説明

ポリウレタン

【課題】重量平均分子量(Mw)が50,000以上である、エチレンジアミン系の新規ポリウレタン化合物を提供することである。また本発明の第二の目的は、Mwで50,000以上であるエチレンジアミン系の新規ポリウレタン化合物を得るために有用な、ポリウレタンプレポリマー化合物を提供する。
【解決手段】下記式(1)で示される構造単位を含む、重量平均分子量(Mw)が50,000〜400,000の範囲であるポリウレタン、並びに特定の式で示される、両末端が水酸基であり且つ重量平均分子量(Mw)が2,000以上50,000未満の範囲であるポリウレタンプレポリマーを提供する。


[上記式(1)中、Rは、脂肪族炭素と酸素原子とからなる直鎖状又は分枝状の2価の置換基を表し、nは2〜10,000の数を表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のポリウレタン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンは、一般的にポリイソシアネート化合物とポリヒドロキシ化合物を、触媒の存在または非存在下で反応させることにより得られる高分子化合物である。これらのうち、ポリウレタン原料の一つであるポリイソシアネート化合物は、大きく芳香族ポリイソシアネート化合物と、脂肪族ポリイソシアネート化合物に大別される。
【0003】
芳香族ポリイソシアネート化合物を原料としたポリウレタンは、その多くがウレタン結合間に共役を有するため、経時的に黄変が認められる。これに対して脂肪族ポリイソシアネート化合物を原料としたポリウレタンは、このような共役構造を持たないために黄変を起こさず、耐候性に優れたポリウレタン材料を与えることが一般に知られている。
【0004】
このように耐候性を有することから、脂肪族ポリイソシアネート化合物を用いたポリウレタンは、外観上の色あいや意匠性を求められる材料や用途、例えば塗料、接着材、シーリング材、エラストマー等に多量に用いられている。代表的な脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート等の直鎖構造を有するジイソシアネートや、3−イソシアナトメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(別名:イソホロンジイソシアネート)、ビス(イソシアナートシクロヘキシル)メタン等の環構造を含むジイソシアネート等が知られ、各種の耐候性ポリウレタン製品に用いられる。
【0005】
しかしながら、現在工業化されている脂肪族ポリイソシアネート化合物は、一般的に芳香族ポリイソシアネート化合物と比べて2倍から5倍以上も高価な化合物である。これは主に、原料のポリアミンの価格が高いことに起因する。そのため、脂肪族ポリイソシアネート化合物を原料として製造される上記した耐候性ポリウレタン製品は、芳香族ポリイソシアネート化合物を原料として製造されるポリウレタン製品に比べ、必然的に高価なものとなる。
【0006】
一方、エチレンジアミンは最も安価で且つ最も低分子量の脂肪族ジアミンとして知られる。エチレンジアミンから誘導されるイソシアネート(エチレンジイソシアネート)は公知の化合物である(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
しかしながら、エチレンジイソシアネートは低分子量であることから高揮発性による有害性が懸念されている。また、ポリイソシアネートは、通常、原料のポリアミンに対して非常に有毒なホスゲンを反応させて製造されるが、この際にイミダゾリドンの副生が懸念される等の理由により、この方法による工業的なエチレンジイソシアネートの製造は困難である。このため、当該化合物を入手するには、転移反応を用いる特殊な製法を用いる必要があるが、安全面における配慮の点及びコストの点から、この反応を用いた大量合成もやはり困難である。
【0008】
このような事情により、エチレンジアミンが主要成分であるポリウレタンは極めて少数例しか知られていない(例えば、特許文献2、非特許文献1、非特許文献2)。
【0009】
これらのうち、特許文献2及び非特許文献1に記載のポリウレタンは、エチレンジイソシアネートを用いない特殊な製法を用いて合成しているため、得られるポリウレタンの構造が非常に限定的である。
【0010】
例えば、特許文献2に記載の製法は、エステル交換反応を用いた重合形式であるため、エステル基を有するポリウレタンのみしか適用できない。また、得られるポリ(エステル−ウレタン)は、重量平均分子量(Mw)が29,000と低分子量であり、高分子材料として、例えば、上記した耐候性ポリウレタン製品として用いられるには強度的に不十分である。
【0011】
また、非特許文献1に記載の製法は、環状カーボネート化合物とポリアミンとの反応からポリウレタンを合成するため、非特許文献1に記載のポリウレタンは、ウレタン結合と同モルの水酸基を側鎖にもつ非常に特殊な構造のポリマーである。また、得られるポリウレタンの分子量は、Mwが21,000と低い値のものであり、高分子材料として、例えば、上記した耐候性ポリウレタン製品として用いられるには強度的に不十分である。
【0012】
一方、非特許文献2に記載の製法では、クルチウス転移反応により合成したエチレンジイソシアネートを、ポリ(エステル−ウレタン)用の合成原料として用いている。また、得られたポリ(エステル−ウレタン)の評価として、同文献では、分子量の代わりに粘度を適用しているが、併記されている他のジイソシアネート由来のポリウレタンよりも有意に低粘度であることから、また紡糸性の比較評価においても劣っていることから、当該ポリ(エステル−ウレタン)の分子量が低いこと、高分子材料として、例えば、上記した耐候性ポリウレタン製品として用いられるには強度的に不十分であることが示唆される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2005−179480号公報
【特許文献2】特開2006−63103号公報
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Journal of Polymer Science:PartA:Polymer Chemistry, Vol.31, 2765−2773(1993).
【非特許文献2】高分子化学, 第24巻, 第266号, 391−395(1967).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その第一の目的は、重量平均分子量(Mw)が50,000以上である、エチレンジアミン系の新規ポリウレタン化合物を提供することである。また本発明の第二の目的は、Mwで50,000以上であるエチレンジアミン系の新規ポリウレタン化合物を得るために有用な、ポリウレタンプレポリマー化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者は上記問題を解決するために鋭意検討した結果、新規なポリウレタン化合物及びポリウレタンプレポリマー化合物を見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち本発明は、以下の各項に示すとおりのポリウレタン、ポリウレタンプレポリマー及びそれらの製造方法である。
【0018】
[1]下記式(1)で示される構造単位を含む、重量平均分子量(Mw)が50,000〜400,000の範囲であるポリウレタン。
【0019】
【化1】

[上記式(1)中、Rは、脂肪族炭素と酸素原子とからなる直鎖状又は分枝状の2価の置換基を表し、nは2〜10,000の数を表す。]
[2]式(1)中、Rが、ポリカーボネートジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリブチレンアジペートジオール、及びポリヘキサメチレンアジペートジオールからなる群より選択されるジヒドロキシ化合物から誘導される2価の置換基であることを特徴とする上記[1]に記載のポリウレタン。
【0020】
[3]式(1)中、Rが、下記式(2)〜(7)からなる群より選択される2価の置換基であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のポリウレタン。
【0021】
【化2】

[上記式(2)中、mは1〜50の数を表す。]
【0022】
【化3】

[上記式(3)中、mは1〜50の数を表す。]
【0023】
【化4】

[上記式(4)中、mは1〜50の数を表す。]
【0024】
【化5】

[上記式(5)中、mは1〜200の数を表す。]
【0025】
【化6】

[上記式(6)中、mは1〜30の数を表す。]
【0026】
【化7】

[上記式(7)中、mは1〜30の数を表す。]
[4]下記式(8)で示される構造単位を含む、重量平均分子量(Mw)が50,000〜400,000の範囲であるポリウレタン。
【0027】
【化8】

[上記式(8)中、Rは、脂肪族炭素と酸素原子とからなる直鎖状又は分枝状の2価の置換基を表し、R’は炭素数3〜20の2価の炭化水素基を表し、nは2以上10,000以下の数を表す。]
[5]式(8)中、−NH−R’−NH−が、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、及びテトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)からなる群より選択されるジイソシアネート類から誘導される2価の置換基であることを特徴とする上記[4]に記載のポリウレタン。
【0028】
[6]式(8)において、R’が下記式(9)〜(19)からなる群より選択される2価の炭化水素基であることを特徴とする上記[4]に記載のポリウレタン。
【0029】
【化9】

【0030】
【化10】

【0031】
【化11】

【0032】
【化12】

【0033】
【化13】

【0034】
【化14】

【0035】
【化15】

【0036】
【化16】

【0037】
【化17】

【0038】
【化18】

【0039】
【化19】

[7]下記式(20)で示される、両末端が水酸基であり且つ重量平均分子量(Mw)が2,000以上50,000未満の範囲であるポリウレタンプレポリマー。
【0040】
【化20】

[上記式(20)中、Rは、脂肪族炭素と酸素原子とからなる直鎖状又は分枝状の2価の置換基を表し、n’は1〜200の数を表す。]
[8]式(20)中、Rが、ポリカーボネートジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリブチレンアジペートジオール、及びポリヘキサメチレンアジペートジオールからなる群より選択されるジヒドロキシ化合物から誘導される2価の置換基であることを特徴とする上記[7]に記載のポリウレタンプレポリマー。
【0041】
[9]式(20)中、Rが、下記式(2)〜(7)からなる群より選択される化合物から誘導される2価の置換基であることを特徴とする上記[7]又は[8]に記載のポリウレタンプレポリマー。
【0042】
【化21】

[上記式(2)中、mは1〜50の数を表す。]
【0043】
【化22】

[上記式(3)中、mは1〜50の数を表す。]
【0044】
【化23】

[上記式(4)中、mは1〜50の数を表す。]
【0045】
【化24】

[上記式(5)中、mは1〜200の数を表す。]
【0046】
【化25】

[上記式(6)中、mは1〜30の数を表す。]
【0047】
【化26】

[上記式(7)中、mは1〜30の数を表す。]
[10]上記[7]乃至[9]のいずれかに記載のポリウレタンプレポリマーを、ジイソシアネート類と反応させることを特徴とする上記[1]乃至[6]のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【0048】
[11]ジイソシアネート類が、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、及びテトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)からなる群より選択されることを特徴とする上記[10]に記載の製造方法。
【0049】
[12]エチレンジアミンのビスカーバネート体に、ジヒドロキシ化合物を反応させることを特徴とする上記[7]乃至[9]のいずれかに記載のポリウレタンプレポリマーの製造方法。
【0050】
[13]ジヒドロキシ化合物が、ポリカーボネートジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリブチレンアジペートジオール、及びポリヘキサメチレンアジペートジオールからなる群より選択されることを特徴とする上記[12]に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0051】
本発明のポリウレタンは、耐候性に優れるとともに、高分子材料として用いるのに十分な分子量を有しているため、塗料、接着材、シーリング材、エラストマー等の用途に好適に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0052】
まず、本発明のポリウレタンについて説明する。
【0053】
本発明の第一のポリウレタンは、上記式(1)で示される構造単位を含む、重量平均分子量(Mw)が50,000〜400,000の範囲であるポリウレタンであって、エチレンジアミン部位(−NH−CH−CH−NH−)、ウレタン結合のカルボニル部位(−C(=O)−)、及びジヒドロキシ化合物由来の末端ジオキシ部位(−O−R−O−)が、上記式(1)に示される順に結合した構造単位を含むものである。
【0054】
また、本発明の第二のポリウレタンは、上記式(8)で示される構造単位を含む、重量平均分子量(Mw)が50,000〜400,000の範囲であるポリウレタンであって、エチレンジアミン部位(−NH−CH−CH−NH−)、ウレタン結合のカルボニル部位(−C(=O)−)、ジヒドロキシ化合物由来の末端ジオキシ部位(−O−R−O−)、及びジイソシアネート化合物由来の末端ジアミン部位(−NH−R’−NH−)が、上記式(8)に示される順に結合した構造単位を含むものである。
【0055】
本発明のポリウレタンにおいて、ジヒドロキシ化合物由来の末端ジオキシ部位(−O−R−O−)としては、特に限定するものではないが、ポリウレタンの原料として通常用いられるジヒドロキシ化合物由来の構造であることが好ましい。
【0056】
ポリウレタンの原料として通常用いられるジヒドロキシ化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリエステルポリオール(a)、ポリエーテルポリオール(b)、又はこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0057】
ポリエステルポリオール(a)としては、例えば、縮合ポリエステルポリオール(a1)、ポリラクトンポリオール(a2)、ポリカーボネートポリオール(a3)が挙げられる。
【0058】
ポリエステルポリオール(a1)としては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のジオール類と、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸との反応物が挙げられる。具体的には、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール及びポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール等のアジペート系ポリエステルジオール、ポリブチレンアゼレートジオール等のアゼレート系ポリエステルジオール等が例示される。
【0059】
ポリラクトンポリオール(a2)としては、例えば、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、又はこれらの2種以上の混合物の開環重合物が挙げられ、具体的にはポリカプロラクトンジオール等が例示される。
【0060】
ポリカーボネートポリオール(a3)としては、例えば、上記したポリオール類とジメチルカーボネート等に代表されるジアルキルカーボネートとの反応物が挙げられる。具体的には、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリ3−メチルペンタメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール等が例示される。
【0061】
ポリエーテルポリオール(b)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA等の活性水素原子を少なくとも2個有する化合物の1種又は2種以上を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のモノマーの1種又は2種以上を付加重合させた反応物が挙げられ、ブロック付加、ランダム付加又は両者の混合系でも良い。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等を例示できる。
【0062】
また、上記した末端ジオキシ部位(−O−R−O−)は、低分子のジヒドロキシ化合物由来の構造であってもよい。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環族ジオール、ビスフェノールA、ハイドロキノン、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香環含有ジオール、又はそれらのアルキレンオキシド付加体のジヒドロキシ化合物等が挙げられる。
【0063】
本発明のポリウレタンにおいては、これらのうち、ポリカーボネートジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリブチレンアジペートジオール、及びポリヘキサメチレンアジペートジオールからなる群より選択されるジヒドロキシ化合物由来の末端ジオキシ部位(−O−R−O−)を有するものが好ましい。
【0064】
また、Rとしては、具体的には、上記式(2)〜(7)からなる群より選択される2価の置換基であることが好ましい。
【0065】
本発明のポリウレタンにおいては、例えば、水酸基やイソシアネート基等の反応性末端官能基を有するポリウレタンに鎖延長剤を作用させることにより、鎖延長させることができる。末端官能基がイソシアネート基の場合は、例えば、ポリヒドロキシ化合物や水、またはポリアミン化合物等が鎖延長剤として挙げられ、末端官能基が水酸基の場合は、例えば、ポリイソシアネート化合物を用いれば鎖延長が可能である。
【0066】
末端官能基が水酸基の場合に、鎖延長で用いるポリイソシアネート化合物は特に限定されないが、工業品として入手容易なものが経済性の面から好ましい。例えば、芳香族ポリイソシアネートとして、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、粗製MDI、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート及びこれらのビュレット化合物やイソシアヌレート化合物が挙げられる。線状の脂肪族ポリイソシアネートとして、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートとして、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、3−イソシアナトメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(水添MDI)、ノルボルナンジイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートとして、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられ、これらのビュレット化合物やイソシアヌレート化合物も含まれる。これらの化合物の中で、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート及び3−イソシアナトメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが低価格であることから好ましい。上記の化合物を2種類以上混合して使用することもできる。
【0067】
鎖延長の合成を行う際に、反応を均一に進行させるため、アセトン、2−ブタノン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のイソシアネート基に不活性な有機溶剤を反応中、又は反応終了後に添加してもよい。
【0068】
本発明のポリウレタンは、例えば、種々の物性を調整する目的で、その分子中に共重合構造を有していてもよい。共重合の形態は、ランダム重合、ブロック重合、交互重合のいずれでもよい。
【0069】
本発明のポリウレタンの製造方法は、どのような方法で製造されていてもよく、特に限定するものではない。例えば、「高分子化学」、第24巻、第266号、391−395(1967)に示す方法等によって、ポリヒドロキシ化合物[例えば、下記式(21)で示されるジオール類]と下記式(22)で示されるエチレンジイソシアネートとを、反応に不活性な溶剤中又は無溶剤中で、触媒の存在下又は非存在下で付加反応させることにより得ることができる。
【0070】
【化27】

[上記式(21)中、Rは上記と同じ定義である。]
【0071】
【化28】

また、安全かつ大量に製造できる、より好ましい方法としては、例えば、Journal of Polymer Science: Polymer Chemistry Edition,Vol.17,835−841(1979).に示されているように、ポリヒドロキシ化合物[例えば、上記式(21)で示されるジオール類]と、下記式(23)
【0072】
【化29】

[上記式(23)中、R”は炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。]
で示されるエチレンジアミンのビスカーバメート化合物とを、反応に不活性な溶剤中又は無溶剤中で、触媒の存在下又は非存在下で縮合反応させる方法が挙げられる。
【0073】
次に、本発明のポリウレタンプレポリマーについて説明する。
【0074】
本発明のポリウレタンプレポリマーは、上記式(20)で示される、両末端が水酸基であり且つ重量平均分子量(Mw)が2,000以上50,000未満の範囲であるポリウレタンプレポリマーであって、水酸基を反応性末端官能基とするポリウレタンプレポリマーである。そして、該プレポリマーに鎖延長剤を作用させることにより、目的とする高分子量のポリウレタンを得ることができる。
【0075】
本発明の水酸基末端ポリウレタンプレポリマーの製造方法としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリヒドロキシ化合物[例えば、下記式(21)で示されるジオール類]と、上記式(21)で示されるエチレンジイソシアネート又は上記式(23)で示されるエチレンアミンのビスカーバメート化合物とを、ポリヒドロキシ化合物を過剰のモル比として反応させることにより製造することができる。
【0076】
ポリヒドロキシ化合物の使用量は、エチレンジイソシアネート若しくはエチレンアミンのビスカーバメート化合物に対して1.01〜1.5倍モル量用いるのが好ましい。
【0077】
本発明のポリウレタンプレポリマーの末端水酸基に対する鎖延長剤としては、ポリイソシアネート化合物が好ましい。ポリイソシアネート化合物の種類は特に限定されないが、炭素数3〜20のジイソシアネート類が好ましく、工業品として入手容易なものとして、芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、粗製MDI、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート及びこれらのビュレット化合物やイソシアヌレート化合物等が経済性の面からより好ましい。
【0078】
また、直鎖状又は分枝上の脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等が経済性の面からより好ましい。
【0079】
また、脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、3−イソシアナトメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(水添MDI)、ノルボルナンジイソシアネート等が経済性の面からより好ましい。
【0080】
また、芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、及びこれらのビュレット化合物やイソシアヌレート化合物等が経済性の面からより好ましい。
【0081】
これらの化合物のうち、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート及び3−イソシアナトメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが特に好ましい。また、上記の化合物を2種類以上混合して使用することもできる。
【0082】
鎖延長の合成を行う際に、反応を均一に進行させるため、アセトン、2−ブタノン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のイソシアネート基に不活性な有機溶剤を反応中、又は反応終了後に添加してもよい。
【実施例】
【0083】
以下に、本発明を、実施例を用いて詳細に説明するが、それらの内容は本発明の範囲を特に制限するものではない。本発明のポリウレタンオリゴマー及びポリウレタンに関する測定法及び評価法は以下の通りである。
【0084】
[NMRの測定]
NMRの測定装置:VARIAN Gemini−200。
【0085】
[分子量の測定方法]
ポリウレタンオリゴマー及びポリウレタンをテトラヒドロフランに溶解させた。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC−8220、東ソー社製)を用いて測定した。カラムはAとBの2種(A:TSKgel G7000HXL、B:TSKgel GMHXL、いずれも東ソー社製)をA−A−Bの順序で3本連結して使用し、標準ポリスチレンを対照品として保持時間の比較により分子量を決定した。
【0086】
実施例及び参考例中で使用した原料は、以下のとおりである。
【0087】
エチレンジアミン:キシダ化学社製,
ジエチルカーボネート:キシダ化学社製,
ナトリウムエトキシド:アルドリッチ社製,
85%リン酸液:キシダ化学社製,
ポリオール1:ポリテトラメチレンエーテルグリコール、TERATHANE1000、DuPont社製、分子量1000,
ポリオール2:ポリプロピレングリコール、三洋化成社製、分子量1000,
ポリオール3:ポリカーボネートジオール、日本ポリウレタン社製、分子量1000,
チタンテトラブトキシド:アルドリッチ社製,
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート:東京化成社製,
ジブチル錫ジラウレート:キシダ化学社製,
2−ブタノン:キシダ化学社製。
【0088】
参考例1 ビスカーバメート体の合成.
攪拌翼、加熱装置及び還流冷却器を備えた反応装置にエチレンジアミン50g及びジエチルカーボネート246g、ナトリウムエトキシド8.9gを加え、攪拌下で75℃に加熱した。5時間攪拌した後に25℃に冷却し、85%リン酸溶液11gを加えた。反応液をろ過した後水洗、乾燥し白色粉体95gを得た。
【0089】
H−NMR(CDCl):5.11(2H)、4.17(4H、q)、3.32(4H)、1.26(6H、t)。
【0090】
実施例1 ポリウレタンプレポリマー1の合成.
攪拌翼、加熱装置を備えた反応装置に、上記反応で得られたビスカーバメート体を8.5g、ポリオール50g及びチタンテトラブトキシド0.5gを加え、0.5L/分の窒素気流下で150℃に加熱した。5時間攪拌した後に25℃に冷却し、下記式で示されるポリウレタンプレポリマー1を54g得た。その重量平均分子量(Mw)は8,300であった。また、下記式中のlの平均値は13.6であり、Mnを基準とした中のmの平均値は2.1であった。
【0091】
【化30】

実施例2 ポリウレタンプレポリマー2の合成.
ポリオール1の代わりにポリオール2を用いて、実施例1と同じ方法により、下記式で示されるポリウレタンプレポリマー2を得た。その重量平均分子量(Mw)は4,100であった。また、下記式中のlの平均値は16.9であり、Mnを基準とした中のmの平均値は1.5であった。
【0092】
【化31】

実施例3 ポリウレタンプレポリマー3の合成.
ポリオール1の代わりにポリオール3を用いて、実施例1と同じ方法により、ポリウレタンプレポリマー3を得た。その重量平均分子量(Mw)は5,700であった。
【0093】
実施例4 ポリウレタン1の合成.
攪拌翼、加熱装置を備えた反応装置に、実施例1で得られたポリウレタンプレポリマー1を18g及び2−ブタノン18g、ジブチル錫ジラウレート36mgを加え、攪拌下で80℃に加熱した。この溶液に、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート707mgを添加し80℃で3時間反応させ、下記式で示されるポリウレタン1の溶液を得た。このポリウレタンの分子量は、重量平均分子量(Mw)で96,800であった。
【0094】
【化32】

[上記式中、lの平均値は13.6、Mnを基準としたnの平均値は15.6、Mnを基準としたmの平均値は2.1である。また、Aは水素原子又は下記式(a)
【0095】
【化33】

で示される置換基を表し、Bは下記式(b1)
【0096】
【化34】

[上記式(b1)中、lは上記と同じ定義である。]
又は下記式(b2)
【0097】
【化35】

[上記式(b2)中、l、mは上記と同じ定義である。]
で示される置換基を表す。]
実施例5 ポリウレタン2の合成.
ポリウレタンプレポリマー1の代わりにポリウレタンプレポリマー2を用いて、実施例4と同じ方法により、ポリウレタン2を得た。その重量平均分子量(Mw)は51,700であった。
【0098】
実施例6 ポリウレタン3の合成.
ポリウレタンプレポリマー1の代わりにポリウレタンプレポリマー3を用いて、実施例4と同じ方法により、ポリウレタン3を得た。その重量平均分子量(Mw)は63,200であった。
【0099】
以上の実施例から明らかなとおり、本発明のポリウレタンは、重量平均分子量(Mw)が50,000〜400,000と、エチレンアミンを主要成分とする従来のポリウレタンでは得られていなかった高分子量のものであり、高分子材料として、例えば、上記した耐候性ポリウレタン製品として用いられるに十分な分子量を有していることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で示される構造単位を含む、重量平均分子量(Mw)が50,000〜400,000の範囲であるポリウレタン。
【化1】

[上記式(1)中、Rは、脂肪族炭素と酸素原子とからなる直鎖状又は分枝状の2価の置換基を表し、nは2〜10,000の数を表す。]
【請求項2】
式(1)中、Rが、ポリカーボネートジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリブチレンアジペートジオール、及びポリヘキサメチレンアジペートジオールからなる群より選択されるジヒドロキシ化合物から誘導される2価の置換基であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン。
【請求項3】
式(1)中、Rが、下記式(2)〜(7)からなる群より選択される2価の置換基であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリウレタン。
【化2】

[上記式(2)中、mは1〜50の数を表す。]
【化3】

[上記式(3)中、mは1〜50の数を表す。]
【化4】

[上記式(4)中、mは1〜50の数を表す。]
【化5】

[上記式(5)中、mは1〜200の数を表す。]
【化6】

[上記式(6)中、mは1〜30の数を表す。]
【化7】

[上記式(7)中、mは1〜30の数を表す。]
【請求項4】
下記式(8)で示される構造単位を含む、重量平均分子量(Mw)が50,000〜400,000の範囲であるポリウレタン。
【化8】

[上記式(8)中、Rは、脂肪族炭素と酸素原子とからなる直鎖状又は分枝状の2価の置換基を表し、R’は炭素数3〜20の2価の炭化水素基を表し、nは2以上10,000以下の数を表す。]
【請求項5】
式(8)中、−NH−R’−NH−が、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、及びテトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)からなる群より選択されるジイソシアネート類から誘導される2価の置換基であることを特徴とする請求項4に記載のポリウレタン。
【請求項6】
式(8)において、R’が下記式(9)〜(19)からなる群より選択される2価の炭化水素基であることを特徴とする請求項4に記載のポリウレタン。
【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【請求項7】
下記式(20)で示される、両末端が水酸基であり且つ重量平均分子量(Mw)が2,000以上50,000未満の範囲であるポリウレタンプレポリマー。
【化20】

[上記式(20)中、Rは、脂肪族炭素と酸素原子とからなる直鎖状又は分枝状の2価の置換基を表し、n’は1〜200の数を表す。]
【請求項8】
式(20)中、Rが、ポリカーボネートジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリブチレンアジペートジオール、及びポリヘキサメチレンアジペートジオールからなる群より選択されるジヒドロキシ化合物から誘導される2価の置換基であることを特徴とする請求項7に記載のポリウレタンプレポリマー。
【請求項9】
式(20)中、Rが、下記式(2)〜(7)からなる群より選択される2価の置換基であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のポリウレタンプレポリマー。
【化21】

[上記式(2)中、mは1〜50の数を表す。]
【化22】

[上記式(3)中、mは1〜50の数を表す。]
【化23】

[上記式(4)中、mは1〜50の数を表す。]
【化24】

[上記式(5)中、mは1〜200の数を表す。]
【化25】

[上記式(6)中、mは1〜30の数を表す。]
【化26】

[上記式(7)中、mは1〜30の数を表す。]
【請求項10】
請求項7乃至請求項9のいずれかに記載のポリウレタンプレポリマーを、ジイソシアネート類と反応させることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項11】
ジイソシアネート類が、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、及びテトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)からなる群より選択されることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
エチレンジアミンのビスカーバネート体に、ジオール類を反応させることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載のポリウレタンプレポリマーの製造方法。
【請求項13】
ジヒドロキシ化合物が、ポリカーボネートジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリブチレンアジペートジオール、及びポリヘキサメチレンアジペートジオールからなる群より選択されることを特徴とする請求項12に記載の製造方法。

【公開番号】特開2011−219535(P2011−219535A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87210(P2010−87210)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】