説明

ポリエーテルケトンケトン繋ぎ層を含む組立品

非晶質ポリエーテルケトンケトンを含む繋ぎ層を使用して、基材を接合させて、ラミネート及びその他の組立品を形成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば複合材料、ラミネート等の組立品(assemblies)における、繋ぎ層(tie layer)としての非晶質ポリエーテルケトンケトンの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
この数十年の間に、異種の材料の多層を含むラミネート、複合材料、及びその他の組立品の設計において、開発努力が非常になされてきた。多くの末端用途においては、単一の材料を用いて所望の構成部品を組み立てるのは困難であるが、その理由は、いかなる公知の単一の材料によっても満たすことができない特別な複数の性能が要求されるからである。例えば、強度と剛性が共に高く、更には耐圧性があり、溶媒/化学薬品抵抗性があり、そして高温において寸法安定性があることを必要とする部品もあり得る。しかしながら、複合材料又はラミネートでの使用が必要とされる異なる層の、層間で直接的な接着性又は接合性を満足のいくように達成するのは極めて困難であるということは、これまでしばしば示されてきた。複合材料の層間での相溶性が乏しいことが、そのような組立品によって表される性能を限定する可能性がある。具体的には、ある種の熱可塑性プラスチック(特に結晶質及び/又は高温熱可塑性プラスチック)は他の材料に対する接着性が乏しく、このことは、そのような熱可塑性プラスチックが異なる物質の表面を十分に濡らすことができず、そのことが、その複合材料を高い性能が要求される環境で使用したときに、層間剥離及び構造的一体性の欠如という問題につながるからだとされてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、複合材料又はラミネートの層の間に良好な接合(性)を確保することによって、そのような困難を回避するための、複合材料、ラミネート等を組み立てる改良された方法が開発できれば、有用であろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によって、第一の基材及び第二の基材を含む組立品であって、非晶質ポリエーテルケトンケトンを含む繋ぎ層が、前記第一の基材と前記第二の基材との間で、かつそれらと接触状態で存在している組立品が提供される。そのような組立品は、非晶質ポリエーテルケトンケトンを用いて一つの基材をコーティングし、次いで、そのコーティングされた基材に他の基材を、そのポリエーテルケトンケトン繋ぎ層を加熱しながら、それら二つの基材を圧接させることによって、接合させることによって調製することができる。別な方法として、共押出しプロセスを利用することもできる。本発明は、一つの基材が、繋ぎ層が存在しない場合には他の基材の表面に完全に満足のいくような接着性を示さない、結晶質及び/又は高温熱可塑性プラスチック例えば結晶質ポリ(アリールエーテルケトン)を含んでいる場合には特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】PEKK及びPEEKを用いてサイジングした繊維の顕微鏡写真であって、それぞれのサイジングの繊維における不良(failure)モードを示す図である。ガラス充填PEKK(左)及びPEEK(右)複合材料サンプルの低温破壊(cryrofracturing)。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明による組立品は、非晶質ポリエーテルケトンケトンを含む繋ぎ層を使用して製造するのが有利である。本発明において使用するのに好適な非晶質ポリエーテルケトンケトンには、次の式I及びII:
−A−C(=O)−B−C(=O)− (I)
−A−C(=O)−D−C(=O)− (II)
[式中、Aはp,p’−Ph−O−Ph−基であり、Phはフェニレン基であり、Bはp−フェニレンであり、そして、Dはm−フェニレンである]によって表される繰り返し単位を含む(好ましくは、実質的にそれらからなるか、又はそれらからなっている)。ポリエーテルケトンケトンの中の式I:式II(T:I)の異性体比を変化させて、非晶質(非結晶質)ポリマーを得る。「非晶質ポリマー」という用語は、本発明の目的においては、示差走査熱量測定(DSC)による結晶融点を示さないポリマーを意味している。
【0007】
ポリエーテルケトンケトンは当業者には周知のものであり、以下の特許に記載された方法を含め、各種適切な重合法を使用して調製することができる:米国特許第3,065,205号明細書;米国特許第3,441,538号明細書;米国特許第3,442,857号明細書;米国特許第3,516,966号明細書;米国特許第4,704,448号明細書;米国特許第4,816,556号明細書;及び米国特許第6,177,518号明細書(すべての目的において、これら特許のそれぞれのすべてを、参考として引用し本明細書に組み入れるものとする)。ポリエーテルケトンケトンの混合物を採用してもよい。
【0008】
具体的には、式I:式IIの比率(当業者によってT/I比と呼ばれることもある)は、そのポリエーテルケトンケトンを調製するために使用する各種のモノマーの相対量を変化させることによって、望むように調節することができる。例えば、ポリエーテルケトンケトンは、塩化テレフタロイルと塩化イソフタロイルとの混合物をジフェニルエーテルと反応させることによって合成すればよい。塩化イソフタロイルの量に対して塩化テレフタロイルの量を増やすと、式I:式II(T/I)の比率が高くなるであろう。一般的に言って、式I:式IIの比率が相対的に高いポリエーテルケトンケトンは、式I:式IIの比率が低いポリエーテルケトンケトンよりも、結晶性が高くなる。約(55:45)〜約(65:35)のT/I比を有する非晶質ポリエーテルケトンケトンが、本発明において使用するには特に適している。
【0009】
適切な非晶質ポリエーテルケトンケトンは市場の供給源から入手可能であって、例えば、Oxford Performance Materials社(Enfield,Connecticut)から商品名OXPEKKとして販売されているある種のポリエーテルケトンケトン(OXPEKK−SPポリエーテルケトンケトンを含む)が挙げられる。
【0010】
繋ぎ層を形成させるために使用されるポリマー組成物には更に、非晶質ポリエーテルケトンケトン以外の成分、例えば安定剤、顔料、加工助剤、充填材等を含んでいてもよい。本発明のある種の実施態様においては、そのポリマー組成物が、非晶質のポリエーテルケトンケトンから実質的になるか、又はそれらからなっている。例えば、そのポリマー組成物が、非晶質ポリエーテルケトンケトン以外のいかなるタイプのポリマーを、全く含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。
【0011】
本発明は、非晶質ポリエーテルケトンケトンを含む繋ぎ層が、第一の基材層を第二の基材層に接着させるために使用される、例えば、フィルム、シート、パイプ及び中空体例えば貯蔵タンクのような多層構造において有用である。したがってその多層構造には、繋ぎ層(T)、繋ぎ層(T)の第一の面(表面)に直接付着された第一の基材層(S1)、及び繋ぎ層(T)の第二の面(表面)に直接付着された第二の基材層(S2)を含み、その繋ぎ層(T)が第一の基材層(S1)と第二の基材層(S2)との間に挟み込まれるようになっていてもよい。言うまでもないことであるが、その組立品の中には、他の基材層の間に位置する1層又は複数の更なる繋ぎ層も含めて、更なる層及び構成成分が存在していてもよい。
【0012】
繋ぎ層によって接合された基材層の一方又は両方を、例えば、シート又は薄膜とすることができる。それらの基材は、各種適切な基材、例えば、金属、プラスチック(熱可塑性又は熱硬化性プラスチック)、セラミック、又はガラス等を含んでいてもよい。その基材が、複合材料、例えばガラス繊維強化プラスチックであってもよい。その薄膜又はシートの厚みは、適切に選択することが可能で、例えば約0.01〜約10mmとすることができる。
【0013】
一つの実施態様においては、第一の基材又は第二の基材のいずれかの内の少なくとも一方が、結晶質(半晶質を含む)及び/又は高温熱可塑性プラスチックを含んでいるが、それは、これらの材料が、各種のタイプの基材表面に対して、完全には満足できない界面接着性を示すことが多いからである。本発明に従った非晶質ポリエーテルケトンケトンの繋ぎ層は、そのような接着性を改良し、それによって、得られた組立品の機械的及びその他の性質を向上させるのに役立つ。適切な結晶質及び/又は高温熱可塑性プラスチックとしては、以下のものが挙げられる(これらに限定される訳ではない):ポリアリールエーテルケトン(例えば、結晶質ポリエーテルケトン(PEK)、結晶質ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、結晶質ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルエーテルケトン(PEEEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルエーテルケトン(PEKEKK)、及びポリエーテルケトンケトンケトン(PEKKK))、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールエーテル、ポリカーボネート、液晶ポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリーレン(ポリフェニレン)、ポリアミド、ポリフタルアミド、ポリ芳香族エステル等。
【0014】
また別な実施態様においては、第一の基材又は第二の基材のいずれかの内の少なくとも一方が、金属質、例えば金属シート、フォイル等である。その基材は、各種適切な金属又は金属合金、例えば鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、金、銀等を含んでいてもよい。
【0015】
その繋ぎ層は典型的には比較的薄く、例えば約1〜約100ミクロンの厚みである。本発明の一つの実施態様においては、第一の基材表面と第二の基材表面との間の界面を、繋ぎ層によって完全に充填するか又は被覆するが、他の実施態様においては、その繋ぎ層が不連続であってもよい。
【0016】
一つの実施態様においては、本発明の組立品を、特にその繋ぎ層よって接合される基材層のいずれもが熱可塑性ポリマーベースの場合には、公知の共押出しプロセスを適合させて製造する。例えば、そのような組立品を製造するために使用する装置は、熱可塑性ポリマーを共押出しする際に一般的に採用される、各種慣用されるか又は標準的な押出機、ダイ、又は流れ分配機(stream distributor)とすることができる。それぞれのポリマー層の厚みはそれぞれの押出機の流速の制御に依存するであろう。一般的には、ダイ及び押出機の温度を、繋ぎ層及び基材層において使用されるポリマーの特性及び性質を基準に選択して、それらの材料が押出加工できるようにするべきである。
【0017】
本発明の組立品を押出加工して、各種の慣用される形状、例えば、フィルム、プレート、シート、チューブ、その他慣用的に共押出しによって得ることが可能な各種の形状とすることができる。
【0018】
本発明に関連して、圧縮成形法、間欠式マッチドダイ圧密化法、ダブルベルトプレス圧密化法、コンポジットロール成形法、トランスファー成形法、更にはその他類似の方法を用いることも可能である。例えば、その組立品を、第一の基材と第二の基材との間に、構成物において所望の繋ぎ層に相当するシート又はフィルムを置き、そうして得られた「サンドイッチ」を、それらの層の内の少なくとも1層を軟化させてそれを流動させ、隣接する層に密接に接触させて、それにより、その組立品を冷却したときに接着性接合が形成されるような温度に加熱することによって調製することができる。典型的には、その「サンドイッチ」に圧力をかけて、繋ぎ層と基材層との間で達成される接着の程度を向上させるのが望ましいであろう。組立品の熱成形を実施して、特に希望する形状又は外形を得ることも可能である。
【0019】
更に別な実施態様においては、その組立品を、本発明による繋ぎ層を第一の基材にまず接着させることによって成形してもよい。このことは、例えば、繋ぎ層と第一の基材とを共押出加工するか、又は加熱しながら繋ぎ層のシートと第一の基材のシートとを合わせて加圧するか、又は第一の基材の上に繋ぎ層を押出加工するかによって達成すればよい。そうして得られた繋ぎ層/第一の基材の半組立品を、次いで第二の基材と接合させることができるが、それには、その第二の基材を繋ぎ層のもう一方の側と接触させ、十分な熱と圧力をかけて、その繋ぎ層と第二の基材の表面との間に所望の程度の接着性を作り出す。オーバーモールド成形法又は押出成形法を使用してもよい。例えば、繋ぎ層/第一の基材の半組立品を、型の中に配置し、加熱したポリマー組成物(所望の第二の基材の組成物に相当するもの)をその型の中に導入して、その繋ぎ層の利用可能な表面の少なくとも一部と接触できるようにする。所望により、そのオーバーモールド成形条件を選択して、その繋ぎ層/第一の基材の半組立品が、そのようなオーバーモールド成形の間に変形するようにしてもよい(例えば、半組立品を加熱成形してもよい)。別な方法として、その繋ぎ層の表面の上にコーティングとして、加熱したポリマー組成物を押出成形して、第二の基材層を形成させてもよい。
【0020】
更に別な実施態様においては、繋ぎ層の溶融物を、第一の基材層と第二の基材層の予備成形したシートの間に、押出加工してもよい。これは、その2枚のシートを積層する直前に実施するべきである。
【0021】
繋ぎ層は、非晶質ポリエーテルケトンケトンの溶液を基材の表面に適用し、水で溶媒を除去することによって形成させてもよい。非晶質ポリエーテルケトンケトンに適した溶媒は、当業者に公知であり、例えば以下のものが挙げられる:ハロゲン化炭化水素(特に塩素化炭化水素、例えばo−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、塩化メチレン、及びテトラクロロエチレン)、ニトロベンゼン、及び水性鉱酸(例えば、硫酸及び/又は硝酸)。溶媒は、各種適切な方法、例えば加熱及び/又は真空の適用等によって、コーティングした基材から除去すればよい。
【0022】
本発明により調製した組立品は、そのようなラミネート又は複合材料が従来から採用されてきたか、又は採用することが提案されていたような各種の末端用途において使用することができる。代表的な用途としては、以下のもののための複合材料及びラミネート(二次元及び三次元パネル及びシートを含む)が挙げられる:宇宙船/航空機、自動車及びその他の車両、ボート、機械部品、重機(heavy equipment)、貯蔵タンク、パイプ、スポーツ用具、工具、バイオメディカルデバイス(人体に移植するためのデバイスを含む)、建築部材、風力発電用ブレード(wind blade)等。非晶質ポリエーテルケトンケトンをベースとした繋ぎ層なしで調製した組立品に比較して、本明細書に記載の本発明は以下の利点を有している:より高い引張強度、より高い圧縮強度、より高い剥離強度、溶媒、化学薬品及び水に対するより高い抵抗性、ならびに改良された層間剥離抵抗性。
【実施例】
【0023】
実施例1:PEKKフィルムの製造;
非晶質ポリエーテルケトンケトンであるA−PEKK(OXPEKK SP、Oxford Performance Materials製、T/I比=60/40)の薄膜を、12インチのフィルムダイを取り付けた1インチの製品名Davis Standard押出機を用い、A−PEKKのペレットを溶融加工することによって製造した。ポリマーは、比較的に低いスクリュー速度(20〜80RPM)を用い、315〜325℃で加工した。押出機には、150℃で運転されるDavis Standard社製の標準キャストフィルム引取りスタックを取り付けた。
【0024】
T/I比が70/30又はそれ以上の結晶質グレートのフィルムも可能ではあるが、製造するのがより困難である。これらのフィルムを急速に冷却して結晶化させるには、より高い押出機温度及び溶融温度(365〜375℃)、ならびに引取り装置でのより高い温度(220〜250℃以上)が必要である。
【0025】
実施例2:繋ぎ層としてPEKKを使用したラミネート化材料の製造及び試験;
試験サンプルは、1インチ×5インチの金属若しくはガラスのストリップ(表1参照)及び実施例1に記載のプロセスによって成形した1インチ×1インチ×0.07インチのPEKKのシートからなっていた。試験サンプルの表面は、成形より前にアセトンを用いてきれいにして、グリース又は油を除去した。それらのサンプルを、製品名Carverプレス及び試験サンプルを保持するための1インチ×5インチの小さな窪みを有する2枚の12インチ×12インチのアルミニウムブロックを使用して、圧縮成形した。そのプレスの型は、220〜230℃(A−PEKKシートの場合)又は260〜290℃(結晶質PEKKの場合)に予備加熱しておいた。予備加熱した後で、その型をプレスから抜き出し、その試験シートと1インチ×1インチのPEKKシートとを、接合表面を汚染しないように注意深く組み立てて3層構造とした。その構成は、適切な試験材料の2枚のシートの間の1枚のPEKKシートからなっていた。次いでその型を再び組み立てて、プレスに戻し、約1分間で試験温度にまで再加熱した。次いでその組立品を、2000psiで5分間加圧してから、取り出し、50%の相対湿度で少なくとも24時間室温に放置してから、接合強度の試験を行った。
【0026】
接合強度は、製品名Zwick−Roell Z050引張試験機を使用し、ASTM D3528−96(2008)「Standard Test Method For Strength Properties Of Double Lap Shear Adhesive Joints By Tension Loading」と同様の方法を使用し、1.27mm/分のクロスヘッド速度で評価した。それらの結果を以下の表1及び表2に示す。
【0027】
【表1】

【0028】
【表2】

【0029】
他の同一高温ポリマーに対してPEKKが与える改良された接着性の説明;
ポリエーテルエーテルケトンは、PEKKと類似の構造及び使用温度を有するポリマーではあるが、しかしながらイソフタレートを全く含まない純粋なパラ構造をもって製造されている(すなわち、T/I=100)。図の顕微鏡写真では、PEEKは、低温破壊をさせたときに繊維がマトリックスから引き抜かれているので、ガラス繊維に対してPEEKが、はるかに低い接着性を有しているが、その一方で、PEKKを用いて作成したサンプルの顕微鏡写真では、繊維が引き抜かれてはおらず、PEKKがまだ繊維に付着していることが示されている。図からもわかるように、PEKK複合材料の場合の不良は、その不良がPEKKマトリックスの中にあるので、凝集性である。この場合の破断面は、繊維とPEKKマトリックスとの間で効果的な荷重伝達が起きた結果として生じた顕著な延性を示している。それとは対照的に、PEEK系における不良は、繊維が明らかにマトリックスから引き抜かれているので、接着性である。その破断面は、明らかな脆性破断プロセスを示していて、この場合、繊維とマトリックスとの相互作用が効果的ではないということを示唆している。この系においては、荷重伝達が有効であるとの期待はできない。凝集性不良によって試験片を破壊するエネルギーは、マトリックスそのものの強度に依存し、一般的には、接着性不良よりも高いとみなされている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の基材及び第二の基材を含む組立品であって、非晶質ポリエーテルケトンケトンを含む繋ぎ層が、前記第一の基材と前記第二の基材との間で、かつそれらと接触状態で位置している、組立品。
【請求項2】
前記第一の基材が、前記繋ぎ層と接触状態にある、ガラス、プラスチック、セラミック、及び/又は金属を含む表面を有している、請求項1に記載の組立品。
【請求項3】
前記第二の基材が、結晶質及び/又は高温熱可塑性プラスチックを含む前記繋ぎ層と接触状態にある表面を有している、請求項1又は2に記載の組立品。
【請求項4】
前記第一の基材が金属質であり、そして前記第二の基材が、結晶質及び/又は高温熱可塑性プラスチックを含む、請求項1〜3いずれか1項に記載の組立品。
【請求項5】
前記繋ぎ層の厚みが約1〜約100ミクロンである、請求項1〜4いずれか1項に記載の組立品。
【請求項6】
前記非晶質ポリエーテルケトンケトンが、式I及びII
−A−C(=O)−B−C(=O)− (I)
−A−C(=O)−D−C(=O)− (II)
[式中、Aはp,p’−Ph−O−Ph−基であり、Phはフェニレン基であり、Bはp−フェニレンであり、そして、Dはm−フェニレンである]
で表される繰り返し単位を含む、請求項1〜5いずれか1項に記載の組立品。
【請求項7】
前記非晶質ポリエーテルケトンケトンが、約(65:35)から約(55:45)までのT:I比を有する、請求項1〜6いずれか1項に記載の組立品。
【請求項8】
前記第一の基材及び前記第二の基材がシートの形態である、請求項1〜7いずれか1項に記載の組立品。
【請求項9】
前記第二の基材が、PEK、PEEK、PEEEK、PEEKK、PEKEKK、及びPEKKKからなる群から選択される結晶質ポリ(アリールエーテルケトン)を含む前記繋ぎ層と接触状態にある表面を有する、請求項1〜8いずれか1項に記載の組立品。
【請求項10】
組立品を作成するための方法であって、非晶質ポリエーテルケトンケトンを含む繋ぎ層を使用して第一の基材を第二の基材と接合することを含む、方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−516797(P2012−516797A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549245(P2011−549245)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/023131
【国際公開番号】WO2010/091136
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(500307340)アーケマ・インコーポレイテッド (119)
【住所又は居所原語表記】900 First Avenue,King of Prussia,Pennsylvania 19406 U.S.A.
【Fターム(参考)】