説明

ポリウレタンウレア、およびそれを含むスパンデックス

良好な白色保持性、高いヒートセット効率、および伸び率を有するスパンデックスは、ポリマーグリコールの反応生成物を含むポリエーテルを、オルト置換ジイソシアネートおよび嵩高いジアミン鎖延長剤と反応させることによって調製されるアミドに溶解するポリウレタンウレアポリマーからできており含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミド溶媒に溶解し、ポリマーグリコールと、少なくとも1つのアルキル置換1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトベンゼン)と、少なくとも1つの二重ヒンダードジアミンとから調製されるポリウレタンウレアに関する。本発明は、このようなポリウレタンウレアを含み、優れた白色保持性、ヒートセット効率、および伸び率(percent set)を有する乾式紡糸または湿式紡糸されたセグメント化ポリウレタンウレア繊維にも関する。
【背景技術】
【0002】
限定のためではなく、便宜的に、本明細書において本発明をスパンデックスに関して説明するが、本発明は以下の開示に説明されるすべての実施態様および同等物を含むものと解釈されるべきである。
【0003】
スパンデックスは、弾性ポリマーによって有益な性質が付与される場合に、メリヤス、補正下着、およびスポーツウェアなどの衣料産業において広く用途が見いだされている。スパンデックスは、ある種の環境条件下、たとえば高温および二酸化窒素などの大気ガスの存在下で変色しやすい。スパンデックスを含有する織物および衣料品は、寸法安定性を付与し最終衣料品に成形するために典型的にはヒートセットが行われるので、スパンデックスの熱安定性は特に重要である。たとえばトリコット編物および女性用メリヤスの製造では、スパンデックスがナイロンを有する織物中に編み込まれることが多い。編成後、その織物は、しわを除去し、織物の寸法を安定化するためにヒートセットされることが多い。工業的作業で使用される典型的なヒートセット温度は、スパンデックスおよび6,6−ナイロンを含有する織物で195℃、織物が6−ナイロンを含有する場合で190℃、織物が綿を含有する場合で180℃である。綿とスパンデックスとを含有する織物をヒートセットすることも望ましいが、ナイロンを含有する織物に使用される温度でのみ適切なヒートセット効率をスパンデックスが有する場合、必要な高温に曝露すると損傷する綿を含有する織物中で、そのスパンデックスは適切にヒートセットすることができない。エネルギーの削減および生産性の工場のためには改善されたヒートセット効率が望ましく、外見を改善するためには熱による変色の軽減が望ましい。したがって、良好な環境抵抗性(「白色保持性」)と高いヒートセット効率とを合わせ持つスパンデックスを製造することが望ましく、それによって、特にスパンデックスの機械的性質が悪影響を受けない場合に、エネルギーが削減され、生産性が向上する。
【0004】
(従来技術の説明)
スパンデックスのヒートセット効率を向上させ、それによってスパンデックスをヒートセット可能な温度を低下させるために種々の方法が使用されている。たとえば、スパンデックスの製造における共延長剤としての15〜32モル%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミンの使用が、米国特許公報(特許文献1)に開示されているが、このような少量では、綿を含有する織物で使用可能な中程度の温度で十分高いヒートセット効率を有するスパンデックスは得られない。米国特許公報(特許文献2)、米国特許公報(特許文献3)、および米国特許公報(特許文献4)には、スパンデックのヒートセット効率を増加させるための、それぞれ高い比率の2−メチル−1,5−ペンタンジアミンおよび1,3−ジアミノペンタンの鎖延長剤の使用が開示されているが、このような大量の共延長剤を使用すると繊維のコストが高くなりうる。米国特許公報(特許文献5)には、ヒートセット効率を増加させるための、スパンデックス中での低濃度のアルカリ金属カルボン酸塩およびチオシアン酸塩の使用が開示されている。しかし、このような塩は織物の加工中に溶解して除去されることがあり、したがってそれらの有効性が減少しうる。(特許文献6)、(特許文献7)、(特許文献8)、および(特許文献9)、ならびに米国特許公報(特許文献10)および米国特許公報(特許文献11)には、種々の量のイソシアナト−2−[(4’−イソシアナトフェニル)メチル]ベンゼンの使用が開示されている。しかし、このような組成物から製造されるスパンデックスの性質では、高いヒートセット効率、伸び、および無負荷力の所望の組み合わせが得られない。
【0005】
スパンデックスのためのセグメント化ポリウレタンの調製における置換ジイソシアネートの使用が報告されている。(特許文献12)には、メチル−およびエチル−置換4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフィエニル)ジイソシアネートとポリテトラメチレンエーテルグリコールとを併用するスパンデックスの製造が開示されている。この結果得られる「キャップされた」グリコールを、次にエチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの従来の鎖延長剤と反応させた。しかし、この反応で調製されたポリウレタンウレアは、溶液から乾式紡糸または湿式紡糸によってスパンデックスを製造するのに工業的に有用となるのには溶解性が不十分である。(特許文献13)には、トルエン−2,4−ジイソシアネートのより低毒性の代替物としてのコーティング中の4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジアルキルフェニルイソシアネート)の使用が開示されている。しかし、このジイソシアネートと、スパンデックスの製造に好適なポリマーグリコールおよびジアミン鎖延長剤とから調製されるポリウレタンポリマーは、スパンデックスをアミド溶媒から紡糸するために必要な溶解性を有さない。
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,973,647号明細書
【特許文献2】米国特許第5,000,899号明細書
【特許文献3】米国特許第5,948,875号明細書
【特許文献4】米国特許第5,981,686号明細書
【特許文献5】米国特許第5,539,037号明細書
【特許文献6】特開平07−82608号公報
【特許文献7】特開平08−020625号公報
【特許文献8】特開平08−176253号公報
【特許文献9】特開平08−176268号公報
【特許文献10】米国特許第3,631,138号明細書
【特許文献11】米国特許第5,879,799号明細書
【特許文献12】英国特許第1,102,819号明細書
【特許文献13】国際公開第96/05171号パンフレット
【特許文献14】米国特許第5,219,909号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
改善された白色保持性、ヒートセット効率、および低伸び率を有するスパンデックスの乾式紡糸および/または湿式紡糸に使用するために十分な溶解性であるポリウレタンウレアが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ポリマーグリコールと、少なくとも1つのオルトアルキル−MDIと、少なくとも1つの嵩高いジアミンを含むジアミン鎖延長組成物とからの反応生成物を含むポリウレタンウレアに関する。本発明によるオルトアルキル−MDIは式Iに示され:
【0009】
【化1】

【0010】
式中:
各Rは、同一でも異なっていてもよく、独立して水素、メチル、エチル、プロピル、またはイソプロピルから選択され;
各Rは、同一でも異なっていてもよく、独立して水素、メチル、エチル、プロピル、またはイソプロピルから選択され;
各Xは、同一でも異なっていてもよく、水素、フッ素、または塩素から選択され、好ましくは水素または塩素である。
【0011】
他に明記しない限り、本明細書で使用される用語、
「アミドに溶解する」は、ポリウレタンウレアが、少なくとも1つアミド溶媒中に溶解可能であり、紡糸可能な溶液を形成することを意味する。
【0012】
1,3−BAMCHは、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを意味し;
「嵩高いジアミン」は、両方のアミン基で立体障害がある鎖延長剤ジアミンを意味し;
1,4−DABは、1,4−ジアミノブタンを意味し;
1,2−DACHは、1,2−ジアミノシクロヘキサンを意味し;
1,3−DACHは、1,3−ジアミノシクロヘキサンを意味し;
DCTEMDIは、ビス(2−クロロ−3,5−ジエチル−4−イソシアナトフェニル)メタンを意味し;
DEAは、ジエチルアミンを意味し;
DIDMMDIは、ビス(3−イソプロピル−4−イソシアナト−5−メチルフェニル)メタンを意味し;
DIMDIは、ビス(3−イソプロピル−4−イソシアナトフェニル)メタンを意味し;
DMAcは、N,N−ジメチルアセトアミドを意味し;
DMDEMDIは、ビス(3−メチル−4−イソシアナト−5−エチルフェニル)メタンを意味し;
EDAは、エチレンジアミンを意味し;
MDIは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを意味し;
MPMDは、2−メチル−1,5−ペンタンジアミンを意味し;
NPDAは、ネオペンチレンジアミン(2,2’−ジメチル−1,3−ジアミノペンタン)を意味し;
「オルトアルキル−MDI」は、イソシアネート基のオルト位(3,5−位)上に1〜3個の炭素原子の2つ以上のアルキル基を有し、場合により1つまたは複数のハロゲンで置換されているジイソシアネートを意味し;
1,2−PDAは、1,2−ジアミノプロパンを意味し;
1,3−PDAは、1,3−ジアミノプロパンを意味し;
PO4Gは、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールを意味し;
PO(4G/2Me4G)は、ポリ(テトラメチレンエーテル−コ−2−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールを意味し;
「スパンデックス」は、繊維形成性物質が、少なくとも85%のセグメント化ポリウレタンで構成される合成ポリマーである人造繊維を意味し(16 C.F.R.303.7(k)項、連邦取引委員会(Federal Trade Commission))
TEMDIは、ビス(3,5−ジエチル−4−イソシアナトフェニル)メタンを意味し;
TIMDIは、ビス(3,5−ジイソプロピル−4−イソシアナトフェニル)メタンを意味し;
TMMDIは、ビス(3,5−ジメチル−4−イソシアナトフェニル)メタンを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
予期せぬことに、スパンデックスが、ポリマーグリコールと、イソシアネート基のオルト位(3,5−位)上に1〜3個の炭素原子の2つ以上のアルキル基を有する少なくとも1つのジイソシアネートと、少なくとも1つの嵩高いジアミンを含む組成物とからの反応生成物を含む場合に、白色保持性、ヒートセット効率、および伸び率が改善されることを発見した。ヒートセット温度が上昇すると、ヒートセット効率も上昇し、本発明のスパンデックスに観察される改善は、(i)スパンデックスと綿または羊毛とを含む織物に典型的な低いヒートセット温度と、(ii)スパンデックスとナイロンなどの硬質繊維とを含む織物に使用されるより高い温度との両方で有用となり好都合となる。本発明のポリウレタンウレアは、予期せぬことにアミド溶媒中への容器性が良好であり、これらのポリマーから紡糸されたスパンデックスは、予期せぬことに環境条件に対して良好な抵抗性を有する。
【0014】
本発明に有用なポリマーは、ポリマーグリコールなどの二官能性ポリマーを、ジイソシアネートと反応させて、イソシアネート末端プレポリマーと未反応ジイソシアネートとの混合物(「キャップされたグリコール」)を生成することによって通常調製される。キャップされたグリコールは、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、またはN−メチルピロリドンなどの好適な溶媒中に溶解することができ、続いて、二官能性鎖延長組成物と反応させて、ポリウレタンウレア溶液を得ることができる。希望するなら、ジブチルスズジラウレート、オクタン酸第一スズ、鉱酸、トリエチルアミン、N,N’−ジメチルピペラジンなどの第3級アミンなど、または他の公知の触媒を使用して、キャッピングおよび鎖延長の速度を増加させることができる。このようなポリウレタンウレアは、ジイソシアネートおよび鎖延長剤から誘導される「硬質」ウレタンおよび尿素のセグメントと、主としてポリマーグリコールから誘導される「軟質」セグメントとで構成されるため、「セグメント化された」と呼ばれる。「ゲル」などの不溶物は、乾式紡糸または湿式紡糸技術を使用して通常実施される工業的なスパンデックス製造を妨害しうるため、ポリウレタンウレアの溶解性は重要である。
【0015】
本発明のポリウレタンの調製に使用されるポリマーグリコールとしては、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、およびポリカーボネートグリコールを挙げることができる。有用なポリマーグリコールとしては、ポリ(トリメチレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレン−コ−2−メチル−テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(エチレン−コ−テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(プロピレン−コ−テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(エチレン−コ−ブチレンアジペート)グリコール、ポリ(2,2−ジメチル−1,3−プロピレンドデカンジオエート)グリコール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンタメチレンドデカンジオエート)グリコール、ポリ(ペンタン−1,5−カーボネート)グリコール、およびポリ(ヘキサン−1,6−カーボネート)グリコールを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ポリ(テトラメチレン−コ−2−メチル−テトラメチレンエーテル)グリコールが使用される場合、2−メチルテトラメチレンエーテル部分は約4〜約20モル%の範囲で存在することができる。好ましくは、ポリマーグリコールはポリエーテルグリコールであり、より好ましくはポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールまたはポリ(テトラメチレンエーテル−コ−2−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールである。
【0016】
本発明のポリウレタンウレアの調製においては、少なくとも1つオルトアルキル−MDIを使用する必要がある。そのようなオルトアルキル−MDIとしては、TMMDI、DIDMMDI、TEMDI、TIMDI、DIMDI、DCTEMDI、DMDEMDIなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましいオルトアルキル−MDIはTMMDIおよびTEMDIであり、より好ましくはTEMDIである。
【0017】
本発明のポリウレタンウレアは、ポリマーグリコールと、MDIと併用される1つまたは複数のオルトアルキル−MDIと、嵩高いジアミンとからの反応生成物を含むことができる。オルトアルキル−MDIの総量は、全ジイソシアネートの少なくとも約20モル%であり、好ましくは全ジイソシアネートの少なくとも約60モル%である。一実施態様では、ジイソシアネートの組成物はオルトアルキル−MDIのみを含む。キャップされたグリコールの生成において、ジイソシアネートは、一度にすべて加えることができるし、または2つ以上のステップにおいてあらゆる順序で加えることもできる。
【0018】
ポリマー溶液からスパンデックスを紡糸するためアミド溶媒中への十分な溶解性を有するポリウレタンウレアの場合、ジアミン鎖延長組成物は少なくとも1つの嵩高いジアミンを含む必要がある。嵩高いジアミンの例としては、NPDA、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン、2,5−ジメチルピペラジン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジアミノシクロヘキサンなどが挙げられる。NPDAが好ましい。
【0019】
嵩高いジアミンは、全ジアミン鎖延長組成物の少なくとも約80モル%、好ましくは少なくとも約90モル%の量で存在し、残りのジアミンは、従来のジアミン鎖延長剤、たとえばエチレンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,1’−メチレンビス(4−アミノシクロヘキサン)、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、1,3−ジアミノペンタン、および1,2−ジアミノプロパンなど、ならびにそれらの混合物から選択される。場合によっては、ジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、またはn−ヘキシルアミンなどの連鎖停止剤を使用してポリマーの分子量を制御することができ、ジエチレントリアミンなどの三官能性化合物を少量使用して溶液粘度の制御に役立てることができる。
【0020】
好ましい実施態様では、ポリウレタンウレアは、PO4GまたはPO(4G/2Me4G)と、少なくとも約60モル%のTMMDI、TEMDI、またはそれらの混合物と、場合によりMDIと、少なくとも約90モル%のネオペンチレンジアミンを含む鎖延長剤の混合物とからの反応生成物を含む。
【0021】
別の実施態様では、ポリウレタンウレアは、PO4Gと、MDIとTIMDIおよびTEMDIから選択されるオルトアルキル−MDIとを含みオルトアルキル−MDIのMDIに対するモル比が少なくとも20/80であるジイソシアネート混合物と、NPDAを含むジアミン鎖延長組成物とからの反応生成物であってよい。
【0022】
本発明のスパンデックスは、添加剤が本発明の利点を損なわないのであれば、安定剤および顔料などの添加剤を含有することができる。そのような添加剤としては特に、ベンゾトリアゾール系安定剤、紫外光吸収剤、他の耐光性物質、酸化防止剤、つや消し剤、粘着防止剤、染料および染色促進剤、鉱油およびシリコーン油などの潤滑剤、脱臭剤、ならびに帯電防止剤が挙げられる。添加剤の他の例としては、メタクロル(Methacrol)(登録商標)2462(E.I.デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.du Pont de Nemours and Company)の登録商標、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタンと3−t−ブチル−3−アザ−1,5−ペンタンジオールとのポリマー)、酸化チタン、酸化亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、硫酸バリウム、ハイドロタルサイト、ハンタイトとハイドロマグネサイトとの混合物、銀、亜鉛、またはそれらの化合物を含有する殺菌剤などが挙げられる。
【0023】
スパンデックスの強度および弾性的性質を、ASTM D 2731−72の一般方法に従って測定した。以下の表2および3に報告される例では、5cmのゲージ長さを有するスパンデックスフィラメントについて、50cm/分の一定伸張速度において0%および300%の間の伸びのサイクルを行った。負荷力(「LP」)は、第1のサイクルにおける200%伸びにおいて測定し、デシニュートン/テックスの単位で表に記載している。無負荷力(「UP」)は、第5のサイクルにおける200%伸びにおいて測定し、デシニュートン/テックスの単位で表に記載している。破断時%伸び(「Eb」)は第6の伸張サイクルで測定した。
【0024】
伸び率は、第5の無負荷曲線が実質的にゼロ応力に戻る点で示される、第5のサイクルと第6のサイクルとの間に残留する伸びとして測定した。伸び率は、試料の5回の0−300%伸張/緩和サイクルを実施した30秒後に測定した。次に、伸び率を、伸び率=100(Lf−Lo)/Loとして計算し、式中、LoおよびLfは、張力なしで直線に維持した場合の、5回の伸張/緩和サイクルの前(Lo)および後(Lf)のフィラメント(糸)の長さである。
【0025】
すべての白色保持性試験は、以下のように洗浄および模擬染色した繊維に対して実施した。スパンデックスを巻き付けたカードを、水1リットル当たり1.5gのデュポノールEP(DUPONOL EP)(テネシー州メンフィスのウィトコ(Witco,Memphis,Tennessee)より販売される)を含有する浴中に浸漬した。次に、この浴を沸騰するまで加熱し、その状態を1時間維持した。次に、カードを水洗し、希リン酸でpH=5に調整した(必要であれば希水酸化ナトリウムでさらに調整した)水を含有する浴中に入れ、その浴を沸騰するまで加熱した。カードをこの浴中で1時間維持し(模擬染色)、続いて蒸留水で洗浄した。風乾の後、カードのb値を測定し、元の洗浄後の「b値」として記録した。次に、これらのカードについて、米国特許公報(特許文献14)(この記載内容を本明細書に援用する)に記載されるものと実質的に同じ煙、UV、NO、および加熱試験を実施した。「b値」の変化を、以下の表に「Δb」として報告している。
【0026】
ヒートセット効率(「HSE」)を測定するために、糸試料を10cmの枠に取り付け、1.5倍に延伸した。この枠(試料を有する)を、175℃または190℃に予備加熱したオーブンに90秒入れた。この試料を緩和させ、枠を室温まで冷却した。試料(なお枠上にある)を沸騰水中に30分間浸漬した。枠および試料を浴から取り出し、乾燥させた。糸試料の長さを測定し、次式に従ってヒートセット効率を計算した:
【0027】
【数1】

【0028】
以下の実施例は、本発明を説明するために提供され、本発明の範囲を限定するものとして構成されているものではない。
【実施例】
【0029】
(実施例1)
以下の手順に従ってビス(3,5−ジメチル−4−イソシアナトフェニル)メタン(「TMMDI」)を調製した。2リットルの反応容器中で、127.2g(0.50mol)の4,4’メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)(ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,Wisconsin))を1100mLの1,2−ジクロロベンゼン(「DCB」)中に溶解し、冷−熱ホスゲン化として当技術分野で一般的に知られている方法を使用してホスゲン化した:ドライアイスで冷却した冷却器を使用しながらホスゲン(148.4g、1.50mol)を600mLの冷DCBに加えた。このホスゲン溶液を高速で撹拌し氷水浴で冷却しながら、500mLのDCB中の上記ジアミンの溶液を約20分かけて加えた。冷却浴をマントルヒーターと交換して、撹拌しながら反応混合物を最終温度の130℃まで90分間加熱した。90分後、溶液は透明になった。この混合物を室温まで冷却しながら、窒素ガスを送り込むことで過剰のホスゲンを除去した。
【0030】
DCBを減圧蒸留によって除去し、残留物を8.0Paで減圧フラッシュ蒸留して、b.p.180〜190℃(m.p.130〜131℃)において147gのTMMDI(0.48mol、収率96%)を得た。
【0031】
(実施例2)
以下の手順に従ってビス(3−メチル−4−イソシアナト−5−エチルフェニル)メタン(「DMDEMDI」)を調製した。1リットルの3口フラスコに窒素をパージし、85mLの水、346mLの濃HCl(4.01mol)、および270.4g(2.00mol)6−エチル−o−トルイジン(ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,Wisconsin))を投入した。この混合物を50〜55℃において機械的に撹拌しながら、82.4mLの37%ホルムアルデヒド水溶液(1.10mol)を滴下した。この反応を50〜55℃で維持しながら、終夜撹拌した。内容物を室温まで冷却し、撹拌および冷却を続けながら683mLの6.0M水酸化ナトリウム(4.10mol)を加えた。得られた固体生成物を吸引濾過で捕集し、十分に水洗し、窒素パージしながら真空オーブン中65℃で乾燥すると、276.2gの4,4’−メチレンビス(2−エチル−6−メチルアニリン)(0.97mol、収率97%、m.p.85〜86℃)が残った。
【0032】
2リットルの反応容器中で、141.2g(0.50mol)4,4’−メチレンビス(2−エチル−6−メチルアニリン)を、以下のように冷−熱ホスゲン化した:ドライアイスで冷却した冷却器を使用しながらホスゲン(148.4g、1.50mol)を600mLの冷DCBに加えた。このホスゲン溶液を高速で撹拌し氷水浴で冷却しながら、400mLのDCB中の上記ジアミンの溶液を約30分かけて加えた。冷却浴をマントルヒーターと交換して、撹拌しながら反応混合物を最終温度の97℃まで80分間加熱した。80分後、溶液は透明になった。内容物を室温まで冷却しながら、窒素ガスを送り込むことで過剰のホスゲンを除去した。
【0033】
DCBを減圧蒸留によって除去し、残留物を5〜10Paで減圧フラッシュ蒸留して、140.9gのDMDEMDI(0.42mol、収率84%)を約200℃で沸騰する留分として得た。
【0034】
(実施例3)
以下の手順に従ってビス(3,5−ジエチル−4−イソシアナトフェニル)メタン(「TEMDI」)を調製した。1リットルの反応容器中で、74.5g(0.24mol)のメチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)(ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,Wisconsin))を以下のように冷−熱ホスゲン化した:ドライアイスで冷却した冷却器を使用しながらホスゲン(71.2g、0.72mol)を300mLの冷DCBに加えた。このホスゲン溶液を高速で撹拌し氷水浴で冷却しながら、250mLのDCB中の上記ジアミンの溶液を約15分かけて加えた。冷却浴をマントルヒーターと交換して、撹拌しながら反応混合物を最終温度の125℃まで110分間加熱した。110分後、溶液は透明になった。内容物を室温まで冷却しながら、窒素ガスを送り込むことで過剰のホスゲンを除去した。
【0035】
DCBを減圧蒸留によって除去し、残留物を12Paで減圧フラッシュ蒸留して、79.2gのTEMDI(0.22mol、収率91%)を190〜200℃(m.p.56〜57℃)において沸騰する留分として得た。
【0036】
(実施例4)
以下の手順に従ってビス(3−イソプロピル−4−イソシアナト−5−メチルフェニル)メタン(「DIDMMDI」)を調製した。2リットルの反応容器中で、100.0g(0.322mol)の4,4’−メチレンビス(2−メチル−6−イソプロピルアニリン)(ニュージャージー州ニューブランズウィックのスペクトラム・ケミカル・マニュファクチャリング・コーポレーション(Spectrum Chemical Manufacturing Corp.,New Brunswick,New Jersey))を以下のように冷−熱ホスゲン化した:ドライアイスで冷却した冷却器を使用しながらホスゲン(95.6g、0.966mol)を400mLの冷DCBに加えた。このホスゲン溶液を高速で撹拌し氷水浴で冷却しながら、350mLのDCB中の上記ジアミンの溶液を約20分かけて加えた。冷却浴をマントルヒーターと交換して、撹拌しながら反応混合物を最終温度の82℃まで70分間加熱した。70分後、溶液は透明になった。内容物を室温まで冷却しながら、窒素ガスを送り込むことで過剰のホスゲンを除去した。4回のこのようなホスゲン化生成物を合わせて、減圧蒸留でDCBを除去した。その残留物を7Paで減圧フラッシュ蒸留して、90%を超える収率でDIDMMDIを200〜210℃で沸騰する留分として得た。この生成物をヘキサンからの結晶化によってさらに精製して、m.p.86〜87℃の白色結晶を得た。TIMDI、DIMDI、およびDCTEMDIも同様に調製した。
【0037】
(実施例5)
TMMDIを主成分とするポリウレタンウレアの以下の例に実質的に従って、重合時にポリウレタンウレアの溶解性を目視で調べた[E85680−6]。1リットルのガラス樹脂釜に、窒素スイープ、金属「バスケット」撹拌装置、および機械的空気駆動式モーターを設けた。この釜をフレームドライして、窒素下で冷却した。157.746gの分子量1800のPO4G(テラタン1800(TERATHANE 1800)、E.I.デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.du Pont de Nemours and Company)の登録商標)と、20mLのトルエンとを加え、油浴中で撹拌しながら115℃〜120℃に90分間加熱して、トルエン/水共沸混合物を介してグリコールを乾燥させた。このグリコールを約50℃まで冷却し、44.562gのTMMDI(mw306.4)を白色粉末として加えた。この混合物を室温で30分間撹拌し、90℃〜105℃まで加熱して、キャッピング反応が完了するまでその温度で撹拌し、その後、この結果キャップされたグリコールを乾燥窒素下で終夜室温まで冷却した。キャッピング比は1.66であり、%NCOは2.42であった。ジメチルアセトアミド(483.6g、「DMAc」)を加え、その混合物を1時間撹拌して、キャップされたグリコールを溶解した。5.716gの2,2−ジメチル−1,3−ジアミノペンタン(ネオペンチレンジアミン、「NPDA」)と0.606gのジエチルアミンとを数ミリリットルのDMAc中に溶解した混合物をシリンジによって加え、そのシリンジをDMAcで洗浄し、その洗液を釜に加えた。このポリマー溶液(30重量%固形分)を15分間撹拌すると、ゲルは見られなかった。メタクロル2138F(METHACROL 2138F)(メタクリル酸ジイソプロピルアミノエチルとメタクリル酸n−デシルとの重量比75/25でのコポリマー、E.I.デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.du Pont de Nemours and Company)の登録商標)と、ヒンダードフェノール系酸化防止性(2,4,6−トリス(2,6−ジメチル−4−t−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(シアノックス1790(CYANOX 1790)、ニュージャージー州ウエストパターソンのサイテック・インダストリーズ(Cytec Industries,West Patterson,New Jersey))とを含有する添加剤スラリーを加え、その最終溶液を十分撹拌して添加剤を混合した。メタクロル2138F(METHACROL 2138F)およびシアノックス1790(CYANOX 1790)はそれぞれポリマー重量を基準にして2.0重量%および1.5重量%で存在した。49gのDMAcを加えることによって、全固形分は、溶液重量を基準にして28重量%に減少した。ゲルは観察されなかった。
【0038】
実質的に同じ条件下で調製した他のポリマーの結果を表1に報告する。ポリマーが、DMAc中に溶解性(S)、不溶性(I)、または境界(S/I)であるかどうかは、鎖延長組成物を加えた後の溶液を目視観察することによって決定した。本発明のポリマーは、DMAcに溶解し、数時間または数日の間ゲルの兆候は見られなかった。
【0039】
【表1】

【0040】
表1に示されるように、NPDAから調製したポリマーのみがDMAcに溶解した。ポリマーグリコールが分子量3500のPO(4G/2Me4G)(テトラヒドロフランおよび3−メチルテトラヒドロフランの開環重合によって調製される)である場合に同様の結果が観察された。
【0041】
(実施例6)
一例として、本発明によるスパンデックスの典型的な調製は以下の通りである:1リットルのガラス樹脂釜に、窒素スイープを設け、さらに金属バスケット撹拌装置および機械的空気駆動式モーターを取り付けた。この釜をフレームドライして、窒素下で冷却した。152.3gの分子量1800のPO4G(テラタン1800(TERATHANE 1800)、E.I.デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.du Pont de Nemours and Company)の登録商標)と、20mLのトルエンとを加え、油浴中で撹拌しながら115℃に90分間加熱して、トルエン/水共沸混合物を介してグリコールを乾燥させた。
【0042】
このグリコールを約50℃まで冷却し、47.3gのDMDEMDI(mw334.42、キャッピング比1.67)を白色粉末として加えた。この混合物を室温で30分間撹拌し、90℃で7時間加熱した後、結果としてキャップされたグリコールを室温まで冷却し、ドライボックスに移した。DMAc(377g)を加え、その混合物を90分間撹拌して、キャップされたグリコールを溶解した。5.6gのNPDAと0.6gのDEAとを数ミリリットルのDMAc中に溶解した混合物をシリンジによって加え、そのシリンジをDMAcで洗浄し、その洗液を釜に加えた。このポリマー溶液(35%固形分)を30分間撹拌した。メタクロル2138F(METHACROL 2138F)とシアノックス1790(CYANOX 1790)とを含有する添加剤スラリーを加え、その最終溶液をさらに30分間撹拌した。メタクロル2138F(METHACROL 2138F)およびシアノックス1790(CYANOX 1790)はそれぞれポリマー重量を基準にして2.0重量%および1.5重量%で存在した。約140m/分で繊維を従来通りに乾式紡糸して、5本の合着したフィラメントの61dtexのスパンデックスを得た。この繊維、ならびに対応するPO4G、DIDMMDIおよびNPDAを主成分とする繊維、PO4G、MDI、およびEDAを主成分とする繊維における試験結果を表2に報告する。
【0043】
【表2】

【0044】
本発明のポリマーおよび繊維の低伸び率および優れた白色保持性が明らかである。
【0045】
(実施例7)
ポリウレタンウレアポリマーおよびスパンデックスの別の典型的な調製では、100gの分子量1800のPO4Gを、樹脂釜中90℃で1時間乾燥させた。PO4Gを室温まで冷却した後、34gのTEMDI(mw362.6)を加え、温度を95℃まで上昇させ、7時間維持した。その%NCOを計算すると2.4となり、これはキャッピング比1.69に対応している。キャップされたグリコールを室温まで冷却して、235gのDMAcを加え、その混合物を撹拌して、キャップされたグリコールを溶解した。激しく撹拌しながら、1.0NのNPDAのDMAc溶液72gおよび2.5gの1.2Nジエチルアミンを加えて、キャップされたグリコールの鎖を延長させて、ポリエーテルウレタンウレアを得た。この溶液はポリマーが約31重量%であった。実施例6と同じ添加剤を同じ重量%でこのポリマー溶液と混合した。5本のフィラメントを約140m/分で従来通りに乾式紡糸して、約67texの合着したスパンデックスを得た。試験結果を以下の表3に報告する。
【0046】
【表3】

【0047】
本発明の繊維の優れた白色保持性およびヒートセット効率が明らかである。
【0048】
(実施例8)
実質的に実施例7に記載の通りにして、分子量3500のPO(4G/2Me4G)、TMMDI、およびNPDAから、ポリウレタンウレアポリマーを調製した。紡糸速度が275m/分であることを除けば前述のようにポリマー溶液からスパンデックスを乾式紡糸した。MDIおよびエチレンジアミンを使用して同じコポリエーテルから対照のスパンデックスを作製した。試験結果を表4に示す。
【0049】
【表4】

【0050】
これらのデータは、TMMDIを使用することよって改善された熱安定性、および環境的劣化に対する抵抗性が得られることを示している。好ましい実施態様の詳細な説明および実施例によって、本発明を説明してきた。形態および詳細の種々の変更は、当業者には明らかとなるであろう。したがって、本発明は請求項によって評価される必要があり、好ましい実施態様の詳細な説明および実施例によって評価されてはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンウレアであって:
i.ポリマーグリコールと;
ii.式I:
【化1】

で表される群から選択される少なくとも1つのオルトアルキル−MDIを含むジイソシアネート組成物と;
iii.2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジアミノシクロヘキサン、および2,5−ジメチルピペラジンからなる群より選択される少なくとも1つの嵩高いジアミンを含む鎖延長組成物と;
からの反応生成物を含み、
各Rは、同一でも異なっていてもよく、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群より選択され;
各Rは、同一でも異なっていてもよく、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群より選択され;
各Xは、同一でも異なっていてもよく、水素、フッ素、および塩素からなる群より選択され;
式Iの前記少なくとも1つのオルトアルキル−MDIの総量が、前記ジイソシアネート組成物の少なくとも約20モル%であり;
前記少なくとも1つの嵩高いジアミンの総量が、前記鎖延長組成物の少なくとも約80モル%であり、
前記ポリウレタンウレアポリマーがアミドに溶解することを特徴とするポリウレタンウレア。
【請求項2】
前記オルトアルキル−MDIが、ビス(3,5−ジメチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、およびそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項3】
前記オルトアルキル−MDIがビス(3,5−ジエチル−4−イソシアナトフェニル)メタンであることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項4】
前記ポリマーグリコールがポリエーテルグリコールであり、および式Iの前記少なくとも1つのオルトアルキル−MDIが、前記ジイソシアネート組成物の少なくとも約60モル%であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項5】
前記嵩高いジアミンが2,2’−ジメチル−1,3−ジアミノペンタンであることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項6】
前記少なくとも1つの嵩高いジアミンが、前記鎖延長組成物の少なくとも約90モル%であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項7】
(i)前記ポリマーグリコールが、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールおよびポリ(テトラメチレンエーテル−コ−2−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールからなる群より選択され、(ii)前記オルトアルキル−MDIが、ビス(3,5−ジメチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、およびそれらの混合物からなる群より選択され、(iii)式Iの前記少なくとも1つのオルトアルキル−MDIが、前記ジイソシアネート組成物の少なくとも約60モル%であり、(iv)前記鎖延長組成物が少なくとも約90モル%の2,2’−ジメチル−1,3−ジアミノペンタンを含むことを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項8】
(i)前記ポリマーグリコールがポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールであり、(ii)前記オルトアルキル−MDIが、ビス(3,5−ジエチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(3,5−ジイソプロピル−4−イソシアナトフェニル)メタン、およびそれらの混合物からなる群より選択され、(iii)前記鎖延長組成物が2,2’−ジメチル−1,3−ジアミノペンタンを含むことを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項9】
請求項1に記載のポリウレタンウレアポリマーを含むことを特徴とするスパンデックス。
【請求項10】
請求項7に記載のポリウレタンウレアを含むことを特徴とするスパンデックス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンウレアであって:
i.ポリマーグリコールと;
ii.式I:
【化1】

で表される群から選択される少なくとも1つのオルトアルキル−MDIを含むジイソシアネート組成物と;
iii.2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジアミノシクロヘキサン、および2,5−ジメチルピペラジンからなる群より選択される少なくとも1つの嵩高いジアミンを含む鎖延長組成物と;
からの反応生成物を含み、
各Rは、同一でも異なっていてもよく、独立して、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群より選択され;
各Rは、同一でも異なっていてもよく、独立して、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群より選択され;
各Xは、同一でも異なっていてもよく、水素、フッ素、および塩素からなる群より選択され;
式Iの前記少なくとも1つのオルトアルキル−MDIの総量が、前記ジイソシアネート組成物の少なくとも約20モル%であり、
前記少なくとも1つの嵩高いジアミンの総量が、前記鎖延長組成物の少なくとも約80モル%であり、
前記ポリウレタンウレアポリマーがアミドに溶解することを特徴とするポリウレタンウレア。
【請求項2】
式Iの前記オルトアルキル−MDIが、ビス(3,5−ジメチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、およびそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項3】
前記オルトアルキル−MDIがビス(3,5−ジエチル−4−イソシアナトフェニル)メタンであることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項4】
前記ポリマーグリコールがポリエーテルグリコールであり、および式Iの前記少なくとも1つのオルトアルキル−MDIが、前記ジイソシアネート組成物の少なくとも約60モル%であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項5】
前記嵩高いジアミンが2,2’−ジメチル−1,3−ジアミノペンタンであることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項6】
前記少なくとも1つの嵩高いジアミンが、前記鎖延長組成物の少なくとも約90モル%であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項7】
(i)前記ポリマーグリコールが、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールおよびポリ(テトラメチレンエーテル−コ−2−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールからなる群より選択され、(ii)前記オルトアルキル−MDIが、ビス(3,5−ジメチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、およびそれらの混合物からなる群より選択され、(iii)式Iの前記少なくとも1つのオルトアルキル−MDIが、前記ジイソシアネート組成物の少なくとも約60モル%であり、(iv)前記鎖延長組成物が少なくとも約90モル%の2,2’−ジメチル−1,3−ジアミノペンタンを含むことを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項8】
(i)前記ポリマーグリコールがポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールであり、(ii)前記オルトアルキル−MDIが、ビス(3,5−ジエチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(3,5−ジイソプロピル−4−イソシアナトフェニル)メタン、およびそれらの混合物からなる群より選択され、(iii)前記鎖延長組成物が2,2’−ジメチル−1,3−ジアミノペンタンを含むことを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項9】
請求項1に記載のポリウレタンウレアポリマーを含むことを特徴とするスパンデックス。
【請求項10】
請求項7に記載のポリウレタンウレアを含むことを特徴とするスパンデックス。

【公表番号】特表2006−504836(P2006−504836A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−549925(P2004−549925)
【出願日】平成15年8月1日(2003.8.1)
【国際出願番号】PCT/US2003/024229
【国際公開番号】WO2004/041895
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(304043707)インヴィスタ テクノロジーズ エス.アー.アール.エル (8)
【Fターム(参考)】