説明

ポリエーテルポリオールの製造方法

【課題】 テトラヒドロフランと該テトラヒドロフランと共重合可能な他の環状エーテルとの混合物を、触媒の存在下、開環重合反応を行うことによりポリエーテルポリオールを得るにあたり、生産性が低下させずに、着色が改善されたポリエーテルポリオールを工業的に有利に製造する方法を提供する。
【解決手段】 該テトラヒドロフランと共重合可能な他の環状エーテル中に含有する炭素数1〜5のケトン類の濃度が500重量ppm以下であることを特徴とするポリエーテルポリオールの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状エーテルからポリエーテルポリオールを製造する方法に関し、より詳細には、テトラヒドロフランを使用して、開環重合反応を行うことにより、ポリエーテルポリオールを製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テトラヒドロフラン(以下、「THF」と略記することがある。)と共重合可能な環状エーテルとして、3−メチルテトラヒドロフラン(以下、「3−MeTHF」と略記することがある。)があり、原料のTHFを開環重合反応させてポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、「PTMG」と略記することがある。)を製造する際に、原料のTHFに3−MeTHFを混ぜて開環重合させ、THFと3−MeTHFとが共重合体したPTMGを得ることができる。
【0003】
THFと3−MeTHFとが共重合体したPTMGを、スパンデックスの原料として用いると、そのスパンデックスからなる繊維は、ソフト性、伸び、ヒートセット効率および湿熱クリープの特性に優れていることが知られている(特許文献1)。
PTMGを製造する方法としては、例えば、THF或いはこれと共重合可能な他の環状エーテルとの混合物をフルオロ硫酸などの均一系触媒の存在下で開環重合反応を行うことによって得られるポリエーテルを加水分解してPTMGを製造する方法がある(例えば、特許文献2)。
【0004】
この方法では、加水分解反応後に得られるPTMGや共重合ポリエーテルポリオールを含む反応液を中和するために、固体のアルカリを反応液に添加して反応液を中和する。その際に、生成した塩や固体のアルカリをろ過によって反応液から除去したのち、製品であるPTMGや共重合ポリエーテルポリオールを回収する。
また、開環重合反応によりPTMGを得る別の方法として、THF或いはこれと共重合可能な他の環状エーテルからゼオライト等の固体酸触媒の存在下で開環重合反応を行い、得られるポリエーテルを、アルコリシス反応によりPTMGとする方法がある(例えば、特許文献3)。
【0005】
このような開環重合反応によりPTMGを得る方法において、原料として用いるTHF又はTHFと共重合可能な他の環状エーテル中に、ジヒドロフラン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、アクロレイン等の炭素数1〜5のアルデヒド類が含まれると得られるPTMGの酸価上昇や着色などが発生することが知られている(例えば特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2−19511号公報
【特許文献2】特開昭63−008972号公報
【特許文献3】特開平7−228684号公報
【特許文献4】特開2002−234883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、炭素数1〜5のアルデヒド類の濃度を低減したTHF又はTHFと共重合可能な他の環状エーテルを用いてPTMGを製造しても、PTMGの着色が発生したり
、更には、PTMGの製造する工程で、目的生成物であるPTMGを反応液から回収する際に、効率よく回収することができずに、生産性が低下するという問題があった。
そこで、本発明では、THFと、該THFと共重合可能な他の環状エーテルとの混合物を、触媒の存在下、開環重合反応を行うことによりポリエーテルポリオールを得るにあたり、生産性が低下させずに、着色が改善されたポリエーテルポリオールを工業的に有利に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、原料として用いるTHFと共重合可能な他の環状エーテル中に、炭素数1〜5のケトン類が含まれていると、開環重合反応により得られた反応液から目的生成物のポリエーテルポリオールを回収するのが遅くなったり、また得られるポリエーテルポリオールの着色が発生することを見出した。そして、炭素数1〜5のケトン類を、ある一定の量とすることで、生産性が低下させず、且つ、着色の無いポリエーテルポリオールを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明の要旨は、以下の[1]〜[6]に存する。
[1]テトラヒドロフランと、該テトラヒドロフランと共重合可能な他の環状エーテルとの混合物を用いて、触媒の存在下、開環重合反応を行うことによりポリエーテルポリオールを含む反応液を得た後、該反応液からポリエーテルポリオールを分離するポリエーテルポリオールの製造方法において、該テトラヒドロフランと共重合可能な他の環状エーテル中に含有する炭素数1〜5のケトン類の濃度が500重量ppm以下であることを特徴とするポリエーテルポリオールの製造方法。
[2]前記開環重合反応を行う前に、予め前記テトラヒドロフランと共重合可能な他の環状エーテル中の炭素数1〜5のケトン類の濃度を500重量ppmとする工程を更に有することを特徴とする[1]に記載のポリエーテルポリオールの製造方法。
[3]前記炭素数1〜5のケトン類の濃度を、油水分離、蒸留又は水添処理により、500重量ppm以下とすることを特徴とする[2]に記載のポリエーテルポリオールの製造方法。
[4]前記テトラヒドロフランと共重合可能な他の環状エーテル中の炭素数1〜5のケトン類と炭素数1〜5のアルコール類の濃度の合計が600重量ppm以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエーテルポリオールの製造方法。
[5]前記触媒が、均一系触媒又は固体触媒であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のポリエーテルポリオールの製造方法。
[6]前記ポリエーテルポリオールを含む反応液を得た後、該ポリエーテルポリオールを含む反応液をろ過する工程を更に有する[1]〜[5]のいずれかに記載のポリエーテルポリオールの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、THFと該THFと共重合可能な他の環状エーテルを触媒の存在下、開環重合反応を行うことによりポリエーテルポリオールを製造する際に、生産性を低下させずに効率よく製造でき、且つ、得られるポリエーテルポリオールの着色を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1、実施例2及び比較例1のろ過経過時間に対するろ過清澄液重量の推移を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の共役ジエンの製造方法の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に限定されない。
本発明で用いられるTHFは、公知の方法により製造することができるが、例えば、フランの接触水素添加、1,4−ブタンジオールの脱水環化、1−アセトキシ−4−ヒドロキシブタンの脱酢酸環化等の方法により得ることができる。また、本発明で使用されるTHF中には、主成分であるTHF以外の不純物を含んでいてもよく、具体的に、例えば、水、アルデヒド類、アルコール類などが挙げられる。
【0012】
本発明で用いられるTHFと共重合可能な他の環状エーテルとしては、通常、炭素数2〜10のTHF以外の環状エーテルが上げられ、具体的にはエチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、プロピレンオキサイド等の三員環エーテル、オキサシクロブタン、3,3-(ロルメチル)オキサシクロクロブタン等の四員環エーテル、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン(3−MeTHF)、2,5-ジヒドロフラン等の
五員環エーテルなどが挙げられる。この中でも好ましくは、2−メチルテトラヒドロフラン、3−MeTHF、2,5-ジヒドロフラン等の五員環エーテルが好ましく、特に3−
MeTHFが好ましい。なお、3−MeTHFを得る方法としては、特に限定されないが、例えば、2−メチル−γ−ブチロラクトンの水素化反応により3Me―THFを得る方法、1,4−ブテンジオールのヒドロホルミル化と水素添加反応を行うことにより3Me−THFを得る方法、2−メチル−1,4−ブタンジオールを酸触媒の存在下で環化脱水反応を行うことにより3−MeTHFを得る方法などがある。
【0013】
本発明において、THFと共重合可能な他の環状エーテル中に含まれる炭素数1〜5のケトン類濃度を規定することを特徴とするが、炭素数1〜5のケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルビニルケトン、エチルビニルケトンなどが挙げられ、この中でも、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトンなどの炭素数3〜5のケトン類が好ましく、特にメチルエチルケトン又はメチルビニルケトンである。
【0014】
また、本発明のTHFと共重合可能な他の環状エーテル中の該炭素数1〜5のケトン類の濃度は、500重量ppm以下であり、好ましくは、300重量ppm以下、更に好ましくは、100重量ppm以下である。この値が小さくなるほど、生産性低下抑制およびPTMGの着色が低減される傾向にある。一方、THFと共重合可能な他の環状エーテル中の炭素数1〜5のケトン類の濃度の下限値は、特に限定されないが、通常は10重量ppm、好ましくは50重量ppmである。この値が小さすぎると、THFと共重合可能な他の環状エーテルを製造する際の精製によるロスなどが増加し、生産性が低下してしまう。
【0015】
上記炭素数1〜5のケトン類以外にも、本発明の効果を阻害しない範囲で、THFと共重合可能な他の環状エーテル中に他の化合物を含んでいてもよく、具体的には、水、アルコール類、アルデヒド類、又はフラン類などが挙げられる。この化合物の濃度としては、特に限定されないが、通常、1〜500重量ppmであり、好ましくは、1〜100重量ppmである。この濃度が大きすぎると、触媒の劣化が一部進行する傾向にあり、一方で、この値が小さすぎると、THFと共重合可能な他の環状エーテルを製造する際に行う精製する際に必要とするエネルギーコストが増加し、生産性が低下してしまう。また、THFと共重合可能な他の環状エーテル中に炭素数1〜5のケトン類以外の化合物として、アルコール類を含む場合、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、イソプロパノール、イソブタノール、イソペンチルアルコール、tert-ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
グリコールなどの炭素数1〜5のアルコール類が好ましく、中でも、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、イソプロパノール、イソブタノール、イソペンチルアルコール、tert-ブチルアルコールなどの炭素数3〜5のアルコール類がよ
り好ましい。このとき、炭素数1〜5のケトン類と炭素数1〜5のアルコール類の濃度の
合計が、600重量ppm以下であることが好ましく、200重量ppm以下であることが更に好ましい。この濃度が小さくなるほど、生産性低下抑制およびPTMGの着色が低減される傾向にある。
【0016】
本発明では、開環重合反応を行う前に、予めTHFと共重合可能な他の環状エーテル中の炭素数1〜5のケトン類の濃度を500重量ppm以下とする工程を有することが好ましい。この工程を経て得られるTHFと共重合可能な他の環状エーテルを、THFと混合して開環重合反応の原料として供することができる。
この工程において、炭素数1〜5のケトン類の濃度を調整する方法は特に限定されないが、例えば、炭素数1〜5のケトン類をTHFと共重合可能な他の環状エーテルに添加して濃度を上げる方法や、THFと共重合可能な他の環状エーテルに水を添加して油層と水層に2層を形成させ、炭素数1〜5のケトン類を水層に溶解させた後、この水層を分離して、該環状エーテルを主成分として含む油層を回収することで濃度を低減する、油水分離による方法や、蒸留によって炭素数1〜5のケトン類を分離除去することで濃度を低減する方法や、炭素数1〜5のケトン類を触媒により水添反応を行うことで対応するアルコール類に変換し濃度を低減する水添処理による方法などがある。
【0017】
これらの方法を組み合わせて、THFと共重合可能な他の環状エーテル中の炭素数1〜5のケトン類の濃度を500重量ppm以下とすればよいが、好ましくは、油水分離、蒸留又は水添処理である。また、THFと共重合可能な他の環状エーテルを製造する際に、反応条件を調整して炭素数1〜5のケトン類の選択率を下げることでも、炭素数1〜5のケトン類の濃度を調整することができる。
【0018】
油水分離による方法を行う場合は、添加する水の量は上記環状エーテルに対して、重量比率で5wt%以上、好ましくは、30wt%である。また、一回目の油水分離により得られる油層に対して、同様に油水分離をおこなうことで、より炭素数1〜5のケトン類を除去することができる。また、3−MeTHFを回収する油層部にも溶解度分の水が残存しているため、蒸留により脱水除去する、あるいはモレキュラーシーブなどの脱水剤を使用する、あるいはこれらの併用などを行う。
【0019】
本発明におけるTHFと該THFと共重合可能な環状エーテルとの混合物中のTHFと該THFと共重合可能な環状エーテルの割合は、通常、重量比で90:10〜50:50であり、好ましくは、90:10〜70:30、更に好ましくは、80:20〜70:30である。
本発明で使用する触媒としては、THFと該THFと共重合可能な他の環状エーテルとを開環重合反応を行うことによりポリエーテルポリオールを生成することができる触媒であれば特に限定されない。触媒の使用形態としては、均一系でも不均一系の触媒でもどちらでも良く、回分反応によりポリエーテルポリエールを生成する場合は均一系触媒が好ましく、連続反応によりポリエーテルポリオールを生成する場合は不均一系触媒が好ましく用いられる。
【0020】
本発明で使用する均一系触媒としては、特に限定されないが、発煙硫酸、ハロゲン化水素酸、ヘテロポリ酸、及びフルオロ硫酸(以下、「FSA」と略記する)からなる群より選ばれる群からなる一種類以上の強酸触媒が挙げられ、好ましくは、ヘテロポリ酸、又はFSAであり、更に好ましくは、FSAである。
本発明において、均一系触媒を用いる場合の反応形式は管型反応器、槽型反応器のいずれでも良く、回分型、連続流通のいずれでも良い。
【0021】
上記開環重合触媒として用いる均一系触媒の濃度は限定されるものではない。通常使用される範囲の例を示すと、フルオロ硫酸の場合、使用量はTHFと該THFと共重合可能
な他の環状エーテルの合計に対して、1重量%〜20重量%の範囲が好ましい。これらの
開環重合触媒の濃度は要求されるポリエーテルポリオールの分子量などにより適宜選択される。
【0022】
上記均一系触媒を用いた重合時の反応温度は通常0〜200℃の範囲で選択でき、好ましくは10〜80℃、より好ましくは20〜60℃である。反応圧力は、常圧〜10MPaの範囲で選択でき、好ましくは常圧〜5MPaの範囲である。反応時間は特に制限はないが、0.1〜20時間が好ましく、より好ましくは0.5〜15時間である。なお、連続流通反応である場合は、この反応時間は滞留時間を意味する。
【0023】
本発明で使用する不均一系触媒としては、特に限定されないが、通常は固体触媒を使用する。固体触媒の中でも、金属酸化物を含有する固体酸触媒が好適に用いられる。金属酸化物は一種類の金属からなる酸化物であっても、二種類以上の金属からなる複合金属酸化物であってもよい。
この金属酸化物に含有される金属としては、特に限定されないが、周期表第3〜4族、及び13〜14族の金属元素から選ばれる一種類以上の金属元素が好適に使用される。
【0024】
一種類の金属からなる酸化物としては、例えば、酸化イットリウム、酸化チタン、ジルコニアアルミナ、シリカなどが挙げられ、複合金属酸化物としては、例えば、ジルコニアシリカ、ハフニアシリカ、シリカアルミナ、ゼオライト、チタニアシリカ、チタニアジルコニア等が挙げられる。また、これらの金属酸化物に更に他の金属元素を含有していてもよい。
【0025】
また、モリブデン、バナジウム、タングステン等の金属をオキソ酸として、そのオキソ酸の中心を形成するヘテロ元素としてケイ素、リン、ヒ素を組み合わせたヘテロポリ酸を担体に固定化した触媒を選択することができる。
上記、固体触媒を用いる場合の反応形式は固定床と懸濁床のいずれでも良い。また、バッチ反応と連続流通反応のいずれでも良く、特に懸濁床連続流通反応が好ましい。この懸濁流通反応での触媒の使用量は、THFと該THFと共重合可能な他の環状エーテルの合計に対して、通常は0.1〜100重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0026】
また、本発明では、固体触媒と共に酸無水物を使用することにより、ポリエーテルポリオールの分子量分布を調整し易い等の利点がある。この酸無水物としては無水酢酸、無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等のカルボン酸無水物が挙げられ、特に無水酢酸が工業的に安価で入手しやすい点から好ましい。このカルボン酸無水物の使用量は、THFと該THFと共重合可能な他の環状エーテルの合計に対して、通常は0.1〜100重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。ただし、この無水物を使用した場合は、生成したポリエーテルポリオール中間体は末端がカルボン酸とのエステル基を有しているため、アルコールにより末端を水酸基に変換してポリエーテルポリオールを得る。
【0027】
上記、不均一系触媒を使用する場合、反応温度は通常0〜200℃の範囲で選択でき、好ましくは10〜80℃、より好ましくは20〜60℃である。反応圧力は、常圧〜10Mpaの範囲で選択でき、好ましくは常圧〜5Mpaの範囲である。反応時間は特に制限はないが、0.1〜20時間が好ましく、より好ましくは0.5〜15時間である。なお、連続流通反応である場合は、この反応時間は滞留時間を意味する。
【0028】
このようにして、上記均一系触媒を用いた開環重合反応によって得られるポリエーテルポリオールを含む反応液中のポリエーテルポリオールの中間体を加水分解反応により最終
製品であるポリエーテルポリオールとすることができる。加水分解反応の条件は、公知の方法に記載されているものと同様の条件で行えば良く、通常、ポリエーテルポリオールの中間体を80℃〜120℃の温度で数時間加熱することによって行われる。なお、加水分解反応時に添加する水の量は、開環重合反応時に使用する開環重合触媒の量、加水分解の条件およびアルカリの添加量により、適宜決めることができる。
【0029】
この加水分解反応を行った後、ポリエーテルポリオールを含む反応液を、油水層分離、塩基によるpH調整(中和処理)、未反応原料の分離回収、脱水処理、又は製品中に残存する塩基あるいは中和塩などの固形物を濾過分離する工程を有していても良い。以下にこれらの工程の詳細について説明する。
上記均一系触媒を用いた開環重合反応によって得られるポリエーテルポリオールの中間体を加水分解してポリエーテルポリオールを生成するが、この加水分解時に水と共に残触媒を全量あるいは一部中和する中和処理の工程を有していても良い。均一系触媒が強酸触媒の場合、この触媒を中和するのに必要なアルカリの量は、重合反応に使用した触媒を中和できる量であれば、特に限定されないが、通常、触媒を中和するのに必要な量の25重量%以上、好ましくは33重量%以上で、且つ加水分解反応系のpHが3以上、好ましくは7以上、特に好ましくは8以上となるようにアルカリを使用して中和する。上記の中和で使用するアルカリとしては、特に限定されないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物や水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムなどのアルカリ土類金属水酸化物やアンモニア等が挙げられ、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムである。
【0030】
加水分解反応後に得られるポリエーテルポリオールを含む反応液は主として水層と油層に層分離し、油層部に主成分として加水分解反応で生成されるポリエーテルポリオールを含む層を回収することができる。尚、前述した水と共に塩基を接触させることで、この層分離をより効率よく行うことができる。
上記加水分解で得られるポリエーテルポリオールを含む反応液からポリエーテルポリオールを回収する方法としては、例えば次のように行うことで回収することができる。すなわち、上述のようにポリエーテルポリオールを含む反応液が油層と水層に層分離した後、油層を回収した後、必要であれば回収したその油層に更に塩基を加えて中和処理を行う。その後、油層中の未反応の環状エーテルは未反応原料の分離回収工程により分離回収される。具体的には蒸留で分離回収できる。なお、この油層中に残る水分は、更に減圧あるいは常圧蒸留で除去してもよいが、この蒸留操作以前に脱水蒸留をより効率よく行うために、トルエンなどの水よりも高沸点の溶媒を加えて脱水処理を行っても良い。ここで添加する溶媒は、水よりも高沸点あるいは水と共沸組成を形成する溶媒が好ましく、好ましくはトルエン、キシレン、デカン、ドデカン、オクタンなどである。
【0031】
加水分解反応時、あるいは油水層分離によって発生する油層の回収後に行う中和処理により、油層中に塩および残固体塩基が発生するため、ポリエーテルポリオールを主成分として含有する反応液、あるいは油層をろ過分離する工程を設けることが好ましい。この工程により該油層から塩および残固体塩基を分離することが可能となる。
このろ過分離する工程において、ろ過を行う際はフィルターを使用することが好ましい。中和処理により生成した塩および残固体塩基の濾過は、生成塩および固体アルカリを効率よく除去すらため、フィルターのメッシュ(目開き)は、0.1μm〜10μmのものであればよく、好ましくは0.5μm〜2μmである。更に、生産性を挙げるために0.1MPa以上で加圧濾過する事が好ましく、0.2MPaから1.0MPaの範囲が特に好まし
い。また、上記加圧濾過時に、セライト(珪藻土)、パーライトなどの粉状の濾過剤を使用でき、特にセライト(珪藻土)が好ましい。上記濾過剤の添加量は濾過が必要な量の0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上である。
【0032】
該油層と分離した水層は、水層中に溶解している未反応環状エーテルを蒸留などにより回収した後、中和処理などの排水処理を行って廃棄してもよい。ここでの油層の中和、水層の中和処理に使用する塩基は好ましくは水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物や水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムなどのアルカリ土類金属水酸化物やアンモニア等が挙げられる。
【0033】
なお、上述したように、本発明では、上記不均一系触媒を用いて開環重合反応を行ってもよいが、その反応によって得られるポリエーテルポリオールを含む反応液中のポリエーテルポリオールの中間体はポリエーテルポリオールのジ酢酸エステル体であり、低級脂肪族アルコールと混合し、エステル交換触媒の存在下でアルコリシス反応によりエステル交換し、最終製品のポリエーテルポリオールに変換する。ここで用いる低級脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の炭素数1から4のアルコールが好ましく、特にメタノール、エタノール、プロパノールが好ましい。アルコールの添加量はポリエーテルポリオール中間体に対して50〜500重量%の範囲が好ましく、特に100〜300重量%の範囲が好ましい。アルコールが少ないと粘土が高く反応が遅くなり、多すぎると反応器の容量が大きくなり、また過剰アルコールの除去に費用がかかるため、生産性の悪化につながる。また、上記アルコリシス反応に用いる触媒として、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ルビジウム等のアルカリ金属アルコキシドが用いられ、中でもナトリウム、カリウムのアルコキシドが好ましい。具体例としてはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムイソプロポキシドが好ましい。上記金属アルコキシドはポリエーテルポリオール中間体に対して、50〜2000重量ppmが好ましく、100〜500重量ppmの範囲が特に好ましい。アルコリシス反応は常圧または加圧の条件で行う事ができ、圧力は0.1〜2.0MPaが好ましく、1.0〜1.5MPaの範囲が特に好ましい。反応温度は60〜180℃の範囲が好ましい。
【0034】
アルコリシス反応後の反応液中には金属アルコキシドが残存するため、イオン交換処理により除去する工程を有していても良い。用いるイオン交換樹脂はスルホン酸基を有する強酸性イオン交換樹脂が好ましく、具体例としては三菱化学社製陽イオン交換樹脂「SK1BH−H」、「SK110−H」、「PK216−H」、「PK220−H」等が挙げられる。処理形態は、回分式、流通式のいずれでも良いが固定床装置を用いる流通式が好ましい。上記イオン交換樹脂処理を行う際に、反応液の水分含有量を0.5〜10重量%の範囲、好ましくは1〜5重量%の範囲で調整する事がイオン交換処理の負荷を小さくする点で好ましい。反応温度は30〜60℃の範囲が好ましく、40〜50℃の範囲が特に好ましい。反応時間は、0.1〜5時間の範囲が好ましく、0.2〜2時間の範囲が特に
好ましい。尚、流通式を用いる際は、上記反応時間は滞留時間を意味する。その後、残存するアルコールおよび水分を減圧あるいは常圧蒸留により分離し、ポリエーテルポリオールを得る。
【実施例】
【0035】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[調整例1]
3−メチルテトラヒドロフランの精製
表1に示す組成の3−MeTHF300gを、棚段10段(実段)、内径35mmのオルダーショウの蒸留塔を使用して、塔圧730mmHg、温度100℃の条件で還流比を10として約3時間蒸留し、塔頂から3−MeTHFよりも沸点の低いケトン成分を濃縮して75gを留出させて軽沸留去した後に、塔底液から表2に示す組成を持つ精製3−MeTHFを225g得た。
【0036】
【表1】

【0037】
【表2】

【0038】
[調整例2]
3−メチルテトラヒドロフランの精製
ガラス製500mlコルベンの単蒸留装置を用いて、釜に2−メチルブタンジオール(東京化学工業(株)製)300gと酸触媒としてpートルエンスルホン酸一水和物(和光
純薬工業(株)製:型番207−13402)3gを投入した後に、常圧および温度120℃で加熱した。この際、酸触媒により2−メチルブタンジオールが環化脱水して等モルの3−MeTHFと水が生成する。また、生成した3−MeTHFと水は単蒸留により留出するため、1時間加熱する事で留出側より3−MeTHF220gと水46gを回収し
た。
【0039】
この混合物は容易に二層分離するため、ガラス製分液ロートを使用して油水分離を行い、油相のみを回収した。この時、油相には3−MeTHF216gと溶解度分の水13gが含まれていた。次にこの混合物棚段10段(実段)、内径35mmのオルダーショウの蒸留塔を使用して塔圧730mmHg、温度100℃の条件で還流比(焚き上げ量に留出量を除した値)を10として1時間蒸留した。この時留出側からは3−MeTHF83gと水
13gを得た。次に、同条件で本留に切り替えて30分蒸留し、水分100重量ppm以下の表3に示す組成を持つ精製3−MeTHF50gを得た。
【0040】
【表3】

【0041】
[実施例1]
PTMGの製造
ガラス製重合槽に調整例1で得られた表2の組成の3−MeTHF162gとTHF438gとを混合した。なお、この混合物に、触媒としてフルオロ硫酸を19.2g添加して35℃で4.5時間加熱し、開環重合反応を行った。
【0042】
開環重合反応を終了した後、脱塩水を750g仕込んだハステロイ製加水分解槽に反応液を投入し、85℃で2時間加水分解させた。次に、分液剤として消石灰2gと脱塩水24gを添加して50分間静置した後に水相を抜き出した。残った油相に消石灰8gと脱塩水24gを加えて中和した。
そして、この反応液を常圧、温度140℃の条件で単蒸留を20分間行い、未反応の3−
MeTHFとTHFを分離した。次に残った反応液にトルエンを540g加え、常圧、温度150℃の条件で単蒸留を20分間行い脱水した。
【0043】
その後、この反応液にろ過助剤として珪藻土(昭和化学工業社製:品名ラジオライト)を7g添加し、50℃で加熱した後、SUS製の加圧ろ過装置(目開き1.0μmPTFE製メンブランフィルター使用)を用いてろ過圧0.2MPaで加圧ろ過を実施した。この加圧ろ過を開始から経過した時間(ろ過経過時間(sec))に対するろ過清澄液重量(g)を測定した。結果を表4に示す。また、図1に、ろ過経過時間(sec)に対するろ過清澄液重量(g)の推移をグラフに示した。
【0044】
最終的に得られたろ過清澄液を圧力3mmHg、温度150℃の条件で単蒸留を1時間行
い、トルエンを除去して3−MeTHFとTHFの共重合PTMGを270g得た。この時の分子量は3500で3−MeTHFの導入率は14モル%であった。
[実施例2]
PTMGの製造
実施例1において、調整例1で得られた表2の組成の3−MeTHFの代わりに、調整例2で得られた表3の組成をもつ3−MeTHFを使用した以外は、同様の方法で行った。表4に、加圧ろ過時のろ過経過時間(sec)に対するろ過清澄液重量(g)を示した。また、図1に、ろ過経過時間(sec)に対するろ過清澄液重量(g)の推移をグラフとして示した。
[比較例1]
PTMGの製造
実施例1において、調整例1で得られた表2の組成の3−MeTHFの代わりに表1の組成を持つ3−MeTHFをそのまま原料として用いた以外は、同様に行った。表4に、加圧ろ過時のろ過経過時間(sec)に対するろ過清澄液重量(g)に示した。また、図1に、ろ過経過時間(sec)に対するろ過清澄液重量(g)の推移をグラフとして示した。
【0045】
【表4】

【0046】
[実施例3]
PTMGの製造
ガラス製重合槽に調整例1で得られた表2の組成の3−MeTHF162gとTHF438gとを混合した。なお、この混合物に、触媒としてモンモリロナイト系触媒(水澤化学社製:ガレオンアース)を18g、無水酢酸を12g添加して、反応温度35℃で7時間加熱して開環重合反応を行った。
【0047】
開環重合反応が終了した後、反応液から触媒を除去するために、SUS製の加圧ろ過装置(目開き1.0μmPTFE製メンブランフィルター使用)を用いてろ過圧0.2MPa、常温で加圧ろ過を実施した。
触媒が除かれた反応液を、常圧、温度100℃の条件で単蒸留をおこない、未反応の3−MeTHF、THF及び無水酢酸を分離した。得られた末端に酢酸エステル基を有するポリテトラメチレングリコール中間体130gに対して、メタノール65gとソジウムメチラート0.5gを添加した後に、80℃で1時間アルコリシス反応させて3−MeTH
FとTHFの共重合PTMGを生成した。
【0048】
この反応液を、常圧、温度80℃の条件で単蒸留をおこない、未反応のメタノールと生成した酢酸メチルを留去した。
次に、反応液に残存するソジウムメチラート由来のナトリウムイオンを除去するために、陽イオン交換樹脂(三菱化学製:ダイヤイオンPK216LH)を13g加えて温度60℃で1時間処理を行った。その後、陽イオン交換樹脂を除去するために、SUS製の加
圧ろ過装置(目開き1.0μmPTFE製メンブランフィルター使用)を用いてろ過圧0.2MPa、常温で加圧ろ過を実施した。
【0049】
ろ過した後の反応液に残存する溶媒を常圧、温度100℃の条件で単蒸留により留去して
3−MeTHFとTHFの共重合PTMG120gを得た。この時の分子量は3500で3−MeTHFの導入率13モル%であった。得られたPTMGの着色度をハーゼン色数により測定した。結果を表5に示す。
[実施例4]
PTMGの製造
実施例3において、調整例1で得られた表2の組成の3−MeTHFの代わりに、調整例2で得られた表3の組成をもつ3−MeTHFを使用した以外は、同様の方法で行った。得られたPTMGの着色度をハーゼン色数により測定した。結果を表5に示す。
【0050】
[比較例2]
PTMGの製造
実施例3において、調整例1で得られた表2の組成の3−MeTHFの代わりに、表1の組成を持つ3−MeTHFを使用した以外は、同様の方法で行った。得られたPTMGの着色度をハーゼン色数により測定した。結果を表5に示す。
【0051】
【表5】

【0052】
実施例1、実施例2、及び比較例1を対比すると、原料の3Me−THF中の炭素数1〜5のケトン類濃度が500重量ppm以下であれば、開環重合反応後に得られたPTMGを含有する反応液中の塩、および残固体塩基をろ過により除去する際のろ過遅延が抑制
できていることがわかる。
また実施例3、実施例4、及び比較例2を対比すると、原料の3Me−THF中の炭素数1〜5のケトン類濃度が500重量ppm以下であれば、得られるPTMGの着色を抑制できていることがわかる。
[実施例5]
PTMGの製造
ガラス製重合槽に調整例1で得られた表2の組成の3−MeTHF131gとTHF338gとを混合した。なお、この混合物に、触媒として特開2003−135958号で開示されるジルコニア担持シリカを40g、無水酢酸を54g添加して、反応温度40℃で5時間加熱して開環重合反応を行った。
【0053】
開環重合反応が終了した後、反応液から触媒を除去するために、SUS製の加圧ろ過装置(目開き1.0μmPTFE製メンブランフィルター使用)を用いてろ過圧0.2MPa、常温で加圧ろ過を実施した。
触媒が除かれた反応液を、常圧、温度100℃の条件で単蒸留をおこない、未反応の3−MeTHF、THF及び無水酢酸を分離した。得られた末端に酢酸エステル基を有するポリテトラメチレングリコール中間体165gに対して、メタノール65gとソジウムメチラート0.5gを添加した後に、80℃で1時間アルコリシス反応させて3−MeTH
FとTHFの共重合PTMGを生成した。
【0054】
この反応液を、常圧、温度80℃の条件で単蒸留をおこない、未反応のメタノールと生成した酢酸メチルを留去した。
次に、反応液に残存するソジウムメチラート由来のナトリウムイオンを除去するために、陽イオン交換樹脂(三菱化学製:ダイヤイオンPK216LH)を13g加えて温度60℃で1時間処理を行った。その後、陽イオン交換樹脂を除去するために、SUS製の加圧ろ過装置(目開き1.0μmPTFE製メンブランフィルター使用)を用いてろ過圧0.2MPa、常温で加圧ろ過を実施した。
【0055】
ろ過した後の反応液に残存する溶媒を常圧、温度100℃の条件で単蒸留により留去して3−MeTHFとTHFの共重合PTMG150gを得た。この時の分子量は3500で3−MeTHFの導入率13モル%であった。得られたPTMGの着色度をハーゼン色数により測定した。その結果、ハーゼン式数は10であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テトラヒドロフランと、該テトラヒドロフランと共重合可能な他の環状エーテルとの混合物を用いて、触媒の存在下、開環重合反応を行うことによりポリエーテルポリオールを含む反応液を得た後、該反応液からポリエーテルポリオールを分離するポリエーテルポリオールの製造方法において、該テトラヒドロフランと共重合可能な他の環状エーテル中に含有する炭素数1〜5のケトン類の濃度が500重量ppm以下であることを特徴とするポリエーテルポリオールの製造方法。
【請求項2】
前記開環重合反応を行う前に、予め前記テトラヒドロフランと共重合可能な他の環状エーテル中の炭素数1〜5のケトン類の濃度を500重量ppmとする工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載のポリエーテルポリオールの製造方法。
【請求項3】
前記炭素数1〜5のケトン類の濃度を、油水分離、蒸留又は水添処理により、500重量ppm以下とすることを特徴とする請求項2に記載のポリエーテルポリオールの製造方法。
【請求項4】
前記テトラヒドロフランと共重合可能な他の環状エーテル中の炭素数1〜5のケトン類と炭素数1〜5のアルコール類の濃度の合計が600重量ppm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエーテルポリオールの製造方法。
【請求項5】
前記触媒が、均一系触媒又は固体触媒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエーテルポリオールの製造方法。
【請求項6】
前記ポリエーテルポリオールを含む反応液を得た後、該ポリエーテルポリオールを含む反応液をろ過する工程を更に有する請求項1〜5のいずれかに記載のポリエーテルポリオールの製造方法。


【図1】
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【公開番号】特開2011−162780(P2011−162780A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6015(P2011−6015)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】