説明

ポリトリメチレンエーテルグリコールから誘導されたコポリマーを含む組成物を用いて形成されたゴルフボール

ゴルフボールの1層以上の層の中にポリトリメチレンエーテルグリコール系ポリマーを有するゴルフボールが開示されている。ポリトリメチレンエーテルグリコールポリマーは、ポリトリメチレンエーテルソフトセグメントを含むポリエーテルエステルエラストマー、ポリトリメチレンエーテルソフトセグメントを含むポリエーテル−エステル−アミドエラストマー、ならびに(a)ポリトリメチレンエーテルグリコール、(b)ジイソシアネートおよび(c)ジオール連鎖延長剤またはジアミン連鎖延長剤の反応によって調製されたポリウレタンおよびポリウレタン−ウレアから誘導されるとして開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフボールに関し、詳しくは、層の少なくとも1層がポリトリメチレンエーテルセグメントを含むコポリマーまたはポリトリメチレンエーテルグリコール系コポリマーと他のポリマーのブレンドを含む多層を有するゴルフボールに関する。
【背景技術】
【0002】
1,3−プロパンジオール(「PDO」)は、ポリマーを製造するために用途が多い構成単位である。例えば、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、すなわち「PTT」は周知であり、多くの最終用途のために適するポリマーまたは繊維として市販されている。PDOから誘導された他のポリマーには、ポリエーテルおよびポリエーテル系コポリマーが挙げられる。ポリトリメチレンエーテルグリコール(「PO3G」)およびそのブロックコポリマー誘導体は、これらの中にある。PO3GはPDOの重縮合から製造された低分子量ポリエーテルポリオールであり、多くの特許および特許出願に記載されてきた。PO3Gは特に熱可塑性エラストマーおよび他の用途において多くの用途を有する。
【0003】
ポリトリメチレンエーテルエステルソフトセグメントおよびテトラメチレンエステルハードセグメントまたはトリメチレンエステルハードセグメントを含むポリエーテルエステルエラストマーを含むPO3G誘導体は、例えば、米国特許第6,562,457号明細書、同第6,599,625号明細書、同第5,128,185号明細書、同第4,937,314号明細書および同第4,906,729号明細書に記載されている。更に、ポリトリメチレンエーテルエステルアミドは米国特許第6,590,605号明細書に記載されている。PO3Gから誘導されたポリウレタンおよびポリウレタンウレアは米国特許出願公開第2004/0030060号明細書に記載されている。PO3G誘導体は、特に、優れたテナシティおよび伸び特性のゆえに今まで主として繊維に向けられてきた。
【0004】
米国特許第4,337,947号明細書には、外側カバーと合わせて糸巻中心コアを含むゴルフボールであって、外側カバーが(a)イオノマーおよび(b)ポリエーテルエステル、ポリラクトン−エステルまたはコ−ポリエステルから選択されたポリエステルエラストマーを含むゴルフボールが開示されている。
【0005】
米国特許第4,398,000号明細書には、中心コアと外側カバーを含むゴルフボールであって、外側カバーが(a)ブチレンテレフタレート単位、(b)ブチレンテレフタレート以外のエステルおよび(c)テレフタレート基を含むジカルボン酸成分とポリ(アルキレンオキシド)から誘導されたポリエーテルエステル単位を含むポリエーテルエステルブロックコポリマーを含むゴルフボールが開示されている。適するポリ(アルキレンオキシド)には、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリトリメチレンエーテルグリコールおよび多くの組み合わせが挙げられる。PTMEGの例のみが提供されている。
【0006】
米国特許第5,688,191号明細書には、少なくとも3層、すなわちカバー(イオノマー)、マントル、コアを有するゴルフボールであって、(1層以上の層であることが可能である)マントルがポリエーテルエステル(Hytrel(登録商標))およびポリエーテルアミド(Pebax(登録商標))などの熱可塑性エラストマーであるゴルフボールが開示されている。ゴルフボールのカバーはポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを含んでもよい。
【0007】
特に過去に達成されたよりも柔軟・強靱・弾性のゴルフボールグレードのために高性能高分子材料によりゴルフボールの性能を改善することが必要とされ続けている。本発明はこの必要性を満たす。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はゴルフボールに関し、詳しくは、コア層とカバー層を含むゴルフボールであって、これらの層の少なくとも1層がポリトリメチレンエーテルグリコール(「PO3G」)組成物を含むゴルフボールに関する。本発明は、ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物を含むワンピースゴルフボールにも関連する。「ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物」とは、トリメチレンエーテル反復単位を含む組成物を意味する。こうした組成物はポリトリメチレンエーテルグリコール誘導体であり、こうした誘導体には、ポリトリメチレンエーテルソフトセグメントを含むポリエーテルエステルエラストマー、ポリトリメチレンエーテルソフトセグメントを含むポリエーテル−エステル−アミドエラストマー、ならびに(a)ポリトリメチレンエーテルグリコール、(b)ジイソシアネートおよび(c)ジオール連鎖延長剤またはジアミン連鎖延長剤の反応によって調製されたポリウレタンおよびポリウレタン−ウレアが挙げられる。PO3G組成物は単独で、あるいは他のポリマーとのブレンドの中で存在してもよい。
【0009】
マントルまたはコア層とカバー層との間の他の中間層などの追加の層はゴルフボール中に存在してもよい。そうであれば、PO3G組成物は代案として追加の層の中に存在してもよい。こうした実施形態も本発明の範囲内に包含される。
【0010】
本発明において用いるために適するPO3G組成物は、驚くべきことに、(a)ソフトタッチ、(b)強化されたプレーコントロールおよび(c)良好な耐久性を含む有利な特性を本発明のゴルフボールに提供する。その他の利点を以下で記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
発明の実施の態様
本発明は、コア層とカバー層を含む上述した有利な特性を有するゴルフボールであって、ボールの層の少なくとも1層がポリトリメチレンエーテル系高分子組成物よりなるゴルフボールに関する。任意に、1層以上の中間層はコアおよびカバーに加えてゴルフボール中に存在してもよい。本発明において用いるために特に適していることが見出されたポリトリメチレンエーテル系高分子組成物は、トリメチレンエーテル反復単位を含む組成物として定義することが可能である。こうした組成物はポリトリメチレンエーテルグリコール誘導体を含む。ポリトリメチレンエーテルグリコール誘導体には、ポリトリメチレンエーテルソフトセグメントを含むポリエーテルエステルエラストマー、ポリトリメチレンエーテルソフトセグメントを含むポリエーテル−エステル−アミドエラストマー、ならびに(a)ポリトリメチレンエーテルグリコール、(b)ジイソシアネートおよび(c)ジオール連鎖延長剤またはジアミン連鎖延長剤の反応によって調製されたポリウレタンおよびポリウレタン−ウレアが挙げられる。PO3G組成物は単独で、あるいは他のPO3G組成物または他のポリマーとのブレンドの中で存在してもよい。
【0012】
ポリトリメチレンエーテルグリコール
本発明において有用なPO3G組成物の製造において有用なポリトリメチレンエーテルグリコールは、好ましくは米国特許出願公開第2002/7043A1号明細書および同第2002/10374A1号明細書に記載されたように1,3−プロパンジオールの酸触媒重縮合によって調製される。これらのポリトリメチレンエーテルグリコールは、オキセタンから調製されたポリトリメチレンエーテルグリコールから区別する多くの特徴を有する。最も注目すべきは、それらは、約0.003〜約0.0015ミリグラム当量/グラム(meq/g)の範囲内、好ましくは少なくとも約0.005meq/g、且つ好ましくは約0.014meq/g以下、より好ましくは約0.12meg/g以下の不飽和末端基、主としてアリル末端基を含む。1つの好ましい実施形態において、それらは、0.005meq/gを上回る、最も好ましくは少なくとも0.006meg/gの不飽和末端基を含む。
【0013】
ポリトリメチレンエーテルグリコールは、約1,000〜約4,000の範囲内、好ましくは約3,000以下の数平均分子量(Mn)を有する。
【0014】
ポリトリメチレンエーテルグリコールの多分散性は、好ましくは約1.5〜約2.1の範囲内である。ポリトリメチレンエーテルグリコールのブレンドを用いて多分散性を調節することが可能である。
【0015】
エラストマーを製造する際に用いるためのポリトリメチレンエーテルグリコールを調製するために用いられる1,3−プロパンジオールは、種々の化学経路のいずれかによって、または生物化学変換経路によって得てもよい。好ましい経路は、米国特許第5,015,789号明細書、同第5,276,201号明細書、同第5,284,979号明細書、同第5,334,778号明細書、同第5,364,984号明細書、同第5,364,987号明細書、同第5,633,362号明細書、同第5,686,276号明細書、同第5,821,092号明細書、同第5,962,745号明細書、同第6,140,543号明細書、同第6,232,511号明細書、同第6,235,948号明細書、同第6,277,289号明細書、同第6,297,408号明細書、同第6,331,264号明細書および同第6,342,646号明細書ならびに米国特許出願公開第2004/0225161号明細書、同第2004/0260125号明細書および同第2004/0225162号明細書に記載されている。
【0016】
最も好ましい1,3−プロパンジオール源は再生可能な生物源を用いる発酵プロセスである。再生可能源からの出発材料の例示的な例として、トウモロコシ原料などの生物的な再生可能資源から製造された原料を用いる1,3−プロパンジオールへの生物化学経路は記載されている。例えば、グリセロールを1,3−プロパンジオールに転化できる菌株は、は、例えば、種;クレブシエラ属、シトロバクター属、クロストリジウム属およびラクトバシラス属において見出されている。この技術は、米国特許第5,633,362号明細書、同第5,686,276号明細書および同第5,821,092号明細書を含む幾つかの特許の中で開示されている。Nagarajanらによる米国特許第5,821,092号明細書には、とりわけ、組換え型微生物を用いるグリセロールからの1,3−プロパンジオールの生物的製造のためのプロセスが開示されている。このプロセスは、1,2−プロパンジオールに関する特異性を有する、異種pduジオールデヒドラターゼ遺伝子で変換された大腸菌(E.Coli)を導入している。変換された大腸菌は炭素源としてグリセロールの存在下で増殖され、1,3−プロパンジオールは増殖された媒体から単離される。菌と酵母の両方がグルコース(例えばトウモロコシ糖)または他の炭水化物をグリセロールに転化できるので、本発明の方法は迅速で安価で環境に責任をもつ1,3−プロパンジオールモノマー源を提供した。
【0017】
ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物
本発明のゴルフボール中の1層以上の層として有用な特定のポリトリメチレンエーテルグリコール(PO3G)組成物を以下に記載する。これらの組成物は、本明細書においてポリトリメチレンエーテルグリコール誘導体とも呼ぶ。これらの組成物が単独で、他のPO3G組成物とのブレンドの中で、あるいは他のポリマーとのブレンドの中で存在してもよいことは認められるべきである。
【0018】
ポリトリメチレンエーテルエステルエラストマー
本発明のゴルフボールの層の1層以上の中で有用なポリトリメチレンエーテルエステルエラストマーはトリメチレンエーテル反復単位を含む。特に有用なポリトリメチレンエーテルエステルエラストマーは約90〜約60重量%のポリトリメチレンエーテルエステルソフトセグメントおよび約10〜約40重量%のトリメチレンエステルハードセグメントまたはテトラメチレンエステルハードセグメントを含む。
【0019】
本明細書における「ポリトリメチレンエーテルエステルソフトセグメント」および「ソフトセグメント」は、エステル接続を形成する高分子エーテルグリコールとジカルボン酸等価物の反応生成物を指すために用いられる。ここで、ソフトセグメントを形成するために用いられる高分子エーテルグリコールの少なくとも40重量%はポリトリメチレンエーテルグリコール(PO3G)である。
【0020】
ソフトセグメントを形成するためにPO3Gを用いる時、ソフトセグメントは以下の構造によって表される単位を含むとして表すことが可能である。
【0021】
【化1】

【0022】
式中、xは好ましくは約17〜約86であり、Rはジカルボン酸等価物からのカルボキシル官能基の除去後に残る二価基を表す。
【0023】
「ハードセグメント」によって、エステル接続を形成するジオールとジカルボン酸等価物の反応生成物に関して述べている。ここで、ハードセグメントを形成するために用いられるジオールの少なくとも50重量%は1,3−プロパンジオールまたは1,4−ブタンジオールである。
【0024】
ハードセグメントは、以下の構造を有する単位を含むとして表すことが可能である。
【0025】
【化2】

【0026】
式中、−O(CH2yO−は、ハードセグメントの少なくとも50モル%において、yが3または4であるようなジオールを表し、R’はジカルボン酸等価物からのカルボキシル官能基の除去後に残る二価基を表す。殆どの場合、本発明のポリエーテルエステルのソフトセグメントおよびハードセグメントを調製するために用いられるジカルボン酸等価物は同じである。
【0027】
ハードセグメントは、50モル%以下(好ましくは25モル%以下、より好ましくは15モル%以下)のジオール混合物により調製することも可能である。ジオール混合物は、1,3−プロパンジオールと1,4−プロパンジオールの組み合わせ、またはこれらのジオールの1種と他のジオールの組み合わせであることが可能である。好ましくは、ジオールは400g/モルより低い分子量を有する。他のジオールは、好ましくは脂肪族ジオールであり、非環式または環式であることが可能である。エチレングリコール、イソブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、2−メチルトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールおよびデカメチレングリコール、ジヒドロキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルなどの2〜15個の炭素原子を有するジオールは好ましい。2〜8個の炭素原子を含む脂肪族ジオールは特に好ましい。エチレングリコール、1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオールからなる群から選択されたジオール混合物は最も好ましい。
【0028】
「ジカルボン酸等価物」とは、ジカルボン酸および本発明の組成物を製造する観点からのジカルボン酸の等価物ならびにそれらの混合物を意味する。こうした等価物はグリコールおよびジオールとの反応においてジカルボン酸に実質的に似て機能する化合物である。
【0029】
ジカルボン酸等価物は、芳香族、脂肪族または脂環式であることが可能である。この点に関して、「芳香族ジカルボン酸等価物」は、以下で記載されたものなどのベンゼン環系の中の炭素原子に各カルボキシル基が結合されているジカルボン酸等価物である。「脂肪族ジカルボン酸等価物」は、完全飽和炭素原子またはオレフィン二重結合の一部である炭素原子に各カルボキシル基が結合されているジカルボン酸等価物である。炭素原子が環の中にある場合、等価物は「脂環式」である。
【0030】
ジカルボン酸等価物は、置換基が重合反応を妨げず、ポリエーテルエステル製品の特性に悪影響を及ぼさない限り、あらゆる置換基またはそれらの組み合わせを含むことが可能である。ジカルボン酸等価物には、ジカルボン酸、ジカルボン酸のジエステル、酸ハロゲン化物(例えば酸塩化物)および酸無水物などのジエステル形成性誘導体が挙げられる。
【0031】
ジカルボン酸およびジカルボン酸のジエステルからなる群から選択されたジカルボン酸等価物は特に好ましい。ジカルボン酸のジメチルエステルは、より好ましい。
【0032】
芳香族ジカルボン酸またはそれら自体によるジエステル、あるいは脂肪族または脂環式のジカルボン酸またはジエステルの少量と合わせた芳香族ジカルボン酸ジエステルは好ましい。芳香族ジカルボン酸のジメチルエステルは最も好ましい。
【0033】
代表的な芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸、二安息香酸、イソフタル酸およびナフタル酸、ジメチルテレフタレート、ビベンゾエート、イソフタレート、ナフタレートおよびフタレート、ならびにそれらの混合物である。代表的な脂肪族ジカルボン酸および脂環式ジカルボン酸は、セバシン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ドデカン二酸、グルタル酸、コハク酸、シュウ酸、アゼライン酸、スベリン酸、シクロペンタンジカルボン酸、デカヒドロ−1,5−ナフタレンジカルボン酸またはデカヒドロ−2,6−ナフタレンジカルボン酸および1,1−シクロブタンジカルボキシレートである。
【0034】
前述した芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸のジエステル、酸ハロゲン化物および酸無水物の形を取ったジカルボン酸等価物も本発明のポリエーテルエステルを提供するために有用である。代表的な芳香族ジエステルには、ジメチルテレフタレート、ジメチルビベンゾエート、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレートおよびジメチルナフタレートが挙げられる。特に好ましいジカルボン酸等価物は、フェニレンジカルボン酸の等価物、特にテレフタル酸およびイソフタル酸ならびにそれらのジエステル、特にジメチルエステル、ジメチルテレフタレートおよびジメチルイソフタレートからなる群から選択されたフェニレンジカルボン酸の等価物である。更に、2種以上のジカルボン酸等価物を用いることが可能である。例えば、テレフタル酸またはジメチルテレフタレートは、他のジカルボン酸等価物の少量と合わせて用いることが可能である。1つの例において、テレフタル酸およびイソフタル酸のジエステルの混合物を用いた。
【0035】
ポリトリメチレンエーテル−エステル−アミド
本発明のゴルフボールの層の1層以上の中で有用なポリトリメチレンエーテル−エステル−アミドはポリトリメチレンエーテルソフトセグメントを含み、本明細書においてポリトリメチレンエーテルエステルアミドと呼ぶ。これらは、ポリエーテルソフトセグメントまたはブロックへのエーテル連結によって接続されたポリアミドハードセグメントまたはブロックを含む。従って、それらは時によりブロックポリマーと呼ぶ。それらは、カルボキシル末端ポリアミド(またはその酸等価物)とポリトリメチレンエーテルグリコールを反応させることにより調製される。
【0036】
本明細書においてポリトリメチレンエーテルエステルアミド、カルボキシル末端ポリアミドまたはそれらの酸等価物、ポリトリメチレンエーテルグリコールなどに関して述べている時、これらの品目の1種以上に関して述べていることが理解されるべきである。従って、例えば、ポリトリメチレンエーテルグリコールであるソフトセグメントを形成するために用いられる少なくとも40重量%の高分子エーテルグリコールに関して述べている時、1種以上のポリトリメチレンエーテルグリコールを使用できることが理解されるべきである。
【0037】
ポリトリメチレンエーテルエステルアミドの一般構造は、式(I)に関連して考えることが可能である。
【0038】
【化3】

【0039】
式中、
【0040】
【化4】

【0041】
は、末端カルボキシル基またはそれらの基の酸等価物を含むポリアミドセグメントを表し、



【0042】
【化5】

【0043】
はポリエーテルセグメントを表し、xは1から平均約60に至るまでであり、ここで、ポリエーテルセグメントの少なくとも40重量%はポリトリメチレンエーテル単位を含む(AおよびGは、ポリトリメチレンエーテルエステルアミドおよび出発材料の記載から確認されるセグメントの部分を描くために用いられている)。
【0044】
ポリアミドセグメントは、好ましくは少なくとも約300、より好ましくは少なくとも約400の平均モル質量を有する。その平均モル質量は、好ましくは約5,000以下、より好ましくは約4,000以下、最も好ましくは約3,000以下である。
【0045】
ポリトリメチレンエーテルセグメントは、好ましくは少なくとも約800、より好ましくは少なくとも約1,000、より好ましくは少なくとも約1,500の平均モル質量を有する。その平均モル質量は、好ましくは約5,000以下、より好ましくは約4,000以下、最も好ましくは約3,500以下である。
【0046】
ポリトリメチレンエーテルエステルアミドは、少なくとも1つのポリエーテルエステルアミド反復単位を含む。それは、好ましくは平均約60個以下のポリアルキレンエーテルエステルアミド反復単位を含む。それは、平均して好ましくは少なくとも約5個、より好ましくは少なくとも約6個のポリアルキレンエーテルエステルアミド反復単位となる。それは、平均して好ましくは約30個以下、より好ましくは約25個以下のポリアルキレンエーテルエステルアミド反復単位となる。
【0047】
時にはハードセグメントとも呼ばれるポリアミドセグメントの重量%は、好ましくは少なくとも約10重量%、最も好ましくは少なくとも約15重量%であり、且つ好ましくは約60重量%以下、より好ましくは約40重量%以下、最も好ましくは約30重量%以下である。時にはソフトセグメントとも呼ばれるポリトリメチレンエーテルセグメントの重量%は、好ましくは約90重量%以下、より好ましくは約85重量%以下であり、且つ好ましくは少なくとも約40重量%、より好ましくは少なくとも約60重量%、最も好ましくは少なくとも約70重量%である。
【0048】
本発明のポリトリメチレンエーテルエステルアミドを調製する際に有用なカルボキシル末端ポリアミドあるいは二酸無水物、二酸塩化物またはジエステルなどのその酸等価物は周知されている。それらは、米国特許第4,230,838号明細書、同第4,252,920号明細書、同第4,331,786号明細書、同第4,349,661号明細書および同第6,300,463号明細書などの、他のポリアルキレンエステルアミドの製造に関連した多くの特許および刊行物に記載されている。
【0049】
好ましいポリアミドはジカルボン酸鎖端を有するものであり、米国特許第4,331,786号明細書に記載されたようにラクタム、アミノ酸またはジアミンと二酸の重縮合を含む方法などの、線状脂肪族ポリアミドを調製するために一般に用いられる方法によって得られる線状脂肪族ポリアミドが最も好ましい。
【0050】
好ましいポリエーテルエステルアミドは、ラクタムまたはアミノ酸とジカルボン酸の重縮合からカルボキシル末端ポリアミドポリアミドを誘導したポリエーテルエステルアミドである。ジカルボン酸はチェーンリミッタ(chain limiter)として機能し、ラクタムまたはアミノ酸対ジカルボン酸の厳密な比は、ポリアミドハードセグメントの所望する最終モル質量を達成するように選択される。好ましいラクタムは、ラウリルラクタム、カプロラクタムおよびウンデカノラクタムのように4〜14個の炭素原子を含む。ラウリルラクタムは最も好ましい。好ましいアミノ酸は4〜14個の炭素原子を含み、それらには、11−アミノ−ウンデカン酸および12−アミノドデカン酸が挙げられる。ジカルボン酸は、線状脂肪族、脂環式または芳香族のいずれかであることが可能である。好ましいジカルボン酸は4〜14個の炭素原子を含む。例には、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テレフタル酸およびイソフタル酸が挙げられる。線状脂肪族ジカルボン酸、特にアジピン酸およびドデカン二酸は最も好ましい。
【0051】
ポリアミドはジカルボン酸とジアミンの縮合の生成物であることも可能である。この場合、過剰の二酸はカルボキシル末端の存在を確実にするために用いられる。二酸対ジアミンの厳密な比は、ポリアミドハードセグメントの所望する最終モル質量を達成するように選択される。線状脂肪族二酸または線状脂環式二酸を用いることが可能である。好ましいジカルボン酸は4〜14個の炭素原子を含み、4〜14個の炭素原子を含む線状脂肪族ジカルボン酸は最も好ましい。例には、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸およびドデカン二酸が挙げられる。ドデカン二酸は最も好ましい。4〜14個の炭素原子を含む線状脂肪族ジアミンは好ましい。ヘキサメチレンジアミンは最も好ましい。前述した二酸とジアミンから誘導されたポリアミドの例には、ナイロン6−6、6−9、6−10、6−12および9−6が挙げられ、それらは、それぞれヘキサメチレンジアミンとアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸の縮合およびノナメチレンジアミンとアジピン酸の縮合の生成物である。
【0052】
ポリウレタンおよびポリウレタン−ウレア
本発明のゴルフボールの層の1層以上の中で有用なポリウレタンおよびポリウレタン−ウレアは、(a)ポリトリメチレンエーテルグリコール、(b)ジイソシアネートおよび(c)ジオール連鎖延長剤またはジアミン連鎖延長剤の反応によって調製される。
【0053】
ポリトリメチレンエーテルグリコールは上で記載されている。
【0054】
ポリエーテルグリコール、ジイソシアネートおよびジオールまたはアミンからポリウレタンおよびポリウレタン−ウレアを調製する際に有用なあらゆるジイソシアネートを本発明において用いることが可能である。それらには、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート(「TDI」)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、すなわち(「MDI」)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(「H12MDI」)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルジイソシアネート(「TODI」)、1,4−ベンゼンジイソシアネート、トランス−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(「NDI」)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(「HDI」)、4,6−キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(「IPDI」)およびそれらの組み合わせが挙げられる。MDI、HDIおよびTDIは容易な商業的入手可能性のゆえに好ましい。
【0055】
ポリトリメチレンエーテルグリコールおよびアルコールがイソシアネートに結合してウレタン連結を形成するので、ジオール連鎖延長剤を用いる時にポリウレタンが形成される。ポリトリメチレンエーテルグリコールおよびイソシアネートが結合してウレタン連結を形成するとともにアミンがイソシアネートに結合してウレア連結を形成するので、ジアミン連鎖延長剤を用いる時にポリウレタン−ウレアが形成される。
【0056】
ポリエーテルグリコール、ジイソシアネートおよびジオール連鎖延長剤またはアミン連鎖延長剤からポリウレタンおよびポリウレタン−ウレアを調製する際に有用なあらゆるジオール連鎖延長剤またはジアミン連鎖延長剤を本発明において用いることが可能である。
【0057】
本発明において用いられるポリウレタンを製造する際に有用なジオール連鎖延長剤には、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス(ヒドロキシエチレン)テレフタレート、ヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルおよびそれらの組み合わせが挙げられる。エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよび2−メチル−1,3−プロパンジオールは好ましい。
【0058】
本発明において用いられるポリウレタンを製造する際に有用なジアミン連鎖延長剤には、1,2−エチレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,2−プロパンジアミン、4,4’−メチレン−ビス(3−クロロアニリン)(3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンとしても知られている)(「MOCA」または「Mboca」)、ジメチルチオトルエンジアミン(「DMTDA」)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(「DDM」)、1,3−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニルおよびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0059】
こうしたポリウレタンおよびポリウレタン−ウレアを調製するプロセスは米国特許出願公開第2004/0030060号明細書に記載されている。
【0060】
本発明はゴルフボールの1層以上の層を形成するために少なくとも1種のPO3G組成物とブレンドされる多様な材料の使用も考慮している。
【0061】
熱可塑性樹脂
イオノマーまたは非イオン性熱可塑性樹脂は、性能の強化のためにPO3G含有組成物とブレンドすることが可能である。イオノマーの例には、アルカリ金属、アルカリ土類金属または遷移金属によって少なくとも部分的に中和されているアクリル酸またはメタクリル酸を含むとともに、ブチルアクリレート、酢酸ビニル、メチルアクリレートなどのような軟化用コモノマーを任意に含むエチレンイオノマーが挙げられる。非イオン性熱可塑性樹脂の例には、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、ポリエーテルウレア、スチレン系熱可塑性エラストマーPebax(登録商標)などの熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン、EPDM、エチレンコポリマーなどのようなエラストマーが挙げられる。米国特許第6,100,321号明細書および同第6,653,382号明細書に記載されたもののような脂肪酸塩変性イオノマーも本発明のブレンドの中で用いることができた熱可塑性樹脂である。
【0062】
充填剤
例えば、追加の密度を組成物に付与するために任意の充填剤成分を選択してもよい。充填剤入り組成物のために好ましい密度は、非充填剤入りポリマーの密度で出発し、1.8g/ccに至る範囲内の密度を含む。充填剤は、一般に約4g/ccより高い密度、好ましくは5g/ccより高い密度を有する無機充填剤であり、組成物の全重量を基準にして0〜約60重量%の間の量で存在する。有用な充填剤の例には、酸化亜鉛、硫酸バリウム、珪酸鉛、炭化タングステンおよび酸化錫、ならびに周知された他の対応する塩およびそれらの酸化物が挙げられる。
【0063】
他の成分
他の任意の添加剤には、白化剤または充填剤として用いられる二酸化チタン、他の顔料、光学ブライトナー、界面活性剤、加工助剤などが挙げられる。
【0064】
PO3G組成物を含むゴルフボール
本明細書で記載されたPO3G組成物は、ゴルフボールのカバー、マントル、中間層、コアおよび中心、またはワンピースゴルフボールの中で用いるために技術上教示されたレベルで技術上教示された1種以上の材料に代わる有用な代用品である。
【0065】
PO3G組成物を導入しているゴルフボールは、従来のゴルフボールに比べて、特にソフトフィール、より良好なプレーコントロール、良好な耐久性などの改善された特性を示す。
【0066】
本発明によるゴルフボールはワンピースまたは2層以上の層を含み、ここで、こうした層は、イオノマー樹脂、バラタゴム、熱硬化性ポリブタジエンゴムおよび熱硬化性ポリウレタンまたは熱可塑性ポリウレタンなどのゴルフボールを調製するために用いられた一切の伝統的な材料を置き換える本明細書で記載されたPO3G誘導ポリマー組成物から製造されたカバー、マントル、中間層、コアおよび/または中心を含んでもよい。ゴルフボールは伝統的なディンプル模様を有し、ポリウレタン塗料で更に被覆してもよいか、または外観目的のために塗装してもよい。こうした塗料および/または塗装はゴルフボールの性能特性に影響を及ぼさない。しかし、塗料および/または塗装はゴルフボールの耐擦り傷性に影響を与えるかもしれない。特に、こうした塗料および/または塗装は未仕上げボールの耐擦り傷性と比べて耐擦り傷性を改善することが可能である。本発明の目的のために、あらゆる塗料および/または塗装はゴルフボールカバーの一部とみなされない。
【0067】
本発明の実施において用いられる材料の特定の組み合わせは、所望するゴルフボールのタイプ(例えば、ワンピース、ツーピース、スリーピースまたはマルチピース)および得られたゴルフボールのために望まれる性能のタイプに応じて大幅に異なる。更に、ゴルフボールは、典型的には、United States Golfing Assosiation(U.S.G.A.)によって設定された質量制限(45.93グラム)またはゴルファーの統制機関によって設定された他の幾つかの制限を満たさなければならない。好ましくは、ゴルフボールは約1.128g/ccの密度を有する。
【0068】
コア、マントルおよび/または中間層は上述した充填剤を含んでもよい。これらの層の中で用いられる充填剤の量は、最終ボールが義務づけられた重量制限を満たす限り、層のサイズ(厚さ)およびゴルフボールの重量の所望する位置設定に応じて0から約60重量%まで異なってもよい。充填剤はコアの中で用いることができ、マントルの中で用いることができないか、マントルの中で用いることができ、コアの中で用いることができないか、またはその両方の中で用いることができない。可能な組み合わせに関して限定する意図はない一方で、この実施形態は以下を含む。
1.PO3G組成物を含むコアまたは中心および技術上知られているいずれかの組成物から製造されたマントル、
2.PO3G組成物を含むコアまたは中心および所望する重量のゴルフボールを提供するために調節された、充填剤入りまたは充填剤なしのPO3G組成物から製造されたマントル、または
3.いずれかの組成物(ポリブタジエンゴムなどの熱硬化性組成物を含む)から製造されたコアと、最終ゴルフボールの重量が義務付けられた制限を満たすことを条件として、充填剤入りまたは充填剤なしのPO3G組成物を含むマントル。
【0069】
本発明のゴルフボールは、ゴルフボール技術上現在周知されている成形プロセスに限定されないが、それらを含む成形プロセスによって製造することが可能である。例えば、ゴルフボールは、少なくとも1.680インチの直径を有し、しかし典型的には約45.93gの質量を有する必要は必ずしもないゴルフボールを製造するために巻成形コアまたは中実成形コアの周りに本明細書に記載された組成物を含むカバーまたはマントルを射出成形または圧縮成形することにより製造することが可能である。
【0070】
本発明の目的において、「巻コア」という用語は中心の周りにゴム弾性の巻付けを有する中心から本質的になるコアを意味し、「中実コア」という用語はゴム弾性の巻付けのない成形コアを表す。
【0071】
ワンピースゴルフボール
本明細書において用いられる「ワンピースボール」という用語は、熱可塑性組成物から成形されたゴルフボールを意味する。すなわち、ゴム弾性の巻き付けも、コアもマントルもなく、ボール全体は均質中実回転楕円面である。ワンピース成形ボールは伝統的なディンプル模様を有し、ポリウレタン塗料で被覆してもよいか、または外観目的のために塗装してもよいが、こうした塗料および/または塗装はゴルフボールの性能特性に影響を及ぼさない。これらのワンピースボールは直接射出成形技術または圧縮成形技術によって製造される。本発明は、ワンピースボールの中で典型的に用いられる他の材料を更に含む本明細書で記載されたPO3G組成物を含むワンピースゴルフボールを提供する。
【0072】
ゴルフボールを調製してゴルファーの統制機関によって設定された設定された制限を満たすレベルにゴルフボールの質量を調節するのに用いられる十分な充填剤をPO3G組成物(すなわち本明細書で記載された組成物)に添加するワンピースボールは注目に値する。好ましくは、ゴルフボールが1.128g/ccの密度を有するように十分な充填剤が用いられる。
【0073】
マルチピースボール
本明細書で用いられる「マルチピースボール」という用語は、以下で更に記載するツーピースゴルフボール、スリーピースゴルフボールおよび多層ゴルフボールを意味する。
【0074】
ツーピースゴルフボールの好ましい実施形態
本明細書で用いられる「ツーピースボール」という用語は、中実コアおよびカバーを含むゴルフボールを意味する。これらのツーピースボールは、熱硬化性組成物または熱可塑性組成物からコアを最初に成形し、後退可能なピンを用いてこれらの前もって成形されたコアを射出成形キャビティに入れ、その後、カバー材料をコアの周りに射出成形することにより製造される。あるいは、カバーはカバー材料をコア上に圧縮成形することにより製造することが可能である。
【0075】
本発明のゴルフボールの中実コア層は、ゴルフボールのコアとして従来から用いられた材料を含む多様な材料を含んでもよい。こうしたコアのための従来の材料は、ベースゴム、架橋剤、充填剤および共架橋剤を有するコア組成物を含む。ベースゴムは、典型的には天然ゴムまたは合成ゴムを含む。好ましいベースゴムは、少なくとも40%のシス構造を有する1,4−ポリブタジエンである。天然ゴム、ポリイソプレンゴムおよび/またはスチレン−ブタジエンゴムを1,4−ポリブタジエンに任意に添加してもよい。架橋剤は、典型的には、アクリル酸またはメタクリル酸などの炭素原子数3〜8の不飽和脂肪酸の亜鉛塩またはマグネシウム塩などの不飽和脂肪酸の金属塩を含む。こうした従来の材料からコアを調製する時、少なくとも1種のPO3G組成物を含むカバーは本発明のゴルフボールを調製するためにコア上に成形される。
【0076】
あるいは、本明細書で記載されたPO3G組成物はこうしたゴルフボールのコアとして用いて、本発明のゴルフボールを調製することが可能である。本発明の目的のために、こうしたコアは、所望する重量およびサイズを満たすゴルフボールを製造するためにコアの直径およびカバーの厚さおよび組成に応じて約1.12g/cc〜約1.2g/ccのコア密度を提供するのに十分な充填剤を充填してもよいPO3G組成物あるいはイオノマーまたは非イオン性熱可塑性樹脂などとPO3G組成物のブレンドから所望するサイズの球を射出成形または圧縮成形することにより製造される。
【0077】
スリーピースゴルフボールの好ましい実施形態
スリーピースボールは、例えば米国特許第4,846,910号明細書に記載されたように周知された技術によって製造される。本明細書で用いられる「スリーピースボール」という用語は、中心の周りに伝統的なゴム弾性の巻付けを有する中心からなる巻コアおよびカバーを含むゴルフボールを意味する。巻コアは、中実中心または液充填バルーン中心の周りに非常に太い弾性糸を巻付けることにより一般に製造される。中実中心は、典型的には、ポリブタジエンゴムまたは天然ゴムなどの弾性材料の均質な塊である。液充填中心は、典型的には、トウモロコシシロップなどの液体を皮下注射針によって中に注入する薄壁球である。その後、この球をシールし、凍結して中心を中実塊にする。中心のいずれかのタイプの巻付けは、所望する厚さに中心の周りで延伸され、巻かれている弾性糸によって提供される。本発明の目的のために、こうした弾性糸はPO3G組成物を含んでもよい。同様に、本発明の目的のために、これらのスリーピースボールの中実中心は、スリーピースボールのゴルフボール設計要件を満たす中心密度を提供するのに十分な充填剤を充填されているPO3G組成物あるいはイオノマーまたは非イオン性熱可塑性樹脂などの他のポリマーとPO3G組成物のブレンドから所望するサイズの球を射出成形または圧縮成形することにより製造してもよい。
【0078】
多層ゴルフボール
本明細書で用いられる「多層ボール」という用語は、コア、カバーおよび1つ以上のマントルまたはコアとカバーとの間の中間層を含むゴルフボールを意味する。これらの多層ボールは、コアを最初に成形または製造し、典型的にはコア上にマントルを圧縮成形または射出成形し、その後、マントル上にカバーを圧縮成形または射出成形することにより製造される。本明細書で記載されたPO3G組成物は本発明のゴルフボールを調製するために、こうしたゴルフボールのコア、マントル、中間層および/またはカバーの少なくとも1つとして用いることが可能である。
【0079】
多層ボールのコアは、上述したように中実または巻であってもよい。上で示されたように、追加のマントル層およびカバー層は既に記載した手順に似た手順を用いて多層ボールを製造するためにコア上に被着される。
【0080】
本明細書で記載されたPO3G組成物あるいはイオノマー樹脂および/または非イオン性熱可塑性樹脂とPO3G組成物のブレンドを含むゴルフボールのためのカバー、マントル、中間層、コア、中心は本発明の中に含まれる。特に、本発明のゴルフボールのコアおよび/またはカバー層はイオノマー性ポリマーまたはコポリマーを含んでもよい。こうしたコポリマーには、Wilmington,DelawareのE.I.du Pont de Nemours and Companyから商標SURLYN(登録商標)で入手できるコポリマー(亜鉛、ナトリウムまたはリチウムで部分的に中和されたエチレンとメタクリル酸のコポリマー)およびHouston,TexasのExxon Chemical Companyから商標IOTEK(登録商標)またはESCORE(登録商標)で入手できるコポリマー(亜鉛またはナトリウムで部分的に中和されたエチレンとアクリル酸のコポリマー)が挙げられる。
【0081】
カバー、マントルまたは中間層は、熱可塑性中心または熱硬化性中心の周りのコアまたは巻付け上で、ツーピースゴルフボール、スリーピースゴルフボールまたは多層ゴルフボールの熱可塑性コアまたは熱硬化性コア上に上述したPO3G組成物(充填剤、他の成分およびイオノマーおよび/または非イオノマーを含む他の熱可塑性樹脂なし、または有り)を射出成形または圧縮成形することにより製造することが可能である。
【0082】
ツーピースボールまたはスリーピースボールまたは多層ボールにおいて、ゴルファーの統制機関によって設定された制限を満たすレベルにゴルフボールの質量を調節するのに十分な充填剤をゴルフボールの1つ以上の構成部品(すなわち、コア、マントル、中間層および/またはカバー)に添加してもよい。ゴルフボールの他のピースの組成に応じて、本発明のカバーまたは中間層は、質量制限を満たすために上述したように充填剤で変性された本明細書に記載されたPO3G組成物から調製することが可能である。
【0083】
本発明のゴルフボールのカバー層は少なくとも1種のPO3G組成物を含んでもよい。追加の材料はカバー層の中に存在してもよい。好ましい従来のカバー材料の中には、SURLYN(登録商標)という商品名でE.I.du Pont de Nemours and Companyから市販されているものなどのイオノマー性ポリマーまたはコポリマーがある。同様に、バラタ、エラストマーおよびポリエチレンなどの他の従来の材料も本発明のカバー層の中で用いてよい。更に、発泡高分子材料は本発明のカバー層の中で用いるために適する。特に、メタロセン系発泡樹脂は本発明のカバー層の中で有用である。
【0084】
本発明の好ましい実施形態において、カバー層は内層と外層を含む。カバーの内層は、熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性ゴムなどの熱可塑性材料である。PO3G組成物、特にポリエーテルエステルエラストマーおよびポリエーテル−エステル−アミドは内層のために適する。
【0085】
カバーの外層は、エラストマーまたは熱可塑性ゴムなどの熱可塑性プラスチック材料または熱硬化性材料のいずれかである。外層のために適する材料は、ウレタン、弾性率が低いイオノマー、および合成熱可塑性エラストマー、EPDMおよびブチルゴムなどの他の耐久性材料が挙げられる。PO3G組成物、特に(a)ポリトリメチレンエーテルグリコール、(b)ジイソシアネートおよび(c)ジオール連鎖延長剤またはジアミン連鎖延長剤の反応によって調製されたポリウレタンおよびポリウレタン−ウレアは本発明のゴルフボールの外層の中で用いるために適する。
【0086】
上で示したように、本発明のゴルフボールは、成形プロセスによってコアの周りにPO3G組成物を含むカバーまたはマントルを形成することにより製造することが可能である。例えば、圧縮成形において、カバー組成物は、ディンプル入りゴルフボール型の中のコアの周りに配置され、例えば90〜235℃で1〜10分にわたり圧縮成形に供され、その後、10〜22℃で1〜10分にわたり冷却して、平滑楕円状シェルを互いに融着させて一体成形ボールを形成する平滑楕円状シェルに例えば約190℃〜約235℃で注入することを経由して成形される。射出成形の1つのタイプにおいて、カバー組成物またはマントル組成物は、約10℃〜65℃の型温度で一定時間にわたりゴルフボール型の中心に置かれたコアの周りに直接注入される。
【0087】
ワンピースボール、コアおよび中心は、類似の射出成形法によって調製してもよい。
【0088】
成形後、製造されたゴルフボールは、バフ研磨、塗装およびマーキングなどの更なる種々の処理工程を受けてもよい。
【0089】
本発明のゴルフボールは、ソフトタッチ、より弾力性、強化されたプレーコントロールおよび良好な耐久性を伴った改善された性能を有利に提供する。
【実施例】
【0090】
本発明を例示する目的のために以下の実施例を提示する。こうした実施例は限定することを意図していない。すべての部、百分率などは特に指示がない限り重量による。
【0091】
試験方法
試験方法1
ポリマーサンプルの固有粘度(I.V.)は、濃度0.5%のm−クレゾール中で30℃の温度でPolyVisc自動化粘度計により分析した。
【0092】
試験方法2
ポリマーの分子量は、HFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)にポリマーを溶解させ、Shodex806Mカラムから溶離させた後、三重検出によりサイズ排除クロマトグラフィ(SEC)を用いて分析した。
【0093】
実施例1
チタニウムテトラブトキシド触媒(113.5gの5%1,4−ブタンジオール原液)およびEthanox330酸化防止剤(17g)の存在下でポリトリメチレンエーテルグリコール(72重量%に対応する7.92lbs)とポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(Crastin6130、28重量%に対応する3.08lbs)を反応させることによりポリエーテルエステルを調製した。
【0094】
すべての試薬を10ポンドのオートクレーブ反応器に投入し、3回のN2/パージサイクルを完了させた。反応混合物をN2下で250℃に加熱した。140℃に達した時、スターラーを始動し、15RPMに設定する。250℃に達した後、反応を3.5時間にわたり真空(0.7〜1.0mmHg)下にもっていった。容器の底の開口を通して氷水のトレーに溶融物を押し出し、冷えた時にフレークに切断した。フレークをN2パージしつつ真空炉内で一晩100℃で乾燥させた。
【0095】
ポリマーは32,700の数平均分子量および50,800の重量平均分子量を有し、多分散性は1.55である。このポリマーの固有粘度は1.309dL/gであることが判明している。
【0096】
実施例2
ジメチルテレフタレート、1,4−ブタンジオールおよびポリトリメチレンエーテルグリコールからバッチプロセスを用いてポリマーを調製した。攪拌機、真空ジェットおよび蒸留缶が装着されたオートクレーブ反応器に19.4lbsのジメチルテレフタレート、19.6lbsの1,4−ブタンジオールおよび数平均分子量2,000の44.1lbsのポリトリメチレンエーテルグリコールを投入した。この反応器にテトライソプロピルチタネート重合触媒(40.4g)およびETHANOX酸化防止剤(37.7g)も投入した。反応器の温度を210℃に除々に上げ、約2.7kgのメタノール留出物を回収した。分子量を上るために反応を250℃で減圧下で2時間30分にわたり更に続けた。得られたポリマーを反応器から押し出し、ペレットに加工した。使用前にペレットを減圧下で一晩80〜90℃で乾燥させた。
【0097】
実施例3
ジメチルテレフタレート、1,4−ブタンジオールおよびポリトリメチレンエーテルグリコールからバッチプロセスを用いてポリマーを調製した。攪拌機、真空ジェットおよび蒸留缶が装着されたオートクレーブ反応器に32.4lbsのジメチルテレフタレート、37.9lbsの1,4−ブタンジオールおよび数平均分子量2,000の33.1lbsのポリトリメチレンエーテルグリコールを投入した。この反応器にテトライソプロピルチタネート重合触媒(50.3g)およびETHANOX酸化防止剤(93.8g)も投入した。反応器の温度を210℃に除々に上げ、約4.5kgのメタノール留出物を回収した。分子量を上げるために反応を250℃で減圧下で3時間にわたり更に続けた。得られたポリマーを反応器から押し出し、ペレットに加工した。使用前にペレットを減圧下で一晩80〜90℃で乾燥させた。
【0098】
実施例4
米国特許第6,653,382号明細書に記載されたように射出成形によって実施例1〜3のポリマーを直径1.51〜1.53インチの球に二次加工した。その後、米国特許第6,653,382号明細書に記載されたように球の反発係数(COR)およびPGA圧縮(Atti機械を用いる)を評価した。データを表1でまとめている。
【0099】
実施例5
実施例1のポリマーのペレット30%と0.836のCORおよび89の圧縮を有する米国特許第6,653,382号明細書に記載されたポリマー70%の塩およびペッパーブレンドを調製した。その後、混合スクリューを経由してペレットの混合物を射出型にフィードして、直径1.51インチの球を調製した。その後、米国特許第6,653,382号明細書に記載されたように球の反発係数(COR)およびPGA圧縮(Atti機械を用いる)を評価した。データを表1でまとめている。
【0100】
実施例6
実施例1のポリマーのペレット10%と0.836のCORおよび89の圧縮を有する米国特許第6,653,382号明細書に記載されたポリマー90%の塩およびペッパーブレンドを調製した。その後、混合スクリューを経由してペレットの混合物を射出型にフィードして、直径1.52インチの球を調製した。その後、米国特許第6,653,382号明細書に記載されたように球の反発係数(COR)およびPGA圧縮(Atti機械を用いる)を評価した。ショアD硬度をきれいな球で測定した。データを表1でまとめている。
【0101】
表1
PO3G系材料およびブレンドのゴルフボールの球特性

【0102】
実施例1〜3は、広範囲の圧縮値を有する弾性ゴルフボール材料を生物的に再生可能なモノマーである1,3−プロパンジオールを含むポリマーから製造してもよいことを示している。実施例5および6は、広範囲の圧縮値を有する弾性ゴルフボール材料をエラストマーと生物的に再生可能なモノマーである1,3−プロパンジオールを含むポリマーとのブレンドから製造してもよいことを更に実証している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア層およびカバー層を含むゴルフボールであって、前記層の少なくとも1層がポリトリメチレンエーテルグリコール組成物を含むゴルフボール。
【請求項2】
前記ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物は、エステル接続を形成するジオールとジカルボン酸等価物の反応生成物であるポリトリメチレンエーテルソフトセグメントとポリトリメチレンエーテルハードセグメントを含むポリエーテルエステルエラストマーである、請求項1に記載のゴルフボール。
【請求項3】
前記ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物は、ポリトリメチレンエーテルソフトセグメントとポリアミドハードセグメントを含むポリエーテル−エステル−アミドエラストマーである、請求項1に記載のゴルフボール。
【請求項4】
前記ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物は、(a)ポリトリメチレンエーテルグリコール、(b)ジイソシアネートおよび(c)ジオール連鎖延長剤またはジアミン連鎖延長剤の反応によって調製されたポリウレタンまたはポリウレタンウレアである、請求項1に記載のゴルフボール。
【請求項5】
前記ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物は、他のポリマーとのブレンドの中に存在する、請求項2〜4のいずれか1項に記載のゴルフボール。
【請求項6】
前記ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物は、イオノマーまたは非イオン性熱可塑性樹脂とのブレンドの中に存在する、請求項5に記載のゴルフボール。
【請求項7】
前記ゴルフボールは中実コアとカバーを含み、前記ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物は、前記コア、前記カバーまたは両方の中に存在する、請求項1に記載のゴルフボール。
【請求項8】
中心の周りにゴム弾性巻付けを有する前記中心を含む巻コアとカバーを含み、前記ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物が前記コア、前記中心、前記カバーまたは上のいずれかの中に存在する、請求項1に記載のゴルフボール。
【請求項9】
コア、カバー、および1つ以上のマントルまたは前記コアと前記カバーとの間の中間層を含むゴルフボールであって、前記ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物が前記コア、前記カバー、1つ以上のマントルまたは中間層あるいは上のいずれかの中に存在するゴルフボール。
【請求項10】
前記コア、前記カバー層または両方は、イオノマー性ポリマーまたはコポリマーを更に含む、請求項1に記載のゴルフボール。
【請求項11】
充填剤成分を更に含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載のゴルフボール。
【請求項12】
前記ソフトセグメントは構造
【化1】

(式中、xは約17〜約86であり、Rはジカルボン酸等価物からのカルボキシル官能基の除去後に残る二価基である)
によって表され、前記ハードセグメントは
【化2】

(式中、−O(CH2yO−は、前記ハードセグメントの少なくとも50モル%において、yが3または4であるようなジオールを表し、R’はジカルボン酸等価物からのカルボキシル官能基の除去後に残る二価基である)
として表される、請求項2に記載のゴルフボール。
【請求項13】
前記ポリトリメチレンエーテルエステルは、約90〜約60重量%のポリトリメチレンエーテルソフトセグメントおよび約10〜約40重量%のトリメチレンエステルハードセグメントまたはテトラメチレンエステルハードセグメントあるいはそれらの混合セグメントを含む、請求項12に記載のゴルフボール。
【請求項14】
前記ソフトセグメントおよび前記ハードセグメント中の前記ジカルボン酸等価物は、ジカルボン酸およびジカルボン酸のジエステルからなる群から選択される、請求項13に記載のゴルフボール。
【請求項15】
前記ジカルボン酸等価物は芳香族ジカルボン酸またはジエステルである、請求項14に記載のゴルフボール。
【請求項16】
前記ジカルボン酸等価物は芳香族ジカルボン酸のジメチルエステルである、請求項15に記載のゴルフボール。
【請求項17】
前記ポリアミドハードセグメントは少なくとも300の平均モル質量を有する、請求項3に記載のゴルフボール。
【請求項18】
前記ポリアミドハードセグメントは約5,000以下の平均モル質量を有する、請求項17に記載のゴルフボール。
【請求項19】
前記ポリトリメチレンエーテルソフトセグメントは少なくとも800の平均モル質量を有する、請求項17に記載のゴルフボール。
【請求項20】
前記ポリトリメチレンエーテルソフトセグメントは約5,000以下の平均モル質量を有する、請求項19に記載のゴルフボール。
【請求項21】
前記ポリエーテル−エステル−アミドエラストマーは、約90〜約40重量%のポリトリメチレンエーテルソフトセグメントおよび約10〜約60重量%のポリアミドハードセグメントを含む、請求項3に記載のゴルフボール。
【請求項22】
前記ポリアミドは線状脂肪族ポリアミドである、請求項21に記載のゴルフボール。
【請求項23】
前記ジイソシアネートは、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートまたは1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートである、請求項4に記載のゴルフボール。
【請求項24】
前記ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物はポリウレタンである、請求項4に記載のゴルフボール。
【請求項25】
前記ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物はポリウレタンウレアである、請求項4に記載のゴルフボール。
【請求項26】
前記コア層は前記ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物を含む、請求項1に記載のゴルフボール。
【請求項27】
ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物を含むマントル層を更に含む、請求項26に記載のゴルフボール。
【請求項28】
前記マントル層は充填剤を更に含む、請求項27に記載のゴルフボール。
【請求項29】
ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物を含むマントルを更に含む、請求項1に記載のゴルフボール。
【請求項30】
前記マントルは充填剤を更に含む、請求項29に記載のゴルフボール。
【請求項31】
ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物を含むワンピースゴルフボール。
【請求項32】
前記ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物は、ポリトリメチレンエーテルソフトセグメントを含むポリエーテルエステルエラストマーである、請求項31に記載のゴルフボール。
【請求項33】
前記ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物は、ポリトリメチレンエーテルソフトセグメントを含むポリエーテル−エステル−アミドエラストマーである、請求項31に記載のゴルフボール。
【請求項34】
前記ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物は、(a)ポリトリメチレンエーテルグリコール、(b)ジイソシアネートおよび(c)ジオール連鎖延長剤またはジアミン連鎖延長剤の反応によって調製されたポリウレタンまたはポリウレタンウレアである、請求項31に記載のゴルフボール。
【請求項35】
前記ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物は、他のポリマーとのブレンドの中に存在する、請求項32〜34のいずれか1項に記載のゴルフボール。
【請求項36】
前記ポリトリメチレンエーテルグリコール組成物は、イオノマーまたは非イオン性熱可塑性樹脂とのブレンドの中に存在する、請求項35に記載のゴルフボール。
【請求項37】
1.128g/ccの密度に前記ゴルフボールの質量を調節するのに十分な充填剤を更に含む、請求項31に記載のゴルフボール。
【請求項38】
前記ポリメチレンエーテルグリコールは、再生可能な生物源を用いる発酵プロセスから誘導された1,3−プロパンジオールから製造される、請求項1に記載のゴルフボール。

【公表番号】特表2007−537014(P2007−537014A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513427(P2007−513427)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/016869
【国際公開番号】WO2005/113073
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】