説明

ポリウレタンに基づく界面活性剤

本発明は、例えば被覆物、接着剤またはシーラントに使用するためのポリウレタンに基づく新規な高分子量界面活性剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば被覆物、接着剤またはシーラントに使用するためのポリウレタンに基づく新規な高分子量界面活性剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ポリマー処方物において幅広い適用のために低分子量添加物質、例えば界面活性剤、湿潤および分散剤、安定剤または増粘剤等を、例えば高分子量添加物質へ置き換えることが、幾つかの応用の分野で必要とされ、および重要性が増加しつつある主題となり始めた。
【0003】
これに関する例としては、市販の低分子量物質の組織への、特に植物、動物およびヒトの(皮膚上)刺激作用または有毒作用である。この結果は、通常、細胞毒性被覆物、接着剤層および封止である。多くの場合、このような望ましくない作用は、とりわけ添加物質の低分子量特性によるものであり、これは、500g/モル未満のモル質量を有する分子が通常、高分子量を有する化合物よりかなり生理学的活性であるからである。
【0004】
しかしながら、界面活性剤の低分子量は、500g/モルを越えるモル質量を有する化合物では常に達成されない正の特性と関連することが多い。
【0005】
EP0731148は、親水性ポリエーテルと反応させる少なくとも2.5の平均NCO官能価を有するポリイソシアネートに基づく親水性変性分枝ポリイソシアネート付加物を記載する。これらの成分は、比較的高度の分枝がポリエーテル鎖の親水性ポテンシャルの最適な実現化を妨げることが欠点であるが、立体的な理由により、2を越えるポリエーテル鎖が、付加物の疎水性部分が疎水性層で同時に局在化されるのと同時に水性相で完全であることを不可能とするからである。その結果、EP0731148に記載の分散助剤の親水性部分の一部は常に、疎水性相に近くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第0731148号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明は、ポリマーまたはポリマー混合物と、好ましくはポリウレタンと、とりわけポリウレタン水性分散体と組み合わせて発泡させ、乾燥後、非常に厚い場合でさえ均質であり、細胞毒性を有さずかつアミンのような(熱的)離脱性成分を極めて実質的に含まない微細有孔フォームを提供することができる(フォーム)添加剤として適当な高分子量界面活性を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、ポリウレタンに基づく新規な界面活性剤を添加剤として用いる場合に達成されることを見出した。
【発明を実施するための形態】
【0009】
従って、本発明は、1.0重量%以下の遊離イソシアネート基含有量および10重量%〜95重量%の単官能性アルコールB)により組み込まれおよびポリエーテル鎖内に配置されたエチレンオキシド単位(分子量=44g/mol)の含有量を有し、
A)1.7〜2.5、好ましくは1.8〜2.2の範囲、より好ましくは2の(平均)NCO官能価を有するポリイソシアネートプレポリマーと、
B)A)のイソシアネート基を基準として10〜100当量%の、150〜5000g/molの範囲の数平均分子量および一価ポリエーテルアルコール中のオキシアルキレン単位の全含有量を基準として30〜100重量%のオキシエチレン単位含有量を有する少なくとも1つの一価ポリエーテルアルコールを含む一価アルコール成分と、
C)A)のイソシアネート基を基準として0〜20当量%の、32〜5000g/molの範囲の数平均分子量を有する一価アルコールを含み、成分B)の化合物以外の一価アルコール成分と、
D)A)のイソシアネート基を基準として0〜80当量%の、32〜10000g/molの範囲の数平均分子量を有し、NCO付加反応のために少なくとも2官能性である構成成分
との反応により、ウレタン形成を伴って、およびウレア形成を伴ってまたは伴わずに製造され、任意の過剰のNCO基は、同時または引き続きの第2反応により、1.0重量%を越えない残存含有量にまで反応させて低下させたポリウレタンを提供する。
【0010】
本発明のポリウレタン中のエチレンオキシド単位(分子量=44g/モル)の含有量は、好ましくは20重量%〜75重量%、より好ましくは35重量%〜60重量%の範囲、さらに好ましくは45重量%〜55重量%の範囲である。
【0011】
本発明のポリウレタン中の遊離イソシアネート基の含有量は1重量%未満であり、通常、遊離イソシアネート基は、検出されない。
【0012】
成分A)の適当なポリイソシアネートプレポリマーは、上記のNCO官能価を有する、よく知られた脂肪族、芳香族または脂環式イソシアネート官能性プレポリマーである。
【0013】
A)に使用することができるイソシアネート官能性プレポリマーは、ポリイソシアネートとヒドロキシル官能性ポリオールとの、触媒の存在下または不存在下で、ならびに補助剤およびアジュバント物質の存在下または不存在下での反応により得られる。
【0014】
このような適当なイソシアネート官能性構成成分A)の例は、ポリオールおよび低分子量イソシアネート構成成分に基づくプレポリマーである。低分子量イソシアネート構成成分は、例えば1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、異性体ビス(4,4’−イソシアナトシクロヘキシル)メタンまたはこれらの任意の所望の異性体含量の混合物、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4−イソシアナトメチル−1,8−オクタンジイソシアネート(ノナントリイソシアネート)、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、2,2’−および/または2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−および/または1,4−ビス(2−イソシアナトプロプ−2−イル)ベンゼン(TMXDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(XDI)ならびにC1〜C8−アルキル基を有するアルキル2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(リジンジイソシアネート)である。
【0015】
イソシアネート官能性成分A)は、例えばウレットジオン、イソシアヌレート、ウレタン、ウレア、アロファネート、ビウレット、イミノオキサジアジンジオンまたはオキサジアジントリオン構造ならびにこれらの混合物を含み得る。
【0016】
A)を製造するためのポリマーポリオールは、周知のポリウレタン被覆技術ポリエステルポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリアクリレートポリオール、ポリウレタンポリアクリレートポリオール、ポリウレタンポリエステルポリオール、ポリウレタンポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリカーボネートポリオールおよびポリエステルポリカーボネートポリオールである。これらは、プレポリマーA)を製造するために、単独で、または互いに任意の所望の混合物として用いることもできる。
【0017】
適当なポリエステルポリオールは、ジオールならびに必要に応じてトリオールおよびテトラオールと、ジカルボン酸ならびに必要に応じてトリカルボン酸およびテトラカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸またはラクトンから形成される周知の重縮合物である。遊離ポリカルボン酸の代わりに、対応するポリカルボン酸無水物または対応する低級アルコールのポリカルボン酸エステルを、ポリエステルを調製するために用いることもできる。
【0018】
適当なジオールの例は、エチレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール等、さらに1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよび異性体、ネオペンチルグリコールまたはヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールであり、これらのうち、ヘキサン−1,6−ジオールおよび異性体、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールおよびヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールは好適である。さらに、トリメチロールプロパン、グリセロール、エリトリトール、ペンタエリトリトール、トリメチロールベンゼンまたはトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートのようなポリオールを用いてもよい。
【0019】
有用なジカルボン酸として、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グルタル酸、テトラクロロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マロン酸、スベリン酸、2−メチルコハク酸、3,3−ジエチルグルタル酸および/または2,2−ジメチルコハク酸が挙げられる。対応する無水物を酸源として用いてもよい。
【0020】
エステル化するポリオールの平均官能価が2より大きい場合、モノカルボン酸、例えば安息香酸およびヘキサンカルボン酸などをさらに用いてもよい。
【0021】
好適な酸は、上記の種類の脂肪族酸または芳香族酸である。アジピン酸、イソフタル酸およびフタル酸は特に好適である。
【0022】
末端ヒドロキシル基を有するポリエステルポリオールの製造において反応参加物として有用なヒドロキシカルボン酸として、例えばヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシデカン酸、ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。適当なラクトンとして、カプロラクトン、ブチロラクトンおよび同族体が挙げられる。カプロラクトンは好適である。
【0023】
低分子量ポリオールを、A)を製造するのに用いてもよい。このようなポリオールの例は、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリコール、ビスフェノールAおよび上記の種類のラクトン変性ジオールである。
【0024】
A)を調製するためにポリエーテルポリオールの使用が好ましい。
【0025】
成分A)を調製するためのポリエーテルポリオールは、通常、300〜8000g/モルの範囲、好ましくは400〜6000g/モルの範囲、より好ましくは600〜3000g/モルの範囲の数平均分子量Mを有する。
【0026】
上記のポリエーテルポリオールが、ポリオール1グラム当たり0.02ミリ当量(meq/g)以下、好ましくは0.015meq/g以下、より好ましくは0.01meq/g以下(決定法:ASTM D2849−69)の不飽和末端基含有量を有することがさらに特に好ましい。
【0027】
ポリウレタン(I)に基づく本発明の界面活性剤のポリオールは、好ましくは、1.5〜4、より好ましくは1.8〜2.5、最も好ましくは1.9〜2.1の範囲のOH官能価を有する。
【0028】
上記ポリエーテルポリオールが、特に狭い分子量分布、すなわち1.0〜1.5の範囲の多分散度(PD=M/M)および/または1.9を越えるOH官能価を有することが特に好ましい。上記のポリエーテルポリオールは、好ましくは、1.0〜1.5の範囲の多分散度、1.9を越えるOH官能価、より好ましくは1.95以上のOH官能価を有する。
【0029】
上記のポリエーテルポリオールは、適当なスターター分子のアルコキシル化による従来法により、特に複金属シアン化物(DMC)触媒作用下で得られる。これは、例えばUS−A5158022(例えば実施例30)およびEP−A0654302(第5頁〜6頁第32行目)に記載されている。
【0030】
ポリエーテルポリオールを製造するための適当なスターター分子は、例えば単純な低分子量ポリオール、水、少なくとも2つのN−H結合を有する有機ポリアミンまたは任意の所望のこれらの混合物である。アルコキシル化のための適当なアルキレンオキシドは特にエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドであり、これらはアルコキシル化反応において任意の所望の順序で、あるいは混合物の状態で用いてよい。
【0031】
アルコキシル化により、特に以下のDMC法によりポリエーテルポリオールを製造するための好ましいスターター分子は、特に、単純なポリオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチルジグリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ソルビトール、トリエタノールアミン、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、水素化ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)、ならびに上記のポリオールと以下に例示の種類のジカルボン酸との低分子量ヒドロキシル含有エステルトリメチロールプロパンまたは上記の単純なポリオールの低分子量エトキシル化またはプロポキシル化生成物、または上記の変性または未変性アルコールの任意の所望の混合物である。
【0032】
有用なポリエーテルポリオールとしては、例えばカチオン開環によるテトラヒドロフランの重合により得られる周知のポリウレタン化学ポリテトラメチレングリコールポリエーテルならびにポリプロピレングリコールおよびポリカーボネートポリオールまたはこれらの混合物が挙げられ、特に好ましくはポリプロピレングリコールである。
【0033】
有用なポリエーテルポリオールとしては、スチレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよび/またはエポクロロヒドリンの2官能性または多官能性スターター分子への周知の付加生成物が挙げられる。
【0034】
適当なものは、特定の分子量範囲のエステルジオール、例えばα−ヒドロキシ−ブチル−ε−ヒドロキシカプロン酸エステル、ω−ヒドロキシヘキシル−γ−ヒドロキシ酪酸エステル、β−ヒドロキシエチルアジペートまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート等である。
【0035】
単官能性イソシアネート反応性ヒドロキシル含有化合物を用い得る。このような単官能性化合物の例は、エタノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、2−エチルヘキサノール、1−オクタノール、1−ドデカノール、1−ヘキサデカノールである。
【0036】
工程B)の鎖延長において、NH−および/またはNH−官能性成分を、イソシアネートプレポリマーを調製するために用いることが更に可能である。
【0037】
鎖延長のための適当な成分は、有機ジ−またはポリアミン、例えばエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、イソホロンジアミン、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの異性体混合物、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタンおよび/またはジメチルエチレンジアミン等である。
【0038】
さらに、第1級アミノ基と同様に第2級アミノ基をも有する化合物、または(第1級または第2級)アミノ基と同様にOH基を有する化合物を用いることが可能である。その例は、第1級/第2級アミン、例えばジエタノールアミン、3−アミノ−1−メチルアミノプロパン、3−アミノ−1−エチルアミノプロパン、3−アミノ−1−シクロヘキシルアミノプロパン、3−アミノ−1−メチルアミノブタンなど、アルカノールアミン、例えばN−アミノエチルエタノールアミン、エタノールアミン、3−アミノプロパノール、ネオペンタノールアミン等であり、これらは、鎖延長または連鎖停止のために用いる。連鎖停止は通常、イソシアネート反応性基を有するアミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、イソノニルオキシプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチルアミノプロピルアミン、ジエチル(メチル)アミノプロピルアミン、モルホリン、ピペリジンまたはこれらの適当な置換誘導体、ジ第1級アミンとモノカルボン酸から形成されたアミドアミン、ジ第1級アミンのモノケチム、第1級/第3級アミン、例えばN,N−ジメチルアミノプロピルアミン等を用いる。
【0039】
成分A)の化合物は、好ましくは、専ら脂肪族的または脂環式的に結合したイソシアネート基またはこれらの混合物を有し、および該混合物については、1.7〜2.5、好ましくは1.8〜2.2の範囲、より好ましくは2の平均NCO官能価を有する上記種類のプレポリマーである。
【0040】
A)のために、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートまたは異性体ビス(4,4’−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ならびに上記ジイソシアネートに基づく上記種類のプレポリマーを用いることは、特に好ましい。
【0041】
イソシアネート官能性プレポリマーA)は、低分子量ポリイソシアネートとポリオールとを、好ましくは2:1〜20:1のNCO/OH比で反応させることにより調製する。反応温度は通常、20〜160℃の範囲、好ましくは60〜100℃の範囲である。特に好ましい実施態様は、適当な方法により未変換ポリイソシアネートの画分を取り除く引き続きの工程を含む。薄膜蒸留は、5重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満の低残留モノマー含有量を有する生成物を生じさせるので上記目的のために従来法により用いる。
【0042】
成分B)の適当な非イオン性親水性化化合物は、少なくともヒドロキシル基を含む単官能性ポリオキシアルキレンエーテルである。適当な成分B)の非イオン的親水性化化合物は、少なくとも1つのヒドロキシル基を含有する単官能性ポリオキシアルキレンエーテルである。その例は、1分子当たり平均5〜70個、好ましくは7〜55個のエチレンオキシド単位を含有し、適当なスターター分子のアルコキシル化によって従来の方法により得られる、モノヒドロキシル官能性ポリアルキレンオキシドポリエーテルアルコールである(例えばUllmanns Encyclopaedie der technischen Chemie、第4版、第19巻、Verlag Chemie、ワインハイム、第31〜38頁)。これらは、存在する全アルキレンオキシド単位を基準として少なくとも30mol%のエチレンオキシド単位を含有する、純粋なポリエチレンオキシドエーテルまたは混合ポリアルキレンオキシドエーテルである。
【0043】
特に好ましい非イオン性化合物は、オキシアルキレン単位の全量を基準として30〜100mol%のエチレンオキシド単位および0〜70mol%のプロピレンオキシド単位を有する単官能性混合ポリアルキレンオキシドポリエーテルである。
【0044】
このような構成成分に有用なスターター分子としては、飽和モノアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、異性体ペンタノール、ヘキサノール、オクタノールおよびノナノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、シクロヘキサノール、異性体メチルシクロヘキサノールまたはヒドロキシメチルシクロヘキサン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンまたはテトラヒドロフルフリルアルコールなど、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールモノブチルエーテル、不飽和アルコール、例えばアリルアルコール、1,1−ジメチルアリルアルコールまたはオレイルアルコールなど、芳香族アルコール、例えばフェノール、異性体クレゾールまたはメトキシフェノールなど、芳香脂肪族アルコール、例えばベンジルアルコール、アニスアルコールまたは桂皮アルコールなど、第2級モノアミン、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミンまたはジシクロヘキシルアミンなど、ならびにヘテロ環式第2級アミン、例えばモルホリン、ピロリジン、ピペリジンまたは1Hピラゾールなどが挙げられる。好ましいスターター分子は、上記の種類の飽和モノアルコールである。スターター分子としてジエチレングリコールモノブチルエーテルまたはn−ブタノールを用いることは特に好ましい。
【0045】
アルコキシル化反応のための有用なアルキレンオキシドは特にエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドであり、これらはアルコキシル化反応において任意の所望の順序で、あるいは混合物の状態で用いてよい。
【0046】
成分C)の適当な構成成分は、成分B)のアルコール以外の数平均分子量範囲32〜5000g/モルの少なくとも1つの一価アルコールからなる一価アルコール成分である。その例は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、異性体ペンタノール、ヘキサノール、オクタノールおよびノナノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、シクロヘキサノール、脂肪アルコール、異性体メチルシクロヘキサノールまたはヒドロキシメチルシクロヘキサン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンまたはテトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールモノブチルエーテル、不飽和アルコール、例えばアリルアルコール、1,1−ジメチルアリルアルコールまたはオレイルアルコールなど、芳香脂肪族アルコール、例えばベンジルアルコール、アニスアルコールまたは桂皮アルコールなどである。
【0047】
単官能性ポリマーも使用可能であり、その例は、ヒドロキシル基および30モル%未満のエチレンオキシドを含有するポリオキシアルキレンエーテルである。好ましいのは、エチレンオキシド構成成分を全く有さない単官能性ポリプロピレンオキシドポリエーテルである。
【0048】
成分D)の適当な構成成分は、NCO付加反応のために多官能性である数平均分子量範囲32〜10000g/モルのイソシアネート反応性成分である。好ましくは20個までの炭素原子を有する低分子量ポリオールの例は、とりわけ、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、水素化ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリトリトールならびにこれらの互いの任意の混合物である。ポリエステルポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリアクリレートポリオール、ポリウレタンポリアクリレートポリオール、ポリウレタンポリエステルポリオール、ポリウレタンポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリカーボネートポリオールおよび10000g/モルまでの数平均分子量を有するポリエステルポリカーボネートポリオールを用いることも可能である。1,2−エチレンジアミン、1,2−および1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、イソホロンジアミン、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの異性体混合物、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリアミノノナン、1,3−および1,4−キシリレンジアミン、α,α,α’,α’−テトラメチル−1,3−および−1,4−キシリレンジアミンおよび4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタンおよび/またはジメチルエチレンジアミンである。好ましいのは、イソホロンジアミン、1,2−エチレンジアミン、1,4−ジアミノブタンおよびジエチレントリアミンである。さらに、成分D)は、第1級アミノ基と同様に第2級アミノ基をも有する化合物、または(第1級または第2級)アミノ基と同様にOH基をも有する化合物を用いてよい。これらの例は、第1級/第2級アミン、例えばジエタノールアミン、3−アミノ−1−メチルアミノプロパン、3−アミノ−1−エチルアミノプロパン、3−アミノ−1−シクロヘキシルアミノプロパン、3−アミノ−1−メチルアミノブタンなど、アルカノールアミン、例えばN−アミノエチルエタノールアミン、エタノールアミン、3−アミノプロパノール、ネオペンタノールアミンなどである。上記の成分の混合物はまた、構成成分D)として使用可能である。
【0049】
ある好ましい変法では、成分D)を用いず、他の好ましい変法では、成分D)として少なくとも1つのポリオキシアルキレンエーテルを使用する。極めて特に好ましい変法は、成分D)として、少なくとも2つのイソシアネート反応性基、例えばヒドロキシル基等およびさらに存在する全アルキレンオキシド単位を基準として少なくとも30モル%のエチレンオキシド単位を含有する少なくとも1つのポリオキシアルキレンエーテルを用いる。D)として、30〜100モル%のエチレンオキシド単位および0〜70モル%のプロピレンオキシド単位を含む2官能性ポリアルキレンオキシドポリエーテルを用いることは特に好ましく、0〜30モル%のプロピレンオキシド単位および70〜100モル%のエチレンオキシド単位が存在することがさらに特に好ましい。エチレンオキシドが、アルキレンオキシド単位としてD)に存在することはさらに好ましい。上記のポリオキシアルキレンエーテルは、適当な少なくとも2官能性スターター分子のアルコキシル化によって従来法により得られる。
【0050】
本発明のポリウレタンを製造するためのある好ましい変法は、まず、イソシアネート官能性プレポリマーA)を、上記の種類のジイソシアネートと、疎水性ジオール、例えば2000g/モルの数平均分子量を有するポリプロピレングリコール等の不足とを反応させることにより調製することを含む。イソシアネート基とイソシアネート反応性基との間のモル比は、好ましくは2:1〜20:1の範囲、より好ましくは5:1〜15:1の範囲である。イソシアネート反応性基の反応後、好ましい変法は、蒸留により、例えば薄膜蒸発器および真空での加熱により、残存するジイソシアネートの少なくとも大部分を除去する工程を含む。この方法により得られた混合物は、成分B)および必要に応じて成分C)と、および/または必要に応じて成分D)と反応させる。この場合、成分B)として、数平均分子量350〜3000g/モル、より好ましくは700〜2300g/モルの1価ポリエーテルアルコールを使用することが好ましく、これは、好ましくはオキシアルキレン単位の全含有量を基準として70重量%〜100重量%のエチレンオキシド単位含有量を有する。
【0051】
イソシアネート基およびイソシアネート反応性基の間のモル比は、A)と、B)および必要に応じてC)および/またはD)との反応において、0.5:1〜2:1の範囲、より好ましくは0.7:1〜1.2:1の範囲、さらに好ましくは1:1である。反応のための好ましい温度範囲は、20〜180℃、さらに好ましくは40〜130℃である。反応は、好ましくはイソシアネート基がIR分光法により全く検出できなくなるまで行う。ある特に好ましい変法では、C)もD)も用いず、他の特に好ましい変法では、D)のみを用いる。
【0052】
当業者に既知の触媒の使用は、プレポリマーA)の製造においておよび本発明のポリウレタンの製造において可能である。例えば、第3級アミン、錫化合物、亜鉛化合物またはビスマス化合物、例えばトリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]−オクタン、錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレートおよび錫ジオクトエート等を添加することができる。例えば塩化ベンゾイル、塩化イソフタロイル、ジブチルホスフェート、3−クロロプロピオン酸、抗酸化剤またはメチルトシレートは、調製中および/または調製後に、必要に応じて添加し得る。
【0053】
本発明のポリウレタンは、好ましくは、成分A)〜D)を用いて以下の量の範囲で調製する:
成分A)について、10重量%〜80重量%、より好ましくは20重量%〜50重量%、
成分B)について、20重量%〜90重量%、より好ましくは30重量%〜50重量%、
成分C)について、0重量%〜15重量%、より好ましくは0重量%〜5重量%、および
成分D)について、0重量%〜60重量%、より好ましくは10重量%〜30重量%。
【0054】
記載の成分A)、B)、C)およびD)に加えて、A)、B)、C)またはD)ではないイソシアネート構成成分およびイソシアネート反応性構成成分を、本発明のポリウレタンに組み込み得るが、好ましくは20重量%未満のA)、B)、C)およびD)以外の構成成分を存在させ、さらに好ましくはA)、B)、C)およびD)以外の構成成分を存在させないことである。
【0055】
本発明は、本発明のポリウレタンの、添加剤、補助剤、添加物質、乳化剤、相溶化剤、湿潤剤、分散剤、安定剤、変性剤、離型剤、増粘剤および/または接着促進剤としての使用をさらに提供する。
【0056】
適用例は、被覆物、ワニス、塗料、接着剤、積層材料、シーラント、印刷インキ、液体インキ、着色剤、染料、染色剤、媒染剤、脱灰液、肥料、酢洗い液、抗腐食性および防錆剤、含浸剤および図画資料中で、創傷接触材料および失禁用製品の製造のための、製剤処方物を製造するための、潤滑性剤、滑性剤、離型剤または冷却剤として、自動車燃料中で、オイルとして、薄層、洗浄および/または予備処理剤としてまたはその中で、任意の種類の食品中での使用である。
【0057】
ポリマー、好ましくはポリウレタンに基づくポリマーのためのフォーム安定剤として、本発明のポリウレタンの使用が好ましい。本発明の使用は、好ましくは、フォームの親水性化ならびに安定化を生じさせる。上記フォームは好ましくは、物理乾燥によるポリウレタン水性分散体から得られるフォームを含む。
【0058】
本発明のポリウレタンは、溶媒、例えば水、増粘剤または揺変剤、安定剤、フリーラジカル捕捉剤、バインダー、発泡助剤、抗酸化剤、光防止剤、乳化剤、可塑剤、顔料、充填剤および/または流れ調整剤等との使用の上記分野において用いることができる。
【0059】
さらなる添加物質は、架橋剤、増粘剤または揺変剤、他の水性バインダー、抗酸化剤、光防止剤、乳化剤、可塑剤、顔料、フィラーおよび/または流れ調整剤である。
【0060】
上記増粘剤は、デクストリンの誘導体、デンプンの誘導体またはセルロースの誘導体(その例はセルロースエーテルまたはヒドロキシエチルセルロースである)、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸化合物またはポリウレタンに基づく有機完全合成増粘剤(会合性増粘剤)ならびにベントナイトまたはシリカのような無機増粘剤などを用いることができる。
【0061】
有用な上記架橋剤としては、例えば非ブロックトポリイソシアネート、アミド−およびアミン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、アルデヒドおよびケトンの樹脂(その例はフェノール−ホルムアルデヒド樹脂である)、レゾール、フラン樹脂、ウレア樹脂、カルバミン酸エステル樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シアナミド樹脂、およびアニリン樹脂である。
【0062】
他の水性バインダーを、例えばポリエステルポリマー、ポリアクリレートポリマー、ポリエポキシポリマーまたは他のポリウレタンポリマーから構成させることができる。同様に、例えばEP−A0753531に記載の放射線硬化性バインダーとの組み合わせも可能である。さらに、他のアニオン性または非イオン性の分散体、例えばポリ酢酸ビニル分散体、ポリエチレン分散体、ポリスチレン分散体、ポリブタジエン分散体、ポリ塩化ビニル分散体、ポリアクリレート分散体およびコポリマー分散体などを用いることが可能である。
【0063】
本発明のポリウレタンにより有利に安定性であるポリマーフォームは、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリカルボンイミド、ポリメタクリルイミド、ポリアミド、フェノールおよびウレア樹脂、ポリシロキサン、ポリアミノアミン、ポリ(ヒドロキシカルボン酸)、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルポリアミド、ポリエステルポリアクリレート、ポリエステルポリカーボネート、ポリオキシアルキレンエーテル、ポリエーテルポリアクリレート、ポリエーテルポリカーボネート、ポリエーテルポリアミド、ポリエチレンポリイミン、ポリウレア、ポリウレタン、ポリウレタンポリアクリレート、ポリウレタンポリエステル、ポリウレタンポリエーテル、ポリウレタンポリウレアおよびポリウレタンポリカーボネートならびに任意の所望のポリマー混合物である。好ましいのは、ポリウレア、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレート、ポリウレタンポリエステル、ポリウレタンポリエーテル、ポリウレタンポリウレアおよびポリウレタンポリカーボネートならびにこれらの任意の所望の混合物に基づくことができる。
【0064】
本発明のポリウレタンは、少ない量で用いる場合でさえ上記の適用において有利な作用を示す。本発明のポリウレタンを用いる量は、組成物の固形分を基準として0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜6重量部の範囲である。
【0065】
本発明のポリウレタンは、柔軟性を伴って上記の適用に用いることができ、適切な場合には、水のような溶媒中に溶解または分散させて用いることができる。
【実施例】
【0066】
特記のない限り、全てのパーセンテージは重量による。フォーム添加剤のための含有量は、水性溶液に基づく。
【0067】
固形分は、DIN−EN ISO 3251に従って決定した。
【0068】
NCO含有量は、特記のない限り、DIN−EN ISO 11909に従って容量分析的に決定した。
【0069】
ポリウレタン分散体1の平均粒度(数平均で記載)の決定は、レーザー相関分光法(装置:Malver Zetasizer 1000、Malvern Inst. Limited)を用いて行った。
【0070】
用いたポリプロピレングリコールポリエーテルは、特記のない限りDMC触媒作用(塩基を用いない)により調製した。
【0071】
記載のモル質量は、特記のない限り、平均モル質量である。これは、GPC分析によりテトラヒドロフラン中で0.6mL/分の流速にて決定した。ポリスチレン標準を較正に用いた。
【0072】
〔ジアミノスルホネート〕
NH−CHCH−NH−CHCH−SONa(水中に45%)
〔Desmophen(登録商標) C2200〕
ポリカーボネートポリオール、OH価56mgKOH/g、数平均分子量2000g/mol(Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、ドイツ)
〔PolyTHF(登録商標) 2000〕
ポリテトラメチレングリコールポリオール、OH価56mgKOH/g、数平均分子量2000g/mol(BASF AG、ルートヴィヒスハーフェン、ドイツ)
〔PolyTHF(登録商標) 1000〕
ポリテトラメチレングリコールポリオール、OH価112mgKOH/g、数平均分子量1000g/mol(BASF AG、ルートヴィヒスハーフェン、ドイツ)
〔Polyether LB 25〕
エチレンオキシド/プロピレンオキシドに基づく単官能性ポリエーテル、数平均分子量2250g/mol、OH価25mgKOH/g(Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、ドイツ)
〔HDI〕
ヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート
【0073】
実施例1:ポリウレタン分散体1の調製
1077.2gのPolyTHF(登録商標) 2000、409.7gのPolyTHF(登録商標) 1000、830.9gのDesmophen(登録商標) C2200および48.3gのLB 25 polyetherを標準的な撹拌装置中で70℃に加熱した。次いで、ヘキサメチレンジイソシアネート258.7gとイソホロンジイソシアネート341.9gの混合物を70℃で5分間にわたって添加し、得られた混合物を理論NCO値に達するか、または実際のNCO値が理論NCO値より僅かに下回るまで120℃で撹拌した。最終プレポリマーをアセトン4840gで溶解し、その過程において、50℃に冷却し、次いで、10分間にわたり計量投入した、エチレンジアミン27.4g、イソホロンジアミン127.1g、ジアミノスルホネート67.3gおよび水1200gの溶液と混合した。次いで該混合物を10分間撹拌した。次いで分散体を水654gの添加によって形成した。その後、減圧下での蒸留による溶媒の除去を行った。
【0074】
得られたポリウレタン分散体は以下の特性を有した:

【0075】
実施例2
1300gのHDI、1.3gの塩化ベンゾイルおよび1.3gのメチルパラ−トルエンスルホネートを4Lの4ツ口フラスコへ初期充填した。1456gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリプロピレングリコールポリエーテルを、80℃で3時間の間に添加し、次いで80℃で1時間撹拌した。次に、過剰のHDIを薄膜蒸留によって130℃および0.1Torrで除去し、1gのクロロプロピオン酸を初期投入フラスコ中に存在させた。得られたNCOプレポリマーは、3.23%のNCO含有量および1650mPas(25℃)の粘度を有した。
【0076】
2リットル4口フラスコに、225gのポリエーテルLB25ポリエーテルおよび100gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリエチレングリコールポリエーテルを撹拌しながら初期投入した。260gの上記NCOプレポリマーを80℃で2.5時間の間に添加し、その後、80℃で4時間、NCO基がIR分光法により検出できなくなるまで撹拌した。得られた界面活性剤は、21346g/モルの重量平均モル質量を有する固体であった。
【0077】
実施例3
2000gのHDI、1.3gの塩化ベンゾイルおよび1.3gのメチルパラ−トルエンスルホネートを4Lの4ツ口フラスコへ初期充填した。1000gの1000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリプロピレングリコールポリエーテルを、80℃で3時間の間に添加し、次いで80℃で1時間撹拌した。次に、過剰のHDIを薄膜蒸留によって130℃および0.1Torrで除去した。得られたNCOプレポリマーは、6.24%のNCO含有量および1650mPas(25℃)の粘度を有した。
【0078】
2リットル4口フラスコに、600gの2000g/モルの数平均分子量を有する単官能性ポリエチレングリコールポリエーテル(MeOPEG)を撹拌しながら初期投入した。202gの上記NCOプレポリマーを70℃で0.5時間の間に添加し、その後、80℃で4時間、NCO基がIR分光法により検出できなくなるまで撹拌した。得られた界面活性剤は、7232g/モルの重量平均モル質量を有する固体であった。
【0079】
実施例4
2000gのHDI、1.3gの塩化ベンゾイルおよび1.3gのメチルパラ−トルエンスルホネートを4Lの4口フラスコへ初期充填した。1000gの1000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリプロピレングリコールポリエーテルを、80℃で3時間の間に添加し、次いで80℃で1時間撹拌した。次に、過剰のHDIを薄膜蒸留によって130℃および0.1Torrで除去した。得られたNCOプレポリマーは、6.24%のNCO含有量および1650mPas(25℃)の粘度を有した。
【0080】
2リットル4口フラスコに、750gの5000g/モルの数平均分子量を有する単官能性ポリエチレングリコールポリエーテル(MeOPEG)を撹拌しながら初期投入した。101gの上記NCOプレポリマーを70℃で0.5時間の間に添加し、その後、80℃で4時間、NCO基がIR分光法により検出できなくなるまで撹拌した。得られた界面活性剤は、13849g/モルの重量平均モル質量を有する固体であった。
【0081】
実施例5
2000gのHDI、1.3gの塩化ベンゾイルおよび1.3gのメチルパラ−トルエンスルホネートを4Lの4口フラスコへ初期充填した。1000gの1000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリプロピレングリコールポリエーテルを、80℃で3時間の間に添加し、次いで80℃で1時間撹拌した。次に、過剰のHDIを薄膜蒸留によって130℃および0.1Torrで除去した。得られたNCOプレポリマーは、6.24%のNCO含有量および1650mPas(25℃)の粘度を有した。
【0082】
2リットル4口フラスコに、675gのポリエーテルLB25ポリエーテルを撹拌しながら初期投入した。202gの上記NCOプレポリマーを70℃で0.5時間の間に添加し、その後、90℃で5時間、NCO基がIR分光法により検出できなくなるまで撹拌した。得られた界面活性剤は、5750mPas(25℃)の粘度および9511g/モルの重量平均モル質量を有した。
【0083】
実施例6
2000gのHDI、1.3gの塩化ベンゾイルおよび1.3gのメチルパラ−トルエンスルホネートを4Lの4口フラスコへ撹拌しながら初期充填した。1000gの1000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリプロピレングリコールポリエーテルを、80℃で3時間の間に添加し、次いで80℃で1時間撹拌した。次に、過剰のHDIを薄膜蒸留によって130℃および0.1Torrで除去した。得られたNCOプレポリマーは、6.24%のNCO含有量および1650mPas(25℃)の粘度を有した。
【0084】
2リットル4口フラスコに、281gのポリエーテルLB25ポリエーテルおよび125gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリエチレングリコールポリエーテルを撹拌しながら初期投入した。167.5gの上記NCOプレポリマーを80℃で2.5時間の間に添加し、その後、80℃で5時間、NCO基がIR分光法により検出できなくなるまで撹拌した。得られた界面活性剤は、固体であった。
【0085】
実施例7
2リットル4口フラスコに、337gのポリエーテルLB25ポリエーテルおよび150gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリエチレングリコールポリエーテルを撹拌しながら初期投入した。98.5gのDesmodur E 305(Desmodur E 305は、ヘキサメチレンジイソシアネートに基づく実質的に直鎖状のNCOプレポリマーである。NCO含有量約12.8%)を80℃で2.5時間の間に添加し、その後、90℃〜110℃で5時間、NCO基がIR分光法により検出できなくなるまで撹拌した。得られた界面活性剤は、固体であった。
【0086】
実施例8
1300gのHDI、1.3gの塩化ベンゾイルおよび1.3gのメチルパラ−トルエンスルホネートを4Lの4口フラスコへ撹拌しながら初期充填した。1456gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリプロピレングリコールポリエーテルを、80℃で3時間の間に添加し、次いで80℃で1時間撹拌した。次に、過剰のHDIを薄膜蒸留によって130℃および0.1Torrで除去した。得られたNCOプレポリマーは、3.23%のNCO含有量および1650mPas(25℃)の粘度を有した。
【0087】
2リットル4口フラスコに、100gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリエチレングリコールポリエーテルを撹拌しながら初期投入した。258gの上記NCOプレポリマーを80℃で2.5時間の間に添加し、その後、100℃で3時間撹拌した。次いで、225gのポリエーテルLB25ポリエーテルを添加し、115℃で2.5時間、NCO基がIR分光法により検出できなくなるまで撹拌した。得られた界面活性剤は、極めて粘性の液体であった。
【0088】
実施例9
1300gのHDI、1.3gの塩化ベンゾイルおよび1.3gのメチルパラ−トルエンスルホネートを4Lの4口フラスコへ撹拌しながら初期充填した。1456gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリプロピレングリコールポリエーテルを、80℃で3時間の間に添加し、次いで80℃で1時間撹拌した。次に、過剰のHDIを薄膜蒸留によって130℃および0.1Torrで除去した。得られたNCOプレポリマーは、3.23%のNCO含有量および1650mPas(25℃)の粘度を有した。
【0089】
2リットル4口フラスコに、112.5gのポリエーテルLB25ポリエーテルおよび150gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリエチレングリコールポリエーテルを撹拌しながら初期投入した。257gの上記NCOプレポリマーを80℃で0.5時間の間に添加し、その後、100〜115℃で4時間、NCO基がIR分光法により検出できなくなるまで撹拌した。得られた界面活性剤は、固体であった。
【0090】
実施例10
1300gのHDI、1.3gの塩化ベンゾイルおよび1.3gのメチルパラ−トルエンスルホネートを4Lの4口フラスコへ撹拌しながら初期充填した。1456gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリプロピレングリコールポリエーテルを、80℃で3時間の間に添加し、次いで80℃で1時間撹拌した。次に、過剰のHDIを薄膜蒸留によって130℃および0.1Torrで除去した。得られたNCOプレポリマーは、3.23%のNCO含有量および1650mPas(25℃)の粘度を有した。
【0091】
2リットル4口フラスコに、287gのポリエーテルLB25ポリエーテルおよび42.5gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリエチレングリコールポリエーテルを撹拌しながら初期投入した。220gの上記NCOプレポリマーを80℃で0.5時間の間に添加し、その後、100〜120℃で5時間、NCO基がIR分光法により検出できなくなるまで撹拌した。得られた界面活性剤は、極めて高い粘性の固体であった。
【0092】
実施例11
1300gのHDI、1.3gの塩化ベンゾイルおよび1.3gのメチルパラ−トルエンスルホネートを4Lの4口フラスコへ撹拌しながら初期充填した。1456gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリプロピレングリコールポリエーテルを、80℃で3時間の間に添加し、次いで80℃で1時間撹拌した。次に、過剰のHDIを薄膜蒸留によって130℃および0.1Torrで除去した。得られたNCOプレポリマーは、3.23%のNCO含有量および1650mPas(25℃)の粘度を有した。
【0093】
2リットル4口フラスコに、200gの2000g/モルの数平均分子量を有する単官能性ポリエチレングリコールポリエーテル(MeOPEG)を撹拌しながら初期投入した。257gの上記NCOプレポリマーを80℃で0.5時間の間に添加し、その後、100〜120℃で4時間、NCO基がIR分光法により検出できなくなるまで撹拌した。得られた界面活性剤は、固体であった。
【0094】
実施例12
1300gのHDIおよび0.3gのジブチルホスフェートを4Lの4口フラスコへ撹拌しながら初期充填した。1456gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリプロピレングリコールポリエーテルを、80℃で3時間の間に添加し、次いで80℃で1時間撹拌した。次に、過剰のHDIを薄膜蒸留によって130℃および0.1Torrで除去し、2gのRonotec201(tocopherol)を初期投入フラスコに存在させた。得られたNCOプレポリマーは、3.27%のNCO含有量および1680mPas(25℃)の粘度を有した。
【0095】
2リットル4口フラスコに、225gのポリエーテルLB25ポリエーテルおよび100gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリエチレングリコールポリエーテルを撹拌しながら初期投入した。260gの上記NCOプレポリマーを70℃で2.5時間の間に添加し、その後、70℃で5時間、NCO基がIR分光法により検出できなくなるまで撹拌した。得られた界面活性剤は、固体であった。
【0096】
実施例13
1300gのHDIを4Lの4口フラスコへ撹拌しながら初期充填した。1456gの2000g/モルの数平均分子量および24重量%のエチレンオキシド単位含有量を有する2官能性ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールエーテルを、80℃で撹拌しながら添加し、次いで80℃で1時間撹拌した。次に、過剰のHDIを薄膜蒸留によって130℃および0.1Torrで除去した。得られたNCOプレポリマーは、1.99%のNCO含有量および1040mPas(25℃)の粘度を有した。
【0097】
2リットル4口フラスコに、169gのポリエーテルLB25ポリエーテルおよび75.0gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリエチレングリコールポリエーテルを撹拌しながら初期投入した。284gの上記NCOプレポリマーを70℃で2.5時間の間に添加し、その後、110℃で5時間、NCO基がIR分光法により検出できなくなるまで撹拌した。得られた界面活性剤は、固体であった。
【0098】
実施例14
1400gのHDIおよび0.2gの塩化イソフタロイルを4Lの4口フラスコへ撹拌しながら初期充填した。1400gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリプロピレングリコールポリエーテル(KOH触媒重合により調製)を、80℃で3時間の間に添加し、次いで80℃で1時間撹拌した。次に、過剰のHDIを薄膜蒸留によって130℃および0.1Torrで除去した。得られたNCOプレポリマーは、3.6%のNCO含有量および1480mPas(25℃)の粘度を有した。
【0099】
2リットル4口フラスコに、225gのポリエーテルLB25ポリエーテルおよび100gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリエチレングリコールポリエーテルを撹拌しながら初期投入した。233gの上記NCOプレポリマーを70℃で2.5時間の間に添加し、その後、115℃で3時間、NCO基がIR分光法により検出できなくなるまで撹拌した。得られた界面活性剤は、固体であった。
【0100】
実施例15(比較)
約3.5の平均イソシアネート官能価を有するポリイソシアヌレートA)に基づく界面活性剤の調製
2リットル4口フラスコ中に253gのヘキサメチレンジイソシアネートに基づくポリイソシアヌレート(平均NCO官能価約3.5)の初期投入を、80℃で撹拌により、988gの760g/モルの数平均分子量を有する単官能性ポリエチレングリコールポリエーテル(MeOPEG)と0.5時間の間に混合した。次いで該混合物を、80〜90℃で6時間、NCO基がIR分光法により検出できなくなるまで撹拌した。得られた界面活性剤は、4491g/モルの重量平均モル質量を有する固体であった。
【0101】
実施例16(比較例)
ジイソシアネートに基づく界面活性剤(I)の調製
42gのHDIを、2リットル4口フラスコに撹拌しながら初期投入した。1125gのPolyetherLB25ポリエーテルを80℃で1時間添加し、次いで80℃で12時間撹拌した。得られた界面活性剤は、2970mPas(25℃)の粘度および6885g/モルの重量平均モル質量を有した。
【0102】
実施例17(比較)
約4の平均イソシアネート官能価を有するポリイソシアネートA)に基づく界面活性剤の調製
2リットル4口フラスコ中に136gの6.0重量%のNCOを有するヘキサメチレンジイソシアネートに基づくポリエーテルポリウレタンプレポリマー(平均NCO官能価約4)の初期投入を、80℃で撹拌により、450gのPolyetherLB25と0.5時間混合した。次いで該混合物を、90〜100℃で4時間、NCO基がIR分光法により検出できなくなるまで撹拌した。界面活性剤は、11000mPas(23℃)の粘度を有する液体であった。
【0103】
実施例18(比較)
界面活性剤を、ジイソシアネートとポリプロピレングリコールポリエーテルとからのプレポリマーの予備調製を省略し、および界面活性剤合成を1反応工程のみで行ったことを除いて、実施例12と同じ原料を用いて調製した。
4リットル4口フラスコに、201.60gの200g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリプロピレングリコールポリエーテル、202.5gのPolyether LB 25ポリエーテルおよび90gの2000g/モルの数平均分子量を有する2官能性ポリエチレングリコールポリエーテル、0.04gのジブチルホスフェートならびに0.28gのRonotec 201(トコフェロール)で80℃にて撹拌しながら初期投入した。30.24gのHDIを添加し、撹拌を、イソシアネート基がIR分光法により検出できなくなるまで80℃で継続した。得られた界面活性剤は固体であった。
【0104】
実施例S1〜S5(本発明)
表1に示される通り、各実施例について120gの実施例1に従って製造されたポリウレタン分散体1を、種々の(フォーム)添加剤と混合し、市販のハンドスターラー(湾曲したワイヤーから作られたスターラー)により0.5リットルフォーム体積に発泡させた。その後、該フォームを、非粘着性紙上にブレードコーターにより6mmのギャップ高さで塗布し、120℃で20分間乾燥させた。
【0105】
良好な機械特性を有する新たな白色フォームが例外なく得られた。表1から認識できるように、フォーム中に特定の(フォーム)添加剤2、5、6、10および12を用いると、均質な微細有孔構造により生理食塩水についての高い吸収率および良好な自由膨潤吸収性を兼ね備えたフォームが得られた。
【0106】
例えば、フォームS5は、ISO10993.5に従って試験し、非細胞毒性であることを見出した。
【0107】
【表1】

【0108】
比較例V1〜V2:
ポリウレタン分散体1および界面活性剤からのフォームの製造
各実施例について120gのポリウレタン分散体1を、本発明によらない種々の添加剤(表2)と混合し、市販のハンドスターラー(湾曲したワイヤーから作られたスターラー)により0.5リットルフォーム体積に発泡させた。その後、該フォームを、非粘着性紙上にブレードコーターにより6mmのギャップ高さで塗布し、120℃で20分間乾燥させた。
【0109】
得られるフォームは、特に不利な特性、例えばフォーム構造不均一性、表面欠陥(クラック)またはポケッティング(互いにほとんど接着しないフォームの2つの層の形成:その結果、ポケットの形態でのボイド空間が生じる)等を有した。
【0110】
【表2】

【0111】
表2の比較例は、高官能価ポリイソシアネート成分の原料としての使用(V1およびV2)または低分子量ジイソシアネートのジイソシアネートプレポリマーの直接使用(V3およびV4)が、適当な生成物を生じさせないことを示す。
【0112】
比較例V5−V6
ポリウレタン分散体1および界面活性剤からのフォームの製造
表3に示される通り、120gの各実施例のために実施例1に従って製造されたポリウレタン分散体1を、種々の(フォーム)添加剤と混合し、市販のハンドスターラー(湾曲したワイヤーから作られたスターラー)により0.5リットルフォーム体積に発泡させた。その後、該フォームを、非粘着性紙上にブレードコーターにより6mmのギャップ高さで塗布し、120℃で20分間乾燥させた。
【0113】
表3から認識できるように、フォームV5およびV6は、ISO 10993.5について試験した場合、添加剤に起因する強い細胞毒性作用を有する:気泡生存率はこれらのフォームで3%未満であった。
【0114】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1.0重量%以下の遊離イソシアネート基含有量および10重量%〜95重量%含有量の単官能性アルコールB)により組み込まれおよびポリエーテル鎖内に配置されたエチレンオキシド単位(分子量=44g/モル)を有し、
A)1.7〜2.5の範囲、好ましくは1.8〜2.2の範囲、より好ましくは2の(平均)NCO官能価を有するポリイソシアネートプレポリマーと、
B)A)のイソシアネート基を基準として10〜100当量%の、150〜5000g/モルの範囲の数平均分子量および一価ポリエーテルアルコール中のオキシアルキレン単位の全含有量を基準として30〜100重量%のオキシエチレン単位含有量を有する少なくとも1つの一価ポリエーテルアルコールを含む一価アルコール成分と、
C)A)のイソシアネート基を基準として0〜20当量%の、32〜5000g/モルの範囲の数平均分子量を有する一価アルコールを含み、成分B)の化合物以外の一価アルコール成分と、
D)A)のイソシアネート基を基準として0〜80当量%の、32〜10000g/モルの範囲の数平均分子量を有し、NCO付加反応のために少なくとも2官能性である構成成分
との反応により、ウレタン形成を伴って、およびウレア形成を伴ってまたは伴わずに製造され、任意の過剰のNCO基を、同時または引き続きの第2反応により、1.0重量%以下の残存含有量にまで反応させたポリウレタン。
【請求項2】
エチレンオキシド単位(分子量=44g/mol)の含有量は、45〜55重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタン。
【請求項3】
ポリイソシアネートプレポリマーは、専ら脂肪族的または脂環式的に結合したイソシアネート基またはこれらの混合物を有し、および該混合物については1.8〜2.2の範囲の平均NCO官能価を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のポリウレタン。
【請求項4】
成分A)の化合物を構成するのに用いるポリオールは、300〜8000g/モルの範囲の数平均分子量Mを有するポリエーテルポリオールであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン。
【請求項5】
ポリエーテルポリオールは、1.0〜1.5の範囲の多分散度(PD=M/M)および1.9を越えるOH官能価ならびにポリオール1グラム当たり0.02ミリ当量(meq/g)以下の不飽和末端基含有量(決定法:ASTM D2849−69)を有することを特徴とする、請求項4に記載のポリウレタン。
【請求項6】
1分子当たり平均5〜70個のエチレンオキシド単位、およびオキシアルキレン単位の全量を基準として30〜100モル%のエチレンオキシド単位および0〜70モル%のプロピレンオキシド単位を含むモノヒドロキシル官能性ポリアルキレンオキシドポリエーテルアルコールを、成分B)に用いることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のポリウレタン。
【請求項7】
イソシアネート基およびイソシアネート反応性基の間のモル比は、A)とB)および必要に応じてC)および/またはD)との反応において、0.5:1〜2:1の範囲であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のポリウレタン。
【請求項8】
添加剤、補助剤、添加物質、乳化剤、相溶化剤、湿潤剤、分散剤、安定剤、変性剤、離型剤、増粘剤および/または接着促進剤としての、請求項1〜7のいずれかに記載のポリウレタンの使用。
【請求項9】
ポリウレタンを、フォーム構造用の安定剤として用いることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれかに記載のポリウレタンを用いて製造、付加、強化または処理される物品。

【公表番号】特表2012−515815(P2012−515815A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546665(P2011−546665)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000128
【国際公開番号】WO2010/083960
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】