説明

ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物および低反発性ポリウレタンフォーム

【課題】優れた復元性を有する低反発性ポリウレタンフォームを製造することのできるポリウレタンフォーム用ポリオール組成物、および、そのポリオール組成物を用いた低反発性ポリウレタンフォームを提供すること。
【解決手段】ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物に含まれるバイオマス由来炭素含有ポリオール組成物が、多価アルコール1モルとリシノレイン酸を主成分とするヒマシ油脂肪酸および12−ヒドロキシステアリン酸を主成分とする水添ヒマシ油脂肪酸からなる群から選択される少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸3〜80モルとの縮合により得られ、平均官能基数が3.5〜8であり、水酸基価が20〜130mgKOH/gであるポリエステルポリオール25〜55重量部と、水酸基価が140〜200mgKOH/gであるヒマシ油45〜75重量部とをバイオマス由来炭素含有ポリオール組成物100重量部に対して含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物および低反発性ポリウレタンフォーム、詳しくは、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物と、そのポリウレタンフォーム用ポリオール組成物が用いられる低反発性ポリウレタンフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、低反発性ポリウレタンフォームなどのポリウレタンフォームは、ポリオールとポリイソシアネートとを、発泡剤の存在下、反応および発泡させることにより製造されている。
上記のポリオールとしては、一般に、多価アルコールを開始剤とするポリアルキレンオキサイドの付加重合によって得られるポリエーテルポリオールや、多価アルコールと多塩基酸との縮合重合によって得られるポリエステルポリオールなどがよく知られている。
【0003】
このようなポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールは、石油由来の石油化学製品であるが、近年、石油の枯渇が危惧されており、また、石油化学製品は、焼却廃棄時に多量の二酸化炭素を排出するため、地球環境への負荷が懸念されている。
そのため、ポリオールとして、石油化学製品を原料とするポリオールに代替して、バイオマスを原料とするポリオールが提案されている。
【0004】
バイオマスは、燃焼すると二酸化炭素を排出する一方、その出発原料である生物体、とりわけ、植物は、成長時において、光合成によって大気中の二酸化炭素を吸収するため、バイオマスを燃焼しても大気中の二酸化炭素を実質的に増加させない、カーボンニュートラルに対応している。
このようなバイオマスを原料とするポリオールとして、ヒマシ油を原料とするポリエステルポリオールが提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1においては、ひまし油脂肪酸(4モル)と水添ひまし油脂肪酸(4モル)とを縮合反応させたオキシカルボン酸オリゴマーに、グリセリン(1モル)および触媒を加えて縮合反応させ、植物由来ポリオール(B5−1)を製造し、その植物由来ポリオール(B5−1)30〜50重量部と、ひまし油精製品(C−1)50〜70重量部とを配合したポリオールを、軟質ポリウレタンフォームの製造に用いることが提案されている(実施例(合成例1、表1−1)参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開パンフレットWO2007/020905 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のポリオールと、ポリイソシアネートとの反応により得られる軟質ポリウレタンフォームでは、圧縮永久ひずみ率が比較的高く、用途によっては、圧縮変形後の初期形状に対する復元性が不十分な場合がある。
本発明の目的は、優れた復元性を有する低反発性ポリウレタンフォームを製造することのできるポリウレタンフォーム用ポリオール組成物、および、そのポリオール組成物を用いた低反発性ポリウレタンフォームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物は、バイオマス由来炭素含有ポリオール組成物を含むポリウレタンフォーム用ポリオール組成物であって、前記バイオマス由来炭素含有ポリオール組成物が、多価アルコール1モルと、リシノレイン酸を主成分とするヒマシ油脂肪酸、および、12−ヒドロキシステアリン酸を主成分とする水添ヒマシ油脂肪酸からなる群から選択される少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸3〜80モルとの縮合により得られ、平均官能基数が3.5〜8であり、水酸基価が20〜130mgKOH/gであるポリエステルポリオール25〜55重量部と、水酸基価が140〜200mgKOH/gであるヒマシ油45〜75重量部とを前記バイオマス由来炭素含有ポリオール組成物100重量部に対して含有することを特徴としている。
【0009】
また、本発明のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物においては、前記多価アルコールが、1分子あたり平均4.0〜8.0個の水酸基を有していることが好適である。
また、本発明のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物においては、前記ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物100重量部に対して、前記バイオマス由来炭素含有ポリオール組成物を5〜100重量部含有することが好適である。
【0010】
また、本発明の低反発性ポリウレタンフォームは、少なくとも、上記したポリウレタンフォーム用ポリオール組成物と、ポリイソシアネートとを、発泡剤の存在下、反応および発泡させることにより得られることを特徴としている。
また、本発明の低反発性ポリウレタンフォームは、ASTM(米国標準検査法)D6866に記載の方法で測定し、質量数14の炭素同位体含有量から見積もったバイオマス由来の炭素が、全炭素中10%以上であることが好適である。
【0011】
また、本発明の低反発性ポリウレタンフォームは、反発弾性率が20%以下であり、かつ、JIS K6400で規定される50%圧縮永久ひずみ率が35%以下であることが好適である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物は、ヒマシ油を原料とするバイオマス由来炭素含有ポリオール組成物を含有しているため、カーボンニュートラルに対応でき、地球環境への負荷を低減することができる。
また、このようなポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を用いて、本発明の低反発性ポリウレタンフォームを製造すれば、復元性の良好な低反発性ポリウレタンフォームを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物は、バイオマス由来炭素含有ポリオール組成物を含有している。
バイオマス由来炭素含有ポリオール組成物は、ポリエステルポリオールと、ヒマシ油とを含んでいる。
本発明において、ポリエステルポリオールは、多価アルコールとヒドロキシカルボン酸との縮合反応により、得ることができる。
【0014】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、アルカン(炭素数7〜22)ジオール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、キシレングリコール、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリオキシエチレングリコール、テトラオキシエチレングリコール、ペンタオキシエチレングリコール、ヘキサオキシエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリオキシプロピレングリコール、テトラオキシプロピレングリコール、ペンタオキシプロピレングリコール、ヘキサオキシプロピレングリコールなどの2価アルコール、例えば、グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノールおよびその他の脂肪族トリオール(炭素数8〜24)などの3価アルコール、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなどの4価アルコール、例えば、キシリトールなどの5価アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、アリトール、イジトール、ダルシトール、アルトリトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコール、例えば、ペルセイトールなどの7価アルコール、例えば、ショ糖などの8価アルコールなどが挙げられる。また、多価アルコールとしては、上記の1〜8価アルコールに、さらに、例えば、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加した付加重合体も含まれる。
【0015】
これら多価アルコールは、単独使用または2種以上併用することができる。
多価アルコールとして、好ましくは、4〜8価アルコール(すなわち、1分子あたり4.0〜8.0個の水酸基を有するアルコール)、さらに好ましくは、6価アルコール(すなわち、1分子あたり6個の水酸基を有するアルコール)が挙げられる。また、実用的には、1分子あたり平均5.5〜6.5個の水酸基を有するアルコールが挙げられる。
【0016】
また、多価アルコールの水酸基価は、例えば、150〜2000mgKOH/g、好ましくは、300〜2000mgKOH/gである。
本発明において、ヒドロキシカルボン酸は、ヒマシ油脂肪酸、および、水添ヒマシ油脂肪酸からなる群から選択される。
ヒマシ油脂肪酸は、ヒマシ油を加水分解(ケン化)することによって得られる脂肪酸(不飽和脂肪酸および飽和脂肪酸)の混合物であって、主成分として、リシノレイン酸(12−ヒドロキシ−9−cis−オクタデケン酸)を含有している。
【0017】
また、ヒマシ油脂肪酸は、その他の脂肪酸として、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸などを含有している。
ヒマシ油脂肪酸における各脂肪酸の含有量(重量%)は、例えば、ヒマシ油脂肪酸の総重量に対して、リシノレイン酸が、87〜91重量%、オレイン酸が、2.5〜4重量%、リノール酸が、4〜5重量%、リノレン酸が、0.5〜1.5重量%、パルミチン酸が、0.5〜1.5重量%、ステアリン酸が、0.5〜1.5重量%である。
【0018】
水添ヒマシ油脂肪酸は、ヒマシ油に水素を添加して得られるヒマシ硬化油を加水分解(ケン化)することによって得られる脂肪酸の混合物であって、主成分として、12−ヒドロキシステアリン酸(12−ヒドロキシオクタデカン酸)を含有している。
また、水添ヒマシ油脂肪酸は、その他の脂肪酸として、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸を含有している。
【0019】
水添ヒマシ油脂肪酸における各脂肪酸の含有量(重量%)は、例えば、水添ヒマシ油脂肪酸の総重量に対して、12−ヒドロキシステアリン酸が、87〜91重量%、その他の脂肪酸(例えば、パルミチン酸、ステアリン酸など)が、9〜13重量%である。
これらヒドロキシカルボン酸は、単独使用または2種以上併用することができる。
ヒドロキシカルボン酸として、好ましくは、ヒマシ油脂肪酸と、水添ヒマシ油脂肪酸とを併用し、より好ましくは、ヒマシ油脂肪酸と、12−ヒドロキシステアリン酸とを併用する。
【0020】
ヒマシ油脂肪酸と、12−ヒドロキシステアリン酸とを併用する場合には、その配合割合は、ヒマシ油脂肪酸100重量部に対して、12−ヒドロキシステアリン酸が、例えば、1000重量部以下、好ましくは、200重量部以下である。
多価アルコールとヒドロキシカルボン酸との縮合反応において、各成分の配合割合は、多価アルコール1モルに対して、ヒドロキシカルボン酸が、例えば、3〜80モル、好ましくは、3〜40モル、さらに好ましくは、3〜20モルである。
【0021】
また、多価アルコールとヒドロキシカルボン酸との縮合反応において、反応条件は、公知の条件でよく、例えば、不活性ガス雰囲気下、反応温度が、例えば、100〜300℃、好ましくは、150〜250℃であり、反応時間が、例えば、5〜200時間、好ましくは、10〜100時間である。
なお、縮合反応においては、必要により、有機チタン系触媒などの公知の触媒を添加してもよい。
【0022】
このようにして得られるポリエステルポリオールの平均官能基数は、例えば、3.5〜8、好ましくは、3.5〜6、さらに好ましくは、3.6〜4.6であり、水酸基価は、例えば、20〜130mgKOH/g、好ましくは、30〜80mgKOH/g、さらに好ましくは、40〜70mgKOH/gである。
なお、ポリエステルポリオールの平均官能基数は、例えば、原料として用いられる多価アルコールの官能基数(1分子中に含有する水酸基の数)と、ヒドロキシカルボン酸(ヒマシ油脂肪酸および/または水添ヒマシ油脂肪酸)における水酸基を含有する脂肪酸(例えば、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸など)、および、水酸基を含有しない脂肪酸(例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸など)のモル比とから算出することができる。また、ポリエステルポリオールの水酸基価は、例えば、原料として用いられる多価アルコールおよびヒドロキシカルボン酸の配合割合から算出することができ、また、アセチル化法またはフタル化法などの公知の水酸基価測定方法などによって算出することもできる。
【0023】
ヒマシ油は、上記したヒマシ油脂肪酸のトリグリセリドであって、リシノレイン酸のトリグリセリドを主成分としている。より具体的には、ヒマシ油は、リシノレイン酸のトリグリセリドを主成分とし、その他の成分として、例えば、リシノレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸などのトリグリセリドを含有している。
【0024】
ヒマシ油の水酸基価は、例えば、140〜200mgKOH/g、好ましくは、150〜170mgKOH/gである。
本発明において、ヒマシ油としては、食用ヒマシ油、工業用ヒマシ油などとして一般に市販されているものを用いることができ、そのようなヒマシ油としては、例えば、Uric H−30(ヒマシ油精製品、平均官能基数2.7、水酸基価約163mgKOH/g、側鎖:C13(ヘキシル基)で表される炭化水素鎖が3本、伊藤製油社製)、Uric H−52(ヒマシ油精製品、平均官能基数3、水酸基価約200mgKOH/g)などが挙げられる。
【0025】
バイオマス由来炭素含有ポリオール組成物を調製するには、上記したポリエステルポリオールと、上記したヒマシ油とを配合して混合する。
ポリエステルポリオールとヒマシ油との配合割合は、バイオマス由来炭素含有ポリオール組成物100重量部に対して、ポリエステルポリオールが、例えば、25〜55重量部、好ましくは、25〜45重量部、さらに好ましくは、25〜35重量部であり、ヒマシ油が、例えば、45〜75重量部、好ましくは、55〜75重量部、さらに好ましくは、65〜75重量部である。
【0026】
このようにして得られるバイオマス由来炭素含有ポリオール組成物は、その平均官能基数が、例えば、2.5〜6.0、好ましくは、3.0〜4.5であり、水酸基価が、例えば、80〜250mgKOH/g、好ましくは、100〜200mgKOH/gである。
なお、ヒマシ油脂肪酸および/または水添ヒマシ油脂肪酸の縮合反応により得られるポリエステルポリオールと、ヒマシ油とは、植物を原料とするバイオマスであるため、それらは、カーボンニュートラルに対応する。そのため、このようなバイオマス由来炭素含有ポリオール組成物を含有するポリウレタンフォーム用ポリオール組成物は、カーボンニュートラルに対応する。
【0027】
また、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物には、必要により、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、その他のポリオール(上記したポリエステルポリオールおよびヒマシ油を除くポリオール)を、配合することができる。
その他のポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール(多価アルコールと、ヒマシ油脂肪酸および/または水添ヒマシ油脂肪酸との縮合反応により得られるポリエステルポリオールを除く)、ポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリオール、天然油ポリオール(ヒマシ油を除く)などが挙げられる。
【0028】
ポリエステルポリオール(多価アルコールと、ヒマシ油脂肪酸および/または水添ヒマシ油脂肪酸との縮合反応により得られるポリエステルポリオールを除く)は、公知のエステル化反応、すなわち、多塩基酸と多価アルコールとの縮合反応や、多塩基酸のアルキルエステルと多価アルコールとのエステル交換反応などにより、得ることができる。
多塩基酸またはそのアルキルエステルとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸などの脂環族ジカルボン酸、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸など、またはこれらのジアルキルエステル(例えば、炭素数1−6アルキルエステルなど)もしくはこれらの酸無水物、または、これらの混合物などが挙げられる。
【0029】
多価アルコールとしては、上記した多価アルコール、または、これらの混合物などが挙げられる。
また、ポリエーテルポリオールは、例えば、上記した多価アルコールを開始剤とするアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、オキセタン化合物などの炭素数2−5のアルキレンオキシド)の開環単独重合または開環共重合により得ることができる。具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−プロピレン共重合体、ポリオキシテトラメチレングリコール(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)などが挙げられる。
【0030】
また、ポリウレタンポリオールは、上記により得られたポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールを、イソシアネート基に対する水酸基の当量比(OH/NCO)が1を超過する割合で、ポリイソシアネート(後述)と反応させることによって得られる、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール、あるいは、ポリエステルポリエーテルポリウレタンポリオールなどが挙げられる。
【0031】
天然油ポリオール(ヒマシ油を除く)としては、例えば、やし油、Dimorphotheca油、Lesquerella油、Lesquerella dendipila種子油などのヒドロキシル基含有天然油などが挙げられる。
その他のポリオールの水酸基価は、例えば、10〜2000mgKOH/g、好ましくは、20〜1000mgKOH/gである。
【0032】
これらその他のポリオールは、単独使用または2種以上併用することができる。
ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物における、バイオマス由来炭素含有ポリオール組成物と、その他のポリオールとの配合割合は、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物100重量部に対して、バイオマス由来炭素含有ポリオール組成物が、例えば、5〜100重量部、好ましくは、25〜100重量部、さらに好ましくは、50〜100重量部、すなわち、その他のポリオールは、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物100重量部に対して、95重量部未満、好ましくは、75重量部未満、さらに好ましくは、50重量部未満である。
【0033】
また、本発明のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を、低反発性ポリウレタンフォームの製造に用いる場合には、本発明のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物に、例えば、発泡剤、触媒、整泡剤などの各種添加剤を配合してプレミックスを調製することができる。
発泡剤としては、特に制限されないが、例えば、水および/またはハロゲン置換脂肪族炭化水素系発泡剤が挙げられ、より具体的には、例えば、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、塩化メチレン、トリクロロトリフルオロエタン、ジブロモテトラフルオロエタン、四塩化炭素などが挙げられる。
【0034】
これら発泡剤は、単独使用または2種以上併用することができる。発泡剤として、好ましくは、水が挙げられる。
発泡剤の配合割合は、例えば、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物100重量部に対して、例えば、0.1〜30.0重量部、好ましくは、0.5〜20.0重量部である。また、発泡剤として水を配合する場合には、水の配合割合は、例えば、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物100重量部に対して、例えば、0.1〜10.0重量部、好ましくは、0.5〜6.0重量部である。
【0035】
触媒としては、特に制限されないが、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチルモルホリンなどの3級アミン類、例えば、テトラエチルヒドロキシルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩、例えば、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類などのアミン系触媒が挙げられる。また、例えば、酢酸スズ、オクチル酸スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズクロライドなどの有機スズ系触媒、例えば、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛などの有機鉛系触媒、例えば、ナフテン酸ニッケルなどの有機ニッケル系触媒などの有機金属系触媒が挙げられる。
【0036】
これら触媒は、単独使用または2種以上併用することができる。
触媒の配合割合は、例えば、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物100重量部に対して、例えば、0.01〜2.0重量部、好ましくは、0.05〜1.0重量部である。
なお、触媒は、例えば、有機金属系触媒などの加水分解性が高いものは、例えば、予めプレミックスには配合せず、発泡直前にプレミックスに配合する。
【0037】
整泡剤としては、特に制限されないが、例えば、シロキサン−オキシアルキレンブロック共重合体などのシリコーン系整泡剤が挙げられる。
整泡剤の配合割合は、例えば、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物100重量部に対して、例えば、0.1〜5.0重量部、好ましくは、0.3〜3.0重量部である。
プレミックスの調製には、上記した成分以外に、さらに必要により、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、鎖伸張剤、連通化剤、難燃剤、着色剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの各種添加剤を適宜の配合割合にて配合することができる。
【0038】
鎖伸長剤としては、上記した多価アルコールから選択される。なお、鎖伸長剤として、2価アルコールは、直鎖系鎖伸長剤となり、また、3価以上の多価アルコールは、架橋性鎖伸長剤となる。
プレミックスに、鎖伸長剤を配合する場合には、鎖伸長剤を、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物100重量部に対して、例えば、0.1〜30重量部、好ましくは、1.0〜10重量部となるように配合する。
【0039】
そして、プレミックスは、上記した各成分を上記した配合割合で配合し、混合することにより、調製することができる。
また、本発明のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を、低反発性ポリウレタンフォームの製造に用いる場合には、上記したように本発明のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物をプレミックスとして調製するほか、例えば、多成分発泡機を用いて、各成分(例えば、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物、発泡剤、触媒、整泡剤など)を混合せずに予め複数のタンクに分けて投入し、ラインで各成分を発泡ヘッドに導き、撹拌することもできる。
【0040】
本発明のポリウレタンフォームを製造するには、例えば、本発明のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物に、発泡剤、触媒および整泡剤などを配合し、ポリイソシアネートを反応させるとともに発泡させる。
ポリイソシアネートとしては、特に制限されず、例えば、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)およびそれらの異性体混合物、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、フェニレンジイソシアネート(PDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)などの芳香族ポリイソシアネート、例えば、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネート(XDI)およびそれらの異性体混合物などの芳香脂肪族ポリイソシアネート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などの脂肪族ポリイソシアネート、例えば、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)およびそれらの異性体混合物などの脂環族ポリイソシアネート、および、上記したポリイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、二量体、三量体、または、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)などが挙げられる。好ましくは、芳香族ポリイソシアネート、さらに好ましくは、TDIが挙げられる。
【0041】
これらポリイソシアネートは、単独使用または2種以上併用することができる。
ポリイソシアネートの配合割合は、例えば、イソシアネートインデックス(プレミックスの活性水素基(つまり、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物中の水酸基および発泡剤としての水などの活性水素)100に対するイソシアネート基の割合)として、例えば、60〜500、好ましくは、70〜130である。
【0042】
そして、低反発性ポリウレタンフォームを製造するには、本発明のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を含むプレミックスと、ポリイソシアネートとを配合して、例えば、スラブ方式、モールド方式、スプレー方式など、公知の発泡方式により発泡させる。これによって、本発明の低反発性ポリウレタンフォームを得ることができる。
このようにして得られる低反発性ポリウレタンフォームにおいて、バイオマス由来の炭素の含有量は、全炭素中、例えば、10%以上、好ましくは、20%以上、より好ましくは、50%以上、さらに好ましくは、70%以上である。なお、バイオマス由来の炭素の含有量の測定は、ASTM(米国標準検査法)D6866に準拠し、質量数14の炭素同位体含有量から見積もることができる。
【0043】
低反発性ポリウレタンフォームにおけるバイオマス由来の炭素の含有量が10%以上であれば、地球環境への負荷を低減することができ、また、50%以上であれば、地球環境への負荷を大幅に低減することができる。
また、このようにして得られる低反発性ポリウレタンフォームは、その反発弾性率が、例えば、20%以下、好ましくは、10%以下であり、また、そのJIS K6400で規定される50%圧縮永久ひずみ率が、例えば、35%以下、好ましくは、15%以下、より好ましくは、8%以下である。
【0044】
低反発性ポリウレタンフォームの反発弾性率が20%以下であれば、衝撃吸収性、吸音性および体圧分散性の良好な低反発性ポリウレタンフォームを得ることができ、また、50%圧縮永久ひずみ率が35%以下であれば、復元性の良好な低反発性ポリウレタンフォームを得ることができる。
そのため、低反発性ポリウレタンフォームは、衝撃吸収材、吸音材、振動吸収材、体圧分散材などとして好適に用いることができ、より具体的には、例えば、自動車の座席シート、クッション、枕、マットレス、ブラパッド、靴インナーソール、シーリング材、防音フローリング材、ドアトリム、梱包材などとして、好適に用いることができる。
【実施例】
【0045】
次に、調製例、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
1)ポリエステルポリオールの調製
調製例1(ポリエステルポリオールAの調製)
温度計、攪拌装置、生成する水を分離させる装置を備えた3Lのガラス製フラスコに、CO−FA(ヒマシ油脂肪酸、伊藤製油社製)1069重量部、12−ヒドロキシステアリン酸(伊藤製油社製)1076重量部、SOR−400(ソルビトールを開始剤とするプロピレンオキサイドの付加重合体、水酸基価400mgKOH/g、三井化学ポリウレタン社製)421重量部を仕込み、窒素気流下、180℃で縮合反応を実施した。
【0046】
酸化が10mgKOH/g以下となった時点で、触媒としてオルトチタン酸テトラブチル(試薬東京化成社製)0.25重量部を添加し、引き続き180℃にて、52時間縮合反応を実施し、ポリエステルポリオールAを調製した。
ポリエステルポリオールAの平均官能基数は4.1であり、水酸基価は47.6mgKOH/gであった。
【0047】
また、SOR−400 1モルに対するCO−FAおよび12−ヒドロキシステアリン酸の総縮合物モル数は、14.4モルであった。
調製例2(ポリエステルポリオールBの調製)
温度計、攪拌装置、生成する水を分離させる装置を備えた3Lのガラス製フラスコに、CO−FA(ヒマシ油脂肪酸、伊藤製油社製)1186重量部、12−ヒドロキシステアリン酸(伊藤製油社製)1193重量部、グリセリン(和光純薬工業社製)92重量部を仕込み、窒素気流下、180℃で縮合反応を実施した。
【0048】
酸化が10mgKOH/g以下となった時点で、触媒としてオルトチタン酸テトラブチル(試薬東京化成社製)0.25重量部を添加し、引き続き180℃にて、50時間縮合反応を実施し、ポリエステルポリオールBを調製した。
ポリエステルポリオールBの平均官能基数は2.0であり、水酸基価は50.3mgKOH/gであった。
【0049】
また、グリセリン1モルに対するCO−FAおよび12−ヒドロキシステアリン酸の総縮合物モル数は、8モルであった。
調製例3(ポリエステルポリオールCの調製)
温度計、攪拌装置、生成する水を分離させる装置を備えた3Lのガラス製フラスコに、CO−FA(ヒマシ油脂肪酸、伊藤製油社製)1364重量部、12−ヒドロキシステアリン酸(伊藤製油社製)1373重量部、グリセリン(和光純薬工業社製)212重量部を仕込み、窒素気流下、230℃で縮合反応を実施した。
【0050】
酸化が10mgKOH/g以下となった時点で、触媒としてオルトチタン酸テトラブチル(試薬東京化成社製)0.25重量部を添加し、引き続き230℃にて、15時間縮合反応を実施し、ポリエステルポリオールCを調製した。
ポリエステルポリオールCの平均官能基数は2.5であり、水酸基価は99.2mgKOH/gであった。
【0051】
また、グリセリン1モルに対するCO−FAおよび12−ヒドロキシステアリン酸の総縮合物モル数は、4モルであった。
調製例4(ポリエステルポリオールDの調製)
温度計、攪拌装置、生成する水を分離させる装置を備えた3Lのガラス製フラスコに、CO−FA(ヒマシ油脂肪酸、伊藤製油社製)2005重量部、12−ヒドロキシステアリン酸(伊藤製油社製)699重量部、グリセリン(和光純薬工業社製)239重量部を仕込み、窒素気流下、230℃で縮合反応を実施した。
【0052】
酸化が10mgKOH/g以下となった時点で、触媒としてオルトチタン酸テトラブチル(試薬東京化成社製)0.25重量部を添加し、引き続き230℃にて、14時間縮合反応を実施し、ポリエステルポリオールDを調製した。
ポリエステルポリオールDの平均官能基数は2.6であり、水酸基価は109.4mgKOH/gであった。
【0053】
また、グリセリン1モルに対するCO−FAおよび12−ヒドロキシステアリン酸の総縮合物モル数は、3.5モルであった。
調製例5(ポリエステルポリオールEの調製)
温度計、攪拌装置、生成する水を分離させる装置を備えた3Lのガラス製フラスコに、CO−FA(ヒマシ油脂肪酸、伊藤製油社製)2150重量部、12−ヒドロキシステアリン酸(伊藤製油社製)520重量部、グリセリン(和光純薬工業社製)267重量部を仕込み、窒素気流下、230℃で縮合反応を実施した。
【0054】
酸化が10mgKOH/g以下となった時点で、触媒としてオルトチタン酸テトラブチル(試薬東京化成社製)0.25重量部を添加し、引き続き230℃にて、14時間縮合反応を実施し、ポリエステルポリオールEを調製した。
ポリエステルポリオールEの平均官能基数は2.6であり、水酸基価は127.8mgKOH/gであった。
【0055】
また、グリセリン1モルに対するCO−FAおよび12−ヒドロキシステアリン酸の総縮合物モル数は、3.1モルであった。
2)ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物の調製
実施例1
ポリエステルポリオールA40重量部、Uric H−30(ヒマシ油精製品、伊藤製油社製)60重量部を配合し、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を得た。
【0056】
ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物の平均水酸基価は、116.4mgKOH/gであった。
実施例2〜6および比較例1〜12
表1および表2に示す処方にて配合した以外は、実施例1と同様の方法により、各実施例および各比較例のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を調製した。
【0057】
各実施例および各比較例の配合処方、および、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物の平均水酸基価を、表1および表2に示す。
3)低反発性ポリウレタンフォームの製造
実施例1により得られたポリウレタンフォーム用ポリオール組成物100重量部と、KL−200(ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加体(エチレンオキサイドの付加モル数1〜1.5)と、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加体(エチレンオキサイドの付加モル数1〜1.5)との重量比1:1混合物)3重量部と、水2重量部と、L−580(GE東芝シリコーン社製、シリコーン系整泡剤)1重量部と、ダブコ33LV(エアプロダクツ アンド ケミカルズ社製、トリエチレンジアミン/ジプロピレングリコール(67%溶液))0.3重量部とを配合して、実施例1のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を含有するプレミックスを調製した。
【0058】
次いで、得られたプレミックスを、ハンドミキサーで攪拌した後、ダブコT−9(エアプロダクツ アンド ケミカルズ社製、オクチル酸スズ)0.05重量部を添加して、さらに5秒間攪拌後、イソシアネートインデックスが80となる割合で、コスモネートT−80(トリレンジイソシアネート(2,4−異性体80重量%、2,6−異性体20重量%の混合物)、三井化学ポリウレタン社製)を添加混合し、混合物を発泡箱に投入して、発泡させることにより、実施例1の低反発性ポリウレタンフォームを得た。
【0059】
また、各実施例および各比較例により得られたポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を用い、表1および表2に示す配合処方に従って、各成分を配合し、上記と同様の方法によって、プレミックスを調製し、得られたプレミックスを発泡させることにより、各実施例および各比較例の低反発性ポリウレタンフォームを得た。
各成分の配合処方を表1および表2に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
なお、表1および表2中の略号および製品名の詳細を下記に示す。
D−1/D−2:グリセリンを開始剤とするプロピレンオキサイドの付加重合体40重量部と、グリセリンを開始剤とするプロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドの付加重合体(プロピレンオキサイド70重量%、エチレンオキサイド30重量%)60重量部との混合物、水酸基価:210mgKOH/g
Uric H−30:ヒマシ油精製品、水酸基価162.3mgKOH/g、平均官能基数2.7、側鎖にC13(ヘキシル基)で表される炭化水素鎖を3本含有、伊藤製油社製
DPG:ジプロピレングリコール
KL−200:ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加体(エチレンオキサイドの付加モル数1〜1.5)と、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加体(エチレンオキサイドの付加モル数1〜1.5)との重量比1:1混合物
SRX−294A:シリコーン系整泡剤、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製
L−580:シリコーン系整泡剤、GE東芝シリコーン社製
33LV:ダブコ33LV、エチレンジアミン/ジプロピレングリコール、エアプロダクツ アンド ケミカルズ社製
T−9:ダブコT−9、オクチル酸スズ、エアプロダクツ アンド ケミカルズ社製
T−80:コスモネートT−80、トルエンジイソシアネート(2,4−異性体80重量%、2,6−異性体20重量%の混合物)、三井化学ポリウレタン社製
4)評価
(1)反発弾性率
各実施例および各比較例により得られた低反発性ポリウレタンフォームの反発弾性率を、JIS K6400に記載の方法に従って測定した。その結果を表1および表2に示す。
【0063】
(2)50%圧縮永久ひずみ率
各実施例および各比較例により得られた低反発性ポリウレタンフォームの50%圧縮永久ひずみ率(70℃、22時間、50%の厚みに圧縮後の残留歪み)を、JIS K6400に記載の方法に従って測定した。その結果を表1および表2に示す。
(3)外観
各実施例および各比較例により得られた低反発性ポリウレタンフォームの外観を、目視により確認した。その結果を表1および表2に示す。なお、評価の基準を下記に示す。
【0064】
○:正常
×:崩壊

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオマス由来炭素含有ポリオール組成物を含むポリウレタンフォーム用ポリオール組成物であって、
前記バイオマス由来炭素含有ポリオール組成物が、
多価アルコール1モルと、リシノレイン酸を主成分とするヒマシ油脂肪酸、および、12−ヒドロキシステアリン酸を主成分とする水添ヒマシ油脂肪酸からなる群から選択される少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸3〜80モルとの縮合により得られ、
平均官能基数が3.5〜8であり、水酸基価が20〜130mgKOH/gであるポリエステルポリオール25〜55重量部と、
水酸基価が140〜200mgKOH/gであるヒマシ油45〜75重量部と
を前記バイオマス由来炭素含有ポリオール組成物100重量部に対して含有することを特徴とする、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
【請求項2】
前記多価アルコールが、1分子あたり平均4.0〜8.0個の水酸基を有していることを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
【請求項3】
前記ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物100重量部に対して、前記バイオマス由来炭素含有ポリオール組成物を5〜100重量部含有することを特徴とする、請求項1または2に記載のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
【請求項4】
少なくとも、請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物と、ポリイソシアネートとを、発泡剤の存在下、反応および発泡させることにより得られることを特徴とする、低反発性ポリウレタンフォーム。
【請求項5】
ASTM(米国標準検査法)D6866に記載の方法で測定し、質量数14の炭素同位体含有量から見積もったバイオマス由来の炭素が、全炭素中10%以上であることを特徴とする、請求項4に記載の低反発性ポリウレタンフォーム。
【請求項6】
反発弾性率が20%以下であり、かつ、JIS K6400で規定される50%圧縮永久ひずみ率が35%以下であることを特徴とする、請求項4または5に記載の低反発性ポリウレタンフォーム。

【公開番号】特開2010−174111(P2010−174111A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17268(P2009−17268)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(501140544)三井化学ポリウレタン株式会社 (115)
【Fターム(参考)】