説明

ポリカーボネート繊維及びその製造方法

【課題】高タフネスであって工業用に適したポリカーボネート繊維及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】単糸繊度が1〜20dtexであるポリカーボネート繊維であって、強度3.0cN/dtex以上、伸度22.5%以上、かつ強度と伸度の平方根との積であるタフネスが15以上であることを特徴とするポリカーボネート繊維。さらに、繊維がマルチフィラメントにより構成されたものであることや、総繊度が300〜3000dtexであることが好ましい。また製造方法は、ポリカーボネート成分を主成分とするポリマーを溶融紡糸する単糸繊度が1〜20dtexであるポリカーボネート繊維の製造方法であって、溶融紡糸後巻き取ることなく延伸処理する直接延伸法であり、紡糸口金直下に250〜450℃の加熱域があり、紡糸後の引き取り速度が300〜800m/分、延伸後の巻き取り速度が1000〜4000m/分であることを特徴とする。さらには、紡糸口金直下の加熱域の長さが100mm以上であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高タフネスな工業用ポリカーボネート繊維及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ポリカーボネート樹脂は工業用用途として様々な形状で使用されており、ポリカーボネートを用いた繊維についても、これまでに種々の構成のものが提案されている。しかし、ポリカーボネートは吐出直後に脆化し糸切れが起こりやすいために、細繊度の例えばマルチフィラメントを工業的に効率よく製造できないという問題があった。
【0003】
この問題の解決法としては、例えば特許文献1では、ポリカーボネートとポリプロピレンを均一に混合溶融し、溶融紡糸して得られる繊維が提案されている。この技術によれば、ポリカーボネート成分中に発生したクレイズの伝播や発生そのものを、混合溶融されたポリプロピレンが阻止することにより、ポリカーボネート繊維の脆化を抑制する効果が謳われている。しかし、このような複合繊維では元来ポリカーボネートが有する耐熱性や機械的特性および透明性といった特徴を阻害してしまい、高物性のポリカーボネート繊維を得ることはできない。
【0004】
一方、ポリカーボネートを単独で脆化を抑制しつつ製糸する技術としては、例えば特許文献2には、溶融されたポリカーボネートを、ノズル吐出口から35度以上、ポリカーボネートのガラス転移点未満、の雰囲気温度下で、かつ温風雰囲気中に吐出することでポリカーボネートの脆化を抑制した製糸方法が開示されている。
【0005】
しかしながら、この特許文献2は、細繊度のポリカーボネート繊維こそ得られているものの、最終的にはシート状の不織布の製造を目的とした技術であって、工業用繊維として十分な繊度や機械的特性を満たしていないという問題があった。例えばその好ましい態様としてはポリカーボネート成分を芯成分とし、他の熱可塑性ポリマー成分を鞘成分とすることにより、芯成分のポリカーボネート繊維を鞘成分が被覆し、ポリカーボネート成分を比較的さめにくくし、脆化現象を抑制する技術が記載されているが、このような芯鞘構造繊維では、元来ポリカーボネートが有する耐熱性や機械的特性および透明性といった特徴を阻害してしまい、工業用繊維として使用する高物性のポリカーボネート繊維、例えばタイヤコード、土木資材等の用途に適した細繊度の単繊維からなるマルチフィラメント繊維を得ることはできないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭51−072610号公報
【特許文献2】特開2009−084736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、高タフネスであって工業用に適したポリカーボネート繊維及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のポリカーボネート繊維は、単糸繊度が1〜20dtexであるポリカーボネート繊維であって、強度3.0cN/dtex以上、伸度22.5%以上、かつ強度と伸度の平方根との積であるタフネスが15以上であることを特徴とする。
さらに、繊維がマルチフィラメントにより構成されたものであることや、総繊度が300〜3000dtexであることが好ましい。
【0009】
またもう一つの本発明であるポリカーボネート繊維の製造方法は、ポリカーボネート成分を主成分とするポリマーを溶融紡糸する単糸繊度が1〜20dtexであるポリカーボネート繊維の製造方法であって、溶融紡糸後巻き取ることなく延伸処理する直接延伸法であり、紡糸口金直下に250〜450℃の加熱域があり、紡糸後の引き取り速度が300〜800m/分、延伸後の巻き取り速度が1000〜4000m/分であることを特徴とする。
【0010】
さらには、紡糸口金直下の加熱域の長さが100mm以上であることや、延伸が多段延伸であって、引取ローラーと第1延伸ローラーとの間における熱セット温度が60〜120℃であり、第1延伸ローラーと第2延伸ローラー間(第1延伸)における熱セット温度が60〜120℃、第2延伸ローラーと第3延伸ローラー間(第2延伸)における熱セット温度が60〜160℃であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高タフネスであって工業用に適したポリカーボネート繊維及びその製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のポリカーボネート繊維は、単糸繊度が1〜20dtexである細繊度のポリカーボネート繊維である。ここでこのポリカーボネート繊維に用いられるポリカーボネートポリマーとしては、汎用的なポリカーボネートポリマーであればいずれも用いることができ、また、ポリカーボネートポリマー中に少量であれば、例えば20重量%以下であれば、適当な第3成分を含む共重合体であっても差し支えない。第3成分として、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6等のポリアミドなどのホモポリマーや共重合体、を用いてもよい。また、ポリカーボネートと他の成分とのポリマーアロイであってもよい。ただしポリカーボネートの高いポリマー物性を活かすためには、できるだけポリカーボネートポリマーの比率が高いことが良く、ホモポリマーであることが最も好ましい。ただし必要に応じて、ワックス、粘着材、又は難燃剤等の添加剤を添加しても良いことはいうまでもない。
【0013】
本発明のポリカーボネート繊維は、その一本の単繊維の繊度としては1〜20dtexであることが必要だが、さらには5〜15dtexの範囲であることが好ましい。このような細繊度の繊維であるために、強度と柔軟性が両立した工業用繊維に適した物性を確保できるようになった。
【0014】
また、本発明のポリカーボネート繊維はマルチフィラメントにより構成されたものであることが好ましい。マルチフィラメントとすることにより、屈曲疲労性などの諸物性が向上し、工業的に適したもの、特にゴム補強用途のように使用中に繊維に変形が加えられる用途により適したものとなる傾向にある。総フィラメント数としては10〜2000本程度であることが好ましく、さらには20〜500本程度であることが好ましい。
【0015】
さらにはこのようなマルチフィラメントに撚りをかけたものであることが好ましい。特に工業用の用途を考えた場合、マルチフィラメント繊維に撚りを掛けることにより、強力利用率が平均化し、その疲労性が向上することから、撚りを掛けたマルチフィラメント繊維であることが好ましい。
【0016】
このような本発明のポリカーボネート繊維の総繊度としては、300〜3000dtexの範囲であることが好ましい。繊度が低すぎると、繊維としての強力が低下し、本発明の主用途である工業用途に適さなくなる。逆に繊度が高すぎると口金から吐出されたポリマーが冷却不十分となり、紡糸が困難になり、物性が低下する傾向にある。
【0017】
本発明のポリカーボネート繊維は、以上のような単糸繊度が1〜20dtexであるポリカーボネート繊維であって、強度3.0cN/dtex以上、伸度22.5%以上、かつ強度と伸度の平方根との積であるタフネスが15以上であることが必要である。強度としては8.0cN/dtex以下、さらには3.2〜6.0cN/dtexの範囲であることが好ましい。伸度としては50%以下、さらには25〜40%の範囲であることが好ましい。ちなみに繊維においては強度と伸度は反比例の関係にあることが多いが、本発明のポリカーボネート繊維はそのバランスに優れ、従来の細繊度繊維よりも強度、伸度の両方の値が高くなっていることも特徴の一つであり、「強度」と「伸度の平方根」の積で定義あれるタフネスの値は15以上であり、好ましくは16〜20の範囲にあることが好ましい。
【0018】
本発明のポリカーボネート繊維は、工業用に使用する目的のためにも強度は高いことが必要だが、高すぎる場合には延伸工程で断糸しやすく、工程安定性や品質安定性が確保できなくなる傾向にある。また、伸度については強度とのバランスが重要となるが、大きいほど繊維の高タフネス化が期待できる。強度と伸度の平方根の積で表されるタフネスの値は、より高いことが好ましく、高タフネスなポリカーボネート繊維は剛性や耐衝撃性の向上が期待できる。逆にタフネスが不足すると、繊維としてばかりではなく、撚糸等の途中工程での強度劣化も大きくなる傾向にあり、工業用途に使用しにくい傾向にある。
【0019】
このような本発明のポリカーボネート繊維は、耐熱性、剛性、耐衝撃性、寸法安定性に優れ、透明性などの外観に加え、強度、伸度、タフネスに優れた工業用繊維に適したものとなる。特に本発明の繊維はタフネスに優れることからタイヤコードなどのゴム補強用途や、土木資材などの工業用繊維に最適に用いられる。
【0020】
もう一つの本発明であるポリカーボネート繊維の製造方法は、ポリカーボネート成分を主成分とするポリマーを溶融紡糸するポリカーボネート繊維の製造方法である。そして、溶融紡糸後巻き取ることなく延伸処理する直接延伸法であり、紡糸口金直下に250℃以上450℃以下の加熱域があることを必須とする。
【0021】
溶融紡糸するポリマーとしては、先に述べたように第3成分が少量なら、例えば20重量%以下であれば含まれていても良く、ポリカーボネートを80重量%以上含むポリカーボネートチップを溶融することが好ましい。さらに物性面からは100%のポリカーボネートのホモポリマーを溶融紡糸することがより好ましい。
【0022】
溶融紡糸を行う際のポリマーの溶融温度としては、280〜320℃の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは300℃以上315℃以下の範囲が好ましい。溶融温度が高すぎると紡糸は容易になるもののポリマーの熱分解が発生し、得られる繊維の高タフネス化(高強度、高伸度)が阻害される傾向にある。
【0023】
そして本発明では、この溶融紡糸後に巻き取ること無く延伸する直接延伸法を採用し、そして紡糸口金直下に250℃以上450℃以下の加熱域があることが必要である。さらには加熱域は300℃以上400℃以下であることが好ましい。またその長さとしては100mm以上であることが好ましく、さらには800mm以下、特には200mm〜500mmの範囲であることが好ましい。
【0024】
本発明の製造方法においては、加熱域の温度はポリカーボネートポリマーのガラス転移点温度である150℃を大きく超える必要があり、本発明では250℃から450℃の範囲であることが必須なのである。加熱域の温度が250℃未満の場合には、溶融紡糸された繊維が口金下で急冷されてしまい脆化が発生し、その後の延伸にて、延伸性も悪く、高い物性が得られないばかりか繊維が白化してしまう。逆に450℃以上の場合には、冷却が不十分なままとなり、その後の引き取り等ができず、紡糸自体ができなくなる。
【0025】
このような加熱域を有する加熱紡糸筒を用いることにより、遅延冷却を行うことが本発明の特徴の一つである。通常ポリカーボネートポリマーを溶融紡糸した場合、紡糸口金から吐出された直後のポリカーボネートポリマーは脆化しやすく、単糸切れが発生しやすいという問題があった。特にこの問題は細繊度や、マルチフィラメントにおいて顕著であった。しかし本発明では、遅延冷却を行うことにより脆化の発生量を有意に少なくし、最終的に得られる繊維の物性を向上さえることができたのである。
【0026】
通常の溶融紡糸繊維であればこのような過度の遅延冷却は、紡糸された単繊維どうしが優着しやすくなり、歩留まりが低下するために採用しがたい条件である。しかしポリカーボネート繊維においては、紡糸直後の脆化を防ぐ優れた方法であり、ガラス転移点が140から150℃と、他の合成繊維に用いられる樹脂に比べ高いことから採用できた方法である。
【0027】
そして本発明の製造方法では、この遅延冷却の効果をより発揮させるために、紡糸後の引き取り速度が300m/分以上800m/分以下の範囲とすることが必要である。さらに本発明では直接延伸法を用いているが、延伸後の巻き取り速度が1000m/分以上4000m/分以下であることが必要である。このように繊維に対して連続して高速処理を行うことにより、繊維の温度を低下させずに、脆化の発生も有効に防止しうるのである。ちなみに従来、紡糸直後の脆化を抑制するために、紡糸後の引き取り速度を低速とすることが一般的であった。しかし、本発明においては逆に高速紡糸を行い、遅延冷却技術を採用することにより、ポリカーボネート繊維製造工程における脆化の抑制に成功したのである。
【0028】
そして本発明のポリカーボネート繊維の製造方法では、溶融紡糸後巻き取ることなく延伸処理する直接延伸法を採用するが、総延伸倍率としては2倍以上であることが好ましく、さらには2.5〜6倍の範囲であることが好ましい。倍率を高めることにより高タフネスなポリカーボネート繊維を製造しうるが、あまり倍率をあげると毛羽や断糸などが発生しやすく、製糸性が低下する傾向にある。
【0029】
また、ポリカーボネート繊維の延伸工程としては多段延伸であることが好ましい。多段延伸することで、糸切れを防止し高効率の生産が行えることに加えて、延伸を複数回に分けて行うことは、強度やモジュラス等の物性を向上させる点からも好ましい。さらには、多段延伸する引取ローラーと第1延伸ローラー間において、熱セット温度が60℃以上120℃以下であり、第1延伸時の第1延伸ローラーと第2延伸ローラー間(第1延伸)において、熱セット温度が60℃以上120℃以下であり、第2延伸時の第2延伸ローラーと第3延伸ローラー間(第2延伸)において、熱セット温度が60℃以上160℃以下であることが好ましい。特に引取ローラーと第1延伸ローラー間、第1延伸ローラーと第2延伸ローラー間において熱セット温度が高すぎると脆弱な糸ができやすく、低すぎると延伸性が悪くなる傾向にある。また、第2延伸ローラーと第3延伸ローラー間において熱セット温度は高すぎると断糸しやすくなり、低すぎると延伸性が悪くなる傾向にある。
【0030】
さらには、延伸速度は1000m/分以上4000m/分以下であることが好ましい。このように延伸速度を高く保つことにより工程途中での繊維の温度低下を防止し、一定条件で、高い温度を保ったままの処理を行うことが可能となる。
【0031】
このような本発明の製造方法にて得られたポリカーボネート繊維は、耐熱性、剛性、耐衝撃性、寸法安定性に優れ、透明性などの外観に加え、強度、伸度、タフネスに優れた工業用繊維に適したものとなる。特に本発明の繊維はタフネスに優れることからタイヤコードなどのゴム補強用途や、土木資材などの工業用繊維に最適に用いられる。
【実施例】
【0032】
本発明をさらに下記実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されるものではない。また繊維の物性は下記の方法により測定した。
【0033】
(ア)繊維の強伸度
引張荷重測定器(島津製作所製オートグラフ)を用い、JIS L−1013に従って測定した。
【0034】
[実施例]
ポリカーボネートチップを、窒素雰囲気下130℃にて8時間乾燥した。これをポリマー溶融温度313℃にて口径直径0.4mm、36孔数の紡糸口金より紡出し、口金直下に具備した長さ300mmの400℃に加熱した円筒状加熱帯を通じ、次いで脂肪族エステル化合物を主体成分とする油剤を、繊維の油剤付着量が0.5%となるように油剤付与したのち、ローラーにて438m/minの速度で引き取った。
この吐出糸条を一旦巻き取ることなく引き続いて連続的に第1延伸倍率2.66倍、第2延伸倍率1.03倍の合計2.74倍の2段延伸をおこなった。最終的な延伸速度は1200m/minであった。また熱処理条件としては、引取ローラーと第1延伸ローラーとの間において、60℃の熱セット、第1延伸時の第1延伸ローラーと第2延伸ローラー間において、60℃の熱セット、第2延伸時の第2延伸ローラーと第3延伸ローラー間において、120℃の熱セットを行った。そして最終的には、518dtex/36フィラメントのポリカーボネートマルチフィラメント繊維を得た。
このものの強度は3.26cN/dtex、伸度26.5%でタフネスは16.8であった。毛羽欠点もなく、製糸性に優れたものであった。
なお、ポリマー溶融温度を上記実施例の313℃から317℃に上げたところ、伸度が低下し、若干タフネスの低下がみられた。
また、第2延伸温度を上記実施例の120℃から140℃に上げたところ、若干繊維の白濁が見られる傾向にあった。
【0035】
[比較例]
口金直下に具備した円筒状加熱帯を使用しない以外は実施例と同様にして紡糸、延伸を行った。ポリカーボネート繊維の脆化が起こり、断糸が数多く発生した。一部巻取った繊維についても、延伸工程で繊維が白濁してしまい十分な延伸ができず、強度不良の繊維しか得られなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単糸繊度が1〜20dtexであるポリカーボネート繊維であって、強度3.0cN/dtex以上、伸度22.5%以上、かつ強度と伸度の平方根との積であるタフネスが15以上であることを特徴とするポリカーボネート繊維。
【請求項2】
繊維がマルチフィラメントにより構成されたものである請求項1記載のポリカーボネート繊維。
【請求項3】
総繊度が300〜3000dtexである請求項1または2記載のポリカーボネート繊維。
【請求項4】
ポリカーボネート成分を主成分とするポリマーを溶融紡糸する単糸繊度が1〜20dtexであるポリカーボネート繊維の製造方法であって、溶融紡糸後巻き取ることなく延伸処理する直接延伸法であり、紡糸口金直下に250〜450℃の加熱域があり、紡糸後の引き取り速度が300〜800m/分、延伸後の巻き取り速度が1000〜4000m/分であることを特徴とするポリカーボネート繊維の製造方法。
【請求項5】
紡糸口金直下の加熱域の長さが100mm以上である請求項4記載のポリカーボネート繊維の製造方法。
【請求項6】
延伸が多段延伸であって、引取ローラーと第1延伸ローラーとの間における熱セット温度が60〜120℃であり、第1延伸ローラーと第2延伸ローラー間(第1延伸)における熱セット温度が60〜120℃、第2延伸ローラーと第3延伸ローラー間(第2延伸)における熱セット温度が60〜160℃である請求項4または5のいずれかに記載のポリカーボネート繊維の製造方法。