミック顔料および量子ドット、例えばQuantum Dots Corporationにより市販されているものも含む。
【0372】
顔料はまた、メタリック顔料の形態であってもよい。メタリック顔料は、銀、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、金、銅、亜鉛、スズ、マグネシウム、鋼、ブロンズ、チタン、およびこれらの金属の混合物から選択されることができる。好ましくは、メタリック顔料は、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、銀、金、およびこれらの金属の合金から選択される。より好ましく用いられるのは、アルミニウム(有利には、アルミニウム含量が99%以上)、銅(有利には、銅含量が95%以上)、およびブロンズ(好ましくは銅含量が70%〜95%の範囲、および亜鉛含量が5%〜30%の範囲)から選択される。
【0373】
メタリック顔料は、少なくとも1つの無機または有機物質による少なくとも1つの「コーティング」層でコートされていてもよい。金属粒子が製造中に使用される潤滑剤に追加して、またはそれ以外でコートされる場合、好ましくは少なくとも1層の二酸化ケイ素SiO2でコートされる。これらSiO2でコートされた金属粒子、およびその調製方法は、例えば独国特許第10238090号に記載されている。
【0374】
金属粒子ではアルミニウム粒子として、例えばSiberline社によりStarbrite 2100 EAC(登録商標)の名称で、およびEckart社によりMetalure(登録商標)の名称で販売されているものを挙げることができる。また、Wolstenholme社によりPremier Super 8000の名称で、およびEckart社によりRothoflex、Lithoflex、ならびにStandardの名称で販売されているブロンズパウダー、例えばStandard Bronze Powder Offset 3000 Super Pale Gold (D50 3〜5μm)およびLithoflex XA 40-03 Rich Pale Gold (D50 3〜5μm)の参照名で販売されているものを挙げることができる。また、例えばEckart社によりVisionaire Honey (サイズ5〜50μm)、およびVisionaire Amber (サイズ5〜50μm)の名称で、ならびにDorolan 08/0 Pale Gold (D50 7〜9μm)の名称で販売されているシリカコートブロンズパウダー、Eckart社によりVisionaire Silver Sea (サイズ5〜50μm)の参照名で販売されているシリカコートアルミニウムパウダー、Visionaire Cinnamon (サイズ5〜50μm)の参照名、およびVisionaire Lava (サイズ5〜50μm)の参照名、ならびにDorolan 10/0 Copper (D50 9〜11μm)の名前で販売されているシリカコート銅パウダーなどの金属合金を挙げることができる。
【0375】
本発明で使用することができる顔料の多様さは、豊かな色調範囲の着色、ならびに干渉効果、メタリック効果などの特別な光学的効果を得ることを可能にする。
【0376】
本発明による化粧品組成物において使用される顔料のサイズは、一般的に10nm〜200μmの間、好ましくは20nm〜80μmの間、より優先的には30nm〜50μmの間である。
【0377】
顔料は分散剤の効力によって製品中に分散されることができる。
【0378】
分散剤は、分散した粒子をその凝集(agglomeration)または軟凝集(flocculation)から保護する働きがある。この分散剤は、界面活性剤、オリゴマー、ポリマーまたはそのうちのいくつかの混合物であり得り、分散される粒子の表面に対して強力な親和性を有する1つまたは複数の官能性を有する。特に、これら分散剤は、顔料の表面に物理的または化学的に連結するようになることができる。これらの分散剤は、加えて、少なくとも1つの官能性基が連続媒体と相容性または相溶性を示す。特に、12-ヒドロキシステアリン酸、および特にC8からC20脂肪酸と、グリセロールまたはジグリセロールなどのポリオールとのエステル、例えば約750g/molの分子量を有するポリ(12-ヒドロキシステアリン酸)のステアレート、例えばAveciaによりSolsperse 21000の名称で販売されているもの、HenkelによりDehymyls PGPHの参照名で販売されているポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレート(CTFA名)、またはポリヒドロキシステアリン酸、例えばUniqemaによりArlacel P100の参照名で販売されているものなど、ならびにこれらの混合物が使用される。
【0379】
本発明の組成物で使用することができる他の分散剤として、重縮合された脂肪酸の第四級アンモニウム誘導体、例えばAveciaにより販売されているSolsperse 17000、およびポリジメチルシロキサン/オキシプロピレン混合物、例えばDow CorningによりDC2-5185およびDC2-5225 Cの参照名で販売されているものなどを挙げることができる。
【0380】
本発明による化粧品組成物において使用される顔料は、有機薬剤によって表面処理されることができる。
【0381】
したがって、本発明の文脈において有用である表面前処理顔料は、本発明の組成物に分散する前に、特にCosmetics and Toiletries、1990年2月、vol. 105、53〜64頁に記載されたものなどの有機薬剤によって、化学的、電気的、電気化学的、機械化学的、または機械的性質の表面処理を完全にまたは部分的に受けている顔料である。これらの有機薬剤は例えば、アミノ酸;ワックス、例えばカルナウバワックスおよびビーズワックス;脂肪酸、脂肪アルコールおよびこれらの誘導体、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ステアリルアルコール、ヒドロキシステアリルアルコール、ラウリン酸およびこれらの誘導体;アニオン性界面活性剤;レシチン;脂肪酸とナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄、チタン、亜鉛、またはアルミニウムとの塩、例えばステアリン酸アルミニウムまたはラウリン酸アルミニウム;金属アルコキシド;多糖類、例えばキトサン、セルロース、およびその誘導体;ポリエチレン;(メタ)アクリルポリマー、例えばポリ(メチルメタクリレート);アクリレートユニットを含むポリマーおよびコポリマー;タンパク質;アルカノールアミン;シリコーン化合物、例えばシリコーン、ポリジメチルシロキサン、アルコキシシラン、アルキルシランまたはシロキシシリケート;フッ素化有機化合物、例えばパーフルオロアルキルエーテル;およびフルオロシリコーン化合物、から選択されてよい。
【0382】
本発明の化粧品組成物において使用される表面処理顔料は、これら化合物の混合物で処理されていてもよく、かつ/またはいくつかの表面処理を受けていてもよい。
【0383】
本発明の文脈において使用される表面処理顔料は、当業者によく知られている表面処理技法によって調製されてよく、または市販されているようなものであってもよい。
【0384】
好ましくは、表面処理顔料は有機層で被覆されている。
【0385】
顔料を処理する有機薬剤は、溶媒の蒸発、表面薬剤分子間の化学反応または表面薬剤と顔料との間の共有結合の生成によって、顔料に付着されることができる。
【0386】
このように表面処理は、例えば、表面薬剤と顔料表面との化学反応、および表面薬剤と顔料またはフィラーとの間の共有結合の生成によって行われてよい。この方法は特に、米国特許第4578266号に記載されている。
【0387】
好ましくは、顔料に共有結合した有機薬剤が使用される。
【0388】
表面処理のための薬剤は、表面処理顔料の全質量に対して、0.1質量%〜50質量%の範囲、好ましくは0.5質量%〜30質量%の範囲、さらにより好ましくは1質量%〜10質量%の範囲に相当してよい。
【0389】
それらが存在する場合、顔料は、一般的に組成物の全質量に対して、0.1質量%〜40質量%の範囲、好ましくは0.5質量%〜20質量%の範囲である。
【0390】
他の添加剤
ポリマーのガラス転移温度が所望の用途には高すぎる場合、用いられる混合物のガラス転移温度を下げるために、そこに可塑剤を組み合わせてよい。可塑剤は、応用分野において通常用いられる可塑剤から、特に、ポリマーにとって溶媒となあり得る化合物から選択してよい。
【0391】
好ましくは、可塑剤は、5000g/mol以下、好ましくは2000g/mol以下、優先的には1000g/mol以下の分子量を有する。可塑剤は、有利には、100g/mol以上の分子量を有する。
【0392】
したがって、組成物は少なくとも1種の可塑剤も含んでよい。特に、単独でまたは混合物として、以下のような一般的な可塑剤を挙げることができる:
- グリコールおよびそれらの誘導体、例えば、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテルまたはジエチレングリコールへキシルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテルまたはエチレングリコールへキシルエーテル;
- ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールコポリマー、およびこれらの混合物、特に、高分子量のポリプロピレングリコール、例えば、500から15000の範囲の分子量を有するもの、例えば;
- グリコールエステル;
- 酸のエステル、特に、カルボン酸のエステル、例えば、クエン酸エステル、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、炭酸エステル、酒石酸エステル、リン酸エステルおよびセバシン酸エステル;
- 式R11COOHのモノカルボン酸と式HOR12OHのジオールの反応により誘導されるエステル(ここで、R11およびR12は、同一でも異なっていてもよく、好ましくは3から15個の炭素原子を含み、N、OまたはSなどの1つまたは複数のヘテロ原子を任意選択で含んでいてもよい、飽和または不飽和の、直鎖状、分岐状または環状の炭化水素ベースの鎖を表す)、特に、イソ酪酸とオクタンジオール、例えば、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオールなど、との反応により得られるモノエステル、例えば、Texanol Ester Alcoholの参照名でEastman Chemical社によって販売されている製品など;
- オキシエチレン化誘導体、例えば、オキシエチレン化油、特に植物油、例えば、ヒマシ油など;
- ならびに、これらの混合物。
【0393】
本発明による組成物は、ポリマー増粘剤および無機増粘剤、およびこれらの混合物から選択される、1つまたは複数の増粘剤を含んでよい。
【0394】
増粘剤は、無機または有機でもよく、ポリマーまたは非ポリマーであってよい。増粘剤は、場合に応じて、組成物の水性相または脂肪相を増粘するように選択されてよい。
【0395】
用語「増粘剤」は、それが配合される媒体のレオロジーを、25℃、せん断速度1s-1における媒体の粘度を少なくとも100cps増加させることによって変更する化合物を意味するよう意図されている。この粘度は、コーン/プレート粘度計(Haake R600レオメータ、または同種のもの)を用いて測定することができる。
【0396】
水性媒体の増粘剤は、以下から選択してよい:
- 親水性クレイ、
- 親水性フュームドシリカ、
- 水溶性のセルロースベースの増粘剤、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロース。これらの中で、特に、Amerchol社によってCellosize QP 4400 Hの名称で販売されているガムを挙げることができる、
- C1〜C6ヒドロキシアルキル基を含む非イオン性グアーガム。例として、ヒドロキシメチル、ヒドロキシプロピルおよびヒドロキシブチル基を挙げることができる。このようなグアーガムは、特に、Jaguar HP8、Jaguar HP60、Jaguar HP120およびJaguar HP105の商品名でMeyhall社によって、またはGalactasol 40H4FD2の名称でAqualon社によって販売されている、
- カラギーナン、
- ローカストビーンガム、スクレログルカンガム、ジェランガム、ラムザンガムまたはカラヤガム、
- アルギネート、マルトデキストリン、デンプンおよびその誘導体、ヒアルロン酸およびその塩、
- Hispano Quimica社またはGuardian社によってHispagelおよびLubragelの名称で販売されているポリグリセリル(メタ)アクリレートポリマー、
- ポリビニルアルコール、
- 架橋アクリルアミドポリマーおよびコポリマー、例えば、Hoechst社によってPAS 5161またはBozepol Cの名称で、Seppic社によってSepigel 305の名称で販売されているものなど、あるいは
- Allied Colloid社によってSalcare SC95の名称で販売されている架橋メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドホモポリマー、
- 会合性ポリマー、特に会合性ポリウレタン。
【0397】
このような増粘剤は、特に、欧州出願公開第1400234号に記載されており、その内容は参照として本明細書に援用する。
【0398】
油性媒体の増粘剤は以下から選択されてもよい:
- 親有機性クレイ;
- 疎水性フュームドシリカ;
- アルキルグアーガム(C1〜C6アルキル基を有する)、例えば、欧州出願公開第708114号に記載のものなど;
- オイル-ゲル化ポリマー、例えば、エチレン性の基を含む少なくとも1つのモノマーの重合または共重合により生成するトリブロックポリマーまたは星型ポリマー、例えば、Kratonの名称で販売されているポリマー;
- 100000未満の質量平均分子量を有するポリマー、a)少なくとも1個のヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰返しユニットを含むポリマー骨格、を含み、および任意選択で、b)少なくとも1つのペンダント脂肪鎖および/または少なくとも1つの末端脂肪鎖であって、任意選択で官能基化されてもよく、6〜120個の炭素原子を含み、これら炭化水素ベースのユニットに連結しているもの、を含んでもよく、内容が参照として援用される国際公開02/056847および国際公開02/47619に記載のもの;特に、ポリアミド樹脂(特に、12〜22個の炭素原子を含むアルキル基を含むもの)、例えば、その内容が参照として援用される米国出願公開第5783657号に記載のもの;
- 欧州出願公開第1266647号、およびその内容が参照として援用される仏国出願公開第0216039号に記載のシリコーンベースのポリアミド樹脂。
【0399】
このような増粘剤は、特に、欧州出願公開第1400234号に記載されており、その内容は参照として援用される。
【0400】
増粘剤は、有機ゲル化剤、つまり、少なくとも1つの有機化合物を含む薬剤であってよい。オルガノゲル化剤は、その内容が参照として援用される国際公開03/105788に記載のものから選択されてよい。
【0401】
より具体的には、本発明による組成物中に存在するポリマー増粘剤は、オレフィンの重合によって生成する非晶性ポリマーである。このオレフィンは、特に、エラストマー性のエチレン性不飽和モノマーであってもよい。
【0402】
オレフィンの例として、エチレン性カーバイドモノマー、特に、1つまたは2つのエチレン性不飽和を含み、2〜5個の炭素原子を含むもの、例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエンまたはイソプレンを挙げることができる。
【0403】
ポリマー増粘剤は、組成物を増粘またはゲル化することができる。用語「非晶性ポリマー」は、結晶形を有さないポリマーを意味するように意図されている。ポリマー増粘剤はフィルム形成性であってもよい。
【0404】
ポリマー増粘剤は、特に、ジブロック、トリブロック、マルチブロック、ラジアルまたは星型のコポリマー、あるいはこれらの混合物であってもよい。
【0405】
このようなポリマー増粘剤は、米国出願公開2002/005562号および米国特許第5221534号に記載されている。
【0406】
有利には、ポリマー増粘剤は、スチレンとオレフィンとの非晶性ブロックコポリマーである。
【0407】
ポリマー増粘剤は、モノマーの重合後に、エチレン性不飽和残基を減らすために、好ましくは水素添加される。
【0408】
特に、ポリマー増粘剤は、スチレンブロックおよびエチレン/C3〜C4アルキレンブロックを含む、任意選択で水素添加されてもよいコポリマーである。
【0409】
好ましくは水素添加されたジブロックコポリマーとして、スチレン-エチレン/プロピレンコポリマー、および、スチレン-エチレン/ブタジエンコポリマーが挙げられる。ジブロックポリマーは、特に、Kraton Polymers社によってKraton(登録商標)G1701Eの名称で販売されている。
【0410】
好ましくは水素添加されたトリブロックコポリマーとして、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレンコポリマー、スチレン-エチレン/ブタジエン-スチレンコポリマー、スチレン-イソプレン-スチレンコポリマー、および、スチレン-ブタジエン-スチレンコポリマーが挙げられる。トリブロックポリマーは、特に、Kraton Polymers社によって、Kraton(登録商標)G1650、Kraton(登録商標)G1652、Kraton(登録商標)D1101、Kraton(登録商標)D1102およびKraton(登録商標)D1160の名称で販売されている。
【0411】
スチレン-ブチレン/エチレン-スチレントリブロック水素添加コポリマーと、エチレン-プロピレン-スチレン水素添加星型ポリマーとの混合物もまた使用することができ、このような混合物は、特に、イソドデカン中に存在する。このような混合物は、例えば、Penreco社によって、Versagel(登録商標)M5960およびVersagel(登録商標)M5670の商品名で販売されている。
【0412】
有利には、すでに記載したものなどのジブロックコポリマー、特に、スチレン-エチレン/プロピレンジブロックコポリマーが、ポリマー増粘剤として使用される。
【0413】
より具体的には、有機クレイは、クレイを膨潤できるようにする化合物により改質されたクレイである。
【0414】
クレイはそれ自体すでによく知られている製品であり、例えば、書籍「Mineralogie des argiles」[Clay Mineralogy]、S.Caillere、S.Henin、M.Rautureau、第2版、1982年、Massonに記載されており、その教示は参照として含まれる。
【0415】
クレイは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ナトリウム、カリウムおよびリチウムのカチオン、ならびにこれらの混合物から選択されてよいカチオンを含むシリケートである。
【0416】
このような生成物の例として、スメクタイトファミリー、例えば、モンモリロナイト、ヘクトライト、ベントナイト、バイデライトおよびサポナイト、ならびにバーミキュライト、スチーブンサイトおよびクロライトのファミリーのクレイが挙げられる。
【0417】
これらのクレイは、天然または合成由来のものであってよい。好ましくは、美容上、ケラチン物質に適合し許容されるクレイが用いられる。
【0418】
親有機性クレイは、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイトおよびセピオライト、ならびにこれらの混合物から選択されてもよい。クレイは、好ましくは、ベントナイトまたはヘクトライトである。
【0419】
これらのクレイは、第四級アミン、第三級アミン、アミンアセテート、イミダゾリン、アミン石けん、脂肪サルフェート、アルキルアリールスルホネートおよびアミンオキシド、ならびにこれらの混合物から選択される化学化合物により改質されてもよい。
【0420】
親有機性クレイとして、クオタニウム-18ベントナイト、例えば、Rheox社によってBentone 3、Bentone 38およびBentone 38Vの名称で、United Catalyst社によってTixogel VPの名称で、Southern Clay社によってClaytone 34、Claytone 40およびClaytone XLの名称で販売されているもの;ステアラルコニウムベントナイト、例えば、Rheox社によってBentone 27の名称で、United Catalyst社によってTixogel LGの名称で、ならびに、Southern Clay社によってClaytone AFおよびClaytone APAの名称で販売されているものなど;クオタニウム-18/ベンザルコニウムベントナイト、例えば、Southern Clay社によってClaytone HTおよびClaytone PSの名称で販売されているものなどが挙げられる。
【0421】
フュームドシリカは、微粉砕されたシリカを生成する酸水素炎における揮発性ケイ素化合物の高温加水分解によって得られてもよい。この方法により、特に、表面に多数のシラノール基を有する親水性シリカを得ることが可能になる。このような親水性シリカは、例えば、Degussa社によってAerosil 130(登録商標)、Aerosil 200(登録商標)、Aerosil 255(登録商標)、Aerosil 300(登録商標)およびAerosil 380(登録商標)の名称で、またCabot社によってCab-O-Sil HS-5(登録商標)、Cab-O-Sil EH-5(登録商標)、Cab-O-Sil LM-130(登録商標)、Cab-O-Sil MS-55(登録商標)およびCab-O-Sil M-5(登録商標)の名称で販売されている。
【0422】
シラノール基の数の減少を引き起こす化学反応を介して、前記シリカの表面を化学的に改質することが可能である。特に、シラノール基を疎水性基により置換することが可能である;この場合、疎水性シリカが得られる。
【0423】
疎水性基は以下であってもよい:
- トリメチルシロキシ基、これは、特に、ヘキサメチルジシラザンの存在下でフュームドシリカを処理することによって得られる。このように処理されたシリカは、CTFA(第6版、1995年)によれば、「silica silylate (シリカシリレート)」として知られている。それらは、例えば、Degussa社によってAerosil R812(登録商標)の参照名で、Cabot社によってCab-O-Sil TS-530(登録商標)の参照名で販売されている;
- ジメチルシリルオキシルまたはポリジメチルシロキサン基、これらは、特に、ポリジメチルシロキサンまたはジメチルジクロロシランの存在下でフュームドシリカを処理することによって得られる。このように処理されたシリカは、CTFA(第6版、1995年)によれば「silica dimethyl silylate (シリカジメチルシリレート)」として知られている。それらは、例えば、Degussa社によってAerosil R972(登録商標)およびAerosil R974(登録商標)の参照名で、ならびに、Cabot社によってCab-O-Sil TS-610(登録商標)およびCab-O-Sil TS-720(登録商標)の参照名で販売されている。
【0424】
ヒュームドシリカは、好ましくは、ナノメートルからマイクロメートル、例えば、約5〜200nmの範囲の粒子サイズを有してもよい。
【0425】
有機変性ベントナイトまたはヘクトライトが、好ましくは、無機増粘剤として使用される。
【0426】
増粘剤は、組成物中に、組成物の全質量に対して、0.1質量%〜10質量%の範囲、好ましくは0.5質量%〜7質量%の範囲、より好ましくは0.5質量%〜5質量%の範囲で存在してもよい。
【0427】
本発明による組成物は、化粧品に通常用いられる1つまたは複数の薬剤、例えば、還元剤、脂肪物質、柔軟剤、消泡剤、保湿剤、UV-遮蔽剤、無機コロイド、ペプタイザー、香料、アニオン性、カチオン性、非イオンまたは両性界面活性剤、タンパク質、ビタミン、発射剤、オキシエチレン化または非オキシエチレン化ワックス、パラフィン、ステアリン酸またはラウリン酸などのC10〜C30脂肪酸、ラウリン酸ジエタノールアミドなどのC10〜C30脂肪アミド、およびアニオン性、カチオン性、非イオンまたは両性ポリマーから選択される、を含んでもよい。
【0428】
上記添加剤は一般に、それらの各々が組成物の全質量に対して、0.01質量%〜20質量%の間の量で存在する。
【0429】
当然のことながら、当業者であれば、本発明に基づくコーティングの形成に本来付随する優位性が、全くまたは実質的に損なわれることがないように、これら任意の添加剤を選択するよう注意を払うであろう。
【0430】
本発明による組成物は、特に、懸濁液、分散液、溶液、ゲル、エマルション、特に、水中油(O/W)または油中水(W/O)型エマルション、または多重エマルション(W/O/Wまたはポリオール/O/WまたはO/W/O)、クリームの形態、ムースの形態、スティックの形態、小胞(vesicles)、特に、イオン性または非イオン性の脂質の分散液の形態、2相または多相のローションの形態、スプレーの形態、パウダーの形態あるいはペーストの形態であってもよい。組成物はまたラッカーの形態であってもよい。
【0431】
当業者は、適切なガレノス製剤形態、ならびにそれを調製する方法を、一般的知識に基づき、第一に使用される成分の特質、特に担体へのそれらの溶解性を、および第二に、各組成物の意図される用途を考慮に入れて、選択してよい。
【0432】
組成物は、無水の組成物、すなわち、2質量%未満の水、またはさらに0.5質量%未満の水を含む組成物、特に、水を含まない組成物で、水は、組成物の調製の間に添加されないが、混合される成分によって導入される残留水に相当する量の水を含む組成物であってよい。
【0433】
上記に記載の組成物は、乾いたまたは湿った毛髪に、および明色または暗色の、自然のままのまたは染めた、パーマネントウェーブをかけた、漂白したまたはリラックス処理した毛髪、すべてのタイプに使用することができる。
【0434】
本発明のプロセスの特定の一実施形態によれば、毛髪は、組成物を適用する前に洗浄される。好ましくは、組成物は清浄な毛髪に適用する。
【0435】
適用は、乾いたまたは湿った毛髪に行われてもよい。
【0436】
毛髪への適用は、例えば、櫛、細かいブラシ、粗いブラシまたは指を用いて行ってよい。
【0437】
本発明の特定の一実施形態によれば、組成物の適用に続いて、40℃より高い温度での乾燥が行われる。好ましくは、この温度は45℃より高い。さらにより好ましくは、この温度は45℃より高く、220℃より低い。
【0438】
乾燥は、適用後直ちに、あるいは、1分〜30分の範囲であり得るリーブイン(leave-in)時間の後に、実施されてよい。
【0439】
好ましくは、熱を加えることに加え、毛髪を、空気の流れを用いて乾燥する。乾燥の間のこの空気の流れは、コーティングの1本ずつの独立性の向上を可能にする。
【0440】
乾燥する間、毛髪の房に機械的作用、例えば、櫛で梳かすこと、ブラシをかけること、または指で梳くことが加えられてもよい。
【0441】
本発明のプロセスの乾燥方法は、フード、ヘアドライヤー、スムージングアイロンなどにより実施されてもよい。
【0442】
乾燥工程がフードまたはヘアドライヤーにより行われる場合、乾燥温度は40℃〜110℃の間、好ましくは50℃〜90℃の間である。
【0443】
乾燥工程がスムージングアイロンにより行われる場合、乾燥温度は110℃〜220℃、好ましくは140℃〜200℃である。
【0444】
一度乾燥が完了すると、最終のリンスまたはシャンプー洗浄が任意選択で実施されてもよい。
【0445】
以下の実施例は本発明について説明する働きをする。
【実施例】
【0446】
実施例1
以下の組成物を調製する:
【0447】
【表1】

【0448】
0.5gの組成物Aを、2.5gの清浄で湿った色調深度4の毛髪の房に塗布する。2分間のリーブイン時間の後、毛髪の房をヘアドライヤーを用いて80℃の温度で2分間乾燥する。得られた毛髪の房は、毛髪が1本ずつ独立した状態でありボディーがある; 得られたボリューム化はシャンプーに対して抵抗性がある。
【0449】
組成物A’を塗布した毛髪の房は、脂肪物質、特に皮脂に対する耐性が、組成物Aを塗布した髪の房より弱かった。
【0450】
実施例2
以下の組成物を調製する:
【0451】
【表2】

【0452】
0.5gの組成物Bを、2.5gの清浄で湿った色調深度4の毛髪の房に塗布する。2分間のリーブイン時間の後、毛髪の房をヘアドライヤーを用いて80℃の温度で2分間乾燥する。得られた毛髪の房は、毛髪が1本ずつ独立した状態でありボディーがある; 得られたボリューム化はシャンプーに対して抵抗性がある。この毛髪の房はまた、脂肪物質に対して強い耐性を持っていた。
【0453】
実施例3
以下の組成物を調製する:
【0454】
【表3】

【0455】
0.6gの組成物Cを、1gの清浄で湿った色調深度4の毛髪の房に塗布する。2分間のリーブイン時間の後、毛髪の房をヘアドライヤーを用いて80℃の温度で2分間乾燥する。着色された房が得られ、その房の毛髪は、1本ずつ独立した状態であり、その色はとても均一でシャンプーに対して抵抗性がある。
【0456】
組成物C’を適用した毛髪の房は、シャンプーに対する耐性、および脂肪物質、特に皮脂に対する耐性が、組成物Cを塗布した毛髪の房より弱かった。
【0457】
実施例4
以下の組成物を調製する:
【0458】
【表4】

【0459】
0.6gの組成物DまたはD’を、1gの清浄で湿った色調深度4の毛髪の房に塗布する。2分間のリーブイン時間の後、髪の房をヘアドライヤーを用いて80℃の温度で2分間乾燥する。着色された房が得られ、その房の毛髪は、1本ずつ独立した状態であり、その色はとても均一でシャンプーに対して抵抗性がある。
【0460】
上記実施例1、2、3、および4(組成物D’)で使用した超分子ポリマーは、以下の方法で合成される。
【0461】
106.1gのNisso社により市販されているGI2000ポリマーを、22mgの触媒、ジラウリン酸ジブチルスズの存在下で、80℃、真空下で2時間加熱する。混合物の温度をアルゴン下で20℃まで下げ、続いて10mlのイソドデカンを加える。19.3gのイソホロンジイソシアナートを加える。混合物を20℃で16時間、制御された雰囲気下で攪拌し、その後120℃に加熱し、続いて25mlの炭酸プロピレンを加える。12gの6-メチルイソシトシンを加える。この結果、均一で白色の懸濁液が得られる。この懸濁液を140℃まで加熱し、この温度で6時間攪拌する。この反応は、イソシアナートに特徴的なピーク(2250cm-1)が完全に消えるまで、赤外線スペクトル法でモニターする。混合物をその後30℃に下げ、400mlのヘプタン、200mlのTHFおよび50mlのエタノールを混合物に加え、セライトを通して濾過する。イソドデカンによるストリッピングによって固形分含有量が20%のポリマーを得ることができる。ポリマーはGCによって特徴が明らかにされる(Mn=7000、PIは2.05)。上記実施例4(組成物D)で使用した超分子ポリマーは、以下の方法で合成される。
【0462】
100gのNisso社により市販されているGI3000ポリマーを、80℃、真空下で一晩乾燥する。このポリマーを400mlの無水トルエンに溶解する。25μlの触媒、ジラウリン酸ジブチルスズを反応混合物に加える。媒体を80℃に加熱し、均一な溶液が得られるまで攪拌する。以下の構造:
【0463】
【化48】

【0464】
を有する15gのイソシアナート-官能基化分子を、300mlの無水トルエンに入れた溶液に、40℃にて制御された雰囲気下で加える。反応混合物を100℃まで加熱し、この温度で4時間攪拌する。この反応は、2260cm-1のイソシアナートに特徴的なピークが完全に消えるまで、赤外線スペクトル法でモニターする。反応終了時に、残留イソシアナートのすべての痕跡を除去するために、100mlのエタノールを加える。混合物を低粘度にするためにイソドデカンを加えた後、混合物を濾過する。ポリマー溶液はその後、直接イソドデカンでストリップされる。最終的なポリマーはイソドデカン中の固形分含有量が21%で得られ、GC(Mn=6400、多分散指数PIは1.85)、および1H NMR(予想に合致するスペクトル)によって特徴が明らかにされる。
【0465】
実施例で使用したポリ(イソボルニルアクリレート/イソボルニルメタクリレート/イソブチルアクリレート/アクリル酸)コポリマーは、以下の手順によって合成される。
【0466】
300gのイソドデカンを1リットルの反応器に入れ、その後温度を周囲温度(25℃)から90℃まで1時間で上げる。その後105gのイソボルニルメタクリレート(Arkema製)、105gのイソボルニルアクリレート(Arkema製)、および1.8gの2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン(Trigonax(登録商標) 141、Akzo Nobel)を90℃、1時間で加える。
【0467】
混合物を90℃で1時間30分間保つ。
【0468】
その後75gのイソブチルアクリレート(Fluka製)、15gのアクリル酸、および1.2gの2,5-ビス(2-エチル-ヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサンを、上記混合物の中に90℃のままで、30分で入れる。
【0469】
混合物を90℃で3時間維持し、その後全体を冷却する。
【0470】
イソドデカン中、ポリマーに関して50%の活性物質を含んだ溶液を、得る。
【0471】
110℃のTgを有するポリ(イソボルニルアクリレート/イソボルニルメタクリレート)の剛直な第1ブロック、-9℃のTgを有するポリ(イソブチルアクリレート/アクリル酸)の柔軟な第2ブロック、およびイソボルニルアクリレート/イソボルニルメタクリレート/イソブチルアクリレート/アクリル酸のランダムポリマーである中間ブロックを含むポリマーを得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン線維をトリートメントするための組成物であって、
1つまたは複数のポリアルケンベースの超分子ポリマー、
1つまたは複数のブロックエチレン性コポリマーであって、ホモポリマーにするとガラス転移温度が40℃以上となる1つまたは複数の第1モノマーから全体もしくは一部が得られる、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上の少なくとも1つの第1ブロック、および、ホモポリマーにするとガラス転移温度が20℃以下となる1つまたは複数の第2モノマーから全体もしくは一部が得られる、ガラス転移温度(Tg)が20℃以下の少なくとも1つの第2ブロックを含み、前記第1ブロックおよび第2ブロックはお互いに、前記第1ブロックを構成する少なくとも1つの第1モノマー、および前記第2ブロックを構成する少なくとも1つの第2モノマーを含むモノマーを含むランダムな中間セグメントで結合されており、多分散性指数Iが2より大きい、ブロックコポリマー、および
1つまたは複数の揮発性溶媒
を含む組成物。
【請求項2】
前記ポリアルケンが、ポリ(エチレン-ブチレン)、水素化されたまたは水素化されていないポリブタジエンおよびポリイソプレンから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリアルケンベースの超分子ポリマーは、少なくとも1つの反応性基によって官能基化された少なくとも1つのポリアルケンポリマーと、前記官能基化されたポリアルケンポリマーの反応性基と前記反応可能な少なくとも1つの反応性基によって官能基化された少なくとも1つのグラフトとの縮合により誘導され、前記グラフトは少なくとも3つのH-結合を形成可能な少なくとも1つの基を有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記の官能基化されたポリアルケンが、式A:
HX-R-X’H
[式中、XHおよびX'Hは反応性基であって、ここでXおよびX'は、同一でも異なっていてもよく、O、S、NH、またはRaがC1〜C6アルキル基を表すNRaから選択され;
Rは、1つまたは複数のモノ不飽和またはポリ不飽和C2〜C10アルケンから誘導されるホモポリマーまたはコポリマーを表す]
である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記の官能基化されたポリアルケンが、ヒドロキシル末端を有するポリ(エチレン-ブチレン)、水素化されたまたは水素化されていないヒドロキシル末端を有するポリブタジエンおよびヒドロキシル末端を有するポリイソプレンから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記グラフトが少なくとも1つのウレイドピリミドン基を有する、請求項3または4に記載の組成物。
【請求項7】
前記グラフトの反応性基がイソシアナート基である、請求項3から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記グラフトが式(B):
【化1】

[式中、Lは、以下の基:フェニレン;1,4-ニトロフェニル;1,2-エチレン;1,6-ヘキシレン;1,4-ブチレン;1,6-(2,4,4-トリメチルヘキシレン);1,4-(4-メチルペンチレン);1,5-(5-メチルヘキシレン);1,6-(6-メチルヘプチレン);1,5-(2,2,5-トリメチルヘキシレン);1,7-(3,7-ジメチルオクチレン);-イソホロン-;4,4'-メチレンビスシクロヘキシレン;トリレン;2-メチル-l,3-フェニレン;4-メチル-l,3-フェニレン;4,4-ビフェニレンメチレンのうちの1つを示す]
のグラフトである、請求項3から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリアルケンベースの超分子ポリマーが、ポリアルケン部分を含むポリマー(A1)から得られ、前記ポリマーが、少なくとも1つの反応性基(B2)を含む少なくとも1つの分子(A3)との縮合によって、少なくとも1つの反応性基(B1)により官能基化され、前記分子は、(B1)および(B2)基の反応の後に、少なくとも3つのH-結合、好ましくは少なくとも4つのH-結合を形成可能な要素の形成が起こる分子である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項10】
前記ポリマー(A1)が、式(C1):
CON-L-NCO-X-R-X'- CON-L-NCO
(C1)
[式中、XおよびX'は、同一でも異なっていてもよく、O、S、NH、またはRaがC1〜C6アルキル基を表すNRaから選択され;
Rは、1つまたは複数のモノ不飽和またはポリ不飽和C2〜C10アルケンから誘導されるホモポリマーまたはコポリマーを表し;
Lは、以下の基:フェニレン;1,4-ニトロフェニル;1,2-エチレン;1,6-ヘキシレン;1,4-ブチレン;1,6-(2,4,4-トリメチルヘキシレン);1,4-(4-メチルペンチレン);1,5-(5-メチルヘキシレン);1,6-(6-メチルヘプチレン);1,5-(2,2,5-トリメチルヘキシレン);1,7-(3,7-ジメチルオクチレン);-イソホロン-;4,4'-メチレンビスシクロヘキシレン;トリレン;2-メチル-l,3-フェニレン;4-メチル-l,3-フェニレン;4,4-ビフェニレンメチレンのうちの1つを示す]
のポリマーである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記分子(A3)が、式:
【化2】

の6-メチルイソシトシンである、請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
本発明の超分子ポリマーが、式C:
【化3】

[式中、XおよびX'は、同一でも異なっていてもよく、O、S、NH、またはRaがC1〜C6アルキル基を表すNRaから選択され;
Rは、1つまたは複数のモノ不飽和またはポリ不飽和C2〜C10アルケンから誘導されるホモポリマーまたはコポリマーを表し;
Lは、以下の基:フェニレン;1,4-ニトロフェニル;1,2-エチレン;1,6-ヘキシレン;1,4-ブチレン;1,6-(2,4,4-トリメチルヘキシレン);1,4-(4-メチルペンチレン);1,5-(5-メチルヘキシレン);1,6-(6-メチルヘプチレン);1,5-(2,2,5-トリメチルヘキシレン);1,7-(3,7-ジメチルオクチレン);-イソホロン-;4,4'-メチレンビスシクロヘキシレン;トリレン;2-メチル-l,3-フェニレン;4-メチル-l,3-フェニレン;4,4-ビフェニレンメチレンのうちの1つを示す]
の超分子ポリマーである、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
ブロックエチレン性コポリマーはホモポリマーにするとガラス転移温度が40℃以上となる第1モノマーから得られる第1ブロックを含み、第1モノマーが、以下:
- 式CH2=C(CH3)-COOR1のメタクリレート
[式中、R1は1〜4個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状非置換アルキル基、またはC4〜C12シクロアルキル基を表す]、
- 式CH2=CH-COOR2のアクリレート
[式中、R2はC4〜C12シクロアルキル基を表す]、
- 以下の式の(メタ)アクリルアミド
【化4】

[式中、R7およびR8は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、または直鎖状または分岐状C1〜C12アルキル基、またはR7はHを表し、R8は1,1-ジメチル-3-オキソブチル基を表し、R’はHまたはメチルを表す]、
から選択されるコポリマーであることを特徴とし、
ホモポリマーにするとガラス転移温度が20℃以下となる前記第2モノマーが、以下:
- 式CH2=CHCOOR3のアクリレート
[式中、R3は、t-ブチル基を除く直鎖状または分岐状C1〜C12非置換アルキル基を表し、O、NおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子が、任意に挿入されていてもよい]、
- 式CH2=C(CH3)-COOR4のメタクリレート
[式中、R4は直鎖状または分岐状C6〜C12非置換アルキル基を表し、O、NおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子が、任意に挿入されていてもよい]、
- 式R5-CO-O-CH=CH2のビニルエステル
[式中、R5は直鎖状または分岐状C4〜C12アルキル基を表す]、
- C4〜C12アルキルビニルエーテル、
- N-(C4〜C12アルキル)アクリルアミド、例えばN-オクチルアクリルアミド、
- およびこれらの混合物、
から選択されるコポリマーであることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記ブロックコポリマーは、前記第1ブロックは、R2がC4〜C12シクロアルキル基を表す式CH2=CH-COOR2で表される少なくとも1つのアクリレートモノマー、およびR’2がC4〜C12シクロアルキル基を表す式CH2=C(CH3)-COOR’2で表される少なくとも1つのメタクリレートモノマーから得られ、前記第2ブロックはガラス転移温度が20℃以下となる少なくとも1つの第2モノマー、および追加のモノマー、好ましくはアクリル酸、から得られることを特徴とする請求項13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
R2およびR’2が、独立にまたは同時に、イソボルニル基を表すことを特徴とする請求項13または14に記載の組成物。
【請求項16】
前記ブロックエチレン性コポリマーが、50質量%〜80質量%の範囲のイソボルニルメタクリレート/アクリレート、10質量%〜30質量%の範囲のイソブチルアクリレートおよび2質量%〜10質量%の範囲のアクリル酸を含むことを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記揮発性溶媒が、水または非シリコーンおよびシリコーン有機溶媒から選択される、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
100cstより大きな粘度を有するポリシロキサンから選択される1つまたは複数の追加のシリコーン化合物、好ましくはシリコーン油およびシリコーン樹脂から選択される、さらに好ましくはポリジメチルシロキサンタイプおよびシリコーン樹脂から選択される、を含む請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
1つまたは複数の顔料を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に定義した組成物を、ケラチン線維に適用すること、任意選択で、続いて40℃超の温度で乾燥することを含む、ケラチン線維をトリートメントするための方法。

【公開番号】特開2011−1366(P2011−1366A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−138534(P2010−138534)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】