説明

ポリウレタンフォームの製造方法

【課題】 シリコン整泡剤の樹脂からのブリードアウトの問題を生じないポリウレタンフォームの製造方法を見出す。
【解決手段】 ポリオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)とを、水からなる発泡剤(c)、ウレタン化触媒(d)、整泡剤(e)、および必要によりその他の添加剤(f)の存在下で反応させてポリウレタンフォームを製造する方法において、(e)として特定の一般式で表される非シリコン整泡剤(e1)を(a)100質量部に対し、0.1〜5質量部用いることを特徴とするポリウレタンフォ−ムの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタンフォ−ムの製造方法およびポリウレタンフォームに関する。さらに詳しくは、シリコン整泡剤を用いずに製造可能なポリウレタンフォ−ムの製造方法とその方法で得られたフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からポリウレタンフォームは、クッション性、断熱性等の多くの特徴を有することから、自動車内装、家具、衣料、電子部品等のクッション材料やシール材料、断熱材料、建築材料として幅広く使用されている。
現在、フォームのセルを均質にするためにシリコン整泡剤や非シリコン化合物が広く使用されている(例えば下記文献参照)。
【非特許文献1】「ポリウレタン応用技術」シーエムシー刊
【特許文献1】特開2006−328199号公報
【特許文献2】特開平11−286530号公報
【特許文献3】特開平11−189636号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、シリコン整泡剤には、イソシアネート基と反応性の官能基を持たない、直鎖および環状ポリジメチルシロキサンや、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンが含まれるため、フォームを形成する樹脂からブリードアウトして電子材料の接点不良を引き起こすという問題があった。また非シリコン化合物は整泡剤としての効果が低く、シリコン整泡剤と併用しなければ均質なセルが得られにくいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記問題を解決するべく鋭意検討した結果、以下に示される発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)とを、水からなる発泡剤(c)、ウレタン化触媒(d)、整泡剤(e)、および必要によりその他の添加剤(f)の存在下で反応させてポリウレタンフォームを製造する方法において、(e)として下記一般式(1)で表される非シリコン整泡剤(e1)を(a)100質量部に対し、0.1〜5質量部用いることを特徴とするポリウレタンフォ−ムの製造方法;並びに上記の製造方法により得られた、電子部品の梱包用クッション剤またはシールパッキン剤用ポリウレタンフォーム;である。
式(1):
R R
| |
Q−[(OA)m−N−(AO)m−CONH−X−NHCO−]n−(OA)m−N−(AO)m−Q
[式中、Qは、水素、炭素数1〜40のアルキル基、炭素数1〜40のアルケニル基、または炭素数1〜40のアシル基。AOおよびOAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であって、複数存在するAOおよびOAは同一であっても異なっていてもよい。Rは、炭素数8〜40のアルキル基、炭素数8〜40のアルケニル基、または炭素数3〜18のポリフルオロアルキル基。Xは炭素数8〜18のジイソシアネートから2個のイソシアネート基を除いた残基。mは1〜100の整数であって、式中に複数存在するmは同一であっても異なっていてもよい、nは1〜300の整数である。]
【発明の効果】
【0005】
本発明の製造方法によれば、非シリコン整泡剤を用いて、従来のシリコン整泡剤と同等の均質なセルからなるポリウレタンフォームを得ることができる。またシリコン化合物を含まないため、電子材料の接点不良を引き起こすことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明に用いられるポリオール(a)としては、ポリウレタンフォームの製造に通常使用できるものが用いられ、例えば、多価アルコール、ポリアルカノールアミン、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、これら以外の各種ポリオール等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
【0007】
多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコール;および脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルキレングリコール)、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールなどのアルカントリオール);炭素数5〜20の4〜8価またはそれ以上の多価アルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトールなどのアルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物;ならびにショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシドなどの糖類およびその誘導体)が挙げられる。
【0008】
ポリアルカノールアミンとしては、炭素数4〜20のポリアルカノールアミン(例えば、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミン)などが挙げられる。
【0009】
ポリエーテルポリオールとしては、前記多価アルコール、アンモニア、アミン、多価フェノール、ポリカルボン酸等の活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加した構造のポリオール並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0010】
上記アミンとしては、脂肪族アミンとして、炭素数2〜20のアルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびイソプロパノールアミン)、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えば、モノメチルアミン、モノエチルアミン、n−ブチルアミンおよびオクチルアミン)、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン)、炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン)が挙げられる。
また、炭素数6〜20の芳香族モノもしくはポリアミン(例えば、アニリン、トルイジン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式アミン(シクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式アミン(例えば、ピペラジン、アミノエチルピペラジンおよび特公昭55−21044号公報記載のもの)等が挙げられる。
【0011】
多価フェノールとしては、ピロガロール、ハイドロキノンおよびフロログルシン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、およびビスフェノールスルホン等のビスフェノール;フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック);たとえば米国特許第3265641号明細書に記載のポリフェノール等が挙げられる。
【0012】
ポリカルボン酸としては、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸など)、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸など)、およびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
【0013】
上記活性水素含有化合物(2種以上併用してもよい)に付加させるアルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜8のものが好ましく、例えば、エチレンオキサイド(以下EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下POと略記)、1,2−、1,3−、1,4−および2,3−ブチレンオキサイド(以下BOと略記)、スチレンオキサイド(以下SOと略記)ならびにこれらの2種以上の併用(ブロック及び/又はランダム付加)が挙げられる。好ましくは、POおよび/またはEOである。
アルキレンオキサイドを付加させる触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、トリス(ペンタフルオロフェニルボラン)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
【0014】
ポリエステルポリオールとしては、前記のポリオール(とくに、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−又は1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;またはこれらとグリセリン、トリメチロールプロパン等の3価又はそれ以上の多価アルコールとの混合物;並びにこれら多価アルコールのアルキレンオキサイド低モル(1〜10モル)付加物)と、前記ポリカルボン酸もしくはその無水物、低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル等のエステル形成性誘導体(例えば、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テレフタル酸ジメチル等)、または前記カルボン酸無水物およびアルキレンオキサイドとの縮合反応物;そのアルキレオンキサイド(EO、PO等)付加反応物;ポリラクトンポリオール、例えば前記ポリオールを開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの;ポリカーボネートポリオール、例えば前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物;等が挙げられる。
【0015】
これら以外の各種ポリオールとしては、重合体ポリオール;ポリブタジエンポリオール等のポリジエンポリオールおよびそれらの水添物;アクリル系ポリオール、特開昭58−57413号公報及び特開昭58−57414号公報等に記載された水酸基含有ビニル重合体;ヒマシ油等の天然油系ポリオール;天然油系ポリオールの変性物;国際公開WO98/44016号パンフレットに記載の末端ラジカル重合性官能基含有活性水素化合物(モノオールも含む);等が挙げられる。
【0016】
上記重合体ポリオールは、通常用いられるものが使用でき、前記ポリオールの少なくとも1種中で、ラジカル重合開始剤の存在下、芳香族炭化水素モノマー(スチレン等)、不飽和ニトリル(アクリロニトリル等)、(メタ)アクリル酸エステル(メチルアクリレート等)などのビニルモノマーを重合し、その重合体微粒子をポリオール中に安定分散させたものである。重合体ポリオールの合成温度は、好ましくは80〜150℃である。重合体ポリオール中の重合体微粒子の含有量は、10〜60質量%が好ましく、重合体微粒子の粒子径は、0.1〜20μmが好ましい。
これらの中で好ましいものは、ポリエーテルポリオール、重合体ポリオール、並びにこれらのポリオールと多価アルコールおよび/またはポリアルカノールアミンとの併用である。
【0017】
ポリオール(a)のOH当量の好ましい範囲は31〜4000である。硬質ポリウレタンフォームを製造する場合、(a)のOH当量はさらに好ましくは50〜200である。軟質ポリウレタンフォームを製造する場合、(a)のOH当量はさらに好ましくは500〜4000である。軟質ポリウレタンフォームの場合、OH当量が好ましくは31〜80の(a)を、(a)中に10質量%以下(好ましくは0.5〜6質量%)、架橋剤もしくは鎖延長剤として併用してもよい。
【0018】
本発明で用いられる有機ポリイソシアネート(b)としては、従来からポリウレタンフォームに使用されているものが使用できる。このようなイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性物(例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシヌアレート基、またはオキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0019】
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネートおよびこれらのイソシアネートの粗製物などが挙げられる。具体例としては、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネートなどが挙げられる。
【0020】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0021】
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0022】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0023】
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、ショ糖変性TDI、ひまし油変性MDIなどが挙げられる。
【0024】
これらのうちで好ましいものは、芳香族ポリイソシアネートであり、さらに好ましくは、TDI、MDI、粗製TDI、粗製MDI、ショ糖変性TDI、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDIから選ばれた一種以上の有機ポリイソシアネートであるである。
【0025】
本発明において、発泡剤(c)として水を用いる。(c)に水のみを単独で用いる場合、水の使用量は(a)100質量部当たり、好ましくは0.1〜30質量部、さらに好ましくは0.2〜20質量部である。
その他必要により、水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素、液化炭酸ガス等が用いられる。
【0026】
水素原子含有ハロゲン化炭化水素系発泡剤の具体例としては、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHCFC−123、HCFC−141b、HCFC−22およびHCFC−142b);HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245faおよびHFC−365mfc)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、HFC−365mfcおよびこれらの2種以上の混合物である。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素を用いる場合の使用量は、(a)100質量部あたり、好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは1〜45質量部である。
【0027】
低沸点炭化水素は、通常沸点が−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としては、ブタン、ペンタン、シクロペンタンおよびこれらの混合物が挙げられる。
低沸点炭化水素を用いる場合の使用量は、(a)100質量部あたり、好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。
また、液化炭酸ガスを用いる場合の使用量は、(a)100質量部あたり、好ましくは30質量部以下、さらに好ましくは25質量部以下である。
【0028】
本発明において使用されるウレタン化触媒(d)は、ポリウレタン反応に通常使用される触媒、例えばアミン系触媒〔トリエチレンジアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン、N、N、N’、N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン−7、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル(カルボン酸塩)など〕および/または金属触媒(オクチル酸第一スズ、ジラウリル酸ジブチル第二スズ、オクチル酸鉛など)を使用することができる。触媒の使用量は(a)100質量部当たり、好ましくは0.001〜6質量部である。
【0029】
本発明において、非シリコン整泡剤(e1)は下記一般式(1)で表される。
式(1):
R R
| |
Q−[(OA)m−N−(AO)m−CONH−X−NHCO−]n−(OA)m−N−(AO)m−Q
【0030】
Qは、水素、炭素数1〜40のアルキル基、炭素数1〜40のアルケニル基、または炭素数1〜40のアシル基である。すなはちQの炭素数は0〜40である。炭素数が40を超えると、非シリコン整泡剤(e1)が、ポリオール(a)や有機ポリイソシアネート(b)に溶解しにくくなり、好ましくない。Qの炭素数は、好ましくは30以下、さらに好ましくは25以下、とくに好ましくは20以下である。
【0031】
AOおよびOAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基(すなわち、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、Oは酸素原子)であって、複数存在するAOおよびOAは同一であっても異なっていてもよい。AOまたはOAの炭素数が4を超えると、非シリコン整泡剤(e1)が、ポリオール(a)や有機ポリイソシアネート(b)に溶解しにくくなり、好ましくない。これらのうち好ましいものは、炭素数が2〜3であるオキシプロピレン基および/またはオキシエチレン基である。
オキシアルキレン基AOおよびOAの合計中の、オキシエチレン基の含有量が50〜100質量%であると、ポリオール(a)、有機ポリイソシアネート(b)、および発泡剤(c)として用いられる水が乳化されやすく、さらに好ましい。
なお、AOおよびOAは、通常EO、PO、BO等の開環物に由来する。
【0032】
Rは、炭素数8〜40のアルキル基、炭素数8〜40のアルケニル基、または炭素数3〜18のポリフルオロアルキル基である。
Rがアルキル基またはアルケニル基の場合に炭素数が40を超えると、非シリコン整泡剤(e1)が、ポリオール(a)や有機ポリイソシアネート(b)に溶解しにくくなり、好ましくない。また炭素数が8未満になると、整泡力が弱くなり、フォームの気泡が粗大になってしまい、好ましくない。炭素数は好ましくは9〜30、さらに好ましくは10〜25である。
Rがポリフルオロアルキル基の場合に炭素数が18を超えると、非シリコン整泡剤(e1)が、ポリオール(a)や有機ポリイソシアネート(b)に溶解しにくくなり、好ましくない。また炭素数が3未満になると、整泡力が弱くなり、フォームの気泡が粗大になってしまい、好ましくない。炭素数は好ましくは5〜15、さらに好ましくは7〜12である。
【0033】
Xは炭素数8〜18のジイソシアネートから2個のイソシアネート基を除いた残基である。ジイソシアネートとしては、通常ポリウレタンフォームに使用されるものは全て使用でき、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
具体例としては、前記有機ポリイソシアネート(b)として例示したもの中のジイソシアネートと同様のものが挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、芳香族ジイソシアネートであり、さらに好ましくは、TDIおよび/またはMDIである。
【0034】
mは1〜100の整数であって、一般式(1)中に複数存在するmは同一であっても異なっていてもよい。mは、好ましくは2〜50、さらに好ましくは3〜30である。
また、nは1〜300の整数であり、好ましくは1〜100、さらに好ましくは1〜30である。
【0035】
(e1)を構成する(OA)mおよび(AO)mの合計とRの質量比が20/80〜80/20であると、ポリオール(a)、有機ポリイソシアネート(b)、および発泡剤(c)として用いられる水が乳化されやすく、好ましい。上記質量比は、さらに好ましくは30/70〜70/30である。
【0036】
(e1)は、前記一般式(1)の範囲内のものであれば、どのような製造方法で得られたものであっても特に限定されないが、置換基Rを有するアミンの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物とこの付加物と等モル未満(好ましくはアルキレンオキサイド付加物1モルに対して0.5〜0.95モル)の炭素数8〜18のジイソシアネートとの反応物、またはこの反応物の末端水酸基をアルキル化、アルケニル化もしくはアシル化させて得られたものが好ましい。
具体的には、炭素数が8〜40のモノアルキルアミン、炭素数8〜40のモノアルケニルアミン、または炭素数3〜18のモノポリフルオロアルキルアミンに炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(EO、PO、BO等)を付加させ、次いで、この付加物に対して等モル未満のジイソシアネートを反応させて得られる。あるいは、この反応物に、さらに、炭素数1〜40のハロゲン化アルキル、炭素数1〜40のハロゲン化アルケニル、または炭素数1〜40の酸塩化物を反応させ、反応物の末端水酸基をアルキル化、アルケニル化またはアシル化させて得られる。
【0037】
(e1)の数平均分子量は、好ましくは600〜100000、さらに好ましくは650〜70000、特に好ましくは800〜50000、最も好ましくは1000〜40000である。分子量が600以上であるとフォームのセルが粗大になりにくく、また分子量が100000以下であると、粘度が高くならず、ハンドリング性が良好である。
なお、本発明において(e1)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の測定条件で測定される。
装置(一例) : 東ソー製 HLC−8120GPC
カラム(一例): Guardcolumn HXL−H → TSKgel GMHXL → TSKgel GMHXL → G2000HXL
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25質量%のTHF溶液
溶液注入量 : 10μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
【0038】
(e1)の使用量は、整泡効果の点から、ポリオール(a)100質量部に対し、0.1〜5質量部である。好ましくは0.3〜3質量部、さらに好ましくは0.5〜2.5質量部、とくに好ましくは0.7〜2質量部である。
【0039】
(e1)は必要により、ポリウレタンフォームの製造に通常用いられる他の整泡剤と併用することができる。併用する整泡剤がシリコン系の場合、イソシアネート基と反応性の官能基(水酸基、アミノ基等)を持つ変性シリコンが好ましい。併用する整泡剤の量はポリオール(a)100質量部に対し、好ましくは2質量部以下、特に好ましくは1質量部以下、最も好ましくは0質量部である。
【0040】
本発明の製造方法においては、必要によりポリウレタンフォームの製造に通常用いられるその他の添加剤(f)を用いることができる。
(f)としては、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系など)や紫外線吸収剤(トリアゾール系、ベンゾフェノン系など)のような老化防止剤;無機塩(炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化アンチモンなど)、無機繊維(ガラス繊維、炭素繊維など)、ウィスカー(チタン酸カリウムウィスカーなど)のような充填材;難燃剤〔リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステル(例えばクロロアルキルフォスフェート)など〕;可塑剤(フタル酸エステルなど);接着剤(変性カプロラクトンポリオールなど);着色剤(染料、顔料);抗菌剤;抗カビ剤等が挙げられる。特にハロゲン化リン酸エステルの併用はさらに難燃効果を高めることができるため好ましい。
【0041】
(a)100質量部に対するこれらの添加剤の使用量に関しては、老化防止剤は、好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5質量部である。充填剤は、好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。難燃剤は、好ましくは150質量部以下、さらに好ましくは1〜100質量部である。可塑剤は、好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。これら以外の上記添加剤は、好ましくは1質量部以下である。
【0042】
本発明の製造方法において、ポリウレタンフォームの製造に際してのイソシアネート指数[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100]は、軟質ウレタンフォームの場合、好ましくは30〜150、さらに好ましくは70〜140、特に好ましくは80〜125であり、硬質ウレタンフォームの場合、好ましくは80〜1000、さらに好ましくは90〜700、特に好ましくは95〜500である。
【0043】
本発明の方法によるポリウレタンフォームの製造法の一例を示せば、下記の通りである。まず、ポリオール(a)、発泡剤(c)、ウレタン化触媒(d)、整泡剤(e)、および必要によりその他の添加剤(f)を所定量混合する。次いで、ポリウレタン低圧もしくは高圧注入発泡機または撹拌機を使用して、この混合物と有機ポリイソシアネート(b)とを急速混合する。得られた混合液(発泡原液)を密閉型もしくは開放型のモールド(金属製または樹脂製)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型してポリウレタンフォームを得る。また、スプレー発泡、連続発泡してもポリウレタンフォームを得ることができる。
【0044】
本発明の方法で製造されるポリウレタンフォームは、シリコン化合物を含まないフォームとすることが可能であるので、フォームを形成する樹脂からシリコン化合物がブリードアウトして電子材料の接点不良を引き起こすことがないため、電子部品の梱包材や電子部品のシーリング用パッキンフォームに好適である。
【実施例】
【0045】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において「部」および「%」は、とくに断りのない限り質量基準である。
【0046】
実施例中、末端水酸基の1級OH化率は、予め試料をエステル化の前処理をした後に1H−NMR法により算出する。1H−NMR法の詳細を以下に具体的に説明する。
【0047】
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmの1H−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し25℃で約5分間放置して、アルコールをトリフルオロ酢酸エステルとし、分析用試料とする。
ここで重水素化溶媒とは、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
【0048】
<NMR測定>
通常の条件で1H−NMR測定を行う。
【0049】
<末端水酸基の1級OH化率の計算方法>
1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基の結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測されるから、末端水酸基の1級OH化率は下式により算出する。
1級OH化率(%)=[r/(r+2s)]×100
ただし、
r:4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値
s:5.2ppm近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値
【0050】
<使用原料の記号の説明>
(a−1):グリセリン1モルに水酸化セシウムを触媒として、数平均分子量が2000になるまでPO32.9モルを段階的に付加し〔触媒使用量0.3%(反応生成物基準)、反応温度90〜100℃〕、常法により水酸化セシウムを除去した後、特開2000−344881号公報の実施例1と同様にして、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒としてPO17.2モルを付加し〔触媒量50ppm(反応生成物基準)、反応温度70℃〕、その後触媒成分を除去した、常温で液状のポリエーテルポリオールである。水酸基価=56、水酸基当量=1002、1級OH化率=68%
(a−2):グリセリン1モルに水酸化セシウムを触媒として、数平均分子量が3000になるまでPO50.1モルを段階的に付加し〔触媒使用量0.3%(反応生成物基準)、反応温度90〜100℃〕、常法により水酸化セシウムを除去した、常温で液状のポリエーテルポリオールである。水酸基価=56、水酸基当量=1002、1級OH化率=2%
(a−3):グリセリン1モルに、特開2000−344881号公報の実施例1と同様にして、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒としてPO5.7モルを付加し〔触媒量50ppm(反応生成物基準)、反応温度70℃〕、その後触媒成分を除去した、常温で液状のポリエーテルポリオールである。水酸基価=400、水酸基当量=140、1級OH化率=62%
(a−4):グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒として、PO5.7モルを段階的に付加し〔触媒使用量0.1%(反応生成物基準)、反応温度130〜150℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した、常温で液状のポリエーテルポリオールである。水酸基価=400、水酸基当量=140、1級OH化率=62%
【0051】
(b−1):TDI、NCO%=48.3の有機ポリイソシアネートである。〔日本ポリウレタン工業(株)製「コロネートT−80」〕
(b−2):粗製MDI、NCO%=30.1の有機ポリイソシアネートである。〔日本ポリウレタン工業(株)製「ミリオネートMR−200」〕
【0052】
(c−1):水
(c−2):HFC−245fa
(c−3):HFC−365mfc
(d−1):東ソー(株)製「TEDA」(トリエチレンジアミン)
(d−2):サンアプロ(株)製「Ucat−1000」(N、N、N’、N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン)
(d−3):日東化成(株)製「ネオスタンU−28」(ジオクチル酸スズ)
【0053】
(e1−1):ステアリルアミン1モルに無触媒でEO2モルを段階的に付加し〔反応温度100℃〕、ついで水酸化カリウムを触媒としてEO6モルを段階的に付加し〔触媒使用量0.1%(反応生成物基準)、反応温度130〜150℃〕、常法により水酸化カリウムを除去して得られたアルキレンオキサイド付加物に、さらにTDI0.5モルを反応させた〔反応温度70℃〕、常温で粘稠液状の非シリコン整泡剤。数平均分子量:1400。
(e1−2):オレイルアミン1モルに無触媒でPO2モルを段階的に付加し〔反応温度100℃〕、ついで水酸化カリウムを触媒としてEO10モルを段階的に付加し〔触媒使用量0.1%(反応生成物基準)、反応温度130〜150℃〕、常法により水酸化カリウムを除去して得られたアルキレンオキサイド付加物に、さらにTDI0.75モルを反応させた〔反応温度70℃〕、常温で粘稠液状の非シリコン整泡剤。数平均分子量:3000。
(e1−3):ステアリルアミン1モルに無触媒でEO2モルを段階的に付加し〔反応温度100℃〕、ついで水酸化カリウムを触媒としてEO8モルとPO4モルの混合物を段階的に付加し〔触媒使用量0.1%(反応生成物基準)、反応温度130〜150℃〕、常法により水酸化カリウムを除去して得られたアルキレンオキサイド付加物に、さらにTDI0.9モルを反応させた〔反応温度70℃〕、常温で粘稠液状の非シリコン整泡剤。数平均分子量:10800。
(e1−4):(e1−3)1モルに塩化チタンを触媒として酢酸メチル2モルを反応〔触媒使用量0.05%(反応生成物基準)、反応温度80℃、酢酸メチルは大過剰仕込み、未反応分はエステル交換で生成したメタノールと一緒に減圧留去した〕させアセチル化した、常温で粘稠液状の非シリコン整泡剤。数平均分子量:11200。
(e1−5):12,12,12,11,11−ペンタフルオロドデシルアミン1モルに無触媒でPO2モルを段階的に付加し〔反応温度100℃〕、ついで水酸化カリウムを触媒としてEO8モルを段階的に付加し〔触媒使用量0.1%(反応生成物基準)、反応温度130〜150℃〕、常法により水酸化カリウムを除去して得られたアルキレンオキサイド付加物に、さらにTDI0.5モルを反応させた〔反応温度70℃〕、常温で粘稠液状の非シリコン整泡剤。数平均分子量:1700。
(e1−6):(e1−5)1モルにステアリルクロリド2モルと水酸化ナトリウム1モルを反応させアルキル化(生成する塩化ナトリウムは水洗にて除去)した、常温で粘稠液状の非シリコン整泡剤。数平均分子量:2200。
(e1−7):(e1−3)1モルにオレイルクロリド1モルと水酸化ナトリウム1モルを反応させアルケニル化(生成する塩化ナトリウムは水洗にて除去)した、常温で粘稠液状の非シリコン整泡剤。数平均分子量:11300。
【0054】
(e2−1):ステアリルアミン1モルに無触媒でEO2モルを段階的に付加し〔反応温度100℃〕、ついで水酸化カリウムを触媒としてEO6モルを段階的に付加し〔触媒使用量0.1%(反応生成物基準)、反応温度130〜150℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した、常温で液状の化合物。数平均分子量:620。
(e2−2):オレイルアミン1モルに無触媒でEO2モルを段階的に付加し〔反応温度100℃〕、ついで水酸化カリウムを触媒としてEO6モルを段階的に付加し〔触媒使用量0.1%(反応生成物基準)、反応温度130〜150℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した、常温で液状の化合物。数平均分子量:620。
(e3−1):東レ・ダウコーニング(株)製「L−540」(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、シリコン整泡剤)
(e3−2):ゴールドシュミット(株)製「B−8462」(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、シリコン整泡剤)
【0055】
(f−1):アクゾ・カシマ(株)製「ファイロールFR−2」(トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート)
【0056】
〔実施例1〜6および比較例1〜4〕(軟質ポリウレタンフォームのスラブ発泡試験評価)
(b)以外を所定量配合したポリオールプレミックスを高圧発泡機のポリオール成分用タンクに、(b)をイソシアネートタンクに仕込み、それぞれ25℃に温度調節し、15MPaで衝突混合して、25℃に温度調節した上部が解放された箱(アルミ製、600mm×600mm×300mm)に注入した後、60分後に脱型し、軟質ポリウレタンスラブフォームを得た。
性能試験の結果を表1および2に示す。
【0057】
試験例
軟質ポリウレタンフォームの試験
<1>フォーム状態を目視評価した。
○:発泡は安定で、セルが均一で細かい
×:発泡が不安定で、フォームにならない
<2>ポリウレタンフォームのコア密度(kg/m3
<3>ポリウレタンフォームの硬さ(kgf/314cm2
<4>ポリウレタンフォームの反発弾性(%)
上記<2>〜<4>の測定はJIS K 6400(2004年版)に準拠した。
<5>ブリードアウト試験
以下に記載の条件で行った。
ポリウレタンフォーム300gを液体窒素で冷却しながら粉状に粉砕して、容量1Lのガラス瓶に入れ密栓した。100℃で120時間放置後、室温まで冷やし、ポリウレタンフォームを取り出した。ガラス瓶内を重クロロホルム20mLで5回洗浄し、この洗浄液を1H−NMR測定した。0ppm付近に観測されるシリコンに結合したメチル基のプロトン面積から、ブリードアウトしたシリコン化合物をポリジメチルシロキサンの質量(mg)として換算した。測定限界以下の場合は「N.D.」と記載した。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
〔実施例7〜10および比較例5〜10〕硬質ポリウレタンフォームのスラブ発泡試験評価)
(b)以外を所定量配合したポリオールプレミックスを高圧発泡機のポリオール成分用タンクに、(b)をイソシアネートタンクに仕込み、それぞれ25℃に温度調節し、15MPaで衝突混合して、25℃に温度調節した上部が解放された箱(アルミ製、600mm×600mm×300mm)に注入した後、20分後に脱型し、硬質ポリウレタンスラブフォームを得た。
性能試験の結果を表3および4に示す。
【0061】
試験例
硬質ポリウレタンフォームの試験
<1>フォーム状態を目視評価した。
○:発泡は安定で、セルが均一で細かい
×:発泡が不安定で、フォームにならない
<2>ポリウレタンフォームのコア密度(kg/m3
<3>ポリウレタンフォームの圧縮強さ(MPa)
(上記<2>と<3>の測定はJIS A 9511に準拠)
<4>ポリウレタンフォームの熱伝導率(mW/m・K)
(上記<4>の測定はJIS A 1412に準拠)
<5>ブリードアウト試験
前記の条件で行った。
【0062】
【表3】

【0063】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の非シリコン整泡剤を用いると従来のシリコン整泡剤と同等の均質なセルからなるフォームを得ることができる。またシリコン化合物を含まないため電子材料の接点不良を引き起こすことがない。したがって、従来からのポリウレタンフォームの用途全般に用いられ、中でも電子部品の梱包用クッション剤やシールパッキン剤用フォームとして広く利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)とを、水からなる発泡剤(c)、ウレタン化触媒(d)、整泡剤(e)、および必要によりその他の添加剤(f)の存在下で反応させてポリウレタンフォームを製造する方法において、(e)として下記一般式(1)で表される非シリコン整泡剤(e1)を(a)100質量部に対し、0.1〜5質量部用いることを特徴とするポリウレタンフォ−ムの製造方法。
式(1):
R R
| |
Q−[(OA)m−N−(AO)m−CONH−X−NHCO−]n−(OA)m−N−(AO)m−Q
[式中、Qは、水素、炭素数1〜40のアルキル基、炭素数1〜40のアルケニル基、または炭素数1〜40のアシル基。AOおよびOAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であって、複数存在するAOおよびOAは同一であっても異なっていてもよい。Rは、炭素数8〜40のアルキル基、炭素数8〜40のアルケニル基、または炭素数3〜18のポリフルオロアルキル基。Xは炭素数8〜18のジイソシアネートから2個のイソシアネート基を除いた残基。mは1〜100の整数であって、式中に複数存在するmは同一であっても異なっていてもよい、nは1〜300の整数である。]
【請求項2】
(e1)を構成する(OA)mおよび(AO)mの合計とRの質量比が20/80〜80/20である請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
オキシアルキレン基AOおよびOAの合計中のオキシエチレン基の含有量が50〜100質量%である請求項1または2記載の製造方法。
【請求項4】
Xが芳香族ジイソシアネートの残基である請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
【請求項5】
(e1)が置換基Rを有するアミンの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物と該付加物と等モル未満の炭素数8〜18のジイソシアネートとの反応物、または該反応物の末端水酸基をアルキル化、アルケニル化もしくはアシル化して得られたものである請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載の製造方法により得られた、電子部品の梱包用クッション剤またはシールパッキン剤用ポリウレタンフォーム。

【公開番号】特開2008−274075(P2008−274075A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118457(P2007−118457)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】