説明

ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法

【課題】 優れた融着性と収縮回復性を有する型内発泡成形体を与える二段発泡法によるポリプロピレン系樹脂発泡粒子と提供すること、特に30倍以上の高発泡倍率であって優れた融着性と収縮回復性を有する型内発泡成形体を与えるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法を提供すること。
【解決手段】 重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が5以下であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とし、発泡倍率が5倍以上18倍以下であり、平均気泡径が500μm以下で且つ下記式(1)を満たすもとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子をさらに発泡させることを特徴とする、もとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子より高発泡倍率であるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
平均気泡径(μm)≧230−8×発泡倍率 (1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法に関する。詳しくは、型内発泡成形体の原料として使用出来るポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、耐圧容器内で水等の分散媒中にポリプロピレン系樹脂粒子を分散させ、ついで発泡剤を添加し、高圧下にポリプロピレン系樹脂の融点付近の一定温度に保って発泡剤を含浸させたのち、低圧雰囲気下に放出する方法により製造できる。また、水を分散媒として使用する場合、水を発泡剤として用いることも可能である。このような方法は除圧発泡法あるいはオートクレーブ法と呼ばれている。
【0003】
このようにして得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子を金型内に充填し、水蒸気等で加熱成形して得られる型内発泡成形体は、型内発泡成形体の長所である形状の任意性、軽量性、断熱性などの特徴を持つ。この型内発泡成形体はポリスチレン系樹脂発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体に比べて、耐薬品性、耐熱性、圧縮後の歪回復率に優れている。また、ポリエチレン系樹脂発泡粒子を用いる型内発泡成形体と比べて、寸法精度、耐熱性、圧縮強度が優れている。これらの特徴により、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体は、断熱材、緩衝包装材、自動車内装部材、自動車バンパー用芯材など様々な用途に用いられている。特に20倍以上の高発泡倍率を有する型内発泡成形体は軽量であるため緩衝包装材によく使用される。
【0004】
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体に要求される重要な性質として、発泡粒子間の融着性、表面の美麗性、収縮回復性が挙げられる。
【0005】
発泡粒子間の融着性(以下、単に融着性ともいう)は、型内発泡成形体における発泡粒子間の融着の程度であり、融着が不十分であれば型内発泡成形体の機械強度が不十分になる。特に型内発泡成形体内部において融着性が不十分になる場合が多い。
【0006】
表面の美麗性(以下、単に表面性ともいう)は、型内発泡成形体表面が平滑である程度である。表面性の低下は、発泡粒子の不十分な発泡に起因すると考えられる成形体表面の発泡粒子間の溝部分に生じる凹みや成形体の収縮に起因すると考えられる筋状の溝によって引き起こされる。
【0007】
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体は成形後、金型から取り出したとき収縮するのが通常である。型内発泡成形体を加温雰囲気下に一定時間保持する、いわゆる養生工程により型内発泡成形体の収縮を回復させることができる。養生後においても型内発泡成形体が金型の大きさに回復することはないが、金型に比較し養生後の型内発泡成形体の収縮率が小さい場合、収縮回復性が優れる。
【0008】
発泡粒子を成形温度に加熱した場合、発泡粒子は膨張するが、膨張した体積の割合は二次発泡力と呼ばれる。発泡粒子の二次発泡力が大きいほど、融着性や表面性に優れた型内発泡成形体が得られるといわれている。特許文献1には、分子量分布が狭いポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子は二次発泡力が大きく、優れた融着性を有する型内発泡成形体を与えることが開示されている。さらに特許文献1には分子量分布が狭いポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子を使用すると収縮回復性が優れた型内発泡成形体を与えることも開示されている。
【0009】
上記した除圧発泡法において、特に発泡剤として安全性が高い二酸化炭素等の無機ガスや水を使用した場合、20倍以上の高発泡倍率を有するポリプロピレン系樹脂発泡粒子を除圧発泡法によって製造するためには、容器内を高い圧力にする必要がある。また、得られる発泡粒子の気泡径や独立気泡率が小さく、これは型内発泡成形体の収縮回復性を低下させる原因となる。このため、一旦、低発泡倍率の発泡粒子を製造し、この発泡粒子を加熱することにより、高発泡倍率の発泡粒子を製造する方法(二段発泡法)が提案されている(特許文献2)。
【0010】
特許文献2には、二段発泡法による高発泡倍率の発泡粒子を製造するに際し、発泡倍率をE、1mm2当たりの気泡数をnとしたとき、2<E1/3×n1/2<45の関係を有する発泡粒子を原料発泡粒子(一段目の発泡粒子)として使用すると、収縮回復性が優れた成形体を与える二段発泡粒子を製造できることが記載されている。
【0011】
特許文献1に記載されている分子量分布が狭い樹脂を基材樹脂として使用し、特許文献2に規定された条件で製造された二段発泡粒子は優れた融着性を有する型内成形発泡体を与えることが確認された。しかしながら型内成形発泡体の収縮回復性については十分でない場合があることが判明した。
【特許文献1】特開平3−152136号公報
【特許文献2】特開昭59−133233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は発泡粒子に優れた融着性を付与することができる分子量分布が狭い樹脂を基材樹脂として使用し、二段発泡により得られる発泡粒子であって、優れた収縮回復性を有する型内発泡成形体を製造できる新規なポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者等は、基材樹脂として分子量分布が狭いポリプロピレン系樹脂を使用して得られた発泡粒子であって、特定の発泡倍率及び平均気泡径を有するポリプロピレン系樹脂発泡粒子をさらに発泡することにより得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、優れた融着性及び収縮回復性を有する型内発泡成形体を与えることができることを見いだした。すなわち本発明は次のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法、得られた発泡粒子および型内発泡成形体である。
【0014】
〔1〕重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が5以下であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とし、発泡倍率が5倍以上18倍以下であり、平均気泡径が500μm以下で且つ下記式(1)を満たすもとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子をさらに発泡させることを特徴とする、もとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子より高発泡倍率を有するポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
平均気泡径(μm)≧230−8×発泡倍率 (1)
〔2〕もとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子がさらに下記式(2)を満たす〔1〕に記載のもとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子より高発泡倍率であるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
平均気泡径(μm)≧240−8×発泡倍率 (2)
〔3〕もとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子がさらに下記式(3)を満たす発泡粒子である〔1〕又は〔2〕に記載のもとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子より高発泡倍率であるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
平均気泡径(μm)≦330−8×発泡倍率 (3)
〔4〕ポリプロピレン系樹脂が、共重合成分としてエチレンを3.5重量%以上6重量%以下含む共重合体である〔1〕〜〔3〕いずれかに記載のもとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子より高発泡倍率であるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
〔5〕ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)が3g/10分以上8g/10分以下である〔1〕〜〔4〕いずれかに記載のもとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子より高発泡倍率であるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
〔6〕ポリプロピレン系樹脂の数平均分子量(Mn)が5万以上15万以下である〔1〕〜〔5〕いずれかに記載のもとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子より高発泡倍率であるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
〔7〕〔1〕〜〔6〕いずれかに記載の製造方法によって得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
〔8〕〔7〕に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内成形して得られる型内発泡成形体。
【発明の効果】
【0015】
本発明の製造方法によって得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子を使用して型内成形すると、高発泡倍率であり、且つ、優れた融着性と収縮回復性を有する型内発泡成形体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明のポリプロピレン系樹脂は、単量体としてプロピレンを80重量%以上含むものである。本発明のポリプロピレン系樹脂は、単量体としてプロピレン以外の他の共重合単量体成分を含んでいてもよい。他の共重合単量体成分としては、エチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数4〜12のα−オレフィン;シクロペンテン、ノルボルネン、テトラシクロ[6,2,11,8,13,6]−4−ドデセンなどの環状オレフィン;5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのジエン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのビニル単量体などが挙げられ、これらを一種または二種以上使用することが出来る。
【0017】
中でも、本発明に使用するポリプロピレン系樹脂は共重合単量体成分としてエチレンを含むことが好ましい。共重合成分としてエチレンを含有すると発泡粒子や型内発泡成形体を容易に得ることができる傾向がある。好ましいエチレン含量は1重量%以上10重量%以下、さらには1重量%以上7重量%以下、さらには2重量%以上7重量%以下、さらには3重量%以上7重量%以下、さらには3.5重量%以上6重量%以下、特には3.5重量%以上5重量%以下である。なお、ポリプロピレン系樹脂中のエチレンに基づく共重合単量体成分の含有量は13C−NMRを用いて測定することができる。
【0018】
本発明のポリプロピレン系樹脂が共重合体である場合、ランダム共重合体、ブロック共重合体のどちらでも用いることができる。特に汎用性の高い、エチレン−プロピレンランダムコポリマーあるいはエチレン−プロピレン−ブテンランダムターポリマーを用いることが好ましい。エチレン含量が1重量%以上10重量%以下、さらには1重量%以上7重量%以下、さらには3重量%以上7重量%以下、さらには3.5重量%以上6重量%以下、特には3.5重量%以上5重量%以下であるエチレン−プロピレンランダムコポリマーあるいはエチレン−プロピレン−ブテンランダムターポリマーが好ましい。
【0019】
本発明には、メタロセン触媒、ポストメタロセン触媒等の触媒を用いて得られたポリプロピレン系樹脂を使用することもできる。また、本発明にはポリプロピレン樹脂を有機過酸化物で酸化分解(減成処理)した変性物を使用することもできる。
【0020】
本発明で使用するポリプロピレン系樹脂は無架橋の状態が好ましいが、有機過酸化物や放射線等で処理することにより架橋されていても良い。また、2以上のポリプロピレン系樹脂を混合しても良い。
【0021】
本発明で使用するポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、3g/10分以上20g/10分以下であることが好ましく、3g/10分以上15g/10分以下であることがさらに好ましく、3g/10分以上10g/10分以下であることがさらに好ましく、3g/10分以上8g/10分以下であることが特に好ましい。MFRが当該範囲内であると型内発泡成形時の成形温度、成形時間のバランスが良く、良好な表面美麗性、特に型形状に薄肉部位がある場合の当該部位が良好な表面美麗性を有する傾向にある。
【0022】
MFRは、JIS−K7210記載のMFR測定器を用い、オリフィス径2.0959±0.005mmφ、オリフィス長さ8.000±0.025mm、荷重2160g、230±0.2℃の条件下で測定する。
【0023】
本発明で使用するポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は5以下である。Mw/Mnが5を越えると二次発泡力が低下し型内発泡成形体の融着性や収縮回復性が劣るようになる。Mw/Mnは4.5以下であることが好ましく、さらには4.0以下、特には1.5以上4.0以下が好ましい。なお、本発明で使用するポリプロピレン系樹脂は1万以上、さらには3万以上20万以下、さらには5万以上15万以下、特には7万以上13万以下の数平均分子量(Mn)を有することが好ましい。
【0024】
MnやMwは以下の条件において測定される。
測定機器:
Waters社製Alliance GPC 2000型 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
カラム:
TSKgel GMH6−HT 2本、
TSKgel GMH6−HTL 2本(それぞれ、内径7.5mm×長さ300mm、東ソー社製)
移動相:o−ジクロロベンゼン(0.025%BHT含有)
カラム温度:140℃
流速:1.0mL/min
試料濃度:0.15%(W/V)−o−ジクロロベンゼン
注入量:500μL
分子量較正:ポリスチレン換算(標準ポリスチレンによる較正)
【0025】
本発明で使用するポリプロピレン系樹脂の融点は、130℃以上150℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは132℃以上145℃以下である。融点が当該範囲内であると、よく用いられている0.4MPa耐圧仕様の成形機でも良好な型内発泡成形体が得られる傾向にある。
【0026】
融点の測定法は次のとおりである。示差走査熱量計(DSC)を用いて、ポリプロピレン系樹脂粒子試料5〜6mgを10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温して樹脂を融解する。次に10℃/minで220℃から40℃まで降温することにより結晶化させる。結晶化後さらに10℃/minで40℃から220℃まで昇温する。2回目の昇温時に得られるDSC曲線における、融解ピーク温度を融点とする。
【0027】
また、ポリプロピレン系樹脂以外に、他の熱可塑性樹脂、例えば低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブテン、アイオノマー等をポリプロプレン系樹脂の特性が失われない範囲で混合使用しても良い。
【0028】
上記ポリプロピレン系樹脂は通常、発泡粒子を製造し易いように、押し出し機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等を用いて溶融し、円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状等の樹脂粒子形状に加工しておくことが好ましい。樹脂粒子の大きさは、一粒の重量が0.1mg〜30mgであることが好ましく、0.3mg〜10mgがより好ましい。樹脂粒子の一粒の重量は、ランダムに選んだ100粒の樹脂粒子から得られる平均樹脂粒子重量であり、mg/粒で表示する。
【0029】
なお、特開昭58−145739号公報や特開平10−77359号公報に記載されているように共押出法等により表面に低融点のポリプロピレン樹脂層やポリエチレン系樹脂層を有する樹脂粒子を使用することもできる。
【0030】
ポリプロピレン系樹脂に添加剤を加える場合、上記ポリプロピレン系樹脂粒子の製造前にブレンダー等を用いポリプロピレン系樹脂と混合することが好ましい。添加剤の例として、セル造核剤が挙げられる。プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の炭化水素系発泡剤を使用する場合は、タルク、シリカ、炭酸カルシウムのような無機造核剤をポリプロピレン系樹脂100重量部に対して0.005重量部以上0.5重量部以下添加することが好ましい。また、空気、窒素、炭酸ガス、水等の無機発泡剤を使用する場合は、前記無機造核剤および/または吸水物質を使用することが好ましい。
【0031】
水を分散媒として使用する場合、ポリプロピレン系樹脂中に水が含浸し、含浸した水は他の発泡剤と共にあるいは単独で発泡剤として作用する。吸水物質は含浸水分量を多くするように作用する。
【0032】
吸水物質の具体例として、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硼砂、硼酸亜鉛等の水溶性無機物、メラミン、イソシアヌル酸、メラミン・イソシアヌル酸縮合物等の吸水性有機物、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド等のポリエーテル、ポリエーテルのポリプロピレン等への付加物やこれらのアロイ、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、ブタジエン(メタ)アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、カルボキシル化ニトリルゴムのアルカリ金属塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ金属塩及びポリ(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩等の親水性ポリマーが挙げられる。
【0033】
吸水物質の添加量は、目的とする発泡倍率、使用する発泡剤、使用する吸水物質の種類によって異なるが、水溶性無機物を使用する場合、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上1重量部以下であることが好ましく、親水性ポリマーを使用する場合、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上5重量部以下であることが好ましい。また、これら、水溶性無機物や親水性ポリマーを2種以上併用してもよい。無機造核剤や吸水物質の種類や量を調整することによりポリプロピレン系樹脂発泡粒子の平均気泡径を調整することができる。
【0034】
更に、ポリプロピレン系樹脂粒子の製造の際、必要により着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、リン系加工安定剤、ラクトン系加工安定剤、金属不活性剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系光安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤、難燃剤、難燃助剤、酸中和剤、結晶核剤、アミド系添加剤等の添加剤を、ポリプロピレン系樹脂の特性を損なわない範囲内で添加することができる。
【0035】
前記ポリプロピレン系樹脂粒子は、従来から知られている方法を利用してポリプロピレン系樹脂発泡粒子とすることが出来る。例えば次の方法をあげることができる。ポリプロピレン系樹脂粒子を耐圧容器内で分散媒に分散させ、発泡剤として二酸化炭素を添加する。次にポリプロピレン系樹脂粒子が軟化する温度以上、好ましくはポリプロピレン系樹脂粒子の融点−25℃以上でポリプロピレン系樹脂粒子の融点+25℃以下、更に好ましくはポリプロピレン系樹脂粒子の融点−15℃以上でポリプロピレン系樹脂粒子の融点+15℃以下の範囲の温度に加熱し、加圧して、ポリプロピレン系樹脂粒子内に発泡剤を含浸させる。この後、耐圧容器の一端を開放してポリプロピレン系樹脂粒子を耐圧容器内よりも低圧の雰囲気中に放出することによりポリプロピレン系樹脂発泡粒子を製造する。加熱温度、加圧圧力や放出する雰囲気の温度、圧力を調整することにより発泡ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡倍率を調整できる。
【0036】
ポリプロピレン系樹脂粒子を分散させる耐圧容器には特に制限はなく、発泡粒子製造時における容器内圧力、容器内温度に耐えられるものであればよいが、例えばオートクレーブ型の耐圧容器があげられる。
【0037】
前記分散媒としては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン、水等が使用できるが、中でも水を使用することが好ましい。
【0038】
分散媒中、ポリプロピレン系樹脂粒子同士の合着を防止するために、分散剤を使用することが好ましい。分散剤として、第三リン酸カルシウム、第三リン酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、タルク、クレー等の無機系分散剤が例示できる。
【0039】
また、分散剤と共に分散助剤を使用することが好ましい。分散助剤の例としては、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩型、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩等のスルホン酸塩型、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩等の硫酸エステル型、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンリン酸塩、アルキルアリルエーテル硫酸塩等のリン酸エステル型等の陰イオン界面活性剤をあげることができる。また、マレイン酸共重合体塩、ポリアクリル酸塩等のポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ポリスチレンスルホン酸塩、ナフタルスルホン酸ホルマリン縮合物塩などの多価陰イオン高分子界面活性剤も使用することができる。
【0040】
分散助剤として、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩から選ばれた1種もしくは2種以上の混合物を用いるのが好ましく、アルキルスルホン酸塩を使用することがより好ましく、疎水基として炭素数10〜18の直鎖状の炭素鎖を持つアルキルスルホン酸塩を使用することが、発泡粒子に付着する分散剤を低減できるため特に好ましい。
【0041】
これらの中でも、分散剤として第三リン酸カルシウム、第三リン酸マグネシウム、硫酸バリウムまたはカオリンから選ばれる一種以上、分散助剤としてn−パラフィンスルホン酸ソーダを併用することが好ましい。分散剤や分散助剤の使用量は、その種類や、用いるポリプロピレン系樹脂の種類と使用量によって異なるが、通常、分散媒100重量部に対して分散剤0.2〜3重量部を配合することが好ましく、分散助剤0.001〜0.1重量部を配合することが好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂粒子は、分散媒中での分散性を良好なものにするために、通常、分散媒100重量部に対して、20〜100重量部使用するのが好ましい。
【0042】
なお、特開2002−167460号公報に記載されているように樹脂粒子分散時に過酸化物などにより樹脂粒子の表面を改質することもできる。
【0043】
本発明ではポリプロピレン系樹脂発泡粒子を製造するに当たり、安全性が高い二酸化炭素、空気、窒素等の無機ガスを使用することが好ましい。特に二酸化炭素が好ましい。無機ガス以外の発泡剤を併用して用いてもよい。無機ガス以外の発泡剤としては、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等の脂肪族炭化水素それらの混合物を例示できる。
【0044】
本発明の製造方法は、前述の通り、例えば、ポリプロピレン系樹脂粒子を耐圧容器内で分散媒に分散させ、ポリプロピレン系樹脂粒子が軟化する温度以上、に加熱し、加圧した後、耐圧容器の一端を開放してポリプロピレン系樹脂粒子を耐圧容器内よりも低圧の雰囲気中に放出する等して得られる、いわゆる最初に得られる発泡粒子(以下、「一段発泡粒子」、或いは「もとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子」と称す場合がある)をさらに発泡させ(この工程を「二段発泡」と称す場合がある)、もとの発泡粒子より高発泡倍率であるポリプロピレン系樹脂発泡粒子(以下、「二段発泡粒子」と称す場合がある)を得るものである。
【0045】
もとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子(一段発泡粒子)の発泡倍率は、5倍以上18倍以下、好ましくは7倍以上15倍以下である。一段発泡粒子の発泡倍率が5倍未満の場合、二段発泡によっても高発泡倍率のポリプロピレン系樹脂発泡粒子が得られにくくなる。また、二段発泡粒子から得られる型内発泡成形体の収縮回復性が低下する。一段発泡粒子の発泡倍率が18倍を越える場合、一段発泡粒子の製造に際し、二酸化炭素圧力を高くする必要があり製造設備が高価になる。また、得られる二段発泡粒子の気泡径や独立気泡率が小さく、これは型内発泡成形体の収縮回復性が低下する等、型内発泡成形体の性質を低下させる原因となる。本発明において発泡粒子の発泡倍率は見かけ倍率でなく真倍率をいい、その測定方法は後記する。
【0046】
本発明に用いる一段発泡粒子の気泡径は500μm以下であり、且つ、発泡倍率の値に応じた、下記式(1)を満たす平均気泡径を有する。
平均気泡径(μm)≧230−8×発泡倍率 (1)
【0047】
一段発泡粒子が式(1)の範囲外の平均気泡径を有する場合、最終的に得られる型内発泡成形体の収縮回復性が低下する。さらに好ましい平均気泡径は下記式(2)を満たす範囲である。
平均気泡径(μm)≧240−8×発泡倍率 (2)
【0048】
本発明に用いる一段発泡粒子は400μm以下の気泡径、さらには300μm以下の気泡径であり、とりわけ下記式(3)、特には下記式(4)を満たす平均気泡径を有することが好ましい。一段発泡粒子の気泡径がこれらの範囲にない場合、表面性が低下する傾向にある。
平均気泡径(μm)≦330−8×発泡倍率 (3)
平均気泡径(μm)≦300−8×発泡倍率 (4)
【0049】
本発明において平均気泡径とは後記するように見かけの平均気泡径である。図1に本発明の製造方法に用いる一段発泡粒子の発泡倍率と平均気泡径の範囲を図示する。参考のため、図1には特開昭59−133233号公報の実施例に用いられている一段発泡粒子の発泡倍率と気泡径を示した。特開昭59−133233号公報の実施例に使用されている発泡粒子は本発明の発泡倍率と気泡径の範囲外にある。
【0050】
このような一段発泡粒子をさらに発泡させ、もとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子より高発泡倍率であるポリプロピレン系樹脂発泡粒子を製造するための発泡方法は特に限定されないが、一段発泡粒子に発泡剤を含浸させ内圧を付与した後、蒸気等により加熱し発泡させる方法が例示できる。発泡剤として特に限定はなく、上記の発泡剤が使用できるが、空気を使用するのが好ましい。空気を使用する場合、最終的な一段発泡粒子内の室温での圧力が0.15〜0.7MPa、好ましくは0.2〜0.5MPaになるように段階的に圧力を上昇させることが好ましい。室温で発泡剤を含浸してもよいし、加熱下で発泡剤を含浸してもよい。加熱すると発泡剤の含浸がはやくなる傾向がある。
【0051】
内圧を付与された一段発泡粒子は、例えば、撹拌しながら蒸気等により加熱して発泡される。一旦、二段発泡して得られた二段発泡粒子をさらに発泡し、より大きい発泡倍率を有する発泡粒子を製造することもできる。
【0052】
本発明の製造方法によって得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡倍率は、特に限定されないが、2〜60倍、好ましくは3〜40倍である。特に20〜40倍、さらに25〜35倍、さらに25〜33倍、さらに26〜33倍の範囲が好ましい。嵩倍率を用いた場合、本発明の発泡粒子の発泡倍率は3〜90倍、好ましくは4〜60倍である。特に30〜60倍、さらに35〜55倍、さらに35〜50倍、さらに40〜50倍の範囲が好ましい。
【0053】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、その示差走査熱量計(DSC)測定(試料3〜6mg、温度範囲40℃〜220℃、昇温速度10℃/分)で得られるDSC曲線において、低温側と高温側に2つの融解ピークを有することが好ましい。2つの融解ピークを有すると、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形行う際、加熱温度範囲等の成形条件の幅が広くなる傾向にある。
【0054】
DSC曲線の2つの融解ピークに対応する、低温側融解熱(QL)と高温側融解熱(QH)から算出できる、高温側融解熱の比率(QH/(QH+QL)×100)(以下、DSC比という場合がある)が10〜40%の範囲にあることが好ましい。ここで、低温側融解熱(QL)は、低温側融解ピークと高温側融解ピークの間の極大点から融解開始温度付近のベースラインへ引いた接線と低温側融解ピークで囲まれる領域に相当する熱量である。また、高温側融解熱(QH)は、該極大点から融解終了温度付近のベースラインへ引いた接線と高温側融解ピークで囲まれる領域に相当する熱量である。
【0055】
DSC比が10%未満では、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の独立気泡率が低く、型内発泡成形体の収縮回復性が低下する傾向にある。DSC比が40%を超えると、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の型内発泡成形する際の二次発泡力が十分得られない場合があり、発泡粒子同士の融着の劣る型内発泡成形体が得られる場合がある。
【0056】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形に用いる場合には次のような公知の方法が使用しうる。イ)そのまま用いる方法、ロ)あらかじめ発泡粒子中に空気等の無機ガスを圧入して、発泡能を付与する方法、ハ)発泡粒子を圧縮状態で金型内に充填し成形する方法。これらの中でも、あらかじめ発泡粒子中に空気等の無機ガスを圧入して、発泡能を付与するロ)の方法が好適である。
【0057】
具体的には次の成形法によって型内発泡成形体を得ることが出来る。
1)ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を耐圧容器内で空気加圧し、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子中に空気を圧入することにより発泡能を付与する。
2)得られた発泡粒子を2つの金型からなる、閉鎖しうるが密閉し得ない成形空間内に充填する。
3)水蒸気などを加熱媒体として0.2〜0.4MPa程度のスチーム圧で3〜30秒程度の加熱時間で成形し、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子同士を融着させる。
4)金型を水冷する
5)金型を開いて、型内発泡成形体を取り出す。
【0058】
得られる型内発泡成形体の発泡倍率は、特に限定されないが、3〜90倍、好ましくは4〜60倍である。
【0059】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体は、断熱材、緩衝包装材、自動車内装部材、自動車バンパー用芯材などの用途に用いることができる。高発泡倍率の型内発泡成形体が使用されることが多い緩衝包装材に、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子から得られる型内発泡成形体を使用することは、特に望ましい使用法である。
【実施例】
【0060】
つぎに、本発明を実施例及び比較例に基づき説明する。なお、断りのない限り「部」「%」は重量基準である。なお、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子や型内発泡成形体の評価方法は次のとおりである。
【0061】
(ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡倍率)
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子3〜10g程度を取り、60℃で6時間乾燥したのち重量W(g)および水没体積V(cm3)を測定する。発泡倍率はポリプロピレン系樹脂の樹脂密度0.9(g/cm3)から次式によって計算される。
発泡倍率=V/(W/0.9)
【0062】
(平均気泡径)
ポリプロピレン系発泡粒子から任意に10個を取り出し、気泡膜が破壊されないように充分注意して発泡粒子を切断する。切断面の拡大顕微鏡写真(×100倍)において、表層部を除く部分に長さ2mmに相当する線分を引き、該線分が通る気泡数を数える。他の9個の発泡粒子についても同様に、気泡数を数え、発泡粒子10個の気泡数の平均を平均気泡数とする。発泡粒子の平均気泡径は、2mmを発泡粒子10個の平均気泡数で除して計算される。
【0063】
(型内発泡成形体の発泡倍率)
型内発泡成形体の乾燥重量W(g)、水没体積V(cm3)およびポリプロピレン系樹脂の樹脂密度0.9(g/cm3)から次式によって計算される。
型内発泡成形体の発泡倍率=V/(W/0.9)
【0064】
(型内発泡成形体の収縮回復性)
収縮回復性は外形寸法が400mm×300mm×20mmの平板成形用金型から得られた型内発泡成形体を用いて評価した。この平板状の型内発泡成形体を成形後、室温で1時間静置して、つぎに75℃で3時間養生した。さらに室温で1時間静置して、型内発泡成形体の長手方向の長さを測定した。金型の長さに対する型内発泡成形体の長さを求め収縮率を計算した。収縮回復性は次の基準により評価した。
◎:収縮率4%以下
〇:収縮率4%超で5%以下
△:収縮率5%超で6%以下
×:収縮率6%超
【0065】
(型内発泡成形体の表面性)
収縮回復性を評価した型内発泡成形体の表面を観察した。表面性は次の基準により評価した。
〇:しわ、粒間少なく、美麗
△:僅かなしわ、粒間あるが良好
×:しわ、ヒケがあり外観不良
【0066】
(型内発泡成形体の融着性)
収縮回復性を評価した型内発泡成形体を用いて評価した。型内発泡成形体にカッターナイフで約5mmのノッチを入れ、ノッチに沿って曲げ破断させた。破断面の状態を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:破断面において、発泡粒子界面で破断している割合が40%以下。
×:破断面において、発泡粒子界面で破断している割合が40%より大きい。
【0067】
(実施例1〜9、比較例1〜3)
ポリプロピレン樹脂(エチレン含量:4.0重量%、MFR:5.2g/10分、Mn:10万、Mw/Mn:3.7、融点:137℃)を用い、発泡剤含量、造核剤や造核助剤の種類や量を調整することにより表1に示す発泡倍率、平均気泡径およびDSC比を有する一段発泡粒子を製造した。なお、得られた一段発泡粒子は示差走査熱量計測定において、ほぼ131℃と151℃に2つの融点を示した。
【0068】
得られた発泡粒子(一段発泡粒子)を60℃にて6時間乾燥させたのち、耐圧容器内にて、加圧空気を含浸させて、内圧を約0.4〜0.5MPaにしたのち、約0.05〜0.08MPa(G)の蒸気と接触させることで二段発泡させ、発泡倍率30倍の二段発泡粒子を得た。得られた二段発泡粒子の平均粒子径を表1に示す。
【0069】
二段発泡させた発泡粒子を再度、耐圧容器内にて空気で加圧し、約0.17MPaの内圧を付与した。得られた発泡粒子を平板成形用金型(400mm×300mm×20mm)内に充填し、0.26MPa(G)の蒸気で型内成形し、発泡倍率44倍の型内発泡成形体を得た。得られた型内発泡成形体の融着性、収縮回復性及び表面性を表1に示す。また、図1に実施例、比較例における一段発泡粒子の発泡倍率と気泡径を図示した。
【0070】
【表1】

表1から明らかなように本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子は優れた収縮回復性を有する型内発泡成形体を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に用いる一段発泡粒子の発泡倍率と平均気泡径の範囲を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が5以下であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とし、発泡倍率が5倍以上18倍以下であり、平均気泡径が500μm以下で且つ下記式(1)を満たすもとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子をさらに発泡させることを特徴とする、もとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子より高発泡倍率であるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
平均気泡径(μm)≧230−8×発泡倍率 (1)
【請求項2】
もとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子がさらに下記式(2)を満たす請求項1に記載のもとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子より高発泡倍率であるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
平均気泡径(μm)≧240−8×発泡倍率 (2)
【請求項3】
もとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子がさらに下記式(3)を満たす請求項1又は2に記載のもとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子より高発泡倍率であるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
平均気泡径(μm)≦330−8×発泡倍率 (3)
【請求項4】
ポリプロピレン系樹脂が、共重合単量体成分としてエチレンを3.5重量%以上6重量%以下含む共重合体である請求項1〜3いずれかに記載のもとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子より高発泡倍率であるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
【請求項5】
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)が3g/10分以上8g/10分以下である請求項1〜4いずれかに記載のもとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子より高発泡倍率であるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
【請求項6】
ポリプロピレン系樹脂の数平均分子量(Mn)が5万以上15万以下である請求項1〜5いずれかに記載のもとのポリプロピレン系樹脂発泡粒子より高発泡倍率であるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6いずれかに記載の製造方法によって得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
【請求項8】
請求項7に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内成形して得られる型内発泡成形体。

【図1】
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【公開番号】特開2009−256410(P2009−256410A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104192(P2008−104192)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】