説明

ポリフェニレンコポリマー

【課題】優れた溶解性及び加工性を維持しつつ、より低いK及びTgを有するポリフェニレン及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】下記一般式で表される構造を含んでなるコポリマー:


(上式中−Ar−は、アリーレン又はヘテロアリーレン繰返し単位の少なくとも1種である)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換アリーレン繰返し単位を主鎖に有するポリアリーレンコポリマーに関する。前記ポリマーを電気装置の誘電絶縁体及び耐熱性プラスチックとして使用することができる。また、本発明は、酸及び複素環式繰返し単位を有するポリアリーレンコポリマーを含んで成るイオン性組成物に関する。前記イオン性組成物を高分子電解質として使用することができる。
【背景技術】
【0002】
ポリアリーレンは、基本のアリレーン単位が優れた熱安定性及び化学安定性を有するために関心が持たれている。フェニレン単位のみを含むポリマーは公知である。これらを製造するための一つの方法には、非特許文献1に記載されているように、ベンゼンのような芳香族化合物の酸化カップリングがある。この方法は、塩化第二銅のような化学酸化体とルイス酸触媒の使用を伴い、一般に、不定構造の不溶性ポリフェニレンが結果として生じる。ベンゼンの酸化により生じるポリフェニレンは枝分かれ鎖の低分子量のものであるとされている。
【0003】
より明確な組成のポリフェニレンは、非特許文献2に報告されている。未置換の親化合物であるポリフェニレンは全ての溶剤に不溶性であり、且つ溶融しなかった。相当に精製されたことにより高価なモノマーのディールス−アルダー付加環化反応(Diels-Alder cycloaddition)によって調製されたフェニル置換ポリフェニレンは、有機溶剤に可溶性であり、フィルムに加工することが可能である。これらのフェニレン置換ポリフェニレンは、パラ位及びメタ位のカートネーション(catenation)を共に主鎖に有するが、パラ位とメタ位との割合はモデル化合物の研究から推測されているのみである。
置換ポリフェニレンは、特許文献1に開示されている。特許文献1は、有機側基の付加により可溶性となった剛性ロッド(即ち、1,4又はパラ結合が支配的な)ポリフェニレンを開示している。該側基は、溶剤と正の相互作用するが、電気的に中性の(電荷を帯びていない)基から選ばれる。
置換ポリフェニレンの、熱安定性、ガラス転移温度(Tg)及び誘電定数(K)を含む化学的及び物理的特性は、安定化基及びポリマー主鎖の構造に依存する。優れた溶解性及び加工性を維持しつつ、より低いK及びTgを有するポリフェニレンを見出すことが望まれている。また、比較的安価な出発物質から製造することが可能な、明確な構造を有し且つ高純度のポリフェニレンを提供することが望まれている。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,227,457号
【非特許文献1】P. Kovacic, et al., Chem. Rev., 1987, 87, 357-379
【非特許文献2】J. K. Stille, Die Makromolekulare Chemie, 1972, 154, 49-61
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施によって、少なくとも幾つかがペンダント有機基で置換されたアリーレン芳香族核を含んでなる繰返し単位を含むコポリマーが提供される。該芳香族核はメタ(1,3)位又はパラ(1,4)位においてポリマー主鎖と結合されており、フェニレン核又は環の1、2若しくは3個のCHがNで置き替えられたヘテロ芳香族核であることができる。1個のCHがNで置き替えられた芳香族核はピリジン核であり、2個のCHがNで置き替えられた芳香族核はピリジン、ピリミジン又はピリダジン核であり、3個のCHがNで置き替えられた芳香族核はトリアジン核である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明のコポリマーは下記一般式で表される構造を含んでなる:
【化1】

上式中−Ar−は、1種以上の下式で表されるアリーレン又はヘテロアリーレン繰返し単位である:
【化2】

及び
【0007】
【化3】

上式中、
芳香族CH基の1〜3個はNにより任意に置き替えられていてよい; 式(1)中の繰返し単位の少なくとも0.1モル%及び好ましくは少なくとも1モル%が−Ar−である;
アリーレンセグメントの数平均セグメント長さは2を超え、好ましくは3を超え、より好ましくは4を超え、パラ−アリーレンの繰返し単位が存在する場合には、その数平均セグメント長さは1〜約8の範囲である;
メタ−アリーレン繰返し単位が存在する場合には、その数平均セグメント長さは1を超える;
xは0〜4であり、ペンダント基(A)は、−F、−CN、−CHO、−COR、−CR=NR’、−OR、−SR、−SO2 R、−OCOR、−CO2 R、−NRR’、−N=CRR’、−NRCOR’、−CONRR’及びRから成る群より独立に選ばれ、前記R及びR’は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールからなる群より独立に選ばれ、並びにR及びR’は一緒に結合していてよい;
【0008】
Yは、存在しないか、又は−Z−、−Z−Ph−及び−Ph−Z−Ph−からなる群より選ばれる二価の基であり、前記Zは、−O−、−S−、−NR−、−O(CO)−、−O(CO2)−、−(CO)NH(CO)−、−NR(CO)−、フタルイミド、ピロメリットイミド、−CO−、−SO−、−SO2 −、−P(O)R−、−CH2 −、−CF2 −及び−CRR’−からなる群より選ばれる二価の基である;
Phはフェニレン(オルト、メタ又はパラ−フェニレン)である;
Yが存在しない場合には、少なくとも2種の置換的又は異性的に異なる型の−Ar−繰返し単位が存在する;
繰返し単位100個毎に少なくとも1個、好ましくは繰返し単位10個毎に少なくとも1個、より好ましくは繰返し単位5個毎に少なくとも1個、最も好ましくは繰返し単位2個毎に少なくとも1個がペンダント側基Aを有する;並びに
nは数平均重合度を表すものであって、約4を超える数、好ましくは約10〜10,000、より好ましくは約20〜1,000、最も好ましくは約50〜500の数である。
【0009】
1個以上の−Ar−型又は−Y−型の繰返し単位が存在する。コポリマーの無制限の例は、(−Ar−/−Ar’−/−Y−)(−Ar−/−Ar’−/−Ar’’−/Y−)(−Ar−/−Y−Y’−)等である。
2個の隣接する側基Aは架橋されていてよい。架橋基の無制限の例には以下の基が含まれる:
【化4】

上式中R’’は、H、アルキル、アリール、−OH、−NH2 、−SH、アルコキシ、アリーロキシ、チオアルキル、チオアリール、置換アルキル及び置換アリールである。
【0010】
本発明の実施において有用なアルキル基−Rの例には、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル、ドデカニル、トリフルオロメチル、ペルフルオロ−n−ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジル、2−フェノキシエチル等がある。
本発明の実施において有用なアリール基−Rの例には、制限するわけではないが、フェニル、2−トリル、3−トリル、4−トリル、ナフチル、ビフェニル、4−フェノキシフェニル、4−フルオロフェニル、3−カルボメトキシフェニル、4−カルボメトキシフェニル等がある。
本発明の実施において有用なアルコキシ基−ORの例には、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、t−ブトキシ等がある。
本発明の実施において有用なアリーロキシ基−ORの例には、制限するわけではないが、フェノキシ、ナフトキシ、フェニルフェノキシ、4−メチルフェノキシ等がある。
【0011】
本発明の実施において有用なケトン基−CORの例には、制限するわけではないが、アセチル、プロピオニル、t−ブチルカルボニル、2−エチルヘキシルカルボニル、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、フェノキシフェニルカルボニル、1−ナフチルカルボニル、2−ナフチルカルボニル、ニコチノイル、イソニコチノイル、4−メチルフェニルカルボニル、2−フルオロフェニルカルボニル、3−フルオロフェニルカルボニル、4−フルオロフェニルカルボニル等がある。
本発明の実施において有用なアミン基−NRR’の例には、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
本発明の実施において有用なイミン基−N=CRR’には、制限するわけではないが、ジメチルイミノ(R=R’=メチル)、メチルイミノ(R=H、R’=メチル)、フェニルイミノ(R=H、R’=フェニル)等がある。
【0012】
本発明の実施において有用なイミン基−CR=NR’の例には、制限するわけではないが、フェニル−N−メチルイミノ、メチル−N−メチルイミノ、フェニル−N−フェニルイミノ等がある。
本発明の実施において有用なアミド基−CONRR’の例には、制限するわけではないが、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N−ブチルアミノカルボニル、N−フェニルアミノカルボニル、N,N−ジフェニルアミノカルボニル、N−フェニル−N−メチルアミノカルボニル等がある。
本発明の実施において有用なアミド基−NRCOR’の例には、制限するわけではないが、N−アセチルアミノ、N−アセチルメチルアミノ、N−ベンゾイルアミノ、N−ベンゾイルメチルアミノ等がある。
本発明の実施において有用なエステル基−CO2 Rの例には、制限するわけではないが、メトキシカルボニル、ベンゾイロキシカルボニル、フェノキシカルボニル、ナフチロキシカルボニル、エチルカルボキシ等がある。
【0013】
本発明の実施において有用なエステル基−OCORの例には、制限するわけではないが、フェニルカルボキシ、4−フルオロフェニルカルボキシ、2−エチルフェニルカルボキシ等がある。
本発明の実施において有用なチオエーテル基−SRの例には、制限するわけではないが、チオメチル、チオブチル、チオフェニル等がある。
本発明の実施において有用なスルホニル基−SO2 Rの例には、制限するわけではないが、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、トリルスルホニル等がある。
【0014】
本発明の実施において有用な繰返し単位−Ar−の例には、制限するわけではないが、フェニレン(1,3−及び1,4−フェニレン)、5−アミノ−1,3−フェニレン、4−ベンゾイル−1,3−フェニレン、5−ベンゾイル−1,3−フェニレン、2−ベンゾイル−1,4−フェニレン、4,4’−ビ−フェニルジイル、2−カルボキシ−メチル−1,4−フェニレン、4−カルボキシメチル−1,3−フェニレン、5−カルボキシメチル−1,3−フェニレン、1,3−ナフタレンジイル、1,4−ナフタレンジイル、5−フェノキシ−1,3−フェニレン、2−フェニル−1,3−フェニレン、4−フェニル−1,3−フェニレン、5−フェニル−1,3−フェニレン、2−フェニル−1,4−フェニレン、2,6−ピリジンジイル、2,4−ピリジンジイル、3,5−ピリジンジイル、3,6−ピリジンジイル、5,8−キノリンジイル、2,4−トルエンジイル、2,5−キシレンジイル等がある。上記したアリーレン基の1,3位及び1,4位以外の特に列挙しなかった異性体には、例えば、2,4−キノリンジイル、2,5−キノリンジイル、2,6−キノリンジイル等がある。当業者は、本発明に使用するのに好適な他のAr核を認識することができるであろう。
【0015】
Zの好ましい例には、制限するわけではないが、Zが、−オキシ−1,4−フェニレン−2,2−イソプロピリデン−1,4−フェニレン−オキシ−;−オキシ−4,4’−ジフェニルメタン−オキシ;−オキシ−1,4−フェニレン−2、2−ヘキサフルオロイソプロピリデン−1,4−フェニレン−オキシ−;−カルボニロキシ−1,4−フェニレン−2,2−イソプロピリデン−1,4−フェニレン−オキシカルボニル−;等であるように、ビスフェノールA、ビスフェノールAF及び他のビスフェノールから誘導されるものである。追加の好ましいZの例には、−ヘキサフルオロイソプロピリデン−2,2−ジイル;−イソプロピリデン−2,2−ジイル;2−フェニル−1,1,1−トリフルオロエチリデン−2,2’−ジイル等がある。
−Ph−Z−Ph−型のエステル及びアミドの好ましい例には、−(フェニレン−CONH−フェニレン−NHCO)−フェニレン、−(フェニレン−CONH−フェニレン)−、−(フェニレン−COO−フェニレン−OCO)−フェニレン−、−(フェニレン−カルボニル)−フェニレン−、−(フェニレン−カルボニル−フェニレン−オキソ−フェニレン−カルボニル−フェニレン)−等がある。
【0016】
本発明のポリマーがブロックコポリマーであり、且つYが存在しない場合には、繰返し単位Yはオリゴマーセグメント又はポリマーセグメントを形成することができる。繰返し単位Yの無制限の例には、ポリアミド、ポリアリーレート、ポリアリーレンオキシド、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、置換ポリフェニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン等がある。
ブロックを形成している好ましいY単位は、−(フェニレン−CONH−フェニレン−NHCO)m −フェニレン、−(フェニレン−CONH)m −フェニレン−、−(フェニレン−COO−フェニレン−OCO)m −フェニレン−、−(フェニレン−カルボニル)m −フェニレン−及び−(フェニレン−カーボネート−フェニレン−2,2−イソプロピリデン−カーボネート)m −フェニレン−からなる群より選ばれる。
【0017】
本明細書においてポリアリーレンオキシドは(−Ar−O−)n型のポリマーの一般名を意味する。前記ポリアリーレンオキシドには、制限するわけではないが、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンオキシド)、ポリ(オキシ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニレン)、及びポリ(オキシ−2,6−ピリジンジイル)がある。本明細書においてポリエーテルケトンは、フェニレン、オキソ及びカルボニル繰返し単位を含んでなる種々のポリマーの一般名を意味し、制限するわけではないが、ポリ(オキシ−1,4−フェニレン−オキシ−1,4−フェニレン−カルボニル−1,4−フェニレン)、PEEKとして知られているポリエーテルエーテルケトン、及び同類のポリマーであるPEK、PEKK等がある。本明細書においてポリアリーレートは、テレフタル酸又はイソフタル酸と、ビスフェノールA(2,2’−イソプロピリデンジフェノール)、レソルシノール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のようなジオールとから形成された種々のポリマーの一般名を意味する。上記した一般名は当業者に公知である。
【0018】
ポリアミドには、制限するわけではないが、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、4,4’−メチレンジアニリン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン等のようなジアミンと、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸等のような二酸との通常の縮合により形成されるポリマーがある。
ポリエステルには、制限するわけではないが、エチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ヒドロキノン、プロピレングリコール、レソルシノール等のようなジオールと、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸等のような二酸との通常の縮合により形成されるポリマーがある。
構造(1)に示されるように、本発明のポリマーはランダムコポリマー又はブロックコポリマーである。ポリマー構造(1)中及び以下のスラッシュ(/)は、繰返し単位の最も一般的な配列を表し、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー又は他のコポリマー型を包含する。本発明のポリマーは、完全にランダムなブロックと規則的なブロックとの中間の構造を有していてもよく、これを部分的ブロックコポリマー(partial block co-polymer)又はむらのあるコポリマー(blocky co-polymer)と称する。製造方法及び種々のモノマーの反応性の程度は、ブロック度(blockiness)によって決まり、当業者は、種々の方法を鑑みることにより生成物であるポリマーのブロック度を調節しうる。
本発明のポリマーは、モノマーから誘導された末端基又は重合反応時に加えられた特定の末端封鎖基を有することができる。末端基は、保護基の脱離のような化学変換又は後重合工程における反応により更に修飾されうる。末端基を、他のモノマー若しくはポリマーとでブロックコポリマーを形成するため、又は硬化工程時に架橋基として使用することができる。
【0019】
本発明の一態様におけるポリマーは、下記一般式で表される構造を有するメタ−フェニレン及びパラ−フェニレン単位のコポリマーである。
【化5】

【0020】
前記態様において、全てのセグメントがアリーレンであるために、Yは存在せず、アリーレンセグメントのセグメント長さはnである。
コ−ポリ(メタ−フェニレン−/−パラ−フェニレン)は、下記一般式で表されるブロックコポリマーである:
【化6】

上式中aはメタ−フェニレンブロックの数平均長さであり、及びbはパラ−フェニレンブロックの数平均長さであり、nは鎖当たりのブロックの数平均数である。この型のコポリマーは1を超えるaを有し、1〜約8の範囲のbを有する。bが約8を超える場合には、ポリマーは、本質的には剛性ロッド(rigid-rod)型ポリマーであり、通常のフレキシブルなポリマーに比して性質上異なる挙動を有する。剛性ロッドポリマーはフレキシブルポリマーであって、典型的には、繰返し単位が同様であっても異なるクラスのポリマーとして見なされる。特に、剛性ロッドポリマーは、溶融時及び溶液中で非常に高い粘度を有し、且つ非常に高い引張弾性率を有する。これらは非常に高い粘性を有するために、剛性ロッドポリマーの加工及び精製は困難である。本発明のポリマーはせいぜい半硬質(semi-rigid)であり、剛性ロッドポリマーの極度に高い粘性を持たない。しかしながら、本発明のポリマーは剛性ロッドポリフェニレンに比してより高い溶解性及び溶融流れ特性を有し、本発明のポリマーはポリフェニレンの化学的安定性及び熱安定性をも有し、Kが低くなるように及び水吸収性が低くなるように適切に側基が選ばれる。
【0021】
加工性を維持しながらK及び吸湿性を最低限可能な値に低下させるためには、側基Aの数を減少させ且つ極性を低くすることが望ましいことが見出された。剛性ロッド型ポリフェニレンにとって、実際的でないレベルに溶解性を低下させることなく多数の側基を無くすことは不可能である。フレキシブルなフェニレン繰返し単位、特にメタ−フェニレン繰返し単位を導入することにより溶解性及び加工性はより少量の可溶化性側基で維持されうることが見出された。この結果、好ましいメタ−フェニレン繰返し単位は、全繰返し単位の少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約30%、更に好ましくは少なくとも約40%を構成する。可溶性コポリマーは、2種のモノマーのうちの少なくとも一方がペンダント側基を有している場合にのみ可能である。
【0022】
側基Aがパラ−フェニレン繰返し単位のみに結合している場合には、本発明のポリマーは下記一般式で表される構造を有する。
【化7】

【0023】
また、下式で表される構造は、各繰返し単位が、多くて1個の側基Aを有している場合を表す。
【化8】

【0024】
本発明の他の一態様においてコポリマーは2種の異なる置換メタ−フェニレン繰返し単位を含んで成り、その構造は下式で表される。
【化9】

【0025】
他の一態様において本発明のコポリマーは下式で表される構造を有する。
【化10】

【0026】
下記一般構造は、−Ar−繰返し単位のモル百分率が80%であること、及び−Y−繰返し単位のモル百分率が20%であることを示し、上記したように配列(ランダム、ブロック等)は示されていない。
【化11】

【0027】
下式の特異的な構造は、ベンゾイルが付加した1,4−フェニレン(繰返し単位の15モル%)及び1,3−フェニレン(繰返し単位の85モル%)のランダムコポリマーである。
【化12】

【0028】
更に、下式の特異的な構造は、本発明のポリマーの無制限の例である。
【化13】

【0029】
前記第一式において、ベンゾイル基はカートネーションに対してオルト位とパラ位との間にランダムに置換されている。
本発明のポリマーは以下の群から選ばれるモノマーから調製される:
【化14】

上式中Xは塩素、臭素、ヨウ素又はスルホネートであり、好ましくは塩素である。
本発明の実施において有用なスルホネートの例には、制限するわけではないが、メタンスルホネート、フェニルスルホネート、トルエンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート及びフルオロスルホネートがある。
【0030】
繰返し単位−Ar−及び−Y−は、対応するジハロ、ジスルホネート又はハロスルホネートモノマーから誘導される。例えば、1,4−ジクロロベンゼンから1,4−フェニレン、2,5−ジクロロベンゾフェノン又は5−クロロ−2−スルホンオキシメチルベンゾフェノンから2−ベンゾイル−1,4−フェニレン、並びに5,8−ジクロロキノリンから5,8−キノリンジイルが誘導される。
Yが−Ph−Z−Ph−であり、且つZがアミド、エステル、イミド等である場合には、モノマーX−Y−Xは、クロロ安息香酸のようなハロアリール酸と、レソルシノール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレンジアミン及び1,4−フェニレンジアミンのようなジアミン若しくはジオール又はメタ−クロロアニリン及びメタ−クロロフェノールのようなハロアリールアミン若しくはハロアリールアルコールとから誘導される。同様に、該モノマーは、ハロアリールアミン又はハロアリールアルコールと、アジピン酸又はテレフタル酸のような二酸との縮合により誘導される。Yがオリゴマー又はポリマーである場合には、セグメントYは、縮合してハロアリール末端封鎖ポリアミドを形成するハロアリール酸と二酸及びジアミンとから誘導されるものであるか、縮合してハロアリーレン末端封鎖ポリエステルを形成するハロアリール酸と二酸及びジオールとから誘導されるものである。他のX−Y−X型モノマーは、ハロアリール型末端封鎖剤を縮合重合又は付加重合させることにより同様に調製される。
【0031】
T. Kanbara, T. Kushida, N. Saito, I. Kuwajima, K. Kubota, and T. Yamamoto, Chemistry Letters, 1992, 583 〜586頁に記載されているようなニッケル(0)化合物を使用する還元カップリングにより、又は上記した457号若しくは米国特許第5,241,044号に記載されているようなニッケル触媒還元カップリングによって、上記したモノマーを重合させて本発明のポリマーを形成させることができる。
本発明のポリマーは、一般式:
【化15】

で表されるダイマー、オリゴマー、ポリマー又はコポリマー化合物と、一般式:
【化16】

で表される相補的に二官能性のモノマー、オリゴマー、ポリマー又はコポリマーとの反応により調製されるものであってもよく、上式中E及びE’は相補的に反応性の基である。反応性基Eを有するコポリマー化合物の一般式は、E−(−Ar−/−Ar’−)−E、E−(−Ar−/−Ar’−/−Ar’’’−)−E及びE’−(−Y−/−Y’−)−E’等である。
【0032】
相補的に反応性の基であるE及びE’を、表1中の同じ列から例として選ぶことができる。
【表1】

【0033】
従って、もしEが−ArCO2 Hであり、且つE’が−OHであれば、ポリマーはポリエステルとなる。Eが−F又は−ArFである場合には、フルオロ基は同一環上の電子吸引性基により求核置換されるように活性化される必要がある。活性電子吸引性基の無制限の例は、ベンゾイル、フェニルスルホニル、2−ベンゾキシアゾリル、2−キノリネイル及び4−キノリネイルである。
下式で表される反応は、E−Ar−EとE’−Y−E’からのブロックコポリマーの形成を例示している。
【化17】

【0034】
下式で表される反応は、本発明のコポリマーがE−Ar−Eブロックと、−Y−ブロックを形成するE−Ph−EとE’−Ph−E’型の2種のモノマーから調製される場合を例示している。
【化18】

【0035】
−((Ar)l (Y)mn −が、E−(Ar)l −EとE’−Y−E’とから形成される場合には、E及びE’から誘導される追加の架橋基が存在するか、又は繰返し単位Yの追加のフラクションが存在してよい。これらは、式−((Ar)l (Y)mn −に明白には表されていない。例えば、上記スキーム1において、追加のイソフタロイル単位(繰返し単位Yの一部)と2個の追加のアミノ−1,3−フェニレン単位(E基から誘導された基)が存在している。スキーム1の生成物であるポリマーは、ポリ(イソフタルアミド−1,3−フェニレン)に等しいYを有すると見なしうる。
他のE及びE’は当業者に明らかであろう。Eが反応性オリゴマーE−(Ar)−Eの形成を妨害せず、且つE及びE’が適切に反応することが一般的な必要条件である。一般的な保護基はE−(Ar)−Eの調製に使用されるものであって、制限するわけではないが、アルキルエーテル基、テトラヒドロピラニルエーテル基、2−アルコキシ−イソプロピリデンエーテル基、エステル基、アミド基、t−ブチルカーボネート基、トリアルキルシリル基等がある。
約0.1モル%のYは、ポリマーの特性、例えば実際的な重要性を共に有する溶融流れ特性又はTgを変化させるような観察可能な効果を与える。0.1モル%程度のメタ−アリーレン繰返し単位であっても、全体的なポリマーの特性に大きな影響を及ぼす。しかしながら、多くの実際的な用途にとって、0.1%を超える量、好ましくは約1%を超えるメタ−アリーレン繰返し単位を有することが望ましい。例えば、繰返し単位の1%がメタ−アリーレン単位であるポリマーはメタ−アリーレン繰返し単位を持たないポリマーとは異なる機械的性質を有する。ポリマーの特性は、Yのモル%よりもYの重量%により密接に関係するが、約0.1モル%〜99モル%の範囲が都合良く且つ本発明の目的に十分かなう。
【0036】
一般に、ポリマーの溶解度は、ポリマー主鎖に不規則性を導入することにより高まる。ポリアリーレンは一般に溶解度の低いポリマーであることから、本発明はポリアリーレンのコポリマーを調製するのに都合良い。ポリアリーレンコポリマーは、異なって置換された型(即ち、異なるAペンダント基)又は異なってカテナ化された型(即ち、メタ及びパラ)の1種以上の型のアリーレン繰返し単位を有しうる。ポリアリーレンコポリマーはアリーレン以外の繰返し単位も有する。1種以上の型の繰返し単位の混入は、ポリマー主鎖の無秩序性を増大させ、これにより溶解度が増大する。本発明のポリマーの側基Aはポリアリーレン骨格の溶解度を増大させる。ポリ(1,4−フェニレン)、ポリ(1,3−フェニレン)及びポリ(1,4−フェニレン−コ−1,3−フェニレン)を含む未置換ポリアリーレンは全て、一般的な有機溶剤に高度に不溶性であり、溶解度は分子量の増大とともに急激に低下する。成長途中のポリマーは溶液中で沈殿し、いったん沈殿したポリマーはもはや成長しないために、非常に低い分子量の未置換ポリアリーレンのみが調製される。
【0037】
側基は、ポリマー鎖のエントロピーを増大させること、即ち溶液中での更に可能なコンホメーションをとらせることにより溶解度を増大させる。側基がよりフレキシブルであればあるほどポリマーの溶解度は増大する。しかしながら、フレキシブルな側基はポリマーのTgを低下させ、モジュラスを低下させ、熱膨張率(CTE)の係数を増大させるために、高いTg、高いモジュラス、及び低いCTEが必要とされる印刷配線板及び航空機の翼の複合構造のような多くの用途にとって望ましくない。
ポリマー主鎖に沿ってランダムに配置された側基を有するポリマーは、主鎖に沿って規則的に配置された側基を有するポリマーに比して高い溶解度を有する。従って、異なる側基を有するランダムコポリマー及びランダムな立体化学性(regiochemistry)(即ち、全てが頭−頭結合、又は頭−尾結合でない)を有するホモポリマーは、例えば、頭−頭ホモポリマーに比して高い溶解度を有する。本発明の側基は、ポリマー骨格上の可能な位置に好ましくはランダム又は部分的にランダムに配置されている。
【0038】
ポリアリーレンが不溶性であることは、部分的には固体状態において非常に高度に折りたたまれることに起因する。ポリマーの折りたたみを妨げる側基は溶解度を増大させる。側基はカートネーションサイトに対してオルト位に位置することが好ましい。カートネーションサイトに対してオルト位にある基は、近接するモノマー単位に対する大きな立体反発を有する。この立体反発は、近接する繰返し単位の捩れを通常の平面に戻すことによって、固体状態での折りたたみの度合いを低下させ、溶解度を増大させる。もし近接する繰返し単位が共に、複素環式側基をオルト位に有している場合(例えば、繰返し単位を連結している結合に対して2及び2’位に複素環式基を有している場合)には、立体反発及び捩れ角は非常に大きくなり、これに対応して溶解度は増大する。本発明の側基はカートネーションサイトに対してオルト位に側基を有することが望ましい。本発明のポリマーは必ずしもオルト位側基を有していなくても良いが、繰返し単位の5%以上がオルト位側基を有する場合、より好ましくは−Ar−繰返し単位の少なくとも10%がオルト位に側基を有する場合、更に好ましくは−Ar−繰返し単位の少なくとも25%がオルト位に側基を有する場合、更に好ましくは−Ar−繰返し単位の少なくとも50%がオルト位に側基を有する場合には、溶解度は増大する。
【0039】
溶剤の極性と同様な極性を有する側基は、一般に、ポリマーの溶解度を増大させる。溶剤と非常に異なる極性を有する側基は、実際に、溶解度を低下させる。本発明のポリアリーレンコポリマーを溶解させるのに有用な溶剤には、制限するわけではないが、アニソール、クレゾール、N−シクロヘキシルピロリドン、ジクロロベンゼン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N−メチルアセトアミド、メチルベンゾエート、N−メチルピロリドン、フェノール、テトラメチルウレア等がある。
コポリマーの他の利点は、幾つかの繰返し単位が、結果として生成されるポリマーの特性を修飾するのに有用な特定の化学基を含んでなることである。例えば、幾つかの繰返し単位は、表面と相互作用しうるペンダントエステル基を有して接着性を変化させる。10%〜20%のフレキシブルな基の他の剛性ロッド構造への導入は、より高い溶融流れ特性及び破断点伸びを付与しうる。パラ−フェニレン基を含むモジュラス及び強度が増大したコポリマー、未置換メタ−フェニレン基を含む溶融流れ特性が増大したコポリマー、エステル又はアミン(又は他の適度に反応性の基)置換フェニレン基(メタ及び/又はパラ)を含む接着性が増大したコポリマーは、接着剤及び複合材料中のマトリックス樹脂として特に有用である。
【0040】
本発明のコポリマーを、それ自体又は充填剤と共に成形材料として使用することができ、前記充填剤としては、制限するわけではないが、カーボン、シリカ、グラファイト、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ゴム、チョップトファイバー等がある。本発明のコポリマーを、有機マトリックス複合材料中のマトリックス樹脂として使用することもできる。例えば、繊維トウ若しくは織物を本発明のコポリマーでコーティングし、次いでプレプレグテープ若しくは織物を金型上でレイアップし、熱及び/又は圧力を加えることによってプレプレグを団結させることによって複合材料が製造される。
当業者に公知の方法を用いて、本発明のコポリマーを繊維、フィルム又はシートの形態にすることができ、制限するわけではないが、この方法には、溶融紡糸、溶液からの紡糸、乾燥ジェット湿式紡糸、押出法、インフレート法、流延法、及び成形法がある。繊維、フィルム又はシートは、圧延成形、型押、二次成形又は当業者に公知の他の方法により更に加工される。
【0041】
複素環式繰返し単位は塩基性であり、ブレンステッド酸によりプロトン化され、ルイス酸と錯体を形成する。酸と複素環式基との相対pKaはプロトン化の程度を決定する。もし酸が、複素環式基の共役酸よりも約2小さいpKa(より強い酸性)を有し、複素環式基の本質的に約99%に大体等しいモル数が存在する場合にはプロトン化される。好ましくはブレンステッド酸のpKaは、複素環式基の共役酸のpKaに比して最大でも2小さく、より好ましくは最大でも1小さく、最も好ましくは複素環式基の値を超えない。当業者は、与えられた複素環式基をプロトン化又は錯形成させるような酸を識別し、プロトン化又は会合の程度を計算又は測定することができるであろう。
いったんプロトン化又は錯形成した複素環式繰返し単位は、極性がより高くなるために、高度に極性の溶剤中へのポリマーの溶解性を増大させる。大部分がプロトン化された複素環式繰返し単位を有するポリアリーレンは、制限するわけではないが、エタノール、メタノール及び水等を含む高度に極性の溶剤中に溶解する。
複素環式繰返し単位を有するプロトン化されたポリアリーレンは水素交換樹脂であり、燃料容器及びバッテリー用の水素交換膜として、塩溶液の脱イオン用のイオン交換膜として、プロトン移動膜として、及び固体酸触媒として有用である。
【0042】
プロトン化又はルイス酸との錯形成によりイオン性ポリマーを形成させるのに有用な複素環式繰返し単位を有するポリアリーレンは、約−1〜約12の範囲のpKa、好ましくは約1〜8のpKa、最も好ましくは約2〜7のpKaを有する複素環式基を有しうる。非水環境での使用にとって−1未満のpKaが有用である。12を超えるpKaを有する複素環式繰返し単位を有するポリマーは、アニオン交換樹脂として有用である。
本発明の実施において有用なブレンステッド酸には、制限するわけではないが、酢酸、蟻酸、臭化水素酸、塩化水素酸、フッ化水素酸、ヨウ化水素酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、硝酸、過塩素酸、リン酸、ポリリン酸、硫酸、亜硫酸及びトリフルオロ酢酸等がある。
本発明の実施において有用なルイス酸の無制限の例には、三臭化アルミニウム、三塩化アルミニウム、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、塩化第二銅、塩化第二鉄、三塩化ガリウム、五フッ化タンタル、四塩化チタン、四フッ化チタン、塩化亜鉛等がある。
本発明は以下の幾つかの無制限且つ典型的な態様により更に例示される。試薬の選択及び量、温度、反応時間は例示のためのものであって、いかなる場合であっても限定であると見なされるべきでない。本発明の範囲に含まれる他のアプローチが考えられる。
【実施例】
【0043】
実施例
例1
3,5−ジクロロピリジンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(1:1)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフ ィン)塩化ニッケル(0.535g、0.818mmol)、ヨウ化ナトリウム (0.66g、4.4mmol)、トリフェニルホスフィン(3.11g、11.9mmol)、2,5−ジクロロベンゾフェノン(5.65g、22.5mmol)、3,5−ジクロロピリジン(3.33g、22.5mmol)、無水N−メチルピロリジノン(55ml)及び活性亜鉛微粉(4.28g、65.5mmol)を加えた。この混合物を60℃で一晩攪拌し、10ミクロンのポリプロピレンフィルターを用いて濾過した。次いでこのドープを300mlのエタノール中で凝固させ、次いで濾過した。結果として得られたポリマーを、HClを5%含むエタノールで処理し、濾過し、次いでエタノールとアセトンとで完全に洗浄した。次いでこのポリマーを、1mlのトリエチルアミンを含む10mlのエタノールで処理し、濾過し、次いで乾燥させることにより5.2gの生成物が得られた。
【0044】
例2
3,5−ジクロロピリジンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(3:2)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.535g、0.818mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.66g、4.4mmol)、トリフェニルホスフィン(3.11g、11.9mmol)、2,5−ジクロロベンゾフェノン(5.65g、22.5mmol)、3,5−ジクロロピリジン(4g、27mmol)、無水N−メチルピロリジノン(55ml)及び活性亜鉛微粉(4.28g、65.5mmol)を加えた。この混合物を60℃で一晩攪拌した。10mlの36%HClを含むエタノール溶液を前記混合物に加えた。一晩攪拌した後に、混合物を100mlのエタノール中に注加し、濾過し、次いでエタノールとアセトンとで完全に洗浄した。濾過した固形物を、3mlのトリエチルアミンを含む20mlのエタノールと攪拌し、次いで濾過した。このケークをエタノールとアセトンとで洗浄し、次いで減圧下120℃で一晩乾燥させることにより5.87gの生成物が得られた。
【0045】
例3
3,5−ジクロロピリジンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(4:1)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.535g、0.818mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.66g、4.4mmol)、トリフェニルホスフィン(3.11g、11.9mmol)、2,5−ジクロロベンゾフェノン(2.26g、9mmol)、3,5−ジクロロピリジン(6.38g、36mmol)、無水N−メチルピロリジノン(55ml)及び活性亜鉛微粉(4.28g、65.5mmol)を加えた。この混合物を60℃で一晩攪拌した。10mlの36%HClを含むエタノール溶液を前記混合物に加えた。一晩攪拌した後に、混合物を100mlのエタノール中に注加し、濾過し、次いでエタノールとアセトンとで完全に洗浄した。濾過した固形物を、3mlのトリエチルアミンを含む20mlのエタノールと攪拌し、次いで濾過した。このケークをエタノールとアセトンとで洗浄し、次いで減圧下120℃で一晩乾燥させることにより4.5gの生成物が得られた。
【0046】
例4
3,5−ジクロロピリジンと2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノンとの(4:1)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.535g、0.818mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.66g、4.4mmol)、トリフェニルホスフィン(3.11g、11.9mmol)、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン(2.75g、8mmol)、3,5−ジクロロピリジン(5.33g、36mmol)、無水N−メチルピロリジノン(55ml)及び活性亜鉛微粉(4.28g、65.5mmol)を加えた。この混合物を60℃で一晩攪拌した。10mlの36%HClを含むエタノール溶液を前記混合物に加えた。一晩攪拌した後に、混合物を100mlのエタノール中に注加し、濾過し、次いでエタノールで完全に洗浄した。濾過した固形物を、3mlのトリエチルアミンを含む20mlのエタノールと攪拌し、次いで、濾過した。このケークをエタノールで洗浄し、次いで、減圧下120℃で一晩乾燥させることにより4.39gの生成物が得られた。
【0047】
例5
1,3−ジクロロベンゼンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(1:1)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.727g、1.11mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.89g、5.97mmol)、トリフェニルホスフィン(3.93g、15mmol)、無水N−メチルピロリジノン(55.6ml)及び活性亜鉛微粉(3.68g、56.33mmol)を加えた。この溶液が赤色に変化した後に、2,5−ジクロロベンゾフェノン(5.02g、20mmol)及び1,3−ジクロロベンゼン(2.94g、20mmol)を加えた。この混合物を65℃で一晩攪拌した。濃塩酸(7ml)を慎重に加えた。このポリマー溶液を200mlのエタノール中に注加し、次いで濾過した。このケークを、最初にエタノールで10分間還流し、次いでアセトン中で更に10分間還流し、濾過し、次いで減圧下で乾燥させることにより5gの生成物が得られた。
【0048】
例6
1,3−ジクロロベンゼンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(7:3)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.727g、1.11mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.89g、5.97mmol)、トリフェニルホスフィン(3.93g、15mmol)、無水N−メチルピロリジノン(55.6ml)及び活性亜鉛微粉(3.68g、56.33mmol)を加えた。この溶液が赤色に変化した後に、2,5−ジクロロベンゾフェノン(3.01g、12mmol)及び1,3−ジクロロベンゼン(4.12g、28mmol)を加えた。この混合物を65℃で一晩攪拌した。濃塩酸(7ml)を慎重に加えた。このポリマー溶液を200mlのエタノール中に注加し、次いで濾過した。このケークを、最初にエタノールで10分間還流し、次いでアセトン中で更に10分間還流し、濾過し、次いで減圧下で乾燥させることにより4.3gの生成物が得られた。
【0049】
例7
1,3−ジクロロベンゼンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(4:1)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.393g、0.6mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.63g、4.2mmol)、トリフェニルホスフィン(2.36g、9mmol)、無水N−メチルピロリジノン(40ml)及び活性亜鉛微粉(4.2g、64.2mmol)を加えた。この溶液が赤色に変化した後に、2,5−ジクロロベンゾフェノン(2.26g、9mmol)及び1,3−ジクロロベンゼン(5.29g、36mmol)を加えた。この混合物を65℃で一晩攪拌した。濃塩酸(8ml)を慎重に加えた。このポリマー溶液を200mlのエタノール中に注加し、次いで濾過した。このケークを、最初にエタノールで10分間還流し、次いでアセトン中で更に10分間還流し、濾過し、次いで減圧下で乾燥させることにより4.2g(96%)の生成物が得られた。
【0050】
例8
1,3−ジクロロベンゼンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(9:1)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.727g、1.11mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.89g、5.97mmol)、トリフェニルホスフィン(3.93g、15mmol)、無水N−メチルピロリジノン(55.6ml)及び活性亜鉛微粉(3.68g、56.33mmol)を加えた。この溶液が赤色に変化した後に、2,5−ジクロロベンゾフェノン(1g、4mmol)及び1,3−ジクロロベンゼン(5.29g、36mmol)を加えた。この混合物を65℃で一晩攪拌した。濃塩酸(7ml)を慎重に加えた。このポリマー溶液を200mlのエタノール中に注加し、次いで濾過した。このケークを、最初にエタノールで10分間還流し、次いでアセトン中で更に10分間還流し、濾過し、次いで減圧下で乾燥させることにより5.3g(95%)の生成物が得られた。
【0051】
例9
1,3−ジクロロベンゼン及び1,4−ジクロロベンゼンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(7:1:2)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.818g、1.25mmol)、ヨウ化ナトリウム(1.01g、6.71mmol)、トリフェニルホスフィン(4.43g、16.9mmol)、無水N−メチルピロリジノン(48ml)及び活性亜鉛微粉(4.14g、63.4mmol)を加えた。この溶液が赤色に変化した後に、2,5−ジクロロベンゾフェノン(2.26g、9mmol)及び1,4−ジクロロベンゼン(0.66g、4.5mmol)及び1,3−ジクロロベンゼン(4.63g、31.5mmol)を加えた。この混合物を65℃で一晩攪拌した。濃塩酸(7ml)を慎重に加えた。このポリマー溶液を200mlのエタノール中に注加し、次いで濾過した。このケークを、最初にエタノールで10分間還流し、次いでアセトン中で更に10分間還流し、濾過し、次いで減圧下で乾燥させることにより4g(91%)の生成物が得られた。
【0052】
例10
1,3−ジクロロベンゼン及び1,4−ジクロロベンゼンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(8:1:1)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.523g、0.8mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.84g、5.6mmol)、トリフェニルホスフィン(3.15g、12mmol)、無水N−メチルピロリジノン(53ml)及び活性亜鉛微粉(5.6g、85.6mmol)を加えた。この溶液が赤色に変化した後に、2,5−ジクロロベンゾフェノン(1.51g、6mmol)及び1,4−ジクロロベンゼン(0.88g、6mmol)及び1,3−ジクロロベンゼン(7.06g、48mmol)を加えた。この混合物を65℃で一晩攪拌し、塩酸を10%含む200mlのエタノール中で凝固させた。このポリマー溶液を濾過し、熱エタノール及び熱アセトンで完全に洗浄し、次いで減圧下で乾燥させた。収量は定量的であった。
【0053】
例11
2,5−ジクロロベンゾフェノン(85%)と1,3−ジ(4−クロロ)ベンゾイル−ベンゼン(15%)とのコポリマー
窒素送込バルブを備えた2リットルの三口丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル10.66g、ヨウ化ナトリウム12.97g、トリフェニルホスフィン53.38g、活性亜鉛微粉54.01g、2,5−ジクロロベンゾフェノン127.5g、1,3−ジ(4−クロロ)ベンゾイルベンゼン34.69g、及び無水N−メチルピロリドン(NMP)815mlを充填した。この混合物を窒素雰囲気下60℃で16時間攪拌した。このポリマードープをNMP500mlで稀釈し、4.0リットルの10%塩酸/エタノール溶液で凝固させ、結果として得られた溶液を4時間攪拌した。沈降したポリマーを濾過により集め、次いで1.0リットルのエタノール中及び1.0リットルのアセトン中で連続的に1時間煮沸した。固形物を再び濾過し、次いで60℃の減圧オーブン内で4時間乾燥させ、次いで120℃で16時間乾燥させた(収率=92%)。MWW=52,300;熱重量分析(TGA)による5重量%の減少=418℃;ガラス転移温度=162℃;極限粘度数=0.72(40℃/0.05M臭化リチウム/NMP);圧縮成形パネルの曲げ弾性率=1.10MSI;及び圧縮成形パネルの曲げ強さ=12.7KSIであった。
【0054】
例12
2,5−ジクロロベンゾフェノン(80%)、1,3−ジクロロベンゼン(10%)及び4,3’−ジクロロベンズアニリド(10%)とのコポリマー
窒素送込バルブを備えた1.0リットルの三口丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル8.708g、ヨウ化ナトリウム10.455g、トリフェニルホスフィン43.607g、活性亜鉛微粉44.121g、2,5−ジクロロベンゾフェノン98.03g、4,3’−ジクロロベンズアニリド12.99g、及び無水N−メチルピロリドン(NMP)666mlを充填した。この混合物を窒素雰囲気下70℃で16時間攪拌した。このポリマードープをNMP500mlで稀釈し、4.0リットルの10%塩酸/エタノール溶液で凝固させ、結果として得られた溶液を4時間攪拌した。沈降したポリマーを濾過により集め、次いで100mlの熱エタノール中及び100mlの熱アセトンで連続的に洗浄した。固形物を再び濾過し、次いで60℃の減圧オーブン内で4時間乾燥させ、次いで120℃で16時間乾燥させた(収率=95%)。MWW=90,600;熱重量分析(TGA)による5重量%の減少=470℃;ガラス転移温度=172℃;極限粘度数=1.26(40℃/0.05M臭化リチウム/NMP);圧縮成形パネルの曲げ弾性率=1.20MSI;及び圧縮成形パネルの曲げ強さ=40.8KSIであった。
【0055】
例13
2,5−ジクロロベンゾフェノン(85%)と3−クロロフェニル4−クロロ−ベンゾエート(15%)とのコポリマー
250mlの丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル2.132g、ヨウ化ナトリウム2.56g、トリフェニルホスフィン10.68g、活性亜鉛微粉10.8g、2,5−ジクロロベンゾフェノン25.51g、3−クロロフェニル4−クロロベンゾエート4.788g、及び無水N−メチルピロリドン(NMP)64mlを充填した。このフラスコに窒素送込バルブを備え付け、混合物を窒素雰囲気下70℃で16時間攪拌した。このポリマードープを400mlの塩酸/エタノール溶液中で凝固させ、次いで、結果として得られた溶液を4時間攪拌した。沈降したポリマーを濾過により集め、次いで100mlのエタノール中及び100mlのアセトン中で連続的に1時間煮沸した。固形物を再び濾過し、次いで60℃の減圧オーブン内で4時間乾燥させ、次いで120℃で16時間乾燥させた(収率=90%)。MWW=85,000;熱重量分析(TGA)による5重量%の減少=444℃;ガラス転移温度=159℃;極限粘度数=1.16(40℃/0.05M臭化リチウム/NMP)であった。
【0056】
例14
2,5−ジクロロベンゾフェノン(50%)と4,3’−ジクロロベンズアニリド(50%)とのコポリマー
100リットルの丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル0.533g、ヨウ化ナトリウム0.64g、トリフェニルホスフィン2.678g、活性亜鉛微粉2.70g、2,5−ジクロロベンゾフェノン3.752g、4,3’−ジクロロベンズアニリド3.976g、及び無水N−メチルピロリドン(NMP)41mlを充填した。このフラスコに窒素送込バルブを備え付け、混合物を窒素雰囲気下65℃で16時間攪拌した。このポリマードープを250mlの塩酸/エタノール溶液中で凝固させ、次いで、結果として得られた溶液を4時間攪拌した。沈降したポリマーを濾過により集め、次いで100mlのエタノール中及び100mlのアセトン中で連続的に1時間煮沸した。固形物を再び濾過し、次いで60℃の減圧オーブン内で4時間乾燥させ、次いで120℃で16時間乾燥させた(収率=93%)。MWW=40,500であった。
【0057】
例15
2,5−ジクロロベンゾフェノン(50%)、1,4−ジクロロベンゼン(35%)及び3,3’−ジクロロベンズアニリド(15%)のコポリマー
100リットルの丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル0.533g、ヨウ化ナトリウム0.64g、トリフェニルホスフィン2.678g、活性亜鉛微粉2.70g、2,5−ジクロロベンゾフェノン3.752g、1,4−ジクロロベンゼン、3,3’−ジクロロベンズアニリド1.193g及び無水N−メチルピロリドン(NMP)41mlを充填した。このフラスコに窒素送込バルブを備え付け、混合物を窒素雰囲気下65℃で16時間攪拌した。このポリマードープを250mlの塩酸/エタノール溶液中で凝固させ、次いで、結果として得られた溶液を4時間攪拌した。沈降したポリマーを濾過により集め、次いで100mlの熱エタノール及び100mlの熱アセトンで連続的に洗浄した。固形物を再び濾過し、次いで60℃の減圧オーブン内で4時間乾燥させ、次いで165℃で12時間乾燥させた(収率=88%)。MWW=47,200であった。
【0058】
例16
2,5−ジクロロベンゾフェノン(90%)と4,4’−ジ(4−クロロベンゾイル)ジフェニルエーテル(10%)とのコポリマー
250リットルの丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル1.998g、ヨウ化ナトリウム2.399g、トリフェニルホスフィン10.00g、活性亜鉛微粉10.12g、2,5−ジクロロベンゾフェノン25.32g、4,4’−ジ(4−クロロベンゾイル)ジフェニルエーテル5.000g、及び無水N−メチルピロリドン(NMP)153mlを充填した。このフラスコに窒素送込バルブを備え付け、混合物を窒素雰囲気下65℃で16時間攪拌した。このポリマードープを400mlの塩酸/エタノール溶液中で凝固させ、次いで、結果として得られた溶液を4時間攪拌した。沈降したポリマーを濾過により集め、次いで100mlの熱エタノール及び100mlの熱アセトンで連続的に洗浄した。固形物を再び濾過し、次いで60℃の減圧オーブン内で4時間乾燥させ、次いで170℃で16時間乾燥させた(収率=91%)。MWW=156、000;熱重量分析(TGA)による5重量%の減少=507℃;ガラス転移温度=170℃;極限粘度数=2.18(40℃/0.05M臭化リチウム/NMP);圧縮成形パネルの曲げ弾性率=0.811MSI;及び圧縮成形パネルの曲げ強さ=37.1KSIであった。
【0059】
例17
フィルム流延及び例2のコポリマーのプロトン化(3,5−ジクロロピリジンと2,5−ジクロロベンゾフェノンからの(3:2)コポリマー)
ポリマー樹脂(4.0g)を蟻酸(16g)に溶かした。NMP(1g)をガラスプレート上に注ぎ、ブレードの下に通過させることにより溶液の均一なフィルムを得た。このフィルムを室温で2時間放置し、減圧下70℃で一晩乾燥させた。この乾燥フィルムをガラスプレートから剥がし、硫酸のメタノール溶液(1:5,v:v)溶液を含む酸浴中でプロトン化させた。プロトン化を室温で2.5日間行った。次いで、フィルムをメタノールで洗浄し、メタノール中に貯蔵した。各実験において、フィルムを水洗し、空気中で乾燥させた。
【0060】
例18
プロトン化された3,5−ジクロロピリジンと2,5−ジクロロベンゾフェノンから(3:2)コポリマーのフィルム流延
例17のように製造したプロトン化コポリマーフィルム(2.81g)をNMP(11.2g)中に溶かし、この溶液をフィルム流延に用いた。この未乾燥フィルムを減圧下50℃で一晩乾燥させ、次いで減圧下70℃で一晩乾燥させた。
【0061】
例19
3,5−ジクロロピリジンと2,5−ジクロロベンゾフェノンから(3:2)コポリマーのプロトン化
例17からのコポリマー樹脂(2g)を、4日間を要して硫酸のメタノール溶液(1:5,v:v)中で懸濁させた。結果として得られた樹脂を濾過し、メタノールで洗浄し、室温の空気中で乾燥させた。部分的に空気乾燥した樹脂(2.9g)は、水に濡れたときにpH試験紙で試験した時に強酸性を示した。
【0062】
例20
活性亜鉛微粉
市販入手可能な325メッシュ亜鉛微粉を塩酸の(無水)ジエチルエーテル溶液で2回洗浄し、次いで、(無水)ジエチルエーテルで2回洗浄し、減圧下不活性雰囲気下約100〜200℃で数時間乾燥させることにより活性亜鉛微粉を得た。乾燥時に凝集塊がされる場合には、亜鉛微粉は再び篩にかけられて−150メッシュにされる。この物質は、即座に使用されるか、又は酸素及び湿気の無い不活性雰囲気下で貯蔵されるべきである。
【0063】
例21
コポリ−{1,4−(ベンゾイルフェニレン)}−{1,3−(5−メトキシカルボニルフェニレン)}−{1,3−(フェニレン)}
乾燥窒素雰囲気下の50リットルフラスコ内において、無水ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(II)(65g;0.099mol)、トリフェニルホスフィン(343g;1.5mol)、活性亜鉛微粉(412g;6.3mol)、ヨウ化ナトリウム(63g;0.42mol)、及び乾燥NMP4リットルとの混合物を調製し、50℃で5分間攪拌した。1.6リットルの乾燥NMP中の2,5−ジクロロベンゾフェノン(1.000g;4.0mol)と1,3−ジクロロベンゼン(58g;0.39mol)との溶液を50℃に加熱し、前記混合物に攪拌しながら注加した。次いで、NMP500ml中のメチル−3,5−ジ−クロロベンゾエート(122.5g;0.60mol)の溶液を約10分間を要して激しく攪拌しながら前記混合物に徐々に加えた。反応混合物の温度を監視し、外部冷却を要して95℃以下の温度に保った。60℃で一晩攪拌した後に、粘性ポリマー溶液を新しいNMP12リットルで稀釈し、残留亜鉛粉末を濃塩酸60mlを加えることによって溶解させた。気体の発生が停止し、全ての亜鉛金属が溶解したことを確認した後に、混合物をメタノールに注加してポリマーを沈殿させた。この懸濁液を濾過し、メタノールを用いて2日間、次いでアセトンを用いて1日間を要して連続的に沈殿物を抽出し、120℃の真空炉内で一晩乾燥させることにより767g(収率93%)のポリマーを得た。MWW=188,593であった。
【0064】
例22
コポリ−{1,4−(ベンゾイルフェニレン)}−{1,3−(5−メトキシカルボニルフェニレン)}−{1,3−(5−(4−フェノキシベンゾイル)フェニレン)}
乾燥窒素雰囲気下の3リットルフラスコ内において、無水ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(II)(12.0g;18.3mmol)、トリフェニルホスフィン(70.0g;304mmol)、活性亜鉛微粉(90.0g;1,380mmol)、ヨウ化ナトリウム(10.0g;66.7mmol)、2,5−ジクロロベンゾフェノン(200g;796mmol)及びNMP700ml中の3,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン(25g;73mmol)の混合物を調製した。NMP200ml中のクロロベンゼン(3.87g;34.4mmol)の溶液をフラスコに注加し、結果として得られた混合物を激しく攪拌しながら即座に50℃に加熱した。15分後に、NMP100ml中のメチル−3,5−ジ−クロロベンゾエート(50.0g;244mmol)と3,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン(25g;73mmol)との溶液を滴下した。反応混合物の温度を監視し、外部冷却を要して95℃以下の温度に保った。60℃で一晩攪拌した後に、粘性ポリマー溶液を新しいNMP350mlで稀釈し、残留亜鉛粉末を40mlの濃塩酸を加えることによって溶解させた。気体の発生が停止し、全ての亜鉛金属が溶解したことを確認した後に、混合物を4リットルのメタノール中に注加してポリマーを沈殿させた。この懸濁液を濾過し、1:1メタノール/アセトンを用いて一晩を要して連続的に沈殿物を抽出し、次いで炉で乾燥させることにより184g(収率84%)のポリマーを得た。MWW=104,722であった。
45gの前記樹脂を金型内に入れ、70,23kg/cm2(1,000psi)の圧力下300℃で1時間加熱することにより圧縮成形試験クーポン(3.5×5.0×0.125)を製造した。この試料を試験片に切断し、ASTM−D−790に準じて曲げ特性を測定し、下表の結果を得た。
【0065】
【表2】

【0066】
例23
コポリ−{1,4−(ベンゾイルフェニレン)}−{1,3−(5−アミノフェニレン)}
乾燥窒素雰囲気下において、無水ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(II)(1.4g;2.1mmol)、トリフェニルホスフィン(5.5g;21mmol)、活性亜鉛微粉(8.0g;122mmol)、ヨウ化ナトリウム(1.0g;6.7mmol)、2,5−ジクロロベンゾフェノン(19g;76mmol)、3,5−ジクロロアニリン(1.4g;8.7mmol)及びNMP90mlとの混合物を250mlフラスコ内に充填した。この混合物を65℃に加熱し、激しく攪拌した。反応混合物の温度を監視し、外部冷却を要して100℃以下の温度に保った。75℃で一晩攪拌した後に、粘性ポリマー溶液を新しいNMP180mlで稀釈し、残留亜鉛粉末を30mlの濃塩酸を加えることによって溶解させた。気体の発生が停止し、全ての亜鉛金属が溶解したことを確認した後に、イソプロパノール500mlを前記溶液に加えてポリマーを沈殿させた。この懸濁液を濾過し、沈殿物を沸騰メタノールで4回洗浄し、次いで真空炉内において120℃で一晩乾燥させることにより184g(収率84%)のポリマーを得た。MWW=104,722であった。基本的な分析法による窒素含有量は:理論値0.83%;実験値0.98%であった。
【0067】
例24
コポリ−{1,4−(ベンゾイルフェニレン)}−{1,3−(5−ピリジニル)}
乾燥窒素雰囲気下において、無水ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(II)(16.5g;25mmol)、トリフェニルホスフィン(75g;336mmol)、活性亜鉛微粉(101g;1,545mmol)、ヨウ化ナトリウム(13g;87mmol)、2,5−ジクロロベンゾフェノン(240g;956mmol)、3,5−ジクロロピリジン(35g;237mmol)及びNMP240mlとの混合物を5リットルフラスコ内に充填した。この混合物を60℃に加熱し、激しく攪拌した。反応混合物の温度を監視し、外部冷却を要して82〜89℃の温度に保った。一晩攪拌した後に、粘性ポリマー溶液を新しいNMP900mlで稀釈し、残留亜鉛粉末を100mlの濃塩酸を加えることによって溶解させた。気体の発生が停止し、全ての亜鉛金属が溶解したことを確認した後に、混合物をメタノール中に加えてポリマーを沈殿させた。この懸濁液を濾過し、メタノールを用いて2日間、次いでアセトンを用いて1日間を要して連続的に沈殿物を抽出し、115℃の真空炉内で一晩乾燥させることにより184g(収率97%)のポリマーを得た。MWW=211,498であった。
本発明を好ましい且つ例示的な態様を参照して記述してきたが、本発明をこれらに限定するものではない。当業者は、特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から離れることなく種々の修飾があり得ることを高く評価するであろう。
【0068】
本発明の好ましい実施態様を以下に示す。
1. 下記一般式で表される構造を含んでなるコポリマー:
【化19】

上式中−Ar−は、下式で表されるアリーレン又はヘテロアリーレン繰返し単位の少なくとも1種である:
【化20】

及び
【化21】

【0069】
上式中、
芳香族CH基の1〜3個はNにより任意に置き替えられていてよい;
アリーレンセグメントの数平均セグメント長さは2を超え、パラ−アリーレン繰返し単位の数平均セグメント長さは1〜約8の範囲である;
メタ−アリーレン繰返し単位の数平均セグメント長さは1を超える;
xは0〜4であり、ペンダント基(A)は、−F、−CN、−CHO、−COR、−CR=NR’、−OR、−SR、−SO2 R、−OCOR、−CO2 R、−NRR’、−N=CRR’、−NRCOR’、−CONRR’及びRから成る群より独立に選ばれ、前記R及びR’は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールからなる群より独立に選ばれ、並びにR及びR’は一緒に結合していてよい;
Yは、存在しないか、又は−Z−、−Z−Ph−及び−Ph−Z−Ph−からなる群より選ばれる二価の基であり、前記Zは、−O−、−S−、−NR−、−O(CO)−、−O(CO2)−、−(CO)NH(CO)−、−NR(CO)−、フタルイミド、ピロメリットイミド、−CO−、−SO−、−SO2 −、−P(O)R−、−CH2 −、−CF2 −及び−CRR’−からなる群より選ばれる二価の基である;
Phはフェニレン(オルト、メタ又はパラ−フェニレン)である;
Yが存在しない場合には少なくとも2種の異なる−Ar−繰返し単位が存在する;
繰返し単位100個毎に少なくとも1個がペンダント側基Aを有する;並びにnは約4を超える数である。
【0070】
2. Aが、アルキル、アリール、アルキルケトン、アリールケトン、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルエステル、アリールエステル、アルキルアミド及びアリールアミドからなる群より選ばれる上記1記載のポリマー。
3. Aが、アセチル、ベンゾイル、カルボメトキシ、ホルミル、フェノキシ、フェノキシベンゾイル及びフェニルからなる群より選ばれる上記2記載のポリマー。
4. Yが存在せず、且つポリマーが下式で表される構造を有する上記1記載のポリマー。
【化22】

5. Aが、アルキル、アリール、アルキルケトン、アリールケトン、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルエステル、アリールエステル、アルキルアミド及びアリールアミドからなる群より選ばれる上記4記載のポリマー。
6. Aが、アセチル、ベンゾイル、カルボメトキシ、ホルミル、フェノキシ、フェノキシベンゾイル及びフェニルからなる群より選ばれる上記5記載のポリマー。
7. メタ−フェニレン繰返し単位が繰返し単位の10%を超える量を構成している上記4記載のポリマー。
8. メタ−フェニレン繰返し単位が繰返し単位の20%を超える量を構成している上記4記載のポリマー。
9. メタ−フェニレン繰返し単位が繰返し単位の50%を超える量を構成している上記4記載のポリマー。
【0071】
10. Yが存在せず、且つポリマーが下式で表される構造を有する上記1記載のポリマー。
【化23】

11. Yが存在せず、且つポリマーが下式で表される構造を有する上記1記載のポリマー:
【化24】

上式中A’は、−F、−CN、−CHO、−COR、−CR=NR’、−OR、−SR、−SO2 R、−OCOR、−CO2 R、−NRR’、−N=CRR’、−NRCOR’、−CONRR’及びRから成る群より独立に選ばれ、前記R及びR’は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールからなる群より独立に選ばれ、並びにR及びR’は一緒に結合していてよい;並びにnは4を超える数である。
【0072】
12. A’が、アルキル、アリール、アルキルケトン、アリールケトン、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルエステル、アリールエステル、アルキルアミド及びアリールアミドからなる群より選ばれる請求11記載のポリマー。
13. A’が、アセチル、ベンゾイル、カルボメトキシ、ホルミル、フェノキシ、フェノキシベンゾイル及びフェニルからなる群より選ばれる上記11記載のポリマー。
14. メタ−アリ−レン繰返し単位が繰返し単位の40%を超える量を構成している上記11記載のポリマー。
15. Yが存在せず、且つポリマーが下記一般式で表される構造を有する上記1記載のポリマー:
【化25】

上式中A及びA’は、−F、−CN、−CHO、−COR、−CR=NR’、−OR、−SR、−SO2 R、−OCOR、−CO2 R、−NRR’、−N=CRR’、−NRCOR’、−CONRR’及びRから成る群より独立に選ばれ、前記R及びR’は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールからなる群より独立に選ばれ、並びにR及びR’は一緒に結合していてよい;並びにnは4を超える数である。
【0073】
16. Yが存在せず、且つポリマーが下式で表される構造を有する上記1記載のポリマー:
【化26】

上式中A及びA’は、−F、−CN、−CHO、−COR、−CR=NR’、−OR、−SR、−SO2 R、−OCOR、−CO2 R、−NRR’、−N=CRR’、−NRCOR’、−CONRR’及びRから成る群より独立に選ばれ、前記R及びR’は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールからなる群より独立に選ばれ、並びにR及びR’は一緒に結合していてよい;並びにnは4を超える数である。
17. Aがメトキシカルボニルであり、且つA’がベンゾイルである上記16記載のポリマー。
18. ポリマーがブロックコポリマーであり、且つ繰返し単位Yが、ポリアミド、ポリアリーレート、ポリアリーレンオキシド、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、置換ポリフェニレン、ポリフェニレンスルフィド及びポリスチレンからなる群より選ばれるオリゴマー又はポリマーセグメントから選ばれる上記1記載のポリマー。
【0074】
19. −Ar−が、
【化27】

であり、且つ数平均セグメント長さmが約8未満である上記18記載のポリマー。
20. 繰返し単位の50%未満が−Ar−繰返し単位である上記19記載のポリマー。
【0075】
21. −Ar−が、
【化28】

である上記18記載のポリマー。
22. Yが、−(フェニレン−CONH−フェニレン−NHCO)−フェニレン、−(フェニレン−CONH−フェニレン)−、−(フェニレン−COO−フェニレン−OCO)−フェニレン−、−(フェニレン−カルボニル)−フェニレン−、及び−(フェニレン−カルボニル−フェニレン−オキソ−フェニレン−カルボニル−フェニレン)−からなる群より選ばれる上記1記載のポリマー。
23. 繰返し単位Yが、−(フェニレン−CONH−フェニレン−NHCO)m −フェニレン、−(フェニレン−CONH)m −フェニレン−、−(フェニレン−COO−フェニレン−OCO)m −フェニレン−、−(フェニレン−カルボニル)m −フェニレン−及び−(フェニレン−カーボネート−フェニレン−2,2−イソプロピリデン−カーボネート)m −フェニレン−からなる群より選ばれるブロックを形成している上記1記載のポリマー。
24. Yが−Ph−Z−Ph−の構造を有し、前記Zが、−(CO)NH−、−(CO)O−、−C(=NC65)−、−(CO)−及び−SO2 −からなる群より選ばれる二価の基である上記1記載のポリマー。
【0076】
25. Yが−Ph−Z−Ph−の構造を有し、前記Zが、−(CO)OPh’O(CO)−、−(CO)OPh’C(CH32 Ph’O(CO)−、−(CO)Ph’OPh’(CO)−、及び下式で表される基からなる群より選ばれる二価の基である上記1記載のポリマー
【化29】

上式中Ph’は1,2−、1,3−、又は1,4−フェニレンである。
26. 少なくとも1種のアリーレン繰返し単位−Ar−が窒素含有ヘテロアリーレンである上記1記載のポリマー。
27. 上記26記載のポリマー及び酸を含んでなるポリマー組成物。
【0077】
28. ポリマーが下式で表される構造を有する上記1記載のポリマー。
【化30】

29. Aが、アセチル、ベンゾイル、カルボメトキシ、ホルミル、フェノキシ、フェノキシベンゾイル及びフェニルからなる群より選ばれる上記28記載のポリマー。
30. 上記28記載のポリマー及び酸を含んでなるポリマー組成物。
31. 前記酸が、酢酸、蟻酸、臭化水素、塩化水素、フッ化水素、ヨウ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硝酸、過塩素酸、リン酸、ポリリン酸、硫酸、亜硫酸、トルエンスルホン酸及びトリフルオロ酢酸からなる群より選ばれる上記30記載の組成物。
【0078】
32. 下式で表される構造を有するオリゴマー又はポリマーポリフェニレンが、相補的な二価のモノマーE’−(Y)m −E’と反応するものであって、E及びE’が相補的に反応性の基である上記1記載の組成物の製造方法。
【化31】

33. Eが、塩酸、アミン、アリールアルコール、アリールアミン、アリール酸塩化物、アリールカルボン酸、アリールフルオリド、カルボン酸、エポキシド、フルオリド、ヒドロキシ、イソシアネート及びシリルクロリドからなる群より選ばれる上記32記載の方法。
34. E’が塩酸、アミン、アリールアルコール、アリールアミン、アリール酸塩化物、アリールカルボン酸、アリールフルオリド、カルボン酸、エポキシド、フルオリド、ヒドロキシ、イソシアネート及びシリルクロリドからなる群より選ばれる上記32記載の方法。
【0079】
35. Eがアリールフルオリド及びフルオリドからなる群より選ばれ、E’がアルコールアニオンである上記32記載の方法。
36. Eが、塩酸、アリール酸塩化物、アリールカルボン酸、カルボン酸からなる群より選ばれ、且つE’がヒドロキシ及びアミンからなる群より選ばれる上記32記載の方法。
37. Eが、アミン、アリールアルコール、アリールアミン、及びヒドロキシからなる群より選ばれ、且つE’が、塩酸、カルボン酸、エポキシド、イソシアネート及びシリルクロリドからなる群より選ばれる上記32記載の方法。
38. lが1である上記32記載の方法。
39. lが2〜200の範囲の数である上記32記載の方法。
40. lが1〜10の範囲の数であり、且つmが1〜100の範囲の数である上記32記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式で表されるポリマー:
【化1】

上式中A’は、−F、−CN、−CHO、−COR、−CR=NR’、−OR、−SR、−SO2 R、−OCOR、−CO2 R、−NRR’、−N=CRR’、−NRCOR’、−CONRR’及びRから成る群より独立に選ばれ、前記R及びR’は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールからなる群より独立に選ばれ、並びにR及びR’は一緒に結合していてよい;並びにnは4を超える数であり、メタ−フェニレン繰返し単位が繰返し単位の20%を超える量である。)
【請求項2】
メタ−フェニレン繰返し単位が繰返し単位の50%を超える量を構成している請求項1記載のポリマー。
【請求項3】
A’が、フェノキシベンゾイルである請求項1記載のポリマー。
【請求項4】
下式で表される構造を有するオリゴマー又はポリマーポリフェニレンを、相補的な二価のモノマーE’−(Y)m −E’(式中、E及びE’が相補的に反応性の基である)と反応させることを含む、請求項1記載のコポリマーの製造方法。
【化2】

(式中、nが1〜10、mが1〜100、xが0〜4、E’が酸クロリド、アミン、アリールアルコール、アリールアミン、アリール酸塩化物、アリールカルボン酸、アリールフルオリド、カルボン酸、エポキシド、フルオリド、ヒドロキシ、イソシアネート及びシリルクロリドからなる群より選ばれ、Eが、アミン、アリールアルコール、アリールアミン、及びヒドロキシからなる群より選ばれる。)

【公開番号】特開2008−144184(P2008−144184A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12960(P2008−12960)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【分割の表示】特願平7−290789の分割
【原出願日】平成7年11月9日(1995.11.9)
【出願人】(501006228)ミシシッピ ポリマー テクノロジーズ (1)
【Fターム(参考)】