説明

ポリエステル樹脂組成物

【課題】本発明は、石油由来資源の使用量の削減が可能である電気・電子部品の封入材用ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
本発明に係る電気・電子部品の封入材用ポリエステル樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレートと、ポリ乳酸樹脂と、ポリエチレンテレフタレートとを含有する。前記ポリエチレンテレフタレートが植物由来原料を含む原料から合成されたポリエチレンテレフタレートを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気・電子部品の封入材に利用されるポリエステル樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリブチレンテレフタレート(以下PBTと記す)などのポリエステル系成形材料を主成分とするポリエステル樹脂組成物が知られている。このポリエステル樹脂組成物は、耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械的特性等に優れたものとして、電気・電子部品、自動車部品等に使用されている(特許文献1参照)。
【0003】
しかし、近年、電気・電子部品の封入材のために、絶縁性(耐トラッキング性、耐アーク性)が更に優れるポリエステル系成形材料が要望されるようになってきている。
【0004】
又、近年の環境問題意識の高まりから、石油由来資源の使用をできるだけ削減することが求められるようになってきている。このため、ポリエステル系成形材料の原料についても石油資源の使用量を低減することも求められるようになってきている。
【特許文献1】特開2002−30205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高い絶縁特性を有し、優れた耐トラッキング性及び耐アーク性を発揮し得る封入材を形成することができ、且つ石油由来資源の使用量の削減が可能である電気・電子部品の封入材用ポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電気・電子部品の封入材用ポリエステル樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレートと、ポリ乳酸樹脂と、ポリエチレンテレフタレートとを含有し、前記ポリエチレンテレフタレートが植物由来原料を含む原料から合成されたポリエチレンテレフタレートを含む。
【0007】
本発明において、前記ポリエチレンテレフタレートの含有割合が5〜30質量%の範囲であることが好ましい。
【0008】
本発明において、前記ポリブチレンテレフタレートの含有割合が45〜90質量%の範囲であることも好ましい。
【0009】
本発明において、前記ポリ乳酸樹脂の含有割合が5〜50質量%の範囲であることも好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高い絶縁特性を有し、優れた耐トラッキング性及び耐アーク性を発揮し得る封入材を形成することができ、且つ石油由来資源の使用量の削減が可能である電気・電子部品の封入材用ポリエステル樹脂組成物が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態に係る電気・電子部品の封入材用ポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂と、ポリ乳酸樹脂とを含有する。
【0012】
本実施形態では、ポリエステル樹脂組成物はポリエチレンテレフタレート(PET)とポリブチレンテレフタレート(PBT)との二種類のポリエステル樹脂を含有する。
【0013】
ポリエステル樹脂組成物中のPBTの含有割合は、特に制限されないが、45〜90質量%の範囲であることが好ましい。
【0014】
PBTは、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールの重縮合により得られる熱可塑性ポリエステル樹脂である。PBTによって、封入材に耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械的特性等の特性が付与される。PBTの平均分子量が大きいほど封入材の機械的強度が向上するがその一方でポリエステル樹脂組成物の溶融粘度が高くなる傾向が生じる。このため良好な成形性を維持すると共に封入材に所望の機械的強度が付与されるために、PBTの分子量が適切な範囲にあることが好ましく、特にPBTの数平均分子量が50000〜60000の範囲であることが好ましい。数平均分子量はGPC測定により求められる。
【0015】
PETは、テレフタル酸とエチレングリコ−ルから得られる熱可塑性ポリエステル樹脂である。ポリエステル樹脂組成物がPETを含有すると、封入材の光沢性が向上する。
【0016】
ポリエステル樹脂組成物中のPETの含有割合は5〜30質量%の範囲であることが好ましい。このような範囲において、封入材の外観が特に良好になる。
【0017】
本実施形態では、ポリエステル樹脂組成物中のPETの少なくとも一部は植物由来原料を含む原料から合成されたPET(以下、植物由来PETという)である。このような植物由来PETは、例えばテレフタル酸と、サトウキビなどの植物由来のエタノール(いわゆるバイオエタノール)から製造されたモノエチレングリコール(バイオモノエチレングリコール)を含むモノエチレングリコールとが、脱水縮合することで合成される。
【0018】
このような植物由来PETが使用されることで、ポリエステル樹脂組成物及びこれから形成される封入材における石油由来資源の使用量が削減され、このため石油由来資源の大幅な削減が可能となる。このため本実施形態は環境問題の解決のために大いに貢献することになる。
【0019】
植物由来PETの原料における、モノエチレングリコール全体に対するバイオモノエチレングリコールの割合は特に制限されないが、1〜100質量%の範囲であることが好ましく、5〜100質量%の範囲であれば更に好ましい。尚、植物由来PETに関し、その原料におけるモノエチレングリコール全体に対するバイオモノエチレングリコールの割合は、ASTM D6866−11 METHOD Bにより測定される。
【0020】
ポリエステル樹脂組成物中のPETのうちの全部が植物由来PETであることが好ましいが、植物由来PETと石油資源のみに由来するPET(以下、石油由来PETという)とが併用されてもよい。但し、石油由来資源の使用量を効果的に削減するためには、ポリエステル樹脂組成物中の全PETに対する植物由来PETの割合は1〜100質量%の範囲であることが好ましく、50〜100質量%の範囲であれば更に好ましい。
【0021】
本実施形態では、ポリエステル樹脂組成物がポリ乳酸を含有することで封入材の電気絶縁性が向上し、封入材が優れた耐トラッキング性及び耐アーク性を発揮する。また、同時に、ポリエステル樹脂組成物の原料として植物資源由来の成分であるポリ乳酸が用いられることで、石油資源の使用量が抑制され、環境保全に寄与する。
【0022】
ポリ乳酸は、例えばトウモロコシなどの天然素材から抽出されるデンプンに由来する乳酸を重合して得られるものであり、乳酸から直接重合する方法と、乳酸を二量化して得られるラクチドを開環重合することで合成する方法がある。
【0023】
ポリ乳酸としては、乳酸の単独重合体と、乳酸と乳酸以外のヒドロキシカルボン酸との共重合体とが挙げられる。ポリ乳酸は乳酸がポリマー化することで得られる。乳酸は、例えばトウモロコシなどの植物に由来するデンプンが発酵することで得られる。
【0024】
乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸、乳酸の二量体であるラクトン等が挙げられる。
【0025】
乳酸と共重合可能な乳酸以外のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。これらのヒドロキシカルボン酸は、一種のみが用いられても、二種以上が併用されてもよい。
【0026】
ポリ乳酸は、実質的に下記式[化1]で表されるL−乳酸単位及びD−乳酸単位からなる。
【0027】
【化1】

【0028】
ポリ乳酸は、乳酸以外の単位を含んでいてもよい。乳酸以外の単位としては、2個以上のエステル結合形成可能な官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等由来の単位、及びこれら種々の構成成分からなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等由来の単位が例示される。
【0029】
ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族多価アルコール等あるいはビスフェノールにエチレンオキシドを付加させたものなどの芳香族多価アルコール等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸として、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。ラクトンとしては、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
【0030】
ポリ乳酸は、公知の方法で製造される。例えば、L−またはD−ラクチドが金属重合触媒の存在下、加熱されて開環重合することで製造される。ポリ乳酸は、金属重合触媒を含有する低分子量のポリ乳酸が結晶化した後、減圧下または不活性ガス気流下で加熱されて固相重合することによっても製造される。さらに、有機溶媒の存在/非存在下で、乳酸が脱水縮合する直接重合法によっても、ポリ乳酸が製造される。
【0031】
重合反応は、従来公知の反応容器を用いて実施可能である。反応容器として、例えばヘリカルリボン翼等の高粘度用攪拌翼を備えた縦型反応器あるいは横型反応器が単独で使用され、または複数が併用される。反応容器は回分式、連続式、半回分式のいずれでもよいし、これらの方式が組み合わされていてもよい。
【0032】
重合開始剤としてアルコールが用いられてもよい。このアルコールは、ポリ乳酸の重合を阻害せず且つ不揮発性であることが好ましい。アルコールとして、例えばデカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノールなどが用いられることが好ましい。
【0033】
固相重合法では、比較的低分子量の乳酸ポリエステルが、プレポリマーとして使用される。プレポリマーは例えば前述したような開環重合法や乳酸の直接重合法によって得られる。プレポリマーは、そのガラス転移温度(Tg)以上融点(Tm)未満の温度範囲に保持されることで予め結晶化されることが、融着防止の面から好ましい。この結晶化されているプレポリマーは固定された縦型或いは横型反応容器、またはタンブラーやキルンの様に容器自身が回転する反応容器(ロータリーキルン等)中に充填され、プレポリマーのガラス転移温度(Tg)以上融点(Tm)未満の温度範囲に加熱される。重合温度は、重合の進行に伴い段階的に昇温させても何ら問題はない。また、固相重合中に生成する水を効率的に除去する目的で前記反応容器類の内部を減圧することや、加熱された不活性ガス気流を流通する方法も好適に併用される。
【0034】
ポリエステル樹脂組成物の耐熱性の向上のために、ポリ乳酸にさらにケイ酸カルシウムが添加されることが好ましい。ケイ酸カルシウムは六方晶結晶を含むことが好ましく、ケイ酸カルシウムの粒子径は小さい方が好ましい。例えば、ケイ酸カルシウムの平均一次粒子径が0.2〜0.05μmの範囲であるとケイ酸カルシウムがポリエステル樹脂組成物に適度に分散して、ポリエステル樹脂組成物の耐熱性が良好になる。また、添加量はポリエステル樹脂組成物を基準として、0.01〜1質量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましいのは0.05〜0.5質量%の範囲である。
【0035】
ポリ乳酸のメルトフローレート(190℃ 2.16kg)は1〜16g/10分の範囲であることが好ましい。この場合、ポリエステル樹脂組成物の成形性(流動性)が特に向上する。
【0036】
ポリエステル樹脂組成物中のポリ乳酸の含有割合は5〜50質量%の範囲であることが好ましい。この含有割合が5質量%であると封入材の絶縁特性が特に向上する。またこの含有割合が50質量%以下であると封入材が冷却固化しやすくなり、冷却時間の短縮が可能となる。
【0037】
ポリエステル樹脂組成物が更にポリブチレンサクシネート(PBS)を含有することも好ましい。PBSは例えばコハク酸とブタンジオールとの脱水重縮合により合成される。ポリエステル樹脂組成物がPBSを含有すると、封入材の引っ張り伸び率が向上し、封入材に荷重がかかった場合の割れ等の破損の発生が抑制される。
【0038】
ポリエステル樹脂組成物がPBSを含有する場合、ポリエステル樹脂組成物中のPBSの含有割合は1〜10質量%の範囲であることが好ましい。この含有割合が1質量%以上であると封入材の引っ張り伸び率が充分に高くなる。またこの含有割合が10質量%以下であると封入材の曲げ強度等の機械強度が良好になる。
【0039】
ポリエステル樹脂組成物が無機充填材を含有することも好ましい。ポリエステル樹脂組成物が無機充填材を含有すると、無機充填材が結晶核剤として作用し、ポリエステル樹脂組成物の結晶加速度が速くなる。このため、ポリエステル樹脂組成物が射出成形される際に冷却時間の短縮化が可能となる。ポリエステル樹脂組成物が無機充填材を含有する場合、ポリエステル樹脂組成物中の無機充填材の含有割合は0.1〜40質量%の範囲であることが好ましい。この含有量が0.1質量%以上であるとポリエステル樹脂組成物の結晶化速度が充分に速くなる。またこの含有割合が40質量%以下であると封入材の良好な外観が維持され、またポリエステル樹脂組成物の溶融粘度の上昇が抑制されて射出成形時の良好な成形性が維持される。
【0040】
無機充填材の具体例としては、タルク、マイカ、ガラス繊維、カーボン繊維等が挙げられる。特にガラス繊維、カーボン繊維等のように繊維状の無機充填材が使用されると、封入材に高い機械強度が付与される。
【0041】
ポリエステル樹脂組成物が相溶化剤を含有することも好ましい。相溶化剤としては例えば日本油脂株式会社製の商品名モディパーA4400等が挙げられる。相溶化剤が使用されると、PBTとポリ乳酸との相溶性が向上し、これにより封入材の強度(曲げ強さ)が向上する。ポリエステル樹脂組成物中の相溶化剤の含有割合は1〜10質量%の範囲であることが好ましく、この場合、封入材の強度が充分に向上する。
【0042】
ポリエステル樹脂組成物は、必要に応じて、臭素化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン等の難燃剤等を含有してもよい。ポリエステル樹脂組成物が臭素化エポキシ樹脂を10質量%以上の含有割合で含有すると、UL94による難燃性試験評価がV−2となる封入材が得られる。また、ポリエステル樹脂組成物が臭素化エポキシ樹脂を10質量%以上の含有割合で含有すると共に三酸化アンチモンを5質量%以上の含有割合で含有すると、UL94による難燃性試験評価がV−0となる封入材が得られる。
【0043】
上記の成分が混合・混練されることでポリエステル樹脂組成物が調製される。すなわち、例えば上記原料成分が配合され、更にミキサー、ブレンダー等で均一に混合され、続いて二軸押出し混練機等で加熱、混練されることで原料成分中の樹脂成分が溶融する。続いて必要に応じて原料成分中にガラス繊維等の無機充填材が配合され、更に混練される。次いで、シリンダー温度240〜260℃程度で混練押出しされることで紐状のストランドが得られる。このストランドが冷却固化された後に切断されることで、ペレット状のポリエステル樹脂組成物が得られる。
【0044】
このポリエステル樹脂組成物が射出成形等により成形されることで封入材が形成される。この封入材はトラッキング性能、アーク絶縁性能が優れていることから、電気・電子部品の封入材として非常に優れた性能を発揮する。
【実施例】
【0045】
各実施例及び比較例につき、下記表に示す原料成分を用意した。その詳細は次の通りである。
・植物由来PET:豊田通商株式会社販売、商品名EastPET PW1、ASTM D6866−11 METHOD Bにより測定される原料のモノエチレングリコール全体に対するバイオモノエチレングリコールの割合18質量%。
・石油由来PET:石油資源のみから合成されたポリエチレンテレフタレート、株式会社クラレ製、品番KL236R。
・PBT:ポリブチレンテレフタレート、三菱レイヨン株式会社製、品番N1300
ポリ乳酸:三井化学株式会社製、品番H−100J。
・PBS:ポリブチレンサクシネート、昭和高分子株式会社製、商品名ビオノーレ #1020。
・ABS樹脂:東レ製、品番ABS 300。
・タルク:林化成製、商品名TTタルク。
・ガラス繊維:日本板硝子製、品番TP−74。
・相溶化剤:日本油脂製、商品名モディパーA4400。
【0046】
これらの原料成分に予め乾燥処理を施した。続いてこれらの原料成分をタンブラーで10分間混合し、続いてこれらをルーダーに通することで、ストランドを得た。ルーダーの温度はダイス付近で230℃、投入口付近で240℃の設定とした。このストランドを直ちに冷却槽で冷却し、続いてこのストランドをカッターで2〜4mmの長さに切断することでペレット状のポリエステル樹脂組成物を得た。
【0047】
このポリエステル樹脂組成物を除湿乾燥機で120℃で4時間加熱することで乾燥させた。続いて100トン射出成形機を用いてポリエステル樹脂組成物を射出成形することで成形品を得た。成形時のシリンダーの温度はヘッド付近で240℃、材料投入口付近で200℃の設定とした。金型温度は80℃とした。
【0048】
得られた成形品について、下記のような評価試験を行った。その結果を下記表に示す。
【0049】
(耐トラッキング性試験)
IEC112の条件に基づき、成形品の耐トラッキング性を測定した。
【0050】
(曲げ強度測定)
ASTM D790の条件に基づき成形品の曲げ強度を測定した。
【0051】
(引張延び率測定)
ASTM D638の条件に基づき成形品の引張伸び率を測定した。
【0052】
(金型冷却時間測定)
成形品を形成するにあたり、その寸法を130mm×12.7mm×3mmとした。また射出成形時において、金型冷却後に2本の突き出しピンを用いて成形品を脱型した。この場合の、脱型時に変形なく脱型が可能となる冷却時間を測定した。
【0053】
(成形品外観観察)
成形品を目視により観察し、下記評価基準にて評価した。
◎…鏡面のような光沢がある。
○…光沢が少なくシボ面のような状態。
△…光沢がなく流れムラがある。
【0054】
以上の結果を下記表に示す。
【0055】
【表1】

【0056】
【表2】

【0057】
各実施例では、植物由来PETを使用することで石油資源を削減しつつ、高い絶縁特性を有し、優れた耐トラッキング性及び耐アーク性を発揮し得る成形品が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリブチレンテレフタレートと、ポリ乳酸樹脂と、ポリエチレンテレフタレートとを含有し、前記ポリエチレンテレフタレートが植物由来原料を含む原料から合成されたポリエチレンテレフタレートを含む電気・電子部品の封入材用ポリエステル樹脂組成物。
【請求項2】
前記ポリエチレンテレフタレートの含有割合が5〜30質量%の範囲である請求項1に記載の電気・電子部品の封入材用ポリエステル樹脂組成物。
【請求項3】
前記ポリブチレンテレフタレートの含有割合が45〜90質量%の範囲である請求項1又は2に記載の電気・電子部品の封入材用ポリエステル樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリ乳酸樹脂の含有割合が5〜50質量%の範囲である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気・電子部品の封入材用ポリエステル樹脂組成物。

【公開番号】特開2013−40255(P2013−40255A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176848(P2011−176848)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】