説明

ポリオレフィン系樹脂発泡成形体

【課題】ベース樹脂と、高分子型帯電防止剤とを含有するポリオレフィン系樹脂組成物によって形成されている発泡成形体において、高分子型帯電防止剤の使用量の低減を図りつつ帯電防止を図る。
【解決手段】ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種からなるベース樹脂と、高分子型帯電防止剤とを含有する樹脂組成物によって形成されている発泡成形体であって、前記ベース樹脂に非相溶なポリスチレン系樹脂が前記ポリオレフィン系樹脂組成物に含有されて前記ベース樹脂が含まれてなるマトリックス相中に前記ポリスチレン系樹脂が分散されてなる分散相が少なくとも成形体表面に形成されており、しかも、前記高分子型帯電防止剤として、前記ベース樹脂と前記ポリスチレン系樹脂とのいずれにも非相溶性を示す高分子型帯電防止剤が用いられて該高分子型帯電防止剤を外殻としたコアシェル状粒子となって前記分散相が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種からなるベース樹脂と、高分子型帯電防止剤とを含有するポリオレフィン系樹脂組成物によって形成されているポリオレフィン系樹脂発泡成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオレフィン系樹脂発泡成形体は、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂といった比較的安価な材料を用いて形成されているばかりでなく、これらの樹脂が成形性や加工性においても優れていることから製造に要するコストも低く、安価な商品として市販されている。
また、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体は、耐熱性や機械的強度に優れていることから、従来、梱包資材、クッション材、及び食品容器等に広く用いられている。
しかし、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体は、静電気によって帯電されやすく、保管中に挨等が付着して汚れを生じやすいという問題を有しており改善が求められている。
【0003】
このようなポリオレフィン系樹脂発泡成形体の帯電による諸問題は、発泡成形体表面の表面抵抗値を低下させることで防止されることが知られており、例えば、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂では、樹脂単体の成形体の表面抵抗率の値が、通常、1015(Ω/□)オーダーを超えるレベルであるのに対してこれを1013(Ω/□)オーダー以下に低下させることで上述のような問題の発生が防止され得ることが知られている。
【0004】
この表面抵抗率を低下させる手法として、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体の形成に用いる樹脂組成物中に帯電防止剤と呼ばれる成分を含有させる方法が採用されており、従来、界面活性剤などのような成分を原材料中に含有させることが行われている。
この界面活性剤などの、分子量が1000程度、あるいは、それ以下のものは“低分子型帯電防止剤”とも呼ばれており、これらの低分子型帯電防止剤は、帯電防止に有効ではあるもののポリマー中における拡散速度が大きいため時間経過とともにポリオレフィン系樹脂発泡成形体の表面に滲出して、いわゆる“ブリードアウト”するという問題を発生させるおそれを有する。
【0005】
近年、このようなことから、低分子型帯電防止剤に代えて分子量が1000を超え、数万に及ぶような高分子量の物質で帯電防止に有効な、いわゆる“高分子型帯電防止剤”の利用が検討されている(下記特許文献1参照)。
この高分子型帯電防止剤は、エーテル結合やエステル結合を含んだ極性ブロックと、アルキルなどからなる非極性ブロックとを有する共重合体であり、ポリマー中における移行性が低いことから、この高分子型帯電防止剤を用いることでブリードアウトの問題を抑制させることができる。
一方で、高分子型帯電防止剤は、比較的、大量に配合しないと効果が発揮されず、しかも、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂に比べてはるかに高価であるためポリオレフィン系樹脂発泡成形体の材料コストを増大させてしまいその汎用性を低下させてしまうおそれを有する。
【0006】
このようなことを防止すべく高分子型帯電防止剤を少ない量で有効に作用させるための検討が広く行われているが、その手法は確立されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−274031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種からなるベース樹脂と、高分子型帯電防止剤とを含有するポリオレフィン系樹脂組成物によって形成されているポリオレフィン系樹脂発泡成形体において、高分子型帯電防止剤の使用量の低減を図りつつ帯電防止を図ることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためのポリオレフィン系樹脂発泡成形体に係る本発明は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種からなるベース樹脂と、高分子型帯電防止剤とを含有するポリオレフィン系樹脂組成物によって形成されているポリオレフィン系樹脂発泡成形体であって、前記ベース樹脂に非相溶なポリスチレン系樹脂が前記ポリオレフィン系樹脂組成物に含有されて前記ベース樹脂が含まれてなるマトリックス相中に前記ポリスチレン系樹脂が分散されてなる分散相が少なくとも成形体表面に形成されており、しかも、前記高分子型帯電防止剤として、前記ベース樹脂と前記ポリスチレン系樹脂とのいずれにも非相溶性を示す高分子型帯電防止剤が用いられて該高分子型帯電防止剤を外殻としたコアシェル状粒子となって前記分散相が形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡成形体は、その形成に用いられるポリオレフィン系樹脂組成物にポリスチレン系樹脂が含有されている。
ポリスチレン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂に対する相溶性が低いことから、ポリオレフィン系樹脂組成物でポリオレフィン系樹脂発泡成形体を形成させるのに際してポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などのベース樹脂が含まれてなるマトリックス中に粒子状に分散して分散相を形成し、いわゆる“海島構造”を形成することとなる。
そして、それに伴って、高分子型帯電防止剤の一部をこのポリスチレン系樹脂粒子とマトリックス樹脂との界面に沿って集合させることができる。
したがって、集合された高分子型帯電防止剤によって良好なる電気伝導がなされることから、単に、高分子型帯電防止剤のみをポリプロピレン系樹脂などに分散させている場合と違って、表面の電気抵抗値を大きく低下させうる。
すなわち、高分子型帯電防止剤の使用量の低減を図りつつ帯電防止を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ポリスチレン系樹脂と高分子型帯電防止剤(ペレスタット230)の分散状態を観察したTEM像。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る実施形態としてポリオレフィン系樹脂発泡成形体について、以下に説明する。
まず、前記ポリオレフィン系樹脂発泡成形体を形成するためのポリオレフィン系樹脂組成物について説明する。
【0013】
本実施形態において用いられる前記ポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種からなるポリオレフィン系のベース樹脂と、高分子型帯電防止剤とを含有し、さらに、前記ベース樹脂に対して非相溶なポリスチレン系樹脂を含有している。
さらに、本実施形態のポリオレフィン系樹脂の形成に用いられるポリオレフィン系樹脂組成物には、成形体中に気泡を形成させるための成分が含有される。
そして、上記のように互いに非相溶な成分を含有させることによって前記ベース樹脂を含んでなるマトリックス相中に前記ポリスチレン系樹脂が分散されてなる分散相を少なくとも前記ポリオレフィン系樹脂発泡成形体の表面に形成させ、しかも、前記高分子型帯電防止剤として、前記ベース樹脂と前記ポリスチレン系樹脂とのいずれにも非相溶性を示す高分子型帯電防止剤を用いて該高分子型帯電防止剤を外殻としたコアシェル状粒子となる前記分散相を形成させることが高分子型帯電防止剤の使用量の低減を図りつつポリオレフィン系樹脂発泡成形体の帯電防止を図る上で重要な要件となる。
【0014】
前記ポリエチレン(PE)系樹脂としては、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖低密度ポリエチレン樹脂、高圧法によって得られる長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン樹脂などが挙げられる。
前記は、プロピレン成分のみからなるホモポリプロピレン樹脂、プロピレン成分以外にエチレンなどのオレフィン成分を含有するランダム共重合体やブロック共重合体が挙げられる。
なお、ポリプロピレン系樹脂として共重合体を採用する場合には、プロピレン以外のオレフィンを共重合体中に0.5〜30重量%、特に好ましくは1〜10重量%の割合で含有させたものを用いることが望ましい。この場合のオレフィン成分としては、エチレン、あるいは、炭素数4〜10のα−オレフィンを挙げることができる。
特に、発泡性に優れた高溶融張力ポリプロピレン系樹脂が好ましく、例えば、特許第2521388号公報に記載されているものが好適に使用されうる。
【0015】
また、本実施形態のポリオレフィン系樹脂組成物には、これら以外に、ポリブテン樹脂や、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂などのポリオレフィン系樹脂を前記ベース樹脂の一部として含有させうる。
【0016】
前記分散相のコア部を形成させるためのポリスチレン系樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン等のスチレン系単量体の単独重合体又はこれらの共重合体等が挙げられる。
【0017】
また、上記ポリスチレン系樹脂としては、上記スチレン系単量体と共重合可能なビニル単量体と、上記スチレン系単量体との共重合体であってもよく、このようなビニル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの二官能性単量体などが挙げられる。
【0018】
さらに、本実施形態においては、上記モノマー成分以外に他のモノマー成分を含有するコポリマーをポリスチレン系樹脂として用い得る。
これらのホモポリマーやコポリマーは、単独で、または複数を混合してベース樹脂を構成させることができる。
【0019】
本発明で用いられるポリスチレン系樹脂としては、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(以下「HIPS」ともいう)か、又は、汎用ポリスチレン樹脂(以下、「GPPS」ともいう)のいずれかが好適である。
なお、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)とは、前記スチレン系単量体など以外にブタジエンなどのゴム成分を含有するものであり、具体的には、該ゴム成分がスチレン系単量体と共重合しているコポリマーや、該コポリマーと他のホモポリマーあるいはコポリマーとのブレンド樹脂などが挙げられる。
また、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)とは、添加剤等を除いた樹脂成分が実質上スチレンモノマーのみで構成されたものである。
これらのポリスチレン系樹脂は、いずれも、多くの種類が市販されており、求める特性のものが入手容易であるばかりでなく比較的安価である点においても好適である。
【0020】
一般に、極性等を近似させており、Fedorsの式によって求められる溶解度パラメータ(SP値)の値の差が0.5〜1.0以下のポリマーどうしは相溶性を示し、これ以上SP値が離れると非相溶性を示すようになるといわれている。
したがって、例えば、SP値の近いポリオレフィン系樹脂を複数用いてマトリックス相を形成させ、これらのポリオレフィン系樹脂とはSP値が大きく離れるポリスチレン系樹脂を複数用いることによって前記ポリスチレン系樹脂を粒子状に分散させて分散相を形成させることができる。
【0021】
そして、これらに対して非相溶性を示す高分子型帯電防止剤としては、例えば、マトリックス相を形成している樹脂よりも溶解度パラメーターが高く、分散相を形成しているポリスチレン系樹脂よりも低い溶解度パラメーターを有するポリマーを主成分とする高分子型帯電防止剤を用いることで、該高分子型帯電防止剤を、より確実に、ポリスチレン系樹脂からなるコア粒子を取り巻く状態とすることができ、コアシェル型の分散相をより確実に形成させ得る。
【0022】
このような分散相の外殻部を形成させるための前記高分子型帯電防止剤としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルアミドなどのアイオノマーやその第四級アンモニウム塩、特開2001−278985号公報等に記載のオレフィン系ブロックと親水性ブロックとの共重合体等が挙げられる。
中でも、ポリスチレン系樹脂との相互作用を考慮した場合、オレフィン系ブロックと親水性ブロックとの共重合体が好ましく、ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体(ポリエーテル系ブロックとポリオレフィン系ブロックのブロック共重合体)を主成分とする高分子型帯電防止剤が好適に使用されうる。
【0023】
また、帯電防止性能の更なる向上を目的として、ポリアミド系樹脂をポリオレフィン系樹脂組成物に添加したり、ポリアミド系ブロックをさらに共重合させた高分子型帯電防止剤を本実施形態のポリオレフィン系樹脂組成物に含有させたりすることができる。
【0024】
また、本実施形態において用いられる高分子型帯電防止剤としては、プロピレンを70モル%以上含むオレフィン系ブロックとポリエーテル系ブロックとのブロック共重合体を主成分とするものがより好ましい。
ここで、「主成分」とは、高分子型帯電防止剤中に占める割合が50重量%以上であることをいう。
なお、上記のようなポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体は、高分子型帯電防止剤中に70重量%以上含有させることが好ましく、80重量%以上含有させることが特に好ましい。
【0025】
なお、帯電防止効果を高めるために、アルキルベンゼンスルホン酸塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアニオン性界面活性剤や、その他の界面活性剤又はアルカリ金属塩などの低分子型帯電防止剤を併用してもよい。
ただし、これらの添加によって、溶出イオン量が増加することがあるので使用量は、ポリオレフィン系樹脂組成物に含有される帯電防止剤(高分子型帯電防止剤+低分子型帯電防止剤)の合計量に占める割合が0.5重量%未満となるように含有させることが好ましい。
【0026】
また、気泡を形成させるための成分としては、ポリオレフィン系樹脂組成物を用いてポリオレフィン系樹脂発泡成形体を作製する際に、別途導入される発泡剤とともに気泡を形成させるための気泡核剤や、熱分解してガスを発生させる化合物粒子が挙げられる。
【0027】
前記気泡核剤としては、一般に気泡核剤として用いられているものであれば、特に限定されるものではなく例えば、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物、ポリテトラフルオロエチレン、などの有機化合物などが挙げられ、その中でも特にタルクが好ましい。なお、気泡核剤は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0028】
この気泡核剤とともに用いられる発泡剤としては、従来、発泡押出しに用いられているものを本実施形態においても採用することができ、例えば、水、炭化水素、ジメチルエーテル、塩化メチル、塩化エチル、窒素、二酸化炭素、アルゴン等を使用することができる。
【0029】
また、熱分解してガスを発生させる化合物粒子としては、例えば、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物などを用いることができる。
【0030】
なお、ここでは詳述しないが、本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡成形体の形成に用いられるポリオレフィン系樹脂組成物には、一般的なポリマー発泡成形体の形成に用いられる配合剤を含有させることができ、例えば、耐候剤や老化防止剤といった各種安定剤、滑剤などの加工助剤、スリップ剤、防曇剤、顔料、充填剤などを添加剤として適宜含有させることができる。
【0031】
本実施形態のポリオレフィン系樹脂組成物における前記ベース樹脂と前記ポリスチレン系樹脂との配合割合や、高分子型帯電防止剤の含有量などは特に限定されるものではないが、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体の表面抵抗率は、1×108〜1×1013Ω/□のいずれかであることが好ましいことから、このような表面抵抗率をポリオレフィン系樹脂発泡成形体に付与させ得るものの中で、より高分子型帯電防止剤の含有量の低減が可能な配合割合を選択することが好ましい。
なお、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体の表面抵抗率は、1×109〜1×1012Ω/□のいずれかとなるように調整することがより好ましく、1×109〜1×1011Ω/□のいずれかとすることが最も好ましい。
このような表面抵抗率の値をポリオレフィン系樹脂発泡成形体に付与しうるポリスチレン系樹脂のポリオレフィン系樹脂組成物に占める含有量としては、通常、5〜20重量%のいずれかであり、5〜15重量%のいずれかであることが好ましい。
【0032】
また、前記高分子型帯電防止剤は、通常、ポリオレフィン系樹脂組成物全体に占める割合が2〜30重量%の内のいずれかとなる割合で含有される。
この、高分子型帯電防止剤の下限値が、2重量%とされているのは、これよりも少ない含有量の場合には、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体に十分な帯電防止効果が発揮されないおそれを有するためであり、上限値が30重量%とされているのは、これを超えて高分子型帯電防止剤を含有させても、その含有量に見合う帯電防止効果が得られにくいばかりでなくポリオレフィン系樹脂発泡成形体の材料コストを増大させてしまうおそれがあるためである。
なお、このような観点からは、前記高分子型帯電防止剤は、ポリオレフィン系樹脂組成物全体に占める割合が3〜20重量%の内のいずれかとなる割合で含有されることが好ましく、ポリオレフィン系樹脂組成物全体に占める割合が5〜10重量%の内のいずれかとなる割合で含有されることが特に好ましい。
【0033】
なお、高分子型帯電防止剤とポリスチレン系樹脂とは、その溶融特性を近似させていることが好ましく、特に、同じ温度におけるメルトフローレート(MFR)に代表される流れ特性を近似させていることが好ましい。
例えば、高分子型帯電防止剤をJIS K 7210の条件M(試験温度:230℃、公称荷重2.16kg)に基づいて測定したメルトフローレートが30g/10min以上となるような高フローのものである場合には、この高分子型帯電防止剤とともにポリオレフィン系樹脂組成物に含有させるポリスチレン系樹脂のメルトフローレートもJIS K 7210の条件H(試験温度:200℃、公称荷重5.00kg)に基づいて測定した場合に7.0g/10min以上であることが好ましい。
【0034】
このように高分子型帯電防止剤とポリスチレン系樹脂との流れ特性を近似させることにより、後述する押出し成形時などにおいてこれらの分散状態を帯電防止に好適な態様とさせることができる。
【0035】
次いで、このようなポリオレフィン系樹脂組成物を用いてポリオレフィン系樹脂発泡成形体を製造する製造方法について、ポリオレフィン系樹脂発泡シート(以下、単に「発泡シート」ともいう)を製造する場合を例にして説明する。
本実施形態においては、一般的な発泡シート製造方法に用いられる方法を採用することができ、例えば、前記ベース樹脂、前記ポリスチレン系樹脂、前記高分子型帯電防止剤、及び、気泡核剤などを含有するポリオレフィン系樹脂組成物を作製する樹脂混練工程を実施した後に、得られたポリオレフィン系樹脂組成物をシート状に押出し発泡する押出し工程を実施する方法などを採用しうる。
以下に、それぞれの工程に関して、より具体的に説明する。
【0036】
(樹脂混練工程)
まず、ベース樹脂、ポリスチレン系樹脂、高分子型帯電防止剤、気泡核剤と、必要に応じてスリップ剤、防曇剤等の添加剤とを計量してタンブラーブレンダー、へンシェルミキサーなどでドライブレンドした後、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどなどで各配合材料が略均一に混合された状態となるように溶融混練する。
その後、混練物をストランド状に押出してペレタイズするか、ホットカットしてペレット化するなどしてポリオレフィン系樹脂組成物からなるペレットを作製する。
【0037】
(押出し工程)
上記樹脂混練工程で得られたペレットを熱溶融状態で発泡押出しして発泡シートに加工する方法としては、例えば、サーキュラーダイやT−ダイなどから押出してシート化する方法があげられる。
より具体的には、本実施形態の発泡シート製造方法においては、押出し条件を調整しやすいタンデム型押出し機を用い、該タンデム型押出し機にサーキュラーダイ等を装着させて発泡シートを作製する方法が挙げられる。
タンデム型押出し機を用いることで、例えば、第一段目の押出し機にニーディングゾーンを設け樹脂圧をやや低圧に設定して二酸化炭素等の発泡剤を前記ニーディングゾーンに圧入しやすい状態としたり、温度を高温に設定して発泡剤の溶解性を高めたりしてポリオレフィン系樹脂組成物に十分に発泡剤を分散させることができ、二段目の押出し機の温度設定を一段目に比べて低温として、ポリオレフィン系樹脂組成物の溶融粘度を発泡に適した粘度に調整することができる。
【0038】
また、サーキュラーダイは、得られるシートの幅が冷却用のマンドレルの直径で決まるため、フラットダイのように製品幅と同じかそれ以上の幅をもつ金型を必要とせず、フラットダイと比べて所望幅の発泡シートを容易に製造できる点で優れている。
【0039】
この混練工程、及び、押出し工程における加熱溶融状態での混合に際して、例えば、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂としたポリオレフィン系樹脂組成物を作製させたとすると極性の低いポリエチレン系樹脂に対してポリスチレン系樹脂が非相溶性を示し、該ポリスチレン系樹脂による分散相が前記ポリエチレン系樹脂を含むマトリックス相に分散された状態となる。
すなわち、ポリスチレン系樹脂による分散相の形成された海島構造が溶融状態の樹脂組成物中に形成される。
このとき、ポリエチレン系樹脂に対して親和性の高いポリオレフィンブロックと、ポリスチレン系樹脂に対して親和性の高いポリエーテルブロックとを有する共重合体(高分子型帯電防止剤)がこの分散相とマトリックス相との界面に集合して、この界面に沿っての電気抵抗の低い領域を形成させる。
すなわち、高分子型帯電防止剤によって覆われた状態でポリスチレン系樹脂がベース樹脂であるポリエチレン系樹脂中に分散されることになる。
【0040】
しかも、このポリスチレン系樹脂粒子をコアにし、外殻部が高分子型帯電防止剤によって形成されたコアシェル状の粒子は、押出し工程において溶融状態の樹脂組成物に作用するせん断力によって樹脂の流れ方向(押出し方向)に沿って長く延び、比較的アスペクト比の高い状態となって分散相を形成する。
そして、溶融状態の樹脂組成物が流動しつつ冷却されることによって、この分散相が長く延びた状態が、得られる発泡シートの表面においても維持されることになる。
そして、例えば、1μm長さを超える細長い粒子を分散相に形成させることで表面抵抗率を顕著に低下させることができる。
【0041】
このことについてさらに説明すると、高分子型帯電防止剤は、通常、主たる成分が前述のようなイオン伝導性に優れたポリマーであり発泡シートの表面にイオン伝導性を付与することで表面抵抗率を低下させて帯電防止を行うものであるが、単独で高分子型帯電防止剤を、例えば、ポリエチレン系樹脂に分散させた場合には、系内に微小な点状粒子となって分散されてしまい、その粒子間の距離をある程度接近させ得るような量で含有させなければ効果が発揮されない。
ここで、本実施形態においては、コア部がポリスチレン系樹脂粒子で形成され、外殻部(シェル部)が高分子型帯電防止剤で形成された粒子が形成される。
このことから、このコア部の分だけ高分子型帯電防止剤の使用量を抑制しつつ、この分散相の粒子間距離を縮めることができる。
【0042】
しかも、分散相を形成している粒子が樹脂の流れ方向(押出し方向)に沿って長く延び、発泡シートの平面方向における長さが1μmを超えるような細長い形状となることで高分子型帯電防止剤による導電路がこの粒子表面に形成されることとなる。
すなわち、本実施形態の発泡シートにおいては、樹脂の流れ方向に沿って上記のような長細い粒状に分散相がその表面に形成されることから、この粒子の長手方向に沿った電気抵抗値の低減が図られることとなる。
【0043】
また、通常、分散相を形成しているコアシェル状の粒子と、この粒子に隣接する別の粒子との間の電気抵抗値は、主として、粒子間の距離によって決定されることになる。
つまり、樹脂の流れ方向と直交する方向に電圧を印加した場合においては、コアシェル状粒子どうしが隣り合せとなる区間における最も電気抵抗値の低い箇所(通常、粒子どうしが最も接近している箇所)を通って流れる電荷の量によって電気抵抗値が左右されることになる。
【0044】
そして、本実施形態の発泡シートにおいては、樹脂の流れ方向に沿って長細い粒状に分散相が形成されることから、粒子どうしが隣り合わせとなる区間が長く形成され、その間に電気抵抗値の低い箇所が形成される可能性が高くなる。
したがって、イオン伝導に有利な樹脂の流れ方向以外の方向においても電気抵抗値の低減が図られることとなり、高分子型帯電防止剤の配合量を30質量%以下、例えば、5〜10質量%にまで低減したとしても発泡シートの表面抵抗率の値を、一般的に求められる1013(Ω/□)オーダー以下(1×1014未満)の値となるように低下させうる。
【0045】
なお、上記のような効果は、高分子型帯電防止剤を構成しているポリマーがマトリックス相や分散相を形成している樹脂に対して非相溶性を示すことによって発現されるものである。
これらに対して非相溶性を示すかどうかは、先にも示したようにマトリックス相を形成させる樹脂と、分散相を形成させる樹脂との溶解度パラメーターを予め求めることで判断することができ、これらの樹脂に対してSP値を0.5以上、好ましくは1.0以上異ならせた高分子型帯電防止剤を選択すればよい。
なお、前記溶解度パラメーターは、Fedorsの式に基づいて、その分子構造によって求められるが、例えば、市販の高分子型帯電防止剤を利用する場合で、構造を十分特定できないことから溶解度パラメーターの値を計算することが困難な場合であれば、実際に、ベース樹脂やポリスチレン系樹脂と、高分子型帯電防止剤とを加熱溶融させて混合し、冷却して得られた試料についてその分散状態を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)によって直接観察して判断することができる。
【0046】
また、このような高分子型帯電防止剤によって外殻を形成させたコアシェル状粒子を前述のような1μmよりも細長く形成させる具体的な手法としては、押出し時のせん断の加わり方を調整する方法が挙げられる。
この分散相の大きさについても、SEMやTEMで直接確認することができ、例えば、発泡シートの表面部分から採取した試料に対して数千倍から数万倍の倍率で無作為に10視野程度の観察を行い、その半数以上の視野において1μm以上の長さの粒子が確認できれば、発泡シートに1μm以上の分散相が形成されていると判断することができる。
なお、発泡シートの内部における分散相の形状や大きさについては、帯電防止性能に大きな影響は与えないためこのような分散相は、少なくとも発泡シートの表面に形成されていれば良い。
【0047】
以上のようにコアシェル状粒子の形状と、その外殻部を構成させる高分子型帯電防止剤の選択によって、発泡シートにおける高分子型帯電防止剤の使用量をより一層抑制させつつ表面抵抗率の低減を図ることができる。
【0048】
なお、上記に示したように、特に、ポリスチレン系樹脂粒子の長手方向(押出し方向)となる方向に対して電気抵抗値の低減を図ることができるため、ポリオレフィン系樹脂発泡シートを連続的な押出し成形によって長尺状とし、ロール状に巻き取った場合においてより顕著な効果が発揮されることとなる。
すなわち、通常、ロール状に巻き取られた発泡シートは、外側の発泡シートが引き出されて使用され、引き出される発泡シートがその内側で接している発泡シートの背面から離れる際に静電気を発生させやすいが、本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、ロール巻取り方向にポリスチレン系樹脂粒子が長く延びる状態となっており、この方向に向けてのイオン伝導性に特に優れていることから、発泡シートの引き出しによって静電気が発生されたとしてもその電荷を引き出される方向とは逆の、発泡シートどうしが接触している箇所に向けて移動させることが容易で、電気的な中和を図ることが容易である。
このように本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、容器などの製品に加工された際においても優れた帯電防止性が発揮されるのみならず、シートロールなどの中間製品の状態においてもその優れた効果が発揮されるものである。
【0049】
なお、本実施形態においては、溶解パラメーターが上記のように相違するポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを用いることから上記のような効果を発揮させるのに適した海島構造が形成されるものである。
例えば、相溶性の高い樹脂どうしであれば、例え海島構造が形成されたとしても、微細な分散状態となりやすく、十分な表面抵抗率の低減を図ることが難しくなって、十分な帯電防止性能を付与することが難しくなるおそれを有する。
このような点において、マトリックス相を形成するベース樹脂と、分散相を形成するポリスチレン系樹脂との溶解パラメーターは、1.0以上相違させることが好ましい。
また、相溶性の低い樹脂を用いた場合であっても押出し時に過度なせん断が加えられるなどすると微細な分散状態となってしまうおそれを有する。
例えば、単位時間当たりの樹脂吐出量を得る場合であっても、シリンダー径の小さな押し出し機でスクリューを高速回転させるなどした場合には、得られる製品における分散相が微細な状態となってしまう可能性が高いことから、分散相の粒子形状が1μm以上の長さとなるように樹脂の選択とともに押し出し条件を調整することが好ましい。
【0050】
なお、このような連続的な押出しによる発泡シートの成形のみならず、成形金型中に発泡剤を含んだポリオレフィン系樹脂組成物を押出して立体形状を有するポリオレフィン系樹脂発泡成形体を作製する場合や、ビーズ発泡法によって立体形状を有するポリオレフィン系樹脂発泡成形体を作製することによって得られるポリオレフィン系樹脂発泡成形体も本発明の意図する範囲であり、このようなポリオレフィン系樹脂発泡成形体にも帯電防止効果が発揮される点については発泡シートの場合と同様である。
【0051】
また、本実施形態におけるポリオレフィン系樹脂発泡成形体は、高分子型帯電防止剤の使用量が抑制されており、材料コストの低減が図られることから、一般消費材用途において好適となり、特に、ホコリの付着など、保管時の汚損が抑制されることから食品トレーなどの原材料シートとして好適に用いられ得る。
【実施例】
【0052】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】
(配合剤)
以下に、評価に用いる配合剤の略称と、その詳細とを記載する。

【0054】
(参考事例1)
(配合1〜4)
まず、発泡シートではなく、ポリオレフィン系樹脂組成物を用いたフィルムでの帯電防止性能についての評価を以下のようにして行った。
下記表1に示す配合にて、表1に示す厚みのポリオレフィン系樹脂フィルムを作製した。
また、得られたポリオレフィン系樹脂フィルムに対して、JIS K 6911:1995「熱硬化性プラスチックー般試験方法」記載の方法により表面抵抗率の値を測定した。
具体的には、一辺が10cmの平面正方形状の試験片を温度22℃、湿度60%の雰囲気下に24時間放置した後、温度22℃、湿度60%の環境下、試験装置(アドバンテスト社製、デジタル超高抵抗/微少電流計R8340及びレジスティビティ・チェンバR12702A)を使用し、試験片に、約30Nの荷重にて電極を圧着させ500Vの電圧を印加して1分経過後の抵抗値を測定し、次式により算出した。
ρs=π(D+d)/(D−d)×Rs
ただし、
ρs:表面抵抗率(Ω/□)
D:表面の環状電極の内径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、7cm)
d:表面電極の内円の外径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、5cm)
Rs:表面抵抗(Ω)
【0055】
また、測定は3回実施し、それぞれの算術平均値を求めた。
結果を、表1に示す。
【0056】
【表1】

【0057】
この表1からは、高分子型帯電防止剤は、ある程度の量を添加するまでは帯電防止に機能を発揮しないことがわかる。
【0058】
(参考事例2)
(配合5〜9)
上記配合1〜4と同様に、下記表2に示す配合でポリオレフィン系樹脂フィルムを作製し、その表面抵抗率を求めた。
結果を、表2に示す。
【0059】
【表2】

【0060】
この表2からも、ポリスチレン系樹脂の併用が表面抵抗率の低減に有効であることがわかる。
また、MFRが7.0g/min以上である「HF77」、「679」、「AGI02」を用いた場合(配合7〜9)、MFRが1.5g/minの「G9305」や、MFRが2.7g/minの「E641N」を用いた場合(配合5、6)よりも良好なる結果が得られていることが上記の表2からわかる。
【0061】
(評価事例1)
(配合10〜14)
表3に示す、配合で、表3に示す厚みのポリオレフィン系樹脂発泡シートを作製し、上記の参考事例と同様に表面抵抗率の測定を行った。結果を、表3に併せて示す。
【0062】
【表3】

【0063】
この表3からも、ポリスチレン系樹脂(GPPS、HIPS)を併用することで高分子型帯電防止剤の使用を抑制しつつポリオレフィン系樹脂発泡成形体の表面抵抗率の値を低下させうることがわかる。
【0064】
以上のように、本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体において高分子型帯電防止剤の使用量の低減を図りつつ帯電防止を図り得ることがわかる。
【0065】
(TEM観察)
ポリスチレン系樹脂を10重量%、ペレスタット230を6重量%させたポリオレフィン系樹脂組成物を加熱溶融させた状態でシート状に押出したものを用いて作製した薄片試料を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した様子を図1に示す。
この図1からも、ポリスチレン系樹脂がアスペクト比の高い分散相を形成し、その周囲に高分子型帯電防止剤であるペレスタットが集合されていることがわかる。
【0066】
なお、上記TEM観察における試験片は、シートを押出し方向に沿ってスライスしたものであり、図1のTEM像は、このスライスされた試験片をシート表面に相当する側において観察したものである。
すなわち、シートの厚み方向の断面における表面側近傍の様子を押出し方向に直交する方向から観察したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種からなるベース樹脂と、高分子型帯電防止剤とを含有するポリオレフィン系樹脂組成物によって形成されているポリオレフィン系樹脂発泡成形体であって、
前記ベース樹脂に非相溶なポリスチレン系樹脂が前記ポリオレフィン系樹脂組成物に含有されて前記ベース樹脂が含まれてなるマトリックス相中に前記ポリスチレン系樹脂が分散されてなる分散相が少なくとも成形体表面に形成されており、しかも、前記高分子型帯電防止剤として、前記ベース樹脂と前記ポリスチレン系樹脂とのいずれにも非相溶性を示す高分子型帯電防止剤が用いられて該高分子型帯電防止剤を外殻としたコアシェル状粒子となって前記分散相が形成されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡成形体。
【請求項2】
前記分散相には、前記成形体表面の平面方向における長さが1μmを超える細長いコアシェル状粒子が含まれている請求項1記載のポリオレフィン系樹脂発泡成形体。
【請求項3】
前記ポリスチレン系樹脂として、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)及び耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)の内の少なくとも1種が前記ポリオレフィン系樹脂組成物に含有されている請求項1又は2に記載のポリオレフィン系樹脂発泡成形体。
【請求項4】
前記高分子型帯電防止剤が、分子内にポリエーテルブロックとポリオレフィンブロックとを有するブロック共重合体を含有している請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡成形体。
【請求項5】
前記高分子型帯電防止剤のJIS K 7210の条件M(試験温度:230℃、公称荷重2.16kg)によるメルトフローレートが30g/10min以上でありかつ、前記ポリスチレン系樹脂のJIS K 7210の条件H(試験温度:200℃、公称荷重5.00kg)によるメルトフローレートが、7.0g/10min以上である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡成形体。

【図1】
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【公開番号】特開2011−26555(P2011−26555A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125088(P2010−125088)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】